JP2006117983A - めっき皮膜ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品等に使用される金属材のステンレス鋼において、ステンレス鋼に耐腐食性、半田付け性の良い表面処理を施すことにより、めっき皮膜ステンレス鋼使用の電子部品等の信頼性を高める。
【解決手段】ステンレス鋼基材11の表面に膜厚が0.01〜0.05μmと極めて薄いニッケルストライクめっき層12を形成し、このニッケルストライクめっき層12を下地として、この上に膜厚の薄いパラジウム層13(膜厚50μm以上)と金層14(膜厚20μm以上)を順次形成する。この構成により、表面処理工程が簡単で、密着性を確保し、かつ耐腐食性と半田濡れ性の両面において優れためっき皮膜ステンレス鋼が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気接続用のコネクタや、パッケージ等の電子部品等に使用されるめっきにて表面処理されためっき皮膜ステンレス鋼に関する。
従来より、ステンレス鋼は一般に機械的強度に強く、また耐食性に優れた金属であり、普通には金属光沢を保ち腐食しないので、工業的に広く用いられている。これはステンレス鋼の表面に不動態皮膜とよばれる厚さが数ナノメートル(nm)程度と極めて薄く、透明の特殊な酸化物皮膜が存在し、腐食することを防いでいるからである。
しかし、この不動態被膜は電子部品用途の電気及び機械接続における半田付け性を悪くするため、少なくとも半田付けを必要とする電気接続部では、予め半田濡れ性を考慮しながらステンレス鋼の素材に色々な異種金属のめっきがなされている。
また、一般に金属素材に異種金属のめっきを行う場合、適度な硬度を有し、各種金属素材との密着性の良いニッケル層が中間層としてよく用いられ、ステンレス鋼基材のめっきにおいても、このニッケル層を中間層として、下地めっきする場合が多い。
このようなめっき皮膜ステンレス鋼として、例えば、ステンレス鋼基材にニッケル(Ni)を下地めっきして、その上に錫(Sn)めっき、あるいは金(Au)めっきを施したものがよく使用されている。
しかし、上記において、ステンレス鋼基材にニッケル層、錫(Sn)層を形成した場合は、プレッシャークッカーテスト(以下、PCTと略す)において半田濡れ性を損なうこと、大きな面積を処理すると色調にムラが出易いこと、及びウィスカが発生する等の問題があった。また、ステンレス鋼基材にニッケル層、金(Au)層を形成した場合は、金(Au)層の厚みが100Å以上でなければPCT後の半田付け性が良くなく、厚い金膜厚が必要なためにコスト高になること、及び厚い膜厚により色が金色になってしてしまう等の問題があった。
一方、前述のように、ステンレス鋼は、その表面に形成される不動態皮膜により、密着性の良好なめっき層が形成されないため、そのめっきにおいては、不動態皮膜を除去するストライクめっき等による活性化処理後、必要膜厚のめっき層を形成する方法が通常採用されている。
例えば、ステンレス鋼基材の表面にニッケルストライクめっき層(0.5μm程度)を形成し、その上にニッケル層(0.5〜5μm)を形成し、さらにパラジウム(Pd)層および最上位層に金(Au)層を形成することにより、密着性と半田付け性を向上させているものもある。
上記従来例におけるめっき皮膜ステンレス鋼の皮膜形成のプロセス例を図3(a)〜(e)を参照して説明する。図3(a)は、製造工程におけるステンレス鋼の表面処理プロセスを時系列に示している。また、各表面処理されたステンレス鋼(後述の41−2〜41−5)の概略断面図の部分拡大図を図3(b)〜(d)に示す。
図3(a)において、表面処理前の初期状態ステンレス鋼41−1では、ステンレス鋼基材42が不動態皮膜43で皮膜され、その不動態皮膜43の表面には、空気中の埃や人間の手の油等による汚れ44が付着している。そこで先ず、初期状態ステンレス鋼41−1は、ステップ1の脱脂処理45で汚れ44が脱脂されて脱脂ステンレス鋼41−2となり、次に、ステップ2の活性化処理46で不動態皮膜43が取り除かれ活性化ステンレス鋼41−3となる。この場合、活性化処理46はニッケルストライクめっきにより行う。
