JP2006115149A - デジタル受信機及びデジタル放送受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地上デジタル放送を受信してシーク処理又はスキャン処理によるプリセットを行う際の処理時間を短くする。
【解決手段】シーク処理又はスキャン処理を開始すると、3セグメント分に相当する狭い通過帯域幅BWbに決められた狭帯域フィルタ15bでIF信号IF0を帯域制限し、通過した狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーをレベル検波部17がレベル検波することでそのレベル値を求めて、所定の閾値と比較する。そして、閾値の方が大きいときにはアナログテレビ放送を受信したとレベル検波部17が判定し、シーク又はスキャン処理の対象から外す。レベル値の方が大きいときにはデジタル放送を受信した判定し、制御部18が、復調処理等を行う後段部16から出力されるパケットエラーレートのデータPERに基づいて受信状態の良否を判断し、受信状態が良いと判断すると、その受信したデジタル放送のチャンネル周波数をプリセットする。
【選択図】図2
【解決手段】シーク処理又はスキャン処理を開始すると、3セグメント分に相当する狭い通過帯域幅BWbに決められた狭帯域フィルタ15bでIF信号IF0を帯域制限し、通過した狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーをレベル検波部17がレベル検波することでそのレベル値を求めて、所定の閾値と比較する。そして、閾値の方が大きいときにはアナログテレビ放送を受信したとレベル検波部17が判定し、シーク又はスキャン処理の対象から外す。レベル値の方が大きいときにはデジタル放送を受信した判定し、制御部18が、復調処理等を行う後段部16から出力されるパケットエラーレートのデータPERに基づいて受信状態の良否を判断し、受信状態が良いと判断すると、その受信したデジタル放送のチャンネル周波数をプリセットする。
【選択図】図2
Description
本発明は、地上デジタル放送を受信するデジタル受信機に関する。
近年、地上放送のデジタル化が進められ、新たな放送メデアとして地上デジタル放送が開始されている。
地上デジタル放送では、伝送路符号化方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式、情報源符号化方式及び多重化方式としてMPEG-2を採用し、放送局側で1チャンネル当たりの伝送帯域幅(以下「チャンネル帯域幅」と称する)を複数のセグメント(OFDセグメント)に分割し、番組などのコンテンツ毎に1セグメント又は複数セグメントを組み合わせて送信することにより、受信機側で個別のコンテンツを選択受信することができるようになっている。
すなわち、1セグメント当たりの伝送帯域幅(以下「セグメント帯域幅」と称する)は約0.46MHzに決められており、デジタルテレビ放送では、図1(a)に模式的に示すように、各チャンネルの伝送帯域幅(6MHz)を13セグメントに分割して13セグメントを一括送信し、デジタルラジオ放送では、現時点ではVHF帯アナログテレビの空きチャンネルであるVHF7チャンネル帯(チャンネル帯域幅4MHz)を8セグメントに分割し、これら複数のセグメントを連結送信している。
例えば、大阪圏で実施されているデジタルラジオ放送では、図1(b)に模式的に示すように、いわゆる1セグメント形式で8セグメントの連結送信が行われており、東京圏で実施されているデジタルラジオ放送では、図1(c)に模式的に示すように、8セグメントを5セグメントと3セグメントのグループに分け、5セグメントのグループは1セグメントずつに分けて1セグメント形式とし、残りの3セグメントのグループは3倍のコンテンツが送れる3セグメント形式として、連結送信が行われている。
このように、地上デジタル放送では、各セグメント毎にコンテンツを送信することが可能な方式が採用されているため、デジタル受信機で13セグメントを一括受信すれば、多様なコンテンツを有するデジタルテレビ放送を受信することができ、1チャンネルのうち一部のセグメントのみを受信する受信機、例えば携帯電話や移動体端末装置やデジタルラジオ受信機等で個別のコンテンツを選択受信することが可能となっている。
なお、以上に述べた地上デジタル放送に関して、非特許文献1等の各種の出版物等で紹介されている。また、デジタルラジオ放送に関して、郵政省郵政事業庁のホームページ(非特許文献2)<URL:http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/housou/991129j701.html>において説明が成されている。
ディジタル放送の基礎技術入門 2005年4月15日第2版発行 発行所 CQ出版株式会社
郵政省郵政事業庁ホームページ<URL:http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/housou/991129j701.html> 発表日:1999年11月29日(月)、タイトル:地上デジタル音声放送の技術的条件(−電気通信技術審議会答申−)
ところで、地上デジタル放送が開始されているが、直ちにアナログ放送を廃止したのではユーザにとって不利、不便を招くこととなるため、地上デジタル放送が普及するまでの暫定期間の間は、現用のアナログテレビ放送も並行して放送されるようになっている。
一例として東京圏の場合、デジタルテレビ放送をUHF帯域の放送チャンネル(20ch〜28ch)を使って放送し、現用のアナログテレビ放送をVHF帯域の放送チャンネル(1ch〜12ch)とUHF帯域の放送チャンネル(14ch、38ch…等)を使って放送し、デジタルラジオ放送を上述したVHF帯アナログテレビの空きチャンネルであるVHF7チャンネル帯を使って放送するようになっている。
また、デジタル放送用チャンネルを確保するため、所定の受信エリアでは、現用のアナログテレビ放送の放送チャンネルを別の放送チャンネルに変更するアナログ周波数変更対策(通称:アナ-アナ変換)が行われることとなっている。
したがって、地上放送が地上デジタル放送に移行し終えるまでの暫定期間では、地上デジタル放送(デジタルテレビ放送とデジタルラジオ放送)と現用のアナログテレビ放送とが放送用周波数の各放送チャンネルに混在した状態で割り当てられて放送されるようになっている。
ところが、このように地上デジタル放送とアナログテレビ放送が混在した状態で放送されると、デジタル受信機側では、次のような問題を招来することとなり、本願発明者は早急な対策が必要であると想起するに至った。
すなわち、デジタル受信機で地上デジタル放送を受信しようとする場合、受信エリア内で受信可能な放送チャンネルを探索してプリセットすべく、シークやスキャン処理を行わせる必要がある。しかし、上述したように地上デジタル放送とアナログテレビ放送が混在した状態で放送されると、従来のデジタル受信機では、デジタル放送とアナログテレビ放送とを区別することなく、アナログテレビ放送をも対象としてシークやスキャン処理を行うこととなるため、プリセットに要する時間が長くなってしまうという問題を生じる。
特に、家庭用などの固定型のデジタル受信機の場合には、ユーザが受信機購入後の初期設定等の際にシーク又はスキャン処理を行っておけば、その後は良好な受信状態の下でデジタル放送を受信することが可能となるが、受信エリアが変化することとなる自動車等の移動体に搭載されるデジタル受信機では、ユーザの利便性や操作性等を考えると、より迅速にシークやスキャン処理を行って受信状態の良好な放送チャンネルをプリセットする必要があることから、早急な対策が必要である。
