JP2006114372A - 固体高分子電解質および固体高分子電解質膜 - Google Patents

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正弘 黒川
Yoshihiro Gocho
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Abstract


【課題】高いイオン伝導性を保持しつつ、メタノール阻止性に優れた固体高分子電解質および固体高分子電解質膜を低コストで提供する。
【解決手段】酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーとを共重合して得られる樹脂組成物に、ポリビニルアルコールと式(1)で示されるジアルデヒドおよび/またはモノアルデヒドと酸触媒とを添加して得られる固体高分子電解質であって、つぎの条件(a)および(b)を満たす固体高分子電解質、および該電解質を製膜してなる固体高分子電解質膜。
(a)酸性基を有するモノマーが、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびカルボン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーであり、
(b)塩基性基を有するモノマーが、アミノ基、アミド基、およびウレア基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーまたは芳香族モノマーである。
(1)R(CHO)
ただし、式(1)中、nは1または2であり、Rは炭素数30以下の有機基である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、メタノール遮断性に優れた新規のプロトン伝導性固体高分子電解質および固体高分子電解質膜に関するものである。
近年、次世代型クリーンエネルギー源として燃料電池が重要な地位を占めつつある。燃料電池のうち、固体高分子型燃料電池(以下、PEFCと略記する)は、固体高分子電解質膜を挟んでアノード及びカソードの両電極を配置するものである。例えば、燃料としてメタノールが使用される直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと略記する)の場合、アノード側にメタノールを、またカソード側には酸素または空気を供給することにより電気化学反応を起こさせて電気を発生させるものである。高出力、高エネルギー密度という特性を保持し、かつ小型で軽量な燃料電池を実現するために、高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の開発が行われている。そして、DMFCに使用される固体高分子電解質膜には、高いイオン伝導性を保持しつつ燃料用メタノールの阻止性、すなわち、固体高分子電解質膜のアノード側からカソード側への燃料用メタノールの透過(クロスオーバー)の低減が要求される。
従来、一般的にはパーフルオロカーボンスルホン酸(以下、PFSと略記する)系高分子(例えばデュポン社製、商品名ナフィオン膜等)を水和したものが、高いイオン伝導性を有するため固体高分子電解質膜として広く使用・検討されている。しかしながら、水和したPFS系高分子膜は、水との親和性の高いメタノールを通過(クロスオーバー)させやすく、メタノール阻止性に原理的な限界を有している。PFS系高分子水和膜のメタノールのクロスオーバーを低減する手段として、PFS系高分子水和膜をベースにして異種材料を複合することが考えられる。しかし、上記複合は、本来のPFS系高分子水和膜の有する高いイオン伝導性を著しく低下させるものであった。
これらの問題点を解決する方法として、ナフィオン膜にアニリンを含浸させメタ型ポリアニリンとし、ナフィオン膜と同程度のイオン伝導性とナフィオン膜の1/3程度のメタノール阻止性を達成することが開示されているが(特許文献1参照)、DMFC用電解質膜に使用するには未だ不十分である。また、高価なナフィオン膜に更に加工を加えるため、工程数が多く煩雑になり一段と高価格な膜とならざるを得ない。また、多孔質膜に酸性モノマーをグラフト重合させているものが開示されているが(特許文献2参照)、膜強度が十分ではなかった。更に、マトリックスモノマー、イオン交換系モノマーと配向系モノマーとを共重合させたもの等が紹介されているが(特許文献3参照)、メタノール透過性については不明である。
これより先に、ポリエチレンイミンに硫酸、またはリン酸をドープした例(非特許文献1参照)、ポリシラミンにリン酸をドープしたもの(非特許文献2参照)、ポリアクリルアミドに硫酸、またはリン酸をドープしたもの(非特許文献3参照)、ポリベンズイミダゾールにリン酸をドープした例(特許文献4参照)、スルホン化ポリエーテルスルホンにポリベンズイミダゾールを添加したもの(非特許文献4参照)があるが、ドープ剤が流れ落ちる、十分なイオン伝導性を示さない等問題点を多く有している。
特開2001-81220号 公報 特許WO00/54351 特開平11-302410号 公報 特表平11-503262号 公報 D.Schoolmann,O.Trinquent,and J.-C.Lassegues, Electrochim Acta,37,1619(1992) K.Tsuruhara,M.Rikukawa,K.Sunui,N.Ogata,Y.Nagasaki, and M.Kato, Electrochim Acta,45,1391(2000) W.Wieczorek and J.R.Stevens, Polymer,38,2057(1997) J.Kerrer,A.Ullrich,F.Meier and T.Harig, Solid State Ionics,125,243(1999)