さらに、このニッケルストライクめっきにより形成されたニッケルストライクめっき層47の上に、ステップ3のめっき処理48により、ニッケル層49が形成されて、二層皮膜ステンレス鋼41−4が形成される。続いて、ステップ4のめっき処理50により、薄いパラジウム層51及び金(Au)層52を順に形成し、金(Au)層52、パラジウム層51、ニッケル層49及びニッケルストライクめっき層47の4層皮膜ステンレス鋼41−5が形成される。なお、図3(a)において、各表面処理後のステンレス鋼41−1〜41−5は概要断面図を示している。
図3(b)〜(e)は、図3(a)における脱脂ステンレス鋼41−2の部分A、活性化ステンレス鋼41−3の部分B、二層皮膜ステンレス鋼41−4の部分C、4層皮膜ステンレス鋼41−5の部分Dの、それぞれの拡大図を示している。ステンレス鋼42は、汎用のSUS304を用いており、その組成は、ニッケル(Ni)を8%、クロム(Cr)を18%、鉄(Fe)を74%含有し、各図(b)〜(e)において、概略的にNi分子を41a、Cr分子を41bで示し、Fe分子41cはNi分子41aとCr分子41b以外の部分を示す。ニッケルストライクめっき後の図3(c)〜(e)では、活性化したステンレス鋼42とニッケルストライクめっき層47のニッケルが結合し、密着性をより強くする。
上記の従来例では、密着性を良くするためニッケルストライクめっき層47の膜厚を約0.5μm程度とかなり厚くし、さらに、その上に、ピンホールを減らすため膜厚の厚い(0.5〜数10μm)ニッケル層を形成している。
しかし、この構成のめっき皮膜ステンレス鋼の場合でも、ニッケルストライクめっき層47と、ニッケル層49とにより密着性は良くなるが、このニッケル層49は、ステンレス鋼基材42より錆び易く、また、上層の金層52、パラジウム層51は錆びないが、それらの膜厚が極めて薄いためピンホールを多く持ち、このピンホールにより、一番錆び易いニッケル層49が腐食され、点線で囲まれる腐食部53のようにニッケル自体の酸化と下地素材のステンレス鋼内部の鉄も酸化され、耐腐食性において必ずしも十分な特性が得られていない。さらに、製造処理工数が増え、コスト的に高くなるという問題があった。
これらに対し、Ag、Pd、Cu、Sn等の金属めっき層と素地ステンレス鋼との中間に厚さ300〜1200Åのニッケル中間層を有し、金属めっき層の割れの防止、耐食性を改善するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、金属素材の上に、Pd及びAuをめっきするものとして、素材面に複数層の金属皮膜が形成された半導体装置用リードフレームにおいて、素材全面に直接もしくは下地金属皮膜を介して厚さ0.3μm以下のPdまたはPd合金皮膜を形成し、そのPd皮膜上に膜厚0.001〜0.1μmの金(Au)皮膜を形成し、半田付け性を向上するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ステンレス鋼にニッケルストライクめっき層を形成し、その上にニッケル層を形成するものとして、ステンレス鋼板表面に膜厚0.02〜0.25μmのニッケルストライクめっきを形成し、その上に膜厚1〜5μmのニッケルめっき層を形成し、光沢性と低接触抵抗を向上するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの表面処理したステンレス鋼においても、ステンレス鋼基材との密着性、耐腐食性、かつ半田付け性のすべてにおいて満足させるものが得られておらず、また、従来の対応では、表面処理工数が多く、工程も複雑になりコスト的に高くなるという問題を有していた。
特開昭60−131996号公報 特開平4−115558号公報 特開2000−282290号公報
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、ステンレス鋼基材に極めて薄いニッケルストライクめっき層を形成し、このニッケルストライクめっき層に直接、パラジウム層及び金層を形成することにより、表面処理工程が簡単で、上位層の金属層との必要な密着性を確保し、耐腐食性と半田濡れ性の両面において優れた信頼性の高いめっき皮膜ステンレス鋼を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ステンレス鋼素材の表面にニッケルストライクめっき層を形成し、該ニッケルストライクめっき層の膜厚を0.01〜0.05μmとすると共に、該ニッケルストライクめっき層を下地層としてその表面にパラジウム層を形成し、さらにこのパラジウム層の表面に金層を形成するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のめっき皮膜ステンレス鋼において、少なくとも前記金層の膜厚を20Å以上、パラジウム層の膜厚を50Å以上とするものである。
