JP2006116813A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高光沢で、インクの定着性が良好で、印字したインクの滲みが抑えられ、印字部と白紙部の光沢度差が少なく、発色濃度の高いインクジェット記録用紙を提供すること。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に少なくとも3層のインク受容層を有しており、最表層のインク吸収速度が最表層に隣接する中間層のインク吸収速度より速い。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用紙に関し、特に、印字したインクの滲みを低減し、印字光沢および白紙光沢に優れ、発色濃度が高いインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により記録材料に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであり、高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有しており、近年の技術進歩により、印字品質の高い記録が可能になってきている。特に、染料インクをインクジェットプリントに用いると、溶媒に可溶な染料の色素分子は分子状態で着色するので、高純度で鮮明な発色を示し、光沢感のある画像を出力することは可能である。
ところが、顔料インクをインクジェットプリントに用いると、顔料は溶媒に不溶であり、色素分子は粒子を形成して溶媒に分散した状態で着色に寄与するので、インクの定着性が得られにくく、粒子に起因する散乱光や反射光の影響により、印字部と白紙部の光沢に差が出やすいという問題がある。
例えば、この種の技術に関して、特許文献1には、少なくとも2層からなるインク受容層の最上層を親水性の最も高い層とした記録媒体が開示されている。そして、その記録媒体によれば、インク中の色材である水溶性染料と、溶剤等の親油性の高いものとの分離が、インク受容層の表面近くで生じることが可能となり、インクの吸収性が良く、インクの滲みが少なく、インクの定着性が良好であると記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも3層からなるインク吸収層の最上層のインク吸収層に隣接するインク吸収層の不透明度を、支持体に最も近いインク吸収層より高くしたインクジェット記録材料が開示されている。そして、このインクジェット記録材料によれば、印字部と未印字部の光沢差が小さく、ブロンジングの発生を抑制し、インク吸収性に優れていると記載されている。
特開2000−263920号公報 特開2002−234244号公報
一般的に、インクジェット記録においては、「表面でインクが広がってドットが大きくなる」、「異なる色のインクが混ざり有って色が汚くなる」、「印字後の定着時間が長くなる」などの問題を避けるために、水性のインクが速やかに記録媒体へ浸透することが必要である。ところが、水とのなじみがよいことは、一方で耐水性の不足やインクの滲みにつながり不都合なので、紙に適当量の無極性物質を加えて疎水化する処理、いわゆる、サイジングが行われている。
この点で、特許文献1に記載されたように、最上層の親水性を最も高くし、下層の親水性を上層より低くすることにより、ある程度インクの浸透速度を制御することは可能である。
しかし、紙への液体の浸透は不規則な形の繊維間の空隙への毛管浸透と繊維自体の膨潤が同時に進行する複雑なものであり、単にインク受容層の親水性に差を設けるだけでは、インクの滲みを抑えたり、インクの定着性を改善することはできない。インクジェット用インクは一般に水を主体とする溶液であるが、細いノズルから吐出するための流動性の制御および非使用時の乾燥防止の目的で水溶性有機溶媒(例えば、エチレングリコール及びその誘導体など)が添加されているのが普通である。これらの化合物を水に加えると、表面張力と接触角の低下および粘度の上昇により紙に対する水の浸透性が影響を受ける。このように、紙に対する水の吸収過程と有機溶媒を含有するインクの吸収過程は異なるので、特許文献1に記載されたように、単にインク受容層の親水性に差を設けるだけでは、インクの吸収性を良くしたり、インクの滲みを少なくしたり、インクの定着性を改善することはできない。
また、特許文献2には、インク受容層のインク吸収速度を制御することについては全く記載されていない。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高光沢で、インクの定着性が良好で、印字したインクの滲みが抑えられ、印字部と白紙部の光沢度差が少なく、発色濃度の高いインクジェット記録用紙を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、支持体の少なくとも一方の面に少なくとも3層のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、最表層のインク吸収速度が最表層に隣接する中間層のインク吸収速度より速いことを特徴としている。
後記する理由により、最表層に隣接する中間層のブリストートレース長さが、最表層のブリストートレース長さより30cm以上長いことが好ましい。このブリストートレース長さは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No. 51ブリストー法において、回転ホイール速度を50mm/秒にして測定した際のトレース長さをいう。
後記する理由により、各インク受容層が無機顔料およびバインダーを主成分とし、最表層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは5〜50重量部であって、最表層に隣接する中間層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは20〜60重量部であって、且つ、最表層に隣接する中間層のバインダー配合量が最表層のバインダー配合量より多いことが好ましい。
なお、本明細書において、主成分とは、その構成成分中70重量%以上含む場合をいう。