また、地上デジタル放送では、いわゆるサービス情報として受信エリア毎の放送チャンネルリスト情報を放送するように規格化されているため、その放送チャンネルリスト情報を予め取得しておけば、自動車等の移動体に搭載されるデジタル受信機が受信状態の良好な放送チャンネルをプリセットする際に、該リスト情報を使用して迅速にプリセットできるように思われるが、上述のアナログ周波数変更対策が行われると、予め取得しておいた上述の放送チャンネルリスト情報が旧くなってしまうために対応できなくなる。このことから、放送チャンネルリスト情報を使用しなくとも、より迅速にシークやスキャン処理を行ってプリセットできるようにすることが必要である。
また、未だ地上デジタル放送の放送チャンネルが決められておらず今後の暫定期間の間に決められる受信エリアや、変更される可能性を有する受信エリアもあることから、全ての受信エリアについて地上デジタル放送の放送チャンネルが確定してアナログテレビ放送が廃止となるまでは、予め取得しておいた放送チャンネルリスト情報を利用しても、正確にプリセットできなくなる事態を招くこととなる。このため、放送チャンネルリスト情報を使用しなくとも、より迅速にシークやスキャン処理を行ってプリセットできるようにすることが必要である。
本発明は、このような従来のデジタル受信機における課題に鑑みてなされたものであり、アナログテレビ放送と地上デジタル放送とが混在して送られてくる環境下において、地上デジタル放送を迅速にシーク又はスキャン処理を行い得るデタル受信機及びデジタル放送受信方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、チャンネル帯域幅に複数のセグメントが多重化されて送信されてくるデジタル放送とアナログ放送とが混在する地上放送を受信し、シーク又はスキャン処理を行うデジタル受信機であって、前記シーク又はスキャン処理の際、前記放送波を受信して同調周波数に基づいて周波数変換される中間周波信号を、前記チャンネル帯域幅より狭い通過帯域幅で帯域制限することにより、狭帯域通過信号を生成する狭帯域フィルタ手段と、前記狭帯域通過信号のレベルを検波し、検波したレベル値に基づいて、前記同調周波数がデジタル放送又はアナログ放送の何れの放送チャンネルに相当するものか判定するレベル検波手段と、前記レベル検波手段がアナログテレビ放送と判定すると、前記同調周波数を変化させることにより、前記アナログテレビ放送をシーク又はスキャン処理の対象から外す制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、チャンネル帯域幅に複数のセグメントが多重化されて送信されてくるデジタル放送とアナログ放送とが混在する地上放送を受信し、シーク又はスキャン処理を行うデジタル受信方法であって、前記シーク又はスキャン処理の際、前記放送波を受信して同調周波数に基づいて周波数変換される中間周波信号を、前記チャンネル帯域幅より狭い通過帯域幅で帯域制限することにより、狭帯域通過信号を生成する狭帯域フィルタ工程と、前記狭帯域通過信号のレベルを検波し、検波したレベル値に基づいて、前記同調周波数がデジタル放送又はアナログ放送の何れの放送チャンネルに相当するものか判定するレベル検波工程と、前記レベル検波手段がアナログテレビ放送と判定すると、前記同調周波数を変化させることにより、前記アナログテレビ放送をシーク又はスキャン処理の対象から外す制御工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態について、図2を参照して説明する。同図(a)は、本実施形態のデジタル受信機の構成を表したブロック図、同図(b)は、本デジタル受信機に設けられているIFフィルタの通過帯域を模式的に表した図、同図(c)(d)は、動作を説明するための図である。
図2(a)において、本デジタル受信機10は、受信アンテナ11が接続されたRF部12と、制御部18からの選局制御信号Cfの指示に従って、同調受信すべき周波数(以下「同調周波数」と称する)の局発信号LOを発生する局部発振器14と、局発信号LOとRF部12から増幅されて出力されるRF信号SRFとを混合することによる周波数変換によってIF信号IF0を生成して出力する周波数変換部13と、IF信号IF0を帯域制限して出力するIFフィルタ部15と、後段部16と、レベル検波部17及び制御部18とを備えて構成されている。
ここで、IFフィルタ部15は、図2(b)に示すように、通過帯域幅BWaが13セグメント(セグメント帯域幅)分に相当する6MHzに決められたバンドパスフィルタで形成されている第1のIFフィルタ(以下「広帯域フィルタ」と称する)15aと、通過帯域幅BWbが3セグメント分に相当する1.38MHzに決められたバンドパスフィルタで形成されている第2のIFフィルタ(以下「狭帯域フィルタ」と称する)15bとを有している。
そして、広帯域フィルタ15aは、ユーザから指定されたデジタルテレビ放送を受信するために設けられており、IF信号IF0を通過帯域幅BWaで帯域制限することにより、13セグメント分の情報を有するIF信号(以下「広帯域通過信号」と称する)IFaを後段部16側へ出力する。
狭帯域フィルタ15bは、ユーザから指定されたデジタルラジオ放送を受信するためと、ユーザから開始の指示がなさたシーク処理又はスキャン処理を行うために設けられており、IF信号IF0を通過帯域幅BWbで帯域制限することにより、3セグメント分の情報を有するIF信号(以下「狭帯域通過信号」と称する)IFbを後段部16側へ出力する。
そして、デジタルテレビ放送を受信する際には、制御部18から供給される切替制御信号Cswに従って、広帯域フィルタ15aが動作状態、且つ、狭帯域フィルタ15bが動作停止の状態となることで、IF信号IF0を帯域制限した広帯域通過信号IFaがIFフィルタ部15から出力される。
また、デジタルラジオ放送を受信する際には、切替制御信号Cswに従って、広帯域フィルタ15aが動作停止の状態、且つ、狭帯域フィルタ15bが動作状態となることで、IF信号IF0を帯域制限した狭帯域通過信号IFbがIFフィルタ部15から出力される。
また、シーク処理若しくはスキャン処理を行う際にも、切替制御信号Cswに従って、広帯域フィルタ15aが動作停止の状態、狭帯域フィルタ15bが動作状態となることで、IF信号IF0を帯域制限した狭帯域通過信号IFbがIFフィルタ部15から出力される。
後段部16は、A/D変換器、復調器、デマルチプレクサ、デコーダ等を備えて構成されている。そして、IFフィルタ部15から出力される広帯域通過信号IFa又は狭帯域通過信号IFbをA/D変換器がデジタルデータにアナログデジタル変換し、復調器がそのデジタルデータに対して同期処理、FFT(高速フーリエ変換)、誤り訂正及び復調処理等を施すことで、トランスポートストリーム(Transport Stream:MPEG-2 TS)を再生し、更に、デマルチプレクサがそのトランスポートストリームを分離処理することで、音声と映像等のエレメンタリストリーム(Elementary Stream)や、エレメンタリストリームに所定の制御用ヘッダ(Packetized Elementary Stream Header)が付加されているパケッタイズドエレメンタリストリーム(Packetized Elementary Stream)に分けてデコーダに供給し、デコーダが音声と映像等のエレメンタリストリームやパケッタイズドエレメンタリストリームについて、MPEG-2ビデオとMPEG-2 ACC(Advanced Audio Coding)等に準拠した復号(デコード)処理を施すことにより、放送局側で送信したコンテンツの音声データSauと映像データSvd等を再生して出力する。
なお、トランスポートストリーム(MPEG-2 TS)の構成については、所定の規格(IEC/ISO13818-1)で定められており、当業者に知られていることから、その詳細については割愛するが、放送局側で放送を行う際に、放送番組を構成している音声や映像等のデータをMPEG-2ビデオとMPEG-2 ACC等によってエンコードした後、そのエンコード後のデータを有するエレメンタリストリームやパケッタイズドエレメンタリストリームと称されるパケットを形成すると共に、1又は複数のエレメンタリストリームやパケッタイズドエレメンタリストリームの集合によってトランスポートストリームパケット(Transuport Stream Packet)と称される固定長(188バイト)のパケットを形成し、各々のトランスポートストリームパケットを時系列的に並べることでトランスポートストリームを構成して、そのトランスポートストリームに変調を施して電波にして伝送するようになっている。
