JP2006117749A - プラスチック材の変形保持性改良方法 - Google Patents

プラスチック材の変形保持性改良方法 Download PDF

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Atsuto Tadokoro
淳人 田所
Shinichi Tokutome
伸一 徳留
Katsushi Yuta
勝志 夕田
Yasushi Kamimura
安史 上村
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Abstract

【課題】 二酸化炭素による地球温暖化や石油枯渇問題、プラスチックのゴミ問題などに効果があるとされている樹脂等の天然素材と生分解性樹脂だけで構成した新しいプラスチックの変形保持性改良方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる脆弱樹脂グループ100重量部に対して、少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる柔軟樹脂グループを5〜300重量部混合したものであって、該脆弱樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が1〜30%であり、該柔軟樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が50〜1000%である樹脂混合物を、押出成形し、常温に冷却後、30〜150℃で熱処理するもの。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチック材の変形保持性改良方法に関するものである。
プラスチック材の中には、その塑性変形性を利用した用途を有するものがある。例えば、園芸用捻り紐、こより、モールやねじり紐及び果樹園の芯材の針金代替、文房具用ファスナー、名札や組み立て箱用シート等である。これらは、折曲又は湾曲させた個所が、弾性によって復元しては使用できず、できるだけ塑性変形する方がいいものである。
例えば、園芸用捻り紐が、捻った後にゴムやバネのように元に戻ると、固定できず用をなさない。
このような塑性変形は従来プラスチックは難しいとされていた。即ち、破断するか復元するかになってしまい、好ましい塑性変形はできなかった。
そこで、従来この種のものはほとんど金属性であるか、又は中心に金属を有するものであった。
しかし、金属製のものは高価であるだけでなく、不燃物であり、リサイクルも難しいという問題がある。よって、焼却可能なプラスチックのみで製造することが望ましい。
更に、より環境を考慮して、生分解するもの、即ち地中で自然に分解されるもの、植物由来のもの等が要望されるようになりつつある。
そこで、二酸化炭素による地球温暖化や石油枯渇問題、プラスチックのゴミ問題などに効果があるとされている樹脂等の天然素材と生分解性樹脂だけで構成した新しいプラスチックの変形保持性改良方法を提供する。
以上のような現状に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明プラスチック材の変形保持性改良方法を完成したものであり、その特徴とするところは、少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる脆弱樹脂グループ100重量部に対して、少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる柔軟樹脂グループを5〜300重量部混合したものであって、該脆弱樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が1〜30%であり、該柔軟樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が50〜1000%である樹脂混合物を、押出成形し、常温に冷却後、30〜150℃で熱処理する点にある。
本発明でいうプラスチック材とは、前記した園芸用捻り紐、こより、モールやねじり紐及び果樹園の芯材の針金代替、文房具用ファスナー、名札や組み立て箱用シートばかりでなく、形状保持性が問題になるすべてのプラスチック材料である。
ここで、生分解性を有するポリエステルは、すでに多数知られており、代表的なものはポリ乳酸である。これは、乳酸(HOCHCH3COOH)の自己縮合ポリマーであり、構造式は、HO(CHCH3COO)nHである。これは、一般には石油から合成されるのではなく、植物から製造されるものがほとんどである。
