JP2006116921A - 射出成形機の特性測定装置及び特性測定方法 - Google Patents

射出成形機の特性測定装置及び特性測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 射出成形CAE等を用いた各種解析等を広範囲かつ正確に行えるようにするとともに、汎用性及び応用性の高い測定データを得る。
【解決手段】 内部に樹脂路2を有し、射出成形機Mの射出ノズルMinの先端に当接することにより樹脂路2の一端2sが射出ノズルMinに連通するマニホールド部1mと、樹脂路2の他端2tに連通するバレル3と当該バレル3に収容したプランジャ4と当該プランジャ4をバレル3の軸方向に移動させるプランジャ駆動部5を有するプランジャユニット部1pと、少なくとも射出ノズルMinから樹脂路2に溶融樹脂Rを供給した際における当該溶融樹脂Rの挙動に基づく物理量を検出する一又は二以上の物理量検出器6a…を有する測定部1sを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形機における成形時の特性を測定する射出成形機の特性測定装置及び特性測定方法に関する。
一般に、射出成形機における成形条件の設定は、オペレータのノウハウや経験等に大きく依存する側面があるとともに、各種物理量が相互に影響し合うため、多くの試打ちや設定作業時間が必要となる。このため、射出成形CAE(射出成形コンピュータ支援技術)により仮想成形(シミュレーション)を行い、この仮想成形に基づいて成形条件等を設定することも行われている。
ところで、射出成形CAEにおいては、金型に射出充填する溶融樹脂の流動状況(樹脂特性)を正確に把握することが良好な仮想成形を実現する鍵となる。通常、射出成形CAEでは、溶融樹脂の樹脂特性として、圧力P,比容積V及び樹脂温度Tを含むPVT特性を用いるとともに、金型における溶融樹脂の流動状況を予測する際には、射出ノズルから金型に流入する溶融樹脂の流量、即ち、スクリュの移動量に基づく射出量と時間の変化から得る射出率を用いている。
従来、このようなPVT特性を測定する手段としては専用測定器が知られている。しかし、射出成形機の場合、熱履歴や強い剪断応力に起因する分子量の分布変化等が発生するため、専用測定器で測定したPVT特性は、実際の射出成形機におけるPVT特性とは一致しない場合が多く、結局、専用測定器を用いても射出成形機にとっての望ましいPVT特性を得れないとともに、射出成形CAEに必要な射出ノズルから金型に流入する溶融樹脂の流出量や流量を得ることもできず、的確で正確な射出成形CAEは実現できない。
このため、樹脂特性を射出成形機により検出するようにした射出成形機の樹脂特性検出方法も、特許第2507148号公報で知られている。同公報で開示される樹脂特性検出方法は、射出成形機のシリンダ内部から成形用金型のキャビティ部に至るまでの間に、シリンダ内部とキャビティ部間の溶融樹脂の流通を阻止する流路開閉機構を設け、この流路開閉機構を閉じた状態にし、スクリュに基準の押圧値の押圧力を付与してそのスクリュを平衡移動させ、このスクリュが平衡移動を停止した基準の停止位置におけるスクリュの位置値を得る第一工程、及びスクリュに基準の押圧値とは異なる押圧値の押圧力を付与してそのスクリュを平衡移動させ、このスクリュが平衡移動を停止した停止位置におけるスクリュの位置値を得、基準の停止位置からのスクリュ移動距離を得る第二工程を、溶融樹脂の所定溶融状態のもとで順次行い、押出値および移動距離の関係を所定関数式によって近似することにより溶融樹脂圧力値及び溶融樹脂容積値の関係式を得るものである。
特許第2507148号
しかし、上述した従来における射出成形機の樹脂特性検出方法(特性測定方法)は、次のような問題点があった。
第一に、射出成形機を直接利用するものであるが、実際に射出ノズルから溶融樹脂を射出することなく樹脂特性を検出するに留まるため、得られる特性に限界があり、射出成形CAE等にとって必要な溶融樹脂の挙動に係わる様々な特性を十分に得ることができない。結局、射出成形CAE等を利用した各種解析等を広範囲にできないとともに、正確かつ高い信頼性により行うには不十分である。
第二に、実際に射出ノズルから溶融樹脂を射出して樹脂特性を測定(検出)する場合であっても、射出は、所定のキャビティを有する通常の金型に対して行うため、キャビティ固有の形状等に左右される特性については、他の金型に適用できなかったり或いは適用するにも修正等が必要になるなど、測定データを利用する際の使い勝手に難があり、汎用性及び応用性の高い測定データを得にくい。
第三に、能動性を有しない通常の金型に射出するため、高度なデータや静的状態では表面化しない特性を得るには限界がある。結局、成形動作時の挙動を十分に把握できず、得られる特性に対して十分な評価を行うことができない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の特性測定装置及び特性測定方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機の特性測定装置1は、上述した課題を解決するため、射出成形機Mにおける成形動作時の特性を測定する装置であって、内部に樹脂路2を有し、射出成形機Mの射出ノズルMinの先端に当接することにより樹脂路2の一端2sが射出ノズルMinに連通するマニホールド部1mと、樹脂路2の他端2tに連通するバレル3と当該バレル3に収容したプランジャ4と当該プランジャ4をバレル3の軸方向に移動させるプランジャ駆動部5を有するプランジャユニット部1pと、少なくとも射出ノズルMinから樹脂路2に溶融樹脂Rを供給した際における当該溶融樹脂Rの挙動に基づく物理量を検出する一又は二以上の物理量検出器6a,6b,6c…を有する測定部1sを備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、マニホールド部1mには、樹脂路2を開閉する第一開閉バルブ11及び/又は樹脂路2における溶融樹脂Rの流量を制御する制御バルブを設けることができるとともに、樹脂路2から分岐して外部に臨むドレン路12及びこのドレン路12を開閉する第二開閉バルブ13を設けることができる。