本発明は上記のとおり構成されているので、次のような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、インク受容層を少なくとも3層からなる多層構造とすることにより、多数の各層間界面がインク吸収のバリヤーとなって下層へのインク進入が抑制される。しかも、最表層のインク吸収速度が最も速く、最表層に隣接する中間層のインク吸収速度が遅いので、インクが用紙表面に着弾すると、インクに含まれる顔料または染料の多くは最表層に定着される一方、インク中の溶剤成分は毛細管現象によって吸収速度の速い最表層を通り抜け、最表層に隣接する中間層に達する。このように、本発明によれば、顔料または染料を表面近くに留めることができるので、発色濃度の高い、光沢感のある画像を得ることができるとともに、印字したインクの滲みが抑えられ、印字部と白紙部の光沢度差が少ないインクジェット記録用紙を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、最表層のインク吸収速度と最表層に隣接する中間層のインク吸収速度との差が適正に保たれ、最表層に隣接する中間層がインク吸収速度を律速する役割を巧みに果たすので、インクの定着性が促進され、一層発色濃度の高い高光沢の画像を出力することができる。
請求項3記載の発明によれば、バインダーの配合比率を適正範囲に収めることによって、最表層および最表層に隣接する中間層のインク吸収速度を自在に調整しうるので、精緻で高品質の印刷画像を得ることが可能である。
本発明のインクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも一方の面に少なくとも3層のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、最表層のインク吸収速度が最表層に隣接する中間層のインク吸収速度より速いことを特徴としているが、以下に、本発明の好ましい実施形態を具体的に説明する。
支持体としては、限定されるものではないが、古紙パルプ(DIP)、化学パルプ(例えば、広葉樹クラフトパルプ:LBKP、針葉樹クラフトパルプ:NBKP等)、機械パルプ(例えば、サーモメカニカルパルプ:TMP、プレッシャライズドグランドパルプ:PGW、リファイナーグランドパルプ:RGP、グランドパルプ:GP等)などの木材パルプに必要に応じて顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種抄紙装置で製造された原紙や、さらにこの原紙に澱粉、ポリビニルアルコールなどによるサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙を挙げることができる。このような原紙や塗工紙に、そのままインク受容層を設けてもよいし、平坦度を制御する目的で、カレンダー処理を施すこともできる。
インク受容層形成用塗工液に含まれる無機顔料としては、例えば、非晶質シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、アルミナとシリカとの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸鉛等を挙げることができる。これらの無機顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、インク吸収性を向上させる観点から、非晶質シリカ、コロイダルシリカ又はアルミナが好ましい。また、顔料の平均粒径は、0.01〜9.0μmが好ましい。0.01μm未満では、塗工層の空隙容量が小さくなり、インク吸収性が悪化するという不都合があり、9.0μmを超えると、塗工層表面が粗くなり、光沢発現性が低下するという不都合がある。
インク受容層形成用塗工液に含まれるバインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等を挙げることができる。これらのバインダーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重要な特徴は、最表層のインク吸収速度が最表層に隣接する中間層のインク吸収速度より速いことであるが、インク受容層を構成する無機顔料とバインダーの配合比率を変えることで、自在にインク吸収速度をコントロールすることが可能である。インク受容層形成用塗工液中のバインダーの比率を高くすると、インクの吸収性は低くなり、逆に、バインダーの比率を下げると、インク吸収性を上げることができる。しかし、バインダーの比率が高すぎると、塗層中の空隙がバインダーで埋められてしまい、印刷した際にインクが記録紙に吸収されることなく表面に残ってしまうという不都合がある。一方、バインダーの比率を下げすぎると、塗層の表面強度が低下し、塗層剥離を起こしやすくなる。この点で、最表層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは5〜50重量部であって、最表層に隣接する中間層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは20〜60重量部であって、且つ、最表層に隣接する中間層のバインダー配合量が最表層のバインダー配合量より多いことが好ましい。
また、最表層のインク吸収速度と最表層に隣接する中間層のインク吸収速度との差を適正に保つためには、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No. 51ブリストー法において、回転ホイール速度を50mm/秒にして測定した際のトレース長さにおいて、最表層に隣接する中間層のブリストートレース長さが、最表層のブリストートレース長さより30cm以上長いことが好ましい。このブリストートレース長さが長いほど、液体吸収速度が遅いことを示し、上記したように、顔料とバインダーの配合比率を適宜変更することにより、液体吸収速度(インク吸収速度)を調整することができる。なお、中間層のインク吸収性をある程度持たせるという観点から、最表層に隣接する中間層と最表層のブリストートレース長さの差は、70cm以下であることが好ましい。
インク受容層形成用塗工液には、必要に応じて、種々の助剤を添加することができる。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線、吸収剤、離型剤、潤滑剤および有機カチオン剤等を挙げることができる。