また、これ以外の直鎖状のポリエステル(側鎖があってもなくても)も生分解性を有するものがある。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンのような多価アルコールと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、ドデカン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸及びこれらの無水物との縮重合物、更に、ラクチドやε−カプロラクトンなどの環状エステルの開環重合物、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸のような縮重合物等がある。これらのコポリマーでも、混合物でもよい。
勿論、これに限定するものでなく、ポリエステルで生分解性を有するものであればよい。
本発明では、単に生分解性を有するポリエステルを利用するのではなく、少なくとも2つの異なった物性を持つものを混合したものである。
2つの異なった物性とは、その柔軟性についての差をいう。即ち、柔軟性が大きい柔軟樹脂と柔軟性に乏しい脆弱樹脂を混合するということである。ここでは、脆弱樹脂グループはその引張特性における伸度が1〜30%のポリエステルであり、柔軟樹脂グループはその引張特性における伸度が50〜1000%のポリエステルである。
引張特性における伸度は、次のような方法で行なった。引張特性の測定方法はJISK7113に従って測定した。また、成形品の測定は成形品を120mmにカットし、掴み治具間距離を80mmとし、23℃で、引張速度50mm/分で測定した。ただし、成形品が紐状の場合には、一般に用いられる標線間距離を掴み治具間距離として伸度を算出した。
l=(L−L0)/L0×100
l=伸び(%)
L=破壊時の標線間距離(mm)
0=元の標線間距離(mm)
このようなものを上記の生分解性ポリエステルから選べばよい。上記の物性は、単にポリエステルの種類だけでなく、重合度や重合型(ブロック重合やランダム重合等)等によっても異なるものである。一般的にポリ乳酸は、非常に脆く、引張特性における伸度が5〜15%のものが多い。これは、主鎖のCCの連続部が長いほど伸びが大きくなる傾向があると考えられる。本発明では、分子構造ではなく、この伸度が重要であるため、構造等は特に限定するものではない。
混合の方法は、脆弱樹脂グループが1種、柔軟樹脂グループが1種のように2種だけでも、どちらも複数種混合する等自由である。
上記した2成分の混合比率は、脆弱成分100重量部に対して、柔軟成分が5〜300重量部である。特に、20〜70が好適であった。これは、材料の用途によって異なるものである。要するに、分解性や強度、変形保持性等の兼ね合いである。
この樹脂成分にフィラーを混合してもよい。
ここでいうフィラーとは、単なる粉体の増量剤という意味である。有機系と無機系がある。有機系としては、澱粉、ケナフ、竹粉等であり、無機系としては、タルク、シリカ、酸化チタン、炭カル等通常使用されているものでもよい。しかし、発明者の実験によると、炭カル、タルクが最も優れていた。特にタルクは、結晶水を有するマグネシウム、珪素の酸化物であり、結晶核剤となりうるものである。これを添加することによって結晶化を促進するものと考えられる。
この無機フィラーの混合によって、見掛け上の生分解速度が向上する。
このフィラーの混合量としては、樹脂成分100重量部に対して、1〜100重量部である。混合量が増加すればする程、見かけ上の分解速度は速くなるが、100重量部以上になると、成形性や強度が落ちる。
本発明に用いる樹脂には、上記した成分に更に他の添加剤を加えてもよい。例えば、顔料、香料、紫外線吸収剤等である。要するに、本発明の趣旨に反しない限り、増量剤や他の樹脂等何を加えてもよいということである。
この樹脂材料を通常通り押出成形する。これはどのような方法でもよい。熱可塑性であるため、加熱溶融しダイから押出せばよい。
次にこの押出したものを冷却する。冷却の方法は自然冷却でも、冷風冷却でもどのような方法でもよい。冷却温度は常温でよい。
冷却後の熱処理の温度は、30〜150℃である。好ましくは50〜100℃である。加熱の方法は、温水中又は加熱空気中を通過させる、加熱水蒸気を用いる方法、ヒーターを用いる方法等自由である。
熱処理は冷却後直ちに行っても、時間を置いてから行ってもよい。製造効率からすると、冷却後直ちに行う方がよい。また、オンラインで連続的に行っても、裁断した後個々に行ってもよい。
加熱時間は、材質によって、空気式、温水式等によって、また押出成形したものの厚み等によって異なるが、通常は数秒から効果が発揮される。逆に数分以上行ってもあまり変わらなくなる。よって、数秒から数分が好適である。
本発明では、このような熱処理によって、ある種のプラスチックの変形保持性が大きく改善されることを見出したのである。この理由は定かではないが、2種のポリエステルが、完全に均一混合されているのではなく、ミクロ相分離構造を示し、造海島構造か、縞模様構造をとっていると考えられるためである。
プラスチックの塑性変形は、結晶化している場合には、その結晶にクラックが入ると塑性変形すると考えられる。しかし、完全にクラックが端から端に到達すると破断する。よって、非常にミクロに破断が生じ、且つそれが長く繋がらないような構造が望ましい。
