JP2006116683A - ダイヤモンドまたはcBN工具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 常に十分な砥粒の突き出しを維持でき、また、研削くずの工具への堆積の抑制や加工面精度の向上が期待でき、さらに自生発刃を効果的に維持して連続的な高速度加工を可能となるダイヤモンドまたはcBN工具及びその製造法を提供する。
【解決手段】 砥粒がダイヤモンド及び/またはcBNの粒子からなり、該砥粒を内包するボンド材が主として非晶質構造の炭素からなり、上記砥粒とボンド材との焼成体により工具全体を構成する。上記工具の製造に際しては、上記砥粒と上記非晶質構造の炭素を形成するための熱硬化性樹脂との混合粉末を成形して成形体とし、該成形体を真空中、または、不活性ガスあるいは還元性ガスの雰囲気中で、400℃以上1400℃未満にて焼成して、上記熱硬化性樹脂を炭化し、上記砥粒と上記ボンド材との焼成体とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミックス、金属、ガラス、合成樹脂、あるいはそれらの複合材料、及び生セラミックス等に対して、切断、溝入れ加工またはその他の成型加工するのに有効なダイヤモンドまたはcBN工具、及びその製造方法に関するものである。
従来、セラミックス、金属、ガラス、合成樹脂、あるいはそれらの複合材料、生セラミックス等に対して、高速での切断、溝入れ加工、高研削性加工、及び高精度加工が要求される成型加工においては、ビトリファイあるいはレジノイドをボンド材としたダイヤモンドまたはcBN工具が使用されていた。それらのボンド材は、基本的に砥粒の自生発刃を活発に行うことで、連続的に研削を行うことを可能にしていた。そのため、工具の磨耗量が極端に多く、寿命が短いことが難点として挙げられていた。また、ボンド材の弾性率や硬度が低いことから、要求される加工精度を満たし、かつ、高速度加工を行うことには限界があった。
さらに、切断用ブレードに関しては、その製法及び材料特性により、厚みを薄くした工具の製造に限界があった。
従来の砥粒とボンド材とからなる工具は、上述のようにボンド材の弾性率や硬度を低くすることにより、使用に伴う自生発刃を良好にして高速度加工を可能にするという理論に基づいて製作されたものであるが、上記のような問題点を有していた。
そこで、本発明者は、このような問題点を解決したダイヤモンドまたはcBN工具を開発するために鋭意研究し、その結果、従来の理論とは異なり、ボンド材が高弾性率で高硬度でも十分な砥粒の突き出しを維持できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
而して、本発明の技術的課題は、ボンド材が高弾性率、高硬度であり、砥粒の保持力が高いことで、常に十分な砥粒の突き出しを維持でき、また、ボンド材の滑り性を良好にすることにより、研削くずの工具への堆積の抑制や加工面精度の向上を図れるようにしたダイヤモンドまたはcBN工具を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、ボンド材が適度な脆性を有することにより、自生発刃を効果的に維持して連続的な高速度加工を可能にしたダイヤモンドまたはcBN工具を提供することにある。
更に、本発明の他の技術的課題は、上記特性により工具の磨耗を抑えるとともに、切断用ブレードとして用いる場合は、ボンド材が持つ高い剛性により、0.1mm以下の薄刃品の製造が可能となるダイヤモンドまたはcBN工具を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、上述した特性を有するダイヤモンドまたはcBN工具の製造に適した当該工具の製造法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のダイヤモンドまたはcBN工具は、砥粒がダイヤモンド及び/またはcBNの粒子からなり、該砥粒を結合するボンド材が主として非晶質構造の炭素からなり、上記砥粒とボンド材とを含む焼成体により工具全体を構成していることを特徴とするものである。
上記本発明に係る工具の好ましい実施形態においては、上記砥粒とボンド材とを含む焼成体中における上記非晶質構造の炭素の含有率が、40〜96.5vol%であり、また、該非晶質構造の炭素は、炭素化合物からなるボンド材前駆体を炭化焼成して形成される。
