JP2006117089A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドア構造を複雑にすることなく、操舵する車輪に干渉せずに自動車用ドアの開閉を行うことができるようにすることを目的とする。
【解決手段】 フロントドア12を開ける時に、車輪30の操舵角度を検出して(100、102)、フロントドアの開閉軌跡内に車輪がある場合、すなわち車輪の操舵角度がフロントドアの開放によって干渉する位置である場合に、車輪の操舵角度を移動して干渉しない位置に変更した後に(104、106)フロントドア12を開ける(108)。
【選択図】 図6

Description

本発明は、車両用制御装置にかかり、特に、4リンクタイプのスライドドアを含むスライドドアの開閉を行う車両に適用可能な車両用制御装置に関する。
従来より、自動車用ドアとしてスライドドアが提案されており、例えば、一般的なレールを用いたスライドドアや、複数のリンク(例えば、4リンク)を用いてリンクの回転軌跡によってドアを車両全長方向にスライドさせるスライドドアや、これらのスライドドアを組み合わせたスライドドアなどが提案されている。
スライドドアは、一般的なヒンジを使用したスイングドアよりもドア開時に車幅方向のリフト量(車体からの出代)が少ないという特徴を有している。
しかしながら、操舵輪の方向にスライドドアをスライドさせる場合には、車輪の操舵角による車両からの出代を考慮しないと、車輪の操舵角によっては車輪とスライドドアが干渉してしまう、という問題がある。従って、車輪の操舵角による車輪の車両からの出代を考慮する必要があるため、スライドドアの車幅方向のへの出代は、ドアの厚みと車両からの車輪の出代とそのクリアランスが必要となってしまい、ドア全体の車幅方向への飛び出し量が大きくなってしまう。さらに、これにドアミラーの出代を考慮すると、車幅方向へのドアの飛び出し量は更に大きくなってしまい、スライドドアの利点が少なくなってしまう。
このような問題を解決するために特許文献1に記載の技術では、ドア下部の車輪と干渉する部分を分割して、ドア上部の車輪と干渉しない部分のみをスライドすることが提案されている。
特開2001−180276号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ドアを上下に分割する必要があり、ドア構造が複雑化すると共に、上下のドアの開閉を連動して行わなければならない、という問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ドア構造を複雑にすることなく、操舵する車輪に干渉せずに自動車用ドアの開閉を行うことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、車両の全長方向に移動可能なドアを備えた車両を制御する車両用制御装置であって、前記ドアの開動作を検出する検出手段と、前記ドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かを判断する判断手段と、前記ドアの開動作がなされたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に 前記操舵輪が存在すると判断されたときに、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
例えば、所謂4リンクやスライドレール等を用いて、車両の全長方向に移動する自動車用ドアは、ドアの車幅方向への出代を最小に設定して、車両の操舵輪の方向に移動させようとすると、上述したように車輪の操舵角によってドアと車輪が干渉することが考えられる。
そこで、請求項1に記載の発明によれば、検出手段によってドアの開動作を検出し、判断手段によってドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かを判断して、ドアの開動作がなされたときに、制御手段によってドアと操舵輪が干渉しないように制御するようにしている。このように制御することによって、ドアを分割するなどの複雑な構成とすることなく、ドアと操舵輪の干渉を防止することができる。
従って、ドア構造を複雑にすることなく、操舵する車輪に干渉せずに自動車用ドアの開閉を行うことができる。
なお、検出手段は、ドアノブに乗員が手を掛けて時からドアを開ける動作までを検出するようにしてもよい。例えば、請求項3に記載の発明のように、ドアが開いたことを検出するドアスイッチ(所謂カーテシスイッチ)又はドアの位置を検出するドア位置センサ等を適用するようにしてもよい。
請求項2に記載の発明は、車両の全長方向に移動可能なドアを自動的に開閉するために操作されるオートドアスイッチが操作されたか否かを検出する検出手段と、前記ドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かを判断する判断手段と、前記ドアを開くように前記オートドアスイッチが操作されたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に前記操舵輪が存在しないと判断されたときに前記ドアを全開位置まで移動させ、前記ドアを開くように前記オートドアスイッチが操作されたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に前記操舵輪が存在すると判断されたときに、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、検出手段によってオートドアスイッチが操作されたか否かが検出され、判断手段によってドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かが判定される。そして、制御手段では、ドアを開くようにオートドアスイッチが操作されたことが検出され、かつドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しないと判断されたときに、ドアを全開位置まで移動させ、ドアを開くようにオートドアスイッチが操舵されたことが検出され、かつドアの移動軌跡上に操舵輪が存在すると判断されたときに、ドアと操舵輪とが干渉しないように制御される。
このように制御手段によって制御することで、ドアを分割するなどの複雑な構成とすることなく、ドアと操舵輪の干渉を防止することができる。
従って、ドア構造を複雑にすることなく、操舵する車輪に干渉せずに自動車用ドアの開閉を行うことができる。
なお、請求項1及び請求項2の判断手段は、請求項4に記載の発明のように、操舵輪の操舵角を検出する舵角センサを含み、検出した操舵角に基づいてドアの移動軌跡上に操舵輪が存在するか否かを判断するようにしてもよい。
