JP2006113389A - 電気泳動粒子及びその製造方法とそれを用いた電気泳動表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色粒子の表面に高分子鎖をグラフト化する従来の電気泳動粒子は、グラフト化した高分子鎖の厚みにバラツキがあり、電気泳動粒子の分散性や帯電性が不安定となる。
【解決手段】本発明によれば、着色粒子表面に分散性と帯電性を付与する高分子鎖を2種類の異なるリビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によって精密に形成することから、従来の電気泳動粒子より分散性と帯電性に優れた電気泳動粒子、及びその製造方法を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気泳動表示素子に用いられる電気泳動粒子及びその製造方法と、それを用いた電気泳動素子に関するものである。
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力且つ薄型の表示素子のニーズが増しており、これらのニーズに合わせた表示素子の研究開発が盛んに行われている。そのような表示素子の1つとして、電気泳動表示素子がある。電気泳動表示素子は、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板を備えており、各基板には電極がそれぞれ形成されている。また基板間隙には、正に帯電されると共に着色された多数の電気泳動粒子、及び電気泳動粒子とは別の色で着色された分散媒が充填されている。更に、隔壁が該間隙を基板の面方向に沿って多数の画素に分割するように配置され、電気泳動粒子の偏在を防止すると共に基板間隙を規定するように構成されている。
このような電気泳動表示素子において、観察者側の電極に正極性の電圧を印加すると共に反対側の電極に負極性の電圧を印加すると、正に帯電されている電気泳動粒子は反対側の電極を覆うように集まり、観察者から表示素子を眺めると、分散媒と同じ色の表示が行われる。一方、観察者側の電極に負極性の電圧を印加すると共に反対側の電極に正極性の電圧を印加すると、電気泳動粒子は観察者側の電極を覆うように集まり、観察者から表示素子を眺めると、電気泳動粒子と同じ色の表示が行われる。このような駆動を画素単位で行うことにより、多数の画素によって任意の画像や文字が表示される。
電気泳動表示素子に用いられる電気泳動粒子は、粒径がそろっていて、着色され、分散媒中で安定して帯電し、かつ分散することが必要であり、さまざまなものが提案されている。
粒径が比較的均一な粒子を得る方法としては、懸濁重合法が知られている。特許文献1には、重合性単量体に着色剤を分散した組成物を、水系媒体に懸濁して重合を行う電気泳動粒子の製造方法が説明され、着色剤を重合性単量体に均一に分散させるために、着色剤分散剤と着色剤水相移行防止剤を添加する方法が提案されている。また、粒径を揃え、かつ比重、機械強度などの物理的性質を調節するために、コアとなる粒子を別の材料で被覆したいわゆるコアシェル型の電気泳動粒子も提案されている。特許文献2は、2段階の乳化重合によってコアシェル構造を作り、コアに残留する2重結合に金属酸化物を反応させて黒く染色する方法を開示する。特許文献3には、顔料粒子の表面に重合性基を導入し、これに高分子鎖を結合させることにより、顔料粒子が高分子層で覆われた構造の電気泳動粒子を得る方法が開示されている。
近年、リビングラジカル重合によって鎖長の揃った高分子鎖を母粒子表面に形成し、母粒子をポリマーで被覆する方法が知られるようになってきた。
特許文献4には、原子移動ラジカル重合開始基をもつ分子を顔料粒子の表面に結合させ、その開始基から原子移動ラジカル重合によって高分子鎖を成長させる方法が提案されている。特許文献5には、原子移動ラジカル重合開始基を含有するモノマーから重合または共重合によって母粒子を得る方法、および、これをコアとして、重合性モノマー溶液中で前記開始基から原子移動ラジカル重合によって高分子鎖をグラフト化させて、鎖長の揃ったポリマーがグラフト結合した複合粒子を得る方法が提案されている。非特許文献1には、異なるリビングラジカル重合(原子移動ラジカル重合とニトロキシド媒介重合)を組み合わせた2段階精密グラフト重合により、材料表面に高分子鎖をランダムにグラフトし、ナノスケール空間での相分離を利用して表面モルホロジーを制御する方法が記載されている。
特開2003−212913号公報 特表平9−508216号公報 米国特許第6194488号明細書 WO2002093246A1号明細書 特開2004−18556号公報 高分子学会予稿集、51、2487(2002年)