さらに、マニホールド部1m及びプランジャユニット部1pには、樹脂路2内及びバレル3内の溶融樹脂Rを加熱する加熱ヒータ14…を付設することができる。一方、プランジャ駆動部5には、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する任意の背圧を付与する背圧付与手段15を設けることができる。なお、測定部1sには、少なくとも、溶融樹脂Rの温度(樹脂温度)Tsを検出する温度検出器6a,溶融樹脂Rの圧力(樹脂圧)Psを検出する圧力検出器6b,プランジャ4の位置(プランジャ位置)Xsを検出する位置検出器6cの一又は二以上を設けることができる。
また、本発明に係る射出成形機Mの特性測定方法は、上述した課題を解決するため、射出成形機Mにおける成形動作時の特性を測定するに際して、特性測定装置1を使用し、予め、プランジャ4を最前進位置にセットし、この最前進位置でプランジャ4を固定して射出成形機Mの動作による計量工程を行うとともに、この後、プランジャ4の固定を解除して射出成形機Mの動作による射出工程を行うことにより、計量工程及び/又は射出工程における物理量を物理量検出器6a,6b,6c…により検出するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する所定の背圧を付与することができる。この際、背圧は、予め設定した変化特性、例えば、所定の金型を用いて実成形した際における実測データを利用し、これに基づき変化するように可変制御することもできる。なお、物理量には、少なくとも、樹脂温度Ts,溶融圧Ps,プランジャ位置Xsの一又は二以上を含ませることができる。一方、計量工程及射出工程を行う際に、第一開閉バルブ11及び/又は制御バルブにより樹脂路2を開き、かつ第二開閉バルブ13によりドレン路12を閉じることができる。また、射出工程が終了したなら、第一開閉バルブ11及び/又は制御バルブにより樹脂路2を閉じ、かつ第二開閉バルブ13によりドレン路12を開くとともに、この後、プランジャ4を前進させて最前進位置にセットすることができる。
このような本発明に係る射出成形機の特性測定装置1及び特性測定方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 実際に射出ノズルMinから溶融樹脂Rを射出して各種物理量を検出できるため、射出成形CAE等にとって必要な溶融樹脂Rの挙動に係わる様々な特性を得ることができ、もって、射出成形CAE等を用いた各種解析等を広範囲かつ正確に行うことができるとともに、その信頼性を高めることができる。
(2) 実際の射出成形機Mと組合わせることにより、いわば疑似金型として機能させるとともに、キャビティとしてプランジャ4を収容したバレル3を利用するため、通常の金型におけるキャビティ固有の形状等に左右されることなく、汎用性のある各種測定データを容易に得ることができる。この結果、利用する際における測定データの使い勝手を高めることができるなど、汎用性及び応用性の高い測定データを得ることができる。
(3) 好適な態様により、プランジャ駆動部5に、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する任意の背圧を付与する背圧付与手段15を設ければ、特性測定装置1に能動性を持たせることができ、例えば、複雑な金型に近似した態様を疑似的に作り出すことができるなど、高度なデータや静的状態では表面化しない特性を得ることができる。この結果、成形動作時の挙動を十分に把握でき、得られる特性に対して十分な評価を行うことができるとともに、特性を条件設定等に実用的に利用することも可能となる。
(4) 好適な態様により、マニホールド部1mに、樹脂路2を開閉する第一開閉バルブ11及び/又は樹脂路2における溶融樹脂Rの流量を制御する制御バルブを設けるとともに、樹脂路2から分岐して外部に臨むドレン路12及びこのドレン路12を開閉する第二開閉バルブ13を設ければ、特性測定装置1に対する溶融樹脂Rの供給(射出)及び排出をノズルタッチを解除することなく容易に行うことができるとともに、測定の繰り返しを迅速に行うことができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出成形機の特性測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
特性測定装置1は、射出成形機Mと組合わせて用いる。この場合、射出成形機Mは、一般的なインラインスクリュ式射出成形機における射出装置Miをそのまま利用する。射出装置Miは、外周部に加熱ヒータ51…を付設した加熱筒52を備え、この加熱筒52の前端に射出ノズルMinを備えるとともに、加熱筒52の後部にホッパ53を備える。また、加熱筒52の内部には、スクリュ54が挿通するとともに、加熱筒52の後端には、スクリュ54を駆動する駆動部55を備える。駆動部55は、スクリュ54を前進又は後退させる射出シリンダ56及びスクリュ54を回転させるオイルモータ57を備える。さらに、射出装置Miには、スクリュ54の位置(スクリュ位置)Xmを検出する位置検出器58を備えるとともに、射出ノズルMinには、内部の溶融樹脂Rの圧力(樹脂圧)Pmを検出する圧力検出器59及び溶融樹脂Rの温度(樹脂温度)Tmを検出する温度検出器60を付設する。