本発明は、上述のようなDMFC用固体高分子電解質膜としてのPFS系高分子水和膜、PFS改質膜、及び各種電解質膜の現状問題点を解決するためになされたものであり、高いイオン伝導性を保持しつつ、メタノール阻止性に優れた固体高分子電解質膜を低コストで提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題について鋭意研究した結果、特定の酸性基を有するモノマーまたは該モノマーを4級アンモニウム化したモノマーと特定の塩基性基を有するモノマーとを共重合して得られる樹脂組成物に、ポリビニルアルコールとアルデヒドと酸触媒とを添加して得られる固体高分子電解質膜が、高いイオン伝導性を保持しつつメタノール阻止性を改善することを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1] 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーとを共重合して得られる樹脂組成物に、ポリビニルアルコールと式(1)で示されるジアルデヒドおよび/またはモノアルデヒドと酸触媒とを添加して得られる固体高分子電解質であって、つぎの条件(a)および(b)を満たす固体高分子電解質。
(a)酸性基を有するモノマーが、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびカルボン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーであり、
(b)塩基性基を有するモノマーが、アミノ基、アミド基、およびウレア基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーまたは芳香族モノマーである。
R(CHO) (1)
ただし、式(1)中、nは1または2であり、Rは炭素数30以下の有機基である。
[2] 樹脂組成物が、酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーに、さらに中性モノマーを添加し共重合して得られるものである[1]記載の固体高分子電解質。
[3] 樹脂組成物が、酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーに、さらに架橋性モノマーを添加し共重合して得られるものである[1]または[2]記載の固体高分子電解質。
[4] 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと、塩基性基を有するモノマーとの官能基当量数の比が、40/60〜60/40の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の固体高分子電解質。
[5] ポリビニルアルコール100モル部に対して、ジアルデヒドの割合が0〜25モル部、モノアルデヒドの割合が0〜50モル部の範囲である[1]〜[4]のいずれかに記載の固体高分子電解質。
[6] 樹脂組成物とポリビニルアルコールとの重量の比が、5/95〜70/30の範囲である[1]〜[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質。
[7] 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーが、アクリルアミド-t-ブチルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アッシドホスホシキエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、またはこれらのモノマーの4級アンモニウム塩である[1]〜[6]のいずれかに記載の固体高分子電解質。
[8] 塩基性基を有するモノマーが、アクリルアミド、アリルアミン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アミノアクリルアミド、アミノスルホン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルジアミノトリアジン、またはエチレンイミンである請求項1〜7のいずれかに記載の固体高分子電解質。
[9] 中性モノマーが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである[2]記載の固体高分子電解質。
[10] 架橋性モノマーが、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、またはジビニルベンゼンである[3]記載の固体高分子電解質。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の固体高分子電解質を製膜してなる固体高分子電解質膜。
[12] 補強材として、多孔質膜、織物、または不織布を用いる[11]記載の固体高分子電解質膜。
本発明の固体高分子電解質膜は、高いプロトン伝導性と優れたメタノール遮断性を併せ持つ。該電解質膜は燃料電池用、特にDMFC用固体高分子電解質膜として有用である。また、本発明の固体高分子電解質膜の製造は簡便であり、安価に製造することができる。
本発明における酸性基を有するモノマー(Aモノマーということがある)としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、またはカルボキシル基を有する脂肪族モノマーであれば良く、これらの異種のモノマーが複数混合されても良い。また、該モノマーを4級アンモニウム化したモノマー(A′モノマーということがある)でもよい。さらに炭素に結合している水素原子の一部もしくは、全てがフッ素原子と置換していても良い。
