JP2006116681A - チップのクランプ装置及びこれを有するスローアウェイ式切削工具 - Google Patents

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Abstract

【目的】押さえ金の切りくず擦過による寿命低下を防止するとともに、チップの安定的なクランプを実現するチップのクランプ装置を提供する。
【構成】切削工具のボデー(20)に装着されるチップ(30)を押圧固定する押さえ金(51)を備えたチップのクランプ装置(50)において、前記押さえ金(51)の先端部には、チップ(30)の切れ刃側に指向する切りくず案内面(51c)及びこの切りくず案内面(51c)に交差してチップ上面(30a)を押圧する押圧面(51b)を構成し且つ超硬合金等からなる硬質部材(51B)が設けられ、前記押圧面(51b)と、前記押さえ金(51)の後端部下面に設けられてボデー上面(20a)に当接する支持面(51d)とが互いに略並行をなす平坦面で形成され、さらに、前記押圧面(51b)及び前記支持面(51d)の段差(H1)と、前記チップ上面(30a)及び前記ボデー上面(20a)の段差(H2)とがH2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にあるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップのクランプ装置及びこれを有するスローアウェイ式切削工具に関し、特に、押さえ金を利用したものに関する。
押さえ金を利用したチップのクランプ装置を有する切削工具を図7に例示する。この図は従来クランプバイトの分解斜視図であり、いわゆるクランプオン方式のものであって、ボデー(2)と、セラミック製チップ(3)と、敷板(4)と、セラミック製チップ(3)用のクランプ装置(5)で構成される。
前記ボデー(2)は、頭部(2a)の一角に段状に凹んだ座面(2b)を形成し、その座面(2b)に前記敷板(4)をネジ止めするための雌ネジ孔(2c)を形成してなる。また、ボデー(2)の頭部(2a)にはクランプ装置(5)用の雌ネジ孔(2d)も設けられている。
前記セラミック製チップ(3)は三角チップ形態であって、ボデー(2)の座面(2b)に沿って垂直に切り立つ二つの壁面(2e、2e)に二辺がフィットする。このセラミック製チップ(3)の材質は、窒化珪素又はアルミナ又はアルミナTiC(アルミナ−チタンカーバイド)製である。
前記敷板(4)は例えば超硬合金製であって、セラミック製チップ(3)の外形より一回り小さい三角形のチップ形態で中央にネジ挿通用の透孔(4a)を有する。なお、実施形態では敷板(4)を2枚重ねた複数枚で使用するが、セラミック製チップ(3)の厚みに応じて1枚だけで使用する場合もある。
一方、セラミック製チップ(3)用のクランプ装置(5)は、ボデー(2)の頭部(2a)に取り付く押さえ金(5a)と、その押さえ金(5a)の貫通孔(5b)に通したクランプねじ(5c)と、そのクランプねじ(5c)を押さえ金(5a)に係留するスナップリング(5d)とからなる。
以上の構成要素よりなるクランプバイト(1)は次の要領で組み立てられる。すなわち、先ず前記敷板(4)の透孔(4a)に皿頭ネジ(6)を通しその皿頭ネジ(6)をホルダー(2)の座面(2b)の雌ネジ孔(2c)に通して締め付け、もってボデー(2)の座面に敷板(4)を固定する。次に敷板(4)上にセラミック製チップ(3)を載せ、さらに押さえ金(5a)をボデー(2)の頭部(2a)に載せ、クランプねじ(5c)を雌ネジ孔(2d)に通して締め付ける。そうすると押さえ金(5a)の先端に設けられた押圧面がセラミック製チップ(3)の上面を強く押さえるから、セラミック製チップ(3)は押さえ金(5a)と敷板(4)の間に挟まってクランプされる。(例えば、特許文献1参照)