電気泳動表示素子の表示特性を改善し、安定に駆動するためには、電気泳動分散媒中で電気泳動粒子同士が凝集するのを防止し、また、電気泳動粒子を安定に電気泳動するために、帯電性を高める必要がある。一方、電気泳動粒子の表面に分散性および帯電性を高めるために高分子鎖を被覆したコアシェル型の電気泳動粒子においては、各粒子のシェルの厚みや、製造方法に由来するバラツキをなくすことが求められている。
原子移動ラジカル重合法を用いて製造したコアシェル型粒子を電気泳動粒子として使用する場合、これを所望の色と濃度で着色する必要がある。また、粒子表面にグラフト化された高分子鎖は、電気泳動分散媒中で分散機能や帯電機能を発現するように設計されていなければならない。異なるリビングラジカル重合を組み合わせた2段階精密グラフト重合を電気泳動粒子に適用する場合、粒子表面にグラフト化される2種類の異なる高分子鎖は、電気泳動分散媒中で分散機能や帯電機能を発現するように設計されていなければならない。
本発明の電気泳動粒子は、着色粒子の表面に少なくとも2種類の異なる高分子鎖がグラフト化された電気泳動粒子であって、前記少なくとも2種類の異なる高分子鎖は、前記粒子表面のこれらの異なる高分子鎖に対応するリビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によってグラフト化されており、かつこれらの異なる高分子鎖が電気泳動分散媒中において異なる機能を発現することを特徴とする電気泳動粒子である。
本発明の電気泳動粒子の製造方法は。着色粒子の表面に少なくと2種類の異なる高分子鎖がグラフト化された電気泳動粒子の製造方法であって、該粒子表面に少なくとも2種類の異なるリビングラジカル重合開始基を導入する工程、および各リビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によって異なる高分子鎖をグラフト化する工程を含み、これらの異なる高分子鎖が電気泳動分散媒中において異なる機能を発現することを特徴とする電気泳動粒子の製造方法である。
本発明のかかる電気泳動分散液は、上記記載の電気泳動粒子と電気泳動分散媒を含有することを特徴とする電気泳動分散液である。また、本発明の電気泳動表示素子は、電気泳動粒子と電気泳動分散媒を含有する電気泳動分散液を貯留する容器と、該容器の少なくとも一部に設けられた表示部と、該表示部への前記電気泳動粒子の移動を表示情報に応じて生じさせるための電圧印加手段と、を有し、前記表示部における前記電気泳動粒子の有無により表示を行なう電気泳動表示素子において、前記電気泳動分散液が、請求項11に記載の電気泳動分散液であることを特徴とする電気泳動表示素子である。
本発明によれば、着色粒子表面に分散性と帯電性を付与する高分子鎖を2種類の異なるリビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によって精密に形成することから、従来の電気泳動粒子より分散性と帯電性に優れた電気泳動粒子、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の電気泳動粒子は、着色粒子の表面に少なくとも2種類の異なる高分子鎖がグラフト化された電気泳動粒子であって、該着色粒子表面が有する各高分子鎖に対応するリビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によってグラフト化したものである。異なる少なくとも2種の高分子鎖をグラフト化する場合に、これらの高分子鎖が異なる機能を有するものとすることで、複数の機能が付与された電気泳動粒子を得ることができる。例えば、2種のグラフト化された高分子鎖の一方を、電気泳動分散媒中で分散機能を発現するものとすることで安定な分散を電気泳動粒子に付与することができ、グラフト化された高分子鎖の他方を、電気泳動分散媒中で帯電機能を発現するものとすることで、安定な帯電を電気泳動粒子に更に付与することができる。
本発明の電気泳動粒子は、着色粒子表面に少なくとも2種類の異なるリビングラジカル重合開始基を導入し、次いで該リビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によって少なくとも2種類の異なる高分子鎖をグラフト化することにより得られる。
前記リビングラジカル重合は、光リビングラジカル重合、原子移動ラジカル重合、ニトロキシド媒介重合の中から選択することができる。
本発明ではリビングラジカル重合を用いるので、モノマーの種類、高分子鎖の鎖長を自由に設計することができ、高分子鎖の分散性と帯電性を精密に制御できる。従って、本発明の電気泳動粒子は、電気泳動表示装置や液体トナーを用いた電子写真等の産業分野に利用することができ、例えば分散性と帯電性の両方に優れた電気泳動粒子を用いた電気泳動表示装置や電子写真装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の電気泳動粒子について、その製造方法と共により詳細に説明する。
[1]着色粒子の説明
