JP2006114306A - 固体酸化物形燃料電池用基板及びその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極との機械的接合性に優れ、電池性能を向上し得るSOFC用基板、その製造法及びSOFCを提供すること。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池用の多孔質基板である。多孔質金属又はメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を備える。基板本体の表面及び/又は孔部に、微細な糸状物を形成して成る。
製造方法では、基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いられる基板及びその製造方法に係り、更に詳細には、セラミックスから成る電池要素と接合性に優れるSOFC用基板、その製造法及びこれを用いたSOFCに関する。
従来、多孔質金属基板上に薄膜電池要素を形成した固体酸化物形燃料電池(SOFC)では、通常、多孔質金属基板/燃料極/固体電解質/空気極の層構造を採る(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−92369号公報
近年、SOFCは各種材料や製法の進歩に伴い単電池性能が急速に向上しつつあり、単電池を積層・集積化したスタックの開発も進展している。
一般に、SOFCの単セルは燃料極基板上に電解質膜、空気極膜を順次形成したものである。また、燃料極基板の支持体としての機能を多孔質金属基板に担わせた、上記構成の単電池も開発されており、このような背景において、単電池を積層してスタックを構成する際、単電池を薄型・軽量化することが重要になりつつある。
しかしながら、かかる従来のSOFCにおいては、多孔質基板と電極間の機械的接合や電気的接合を考慮したものは無いか又はあったとしても考慮が不十分であった。
即ち、金属材料製の多孔質基板とセラミックス材料製の電極との間では、熱膨張率が大きく異なるので、基板から電極が剥離したり、電極が割れたりすることがあった。これに対し、両者の密着力を向上させるための方策として、金属体たる多孔質基板の表面に電極を構成するセラミックスと同種材料のセラミックス被膜を形成することが一般的に知られているが、この手法では十分な密着力を得ることが困難であった。
また、SOFCでは、通常は燃料極材料としてニッケルサーメットが使用されるが、この燃料極には、ニッケル粒子が凝集して燃料極と固体電解質との界面におけるいわゆる三層界面が減少し、電池性能が劣化するという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極との機械的接合性に優れ、電池性能を向上し得るSOFC用基板、その製造法及びSOFCを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の糸状物を基板表面や孔部に形成することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の固体酸化物形燃料電池用基板は、固体酸化物形燃料電池用の多孔質基板であって、多孔質金属又はメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を備える。また、この基板本体の表面及び/又は孔部には、微細な糸状物が形成されることを特徴とする。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池用基板の他の形態は、上記基板本体が、燃料極材料又は空気極材料を含む電極機能付き基板本体であることを特徴とするものであり、電極をも兼ねるものなので、固体酸化物形燃料電の池燃料極及び空気極のいずれか一方の機能を担わせることができる。
更に、本発明の固体酸化物形燃料電池用基板の製造方法は、上述の如き固体酸化物形燃料電池用基板を製造するに当たり、
上記第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属又は上記第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、これにより、この基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成する。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池用基板の他の製造方法は、電極機能付きの固体酸化物形燃料電池用基板を製造する方法である。
上述の糸状物が形成された電池用基板に燃料極材料又は空気極材料を付加して電極機能付き基板本体を作成することができる。
また、上記第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属又は上記第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体に、燃料極材料又は空気極材料を付加して電極機能付き基板本体を作成し、
次いで、この電極機能付き基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、この電極機能付き基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成してもよい。