特開2003−170302号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたクランプバイト(1)においては、チップ(3)の切れ刃側を指向する押さえ金(5a)の先端側側面は切りくずの擦過によって摩耗し、一般的に鋼からなる押さえ金(5a)では、鋳鉄や鋼を高速切削したときには、この摩耗の進行が急速であるため寿命が著しく短くなる問題があった。図8の正面図において斜線で示されるように、切りくずとの擦過が生じる部位に超硬合金等からなる硬質部材(6)をろう付けした押さえ金(5a)を用いた場合には、上記の切りくずの擦過による寿命低下の問題を克服できるものの、押さえ金の先端部下面に形成され且つチップ上面(3a)を押圧する押圧面(6a)及び押え金(5a)の後端部下面に形成されボデー(2)の頭部(2a)の上面に当接する支持面(7)の段差が、この段差に対応するチップ上面(3a)及び前記頭部(2a)の上面の段差に対して一致せず、特にそれぞれの段差の差が大きくなると、押圧面(6a)に欠損や破損を生じるおそれがあった。これは、超硬合金からなる硬質部材(6)が鋼にくらべ靭性に乏しいことに加え、押圧面(6a)の狭い範囲がチップ上面(3a)を押圧するため、この押圧面(6a)に過大な応力が生じるからである。上記の欠けや欠損が生じると、チップ上面(3a)に損傷を及ぼしたりチップ(3)の安定的なクランプ状態が得られなかったりするおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、押さえ金の切りくず擦過による寿命低下を防止するとともに、チップの安定的なクランプを実現するチップのクランプ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、切削工具のボデーの先端部に設けたチップ座に載置されたチップを上方から押圧固定する押さえ金を備えたチップのクランプ装置であって、このクランプ装置は、少なくとも押さえ金と、この押さえ金を前記チップ座に向かって押圧するクランプねじとからなり、前記押さえ金の先端部には、チップの切れ刃側に指向してチップ上面から立ち上がる切りくず案内面及びこの切りくず案内面に交差して前記チップ上面を押圧する押圧面を構成する超硬合金、サーメット又はセラミックからなる硬質部材が設けられ、前記押圧面と、前記押さえ金の後端部下面に設けられてボデー上面に当接する支持面とが互いに略並行をなす平坦面で形成され、さらに、前記押圧面及び前記支持面の段差(H1)と、前記チップ上面及び前記ボデー上面の段差(H2)とがH2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にあることを特徴とするチップのクランプ装置である。なお、段差(H1)は、押さえ金の押圧面が支持面よりも上方にあるとき正の値と定義する。同様に段差(H2)についても、チップ上面がボデー上面よりも上方にあるとき正の値と定義する。
上記のチップのクランプ装置においては、以下のように限定するとより好ましい。
(1)前記押圧面及び前記支持面の段差(H1)と、前記チップ上面及び前記ボデー上面の段差(H2)とがH2≦H1≦H2+0.3mmの関係にあること。
(2)前記押圧面と前記切りくず案内面とのなす角度(α)が50°〜90°の範囲に設定されていること。
(3)前記押圧面と前記支持面とのなす角度(β)が、−1°〜1°の範囲に設定されていること。
なお、前記角度(β)は、前記押圧面と前記支持面とを平行とした状態に対して前記押圧面が先端側にいくにしたがって漸次下方へ向かって傾斜する場合を正と定義する。
(4)前記押圧面と前記支持面とのなす角度(β)が、0°〜1°の範囲に設定されていること。
(5)前記押圧面の面積(S1)が15mm2以上且つチップ上面の面積(S)の75%以下の範囲に設定されていること。
(6)前記押さえ金の中央部を貫通する取付孔に挿通されるクランプボルトの頭部には座面が設けられ、この座面に係合する凹所が前記取付孔に設けられ、前記座面又は前記凹所のいずれか一方は、頂角(γ)を45°〜160°の範囲に設定した円錐台形状に形成され、他方が前記円錐台形に対応する円錐台形状又は湾曲面状に形成されていること。
また、本発明のスローアウェイ式切削工具は、上記のチップのクランプ装置を有することを特徴とするものである。
本発明のチップのクランプ装置及びスローアウェイ式切削工具によれば、押さえ金の切りくず案内面は超硬合金、サーメット又はセラミックからなる硬質部材によって構成されることから鋼のみからなる押さえ金にくらべ大幅に耐摩耗性が向上する。よって、切りくずの擦過による摩耗がおさえられ押さえ金の寿命低下が防止できる。押さえ金の押圧面及び支持面は、互いに略並行をなす平坦面とされ、且つ前記押圧面及び前記支持面の段差(H1)と、この段差(H1)に対応するチップ上面及びボデー上面の段差(H2)とが、H2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にあることから、押圧面をチップ上面に対して広範囲に接触させることができる。