具体的には、アクリルアミド-t-ブチルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アッシドホスホシキエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸等が例示できるが、これらに限定されるものではなくスルホン酸基、ホスホン酸基、およびカルボキシル基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーであれば良い。また、これらのモノマーの4級アンモニウム塩でも良い。
酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化するには、モノマーを適当な溶剤と混合もしくは溶かし、3級アミン化合物と反応させ、4級化すれば良い。3級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルエチルアミン等を使用することができるが、なんらこれらに限定されるものではく、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基と4級化合物を生成することができればよい。酸性基を有するモノマーと3級アミン化合物とのモル比は、30/70〜70/30の範囲のときが好ましい。さらに好適には45/55〜55/45の範囲である。溶剤としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスホキシド、γ-ブチロラクトン等が例示されるが、モノマー類および4級化物を溶解し、かつ4級化反応に異状を来たさなければ良い。4級化する際、多少の発熱を伴うため、60℃以下、好適には50℃以下、更には好適には40℃以下が良い。60℃以上の場合、場合によっては4級化する際に重合反応を起こす虞がある。
本発明における塩基性基を有するモノマー(Bモノマーということがある)としては、アミノ基、アミド基、またはウレア基を有するモノマーであればよい。また、これらの異種モノマーを複数種混合して用いてもよい。さらに、炭素に結合している水素原子の一部または全てがフッ素原子と置換していても良い。
具体的には、アクリルアミド、アリルアミン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アミノアクリルアミド、アミノスルホン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルジアミノトリアジン、エチレンイミン、これらの誘導体を例示することができる。また、芳香族環を有するモノマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、アミノ基、アミド基およびウレア基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーまたは芳香族モノマーであればよい。
AモノマーまたはA′モノマーと、Bモノマーは一般的に溶剤と共に混合される。使用される溶剤は、水、4−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が使用できるが、これらに限定されるものではなく、重合反応が制御でき、後述するポリビニルアルコールやアルデヒド類とよく混合でき、製膜化工程において相分離等の問題とならなければ良い。好適には、水、ジメチルスホキシドが使用される。その使用量については、AモノマーまたはA′モノマー、Bモノマー、後述の中性モノマー、および後述の架橋性モノマーの合計重量が、AモノマーまたはA′モノマー、Bモノマー、後述の中性モノマー、後述の架橋性モノマー、及び溶剤の合計重量に対して1〜80%、好適には5〜60%、更に好適には、10〜40%の範囲となる量である。
AモノマーまたはA′モノマーと、Bモノマーは、通常、上記溶剤を加えた溶液の状態でこれらの所定量が重合反応器に入れられる。その後混合攪拌によって均一な重合組成物が得られる。重合方法は、これらモノマーを上記反応器に一括添加する、またはこれらモノマー混合物を重合反応機内に逐次添加法にて加え重合することもできる。これら方法は、得られる重合物の性状等により適宜採用すればよく、これら技術としては当該事業者の通常の方法を用いることができる。さらに、重合反応終了後、酸化防止剤(ラジカル捕捉剤やハイドロパーオキサイド分解剤等)や着色剤等他の添加剤を一緒に混合しても良い。
本発明では、AモノマーまたはA′モノマーと、Bモノマーを共重合して得られる樹脂組成物が、プロトン伝導を担っているが、AモノマーまたはA′モノマーと、Bモノマーとの官能基当量数の比が40/60〜60/40の範囲にあるとき、好適なプロトン伝導性を発現する。更に好適なものは、官能基当量数の比が45/55〜55/45の範囲にあるときである。また、更に好ましくは、強酸と弱塩基の組み合わせのときである。なお、官能基当量数の測定は、既存の方法、例えば、予め濃度の分っている酸性試薬または塩基性試薬によって、中和滴定を行うことによってなされる。
(AまたはA′+B)のモノマー混合溶液に中性モノマーを添加して、共重合させても良い。中性モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が好適に使用される。これら中性モノマーを添加することにより、固体高分子電解質膜の機械的強度の向上、柔軟性の付与、水やメタノールとの親和性の制御等の効果が期待できる。(AまたはA′+B)のモノマー混合溶液と中性モノマーのモル比は、99/1〜10/90の範囲が好ましく、より好ましくは97/3〜30/70の範囲、さらに好ましくは、95/5〜60/40の範囲である。