更に、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上述の如き固体酸化物形燃料電池用基板を用いた燃料電池であって、かかる基板に、固体電解質を燃料極と空気極で挟持して成る発電要素を積層して成ることを特徴とする。
更にまた、本発明の他の固体酸化物形燃料電池は、上述の電極機能付きの固体酸化物形燃料電池用基板を用いた燃料電池である。この場合、かかる電極機能付き基板に、固体電解質と他の電極を積層して成ることを特徴とする。
本発明によれば、所定の糸状物を基板表面や孔部に形成することとしたため、電極との機械的接合性に優れ、電池性能を向上し得るSOFC用基板、その製造法及びSOFCを提供することができる。
以下、本発明のSOFC用基板につき詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明のSOFC用基板は、多孔質基板であって、多孔質金属又はメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を備え、この基板本体の表面及び/又は孔部に、微細な糸状物を形成して成る。
ここで、多孔質金属又はメタライズ層を構成する金属としては、電気伝導性を有する限り特に限定されるものではないが、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)又はコバルト(Co)及びこれらの任意の混合物である第1群元素と、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、マンガン(Mn)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)又はランタン(La)及びこれらの任意の混合物である第2群元素を含有するものが、上記微細な糸状物を形成するのに好適である。
なお、メタライズ層を有する多孔質セラミックスのセラミックス部分を構成するセラミックスとしては、アルミナ、シリカ又はジルコニア及びこれらの任意の混合物に係るセラミックスが好ましい。
また、上記の糸状物としては、対象とするSOFCの作動温度域において、亜鉛酸化物、インジウム酸化物、マンガン酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物、スカンジウム酸化物又はイットリウム酸化物及びこれらの任意の混合物に係る酸化物から成ることが好ましい。
なお、かかる糸状物の形態は、文字通り糸状で、代表的には、外径が5〜100nm程度で、長さが50〜1000nm程度であるが、この形態に限定されるものではなく、結晶性の酸化物で、枝分かれしたツリー状部位を有するか、又は該ツリー状部位から成るものであってもよい。
本発明のSOFC用基板は、代表的には、40〜95%の気孔率を有する。
気孔率が40%未満では、ガス透過性に劣り十分なガスを燃料極に供給できないことがあり、95%を超えると、基板が疎となり強度が不足し、燃料極などを支持できないことがある。
なお、本発明のSOFC用基板においては、上記多孔質基板に電極材料、即ち燃料極材料又は空気極材料を含有させることにより、電極機能付きの基板とすることができる。
ここで、燃料極材料、空気極材料としては従来公知の材料を用いることができ、燃料極材料としては、Ni−YSZ、Ni−ScSZなどのNiサーメット材料、空気極材料ととしては、ランタン・ストロンチウム・マンガン、ランタン・ストロンチウム・コバルト、ランタン・ストロンチウム・鉄・コバルトなどの複合酸化物を挙げることができる。
以下の図1〜図5に、本発明のSOFC用基板の具体例を図示する。
図1は、金属粒子の焼結体から成る多孔質基板本体を備えるSOFC用基板を示しており、糸状体10が金属粒子20に絡み付いたように形成されており、これを全体的に観察すれば、糸状体10が金属製の多孔質基板本体の表面及び孔部に形成されていることになる。
図2は、金属繊維の焼結体から成る多孔質基板本体を備えるSOFC用基板を示しており、糸状体10が金属繊維22に絡み付いたように形成されており、これを全体的に観察すれば、糸状体10が金属製の多孔質基板本体の表面及び孔部に形成されていることになる。
図3は、メタライズ層を有するセラミックス粒子の焼結体から成る多孔質基板本体を備えるSOFC用基板を示しており、糸状体10がメタライズ層を有するセラミックス粒子24に絡み付くように形成されており、これを全体的に観察すれば、糸状体10がメタライズ層を有するセラミックス製の多孔質基板本体の表面及び孔部に形成されていることになる。
図4は、孔開きのセラミックス製基板30の孔部にセラミックス粒子の焼結体が埋め込まれた構造を有する多孔質基板本体を備えるSOFC用基板を示しており、この場合も、糸状体10がセラミックス粒子20に絡み付くように形成されており、これを全体的に観察すれば、糸状体10が多孔質基板本体の表面及び孔部に形成されていることになる。
図5は、孔開きの金属製基板32を多孔質基板本体として用いたものであり、糸状体10が基板32の表面及び孔部に形成されている。
なお、以上の図1〜図5からも明らかなように、本発明のSOFC用基板における基板本体は、全体として多孔質であれば十分であり、基板の構成要素については特に限定されず、粒子や繊維などであってもよい。
図6は、金属粒子と燃料極材料粒子の焼結体から成る多孔質基板本体を備えるSOFC用基板を示しており、糸状体10が金属粒子20と燃料極材料粒子40に絡み付くように形成されており、これを全体的に観察すれば、糸状体10が多孔質基板本体の表面及び孔部に形成されていることになる。