塗工液の塗布方法としては、限定されるものではないが、例えば、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。最表層の塗工液の塗布量は7g/m2〜30g/m2であるのが好ましい。7g/m2未満であると、光沢不足になるという不都合があり、30g/m2を超えると、表面強度不足になるという不都合がある。また、最表層に隣接する中間層の塗工液の塗布量は0.5g/m2〜6.0g/m2であるのが好ましい。0.5g/m2未満であると、実操業の上で塗布ムラが出やすいという不都合があり、6.0g/m2を超えて塗工しても、如上に勝る効果は得られず、コストアップになるという不都合がある。
本発明のインクジェット記録用紙において、JIS−P8142に従って測定された60゜白紙光沢度は、40%以上であることが好ましい。白紙光沢度が上記範囲外であると、本発明のインクジェット記録用紙を写真用として用いるときに好ましくない場合がある。白紙光沢度を上記範囲内とする方法に特に制限はないが、バインダー樹脂のガラス転移温度を5〜30℃の範囲内で変更するとともに、顔料とバインダーの配合量を上記範囲内で変更することにより、白紙光沢度を調整することができる。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更と修正が可能である。
1.以下の配合および加工工程により、支持体と塗料A〜Cを得た。
(1)支持体 LBKP100重量部に対して、硫酸バンド30重量部、サイズ剤10重量部およびタルク10重量部を配合し、長網抄紙機にて抄造後、サイズプレスにて紙面に澱粉を塗工し、支持体を得た。
(2)塗料A(内側層塗工用)
配合 湿式シリカ(シリカファインシールX45、トクヤマ社製、平均粒径4.5μ m、BET比表面積300m2/g) 100重量部
ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製、重合度1700)
55重量部
カチオン化樹脂(SR1001,住友化学社製) 10重量部
加工 ホモジナイザーにて湿式シリカを固形分が18重量%となるように分散後、 各薬剤を順次混合し、固形分が17重量%となるように蒸留水で希釈し、塗料 Aを得た。
(3)塗料B(最表層隣接中間層塗工用)
配合 サブミクロンシリカ(サイロジェット703C、グレースデヴィソン社製、平 均粒径0.3μm) 100重量部
ポリエチレングリコール(PEG200、東邦化学工業社製、分子量200) 10重量部
カチオン性水溶性樹脂(ポリフィックス700、昭和高分子社製)
5重量部
水溶性アクリル酸エステル系樹脂(IJC−701、一方社油脂社製)
40重量部
加工 ラボスターラーにて上記各薬剤を混合後、固形分が20重量%となるように 蒸留水で希釈し、塗料Bを得た。
(4)塗料C(最表層塗工用)
配合 サブミクロンシリカ(サイロジェット703C、グレースデヴィソン社製、平 均粒径0.3μm) 100重量部
ポリエチレングリコール(PEG200、第一工業製薬社製、分子量200) 10重量部
カチオン性水溶性樹脂(SR1001、住友化学社製) 5重量部
ポリエチレン樹脂(SN287、サンノプコ社製) 1重量部
水溶性アクリル酸エステル系樹脂(IJC−701、一方社油脂社製)
10重量部
加工 ラボスターラーにて上記各薬剤を混合後、固形分が10重量%となるように 蒸留水で希釈し、塗料Cを得た。
2.本発明のインクジェット記録用紙サンプルの製造例
〔実施例1〕 上記支持体上に塗料A、塗料B、塗料Cの順に、固形分換算でそれぞれ、10g/m2、5g/m2、15g/m2 づつワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を 得た。その塗沫紙の塗工面を90℃の温水で再湿潤し、表面にクロムメッキを施して100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、高光沢のインクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料B、塗料Cの塗工、乾燥後、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No. 51ブリストー法において、回転ホイール速度を50mm/秒にして測定した際のブリストートレース長さは、それぞれ179cm、147cmであった。
〔実施例2〕 上記支持体上に塗料Aを固形分換算で10g/m2 ワイヤーバーで塗工後に乾燥し、その塗層の上に、塗料Aを固形分換算で10g/m2 ワイヤーバーで塗工後に乾燥し、さらに、それら塗層の上に、塗料B、塗料Cの順に、固形分換算でそれぞれ5g/m2、15g/m2づつワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を得た。以後、実施例1と同様の方法で高光沢のインクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料B、塗料Cの塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、それぞれ174cm、139cmであった。
〔実施例3〕 上記支持体上に塗料Aを固形分換算で10g/m2 づつ3回に分けてワイヤーバーで塗工後に乾燥し、さらに、その塗層の上に、塗料B、塗料Cの順に、固形分換算でそれぞれ5g/m2、15g/m2づつワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を得た。以後、実施例1と同様の方法で高光沢のインクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料B、塗料Cの塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、それぞれ176cm、141cmであった。
3.比較例のインクジェット記録用紙サンプルの製造例
〔比較例1〕 上記支持体上に塗料Cを固形分換算で15g/m2 ワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を得た。その塗沫紙の塗工面を90℃の温水で再湿潤し、表面にクロムメッキを施して100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、インクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料Cの塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、256cmであった。