したがって、後段部16の上記復調器とデマルチプレクサとデコーダは、放送局側で放送の際に行われた処理と逆の処理を行って、復調処理等によって再生したトランスポートストリームから音声データSauと映像データSvd等を再生して出力するようになっている。
レベル検波部17は、シーク処理又はスキャン処理の際に、制御部18からの指示に従って、狭帯域通過信号IFbのレベルを検波することにより、狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーを検出する。そして、検波したレベル値LDと所定の閾値THDとを比較して、閾値THDの方が大きいとき(すなわち、LD≦THDのとき)には、受信した放送がアナログテレビ放送であると判定し、レベル値LDの方が大きいとき(すなわち、LD>THDのとき)には、受信した放送がデジタル放送(すなわち、デジタルテレビ放送又はデジタルラジオ放送)であると判定し、各々の判定結果を示す判定信号Svを制御部18へ出力する。
つまり、図2(b)に示したように、狭帯域フィルタ15bの通過帯域BWbを3セグメントに相当する狭い帯域幅としたことにより、シーク処理又はスキャン処理の際に動作状態となる狭帯域フィルタ15bに、アナログテレビ放送のIF信号IF0が入力することとなった場合に生じる狭帯域通過信号IFbのレベル値と、デジタル放送(デジタルテレビ放送又はデジタルラジオ放送)のIF信号IF0が入力することとなった場合に生じる狭帯域通過信号IFbのレベル値とでは異なった値となり、デジタル放送を受信したときのレベル値の方が大きく、アナログテレビ放送を受信したときのレベル値の方が小さくなるという特性が発揮される。
そこで、閾値THDは、デジタル放送を受信したときのレベル値とアナログテレビ放送を受信したときのレベル値との間の値に決められており、レベル検波部17が閾値THDとレベル値を比較することで、どちらの放送を受信したか検出できるようになっている。
制御部18は、本デジタル受信機10を集中制御するマイクロプロセッサ(MPU)と、RAM等の記憶部(図示略)を有して構成されており、更にユーザが操作入力を行うための操作部(図示略)が接続されている。
また、制御部18は、シーク又はスキャン処理の制御を行い、デジタル放送を受信したかアナログテレビ放送を受信したかの判定を判定信号Svに基づいて行う。
また、シーク又はスキャン処理に際して判定信号Svのみに基づいて、デジタル放送を受信したかアナログテレビ放送を受信したかの判定を行ってもよいが、本実施形態のデジタル受信機10では、制御部18は判定信号Svに基づいてデジタル放送を受信したと判定すると、後段部16が復調処理等を行う際に誤り訂正処理(具体的には、リードソロモン(Reed Solomon)符号)を行って出力するパケットエラーレート(Packet Error Rate)のデータPERに基づいて更に受信状態の良好なデジタル放送だけを選択する。
そして更に、制御部18は、その選択したデジタル放送において上述のトランスポートストリームと共に送られてきた伝送多重制御信号(Transmission and Multiplexing Configuration Control:TMCC)と称される制御情報、すなわち放送局側から伝送方式やコンテンツのフレーム構成を受信機側に伝えるためにデジタル放送に含めて送られてくる特別な制御情報を後段部16から取得し、その制御情報(TMCC)に基づいて、受信したデジタル放送がデジタルラジオ放送かデジタルテレビ放送かの識別を行って、デジタル放送の種類毎に放送チャンネルの周波数を示すデータ(プリセットデータ)を記憶部に記憶させることにより、選局用データベースを作成する。
次に、かかる構成を有するデジタル受信機10の動作について説明する。なお、ユーザからシーク処理の開始の指示がなされた場合の動作について、図2(c)を参照して説明し、スキャン処理の開始の指示がなされた場合の動作について、図2(d)を参照して説明する。
なお、シーク処理とは、制御部18の制御の下で、放送周波数の伝送帯域において同調周波数を変化させていき、受信状態の良好な放送チャンネルのデジタル放送を1つでも受信すると、その時点で、その放送チャンネルの周波数を示すプリセットデータを選局用データベースに格納して終了する処理をいう。また、シーク処理では、受信状態の良好な放送チャンネルのデジタル放送が見つからない間は、放送周波数の全伝送帯域についてシークを行った場合でも、ユーザから終了の指示がなされるまで、シーク処理を繰り返すようになっている。
一方、スキャン処理とは、制御部18の制御の下で、放送周波数の全伝送帯域に亘って同調周波数を変化させていき、受信状態の良好な放送チャンネルが見つかる毎に、その放送チャンネルの周波数を示すプリセットデータを選局用データベースに格納し、更に、その放送チャンネルと操作部に設けられている選局釦スイッチとを対応付けるデータを生成して選局用データベースに格納する処理をいう。したがって、スキャン処理を行った後、ユーザが選局釦スイッチをオン操作するだけで、所望の放送を選局することができる。また、スキャン処理では、放送周波数の全伝送帯域について1回だけスキャン処理を行い、自動的に処理を終了するようになっている。
〈シーク処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
ユーザからの操作入力によって、デジタル放送をプリセットするためのシーク処理の開始の指示がなされると、制御部18が、図2(c)中の時点t0からシーク処理の制御を開始する。そして、切替制御信号Cswによって狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを停止状態に設定し、更に選局制御信号Cfによって局部発振器14を制御することで、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
〈シーク処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
ユーザからの操作入力によって、デジタル放送をプリセットするためのシーク処理の開始の指示がなされると、制御部18が、図2(c)中の時点t0からシーク処理の制御を開始する。そして、切替制御信号Cswによって狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを停止状態に設定し、更に選局制御信号Cfによって局部発振器14を制御することで、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
これにより、受信した放送に基づいて周波数変換部13から出力されるIF信号IF0が狭帯域フィルタ15bによって帯域制限され、狭帯域通過信号IFbがレベル検波部17に供給されることで、レベル検波が行われる。
ここで、例えば、最初に受信した放送がアナログテレビ放送であった場合、レベル検波部17は、検出したレベル値LDより閾値THDの方が大きいと判定し、アナログテレビ放送を受信したとする判定結果を示す判定信号Svを出力する。
そして、この判定結果(図中、符号「×」で示す)を受けて制御部18が、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させるべく、局部発振器14を制御する(時点t1)。