このような構造を有するSOFC用基板は、燃料極機能付き基板として機能する。
次に、本発明のSOFCについて説明する。
上述の如く、本発明のSOFCは、上述した本発明のSOFC用基板を用いて形成されるものであり、上記SOFC用基板に、固体電解質を燃料極と空気極で挟持した発電要素を積層したものである。
また、上記SOFC用基板が、図6に示したもののように電極機能(燃料極機能)をも併有する場合には、固体電解質と他の電極(この場合、空気極)を積層すればよい。
図7は、本発明のSOFCにおける電極とSOFC用基板を示すものであり、糸状体10が金属粒子20に絡み付くように形成されているSOFC用基板(図1参照)上に、電極層42が積層されている。
このような構造を有する本発明のSOFCでは、糸状物10が電極層42に対して、いわゆるアンカー効果を発揮するので、SOFC用基板と電極層42との密着力が向上しており、基板と電極層との剥離や電極の破損が有効に抑制される。
図8は、図7に示した電極と基板の断面構造の部分拡大図である。
同図に示すように、本発明のSOFCでは、電極材料粒子40に糸状体10が絡み付いて、電極材料粒子40間では障害物(バリヤー)として機能する。よって、電極材料粒子の凝集が有効に抑制されるので、電極と電解質との間の三層界面の減少が抑制され、SOFCの電池性能の劣化を有効に防止できることになる。
図9は、図4に示した燃料極機能付き基板を用いたSOFCを示すものであり、燃料極機能付き基板100上に、固体電解質層200と空気極層300が積層されている。
このSOFCも、図7及び図8に示したSOFCと同様に、アンカー効果、電気伝導性の改善効果、電極材料粒子の凝集抑制効果を示す。
次に、本発明のSOFC用基板の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明の製造方法では、まず、上述した第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属を含有する多孔質基板本体、又は第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有するセラミックスを含有する多孔質基板本体を準備し、この多孔質基板本体を微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理する。
かかる熱処理によって、上記糸状物が多孔質基板の金属表面又はメタライズ層から生成し、本発明のSOFC用基板が得られる。
なお、図6に示したような電極機能付きの基板については、上記の糸状物が形成された多孔質基板に燃料極材料のような電極材料を付加してもよいし、また上記の多孔質基板に燃料極材料のような電極材料を付加し、その後に上記同様の熱処理を行ってもよい。
ここで、微量酸素を含む不活性雰囲気としては、酸素濃度が200ppm以下のガスを挙げることができる。
また、熱処理は、代表的には、900〜1100℃の1〜2時間の加熱を挙げることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に対応する実施例として
粒径3umのSUS430粒子よりなる多孔質粒子焼結金属体基板(t2mm)を下記の条件で処理しSUS粒表面に軸径約100nm,軸長約100umのクロム酸化物よりなる糸状物を多数形成し固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
<処理条件>
石英ガラスを炉体する炉中に多孔焼結金属基板を設置し、酸素を100ppm含むアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで1100℃まで昇温し、その後1100℃に2h保持後、炉冷却した。
(実施例2)
図2に対応する実施例として
線径50umのFe−20Cr−3Alよりなる多孔質繊維焼結金属基板を下記の条件で処理し、金属繊維表面に軸径約10nm、軸長約100umのアルミ酸化物よりなる糸状物を多数形成し、固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
<処理条件>
石英ガラスを炉体する炉中に多孔焼結金属基板を設置し、酸素を100ppm含むアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで950℃まで昇温し、その後950℃に2h保持後、炉冷却した。
(実施例3)
図3に対応する実施例として
粒径5umのアルミナ粒子よりなる多孔質焼結セラミック基板に、多孔性を損なわないようにメッキ法でNi−Crメタライズ層を1um形成した。この基板を下記の条件で処理し、アルミナ粒子表面に軸径約100nm、軸長約100umのクロム酸化物よりなる糸状物を多数形成し、固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
<処理条件>
石英ガラスを炉体する炉中に多孔質アルミナ基板を設置し、酸素を50ppm含むアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで1000℃まで昇温し、その後1000℃に2.5h保持後、炉冷却した。
(実施例4)
図4に対応する実施例として