上記ボンド材前駆体は、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素系樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フルフリルアルコール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びジアリルフタレート樹脂のうちから選らばれた1または2以上の熱硬化性樹脂であることが望まれる。
本発明に係る工具の他の望ましい実施形態においては、上記砥粒の平均粒径が、0.1〜300μmであり、焼成体中に3.5〜60vol%含有するように構成される。
また、本発明に係る工具の他の望ましい実施形態においては、上記砥粒が、周期律表IVa、Va、VIa、Ib、IVbまたはVIII族に属する金属の1または2以上によりコーティング処理される。
上記ダイヤモンドまたはcBN工具は、その厚みが0.01〜1.0mmであるオールブレードタイプの切断用ブレードとして構成することができる。また、カップタイプの研削成型用カップ砥石に適用できる。しかしながら、本発明に係る工具の用途は、上記切断用ブレードおよび上記カップ砥石に限定されるものではなく、他の切断、研削用工具に適用することができる。
一方、本発明の上記ダイヤモンドまたはcBN工具の製造方法は、砥粒がダイヤモンド及び/またはcBNの粒子からなり、該砥粒を結合するボンド材が主として非晶質構造の炭素からなり、上記砥粒とボンド材とを含む焼成体により工具全体が構成されているダイヤモンドまたはcBN工具の製造方法であって、上記砥粒と上記非晶質構造の炭素を形成するための熱硬化性樹脂との混合粉末を成形して成形体とし、該成形体を真空中、または、不活性ガスあるいは還元性ガスの雰囲気中で、400℃以上1400℃未満にて焼成して上記熱硬化性樹脂を炭化し、上記砥粒と上記ボンド材との焼成体とすることにより該工具を製造することを特徴とするものである。
上述した本発明のダイヤモンドまたはcBN工具によれば、ダイヤモンド及び/またはcBNの粒子からなる砥粒と、主として非晶質構造の炭素からなるボンド材との焼成体により工具全体を構成することで、従来のレジノイドあるいはビトリファイドをボンド材とした研削工具と比較して、加工真直性及び磨耗性に関して優位性を有し、また研削抵抗の上昇率も低く抑えられることから、高速加工の安定性においても優位性がある。
これは、従来のレジノイドあるいはビトリファイドをボンド材とした研削工具では、加工中に砥粒が十分な仕事を行えていない時点でボンド材から脱落し、そのために磨耗量とともに研削抵抗が大きくなっていたが、本発明の該工具によれば、ボンド材が高弾性率、高硬度であり、砥粒の保持力が高いことで、常に十分な砥粒の突き出しを維持でき、また、ボンド材の滑り性を良好にすることにより、研削くずの工具への堆積の抑制や加工面精度の向上を図り、さらに、ボンド材が適度な脆性を有することにより、自生発刃を効果的に維持することができ、これらにより、磨耗量を小さくし、安定した連続的な高速度加工が可能になる。
また、本発明に用いられるボンド材は、従来のボンド材では成しえなかった薄刃品の製作を可能としており、その加工性能も十分であることを確認している。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るダイヤモンドまたはcBN工具は、砥粒がダイヤモンドまたはcBNの粒子の単独、あるいは、それらの混合物であり、該砥粒を内包するボンド材が主として非晶質構造の炭素からなり、上記砥粒とボンド材との焼成体により工具全体が構成される。
この工具を製造するための製造方法は、まず、上記砥粒とボンド材前駆体とを含む固結体を得る必要があるが、このボンド材前駆体として、上記ボンド材を構成する主成分の炭素を得るために熱硬化性樹脂が用いられる。そして、上記ボンド材は、この熱硬化性樹脂を炭化することにより形成される。
そこで、まず、上記砥粒と熱硬化性樹脂との混合粉末を用意し、通常、これを圧縮成形法により成形して成形体とする。この成形法については特に圧縮成形に限定されるものではなく、射出成形その他の成形法でもよい。その後、この成形体を炭化焼成することで、ダイヤモンドあるいはcBNもしくはこれらの混合物の砥粒と、それらを結合するボンド材との焼成体からなるダイヤモンドまたはcBN工具が得られる。