次に、時点t1において受信した次のチャンネルの放送が再びアナログテレビ放送たっだ場合、レベル検波部17が狭帯域通過信号IFbをレベル検波することによって、レベル値LDより閾値THDの方が大きいと判定し、アナログテレビ放送を受信したとする判定結果を示す判定信号Svを出力する。そして、この判定結果(図中、符号「×」で示す)を受けて制御部18が、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させるべく、局部発振器14を制御する(時点t2)。
このように、アナログテレビ放送を受信することとなった場合には、制御部18が、判定信号Svの判定結果に基づいて、直ちに次の放送チャンネルを受信すべく局発信号LOの同調周波数を変化させことにより、アナログテレビ放送をシーク処理の対象から外して、次のシーク処理に迅速に移行できるようになっている。
次に、図中の時点t2において、デジタル放送を受信することとなった場合、狭帯域フィルタ15bを通過した狭帯域信号IFbをレベル検波部17がレベル検波すると、レベル値LDの方が閾値THDより大きいと判定し、デジタル放送を受信したとする判定信号Svを出力する。
そして、制御部18は、この判定結果(図中、符号「◎」で示す)が供給されると、デジタル放送の受信を継続させ、後段部16が狭帯域通過信号IFbに対して誤り訂正及び復調処理等を行う際に出力するパケットエラーレートのデータPERを入力し、所定の基準値とを比較することで受信状態の良否を調べ、受信状態が良好でないと判定(図中、符号「*」で示す)すると、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させるべく、局部発振器14を制御する(時点t3)。なお、受信状態が良好であると判定した場合には、プリセットが行われるが、それについては後述する。
そして、時点t3において同調周波数を変化させたときの狭帯域通過信号IFbのレベル値LDとデータPERとを判定した結果が、再びデジタル放送を受信したにも関わらず受信状態が良好でなかった場合には、制御部18は、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させるべく、局部発振器14を制御する(時点t4)。
このように、デジタル放送を受信することとなった場合には、制御部18が、パケットエラーレートのデータPERに基づいて受信状態の良否を判定し、受信状態の良好なデジタル放送を受信することとなるまで、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させていく。
次に、図中の時点t4において受信した放送が受信状態の良好なデジタル放送となると、レベル検波部17及び制御部18が、狭帯域通過信号IFbのレベル値LDとデータPERとに基づいて、受信状態の良好なデジタル放送を受信したと判定し、更に制御部18が、後段部16から出力される上述の制御情報(TMCC)に基づいて、デジタルラジオ放送を受信したのかデジタルテレビ放送を受信したのかの識別を行う。そして、その識別結果に基づいて、デジタル放送の種類毎に放送チャンネルの周波数を示すデータ(プリセットデータ)を記憶部に記憶させることにより、選局用データベースを作成する(時点tps1)。
更に、制御部18は、上述の識別結果がデジタルラジオ放送であった場合には、狭帯域フィルタ15bを動作状態のままにすることで、デジタルラジオ放送を継続受信させ、上述の識別結果がデジタルテレビ放送であった場合には、狭帯域フィルタ15bの動作を停止させて、広帯域フィルタ15aを動作状態に切り替えることで、デジタルテレビ放送を継続受信させる。そして、シーク処理を終了する。
このように、本実施形態のデジタル受信機10は、図2(c)に例示したように、アナログテレビ放送をシーク処理の対象から迅速に外すことができるため、シーク処理の開始時点t0からプリセット完了の時点tps1までに要する時間を短縮化することができ、その結果、例えばユーザに対して優れた利便性と操作性等を提供することができる。
〈スキャン処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
次に、スキャン処理の動作について説明する。
ユーザからの操作入力によって、スキャン処理の開始の指示がなされると、制御部18が、図2(d)中の時点t0からスキャン処理の制御を開始する。そして、切替制御信号Cswによって狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを停止状態に設定し、更に選局制御信号Cfによって局部発振器14を制御することで、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
〈スキャン処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
次に、スキャン処理の動作について説明する。
ユーザからの操作入力によって、スキャン処理の開始の指示がなされると、制御部18が、図2(d)中の時点t0からスキャン処理の制御を開始する。そして、切替制御信号Cswによって狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを停止状態に設定し、更に選局制御信号Cfによって局部発振器14を制御することで、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
そして、例えば図2(c)に示したのと同様に、レベル検波部17と制御部18がアナログテレビ放送を受信したと判定した場合や、受信状態の良好でないデジタル放送を受信したと判定した場合には、制御部18が、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させる制御を繰り返する。そして、時点tps1において受信状態の良好なデジタル放送を受信すると、制御部18が制御情報(TMCC)に基づいてそのデジタル放送の種類を識別し、放送チャンネルを示す周波数データ(プリセットデータ)をデジタル放送の種類に対応させて記憶部に記憶させることにより、選局用データベースを作成する。
更に、制御部18は、放送周波数の全伝送帯域についてスキャンし終えていないと判断すると、選局制御信号Cfによって同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させ、スキャン処理を継続させる。そして、放送周波数の全伝送帯域についてスキャンし終えるまでの間に、レベル検波部17と制御部18が、例えば時点t5で受信状態の良好なデジタル放送を受信することができず、時点tps2で受信状態の良好なデジタル放送を受信することができたと判定すると、制御部18が、時点tps2において上述したのと同様のプリセットを行い、時点tendにおいて放送周波数の全伝送帯域についてスキャンが完了すると、スキャン処理を終了させる。
このように、本実施形態のデジタル受信機10は、図2(d)に例示したように、アナログテレビ放送をスキャン処理の対象から迅速に外すことができるため、スキャン処理の開始時点t0から放送周波数の全伝送帯域についてスキャンし終える時点tendまでに要する時間を短縮化することができる。
以上説明したように、本実施形態のデジタル受信機10によれば、シーク処理又はスキャン処理の際に、3セグメント分の狭い帯域幅BWbに決められた狭帯域フィルタ15bでIF信号IF0を帯域制限することによって狭帯域通過信号IFbを生成し、その狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーをレベル検波することで生じるレベル値LDを調べることにより、アナログテレビ放送を受信したかデジタル放送を受信したかの判定を正確に行うことができる。
そして、アナログテレビ放送を受信したと判定すると、直ちに、同調周波数を次の放送チャンネルの周波数に変化させて、受信状態の良好なデジタル放送を検出するための処理に移行するので、シーク処理を完了するまでに要する時間の短縮化、並びにスキャン処理を完了するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