また、上記制御手段は、請求項5に記載の発明のように、操舵輪の操舵角の大きさを制御することによって、ドアと操舵輪とが干渉しないように制御することが可能となる。この時、請求項6に記載の発明のように、移動量検出手段を更に含んで、制御手段が、ドアの移動量に応じて操舵角の大きさを制御するようにしてもよい。このように、操舵輪の操舵角を制御することで、ドアと操舵輪とが干渉しないように制御することが可能となる。
また、制御手段は、請求項7に記載の発明のように、ドアの移動を規制するように制御することによっても、ドアと操舵輪とが干渉しないように制御することが可能となる。この時、請求項8に記載の発明のように、制御手段がドアと操舵輪とが干渉する直前でドアの移動を規制するようにしてもよい。ドアの移動規制は、ドアが開くのを規制、すなわちドアの開くのを禁止するようにしてもよい。
或いは、制御手段は、請求項9に記載の発明のように、予め定めた開口量だけドアを移動するように制御することによっても、ドアと操舵輪とが干渉しないように制御することが可能となる。この時、請求項10に記載の発明のように、開口量は、操舵輪の操舵角の大きさに応じて定めるようにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば、ドア構造を複雑にすることなく、操舵する車輪に干渉せずに自動車用ドアの開閉を行うことができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の実施の形態に係わる自動車用ドアの開閉機構の配置を示す図であり、図2は本発明の実施の形態に係わる自動車用ドアの開閉機構を示す図である。なお、図2は、図1のA−A断面を示す。
図1に示すように、自動車用ドアの開閉機構10は、フロントドア12に設けられ、フロントドア12の開閉を行う機構である。自動車用ドアの開閉機構10は、サイドシル14とフロントドア12の下端部を接続し、フロントドア12を開閉するようになっている。
自動車用ドアの開閉機構10は、4リンク機構とスライド機構によってフロントドア12の開閉を行う。
詳細には、図2に示すように、4リンク機構は、2本のアーム16、18からなり、当該2本のアーム16、18によってサイドシル14とフロントドア12とが連結されている。
アーム16、18のそれぞれの一端は、サイドシル14に設けられたリンクベース20に回転可能に軸支されていると共に、他端はそれぞれフロントドア12に設けられたヒンジベース22に回転可能に軸支されている。すなわち、2本のアーム16、18の各端部が回転することによって、図2の点線の状態から図2の実線の状態となり、フロントドア12が開放され、逆に、図2の実線の状態から図2の点線の状態に2本のアーム16、18の各端部が回転することによって、フロントドア12が閉じられる。
リンクベース20には、回転規制部材20Aが設けられており、アーム16の回転が予め定められた角度以上回転しないように規制されるようになっている。なお、図2の実線で示すアーム16位置で回転規制部材20Aにアーム16が突き当たってアーム16の回転が規制される。
ヒンジベース22には、ロック機構24が設けられており、アーム16に設けられた切り欠き16Aにロック機構24が係合することで、アーム16が切り欠き16Aの設けられたところまで回転したところで、アーム16がロックされ、フロントドア12を閉める方向へのアーム16の回転が規制されるようになっている。
スライド機構は、フロントドア12に設けられたスライドレール26とスライドレール26を移動するヒンジベース22からなり、図3に示すように、スライドレール26にヒンジベース22がスライド可能に係止されている。すなわち、スライドレール26とヒンジベース22とがスライド移動するようになっている。
また、フロントドア12には、図2に示すように、ロック解除部材28が設けられており、ロック解除部材28がヒンジベース22に設けられたロック機構24に突き当たることによってロック機構28が解除されるようになっている。詳細には、スライドレール26を移動するヒンジベース22のロック機構24が、車両後方側にフロントドア12を移動したときに突き当たる位置にロック解除部材28が設けられており、スライドレール26を移動するヒンジベース22に設けられたロック機構24にロック解除部材28が突き当たることによってロック機構24のロックが解除されるようになっている。
すなわち、フロントドア12は、4リンク機構によって図2矢印X方向(車幅方向)に開閉されると共に、スライド機構によって車両全長方向にフロントドア12がスライドするようになっている。
ところで、このような自動車用ドアの開閉機構では、車両に対するフロントドア12の車幅方向への出代を少なく設定すると、フロントドア12が車両前方方向、すなわち、操舵輪方向にスライドするので、図4に示すフロントドア12の開口量と車輪30の操舵角によっては、車輪30とフロントドア12とが干渉してしまう、という問題がある。
そこで、本実施形態では、車輪30とフロントドア12との干渉を防止するためにドアの開放時に干渉防止制御を行うようになっており、これによって、車幅方向のフロントドア12の出代を少なく設定することができる。
ここで、車輪30とフロントドア12との干渉を防止するための車両用制御装置について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係わる車両用制御装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本発明の第1実施形態に係わる車両用制御装置40は、EPS ECU(Electric PowerSteering Electrical Control Unit)32、ドアECU34、及びオートドアECU36が車内LAN38に接続されて構成されている。
EPS ECU32には、車輪の操舵角を検出する舵角センサ42が接続されていると共に、車輪30の操舵を行うためのモータ44が接続されており、EPS ECU32によって車輪30の操舵が制御されるようになっている。
オートドアECU36には、フロントドア12の開閉を指示するためのオートドアスイッチ(SW)46が接続されていると共に、4リンクのアーム16を回転するためのモータ48、及びスライドレール26とヒンジベース22とのスライドを行うためのモータ50が接続されており、オートドアSW46等によってフロントドア12の開指示または閉指示がなされると、モータ48、50を制御して、フロントドア12の開閉を行うようになっている。
具体的には、フロントドア12を開ける場合には、モータ48を駆動することで、4リンク機構のアーム16を回転させてフロントドア12を車幅方向に開放した後に、モータ50を駆動することで、ヒンジベース22に対してスライドレール26を車両前方方向に移動させることによってフロントドア12を開け、フロントドア12を閉める場合には、逆に、モータ50を駆動することで、ヒンジベース22に対してスライドレール26を車両後方方向に移動させた後に、モータ48を駆動することで、4リンク機構のアーム16を回転させてフロントドア12を車幅方向に閉めるようになっている。
ドアECU34には、カーテシスイッチ(SW)52が接続されており、カーテシSW52によってフロントドア12の開閉を検出するようになっており、フロントドア12の開閉の検出結果をドアECU34に入力する。
ドアECU34は、上述したように車輪30の操舵角とフロントドア12の開口量によって車輪30とフロントドア12が干渉するため、当該干渉を防止するための制御を行うようになっている。詳細には、オートドアECU36に接続されたオートドアSW46からのフロントドア12の開指示、あるいはカーテシSW52のフロントドア12の開検出がなされた場合に、車輪30とフロントドア12の干渉を防止するための干渉防止制御を行う。
なお、本実施形態では、フロントドア12を開けるには、カーテシSW52がドア開を検出する程度まで手動で開けることで、その後、モータ48、50を駆動することで自動的にフロントドア12が開放される場合と、オートドアSW46を操作することでモータ48、50を駆動して自動的にフロントドア12が開放される場合とがあるものとする。カーテシSW52がドア開を検出する程度まで手動で開ける場合には、図示しないドアノブを操作してドアロックが解除されると、カーテシSW52がフロントドア12が開いたことを検出して当該検出信号をドアECU34が検出し、オートドアECU36に対してモータ48、50を駆動する指示を行うことでドアの開放が行われる。また、オートドアSW46によってドア開が指示された場合には、オートドアECU36によって図示しないドアロックが自動的に解除された後に、モータ48、50が駆動され、フロントドア12が開放される。
続いて、上述のように構成された車両用制御装置40で行われる処理について説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係わる車両用制御装置40におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ100では、ドア開か否かドアECU34によって判定される。該判定は、手動でフロントドア12が開けられてカーテシスイッチSW52によってフロントドア12が開いたことを検出したか否か、あるいはオートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ100の判定が肯定された場合には、ステップ102へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪30の操舵角が検出される。
次にステップ104では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ106へ移行し、否定された場合には、ステップ108へ移行する。
ステップ106では、車輪操舵指示を車内LAN34を介してEPS ECU32に行い、EPS ECU32によってモータ44を駆動することによって、車輪30の操舵角の大きさをフロントドア12と干渉しない角度に移動し、ステップ108へ移行する。
ステップ108では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。ドア開動作は、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。すなわち、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26を車両前方方向にスライドすることでフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が全開位置まで移動される。なお、ドア開動作は、乗員によって全て手動で行われるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、フロントドア12を開ける時に、車輪30の操舵角を検出して、車輪30の操舵角がフロントドア12の開放によって干渉する位置である場合に、車輪30の操舵角の大きさを干渉しない位置に変更した後にフロントドア12が開放されるので、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、ドアの開閉を行うことができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係わる車両用制御装置について説明する。
第1実施形態では、車輪30の操舵角の大きさを変化させて、フロントドア12と干渉しない位置に車輪39を移動してドアを開けるようにしたが、第2実施形態では、フロントドア12を車輪30と干渉しない位置まで開けるように制御するものである。
なお、自動車用ドアの開閉機構及び車両用制御装置の構成については第1実施形態と基本的には同一構成であるため、異なる部分の説明のみを行い、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、ドアECU34に車輪30の操舵角に応じて予め定めたフロントドア12の開口量に対応するモータ50の駆動量が予め記憶されており、操舵角に応じてモータ50の駆動を制御するようになっている。例えば、ドアECU34には、図4に示す車輪30とフロントドア12が干渉する直前の開口量1、2、3となるモータ50の駆動量が操舵角に応じて記憶される。図4において、開口量1は車輪30の後端にフロントドア12が干渉する直前の位置を示し、開口量2は車輪30の前端にフロントドア12が干渉する直前の位置を示し、開口量3はフロントドア12の全開の位置を示す。
なお、モータ48、50としては、例えば、ステッピングモータ等を適用することによって、モータの駆動量を制御することが可能である。あるいは、電力印加時間を制御することによって通常のモータで駆動量を制御することも可能である。
ここで、本発明の第2実施形態に係わる車両用制御装置で行われる処理について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ150では、ドア開か否かドアECU34によって判定される。該判定は、手動でフロントドア12が開けられてカーテシスイッチSW52によってフロントドア12が開いたことを検出したか否か、あるいはオートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ150の判定が肯定された場合には、ステップ152へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪の操舵角が検出される。