一方、特性測定装置1は、全体を一体化したユニットブロック21を備える。ユニットブロック21は、マニホールド部1mとプランジャユニット部1pを備えるとともに、外面には、加熱ヒータ14…を付設して、マニホールド部1m及びプランジャユニット部1pの全体を加熱することにより、後述する樹脂路2内及びバレル3内の溶融樹脂Rを加熱する。
マニホールド部1mは、内部に樹脂路2を有し、この樹脂路2の一端2sは、射出ノズルMinの先端に当接して、射出ノズルMinの内部に連通するノズル接続口になるとともに、樹脂路2の他端2tは、プランジャユニット部1pにおける後述するバレル3の内部に連通する。マニホールド部1mにおける樹脂路2の一端2sの近傍には、樹脂路2を開閉する第一開閉バルブ(シャットオフバルブ)11を配設する。この第一開閉バルブ11は、開閉駆動用の操作シリンダ22を備える。また、マニホールド部1mには、樹脂路2における樹脂温度Tsを検出する温度検出器(物理量検出器)6a及び樹脂路2における樹脂圧Psを検出する圧力検出器(物理量検出器)6bを備える。さらに、マニホールド部1mには、樹脂路2から分岐して外部に臨むドレン路12を有し、このドレン路12には、このドレン路12を開閉する第二開閉バルブ(ドレンバルブ)13を配設する。この第二開閉バルブ13は、開閉駆動用の操作シリンダ23を備える。
プランジャユニット部1pは、マニホールド部1mから一体に突出するバレル3を有し、このバレル3には軸方向に変位するプランジャ4を収容するとともに、バレル3の端部には、プランジャ4をバレル3の軸方向へ前進又は後退させる駆動シリンダ24を付設する。また、プランジャユニット部1pには、プランジャ位置Xsを検出する位置検出器(物理量検出器)6cを備える。
さらに、特性測定装置1は、油圧ポンプ等を内蔵する油圧回路31と各種制御を司るコントローラ32を備え、油圧回路31には、前述した射出シリンダ56、オイルモータ57、操作シリンダ22,23及び駆動シリンダ24を接続する。一方、コントローラ32には、油圧回路31を接続するとともに、前述した位置検出器58、圧力検出器59、温度検出器60、温度検出器6a、圧力検出器6b、位置検出器6cを接続する。
この場合、少なくとも、温度検出器6a,圧力検出器6b及び位置検出器6cは、射出ノズルMinから樹脂路2に溶融樹脂Rを供給した際における当該溶融樹脂Rの挙動に基づく物理量(樹脂温度Ts,樹脂圧Ps及びプランジャ位置Xs)を検出する測定部1sを構成する。また、駆動シリンダ24,油圧回路31及びコントローラ32はプランジャ駆動部5を構成するとともに、コントローラ32により駆動シリンダ24を接続した油圧回路31を制御することにより、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する任意の背圧を付与する背圧付与手段15を構成する。したがって、このような制御系により、背圧は、予め設定した変化特性に従って変化するように可変制御することができる。
次に、このような特性測定装置1を用いた本実施形態に係る射出成形機の特性測定方法について、図1を参照しつつ図2に示すフローチャートに従って説明する。
まず、射出成形機Mにおける射出ノズルMinを特性測定装置1にノズルタッチさせる(ステップS1)。これにより、マニホールド部1mにおける樹脂路2の一端(ノズル接続口)2sと射出ノズルMinの先端が当接し、樹脂路2の内部と射出ノズルMinの内部が連通する。また、駆動シリンダ24を駆動制御し、プランジャ4を前進させることにより最前進位置にセットする(ステップS2)。そして、プランジャ4を最前進位置にセットしたなら、駆動シリンダ24の駆動制御により、プランジャ4を最前進位置に固定する(ステップS3)。さらに、操作シリンダ22を駆動制御して第一開閉バルブ11を開側に制御するとともに、操作シリンダ23を駆動制御して第二開閉バルブ13を閉側に制御する(ステップS4)。
次いで、射出成形機Mを動作させて計量工程を行う(ステップS5)。計量工程では、ホッパ53に収容した樹脂材料(例示は、ポリプロピレン)が加熱筒52内に供給され、スクリュ54の回転により可塑化溶融されるとともに、可塑化溶融された溶融樹脂Rは、スクリュ54の前方に蓄積される。この際、スクリュ54の前方は、加熱筒52の内部,射出ノズルMinの内部,樹脂路2の内部を通してプランジャ4の前端まで連通状態になっているため、溶融樹脂Rは、これら加熱筒52の内部,射出ノズルMinの内部,樹脂路2の内部を通してプランジャ4の前端まで進入して充填が行われるとともに、この後、スクリュ54は、溶融樹脂Rの蓄積に伴って後退変位する。
そして、計量工程では、測定部1mにより計測処理を行う(ステップS6)。即ち、位置検出器58によりスクリュ位置Xmを、圧力検出器59により射出ノズルMinにおける溶融樹脂Rの圧力Pmを、温度検出器60により射出ノズルMinにおける樹脂温度Tmをそれぞれ検出するとともに、さらに、温度検出器6aによりマニホールド部1mおける樹脂温度Tsを、圧力検出器6bによりマニホールド部1mおける樹脂圧Psを、位置検出器6cによりプランジャ位置Xsをそれぞれ検出する。一方、計量工程が進行し、スクリュ54が予め設定した後退位置である計量終了位置に達したなら計量工程を終了する(ステップS7)。