また、技術背景において前述したように、アナログ周波数変更対策が行われたり、地上デジタル放送の放送チャンネルが新たに決められたり、地上デジタル放送の放送チャンネルが変更となった場合でも、本実施形態のデジタル受信機10によれば、これらの影響を受けることなく、シーク又はスキャン処理の時間を短縮化することができ、ユーザに対して優れた利便性や操作性等を提供することができる。
なお、以上の実施形態の説明では、シーク処理とスキャン処理を開始すると、所定の既定周波数を最初の同調周波数に設定し、良好な受信状態の得られるデジタル放送が検出されるまで、各放送チャンネルのチャンネル帯域幅ずつ同調周波数を変化させていくようになっているが、該同調周波数を他の方法で変化させるようにしてもよい。
変形例として例えば、車両等の移動体に搭載されるデジタル受信機10に、現在位置を検出するGPS受信機を設ける。そして、デジタル受信機10が、放送局側からサービス情報として放送されてくる放送チャンネルリスト情報等を予め制御部18内の記憶部に記憶しておき、シーク又はスキャン処理を開始すると、GPS受信機で検出された現在位置の位置情報に基づいて上述の記憶部を検索し、現在位置の受信エリア内で受信可能な放送チャンネルの周波数を、放送チャンネルリスト情報等から検索する。そして、その受信可能な放送チャンネルの周波数を局発信号LOの同調周波数に設定して、良好な受信状態の得られるデジタル放送を探索するようにしてもよい。
かかる変形例によると、シーク又はスキャン処理の対象とする放送チャンネルを放送周波数の全伝送帯域とせずに、現在位置の受信エリア内で受信可能な放送チャンネルに絞り込むことができるため、シーク又はスキャン処理に要する時間を更に短縮化することが可能となる。
次に、より具体的な実施例について、図3ないし図7を参して説明する。図3(a)(b)は、本実施例のデジタル受信機の構成を表したブロック図であり、図2(a)と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図3(a)において、このデジタル受信機10は、実施形態で説明したのと同様に、受信アンテナ11が接続されたRF部12と、周波数変換部13、局部発振器14、IFフィルタ部15、後段部16、レベル検波部17、制御部18を備え、制御部18には図示していないRAM等の記憶部が設けられると共に、ユーザが操作入力を行う操作部が接続されている。
更に、後段部16は、A/D変換器19、復調部20、デマルチプレクサ(DEMAX)21、デコーダ部22を有して構成されている。
IFフィルタ部15は、広帯域フィルタ15aと狭帯域フィルタ15bと高速のトランジスタ等で形成されたスイッチ素子15cを備えて構成されている。
そして、デジタルテレビ放送を受信する際には、制御部18からの切替制御信号Cswの指示に従って、スイッチ素子15cが広帯域フィルタ15a側に切り替わることで、周波数変換部13から出力されるIF信号IF0を広帯域フィルタ15aに入力する。これにより、広帯域フィルタ15aで帯域制限された広帯域通過信号IFaだけが出力される。
また、デジタルラジオ放送を受信する際、又はシーク処理若しくはスキャン処理が行われる際には、切替制御信号Cswの指示に従って、スイッチ素子15cが狭帯域フィルタ15b側に切り替わることで、周波数変換部13から出力されるIF信号IF0を狭帯域フィルタ15bに入力する。これにより、狭帯域フィルタ15bで帯域制限された狭帯域通過信号IFbだけが出力される。
なお、図3(b)に示すように、広帯域フィルタ15aと狭帯域フィルタ15bとの両者の入力端を周波数変換部13の出力端に接続し、広帯域フィルタ15aと狭帯域フィルタ15bの各々の出力端にスイッチ素子15cを接続して、切替制御信号Cswに従って切り替えることで、デジタルテレビ放送を受信する際には、広帯域通過信号IFaだけを出力させ、デジタルラジオ放送を受信する際又はシーク処理若しくはスキャン処理が行われる際には、狭帯域通過信号IFbだけを出力させるように構成してもよい。
また、以下の説明では、スイッチ素子15cが広帯域フィルタ15a側に切り替わった場合に、広帯域フィルタ15aは動作状態、且つ、狭帯域フィルタ15bは動作停止状態となり、逆に、スイッチ素子15cが狭帯域フィルタ15b側に切り替わった場合に、広帯域フィルタ15aは動作停止状態、且つ、狭帯域フィルタ15bは動作状態となるとして説明することとする。
更に広帯域フィルタ15aと狭帯域フィルタ15bの機能について説明すると、広帯域フィルタ15aは、図4(a)に示すように、通過帯域幅BWaが6MHzに決められたバンドパスフィルタで形成されており、狭帯域フィルタ15bは、図4(b)に示すように、通過帯域幅BWbが3セグメント分に相当する1.38MHzに決められたバンドパスフィルタで形成されている。
そして、ユーザから指定されたデジタルテレビ放送を受信する通常受信時では、広帯域フィルタ15aが動作状態となり、図4(c)に例示するようなIF信号IF0が周波数変換部13から出力されると、13セグメント分のスペクトル成分を有する広帯域通過信号IFaを出力する。つまり、広帯域フィルタ15aの中心周波数faが、IF信号IF0の中心のセグメント(第1セグメント)#0の中心の周波数に合うように、予め通過帯域幅BWaが設定されており、その結果、13セグメント分のスペクトル成分を有する広帯域通過信号IFaが広帯域フィルタ15aを通過して出力されるようになっている。
また、ユーザから指定されたデジタルラジオ放送を受信する通常受信時では、狭帯域フィルタ15bが動作状態となる。
そして、図1(b)で説明したように、VHF 7チャンネル帯を用いて1セグメント形式で8セグメントの連結送信によって放送されている大阪圏のデジタルラジオ放送を受信した場合、図4(d)に例示するような8セグメント構成となっているIF信号IF0が周波数変換部13から出力され、狭帯域フィルタ15bは、図4(g)に例示するような第1,第2,第3セグメント#0,#1,#2のスペクトル成分を有する狭帯域通過信号IFbを出力する。
つまり、狭帯域フィルタ15bの中心周波数fbは、デジタルラジオ放送を受信したときのIF信号IF0のうち、第1セグメント#0の中心の周波数に合うように、予め通過帯域幅BWbが設定されており、その結果、上述したように第1,第2,第3セグメント#0,#1,#2のスペクトル成分を有する狭帯域通過信号IFbを出力する。
また、図1(c)で説明したように、VHF 7チャンネル帯を用いて5セグメントを1セグメント形式とし残りの3セグメントを3セグメント形式として連結送信される東京圏のデジタルラジオ放送を受信した場合、図4(e)に例示するようなIF信号IF0が周波数変換部13から出力され、狭帯域フィルタ15bは、図4(h)に例示するような第1,第2,第3セグメント#0,#1,#2のスペクトル成分を有する狭帯域通過信号IFbを出力する。
また、シーク処理又はスキャン処理が開始された場合にも、狭帯域フィルタ15bが動作状態となる。したがって、シーク処理又はスキャン処理中に、大阪圏又は東京圏のデジタルラジオ放送を受信することとなると、図4(d)(e)に例示したようなIF信号IF0が周波数変換部13から出力され、更に図4(g)(h)に例示したような3つのセグメント分のスペクトル成分を有する狭帯域通過信号IFbが狭帯域フィルタ15bから出力される。
また、シーク処理又はスキャン処理中に、デジタルテレビ放送を受信することとなると、周波数変換部13から、図4(c)に例示したような13セグメント分のIF信号IF0が出力され、更に狭帯域フィルタ15bからは、図4(f)に例示するような3つのセグメント分のスペクトル成分を有する狭帯域通過信号IFbが出力される。
また、シーク処理又はスキャン処理が開始され、アナログテレビ放送を受信することとなった場合には、図5(c)に例示するような狭帯域通過信号IFbが狭帯域フィルタ15bから出力される。