本発明では、着色剤と高分子から構成される複合体微粒子、あるいは顔料粒子を着色粒子として用いることができる。以下、本発明で意図する着色粒子の特徴について、2種の異なる高分子鎖を着色粒子表面にグラフト化する場合を例として詳細に説明する。
[1−1]着色粒子が複合体微粒子である場合
着色剤と高分子からなる複合体微粒子は、着色剤が高分子に完全に内包されていても良いし、また着色剤の一部が高分子から形成される粒子表面にあっても良い。着色剤は、顔料あるいは染料であって、顔料粒子の場合は複合体微粒子中に1個または複数個含まれて複合体微粒子を着色し、染料の場合にはポリマーに染料が混合分散されて複合体微粒子を着色するものである。
着色剤としては、顔料や染料を使用することができ、顔料と染料をそれぞれ単独で使用しても良いし、両者を混合して使用しても良い。両者を混合して使用する場合、顔料と染料の混合比は使用する系に合わせて適宜決めることができる。
着色剤に用いる顔料としては、有機顔料や無機顔料等を使用することができる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料を使用することができ、具体的には、キナクリドンレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ペリレンレッド、パーマネントレッド、トルイジンレッド、マダーレーキ等の赤色顔料、ダイアモンドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB等の緑色顔料、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等の青色顔料、ハンザイエロー、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、キノフタロンイエロー等の黄色顔料、アニリンブラック、ダイアモンドブラック等の黒色顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化スズ、硫化亜鉛等などの白色顔料、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、チタンブラック等の黒色顔料、カドミウムレッド、赤色酸化鉄、モリブデンレッド等の赤色顔料、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、ビクトリアグリーン等の緑色顔料、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー等の青色顔料、カドミウムイエロー、チタンイエロー、黄色酸化鉄、黄鉛、クロムイエロー、アンチモンイエロー等の黄色顔料を用いることができる。
顔料の平均粒径は、10から500nmが好ましく、更に20から200nmが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満では、ハンドリングが極端に低下する場合がある。また、顔料の平均粒径が500nmを超えると、顔料の着色度が低下したり、電気泳動粒子の小粒径化に不適となる場合がある。
着色剤として染料を用いる場合の染料としては、重合性モノマーに可溶で、しかも水や電気泳動分散媒に不溶であれば特に限定されないが、例えば、アクアリジン系、アジン系、アゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系、インジゴ系、キサンテン系、ジオキサジン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、チオインジゴ系、トリフェニルメタン系、ポリメチン系等の染料を使用することができる。これらの染料を単独、又は2種以上を併用してもよい。
複合体微粒子を製造するには、まず、着色剤、複合体微粒子を形成するための重合性モノマーの少なくとも1種、リビングラジカル重合開始基導入用の官能基を持つ重合性モノマーの少なくとも1種、および重合開始剤を用意する。このリビングラジカル重合開始基導入用の官能基としては、リビングラジカル重合開始基前駆体あるいはリビングラジカル重合開始基を有する化合物と反応してリビングラジカル重合開始基を複合体微粒子表面にその重合開始機能を維持させつつ固定できるものが利用される。リビングラジカル重合開始基前駆体は、官能基との反応や他のなんらかの反応を介してリビングラジカル重合開始基となる部分を有するものである。
なお、複合体微粒子を形成するための重合性モノマーと、リビングラジカル重合開始基導入用の官能基を持つ重合性モノマーは同一であっても、異なっていてもよい。
これらの成分を用いて複合体微粒子用組成物を調製することができる。リビングラジカル重合開始基導入用の官能基としては、水酸基を挙げることができる。但し、同様の効果を期待できる範囲において、他の官能基であっても適応可能である。