計量工程が終了したなら、駆動シリンダ24に対する駆動制御を停止してプランジャ4に対する固定を解除する(ステップS8)。これにより、プランジャ4は、蓄積された溶融樹脂Rの圧力に押され、いわゆる圧抜きが行われる。この後、射出工程に移行する。射出工程では、スクリュ54を予め設定した所定の成形条件、即ち、設定された射出速度により前進させる(ステップS9)。これにより、加熱筒52内の溶融樹脂Rは、射出ノズルMinを通して樹脂路2の内部に射出されるとともに、射出充填が進行するに従ってプランジャ4が後退する(ステップS10)。この際、コントローラ32は、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する背圧制御を行うことができる。
そして、射出工程では、測定部1mにより計測処理を行う(ステップS11)。即ち、位置検出器58によりスクリュ位置Xmを、圧力検出器59により射出ノズルMinにおける樹脂圧Pmを、温度検出器60により射出ノズルMinにおける樹脂温度Tmをそれぞれ検出するとともに、さらに、温度検出器6aによりマニホールド部1mおける樹脂温度Tsを、圧力検出器6bによりマニホールド部1mおける樹脂圧Psを、位置検出器6cによりプランジャ位置Xsをそれぞれ検出する。これにより、特に、射出ノズルMinから樹脂路2に溶融樹脂Rを射出した際における当該溶融樹脂Rの挙動に基づく物理量を検出し、射出成形機Mにおける成形動作時の特性を測定することができる。一方、射出工程が進行し、スクリュ54が予め設定した射出終了位置に達したなら射出工程を終了する(ステップS12)。
射出工程の終了により、操作シリンダ22を駆動制御して第一開閉バルブ11を閉側に制御するとともに、操作シリンダ23を駆動制御して第二開閉バルブ13を開側に制御する(ステップS13)。また、駆動シリンダ24を駆動制御してプランジャ4を前進させる(ステップS14)。これにより、バレル3内の溶融樹脂Rは、開放されたドレン路12を通って外部に排出される(ステップS15)。そして、プランジャ4が前進し、最前進位置に達したならプランジャ4を停止させるとともに、さらに、同様の測定作業を繰り返して行う場合には、プランジャ4を最前進位置に固定する(ステップS16,S17,S3)。この後、前述したように、操作シリンダ22を駆動制御して第一開閉バルブ11を開側に制御するとともに、操作シリンダ23を駆動制御して第二開閉バルブ13を閉側に制御して同様の処理を繰り返せばよい(ステップS4…)。
次に、このようにして測定した代表的な測定結果(特性データ)を、図3〜図7を参照して説明する。
まず、図3(a),(b)は、可塑化状態を測定した特性図を示す。この場合、樹脂材料としてポリプロピレンを使用し、樹脂温度Tsに対して異なる温度設定を行うとともに、射出速度を100〔mm/s〕に設定して射出工程を行った。図3(a)は、樹脂温度Tsを温度不足となる190〔℃〕に設定した場合を示し、図3(b)は、樹脂温度Tsを標準温度の230〔℃〕に設定した場合を示す。また、図中、Kvは射出速度(スクリュ速度)、Kpvはプランジャ速度、Kmtは温度検出器6aから得るマニホールド部1mにおける樹脂温度Tsの特性データをそれぞれ示す。なお、射出速度は、位置検出器58により検出されるスクリュ位置Xmから得られるとともに、プランジャ速度は、位置検出器6cにより検出されるプランジャ位置Xsから得られる。
同図から明らかなように、射出速度は、樹脂温度Tsが異なってもほぼ同一になるが、充填挙動を示すプランジャ速度は、温度不足の190〔℃〕の場合、標準温度の230〔℃〕の場合に比べて、上下の振幅が大きくかつ激しくなり、可塑化状態の質的部分に問題のあることが判る。したがって、温度測定データ以上に明確となるこのような特性データを利用すれば、例えば、上下の振幅が大きくかつ激しくなる直前の樹脂温度に設定することにより、可塑化状態の質的部分を必要最低限確保しつつ、省エネルギ性を高める等の対策に利用できる。なお、このようなプランジャ4の充填挙動が大きく振幅する理由は、射出ノズルMinを通過する溶融樹脂Rの負荷圧力が不安定になり、溶融樹脂Rの圧縮性が変動することに起因する。
図4は、スクリュ射出率、プランジャ充填率、射出ノズルMinにおける樹脂圧Pm、マニホールド部1mにおける樹脂圧Psを測定した結果を示したものであり、図中、Krはスクリュ射出率、Kprはプランジャ充填率、Kpは射出ノズルMinにおける樹脂圧Pm、Kmpはマニホールド部1mにおける樹脂圧Ps、Keはスクリュ射出量とプランジャ充填量の差分に係わる特性データをそれぞれ示す。この場合、樹脂材料としてポリプロピレンを使用し、射出速度を100〔mm/s〕に設定するとともに、プランジャ4に概ね13〔MPa〕の背圧を付与して射出工程を行った。
同図から明らかなように、射出開始時には、スクリュ射出率Krに対してプランジャ充填率Kprに遅れが発生する。また、プランジャ4に背圧が付与される時点では、プランジャ充填率Kprは低下し、充填遅れは更に大きくなるとともに、その後、オーバシュートして定常化する。これらの現象は、溶融樹脂Rの圧縮性に原因があり、本実施形態に係る特性測定装置1により測定することができる。さらに、スクリュ射出量とプランジャ充填量の差分Keをグラフ化することにより充填挙動の評価を行うことができる。なお、最終的には、未充填樹脂量を計算することもできる。
図5は、プランジャ4に付与する背圧を解除した場合の測定結果を示す。この場合、背圧を解除する点を除き、他の条件は、図4の場合と同一条件により射出工程を行った。したがって、同図中、Krはスクリュ射出率、Kprはプランジャ充填率、Kpは射出ノズルMinにおける樹脂圧Pm、Kmpはマニホールド部1mにおける樹脂圧Ps、Keはスクリュ射出量とプランジャ充填量の差分に係わる特性データをそれぞれ示す。また、図中、Ccの部分は、波形の上からの各特性の変曲点を示し、特に、プランジャ充填率Kpr,マニホールド部1mにおける樹脂圧Kmp(Ps)及びスクリュ射出量とプランジャ充填量の差分Keの変曲点は一致している。