すなわち、シーク処理又はスキャン処理の際にアナログテレビ放送を受信した場合、図5(a)に示す狭帯域フィルタ15bの通過帯域幅WBaに対して、アナログテレビ放送に関するIF信号IF0は、図5(b)に例示するようなスペクトルとなる。つまり、映像信号搬送波と音声信号搬送波との間の周波数範囲内に生じるレベルの低いスペクトル成分だけが狭帯域フィルタ15bを通過するため、図5(c)に示したような狭帯域通過信号IFbが生じる。
そして、図5(c)に示すアナログテレビ放送受信時での狭帯域通過信号IFbのレベル値と、図4(f)(g)(h)に示すデジタル放送(すなわち、デジタルテレビ放送とデジタルラジオ放送)の受信時での狭帯域通過信号IFbのレベル値(ピークレベル)とでは、アナログテレビ放送受信時での狭帯域通過信号IFbのレベル値の方が小さくなる。
そこで、レベル検波部17には、アナログテレビ放送受信時での狭帯域通過信号IFbのレベル値LDと、デジタル放送受信時での狭帯域通過信号IFbのレベル値LDとの間の所定値を閾値THDと決めて予め記憶されている。そして、シーク処理又はスキャン処理の際に、レベル検波部17が狭帯域通過信号IFbをレベル検波することで求めたレベル値LDと閾値THDとを比較し、次式(1)(2)で表される判定条件に基づいて、受信した放送がアナログテレビ放送かデジタル放送かの判定を行ってその判定信号Svを出力するようになっている。
LD≦THD → アナログテレビ放送を受信中 …(1)
LD>THD → デジタル放送を受信中 …(2)
次に、後段部16は、広帯域通過信号IFa又は狭帯域通過信号IFbをデジタルデータDgにアナログデジタル変換して出力するA/D変換器19と、デジタルデータDgに対して同期処理、FFT、誤り訂正及び復調処理等の各処理を行ってトランスポートストリームTSを再生する復調部20と、トランスポートストリームTSを構成しているエレメンタリストリームESやパケッタイズドエレメンタリストリームPESを音声や映像等のいわゆる属性毎に分離して出力するデマルチプレクサ(DEMAX)21と、分離されたエレメンタリストリームESやパケッタイズドエレメンタリストリームPESをMPEG-2ビデオ、MPEG-2 ACC等に準拠して復号(デコード)することで、放送番組の映像データSvdや音声データSau等を再生して出力するデコーダ部22とを有して構成されている。
LD>THD → デジタル放送を受信中 …(2)
次に、後段部16は、広帯域通過信号IFa又は狭帯域通過信号IFbをデジタルデータDgにアナログデジタル変換して出力するA/D変換器19と、デジタルデータDgに対して同期処理、FFT、誤り訂正及び復調処理等の各処理を行ってトランスポートストリームTSを再生する復調部20と、トランスポートストリームTSを構成しているエレメンタリストリームESやパケッタイズドエレメンタリストリームPESを音声や映像等のいわゆる属性毎に分離して出力するデマルチプレクサ(DEMAX)21と、分離されたエレメンタリストリームESやパケッタイズドエレメンタリストリームPESをMPEG-2ビデオ、MPEG-2 ACC等に準拠して復号(デコード)することで、放送番組の映像データSvdや音声データSau等を再生して出力するデコーダ部22とを有して構成されている。
また、復調部20は、誤り訂正と復調を行う際に、パケットエラーレートのデータPERと制御情報(TMCC)を制御部18に供給する。
制御部21は、デジタル受信機10の動作を集中制御するマイクロプロセッサ(MPU)等で形成され、上述の記憶部を有すると共に、ユーザが所望の操作入力を行うための操作部が接続されている。
更に、制御部21は、シーク処理とスキャン処理の制御を行う他、通常の受信制御を行う。つまり、制御部21は、通常受信時では、デコード部22から出力されるARIB規格に準拠しているデータDs、すなわち放送局側からサービス情報として配信されてくる受信エリアのデータや各放送局のチャンネル周波数のデータ、番組表データ等のデータDsを記憶部に記憶する。そして、ユーザから所望のデジタルテレビ放送又はデジタルラジオ放送のチャンネルが操作部を介して選局操作されると、その放送チャンネルの同調周波数を番組表データ等から検索し、選局制御信号Cfによって局部発振器14を制御することにより、その同調周波数に合わせた局発信号LOを発生させる。
次に、かかる構成を有するデジタル受信機10の動作について、図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図6は、シーク処理の動作、図7は、スキャン処理の動作を示している。
〈通常受信時の動作〉
まず、通常受信時の動作を説明する。ユーザからの操作入力によってデジタルテレビ放送の放送チャンネルが選択指定されると、広帯域フィルタ15aが動作状態、狭帯域フィルタ15bが動作停止の状態となると共に、局部発振器14が指定された受信チャンネルに合った同調周波数の局発信号LOを出力する。
〈通常受信時の動作〉
まず、通常受信時の動作を説明する。ユーザからの操作入力によってデジタルテレビ放送の放送チャンネルが選択指定されると、広帯域フィルタ15aが動作状態、狭帯域フィルタ15bが動作停止の状態となると共に、局部発振器14が指定された受信チャンネルに合った同調周波数の局発信号LOを出力する。
そして、広帯域フィルタ15aを通過した広帯域通過信号IFaに対して後段部16が上述の復調及びデコード等の所定の処理を行うことにより、映像データSvdと音声データSau等を再生し、図示していないデスプレイやスピーカ側へ出力する。
また、ユーザからの操作入力によってデジタルラジオ放送の放送チャンネルが選択指定されると、広帯域フィルタ15aが動作停止の状態、狭帯域フィルタ15bが動作状態となると共に、局部発振器14が、指定された受信チャンネルに合った同調周波数の局発信号LOを出力する。
そして、狭帯域フィルタ15bを通過した狭帯域通過信号IFbに対して後段部16が上述の復調及びデコード等の所定の処理を行うことにより、音声データSau等を再生し、図示していないスピーカ側へ出力する。
〈シーク処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
次に、図6を参照してシーク処理の動作を説明する。ユーザが操作部を操作してシーク処理の開始を指定すると、ステップS100において、制御部18が狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを動作停止の状態に設定し、それと同時に、ステップS101において、局部発振器14を制御して、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
次に、図6を参照してシーク処理の動作を説明する。ユーザが操作部を操作してシーク処理の開始を指定すると、ステップS100において、制御部18が狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを動作停止の状態に設定し、それと同時に、ステップS101において、局部発振器14を制御して、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
これにより、狭帯域フィルタ15bが、IF信号IF0を帯域制限して、狭帯域通過信号IFbを出力する。
次に、ステップS102において、レベル検波部17が、狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーをレベル検波し、その検波したレベル値LDと閾値THDとを比較することによりアナログテレビ放送とデジタルテレビ放送のどちらを受信したか判定し、その判定信号Svを制御部18へ出力する。
そして、制御部18が、その判定信号Svに基づいて、アナログテレビ放送を受信したことを確認すると(「Noの場合」)、ステップS103に移行して、局部発振器14を制御することにより次の放送チャンネルを受信すべく同調周波数を迅速に変化させる。つまり、アナログテレビ放送を受信した場合には、同調周波数を迅速に変化させることにより、アナログテレビ放送をシーク処理の対象から外すこととしている。