したがって、押圧面に過大な応力が発生することを緩和できるため、靭性に劣る硬質部材であっても押圧面に欠損や破損が生じることを防止することができる。しかも、チップ上面が広範囲に押圧されることからチップは安定的にクランプされる。H1<H2−0.3mmの関係にあると、押圧面の後端側の狭い範囲でチップ上面を押圧することになるので、局所的に過大な応力が押圧面に発生するほか前記押圧部がチップ中央部よりも後端側に偏るためチップを安定的にクランプできなくなるおそれがある。H1>H2+0.3mmの関係にあると、押圧面の先端側の狭い範囲でチップ上面を押圧することになるので、局所的に過大な応力が押圧面に発生するおそれがある。押圧面と支持面とを互いに略並行をなす平坦面とし且つ段差(H1)及び段差(H2)をH2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にする点では、前記押圧面及び前記支持面は、同一段取りにおいて切削加工、特に好ましくは研削加工されるのが好ましい。押圧面をチップ上面に対してより広範囲に接触させ前記押圧面に発生する応力をいっそう小さくすることによって、前記押圧面の欠損や破損を防止する効果及びチップを安定的にクランプする効果をいっそう高めるという点では、段差(H1)と段差(H2)とがH2−0.1mm≦H1≦H2+0.1mmの関係にあることが特に好ましい。さらに、段差H1及び段差H2は、好ましくはH2≦H1≦H2+0.3mmの関係にある。そうすれば、確実に押圧面の先端側の部分がチップ上面を押圧するため、その押圧部の位置がほぼ一定に保たれチップをいっそう安定的にクランプすることができ、H2≦H1≦H2+0.1mmの関係にあれば、押圧面をチップ上面に対してさらに広範囲に接触させることができるため、チップを安定的にクランプする効果が大幅に高められて特に好ましい。
硬質部材から構成され且つ互いに交差する押さえ金の押圧面と、チップ上面の上方へ立ち上がる切りくず案内面とのなす角度(α)が50°〜90°の範囲に設定されると、上記の交差部付近の強度向上により、前記押圧面の先端側がチップ上面に接触するとき、前記押圧面に生じる応力に起因する欠損や破損の抑止効果がいっそう高められるとともに、前記切りくず案内面への切りくずの衝突に起因する欠損や破損の抑止効果も大幅に高められる。なお、前記角度(α)が50°未満になると、上記の強度向上の効果が得られないおそれがあり、90°を超えると、切りくず案内面のチップ上面に対する立ち上がり勾配角度が大きすぎて前記切りくず案内面への切りくず擦過が激しくなったり切りくず詰まりが生じたりするおそれがある。なお、押圧面と切りくず案内面との交差稜線に沿って平坦面状又は曲面状の面取りが施されてもよい。
押圧面と支持面とのなす角度(β)を−1°〜1°の範囲に限定した理由は、前記角度(β)が−1°未満又は1°を超えると、押圧面の狭い範囲でチップ上面を押圧することになるため、押圧面に過大な応力が発生し、靭性の低い硬質部材に欠損や破損が生じてしまうおそれがあるからである。より好ましくは、前記角度(β)は0°〜1°の範囲に設定される。そうすれば、確実に押圧面の先端側の部分がチップ上面を押圧するため、その押圧部の位置がほぼ一定に保たれチップをいっそう安定的にクランプすることができる。押圧面と支持面とのなす角度(β)を上記の範囲に設定する点では、前記押圧面及び前記支持面は、先述したように同一段取りにおいて切削加工、特に好ましくは研削加工されるのが好ましい。
押圧面の面積(S1)が15mm2以上且つチップ上面の全面積(S)の75%以下の範囲に設定されると、前記押圧面にはチップ上面を押圧するのに十分な面積が確保されるためチップを安定的にクランプすることができる。押圧面の面積(S1)が15mm2未満になるとチップ上面を押圧する部分の面積が狭くなりチップを安定的にクランプできないおそれがあり、前記面積(S1)がチップ上面の全面積(S)の50%を超えると、チップ上面において切りくずを排出させるのに十分な程度の広い空間が確保できず、押さえ金の切りくず案内面への切りくず擦過が顕著になるか又は切りくず詰まりが生じるおそれがある。