スクリュメタリング樹脂圧の変曲点は、スクリュ逆止弁前の樹脂圧が逆止弁後部に伝達しなくなった時点と言えることから、発生する変曲点Ccは、逆止弁閉鎖時点と考えられる。プランジャ充填率の変曲点は、逆止弁の閉鎖により樹脂バックフローが無くなったことによると考えられる。また、差分Keの変曲点は、同様に樹脂バックフローが無くなったため、スクリュ射出率との乖離が改善されたためと考えられる。したがって、これらの変曲点Ccの一致は逆止弁閉鎖を明らかに意味していることが判る。さらに、逆止弁閉鎖前後での充填挙動を観察した場合、樹脂バックフロー中でも充填率は低くなるが一定になることが判る。
図6は、プランジャ4に対する背圧の大きさを変更した場合の測定結果を示す。この場合、樹脂材料としてポリプロピレンを使用し、射出速度を50〔mm/s〕に設定するとともに、プランジャ4に対して0,10,20〔MPa〕の背圧を付与して射出工程を行った。同図は、背圧を0,10,20〔MPa〕に設定して充填したときの充填量の差を示しており、Kpraは背圧を0〔MPa〕、Kprbは背圧を10〔MPa〕、Kprcは背圧を20〔MPa〕、Kpreは10〔MPa〕と20〔MPa〕の差に係わる特性データをそれぞれ示す。
同図から明らかなように、20〔MPa〕は10〔MPa〕と比較した場合、背圧が立ち上がった時点で圧縮率の違いにより充填量が遅れるが、逆止弁の閉鎖は早くなり、充填量の差は少なくなって行くことが判る。このように、負荷圧力(背圧)により充填挙動が異なることが判る。充填量の差は損失量になるため、図6の場合も背圧により損失量が異なる。なお、実際の射出中は、背圧により異なる樹脂圧縮量が発生しているため、射出終了時点でのスクリュ圧縮量を考慮して損失量を計算する必要がある。
図7(a)は、ショット毎の充填量におけるバラツキの測定結果を示す。この場合、ドレン路12を閉じた状態でプランジャ4を前進させて圧縮量を測定する。K1はスクリュ54が最前進位置、K2はマニホールド部1mにおける第一開閉バルブ11の作動による樹脂押出、K3はプランジャ4による圧縮、K4は圧縮開放時のそれぞれのプランジャ位置Xsを、連続30ショット実行した中での最大値と最小値の波形を示す。そして、この30ショット分のプランジャ排出樹脂量を重量測定し、各位置との相関を確認した結果、いずれも高い相関を示した。各位置はプランジャ4の充填量を正確に反映している。この各位置でのバラツキは、チャージ量、損失量、その他のバラツキを含めた総合的なものであるが、損失量のバラツキは充填量の差の計算により求めることができる。チャージ量のバラツキは、計量後のプランジャ4の後退量として測定できるため、この位置を求めればよい。図7(b)は、このバラツキを示している。このように、ショット毎の充填量のバラツキにより、その主な原因と考えられる損失量とチャージ量のバラツキを定量的に解析できる。
よって、このような本実施形態に係る特性測定装置1及び特性測定方法によれば、実際に射出ノズルMinから溶融樹脂Rを射出して各種物理量、即ち、樹脂温度Ts,樹脂圧Ps,プランジャ位置Xs等を検出できるため、射出成形CAE等にとって必要な溶融樹脂Rの挙動に係わる様々な特性を得ることができ、もって、射出成形CAE等を用いた各種解析等を広範囲かつ正確に行うことができるとともに、その信頼性を高めることができる。また、実際の射出成形機Mと組合わせることにより、いわば疑似金型として機能させるとともに、キャビティとしてプランジャ4を収容したバレル3を利用するため、通常の金型におけるキャビティ固有の形状等に左右されることなく、汎用性のある各種測定データを容易に得ることができる。この結果、利用する際における測定データの使い勝手を高めることができるなど、汎用性及び応用性の高い測定データを得ることができる。
加えて、プランジャ駆動部5には、プランジャ4に対して溶融樹脂Rの圧力に対する任意の背圧を付与する背圧付与手段15を設けたため、特性測定装置1に能動性を持たせることができ、高度なデータや静的状態では表面化しない特性を得ることができる。この結果、成形動作時の挙動を十分に把握でき、得られる特性に対して十分な評価を行うことができるとともに、特性を条件設定等に実用的に利用することも可能となる。しかも、マニホールド部1mに、樹脂路2を開閉する第一開閉バルブ11及び/又は樹脂路2における溶融樹脂Rの流量を制御する制御バルブを設けるとともに、樹脂路2から分岐して外部に臨むドレン路12及びこのドレン路12を開閉する第二開閉バルブ13を設けたため、特性測定装置1に対する溶融樹脂Rの供給(射出)及び排出をノズルタッチを解除することなく容易に行うことができるとともに、測定の繰り返しを迅速に行うことができる。
他方、本実施形態に係る特性測定装置1は、各種応用測定に利用することができる。以下、この応用例について、図8〜図13を参照して説明する。
図8は、プランジャ4に付与する背圧を、予め設定した変化特性に従って変化するように可変制御する場合の応用例であり、同図は、そのときの処理手順をフローチャートで示す。なお、変化特性は、所定の金型を用いて実成形した際における実測データを利用する場合を示す。
まず、所定の金型に射出成形機Mをノズルタッチして実成形を行う(ステップS21)。そして、この際、射出成形中におけるスクリュ位置,射出速度,射出圧力を計測する(ステップS22)。また、実成形により得られた成形品が良品か否かを判定し、良品でない場合には良品が得られるまで実成形を繰り返して行う(ステップS23,S24,S21…)。一方、実成形により良品が得られたなら、そのときのスクリュ位置,射出速度,射出圧力を実成形データとしてコントローラ32のメモリに登録する。