更にステップS104において、制御部18は、ユーザからシーク処理を終了すべき指示がなされたか判断し、終了すべき指示がなされていた場合(「Yes」の場合)にはシーク処理を強制的に終了し、終了すべき指示がなされていない場合(「No」の場合)にはステップS105において、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えたか判断し、未だ(「No」の場合)であれば、ステップS102からの処理を繰り返し、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えた場合にはステップS101からの処理を繰り返す。
一方、上述のステップS102において、制御部18が判定信号Svに基づいて、デジタル放送を受信したことを確認すると(「Yes」の場合)、ステップS106に移行して、復調部20から出力されるパケットエラーレートのデータPERの値を所定の基準値と比較し、受信状態の良否を判断する。そして、受信状態が良好でないと判断すると、ステップS103に移行して、次のチャンネルの放送を受信すべく局部発振器14を制御することにより同調周波数を変化させる。受信状態が良好であると判断すると、ステップS107に移行して、復調部20から出力される制御情報(TMCC)に基づいて、デジタル放送の種類、すなわちデジタルテレビ放送を受信中かデジタルラジオ放送を受信中か識別する。
つまり、デジタルテレビ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(f)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、デジタルテレビ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいてデジタルテレビ放送を受信中であると識別する。
一方、現行の東京圏で放送されているデジタルラジオ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(g)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、東京圏のデジタルラジオ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいて東京圏のデジタルラジオ放送を受信中であると識別する。
また、現行の大阪圏で放送されているデジタルラジオ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(h)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、大阪圏のデジタルラジオ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいて大阪圏のデジタルラジオ放送を受信中であると識別する。
そして、制御部18は、デジタルテレビ放送を受信中であると識別すると、ステップS109に移行し、その受信したデジタルテレビ放送の放送チャンネルを示す周波数データ(プリセットデータ)を記憶部に記憶させることで選局用データベースを作成し、更に、広帯域フィルタ15aを動作状態、狭帯域フィルタ15bを動作停止状態に切り替えることで、そのデジタルテレビ放送を継続して受信すべく制御して、シーク処理を終了する。
上述のステップS107において、制御部18は、東京圏又は大阪圏のデジタルラジオ放送を受信中であると識別するとステップS108に移行する。そして、選局制御信号Cfによって、図4(d)(e)に示したデジタルラジオ放送のチャンネル帯域幅(4MHz)内の各々のセグメント#0〜#6,#8を夫々受信すべく同調周波数を変化させ、各セグメントについての狭帯域通過信号IFaを復調部20が復調等する際に出力する制御情報(TMCC)を入力する。
そして更に、制御部18は、入力した各々の制御情報(TMCC)に基づいて、東京圏又は大阪圏で放送されているデジタルラジオ放送の放送チャンネルを特定し、次に、ステップS109において、その放送チャンネルを示す周波数データ(プリセットデータ)を記憶部に記憶させることで選局用データベースを作成する。
更に、デジタルラジオ放送を受信中の場合には、制御部18は、ステップS109において、狭帯域フィルタ15bを動作状態のままにすることで、デジタルラジオ放送を継続して受信するようにして、シーク処理を終了する。
このように、本実施例のデジタル受信機10は、シーク処理中にアナログテレビ放送を受信すると、ステップS102において、そのアナログテレビ放送をシーク処理の対象から迅速に外すことができるため、シーク処理の開始時点からプリセット完了の時点までに要する時間を短縮化することができる。
〈スキャン処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
次に、図7を参照してスキャン処理の動作を説明する。なお、図7において、図6と同一又は相当するステップについては同一符号で示している。
〈スキャン処理の開始の指示がなされた場合の動作〉
次に、図7を参照してスキャン処理の動作を説明する。なお、図7において、図6と同一又は相当するステップについては同一符号で示している。
ユーザが操作部を操作してスキャン処理の開始を指定すると、図6に示したのと同様に、ステップS100,S101において、制御部18が狭帯域フィルタ15bを動作状態、広帯域フィルタ15aを動作停止の状態に設定し、局部発振器14を制御して、局発信号LOの同調周波数を既定周波数(デフォルトの周波数)に設定させる。
次に、ステップS102において、レベル検波部17が、狭帯域通過信号IFbのスペクトルパワーをレベル検波し、その検波したレベル値LDと閾値THDとを比較することによりアナログテレビ放送とデジタルテレビ放送のどちらを受信したか判定し、その判定信号Svを制御部18へ出力する。
そして、制御部18が、その判定信号Svに基づいて、アナログテレビ放送を受信したことを確認するとステップS103に移行して、局部発振器14を制御することにより次の放送チャンネルを受信すべく同調周波数を迅速に変化させる。つまり、アナログテレビ放送を受信した場合には、同調周波数を迅速に変化させることにより、アナログテレビ放送をシーク処理の対象から外すこととしている。
更にステップS110において、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えたか判断し、未だであれば、ステップS102からの処理を繰り返し、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えた場合には、スキャン処理を終了する。
一方、上述のステップS102において、制御部18が判定信号Svに基づいて、デジタル放送を受信したことを確認すると、ステップS106に移行して、復調部20から出力されるパケットエラーレートのデータPERの値を所定の基準値と比較し、受信状態の良否を判断する。そして、受信状態が良好でないと判断すると、ステップS103に移行して、次のチャンネルの放送を受信すべく局部発振器14を制御することにより同調周波数を変化させる。受信状態が良好であると判断すると、ステップS107に移行して、復調部20から出力される制御情報(TMCC)に基づいて、デジタル放送の種類、すなわちデジタルテレビ放送を受信中かデジタルラジオ放送を受信中か識別する。
つまり、デジタルテレビ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(f)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、デジタルテレビ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいてデジタルテレビ放送を受信中であると識別する。