本発明によれば、上記中性モノマーは、架橋性モノマーであっても良い。架橋性を有するモノマーとしては、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等が例示できるが、これらに限定されるのではなく、酸性基を有するモノマーおよび/または塩基性基を有するモノマーと架橋構造を形成する目的を達成されるものであればよい。また、上述の中性モノマーを添加した場合も、これと架橋構造を形成してよい。(AまたはA′+B)のモノマー混合溶液と架橋性モノマーとのモル比は、99/1〜10/90の範囲が好ましく、より好ましくは97/3〜30/70の範囲、さらに好ましくは、95/5〜60/40の範囲である。
AモノマーまたはA′モノマーと、Bモノマーとの重合は、熱、光、電子線等により開始することができるが、熱重合の場合は、ラジカル、カチオン、アニオン重合開始剤が使用でき、好適にはラジカル開始剤が使用される。光による重合は、光増感剤および重合開始剤の組合せで行われるのが一般的であり、これらの方法を適宜使用することができる。例えば、有機溶媒を重合溶媒に使用した場合、日本油脂(株)社カタログ記載の有機過酸化物、アゾ化合物も使用することができ、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が好適に使用できる。水を重合溶媒に使用した場合、水溶性のラジカル開始剤を使用することができ、和光純薬工業(株)社のカタログ記載のVA−044、V−50、VA−086等が好適に使用される。
重合開始剤の添加量は、それぞれの重合条件にもよるがモノマーの添加量の合計100重量部に対して0.001〜2重量部、好適には0.01〜1重量部、さらに好適には0.05〜0.5重量部である。重合温度は、0℃〜120℃が、好適には、20℃〜100℃が、さらに好適には30℃〜80℃が適当であるが、モノマー組成、得られた重合物の物性、工程時間等により適宜選択すればよい。
このようにまず、AモノマーまたはA′モノマーとBモノマーとを共重合して樹脂組成物を調製しておく。次に該樹脂組成物に、ポリビニルアルコールと式(1)で示されるジアルデヒドおよび/またはモノアルデヒドと酸触媒とを添加して、該ポリビニルアルコールと該アルデヒドを反応させることによって、本発明の固体高分子電解質膜を得る。該ポリビニルアルコールとアルデヒドを反応させることによって、得られる電解質膜の機械的強度が高められる。更に、式(1)で示されるアルデヒドの種類によっては、更にプロトン伝導性を高めたり、樹脂組成物との親和性を高めたりする。
ポリビニルアルコールは常法に従い容易に合成することが可能である。一般式は式(2)で表されるが、式(2)中のmは、1000〜5000の範囲内にあり、m:nの割合は、85:15〜100:0の範囲内にあることが好ましい。本発明に用いるポリビニルアルコールとしては、市販品を用いることができる。例えば、(株)クラレ社製の製品(商品名:クラレポバール)や電気化学工業(株)社製の製品(商品名:デンカポバール)等が利用できる。
Figure 2006114372
式(1)に示されるn=1の場合の化合物は1分子内に1個のホルミル基を有するモノアルデヒドである。式中のRは炭素数30以下の有機基であることが好ましい。このようなモノアルデヒドとしては、例えば、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセチルアミノベンズアルデヒド、アセトアミドベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、アミノジブロモベンズアルデヒド、アミノベンズアルデヒド、アントラアルデヒド、アントラセンカルボキシアルデヒド、アントラセンジカルボキシアルデヒド、吉草酸アルデヒド、イソプロピルベンズアルデヒド、ウンデシル酸アルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、エチルカルバゾールカルボキシアルデヒド、エチルチオフェンカルボキシアルデヒド、エチルフルアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、エチルヘキサンアルデヒド、エチルヘキシルアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、エトキシナフトアルデヒド、エトキシヒドロキシベンズアルデヒド、エトキシベンズアルデヒド、エナントアルデヒド、オクチルアルデヒド、オクチルオキシベンズアルデヒド、カルボキシベンズアルデヒド、キノリンカルボキシアルデヒド、クミンアルデヒド、クロロサリチルアルデヒド、クロロチオフェンカルボキアルデヒド、クロロニトロベンズアルデヒド、クロロフェノキシベンズアルデヒド、クロロフルオロベンズアルデヒド、クロロベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、シアノベンズアルデヒド、シ゛エチルアミノサリチルアルデヒド、ジエチルアミノベンズアルデヒド、ジオクチルオキシベンズアルデヒド、ジクロロサリチルアルデヒド、ジクロロベンズアルデヒド、ジデシルオキシベンズアルデヒド、ジドデシルオキシベンズアルデヒド、ジニトロベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ジフルオロベンズアルデヒド、ジ−t−ブチルヒドロキベンズアルデヒド、ジブロモサリチルアルデヒド、ジブロモヒドロキシメトキシベンズアルデヒド、ジメチルアニスアルデヒド、けい皮アルデヒド、ジメチルアミノけい皮アルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、ジメチルオクタジエンアルデヒド、ジメチルチオフェンカルボキシアルデヒド、ジメチルフェニルピラゾールカルボキシアルデヒド、ジメチルフランカルボキシアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、ジメトキシテトラヒドロフランカルボキシアルデヒド、ジメトキシヒドロキシベンズアルデヒド、ジメトキシベンズアルデヒド、スルホベンズアルデヒド、チオフェンカルボキアルデヒド、チオフェンジカルボキアルデヒド、テトラフルオロベンズアルデヒド、デシルオキシベンズアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、トリクロロベンズアルデヒド、トリチオホルムアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、トリフルオロメチルベンズアルデヒド、トリフルオロメチルフェノキシベンズアルデヒド、トリフルオロメトキシベンズアルデヒド、トリメトキシベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、ドデシルオキシベンズアルデヒド、ニトロけい皮アルデヒド、ニトロサリチルアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、ノニルアルデヒド、バニリンアルデヒド、ヒドロキシアニスアルデヒド、ヒドロキシナフトアルデヒド、ヒドロキシニトロベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキメチルフルアルデヒド、ヒドロけい皮アルデヒド、ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、ビフェニルカルボキアルデヒド、ピリジンアルデヒド、ピリジンカルボキシアルデヒド、ピロールカルボキシアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、フェノキシベンズアルデヒド、フェロセンカルボキシアルデヒド、フルオレンカルボキシアルデヒド、ブチルアルデヒド、ブトキシベンズアルデヒド、ブロモアニスアルデヒド、ブロモけい皮アルデヒド、ブロモサリチルアルデヒド、ブロモチオフェンカルボキシアルデヒド、ブロモヒドロキシメトキシベンズアルデヒド、ボロモフルオロベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、ブロモメトキシベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、プロピルベンズアルデヒド、プロポキシベンズアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘキシルオキシベンズアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、ベンジルオキシアセトアルデヒド、ベンジルオキシジメチルベンズアルデヒド、ベンジルオキシベンズアルデヒド、ベンジルオキシメトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドスルホン酸、ベンゾフランカルボキシアルデヒド、ペンタフルオロベンズアルデヒド、ペンタメチルベンズアルデヒド、ペンチルオキシベンズアルデヒド、メタクリルアルデヒド、メチルアニスアルデヒド、メチルアントラセンカルボキシアルデヒド、メチルジチオイソブチルアルデヒド、メチルスルホニルベンズアルデヒド、メチルチオフェンカルボキシアルデヒド、メチルチオプロピオンアルデヒド、メチルチオベンズアルデヒド、メチルピリジンカルボキシアルデヒド、メチルピロールカルボキシアルデヒド、メチルブチルアルデヒド、メチレンジオキシベンズアルデヒド、メトキシサリチルアルデヒド、メトキシナフトアルデヒド、メトキシフェノキシベンズアルデヒド、メトキベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒドスルホン酸等を挙げることができる。上記モノアルデヒドは、1種またはそれ以上の化合物を同時に用いてもよい。
式(1)に示されるn=2の場合の化合物は、1分子内に2個のホルミル基を有するジアルデヒドである。式中のRは炭素数30以下の有機基であることが好ましい。このようなジアルデヒドとしては、例えば、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、ナフタレンジアルデヒド、ピペラジンジカルボキシアルデヒド、ビフェニルジカルボキシアルデヒド、ジホルミルジフェニルエーテル、ジホルミルフラン、ヒドロキシイソフタルアルデヒド、クロロヒドロキシベンゼンジカルボキシアルデヒド、ヒドロキシメチルベンゼンジカルボキシアルデヒド、ヘキサメチレンジアルデヒド、マロンジアルデヒド、ビス(ホルミルビフェニル)エーテル、ビス(ホルミルビフェニル)ケトン、メチレンビス(ジフェニルカルボキシアルデヒド)等が挙げられる。上記ジアルデヒドは、1種またはそれ以上の化合物を同時に用いてもよい。
ジアルデヒドの添加量は、ポリビニルアルコール100モル部に対して、0〜25モル部、好ましくは7〜18モル部である。モノアルデヒドの添加量は、ポリビニルアルコール100モル部に対して、0〜50モル部、好ましくは14〜36モル部である。ポリビニルアルコールにジアルデヒドおよび/またはモノアルデヒドを反応させ、ポリビニルアルコール中の水酸基を残さないようにすることによって高いメタノール遮断性能が発現する。ジアルデヒドとモノアルデヒドについては、どちらか一方、または両方が添加され、両成分が共に添加されない場合には本発明の効果が得られない。