次にステップ154では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ156へ移行し、否定された場合には、ステップ158へ移行する。
ステップ156では、操舵角に応じて予め設定されたドア開口量までフロントドア12が移動されて、ドアECU34で行われる処理を終了する。すなわち、ステップ152で検出した車輪30の操舵角に応じて予め記憶したモータ50の駆動量を読み出し、当該駆動量となるようにモータ50を駆動すべくオートドアECU36に駆動指示を行う。これによって、モータ48が駆動されて、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26が移動してフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が開放される。この時、図4に示すように、車輪30の操舵角に応じて、開口量1、2、3の何れかの位置までフロントドア12が移動される。
従って、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドア12を開けることができる。
一方、ステップ158では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。ドア開動作は、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開放指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。すなわち、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26が移動してフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が全開位置に移動される。
このように、本実施形態では、車輪30の操舵角に応じてフロントドア12の開口量を制御してフロントドア12の移動を規制するので、第1実施形態と同様に、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドアの開閉制御を行うことができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構及び車両用制御装置について説明する。
第2実施形態では、オートドア開放時にモータ50の駆動量を制御することでフロントドア12の移動量を規制するようにしたが、第3実施形態では、機械的にストッパ機構を設けてフロントドア12の移動量を規制するものである。
図8、9は、本発明の第3実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構を示す図である。基本的には第1実施形態と同一構成であるため、異なる部分の説明を行い、詳細な説明は省略する。
第3実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構には、図8、9に示すように、スライドレール26上にストッパ機構60が設けられており、スライドレール26とヒンジベース22の移動規制を行うことによってフロントドア12の開口量の制御が可能なようになっている。
ストッパ機構60は、スライドレール26上にブラケット62を介して配置されており、図10に示すように、モータ64及びストッパレバー66によって主に構成されている。
ストッパ機構60は、モータ64の出力軸64Aを伸び縮みすることでストッパレバー66を回転させ、ストッパレバー66によってスライドレール26とヒンジベース22との移動を規制するようになっている。
詳細には、ストッパ機構60は、図10に示すように、略L字型のストッパレバー66がブラケット62に回転軸66Aを中心に回転可能に軸支されている。また、ストッパレバー66には、スプリング68が設けられており、ストッパレバー66の回転をモータ64の出力軸方向に付勢している。
モータ64は、出力軸64Aがストッパレバー66に当接するように配置されていると共に、出力軸64Aがストッパレバー方向に伸び縮みするようになっている。すなわち、モータ64の出力軸64Aが伸びることによって、ストッパレバー66が押され、これによって、ストッパレバー66が図10(A)の状態から図10(B)に示す状態に回転する。ここで、スライドレール26に対して移動するヒンジベース22がストッパレバー66に突き当たると共に、図10(C)に示すように、ストッパレバー66がブラケット62に突き当たり、スライドレール26とヒンジベース22の移動が規制される。従って、モータ64を駆動することによって、フロントドア12の移動量を規制することができるようになっている。
図11は、本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置の構成を示すブロック図である。
本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置は、第1実施形態に係わる車両用制御装置に対して、オートドアECU36に上述のモータ64が更に接続されている点のみが異なるのみであり、その他の構成は第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
本実施形態では、車輪30の操舵角に応じてモータ64を駆動するようになっており、ドアECU34からオートドアECU36にモータ64の駆動指示が行われることによって、モータ64が駆動し、出力軸64Aがストッパレバー66の方向に伸び縮みるようになっている。
次に、上述のように構成された本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置で行われる処理について説明する。図12は、本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ200では、ドア開か否かドアECU34によって判定される。該判定は、手動でフロントドア12が開けられてカーテシSW52によってフロントドア12の開が開いたことを検出したか否か、あるいはオートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ200の判定が肯定された場合には、ステップ202へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪の操舵角が検出される。