次いで、金型を特性測定装置1に交換する(ステップS25)。そして、射出成形機Mにより前述した射出工程を実施するとともに、登録した実成形データ(スクリュ位置,射出速度,射出圧力)が再現されるように、プランジャ4の背圧をプログラム制御(可変制御)する(ステップS26,S27,S28)。即ち、実成形データであるスクリュ位置,射出速度,射出圧力を目標値としてプランジャ4の背圧をフィードバック制御する。この場合、射出成形機Mの射出工程では、射出速度が制御されているが、特性測定装置1では、射出圧力が実成形時と等しくなるようにプランジャ4の背圧を制御する。また、射出成形機Mの保圧工程では、射出圧力が制御されているが、特性測定装置1では、スクリュ速度が実成形時と等しくなるようにプランジャ4の背圧を制御する。これにより、実成形時に射出ノズルMinから射出される樹脂量を、特性測定装置1のプランジャ位置Xsの変化により測定することができる。よって、特性測定装置1により、例えば、複雑な金型に近似した態様を疑似的に作り出すことができ、より高度のデータや静的状態では表面化しない特性を得ることができる。
図9〜図13は、樹脂特性、具体的には、圧力P及び樹脂温度Tを変数とした溶融樹脂Rの圧縮率C(P,T)の変化特性、更には、射出ノズル2を通して流出する溶融樹脂Rの流出量F及び単位時間当たりの流量Qを求める応用例であり、図9及び図10には、樹脂特性を測定する際における処理手順をフローチャートで示す。
まず、測定に際しては、測定対象となる樹脂材料(ポリプロピレン)を選定し、ホッパ53に収容する(ステップS31)。
次いで、樹脂特性に対する測定処理を行う(ステップS32)。図10は、具体的な測定処理手順を示す。測定に際しては、第一開閉バルブ11を閉側に制御して射出ノズルMinを閉鎖状態にする(ステップS41)。この後、スクリュ54を回転させて樹脂材料に対する可塑化処理を行う(ステップS42)。可塑化処理により加熱筒52内におけるスクリュ54の前方に溶融樹脂Rが充填されるため、所定量の溶融樹脂Rが計量されたなら可塑化処理を終了する(ステップS43)。
これにより、スクリュ54の前方に溶融樹脂Rが充填状態となるため、圧抜きにより溶融樹脂Rに付加される圧力Pを大気圧に解放する(ステップS44)。そして、このときの圧力Pを圧力検出器59により検出するとともに、スクリュ位置Xを位置検出器58により検出する。また、樹脂温度Tを温度検出器60により検出する(ステップS45)。なお、樹脂温度Tの目標温度は、予め設定しておく。このときの検出結果は、圧力がP0、スクリュ位置がX0、樹脂温度がT0となる。
一方、検出が終了したなら、射出シリンダ56を駆動制御してスクリュ54を圧力P1により前方へ加圧する(ステップS46,S47)。そして、このときの圧力Pを圧力検出器59により検出するとともに、スクリュ位置Xを位置検出器58により検出する。また、樹脂温度Tを温度検出器60により検出する(ステップS48)。このときの検出結果は、圧力がP1、スクリュ位置がX1、樹脂温度がT1となる。検出が終了したなら、圧抜きを行い、溶融樹脂Rに付加される圧力Pを大気圧に解放する(ステップS49,S50)。そして、このときの圧力Pを圧力検出器59により検出するとともに、スクリュ位置Xを位置検出器58により検出する。また、樹脂温度Tを温度検出器60により検出する(ステップS51)。このときの検出結果は、圧力がP2、スクリュ位置がX2、樹脂温度がT2となる。
以上の検出結果が得られたなら、圧縮率の演算を行う(ステップS52)。この場合、圧縮率C(P1,T1)は、πr2X+A(r:スクリュ半径,A:スクリュ位置0における射出ノズル及び加熱筒内の樹脂量)をU(X,T)とすれば、
C(P1,T1)=〔U(X0(P0,T0))−U(X1(P1,T1))〕
/U(X0(P0,T0))
又は
C(P1,T1)=〔U(X2(P2,T2))−U(X1(P1,T1))〕
/U(X2(P2,T2))
のいずれかの式により算出できる。なお、必要により双方の平均値を求めてもよい。
そして、得られた圧縮率C(P1,T1)はコントローラ32のメモリに登録する(ステップS53)。
全ての処理が終了したなら、スクリュ54に対して圧力P1とは異なる他の圧力Pnにより前方へ加圧し、同様に圧縮率C(P,T)を求めて登録する一連の処理を、目標圧力数になるまで順次圧力Pnを変化させて行う(ステップS54,S55,S48…S54)。このようにして得られた圧力Pに対する圧縮率C(P,T)の変化特性は、樹脂温度Tをパラメータとしてグラフ化することにより、図11に示すようになる。同図において、U1,U2,U3は、それぞれ樹脂温度Tが200〔℃〕,220〔℃〕,240〔℃〕の場合の変化特性を示す。
一方、圧縮率C(P,T)の変化特性は、圧力P及び樹脂温度Tに対する関数に変換する。この場合、圧縮率C(P,T)は、
C(P,T)=ΔV/ΣV
=a・Pb
但し、ΔV:圧縮量
ΣV:圧縮前の樹脂量
a:c1・T+d1
b:c2・T+d2
の関数で表すことができる。なお、c1,d1,c2,d2は、樹脂材料の種類に対応した係数であり、ポリプロピレンの場合、
1= 0.00503
1=−0.59992
2=−0.00141
2= 0.97381(以上、単位:百分率)
を適用できる。これらの係数c1,d1,c2,d2は、樹脂材料の種類毎に予めデータベースとして設定しておく。これにより、圧縮率C(P,T)=a・Pbの関数に変換処理する際は、樹脂材料に対応する係数c1,d1,c2,d2をデータベースから読み出し、これに基づいて変換処理すればよい(ステップS33,S34)。図12は、ポリプロピレンにおける樹脂温度Tに対する係数a,bの値の変化特性を示す。