上記熱硬化性樹脂としては、特に制限されるものではないが、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素系樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フルフリルアルコール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。そして、これらの1または2以上を混合して用いることができる。なお、このボンド材前駆体は、上記熱硬化性樹脂に限るものではないが、炭化焼成することにより、機械強度の低い多孔質の非晶質構造の炭素となってしまう、澱粉、木粉等の生物系有機高分子物質は好ましくない。
上記熱硬化性樹脂の炭化焼成としては、真空中、または、不活性ガスあるいは還元性ガスの雰囲気中で行うことができる。不活性ガスとしては、特に限定されるものではないが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられ、還元性ガスとしては、これも特に限定されるものではないが、水素ガス、炭化水素ガス、一酸化炭素ガス等が挙げられる。
焼成温度は、400℃以上で1400℃未満が望ましい。焼成温度が400℃未満であると、焼成体内の樹脂分が十分に炭化されないため、機械的強度に劣ったり、不均一に炭化が成され、量産時に製品としての不安定性を招く。1400℃以上の温度ではダイヤモンドまたはcBN砥粒の熱劣化による機械的強度の低下を生じる虞がある。
上記焼成体には、40〜96.5vol%の上記非晶質構造の炭素を含有することが望まれる。この含有量が40vol%未満であると、上記工具の高弾性、及び滑り性が低下するとともに、砥粒の保持力が低下して工具の薄刃化が困難になり、好ましくない。また、96.5vol%を超えると研削能力が低下するとともに、自生発刃が困難になり、好ましくない。
ところで、上記炭素は、上述のように熱硬化性樹脂を炭化して得られるので、焼成体中の含有量は、上記炭素の原料として使用する熱硬化性樹脂の添加量で調整される。
すなわち、該樹脂における炭素含有量を計算して該樹脂添加量が決定される。一般的には熱硬化性樹脂を炭化すると該樹脂量の40〜60%が炭素として残留するが、この残炭率は該樹脂の種類により異なる。そして、この残炭率が多い樹脂程、その添加量が少なくても済むとともに、分解して消失する量も少なくなるので好ましい。そして、樹脂の消失量が少ないことは、分解による放出ガスが少ないことであり、その結果、焼成体に残存してしまうガス量も少なくなり、ひいては、製品の均一性を向上させることができる。
使用するダイヤモンドまたはcBN砥粒は、その平均粒径が0.1〜300μmであって、焼成体中に3.5〜60vol%、好ましくは12.5〜31.25vol%含有されている状態が、ダイヤモンドまたはcBN工具として、すぐれた加工精度、高速度加工のために有効である。上記粒径が0.1μm未満であると加工速度を遅くする必要があって実用性に劣り、300μmを超えると加工面が粗くなり必要な加工精度が得られない。また、上記砥粒含有率が3.5vol%未満であると加工速度を遅くする必要があるとともに、加工能力が低下し、好ましくない。60vol%を超えると、砥粒の工具への保持力が低下して好ましくない。
さらに、上記砥粒は、その表面を周期律表IVa、Va、VIa、Ib、IVbまたはVIII族に属する金属の1または2以上により数μm程度のコーティング処理するのが望ましい。しかしながら、そのコーティングは必須ではなく、不コートとすることもできる。上記コーティング砥粒を使用することにより、上記金属とボンド材である非晶質炭素間において、上記金属の炭化物が生成し、砥粒保持力を増大させ、ひいては、工具強度及びその寿命の面での性能向上を図ることができる。さらに、ダイヤモンドのコーティング砥粒においては、ダイヤモンドと上記金属間に上記金属の炭化物が生成することで、砥粒とボンド材をより強固に結合することができる。