次にステップ204では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ206へ移行し、否定された場合には、ステップ208へ移行する。
ステップ206では、ストッパ機構60が作動される。すなわち、ドアECU34からオートドアECU36に対してモータ64を駆動する指示がなされることによって、オートドアECU36に接続されたモータ64が駆動され、出力軸64Aがストッパレバー66の方向に伸びる。これによって、ストッパレバー66が回転して、図10(B)の位置に移動する。従って、フロントドア12のスライドがストッパレバー66によって規制され、フロントドア12の開口量が規制され、車輪30とフロントドア12の干渉が防止される。なお、ストッパレバー66は、車輪30とフロントドア12が干渉しない操舵角になった時等に、ドアECU34からモータ64の駆動が指示されて、モータ64の出力軸64Aがストッパレバー66とは反対の方向に縮み、ストッパレバー66がスプリングの付勢によって図10(A)の位置に戻される。
ステップ208では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。すなわち、オートドアECU36に対してフロントドア12の開放指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。あるいは、手動によってフロントドア12の開放が行われる。
なお、本実施形態では、手動でフロントドア12を開放する際には、カーテシSW52がドア開を検出する程度まで手動で開放して、モータ48、50の駆動でフロントドア12を開放するだけではなく、車輪30とフロントドア12が干渉する操舵角である場合にはストッパレバー66によってフロントドア12の開度が規制されるので、全て手動でフロントドア12を開放しても、フロントドア12と車輪30の干渉を防止することができる。
このように、本実施形態では、車輪30の操舵角に応じてストッパ機構60を制御してフロントドア12の開口量を制御するので、第1及び第2実施形態と同様に、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドアの開閉を行うことができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
なお、本実施形態では、1つのストッパ機構60を設けた例を説明したが、複数のストッパ機構60を設けて、フロントドア12の開口量を第2実施形態のように、車輪の操舵角に応じて規制するようにしてもよい。例えば、図10の開口量1、2、3となる位置にストッパ機構60をそれぞれ設けて、車輪30の操舵角に応じて複数のストッパ機構60を動作させるようにしてもよい。これによって、第2実施形態のように、車輪30の操舵角に応じて、フロントドア12の移動量を制御することができる。また、フロントドア12を全て手動で開放する場合(モータ48、50の駆動を用いないでフロントドア12を開放する場合)にも、車輪30の操舵角に応じてストッパ機構60が動作するので、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドア12を開放することができる。
[第4実施形態]
続いて、本発明の第4実施形態に係わる車両用制御装置について説明する。
第4実施形態に係わる車両用制御装置は、第2実施形態と第3実施形態を組み合わせた場合の一例である。なお、自動車用ドアの開閉機構及び車両用制御装置の構成については第3実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
本実施形態では、オートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされた時には、第2実施形態のように、モータ50の駆動量を制御することでフロントドア12の開口量を制御し、手動でフロントドア12が開けられた時には、第3実施形態のように、ストッパ機構60の駆動を制御することでフロントドア12の開口量を制御するようになっている。なお、本実施形態では、ストッパ機構60が複数設けられているものとし、ストッパ機構60の配置は、モータ駆動量を制御することでフロントドア12の移動量を制御する場合と同一のフロントドア12の開口量となる位置にそれぞれ設けられているものとする。
図13は、本発明の第4実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ300では、オートドアSW46によってドア開指示が行われたか否かドアECU34によって判定される。該判定が肯定された場合には、ステップ302へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪の操舵角が検出される。
次にステップ304では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12に干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ306へ移行し、否定された場合には、ステップ308へ移行する。
ステップ306では、操舵角に応じて予め設定されたドア開口量までフロントドア12が開放されて、ドアECU34で行われる処理を終了する。すなわち、ステップ302で検出した車輪30の操舵角に応じて予め記憶したモータ50の駆動量を読み出し、当該駆動量となるようにモータ50を駆動すべくオートドアECU36に駆動指示を行う。これによって、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図8の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26が移動してフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が開放される。例えば、図4に示すように、点線で示す車輪30の操舵角に応じて、開口量1、2、3の位置までフロントドア12が移動される。
従って、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドア12を開けることができる。
ステップ308では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。ドア開動作は、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開放指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。すなわち、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図8の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26が移動してフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が全開位置まで移動される。