上記樹脂組成物の溶液に、ポリビニルアルコール、ジアルデヒド、モノアルデヒドを添加し、さらに酸触媒を加えることによって本発明の固体高分子電解質が得られる。また該電解質を製膜することによって本発明の固体高分子電解質膜が得られる。
ポリビニルアルコールを溶かす溶媒としては、例えば、水、4−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。好ましくは、上記樹脂組成物、ジアルデヒド、モノアルデヒドが溶解するような溶媒を選択することが望ましい。濃度は、1〜50重量%であるとき製膜しやすくなり、特に好ましくは5〜20重量%である。
上記樹脂組成物の重量(W)とポリビニルアルコールの重量(W)との比(W/W)は、5/95〜70/30が好ましく、更に好ましくは、20/80〜45/55である。樹脂組成物が多すぎると得られる電解膜が非常に弱くなり、ポリビニルアルコールの添加量が多すぎると、膜のプロトン伝導性が悪くなる。なお、上記樹脂組成物の重量(W)とは、溶媒を除いた重量である。
酸触媒は、希硫酸、希塩酸等の一般的な鉱酸が用いられ、ポリビニルアルコールの添加量に対してモル比で0.5〜1%程度が好ましい。1%より多すぎると反応が速すぎて、製膜前に硬化が始まる虞がある。一方、0.5%より少なすぎると硬化に時間がかかり、生産効率が悪くなる。
製膜する方法としては特に限定されないが、一般的なキャスト法が適用できる。樹脂組成物、ポリビニルアルコール、ジアルデヒド、モノアルデヒド、酸触媒、溶媒全てを十分に混合したものを、ガラス板上に流延しホットプレートにのせる。その後60〜80℃で3時間〜6時間かけて溶媒を飛ばしながら、樹脂を硬化させる。膜の表面が乾いたら、更に80℃で2時間減圧乾燥し、溶媒を完全に除く。
また、ガラス板上に流延する際に、多孔質膜、織物、または不織布等の補強材に含浸させながら製膜を行うこともできる。ここで使用される補強材は、例えば、超高分子量ポリエチレン製、ポリイミド製、ポリテトラフルオロエチレン製の多孔質膜等が好適に使用されるが、これらに限定されるものではない。
こうして得られた乾燥膜は、希硫酸または希塩酸に浸漬してイオン交換する。イオン交換された膜は、イオン交換水で過剰な酸が残留しないように十分に洗浄する。
上記のようにして作製された固体高分子電解質膜のイオン伝導度は1.0×10-2S/cm以上であり、好適には1.5×10-2S/cm以上、更に好適には2.0×10-2S/cm以上である。
さらに、上記固体高分子電解質膜のメタノール透過速度は10mg/cm2/min以下である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。各種測定は、次のようにして行った。
イオン伝導度測定
本発明の固体高分子電解質膜のイオン伝導度の測定は、英国ソーラトロン社製のインピーダンスアナライザーSI1260型を用い、25℃で高周波インピーダンス測定を行った。次に、Col−Colプロットより直流成分Rを読み取り、プロトン伝導度を算出した。
メタノール透過速度測定
本発明の固体高分子電解質膜のメタノール透過速度の測定は、次のような方法に従った。得られた固体高分子電解質膜を連通管の中央に挟み、片方に30%メタノール水溶液100mlを、もう片方にイオン交換水100mlを仕込み、40℃の恒温水槽に浸した。水側に浸透してくるメタノールをガスクロマトグラフにより定量し、メタノール透過速度(mg/cm/min)を算出した。
実施例1
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.4g(0.05mol)、アクリルアミド3.56g(0.05mol)(酸性基を有するモノマーと塩基性基を有するモノマーの官能基当量数の比:50/50)、トリエチルアミン6.1g(0.06mol)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.3g(0.01mol)および溶媒のジメチルスルホキシド(以後、DMSOと略す)40gに溶解させ、滴下ロートに仕込んだ。200mlセパラブルフラスコにはDMSO132.2gを仕込み、窒素ガスを吹き込みつつ重合温度50℃に昇温し、滴下ロート中のモノマー溶液と重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルの2重量%DMSO溶液20gとを1時間かけて加え、その後4時間重合反応を継続させた。ポリマー濃度10重量%で、微黄色透明で粘稠な液体が得られた。これを樹脂Aと呼ぶ。
樹脂A6.4g(1.6mmol)、ポリビニルアルコール(電気化学工業株式会社、商品名デンカポバールB−24)10重量%DMSO溶液15.0g(34.1mmol)、テレフタルアルデヒド0.60g(4.5mmol)、ベンズアルデヒド0.43g(4.0mmol)、o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.75g(4.0mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.27g(0.014mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで70℃/2時間、80℃/2時間加熱、さらに真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々1.20×10−2S/cm、4.8mg/cm/minであった。
実施例2