請求項1の発明によれば、ニッケルストライクめっき層の厚みを極めて薄くすることにより、従来の金層を上層とするパラジウム層とステンレス鋼基材との間に厚い(0.5μm程度)ニッケルストライクめっき層とニッケル層を順に形成した場合に比べ、上位層の金層及びパラジウム層との密着性を確保しながら耐腐食性を向上できるめっき皮膜ステンレス鋼を得ることができる。
請求項2の発明によれば、良好な半田濡れ性を得ることができ、半田付け性の優れためっき皮膜ステンレス鋼を得ることができる。
以下、本発明の実施形態に係るめっき皮膜ステンレス鋼について図1及び図2(a)〜(d)を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るめっき皮膜ステンレス鋼の概略断面構成を示す。めっき皮膜ステンレス鋼は、ステンレス鋼11を基材として、その表面にニッケルストライクめっき層12(図1では、Ni−stと略す)を形成し、さらにニッケルストライクめっき層12の上に直接、パラジウム(Pd)層13と金(Au)層14を順に形成している。この構成により、従来の、金層を上層とするパラジウム層とステンレス鋼との間に厚い(0.5μm程度)ニッケルストライクめっき層とニッケル層を形成した場合に比べ、必要な密着性を確保しながら、良好な耐腐食性、半田付け性とを備えためっき皮膜ステンレス鋼を得ることができた。
上記実施形態におけるめっき皮膜ステンレス鋼の皮膜形成のプロセス例を図2(a)〜(d)を参照して説明する。図2(a)は、製造工程におけるステンレス鋼の表面処理プロセスを時系列に示している。また、各表面処理されたステンレス鋼(後述の21−2〜21−4)の概略断面図の中の部分拡大図を図2(b)〜(d)に示す。
図2(a)において、表面処理前の初期状態ステンレス鋼21−1では、ステンレス鋼基材22が、不動態皮膜23で皮膜され、その不動態皮膜23の表面には、空気中の埃や人間の手の油等による汚れ24が付着している。そこで先ず、初期状態ステンレス鋼21−1は、ステップ1の脱脂処理25により、汚れ24が脱脂されて脱脂ステンレス鋼21−2となり、次に、ステップ2の活性化処理26で不動態皮膜23が取り除かれ活性化ステンレス鋼21−3となる。この場合、活性化処理はニッケルストライクめっきにより行う。
次に、ニッケルストライクめっきにより形成されたニッケルストライクめっき層27の上に、ステップ3のめっき処理28により、パラジウム層29を形成し、その上に金(Au)層30を形成して、金(Au)層、パラジウム層及びニッケルストライクめっき層の3層皮膜ステンレス鋼21−4が形成される。この場合、この金層の膜厚を20Å以上とし、パラジウム層の膜厚を50Å以上とすることにより、半田付け性を良くすると共に、金及びパルジウムの薄い膜厚により低コスト化を実現している。なお、図2(a)において、各表面処理後のステンレス鋼21−1〜21−4は概要断面図を示している。
図2(b)〜(d)は、図2(a)における脱脂ステンレス鋼21−2の部分A、活性化ステンレス鋼21−3の部分B、三層皮膜ステンレス鋼21−4の部分Cにおけるそれぞれの拡大図を示している。ステンレス鋼21の素材は、汎用のSUS304を用い、その組成は、ニッケル(Ni)を8%、クロム(Cr)を18%、鉄(Fe)を74%含有しており、各図(b)〜(d)において、概略的にNi分子を21a、Cr分子を21bで示し、Fe分子21cはNi分子21aとCr分子21b以外の部分を示す。ニッケルストライクめっき後の図2(c)、(d)では、活性化したステンレス鋼とニッケルストライクめっきのニッケルが結合し、密着性をより強くしている。