一方、ステップ300の判定が否定された場合には、ステップ310へ移行して、手動でドアが開けられたか否か判定される。該判定は、ドアECU34に接続されたカーテシSW52がドアが開いたことを検出したか否かをドアECU34が判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ310の判定が肯定された場合には、ステップ312へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪の操舵角が検出される。
次にステップ314では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了する。すなわち、ステップ314の判定が否定された場合には、手動でフロントドア12を開けても車輪30とフロントドア12が干渉することがないので、そのままドアECU34の処理を終了する。
ステップ314の判定が肯定された場合には、ステップ316へ移行して、ストッパ機構60が作動されて、ドアECU34の処理を終了する。すなわち、ドアECU34からオートドアECU36に対して、フロントドア12と車輪30とが干渉しない位置までフロントドア12が移動するストッパ機構60に対応するモータ64を駆動する指示がなされることによって、オートドアECU36に接続されたモータ64が駆動され、出力軸64Aがストッパレバー66の方向に伸びる。これによって、ストッパレバー66が回転して、図10(A)の状態から図10(B)の状態に回転する。従って、手動でフロントドア12が開けられてもフロントドア12が図10(C)に示すように、ストッパレバー66によって規制され、フロントドア12の開口量が規制され、車輪30とフロントドア12の干渉が防止される。なお、ストッパレバー66は、車輪30とフロントドア12が干渉しない操舵角になった時等に、ドアECU34からモータ64の駆動が指示されて、モータ64の出力軸64Aがストッパレバー66とは反対の方向に縮み、ストッパレバー66がスプリングの付勢によって図10(A)の位置に戻される。
このように、フロントドア12を開けるためのモータ50の駆動量の制御と、フロントドア12の移動を規制するストッパ機構60の制御を行うことでも、第1〜第3実施形態と同様に、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドアの開閉制御を行うことができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
なお、ステップ306において、操舵角に応じて予め設定されたドア開口量までフロントドア12を開放する際に、同時に、当該ドア開口量に対応するストッパ機構30を作動するようにしてもよく、このようにストッパ機構60を同時に作動することで、モータ50によって自動的にフロントドア12を開けている時に、手動でフロントドア12を開けてもストッパ機構60によって車輪30との干渉を防止することが可能となる。
[第5実施形態]
続いて、本発明の第5実施形態に係わる車両用制御装置について説明する。なお、自動車用ドアの開閉機構については第1実施形態と同一構成であるので、詳細な説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態に係わる車両用制御装置40の変形例であり、構成自体は基本的に第1実施形態と同一であるので、第1実施形態の説明で用いた図5を参照して第1実施形態と異なる点を説明する。
本実施形態では、オートドアECU36がフロントドア12の開口量、すなわち移動量を検出し、当該移動量をドアECU34が取得して、ドア移動量に応じてEPS ECU32を制御して車輪の操舵角を制御するようになっている。
すなわち、オートドアECU36は、モータ50の駆動量からフロントドア12の移動量を検出するようになっていると共に、フロントドア12の移動量に応じた車輪30の操舵角が予め記憶されており、手動でフロントドア12が開放された場合には、フロントドア12の移動に伴って回転するモータ50の回転量等からフロントドア12の移動量を検出して、該検出の移動量に応じて車輪30の操舵角を制御するようになっている。
なお、フロントドア12の移動量やフロントドア12の位置を検出する検出センサ等を別途設けて、オートドアECU36に接続するようにしてもよい。
次に、本発明の第5実施形態に係わる車両用制御装置で行われる処理について説明する。図14は、本発明の第5実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ350では、ドア開か否かドアECU34によって判定される。該判定は、手動でフロントドア12が開けられてカーテシスイッチSW52によってフロントドア12が開いたことを検出したか否か、あるいはオートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ350の判定が肯定された場合には、ステップ352へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪30の操舵角が検出される。
次にステップ354では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、ステップ356へ移行し、肯定された場合には、ステップ358へ移行する。
ステップ356では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。ドア開動作は、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。すなわち、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26を車両前方方向にスライドすることでフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が全開位置に移動される。
一方、ステップ358では、ドア開動作が行われ、ステップ360へ移行する。ドア開動作は、ステップ356と同様に、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。あるいは、手動でフロントドア12が開放される。