一方、現行の東京圏で放送されているデジタルラジオ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(g)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、東京圏のデジタルラジオ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいて東京圏のデジタルラジオ放送を受信中であると識別する。
また、現行の大阪圏で放送されているデジタルラジオ放送を受信中であれば、復調部20は、図4(h)に示した狭帯域通過信号IFbのうちの第1セグメント#0を復調することで、大阪圏のデジタルラジオ放送であることを示す制御情報(TMCC)を出力するため、制御部18がこの制御情報(TMCC)に基づいて大阪圏のデジタルラジオ放送を受信中であると識別する。
そして、制御部18は、デジタルテレビ放送を受信中であると識別すると、ステップS109に移行し、その受信したデジタルテレビ放送の放送チャンネルを示す周波数データ(プリセットデータ)と、操作部に設けられている選局スイッチとの関連付けを行う選局用データベースを作成し、記憶部にプリセット(記憶)する。
次に、制御部18は、ステップS103に移行して、次のチャンネルの放送を受信すべく局部発振器14を制御することにより同調周波数を変化させ、ステップS110において、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えたか判断し、未だであれば、ステップS102からの処理を繰り返し、放送周波数の全伝送帯域についてシークし終えた場合には、スキャン処理を終了する。
このように、本実施例のデジタル受信機10は、スキャン処理中にアナログテレビ放送を受信すると、ステップS102において、そのアナログテレビ放送をシーク処理の対象から迅速に外すことができるため、スキャン処理の開始時点から地上デジタル放送の全ての伝送帯域に亘ってスキャンを完了するまでに要する時間を短縮化することができる。
また、本実施例のデジタル受信機10では、シーク処理とスキャン処理の際に、デジタルラジオ放送を受信するために設けられている狭帯域フィルタ15bを使用して、アナログテレビ放送を受信したかデジタル放送を受信したかの判定を行うための狭帯域通過信号IFbを生成している。このため、シーク処理とスキャン処理を行うための専用の狭帯域フィタを追加しなくともよく、構成要素の効率的活用を図ることができ、また、部品点の低減化を図ることが可能である。
なお、以上の実施例の説明では、シーク処理とスキャン処理を開始すると、所定の既定周波数を最初の同調周波数に設定し、良好な受信状態の得られるデジタル放送が検出されるまで、各チャンネルの帯域幅ずつ同調周波数を変化させていくようになっているが、前述の実施形態における変形例と同様に、GPS受信機で受信した現在位置情報に基づいて、シーク処理とスキャン処理を行うためのチャンネルの絞り込みを行うようにしてもよい。
すなわち、車両等の移動体に搭載されるデジタル受信機10に、現在位置を検出するGPS受信機を設ける。そして、デジタル受信機10が放送局側からサービス情報として配信されてくる受信エリアのデータや各放送局のチャンネル周波数のデータ、番組表データ等を予め制御部18内の記憶部に記憶しておき、シーク又はスキャン処理を開始すると、GPS受信機で検出された現在位置の位置情報に基づいて上述の記憶部を検索し、現在位置の受信エリア内で受信可能なチャンネル周波数を検索する。そして、その受信可能なチャンネルの周波数を局発信号LOの同調周波数に設定して、良好な受信状態の得られるデジタル放送を検出するようにしてもよい。
かかる変形例によると、シーク又はスキャン処理の対象とするチャンネルを絞り込むことができるため、シーク又はスキャン処理に要する時間を更に短縮化することが可能となる。
また、以上の実施形態と実施例で述べたデジタル受信機10では、狭帯域フィルタ15bの通過帯域幅BWbが、3セグメント分に相当する1.38MHzに固定されているが、デジタルラジオ放送を受信する通常受信時では、この通過帯域幅1.38MHzに設定し、シーク処理又はスキャン処理を行う際には、1セグメント以上、3セグメント以下に相当する何れかの通過帯域幅に可変調整する可変バンドパスフィルタで形成するようにしてもよい。
また、狭帯域フィルタ15bは、1セグメント以上、3セグメント以下に相当する何れかの通過帯域幅に決められた専用の狭帯域フィルタにしておき、別個に、デジタルラジオ放送を受信する通常受信時にIF信号IF0を供給する狭帯域フィルタ(3セグメント分に相当する1.38MHzの通過帯域幅に決められたバンドパスフィルタ)を設けてもよい。そして、デジタルラジオ放送を受信する通常受信時では、上記別個の狭帯域フィルタを通過した狭帯域通過信号を後段部16側へ供給し、シーク処理又はスキャン処理の際には、専用の狭帯域フィルタ15bを通過した狭帯域通過信号をレベル検波部17と後段部19側へ供給するようにしてもよい。
10…デジタル受信機
15b…狭帯域フィルタ
17…レベル検波部
18…制御部
15b…狭帯域フィルタ
17…レベル検波部
18…制御部
Claims (4)
- チャンネル帯域幅に複数のセグメントが多重化されて送信されてくるデジタル放送とアナログ放送とが混在する地上放送を受信し、シーク又はスキャン処理を行うデジタル受信機であって、
前記シーク又はスキャン処理の際、前記放送波を受信して同調周波数に基づいて周波数変換される中間周波信号を、前記チャンネル帯域幅より狭い通過帯域幅で帯域制限することにより、狭帯域通過信号を生成する狭帯域フィルタ手段と、
前記狭帯域通過信号のレベルを検波し、検波したレベル値に基づいて、前記同調周波数がデジタル放送又はアナログ放送の何れの放送チャンネルに相当するものか判定するレベル検波手段と、
前記レベル検波手段がアナログテレビ放送と判定すると、前記同調周波数を変化させることにより、前記アナログテレビ放送をシーク又はスキャン処理の対象から外す制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタル受信機。 - 前記狭帯域フィルタ手段の通過帯域幅は、1つの前記セグメントの伝送帯域の1倍以上、3倍以下に相当する範囲の何れかの幅に決められていることを特徴とする請求項1に記載のデジタル受信機。
- 前記狭帯域フィルタ手段は、前記デジタル放送を受信する通常受信時において中間周波信号を帯域制限するIFフィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル受信機。
- チャンネル帯域幅に複数のセグメントが多重化されて送信されてくるデジタル放送とアナログ放送とが混在する地上放送を受信し、シーク又はスキャン処理を行うデジタル受信方法であって、
前記シーク又はスキャン処理の際、前記放送波を受信して同調周波数に基づいて周波数変換される中間周波信号を、前記チャンネル帯域幅より狭い通過帯域幅で帯域制限することにより、狭帯域通過信号を生成する狭帯域フィルタ工程と、
前記狭帯域通過信号のレベルを検波し、検波したレベル値に基づいて、前記同調周波数がデジタル放送又はアナログ放送の何れの放送チャンネルに相当するものか判定するレベル検波工程と、
前記レベル検波手段がアナログテレビ放送と判定すると、前記同調周波数を変化させることにより、前記アナログテレビ放送をシーク又はスキャン処理の対象から外す制御工程と、
を備えることを特徴とするデジタル受信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004299743A JP2006115149A (ja) | 2004-10-14 | 2004-10-14 | デジタル受信機及びデジタル放送受信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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