上記のクランプ装置において、押さえ金の中央部を貫通する取付孔に挿通されるクランプねじの頭部に円錐台形状の座面が設けられ、この座面に係合する凹所が前記取付孔に設けられ、前記座面又は前記凹所のいずれか一方が、頂角(γ)を45°〜160°の範囲に設定した円錐台形状に形成され、他方が前記円錐台形に対応する円錐台形状又は湾曲面状に形成された場合には、押さえ金は、前記凹所の中心軸線が前記座面の中心軸線に略一致するように位置決めされる。そのため、押圧面によってチップ上面を押圧する位置が変動し難くなりチップを安定的にクランプすることができる。円錐台形の頂角(γ)が45°未満になると、チップ上面に当接した押圧面による押圧力が不足するおそれがあり、160°を超えると、クランプねじに対する押さえ金の位置が一定せずチップ上面の押圧される位置が不安定になることから、チップを安定的にクランプできないおそれがある。なお、クランプねじの軸線に対して直角な方向への押さえ金の動きを許容するため、クランプねじの軸部の外径はこの軸部が挿通する押さえ金の取付孔の内径よりも大きくすべきである。
以下に、本発明のチップのクランプ装置及びスローアウェイ式切削工具を適用した一実施の形態について図を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係るクランプバイトを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図2は図1のクランプバイトに用いられる押さえ金を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。図3は図1のクランプバイトに用いられるクランプねじを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。図4は押さえ金がチップ上面を押圧した状態を示す正面図である。図5は押さえ金とクランプねじとの係合状態を説明する断面図である。図6は本実施の形態の他の例において押さえ金がチップ上面を押圧した状態を示す正面図である。
図1に示されるように、クランプバイト(10)は、鋼からなり略角棒状をなすボデー(20)の先端部(図1の左側)に段状に凹んだチップ座(21)が形成され、このチップ座(21)に鋼又は超硬合金等からなる敷板(40)を介して載置されたチップ(30)がクランプ装置(50)によってクランプされたものである。チップ(30)を構成する材料は、例えば超硬合金、サーメット又はセラミック等の金属切削用チップとして公知の材料である。前記敷板(40)は、その中央部を貫通する取付孔(図示しない)を挿通する締付けねじ(図示しない)をチップ座(21)の底面(21a)に設けられた雌ねじ孔(図示しない)に螺着することにより固定されており、敷板(40)上にチップ(30)を載置する。クランプ装置(50)は、基本的に鋼からなる押さえ金(51)及びこの押さえ金(51)を押圧するクランプねじ(52)から構成され、押さえ金(51)はその先端部下面にチップ上面(30a)に当接する押圧面(51b)と、後端部下面にボデー上面(20a)に当接する支持面(51d)とが設けられ、押圧面(51b)と支持面(51d)との間には取付孔(51A)が貫通して設けられる。そして、押さえ金(51)がチップ上面(30a)及びボデー上面(20a)にまたがって載置され、取付孔(51A)に挿通されたクランプねじ(52)がチップ座(21)よりも後端側のボデー上面(20a)に設けられた雌ねじ孔(図示しない)にねじ込まれていくと、押さえ金(51)の押圧面(51b)がチップ上面(30a)に当接しチップ座底面(21a)側に向かって押圧することによって、チップ(30)はチップ座(21)内に固定される。
図1及び図2の斜線部に示されるように、このクランプバイト(10)のクランプ装置(50)において、押さえ金(51)の先端部の一角には段状の凹部(51C)が形成され、この凹部(51C)には、押さえ金の主要部を構成する鋼よりも硬度が高い、例えば超硬合金、サーメット又はセラミック等からなる硬質部材(51B)がろう付けにより固着されている。固着方法はろう付け以外にねじ止め、圧入、焼き嵌め等の公知手段から選択可能である。この硬質部材(51B)は、押圧面(51b)の全部分を構成するとともに、この押圧面(51b)に交差し且つチップ上面(30a)から上方へ立ち上がり、且つチップ(30)の上面先端部の辺稜部に形成された切れ刃(31a、31b、31c)側を指向する切りくず案内面(51c)の大部分又は全部分を構成している。図2及び図4に示されるように、押圧面(51b)及び支持面(51d)は互いに略平行をなす平坦面で形成され、これら押圧面(51b)及び支持面(51d)の段差(H1)と、この段差(H1)に対応するチップ上面(30a)及びボデー上面(20a)の段差(H2)とは、H2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にある。