上記ダイヤモンドまたはcBN工具を切断用ブレードとする場合、その厚さを0.01〜1.0mmとするのが、加工精度あるいは経済性の観点から望ましい。この厚さが0.01mm未満だと、切断用ブレードとしての機械強度が不足し、真直性が低下して好ましくなく、1.0mmを超えると、被切削材の材料ロスが多くなり、好ましくない。
材料の切断に際しては、一般に、材料ロスを減らすためにより薄いブレードが望まれるが、本発明のボンド材である非晶質構造の炭素は、ボンドマトリクス中に粒界が存在せず、高い密度を有することで、ブレードを薄くした場合でも形状を維持できるので、極めて薄い切断用ブレードを作製することができる。
また、上記ダイヤモンドまたはcBN工具をカップタイプの研削成型用カップ砥石に適用することができ、その場合は加工面精度の向上が図れて好ましい。
なお、本発明は、ダイヤモンドまたはcBNの粒子の単独、あるいはこれらの混合物を砥粒とし、主として非晶質構造の炭素をボンド材として構成されるダイヤモンドまたはcBN工具中に、周期律表IVa、Va、VIa、Ib、IVbまたはVIII族に属する金属の1または2以上の粉末をフィラーとして混入させることを排除するものではない。
上記フィラーを混入した場合は、該フィラーの金属とボンド材である非晶質炭素間において、上記金属の炭化物が生成することで、単に金属フィラーの混入による加工性への好影響だけでなく、工具としての剛性及び強度を向上させることができる。
すなわち、この金属フィラーは、焼成体中で非晶質炭素に付随してボンド材として砥粒の固定に寄与することになる。
以下に本発明の実施例を比較例との関連において具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
平均粒径20μmのフェノール樹脂粉末75vol%に対して、粒径が20〜30μmのダイヤモンド砥粒25vol%を混合した粉末を、外径55mm、内径39.8mmの金型中に均一に型込めし、成形温度200℃、圧力250kg/cmで1時間保持することで圧縮成型した。得られた成形体を型から外し、真空炉中で900℃、1×10−4Torr下にて熱処理することで焼成体を得た。この焼成体中の非晶質構造の炭素含有率は65vol%、ダイヤモンド砥粒の含有率は35vol%であった。
これを外径52mm、内径40mm、厚さ0.2mmに仕上げ、オールブレードタイプの切断ブレードとした。得られたブレードは、突き出し量が2mmになるようにステンレス製スペーサを用いてフランジに組み込み、機械に装着した。切断にはダイシングマシンを使用し、砥石回転数30000rpm、送り速度90mm/minで加工を行った。切断用被削物は、難削材の一つとして挙げられるサファイアウェハーを、長さ70mm、厚さ0.3mmに切り出し、それをUVシートで接着したものである。切断評価は切り込み量を0.35mmにし、0.5mmのピッチで10ライン加工し、端面のチッピングの大きさ、加工面の真直性、研削抵抗、ブレードの磨耗を測定した。
Figure 2006116683
チッピングは、各ラインにおいて、加工面の上下部共に最大のものから10個測定し、その平均値を表記した。
なお、加工面の真直性の測定方法は、まず上記加工条件にて加工を始める前に、砥石回転数30000rpm、送り速度10mm/min、切り込み量0.1mmで基準となる浅溝を1本造り、その後、本加工を設定通りに行って、上記基準溝から各本加工ラインまでの距離を測定した。測定は、各ラインにおいて、ブレードの入口、ワーク中央、ブレードの出口の三点にて行い、それらの値の差を加工真直性とした。この値が小さいほど真直性が良好であることを表している。結果を表1に示すが、以下に示す比較例に比して切れ味と切断精度が改善されていることが明白であり、チッピングも平均17μmと非常に小さかった。
[実施例2]
実施例1と同様に焼成体を作製し、それを外径52mm、内径40mm、厚さ0.08mmに仕上げ、オールブレードタイプの切断ブレードとし、実施例1と同様に切断試験を行った。結果を表1に示す。実施例1と比較して、薄刃であることにより若干の加工面の真直性が低下した。また、ブレードの磨耗性も実施例1の約1.7倍の値が測定された。
[比較例1]
平均粒径20μmのポリイミド樹脂粉末75vol%に対して、粒径が20〜30μmのダイヤモンド砥粒25vol%を混合した粉末を、外径55mm、内径39.8mmの金型中に均一に型込めし、成形温度200℃、圧力250kg/cmで1時間保持することで圧縮成型した。