板厚300umのSUS430金属薄板にエッチングにより穴径50umの貫通穴を形成した金属薄板穴部に、粒径3umのSUS430粒子を充填し多孔質金属基板を用意した。この基板を下記条件で処理し、SUS金属薄板表面及び穴部に充填したSUS粒表面に軸径約100nm,軸長約100umのクロム酸化物よりなる糸状物を多数形成し固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
<処理条件>
石英ガラスを炉体する炉中に多孔焼結金属基板を設置し、酸素を100ppm含むアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで1100℃まで昇温し、その後1100℃に2h保持後、炉冷却した。
(実施例5)
図4に対応する実施例として
穴径50umの貫通穴を多数有する板厚250umのアルミナ薄板の穴部に、粒径5umのアルミナ粒子を充填し多孔質金属基板を用意した。この基板の多孔性を損なわないようにスパッタ法にてNi−Alメタライズ層を1um形成した。更に下記条件で処理し、アルミナ薄板表面及び穴部に充填したアルミナ粒表面に、軸径約10nm,軸長約100umのアルミ酸化物よりなる糸状物を多数形成し固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
<処理条件>
石英ガラスを炉体する炉中に多孔質アルミナ基板を設置し、酸素を100ppm含むアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで950℃まで昇温し、その後950℃に2h保持後、炉冷却した。
(実施例6)
実施例5で示した固体酸化物形燃料電池用基板に、NiO粒及び8YSZ粒(Yを8モル含有するZrO)及び造孔剤とポリビニルアルコールからなるバインダーと水を溶媒としたスラリーを含浸し、スラリー乾燥後、1100℃で2h焼成することで図4に示す燃料極付固体酸化物形燃料電池用基板を得た。
この燃料極付基板上に、8YSZ粒及びエチルセルロースからなるバインダーと酢酸ブチルを溶媒としたペーストを塗布し、ペースト乾燥後、1300℃で5h焼成することで、15um厚の電解質膜を形成した。
更に電解質膜上に、LSM(ランタン・ストロンチウム・マンガネート)粒及びエチルセルロースからなるバインダーと酢酸ブチルを溶媒としたペーストを塗布し、ペースト乾燥後、1200℃で2h焼成することで、30um厚の空気極膜を形成した。図9に完成した単電池構造を示す。
上記のように作成された固体酸化物形燃料電池を用いて、燃料極側に水素、空気極側に空気を通じ、650℃で発電させた。発電出力は100時間後、初期値に比べ2%と低下したが200時間後も2%であり、優れた耐久性を示した。これはアルミナ糸状物が形成された固体酸化物形燃料電池用基板においてアルミナ基板と燃料極層の密着力が優れ、かつ糸状物が燃料極中のニッケルの凝集を防止しているためである。
(実施例7)
実施例2に示した固体酸化物形燃料電池用基板に近しい構造として
線径50umのFe−20Cr−3Alよりなる多孔質繊維焼結金属基板に、NiO粒及び8YSZ粒(Yを8モル含有するZrO)及び造孔剤と水を溶媒としたスラリーを含浸し、スラリー乾燥後、石英ガラスを炉体する炉中に多孔焼結金属基板を設置し、8YSZ板で挟み、10Pa荷重下のもとアルゴンガスを通じ、昇温速度200℃/hで950℃まで昇温し、その後950℃に2h保持後、炉冷却した。
この燃料極付基板上に、8YSZ焼結体ターゲットを使用し、アルゴン雰囲気中、ガス圧0.2Paでスパッタ法により燃料極付基板を700℃に加熱して、15um厚の電解質膜を形成した。
更に電解質膜上に、LSC(ランタン・ストロンチウム・コバルタイト)焼結体ターゲットを使用し、アルゴン雰囲気中、ガス圧1Paでスパッタ法により燃料極付基板を300℃に加熱して、20um厚の電解質膜を形成した。単電池構造は実施例6と同等の構成をもつ。
上記のように作成された固体酸化物形燃料電池を用いて、燃料極側に水素、空気極側に空気を通じ、650℃で発電させた。発電出力は100時間後、初期値に比べ3%と低下したが200時間後も3%であり、優れた耐久性を示した。これはアルミナ糸状物が形成された固体酸化物形燃料電池用基板においてアルミナ基板と燃料極層の密着力が優れ、かつ糸状物が燃料極中のニッケルの凝集を防止しているためである。
(比較例1)
実施例5及び6においてアルミナの糸状部物を形成しない場合について記す。すなわち実施例5において、スパッタ法にてNi−Alメタライズ層を形成せず、かつ既述の熱処理を行わない場合である。このように作成された多孔質アルミナ基板に実施例6で示した、燃料極、電解質、空気極を形成し、固体酸化物形燃料電池を作成した。
この固体酸化物形燃料電池を実施例6と同様に発電試験をしたところ、発電出力は100時間後、初期値に比べ5%と低下し、更に200時間後8%に低下し、実施例6に比べ耐久性が劣った。これは燃料極中のニッケルの凝集及び多孔質アルミナ基板と燃料極層の密着力不足ためと考えられる。
本発明のSOFC用基板の一例を示す断面図である。 本発明のSOFC用基板の他の例を示す断面図である。 本発明のSOFC用基板の他の例を示す断面図である。 本発明のSOFC用基板の他の例を示す断面図である。 本発明のSOFC用基板の他の例を示す断面図である。 本発明の電極機能付きのSOFC用基板の一例を示す断面図である。 本発明のSOFCにおける電極とSOFC用基板を示す断面図である。 図7の部分拡大図である。 本発明のSOFCの他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 糸状物