〔比較例2〕 上記支持体上に塗料Cを、固形分換算で15g/m2 づつ2回に分けてワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を得た。その塗沫紙の塗工面を90℃の温水で再湿潤し、表面にクロムメッキを施して100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、インクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料Cの1回目、2回目の塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、それぞれ250cm、270cmであった。
〔比較例3〕 塗料Cで配合する水溶性アクリル酸エステル系樹脂を5重量部とした以外は、塗料Cと同様の配合と加工工程で塗料Dを作製した。そして、上記支持体上に塗料D、塗料Cの順に、固形分換算でそれぞれ15g/m2 づつワイヤーバーで塗工後に乾燥 し、塗沫紙を得た。その塗沫紙の塗工面を90℃の温水で再湿潤し、表面にクロムメッキを施して100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、インクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料D、塗料Cの塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、それぞれ167cm、193cmであった。
〔比較例4〕 上記支持体上に塗料A、塗料D、塗料Cの順に、固形分換算でそれぞれ、10g/m2、5g/m2、15g/m2 づつワイヤーバーで塗工後に乾燥し、塗沫紙を 得た。その塗沫紙の塗工面を90℃の温水で再湿潤し、表面にクロムメッキを施して100℃に加熱したキャストドラムに圧着乾燥させ、インクジェット記録用紙サンプルを得た。なお、塗料D、塗料Cの塗工、乾燥後の同上ブリストートレース長さは、それぞれ131cm、160cmであった。
4.特性の評価
以上のようにして得た各インクジェット記録用紙サンプルに水性の顔料インクをプリンターで印刷後、各サンプルの60゜白紙光沢度、インク滲み及び発色濃度を測定した。評価に用いたプリンターはPX−V600(セイコーエプソン社製)、顔料インクはPX−V600純正インクである。
[白紙光沢度の評価] JIS−Z8741で規定される60度鏡面光沢測定方法に従って行った。「40%以上のもの」を◎、「30%以上40%未満のもの」を○、「20%以上30%未満のもの」を△、「20%未満のものを」×として、表1に示す。
[インク滲みの評価] 印刷後、目視にて評価した。「印刷後、滲みが全く見られなかったもの」を◎、「印刷後、300%印字の色境界で滲みが若干見られたが境界の判別が可能で、実質上問題ないもの」を○、「印刷後、300%印字の色境界で滲みが目立ち、境界の判別が困難なもの」を△、「印刷後、100%印字の色境界でも滲みが目立ち、境界の判別が困難なもの」を×として、表1に示す。
[発色濃度の評価] マクベス反射濃度計により測定し、その際インクが吸収しきれずに紙面に溢れている場合は、溢れ分を布で拭き取り、発色濃度を測定した。「ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの印字濃度の合計が4.80以上のもの」を◎、「上記印字濃度の合計が4.70以上4.80未満のもの」を○、「上記印字濃度の合計が4.60以上4.70未満のもの」を△、「上記印字濃度の合計が4.60未満のもの」を×として、表1に示す。
Figure 2006116813
表1に示すように、本発明の実施例1〜3に係るインクジェット記録用紙は、白紙光沢度、インク滲み及び発色濃度のすべてが、極めて良好である。
しかし、比較例1に係るインクジェット記録用紙は、インク受容層が1層のみであり、比較例2に係るインクジェット記録用紙は、インク吸収速度が同じである2層のインク受容層からなり、比較例3に係るインクジェット記録用紙は、インク吸収速度がほぼ同じである2層のインク受容層からなり、比較例4に係るインクジェット記録用紙は、インク受容層が3層からなるが、最表層のインク吸収速度と最表層に隣接する中間層のインク吸収速度がほぼ同じである。従って、比較例1ないし4に係るものは、インク滲み及び発色濃度のうちの少なくともいずれか一方の特性が悪い。

Claims (3)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に少なくとも3層のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、最表層のインク吸収速度が最表層に隣接する中間層のインク吸収速度より速いことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 最表層に隣接する中間層のブリストートレース長さが、最表層のブリストートレース長さより30cm以上長いことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 各インク受容層が無機顔料およびバインダーを主成分とし、最表層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは5〜50重量部であって、最表層に隣接する中間層における無機顔料とバインダーの配合量は、無機顔料100重量部に対してバインダーは20〜60重量部であって、且つ、最表層に隣接する中間層のバインダー配合量が最表層のバインダー配合量より多いことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008018406A1 (fr) * 2006-08-11 2008-02-14 Dic Corporation Agent destiné à conférer une réceptivité à l'encre de jet d'encre à un tissu et tissu traité par cet agent

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