本発明のような柔軟成分と脆弱成分の混合物では、折り曲げると、脆弱成分にクラックが入り塑性変形するが、そのクラックが柔軟成分に来るとそこでクラックが止まると考えられる。
また、本発明のような熱処理を行うと、断言はできないが、このシートやフィルムの変形保持性の向上に適したように結晶が成長又は整列するものと考えられる。
本発明プラスチック材の変形保持性改良方法には次のような利点がある。
(1) 熱処理を施さないものと比較して、変形保持性が大きく向上するため、その種の用途のものには非常に大きな品質向上になる。
(2) 変形保持性が良いため、従来金属しか使用できなかった分野にも廃棄等の簡単なプラスチックが使用できるようになる。
(3) 方法が簡単で単に加熱するだけであり安価で、時間もかからない。
(4) 本発明は生分解性プラスチックの熱処理であり、環境にやさしい自然分解プラスチックである。
以下好適な実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
ポリエステル樹脂として次の5つを準備した。
1 レイシアH440(ポリ乳酸:三井化学社製:表1ではレイシアと表示)・引張特性における伸度:8%
2 ビオノーレ#1001(ポリブチレンサクシネート/アジペート:昭和高分子社製:表ではビオと表示)・伸度:430%
3 セルグリーン CBS 171(ポリε−カプロラクトン/ブチレンサクシネート:ダイセル化学社製:表ではセルと表示)・伸度:200%
4 エコフレックス(ポリブチレンテレフタレート/アジペート:BASF社製:表ではエコと表示)・引張特性における伸度:650%
5 GS PlaAZ81T(ポリブチレンサクシネート:三菱化学社製:表ではGSと表示)・伸度:200%
実験サンプルの混合比率、及び他の添加材は表1のとおりである。数値はすべて重量部である。また、フィラーは、aはポリブチレンテレフタレート粉末、bは炭カル、cはタルクである。
Figure 2006117749
これらの樹脂で、通常に押出成形し、0.6mm厚のシートを製造し、冷却後60℃の温水の入った恒温槽に2分間浸漬して熱処理を行なった。
そしてできたシートを130mm×6mmの短冊にカットし、短冊の両端をつまみループ(両端同士をくっつけた)を作り、そのループを圧縮ジグでつぶした。圧縮荷重は、3.7kgで、10秒間圧縮した。
圧縮後10分間放置し、分度器で開いた角度を測定した。保形性の数値は、この角度である。
この表1から明らかなように、本発明実施例は熱処理を行わないものでも、変形保持性は優れているが、熱処理を行なうとすべてわずかでも改善された。比較例のものでも熱処理によって改善されたものもあるが、改善された数値でも、とてもファスナー等に使用できるものではなかった。
次に熱処理温度と時間の関係を実験した。
実施例1の樹脂を用いて、熱処理温度を55〜95℃まで、熱処理時間を10〜900秒まで変化させてその結果を調べた。その結果を表2に示す。左欄は熱処理温度(℃)であり、上欄は熱処理時間(秒)である。
Figure 2006117749
表2と同じ条件で、熱処理しないものは角度22度であった。この表から熱処理温度は高すぎても、低すぎても効果は小さくなることが分かる。傾向としては、低い温度で比較的長時間、高い温度で短時間が望ましいようである。

Claims (2)

  1. 少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる脆弱樹脂グループ100重量部に対して、少なくとも1種の生分解性を有するポリエステル樹脂からなる柔軟樹脂グループを5〜300重量部混合したものであって、該脆弱樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が1〜30%であり、該柔軟樹脂グループの樹脂の引張特性における伸度が50〜1000%である樹脂混合物を、押出成形し、常温に冷却後、30〜150℃で熱処理することを特徴とするプラスチック材の変形保持性改良方法。
  2. 更に、樹脂100重量部に対して、フィラーを1〜100重量部混合したものである請求項1記載のプラスチック材の変形保持性改良方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029114A (ja) * 2007-06-22 2009-02-12 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 充填剤を分散させた状態の溶融混練物の製造方法、溶融混練物の製造方法により得られる樹脂成形物、その製造方法若しくはその用途
JP2016106171A (ja) * 2011-02-02 2016-06-16 三菱化学株式会社 ポリエステル樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなるフィルム、および該フィルムを成形してなる袋

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