上記の実施形態では、従来のようにニッケルストライクめっき層の上にさらにニッケル層を設けるのではなく、ニッケル層を省き、ニッケルストライクめっき層27のみとし、その膜厚を約0.01〜0.05μmと極めて薄くして、ピンホールを増やすことにより、電位分散を拡大できるようにし、金属間電位差を小さくすることにより、密着性を確保しながら特に耐腐食性を向上している。また、金層の膜厚を20Å以上、パラジウム層の膜厚を50Å以上にすることにより、良好な半田濡れ性を得ることを確認した。
このようにして得られた皮膜ステンレス鋼は、特に耐食性に優れ、電気製品用のコネクタや電子部品の電気接続部材等の金属鋼材としては極めて信頼性の高いものであった。
次に、上述の実施形態において、半田濡れ性の有効性を実験的に評価するため、金(Au)層と、パラジウム(Pd)層の膜厚をパラメータとして半田濡れ性を測定した。測定試験は、メニスコグラフ(ソルダ−チェッカ)による判定により行い、使用機種は株式会社レスカ、SAT−5100型、半田条件は、SnAgCu(千住金属工業株式会社)の半田を用い、温度250℃、浸漬深さ0.5mm、浸漬時間5秒、スピード0.4mm/秒、感度2mN、フラックスはPOF3000M(千住金属工業株式会社)で行い、判定基準はゼロクロス時間3秒以下で行った。この評価結果を表1a、表1bに示す。同表で○印は、ゼロクロス時間3秒以下の良好な場合を示す。
Figure 2006117983
Figure 2006117983
表1aは、金(Au)及びパラジウムめっき後の半田濡れ性の評価結果を示し、この評価では、金層、パラジウム層の厚みに関係なく、全てゼロクロス時間3秒以下の良好な半田濡れ性を示した。
表1bは金(Au)及びパラジウムめっき後、プレッシャークッカーテスト(以下、PCTと略す)を16時間行った後、上記と同様の半田濡れ性の評価を行った結果を示す。同図から明らかなように、金(Au)層の膜厚が20Å以上、パラジウム層の膜厚が50Å以上で、ゼロクロス時間3秒以下の良好な半田濡れ性を示した。これにより、すくなくとも金(Au)層の膜厚が20Å以上、パラジウム層の膜厚が50Å以上であれば良好な半田濡れ性を得ることができることが確認できた。
次に、本実施形態の耐腐食性能の有効性を実験的に評価するため、耐塩水腐食評価試験及び耐亜硫酸ガス腐食評価試験を行った。それらの試験はステンレス鋼基材にニッケルストライクめっき層、パラジウム層(50μm以上)、金層(20μm以上)を形成しためっき皮膜ステンレス鋼を、ニッケルストライクめっき層の膜厚をパラメータとして、上記PCT16時間後の半田濡れ性評価と共に行った。実験にあたり、従来のめっき皮膜ステンレス鋼を比較例として比較評価した。以上の耐塩水腐食評価試験及び耐亜硫酸ガス腐食評価試験及び半田濡れ性評価の結果を表2にまとめて示す。なお、ニッケルストライクめっきの実験条件は、通常範囲と併せて表3に示している。
Figure 2006117983
Figure 2006117983
(比較例1)
図3に示す従来例におけるステンレス鋼基材にニッケルストライクめっき層、ニッケル層、パラジウム層、金層を形成しためっき皮膜ステンレス鋼を比較例1とした。この比較例1では、各層の膜厚は、ニッケルストライクめっき層約0.5μm、ニッケル層0.5〜5μm、パラジウム層50Å以上、金層20μm以上とした。
(比較例2)
従来から使用されているステンレス鋼にニッケル層を下地層として形成し、その上に錫(Sn)めっきを施しためっき皮膜ステンレス鋼を比較例2とした。
(耐塩水腐食評価試験)
実施形態1及び比較例1、2の形成部材をテストピースとして、塩水による耐腐食評価試験を行った。これらの測定は、塩水試験条件として、温度35℃に保たれた5%の塩化ナトリウム水溶液の試験課装置で92時間おいて行い、その結果をそれぞれ観察し、耐腐食性を評価した。耐腐食性の判定基準は3段階とし、評価基準は次の通りである。
「○」・・・腐食面積10%以下
「△」・・・腐食面積30%未満
「×」・・・腐食面積30%以上
(耐亜硫酸ガス腐食評価試験)
実施形態1及び比較例1、2の形成部材をテストピースとして、亜硫酸ガスによる耐腐食評価試験を行った。
これらの測定は、試験条件として、濃度10ppmの亜硫酸ガス含有雰囲気中に、40℃、湿度95%RHの条件で48時間暴露して行い、その結果をそれぞれ観察し、耐腐食性を評価した。耐腐食性の判定基準は3段階とし、評価基準は上記耐塩水腐食評価試験と同じである。