次いで、射出ノズルMinを開放状態にし、かつスクリュ54を前進させた際に加熱筒52内から射出ノズルMinを通して流出する任意の時刻t0,t1間における溶融樹脂Rの流出量Fを算出する(ステップS35)。流出量Fは、圧縮率C(P,T)(=a・Pb)を用いることにより、
F=〔(U(X0)/(1−C(P0,T0))〕
−〔(U(X1)/(1−C(P1,T1))〕
=〔(πr20+A)/(1−C(P0,T0))〕
−〔(πr21+A)/(1−C(P1,T1))〕
但し、r:スクリュ半径
A:スクリュ位置0における射出ノズル及び加熱筒内の樹脂量
0:時刻t0におけるスクリュ位置
0:時刻t0における圧力
0:時刻t0における温度
1:時刻t1におけるスクリュ位置
1:時刻t1における圧力
1:時刻t1における温度
により求めることができる。
また、射出成形CAEの利用に供するため、射出ノズルMinから流出する溶融樹脂Rの単位時間当たりの流量Qを、
Q=F/(t1−t0
により求める(ステップS36)。
図13は、このようにして得られる流出量F(非圧縮ノズル流出量F1)の正確性を検証する実験結果(スクリュ位置・速度、射出圧(圧力)、プランジャ位置・速度、マニホールド圧力)と計算値(非圧縮ノズル射出率、マニホールド圧縮ノズル射出率)を示す。この場合、計算値は、Δt毎のスクリュ位置Xと実測した射出圧(圧力)Pから(1)式((8)式)を用いてΔt間の非圧縮ノズル流出量を求めるとともに、それを非圧縮ノズル射出率に変換したものである。さらに、その積算値に対して実測値のマニホールド圧力による圧縮があるとしてマニホールド圧縮ノズル射出率を計算した。図13中、Uaはスクリュ速度、Ubはプランジャ速度、Ucはスクリュ位置、Udはマニホールド圧力、Ueはマニホールド圧縮ノズル射出率、Ufは非圧縮ノズル射出率、Ugは射出圧、Uhはプランジャ位置を示す。
なお、実験は、特性測定装置1を使用することにより、前述した図2に示すフローチャートに基づいて行なった。したがって、この場合、特性測定装置1の第一開閉バルブ11は開側に制御するとともに、第二開閉バルブ13は閉側に制御する。また、プランジャ4は最前進位置にセットし、この後、図2に示すフローチャートのステップS3〜S17の手順に従って行った。この際、射出工程では、スクリュ位置、スクリュ速度、射出圧(圧力)、プランジャ位置、プランジャ速度、マニホールド圧力(樹脂路2内の樹脂圧力)を検出する。
この実験結果から明らかなように、溶融樹脂Rの圧縮率C(P,T)=a・Pbを用いて算出した流出量Fに基づく非圧縮ノズル射出率Ufと、マニホールド圧力により圧縮補正した結果であるマニホールド圧縮ノズル射出率Ueは、ほぼ一致した変化を示すことが分かる。したがって、任意の樹脂材料において、圧力Pに対する圧縮率C(P,T)の変化特性、即ち、C(P,T)=a・Pbが得られれば、金型における溶融樹脂Rの流動状況を容易かつ的確に把握できる。
なお、図13において、スクリュ速度Uaとプランジャ速度Ubを比較した場合、スクリュ54の前進により、射出圧はほぼ同時に上昇するが、プランジャ4はやや遅れて後退する。その後、スクリュ速度は、200〔mm/s〕まで上昇するが、プランジャ35は、180〔mm/s〕(飛び出し現象)まで上昇した後、一旦下降し、この後、0.16〔s〕で300〔mm/s〕(オーバシュート現象)に到達する。この現象は、溶融樹脂Rの圧縮性に基づく固有の現象と考えられる。したがって、射出ノズルMinから流出する流量がスクリュ速度に追従しない原因は、溶融樹脂Rの圧縮性に基づくものであり、本実施形態に係る樹脂特性測定方法を利用して正確な射出率を実測値から算出すれば、射出成形CAEによる解析等の精度及び信頼性を格段に向上させることができる。
このような測定方法により、実際の射出成形機Mから溶融樹脂Rの圧縮率C(P,T)の変化特性を得るため、射出ノズルMinから射出される溶融樹脂Rの正確な流量Q及び流出量Fを算出することができ、射出成形CAEを用いる解析等を高い精度で行うことができるとともに、その信頼性を高めることができる。また、溶融樹脂Rの流動状況を的確かつ容易に把握できるため、実際の射出工程における細部の設定や制御、具体的には、多段設定した射出速度又は射出圧力の各段に切換える際の切換点の設定や切換制御、更には充填工程から保圧工程に切換える際の切換点の設定や切換制御などを安定かつ高い精度で行うことができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、樹脂路2を開閉する第一開閉バルブ11の代わりに、樹脂路2における溶融樹脂Rの流量を制御する制御バルブを設けてもよい。制御バルブを単独で用いる場合には、制御バルブに樹脂路2を開閉する機能を持たせる必要があるとともに、制御バルブと第一開閉バルブ11を併用する場合には、開閉機能を第一開閉バルブ11に持たせることができる。一方、射出成形機Mの駆動部55や駆動シリンダ24等の駆動系として油圧駆動系を示したが、サーボモータを利用した電気駆動系であってもよい。
本発明の最良の実施形態に係る特性測定装置の断面構成図、 本発明の最良の実施形態に係る特性測定方法の処理手順を示すフローチャート、 同特性測定装置を用いた測定結果の一例を示す変化特性図、 同特性測定装置を用いた測定結果の一例を示す他の変化特性図、 同特性測定装置を用いた測定結果の一例を示す他の変化特性図、 同特性測定装置を用いた測定結果の一例を示す他の変化特性図、 同特性測定装置を用いた測定結果の一例を示す他の変化特性図、 同特性測定装置を用いた応用測定に係る応用例の処理手順を示すフローチャート、 同特性測定装置を用いた応用測定に係る他の応用例の処理手順を示すフローチャート、 同応用例に用いる樹脂特性測定方法の処理手順を説明するためのフローチャート、 同樹脂特性測定方法に用いる圧力に対する圧縮率の変化特性図、 同樹脂特性測定方法に用いる樹脂温度に対する係数の値の特性図、 同樹脂特性測定方法の効果を説明するための時間に対する各種物理量の実験結果と計算値の変化特性図、