実施例1で用いたものと同一の樹脂A4.3g(1.1mmol)、ポリビニルアルコール5重量%DMSO溶液12.8g(14.6mmol)、テレフタルアルデヒド0.26g(1.9mmol)、ベンズアルデヒド0.18g(1.7mmol)、o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.32g(1.7mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.18g(0.01mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで70℃/2時間、80℃/2時間加熱、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々1.22×10−2S/cm、9.2mg/cm/minであった。
実施例3
実施例1で用いたものと同一の樹脂A4.3g(1.1mmol)、ポリビニルアルコール5重量%DMSO溶液12.8g(14.6mmol)、テレフタルアルデヒド0.26g(1.9mmol)、o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.64g(3.5mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.18g(0.01mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで70℃/2時間、80℃/2時間加熱、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々1.86×10−2S/cm、7.0mg/cm/minであった。
実施例4
実施例1で用いたものと同一の樹脂A4.3g(1.1mmol)、ポリビニルアルコール5重量%DMSO溶液12.8g(14.6mmol)、テレフタルアルデヒド0.26g(1.9mmol)、ベンズアルデヒド0.18g(1.7mmol)o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.32g(1.7mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.18g(0.01mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に超高分子量ポリエチレン製多孔質膜(帝人株式会社、商品名ソルポア7P03A)をのせ、含浸、流延した。次いでホットプレートで70℃/2時間、80℃/2時間、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間加熱、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々2.06×10−2S/cm、6.0mg/cm/minであった。
実施例5
実施例1で用いたものと同一の樹脂A2.1g(0.5mmol)、ポリビニルアルコール10重量%水溶液5.0g(11.4mmol)、テレフタルアルデヒド0.2g(1.5mmol)、ベンズアルデヒド0.28g(2.7mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.05g(0.002mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで60℃/1時間、70℃/2時間、80℃/3時間加熱、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々9.22×10−3S/cm、3.5mg/cm/minであった。
実施例6
実施例1で用いたものと同一の樹脂A1.43g(0.35mmol)、ポリビニルアルコール10重量%水溶液3.3g(7.5mmol)、テレフタルアルデヒド0.13g(1.0mmol)、ベンズアルデヒド0.15g(1.4mmol)o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.07g(0.36mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.06g(0.003mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで60℃/1時間、70℃/2時間、80℃/3時間、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間加熱、乾燥させた。得られた乾燥膜を、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行った後、イオン交換水で洗浄と浸漬を2時間繰り返した。
このようにして得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々2.01×10−2S/cm、5.2mg/cm/minであった。
実施例7
p−スチレンスルホン酸9.2g(0.05mol)、アクリルアミド3.56g(0.05mol)(酸性基を有するモノマーと塩基性基を有するモノマーの官能基当量数の比:50/50)、トリエチルアミン5.1g(0.05mol)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.3g(0.01mol)および溶媒のジメチルスルホキシド(以後、DMSOと略す)40gに溶解させ、滴下ロートに仕込んだ。200mlセパラブルフラスコにはDMSO112.4gを仕込み、窒素ガスを吹き込みつつ重合温度50℃に昇温し、滴下ロート中のモノマー溶液と重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルの2重量%DMSO溶液20gとを1時間かけて加え、その後4時間重合反応を継続させた。ポリマー濃度10重量%で、微黄色透明で粘稠な液体が得られた。これを樹脂Bと呼ぶ。