表2の各評価試験結果から明らかなように、耐塩水テスト及び耐亜硫酸ガステストにおいて、比較例1は、半田濡れ性は良いが、耐腐食性が悪く、比較例2は、耐腐食性は良いが、半田濡れ性が悪いと言うように、両特性を満足できていないのに対して、本実施形態では、ニッケルストライクめっき層(Ni−st層)が約0.01〜0.05μmと極めて薄くすることにより、良好な耐腐食特性と半田濡れ性を示すことが確認できた。
以上述べたように、本発明によるめっき皮膜ステンレス鋼によれば、ステンレス鋼基材に極めて薄いニッケルストライクめっき層(0.01〜0.05μm)を形成し、このニッケルストライクめっき層に直接、薄いパラジウム層(50Å以上)及び金層(20Å以上)を形成することにより、ニッケルストライクめっき層と上層のパラジウム層、及び金層との密着性を確保すると共に、ニッケルストライクめっきの薄いニッケル層により生じる電位分散の電位差緩衝作用により、極めて耐腐食性の高い、半田付け性の優れた、信頼性の高いめっき皮膜ステンレス鋼を得ることができた。また、従来の、ニッケルストライクめっき層に比べ、膜厚を約10分の1以下に薄くしため、めっき処理時間も約10分の1以下に短くでき、表面処理が時間短縮されると共に、さらに、従来のニッケルストライクめっき層上へのニッケル層めっきを必要としないので表面処理工程が少なくなり、生産工数を削減でき、低コスト化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。本実施形態では、活性化処理にニッケルストライクめっきを用いたが、例えば、ホウフッ化処理や、化学研磨、電解研磨、金(Au)ストライクめっき、銅(Cu)ストライクめっき、及び直接スパッタや蒸着のような他の活性化処理でもよい。特にホウフッ化処理方法は有効である。
また、ステンレス鋼のめっき皮膜について述べたが、このめっき皮膜処理はステンレス鋼だけでなくアロイ42等の他の金属でも使用することができ、同様に、半田付け性、耐腐食性の良好なめっき皮膜金属材を実現することできる。
本発明の一実施形態におけるめっき皮膜ステンレス鋼の概略断面図。 同上のめっき皮膜ステンレス鋼の皮膜形成プロセスを説明する図であり、(a)は皮膜形成の表面処理プロセスを時系列的に示す図、(b)〜(d)は、(a)における脱脂ステンレス鋼、活性化ステンレス鋼、及び三層皮膜ステンレス鋼の各概要断面図の部分A、部分B及び部分Cのそれぞれの拡大図。 従来のめっき皮膜ステンレス鋼の皮膜形成プロセスを説明する図であり、(a)は上記皮膜形成の表面処理プロセスを時系列的に示す図であり、(b)〜(e)は、(a)における脱脂ステンレス鋼、活性化ステンレス鋼、二層皮膜ステンレス鋼及び4層皮膜ステンレス鋼の各概要断面図の部分A、部分B、部分C及び部分Dのそれぞれの拡大図。
符号の説明
11 ステンレス鋼基材
12 ニッケルストライクめっき層
13 パラジウム層
14 金層
22 ステンレス鋼基材
23 不動態皮膜
24 油・汚れ
25 脱脂処理
26 活性化処理(ニッケルストライクめっき)
27 ニッケルストライクめっき層
28 めっき処理(Pd、Auめっき)
29 パラジウム層
30 金層
42 ステンレス鋼基材
43 不動態皮膜
44 油・汚れ
45 脱脂処理
46 活性化処理(ニッケルストライクめっき)
47 ニッケルストライクめっき層
48 めっき処理(Niめっき)
49 ニッケル層
50 めっき処理(Pd、Auめっき)
51 パラジウム層
52 金層
53 腐食生成物

Claims (2)

  1. ステンレス鋼素材の表面にニッケルストライクめっき層を形成し、該ニッケルストライクめっき層の膜厚を0.01〜0.05μmとすると共に、該ニッケルストライクめっき層を下地層としてその表面にパラジウム層を形成し、さらにこのパラジウム層の表面に金層を形成することを特徴とするめっき皮膜ステンレス鋼。
  2. 少なくとも前記金層の膜厚を20Å以上、パラジウム層の膜厚を50Å以上とすることを特徴とする請求項1に記載のめっき皮膜ステンレス鋼。
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