符号の説明
1 特性測定装置
1m マニホールド部
1p プランジャユニット部
1s 測定部
2 樹脂路
2s 樹脂路の一端
2t 樹脂路の他端
3 バレル
4 プランジャ
5 プランジャ駆動部
6a 物理量検出器(温度検出器)
6b 物理量検出器(圧力検出器)
6c 物理量検出器(位置検出器)
11 第一開閉バルブ
12 ドレン路
13 第二開閉バルブ
14… 加熱ヒータ
15 背圧付与手段
M 射出成形機
Min 射出ノズル
R 溶融樹脂

Claims (13)

  1. 射出成形機における成形動作時の特性を測定する射出成形機の特性測定装置において、内部に樹脂路を有し、前記射出成形機の射出ノズルの先端に当接することにより前記樹脂路の一端が前記射出ノズルに連通するマニホールド部と、前記樹脂路の他端に連通するバレルと当該バレルに収容したプランジャと当該プランジャを前記バレルの軸方向に移動させるプランジャ駆動部を有するプランジャユニット部と、少なくとも前記射出ノズルから前記樹脂路に溶融樹脂を供給した際における当該溶融樹脂の挙動に基づく物理量を検出する一又は二以上の物理量検出器を有する測定部を備えることを特徴とする射出成形機の特性測定装置。
  2. 前記マニホールド部には、前記樹脂路を開閉する第一開閉バルブ及び/又は前記樹脂路における溶融樹脂の流量を制御する制御バルブを備えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の特性測定装置。
  3. 前記マニホールド部には、前記樹脂路から分岐して外部に臨むドレン路及びこのドレン路を開閉する第二開閉バルブを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機の特性測定装置。
  4. 前記マニホールド部及び前記プランジャユニット部には、前記樹脂路内及び前記バレル内の溶融樹脂を加熱する加熱ヒータを付設することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の特性測定装置。
  5. 前記プランジャ駆動部には、前記プランジャに対して溶融樹脂の圧力に対する任意の背圧を付与する背圧付与手段を備えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の特性測定装置。
  6. 前記測定部は、少なくとも、溶融樹脂の温度(樹脂温度)を検出する温度検出器,溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を検出する圧力検出器,前記プランジャの位置(プランジャ位置)を検出する位置検出器の一又は二以上を有することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の特性測定装置。
  7. 射出成形機における成形動作時の特性を測定する射出成形機の特性測定方法において、内部に樹脂路を有し、前記射出成形機の射出ノズルの先端に当接することにより前記樹脂路の一端が前記射出ノズルに連通するマニホールド部と、前記樹脂路の他端に連通するバレルと当該バレルに収容したプランジャと当該プランジャを前記バレルの軸方向に移動させるプランジャ駆動部を有するプランジャユニット部と、少なくとも前記射出ノズルから前記樹脂路に溶融樹脂を供給した際における当該溶融樹脂の挙動に基づく物理量を検出する一又は二以上の物理量検出器を有する測定部を備える特性測定装置を使用し、予め、前記プランジャを最前進位置にセットし、この最前進位置で前記プランジャを固定して前記射出成形機の動作による計量工程を行うとともに、この後、前記プランジャの固定を解除して前記射出成形機の動作による射出工程を行うことにより、前記計量工程及び/又は前記射出工程における物理量を前記物理量検出器により検出することを特徴とする射出成形機の特性測定方法。
  8. 前記プランジャに対して溶融樹脂の圧力に対する所定の背圧を付与することを特徴とする請求項7記載の射出成形機の特性測定方法。
  9. 前記背圧は、予め設定した変化特性に従って変化するように可変制御することを特徴とする請求項7記載の射出成形機の特性測定方法。
  10. 前記変化特性は、所定の金型を用いて実成形した際における実測データを利用することを特徴とする請求項9記載の射出成形機の特性測定方法。
  11. 前記物理量には、少なくとも、樹脂温度,樹脂圧,プランジャ位置の一又は二以上を含むことを特徴とする請求項7記載の射出成形機の特性測定方法。
  12. 前記マニホールド部に、前記樹脂路を開閉する第一開閉バルブ及び/又は前記樹脂路における溶融樹脂の流量を制御する制御バルブを設けるとともに、前記樹脂路から分岐して外部に臨むドレン路及びこのドレン路を開閉する第二開閉バルブを設け、前記計量工程及前記射出工程を行う際に、前記第一開閉バルブ及び/又は前記制御バルブにより前記樹脂路を開き、かつ前記第二開閉バルブにより前記ドレン路を閉じることを特徴とする請求項7記載の射出成形機の特性測定方法。
  13. 前記射出工程が終了したなら、前記第一開閉バルブ及び/又は前記制御バルブにより前記樹脂路を閉じ、かつ前記第二開閉バルブにより前記ドレン路を開くとともに、この後、前記プランジャを前進させて前記最前進位置にセットすることを特徴とする請求項12記載の射出成形機の特性測定方法。
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