このように、切りくず案内面(51c)を超硬合金、サーメット又はセラミックからなる硬質部材(51B)によって構成した押さえ金(51)は、鋼のみからなる押さえ金にくらべ大幅に耐摩耗性が向上するため、切りくずの擦過による摩耗がおさえられ押さえ金(51)の寿命低下が防止できる。押さえ金(51)の押圧面(51b)及び支持面(51d)を互いに略並行な平坦面とし、互いの段差(H1)と、この段差(H1)に対応するチップ上面(30a)及びボデー上面(20a)の段差(H2)とを、H2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係とすることによって、押圧面(51b)をチップ上面(30a)に対して広範囲に接触させることができる。なお、段差(H1)は、押さえ金(51)の押圧面(51b)が支持面(51d)よりも上方にあるとき正の値と定義する。同様に段差(H2)についても、チップ上面(30a)がボデー上面(20a)よりも上方にあるとき正の値と定義する。したがって、押圧面(51b)に過大な応力が発生することがないため、靭性に劣る硬質部材(51B)にあっても欠損や破損が生じることを防止することができる。しかも、チップ上面(30a)が広範囲に押圧されることからチップ(30)は安定的にクランプされる。H1<H2−0.3mmの関係にあると、押圧面(51b)の後端側の狭い範囲でチップ上面(30a)を押圧することになるので、局所的に過大な応力が押圧面(51b)に発生するほか押圧部がチップ中央部よりも後端側に偏るためチップ(30)を安定的にクランプできなくなるおそれがある。H1>H2+0.3mmの関係にあると、押圧面(51b)の先端側の狭い範囲でチップ上面(30a)を押圧することになるので、局所的に過大な応力が押圧面(51b)に発生するおそれがある。段差(H1)及び段差(H2)をH2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にする点では、押圧面(51b)及び支持面(51d)は、同一段取りにおいて切削加工、特に好ましくは研削加工されるのが好ましい。押圧面(51b)をチップ上面(30a)に対してより広範囲に接触させ押圧面(51b)の欠損や破損を防止する効果及びチップ(30)を安定的にクランプする効果をいっそう高めるという点では、段差(H1)と段差(H2)とがH2−0.1mm≦H1≦H2+0.1mmの関係にあることが特に好ましい。さらに、段差(H1)及び段差(H2)は、好ましくはH2≦H1≦H2+0.3mmの関係にある。そうすれば、確実に押圧面(51b)の先端側の部分がチップ上面(30a)を押圧するため、その押圧部の位置がほぼ一定に保たれチップ(30)をいっそう安定的にクランプすることができ、H2≦H1≦H2+0.1mmの関係にあれば、押圧面(51b)をチップ上面(30a)に対してさらに広範囲に接触させることができるため、チップ(30)を安定的にクランプする効果が大幅に高められて特に好ましい。
硬質部材(51B)で構成された押さえ金(51)の押圧面(51b)と切りくず案内面(51c)とのなす角度(α)は50°〜90°の範囲に設定される。そうすれば、押圧面(51b)と切りくず案内面(51c)との交差部付近の強度向上により、押圧面(51b)の先端側がチップ上面(30a)に接触するとき、押圧面(51b)の応力集中に起因する欠損や破損の抑止効果がいっそう高められるとともに、切りくず案内面(51c)において切りくずの衝突に起因する欠損や破損の抑止効果が大幅に高められる。なお、切りくず前記角度(α)が50°未満になると、上記の強度向上の効果が得られないおそれがあり、90°を超えると、切りくず案内面(51c)のチップ上面(30a)に対する立ち上がり勾配が急すぎて切りくず案内面(51c)に対する切りくずの擦過が激しくなったり切りくず詰まりが生じたりするおそれがある。なお、切りくず案内面(51c)は単一の平坦面に限定されることはなく、2つ以上の平坦面の組み合わせ又は曲面によって構成されるものであってもよい。また、押圧面(51b)と切りくず案内面(51c)との交差稜線に沿って平坦面状又は曲面状の面取り(51e)が施されてもよい。