そして、ステップ360では、ドア開動作に伴う移動量に応じて車輪操舵指示がドアECU34からEPS ECU32に行われて、ドアECU34の処理を終了する。すなわち、ドア開動作に伴うドア移動量をオートドアECU36がモータ50の回転量等から検出し、該検出結果をドアECU34が取得して、予め記憶したドアの移動量に応じた車輪30の操舵角となるように、EPS ECU32に対して車輪30の操舵を指示する。これによって、フロントドア12が開くと共に、車輪30の操舵角の大きさが変更されるので、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができる。
このように、本実施形態では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30が有る場合に、フロントドア12の移動量に応じて車輪30の操舵角の大きさを制御するので、第1〜第4実施形態と同様に、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
[第6実施形態]
続いて、本発明の第6実施形態に係わる車両用制御装置について説明する。
第6実施形態に係わる車両用制御装置は、フロントドアを開ける際にフロントドアの移動軌跡上に車輪がある時に、車輪の操舵角制御とフロントドアの移動量制御を組み合わせて行うものであり、車輪の操舵角制御は第1実施形態を適用し、フロントドアの移動量制御は、第2実施形態又は第3実施形態を適用することができ、自動車用ドアの開閉機構及び車両用制御装置の構成自体は各実施形態で説明したので説明を省略する。
なお、本実施形態では、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせた場合を一例として説明する。
ここで、本発明の第6実施形態に係わる車両用制御装置で行われる処理について説明する。
図15は、本発明の第6実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECU34で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップ400では、ドア開か否かドアECU34によって判定される。該判定は、手動でフロントドア12が開けられてカーテシスイッチSW52によってフロントドア12が開いたことを検出したか否か、あるいはオートドアSW46によってフロントドア12の開指示がなされたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、そのままドアECU34の処理を終了してその他の処理を行う。
また、ステップ400の判定が肯定された場合には、ステップ402へ移行して、車輪位置検出が行われる。車輪位置検出は、舵角センサ42からEPS ECU32に入力される信号を車内LAN38を介してドアECU34が取得することによってなされ、舵角センサ42の検出信号から車輪30の操舵角が検出される。
次にステップ404では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30があるか否か判定される。該判定は、例えばドアECU34にフロントドア12と車輪30が干渉する車輪30の操舵角を予め記憶しておき、舵角センサ42から取得した検出信号に基づいて、現在の車輪30の操舵角がフロントドア12と干渉する角度であるか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ406へ移行し、否定された場合には、ステップ410へ移行する。
ステップ406では、フロントドア12の移動軌跡上にある車輪30が車輪30の後端部か否か判定され、該判定が肯定された場合には、ステップ408へ移行して、車輪操舵指示を車内LAN34を介してEPS ECU32に行い、EPS ECU32によってモータ44を駆動することによって、車輪30の操舵角をフロントドア12と干渉しない角度に移動し、ステップ410へ移行する。
ステップ410では、ドア開動作が行われ、ドアECU34で行われる処理を終了する。ドア開動作は、ドアECU34がオートドアECU36に対してフロントドア12の開指示を行い、オートドアECU36がモータ48、50を駆動することによって、フロントドア12の開放が行われる。すなわち、モータ48が駆動されることによって、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26を車両前方方向にスライドすることでフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が全開位置まで移動される。
一方、ステップ406の判定が否定された場合、すなわち、フロントドア12の移動軌跡上にある車輪30が車輪30の前端部である場合には、ステップ412へ移行する。
ステップ412では、操舵角に応じて予め設定されたドア移動量までフロントドア12が開放されて、ドアECU34で行われる処理を終了する。すなわち、ステップ402で検出した車輪30の操舵角に応じて予め記憶したモータ50の駆動量を読み出し、当該駆動量となるようにモータ50を駆動すべくオートドアECU36に駆動指示を行う。これによって、モータ48が駆動されて、アーム16が図2の実線の位置まで回転し、ロック機構24がロックされて、モータ50が駆動されてヒンジベース22に対してスライドレール26が移動してフロントドア12が車両前方方向にスライドし、フロントドア12が操舵角に応じて開放される。従って、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドア12を開けることができる。
このように、本実施の形態では、フロントドア12の移動軌跡上に車輪後端部がある場合には、フロントドア12の開口量が少なくなってしまうので、車輪30の操舵角の大きさを制御してからフロントドア12を開放し、フロントドア12の移動軌跡上に車輪前端部がある場合には、フロントドア12の開口量をある程度確保できるので、車輪と干渉しない位置までフロントドア12の移動量を制御するので、第1及び第2実施形態と同様に、車輪30とフロントドア12が干渉することなく、フロントドアの開閉制御を行うことができる。
また、車輪30とフロントドア12の干渉を防止することができるので、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができ、狭い場所での乗降性を向上させることができる。そして、車幅方向へのフロントドア12の出代を最小限に設定することができることにより、縁石、ポール、人などの周囲交通に影響を与える可能性を低減することが可能となる。