得られた成形体を型から外し、外径52mm、内径40mm、厚さ0.2mmに仕上げ、オールブレードタイプの切断ブレードとし、実施例1と同様に切断試験を行った。結果を表1に示す。実施例1と比較して、研削抵抗の上昇が確認され、加工面の真直性が劣ることがわかった。また、ブレードの磨耗性も実施例1の約2.5倍の値が測定された。また、チッピングは被削物下面に多く見られ、平均33μmと大きかった。
[比較例2]
平均粒径15μmのガラス粉末45vol%に対して、粒径が20〜30μmのダイヤモンド砥粒25vol%と10〜20μmのGS砥粒を、パラフィンをバインダーとして混合、造粒して粉末とし、これを外径54mm、内径39.8mmの金型中に均一に型込めし、圧力200kg/cmで圧縮成型した。成型品を型から外し、焼結温度850℃下に置いて焼結体を得た。
得られた焼結体を、外径52mm、内径40mm、厚さ0.2mmに仕上げ、オールブレードタイプの切断ブレードとし、実施例1と同様に切断試験を行った。結果を表1に示す。実施例1と比較して、比較例1と同様に若干の研削抵抗の上昇が確認され、加工面の真直性が劣ることがわかった。また、ブレードの磨耗性も実施例1の約2倍の値が測定された。

Claims (9)

  1. 砥粒がダイヤモンド及び/またはcBNの粒子からなり、該砥粒を結合するボンド材が主として非晶質構造の炭素からなり、上記砥粒とボンド材とを含む焼成体により工具全体を構成していることを特徴とするダイヤモンドまたはcBN工具。
  2. 上記砥粒とボンド材とを含む焼成体中における上記非晶質構造の炭素の含有率が、40〜96.5vol%であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  3. 上記非晶質構造の炭素が、炭素化合物からなるボンド材前駆体を炭化焼成して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  4. 上記ボンド材前駆体が、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素系樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フルフリルアルコール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びジアリルフタレート樹脂のうちから選らばれた1または2以上の熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  5. 上記砥粒の平均粒径が、0.1〜300μmであり、焼成体中に3.5〜60vol%含有されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  6. 上記砥粒が、周期律表IVa、Va、VIa、Ib、IVbまたはVIII族に属する金属の1または2以上によりコーティング処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  7. 上記焼成体が、その厚みが0.01〜1.0mmであるオールブレードタイプの切断用ブレードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  8. 上記焼成体が、カップタイプの研削成形用カップ砥石であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンドまたはcBN工具。
  9. 請求項1に記載のダイヤモンドまたはcBN工具の製造方法であって、
    上記砥粒と上記非晶質構造の炭素を形成するための熱硬化性樹脂との混合粉末を成形して成形体とし、
    該成形体を真空中、または、不活性ガスあるいは還元性ガスの雰囲気中で、400℃以上1400℃未満にて焼成して上記熱硬化性樹脂を炭化し、
    上記砥粒と上記ボンド材との焼成体とすることにより該工具を製造する、
    ことを特徴とするダイヤモンドまたはcBN工具の製造方法。
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