20 金属粒子
22 金属繊維
24 メタライズされたセラミックス粒子
30 孔開きセラミックス製基板
32 孔開き金属製基板
40 電極材料(燃料極材料)粒子
42 燃料極層
100 燃料極機能付き基板
200 固体電解質層
300 空気極層

Claims (12)

  1. 固体酸化物形燃料電池用の多孔質基板であって、多孔質金属又はメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を備え、この基板本体の表面及び/又は孔部に、微細な糸状物を形成して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用基板。
  2. 上記多孔質金属又はメタライズ層は、ニッケル、鉄及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の第1群元素と、ビスマス、亜鉛、インジウム、マンガン、錫、アルミニウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、クロム、ジルコニウム及びランタンから成る群より選ばれた少なくとも1種の第2群元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  3. 上記メタライズ層を有する多孔質セラミックスのセラミックス部分が、アルミナ、シリカ及びジルコニアから成る群より選ばれた少なくとも1種のセラミックスから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  4. 上記糸状物は、固体酸化物形燃料電池の作動温度域において、亜鉛酸化物、インジウム酸化物、マンガン酸化物、錫酸化物、アルミニウム酸化物、スカンジウム酸化物、イットリウム酸化物、チタン酸化物及びクロム酸化物から成る群より選ばれた少なくとも1種の酸化物から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  5. 上記糸状物が結晶性の酸化物であり、枝分かれしたツリー状部位を有するか又は該ツリー状部位から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  6. 気孔率が40〜95%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  7. 上記基板本体が、燃料極材料又は空気極材料を含む電極機能付き基板本体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板。
  8. 請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板を製造するに当たり、
    上記第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属又は上記第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、この基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用基板の製造方法。
  9. 請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池用基板を製造するに当たり、
    上記第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属又は上記第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、この基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成し、
    次いで、燃料極材料又は空気極材料を付加して電極機能付き基板本体を作成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用基板の製造方法。
  10. 請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池用基板を製造するに当たり、
    上記第1群元素と第2群元素を含む多孔質金属又は上記第1群元素と第2群元素を含むメタライズ層を有する多孔質セラミックスを含有する基板本体に、燃料極材料又は空気極材料を付加して電極機能付き基板本体を作成し、
    次いで、この電極機能付き基板本体を、微量酸素を含む不活性雰囲気中で熱処理し、この電極機能付き基板本体の表面及び/又は孔部に上記糸状物を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用基板の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用基板に、固体電解質を燃料極と空気極で挟持して成る発電要素を積層して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  12. 請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池用基板に、固体電解質と他の電極を積層して成ることを特徴とする固体酸化物物形燃料電池。
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