図2に示されるように、押さえ金(51)の押圧面(51b)と支持面(51d)とは、互いに平行をなす平坦面、具体的には押圧面(51b)と支持面(51d)とのなす角度(β)が−1°〜1°の範囲に設定されている。なお、前記角度(β)は、押圧面(51b)と支持面(51d)とを平行とした状態に対して押圧面(51b)が先端側にいくにしたがって漸次下方へ向かって傾斜する場合を正と定義する。前記角度(β)が−1°未満又は1°を超えると、押圧面(51b)の狭い範囲でチップ上面(30a)を押圧することになるため、押圧面(51b)に過大な応力が発生し、靭性の低い硬質部材(51B)に欠損や破損が生じてしまうおそれがある。より好ましくは、前記角度(β)は0°〜1°の範囲に設定される。そうすれば、確実に押圧面(51b)の先端側の部分がチップ上面(30a)を押圧するため、その押圧部の位置がほぼ一定に保たれチップ(30)をいっそう安定的にクランプすることができる。
押圧面(51b)の面積(S1)が15mm2以上且つチップ上面(30a)の全面積(S)の75%以下の範囲に設定されると、押圧面(51b)にはチップ上面(30a)を押圧するのに十分な面積が確保されるためチップ(30)を安定的にクランプすることができる。押圧面(51b)の面積(S1)が15mm2未満になるとチップ上面(30a)を押圧する部分の面積が狭くチップ(30)を安定的にクランプできないおそれがあり、前記面積(S1)がチップ上面(30a)の全面積(S)の75%を超えると、チップ上面(30a)において切りくずを排出させるのに十分な程度の広い空間が確保できず、押さえ金(51)の切りくず案内面(51c)への切りくず擦過が顕著になるか又は切りくず詰まりが生じるおそれがある。
図2及び図3に示されるように、押さえ金(51)の取付孔(51A)に挿通されるクランプねじ(52)の頭部(52A)には座面(52a)が設けられていて、この座面(52a)に係合する凹所(51a)が前記取付孔(51A)の開口部に設けられている。図5に示されるように、座面(52a)又は凹所(51a)のいずれか一方は円錐台形状に形成され、この円錐台形の頂角(γ)は45°〜160°の範囲に設定されている。他方は前記円錐台形に対応する円錐台形状又は湾曲面状に形成される。図5(a)に示されるように、座面(52a)及び凹所(51a)が円錐台形状に形成された態様では、それぞれの円錐台形はその頂角(γ)が略等しくなるように形成されており、座面(52a)及び凹所(51a)は互いに全周にわたって面接触又は線接触する。図5(b)は座面(52a)が円錐台形状に形成され且つ凹所(51a)が中心に向かって凸湾曲面状に形成された態様を示し、図5(c)は座面(52a)が外側に向かって凸湾曲面状に形成され且つ凹所(51a)が円錐台形状に形成された態様を示す。このように一方が円錐曲面状、他方が湾曲面状に形成された態様においては、座面(52a)及び凹所(51a)は互いに全周にわたって線接触する。座面(52a)及び凹所(51a)を以上のような構成とした場合には、チップ(30)をクランプするとき、押さえ金(51)の凹所(51a)の中心軸線(CL1)がクランプねじ(52)の座面(52a)の中心軸線(CL2)に略一致するように押さえ金(51)は位置決めされ、チップ上面(30a)を押圧する位置がほとんど変動しないためチップ(30)を安定的にクランプすることができる。円錐台形の頂角(γ)が45°未満になると、チップ上面(30a)に当接した押圧面(51b)による押圧力が不足するおそれがあり、160°を超えると、クランプねじ(52)に対する押さえ金(51)の位置が一定せずチップ上面(30a)の押圧される位置が安定しないことから、チップ(30)を安定的にクランプできないおそれがある。なお、クランプねじ(52)の軸線(CL2)に対して直角な方向への押さえ金(51)の動きを許容するため、クランプねじ(52)の軸部の外径は、この軸部が挿通する押さえ金(51)の取付孔(51A)の内径よりも大きくなっている。
図6に例示したクランプバイトは本実施の形態の他の態様を示す。このクランプバイト(10)においては、チップ上面(30a)及びボデー上面(20a)が互いに同一平面上にある。このように段差(H2)が生じない場合にも本発明のクランプ装置を適用することができ、押さえ金(51)の押圧面(51b)及び支持面(51d)は互いに略同一平面上に形成され、具体的には段差(H1)は0mmを中心として、−0.3mm〜0.3mmの範囲に設定され、より好ましくは0mm〜0.3mmの範囲、特に好ましくは0〜0.1mmの範囲に設定される。その他の好ましい構成についても先に説明した実施の形態と同様に適用可能である。