以降、樹脂Aの代わりに樹脂B5.7g(1.5mmol)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたイオン交換膜のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々0.96×10−3S/cm、4.1mg/cm/minであった。
比較例1
ポリビニルアルコール10重量%DMSO溶液3.3g(7.5mmol)、テレフタルアルデヒド15重量%DMSO溶液0.89g(1.0mmol)、ベンズアルデヒド0.10g(0.9mmol)、o−ホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム10重量%ジメチルスルホキシド溶液1.6g(0.9mmol)を混合した。次いで、0.05mol/L硫酸0.06g(0.003mmol)を加え、更によく混合し、ガラス板上に流延した。次いでホットプレートで70℃/2時間加熱、80℃/2時間、更に真空乾燥機に入れて減圧状態で80℃/2時間、乾燥させた。得られた乾燥膜は、5重量%硫酸水溶液に2時間浸漬してイオン交換を行ったところ、著しく膨潤して非常に弱くなり、プロトン伝導度及びメタノール遮断速度の測定をすることはできなかった。
比較例2
パーフルオロスルホン酸イオン交換膜(デュポン株式会社、商品名ナフィオン112)のプロトン伝導度、及びメタノール透過速度を測定したところ、夫々5.6×10−3S/cm、6.8mg/cm/minであった。

Claims (12)

  1. 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーとを共重合して得られる樹脂組成物に、ポリビニルアルコールと式(1)で示されるジアルデヒドおよび/またはモノアルデヒドと酸触媒とを添加して得られる固体高分子電解質であって、つぎの条件(a)および(b)を満たす固体高分子電解質。
    (a)酸性基を有するモノマーが、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびカルボン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーであり、
    (b)塩基性基を有するモノマーが、アミノ基、アミド基、およびウレア基からなる群より選ばれた少なくとも1種を有する脂肪族モノマーまたは芳香族モノマーである。
    R(CHO) (1)
    ただし、式(1)中、nは1または2であり、Rは炭素数30以下の有機基である。
  2. 樹脂組成物が、酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーに、さらに中性モノマーを添加し共重合して得られるものである請求項1記載の固体高分子電解質。
  3. 樹脂組成物が、酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと塩基性基を有するモノマーに、さらに架橋性モノマーを添加し共重合して得られるものである請求項1または2記載の固体高分子電解質。
  4. 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーと、塩基性基を有するモノマーとの官能基当量数の比が、40/60〜60/40の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子電解質。
  5. ポリビニルアルコール100モル部に対して、ジアルデヒドの割合が0〜25モル部、モノアルデヒドの割合が0〜50モル部の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質。
  6. 樹脂組成物とポリビニルアルコールとの重量の比が、5/95〜70/30の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子電解質。
  7. 酸性基を有するモノマーまたは酸性基を有するモノマーを4級アンモニウム化したモノマーが、アクリルアミド-t-ブチルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アッシドホスホシキエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、またはこれらのモノマーの4級アンモニウム塩である請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子電解質。
  8. 塩基性基を有するモノマーが、アクリルアミド、アリルアミン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アミノアクリルアミド、アミノスルホン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルジアミノトリアジン、またはエチレンイミンである請求項1〜7のいずれかに記載の固体高分子電解質。
  9. 中性モノマーが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである請求項2記載の固体高分子電解質。
  10. 架橋性モノマーが、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、またはジビニルベンゼンである請求項3記載の固体高分子電解質。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の固体高分子電解質を製膜してなる固体高分子電解質膜。
  12. 補強材として、多孔質膜、織物、または不織布を用いる請求項11記載の固体高分子電解質膜。
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