なお、上記の各実施形態では、4リンクとスライドレールを適用したスライドドアを例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば、4リンクタイプのみのスライドドア、スライドレールのみを用いたスライドドアや、その他のスライドドアを適用するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、電動ドアミラーが設けられている車両の場合には、フロントドア12の開放と同時にドアミラーを格納するようにしてもよく、フロントドア12の開放と同時にドアミラーを格納することによって車幅方向のフロントドア12の出代を少なくすることができる。
また、上記の各実施形態における、ドア開か否かの判定は、上記の実施形態で説明した例の他に、例えば、ドアの位置を検出するドア位置検出センサ等を設けて、当該ドア位置検出センサを用いてドア開か否かを判定するようにしてもよい。
さらに、上記の実施の形態において、第1実施形態では、フロントドア12を開ける際に、車輪30の操舵角を制御し、第2〜第4実施形態では、フロントドア12の移動量を制御するようにしたが、舵角センサ42の検出結果がフロントドア12と干渉する位置である場合に、第1〜第5実施形態のような制御を行わずに、単にブザー等の報知手段を用いて乗員にフロントドア12と車輪30が干渉することを報知するようにしてもよいし、これに加えてドアの開動作を禁止するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、フロントドア12の移動軌跡上に車輪30がある場合の車輪30の操舵動作、ストッパ機構60の作動、フロントドア12の開動作等の各作動状態において、ブザー、音声、光振動、表示等により乗員に各作動状態を報知したり警告したりするようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構の配置を示す図である。 本発明の第1実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構を示す図である。 本発明の第1実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構の一部を示す断面図である。 車輪の操舵角とフロントドアの開口量を示す図である。 本発明の第1実施形態に係わる車両用制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構を示す図である。 本発明の第2実施形態に係わる自動車用ドアの開閉機構の一部を示す断面図である。 ストッパ機構の構成及び動作を示す図である。 本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第6実施形態に係わる車両用制御装置におけるドアECUで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 自動車用ドアの開閉機構
12 フロントドア
30 車輪
32 EPS ECU
34 ドアECU
36 オートドアECU
38 車内LAN
40 車両用制御装置
42 舵角センサ
44、48、50、64 モータ
46 オートドアSW
52 カーテシSW
60 ストッパ機構
66 ストッパレバー

Claims (10)

  1. 車両の全長方向に移動可能なドアを備えた車両を制御する車両用制御装置であって、
    前記ドアの開動作を検出する検出手段と、
    前記ドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かを判断する判断手段と、
    前記ドアの開動作がなされたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に 前記操舵輪が存在すると判断されたときに、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御する制御手段と、
    を含む車両用制御装置。
  2. 車両の全長方向に移動可能なドアを自動的に開閉するために操作されるオートドアスイッチが操作されたか否かを検出する検出手段と、
    前記ドアの移動軌跡上に操舵輪が存在しているか否かを判断する判断手段と、
    前記ドアを開くように前記オートドアスイッチが操作されたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に前記操舵輪が存在しないと判断されたときに前記ドアを全開位置まで移動させ、前記ドアを開くように前記オートドアスイッチが操作されたことが検出され、かつ前記ドアの移動軌跡上に前記操舵輪が存在すると判断されたときに、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御する制御手段と、
    を含む車両用制御装置。
  3. 前記検出手段は、前記ドアが開いたことを検出するドアスイッチ又は前記ドアの位置を検出するドア位置センサからなることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  4. 前記判断手段は、操舵輪の操舵角を検出する舵角センサを含み、検出した操舵角に基づいて前記ドアの移動軌跡上に操舵輪が存在するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記操舵輪の操舵角の大きさを制御することによって、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記ドアの移動量を検出する移動量検出手段を更に含み、前記制御手段は、前記ドアの移動量に応じて前記操舵角の大きさを制御することを特徴とする請求項5に記載の車両用制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記ドアの移動を規制するように制御することによって、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記ドアと前記操舵輪とが干渉する直前で前記ドアの移動を規制するように制御することを特徴とする請求項7記載の車両用制御装置。
  9. 前記制御手段は、予め定められた開口量だけ前記ドアを移動するように制御することによって、前記ドアと前記操舵輪とが干渉しないように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  10. 前記開口量を前記操舵輪の操舵角の大きさに応じて定めたことを特徴とする請求項9に項記載の車両用制御装置。
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