本発明の実施の形態に係るクランプバイトを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1のクランプバイトに用いられる押さえ金を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 図1のクランプバイトに用いられるクランプねじを示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 押さえ金がチップ上面を押圧した状態を示す正面図である。 押さえ金とクランプねじとの係合状態を説明する断面図である。 図1に示すクランプバイトの他の態様を示す図であり、押さえ金がチップ上面を押圧した状態を示す正面図である。 従来クランプバイトの分解斜視図である。 他の従来クランプバイトの正面図である。
符号の説明
10 クランプバイト(スローアウェイ式切削工具)
20 ボデー
20a ボデー上面
21 チップ座
30 チップ
30a チップ上面
31a、31b、31c 切れ刃
40 敷板
50 チップのクランプ装置
51 押さえ金
51A 取付孔
51B 硬質部材
51a 押さえ金の凹所
51b 押圧面
51c 切りくず案内面
51d 支持面
52 クランプねじ
52a クランプねじの座面

Claims (8)

  1. 切削工具のボデーの先端部に設けたチップ座に載置されたチップを上方から押圧固定する押さえ金を備えたチップのクランプ装置であって、
    このクランプ装置は、少なくとも押さえ金と、この押さえ金を前記チップ座に向かって押圧するクランプねじとからなり、前記押さえ金の先端部には、チップの切れ刃側に指向してチップ上面の上方に向かって立ち上がる切りくず案内面と、この切りくず案内面に交差して前記チップ上面を押圧する押圧面とを構成する超硬合金、サーメット又はセラミックからなる硬質部材が設けられ、前記押圧面と、前記押さえ金の後端部下面に設けられてボデー上面に当接する支持面とが互いに略並行をなす平坦面で形成され、さらに、前記押圧面及び前記支持面の段差(H1)と、前記チップ上面及び前記ボデー上面の段差(H2)とがH2−0.3mm≦H1≦H2+0.3mmの関係にあることを特徴とするチップのクランプ装置。
  2. 前記押圧面及び前記支持面の段差(H1)と、前記チップ上面及び前記ボデー上面の段差(H2)とがH2≦H1≦H2+0.3mmの関係にあることを特徴とする請求項1に記載のチップのクランプ装置。
  3. 前記押圧面と前記切りくず案内面とのなす角度(α)が50°〜90°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップのクランプ装置。
  4. 前記押圧面と前記支持面とのなす角度(β)が、−1°〜1°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップのクランプ装置。
  5. 前記押圧面と前記支持面とのなす角度(β)が、0°〜1°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチップのクランプ装置。
  6. 前記押圧面の面積(S1)が15mm2以上且つチップ上面の面積(S)の75%以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のチップのクランプ装置。
  7. 前記押さえ金の中央部を貫通する取付孔に挿通されるクランプボルトの頭部には座面が設けられ、この座面に係合する凹所が前記取付孔に設けられ、前記座面又は前記凹所のいずれか一方が頂角(γ)を45°〜160°の範囲に設定した円錐台形状に形成され、他方が前記円錐台形に対応する円錐台形状又は湾曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のチップのクランプ装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のチップのクランプ装置を有することを特徴とするスローアウェイ式切削工具。



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