以上の複合体微粒子用組成物から、重合反応を経て複合体微粒子を形成させる。重合法として、懸濁重合法、沈殿重合法、分散重合法、ソープフリー乳化重合法、乳化重合法、ミニエマルション重合法をはじめとする既存の高分子微粒子合成法を適応することができる。
顔料の添加量は、重合性モノマーに対して0.1から40重量%が好ましく、更に、1から20重量%が好ましい。顔料は一般的に分散性が悪いので、顔料を重合性モノマーに分散させる場合、顔料の表面改質を行って、重合性モノマーに分散させるのが好ましい。顔料の表面改質は従来公知の方法を使用することができる。
着色剤として顔料を用いる場合、上記の分散には、ホモジナイザー、ホモミキサー、バイオミキサー等のせん断型分散装置、ボールミル、アトライター、サンドミル等のメディア型分散装置、超音波分散装置等を使用することができる。
また、染料の添加量は、重合性モノマーに対して0.1から40重量%が好ましく、更に、1から20重量%が好ましい。
リビングラジカル重合開始基導入用の官能基を有する重合性モノマーと、複合体微粒子を形成するための重合性モノマーとの配合割合は、グラフト化する高分子鎖の量に応じて選択することができ、例えば、1:1000〜1:A(重量比)の範囲から選択することができる。更に、重合開始剤の量は所望とする重合反応を得るために必要な量であればよく、例えば上記の2種の重合性モノマーに対して0.01〜5重量%の範囲から選択できる。
重合開始剤として、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,3−ジメチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,3,3−トリメチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−イソプロピルブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、メチルエチルパーオキシド等の過酸化物系開始剤が挙げられる。
複合体微粒子の数平均分子量としては、10000〜5000000の範囲から選択することができる。
複合体微粒子の平均粒径は0.1〜10μmの範囲内が好ましく、更には0.5〜3μmが好ましい。平均粒径が10μmを超えると、高解像度表示ができなくなる場合がある。また、平均粒径が0.1μm未満であると、複合体微粒子の製造が困難になる場合がある。
[1−2]着色粒子が顔料粒子である場合
着色粒子として使用する顔料粒子としては、前記した有機顔料や無機顔料等を使用することが出来る。顔料粒子は、リビングラジカル重合開始基前駆体などと反応する官能基を有していることが好ましく、官能基を有していない顔料粒子に対しては適宜処理して官能基を導入しておくことが好ましい。官能基としては水酸基を挙げることができる。但し、同様の効果を期待できる範囲において、他の官能基であっても適応可能である。
顔料粒子の平均粒径は、10から500nmが好ましく、更に20から200nmが好ましい。顔料粒子の平均粒径が10nm未満では、ハンドリングが極端に低下する場合がある。また、顔料粒子の平均粒径が500nmを超えると、顔料粒子の着色度(鮮明度)が低下する場合がある。
[2]リビングラジカル重合開始基の導入
着色粒子の表面にリビングラジカル重合開始基を導入する方法についてリビングラジカル重合開始基前駆体を用いる場合について説明する。前記着色粒子は、その表面にリビングラジカル重合開始基前駆体と反応する官能基を含んでいる。この官能基を異なる2種類のリビングラジカル重合開始基前駆体と反応させ、着色粒子表面に2種類の異なるリビングラジカル重合開始基前駆体を導入する。この導入反応は、着色粒子表面に含まれる前記官能基とリビングラジカル重合開始基前駆体の組み合わせによって異なる。また、着色粒子表面に2種類の異なるリビングラジカル重合開始基前駆体を導入する反応は、同時に行っても良いし、2段階に分けて行っても良い。着色粒子表面に導入する2種類の異なるリビングラジカル重合開始基の導入比は、使用する電気泳動粒子の帯電性や分散性に応じて適宜決めれば良い。
[2−1]着色粒子が複合体微粒子である場合
[2−1−1]光リビングラジカル重合開始基の導入
光リビングラジカル重合開始基の導入は、下記の反応式(I)に従って行う。即ち、着色粒子を反応溶媒に分散させた後、4−(クロロメチル)フェニルイソシアネートと反応させる。次に、光リビングラジカル重合開始基前駆体であるN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウムと反応させ、着色粒子表面に光リビングラジカル重合開始基を導入する。反応式(I)では、光リビングラジカル重合開始基前駆体の例としてN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウムを用いているが、前記付加反応はこれらの組み合わせに限定されるものではない。反応溶媒としては、着色粒子が分散し且つ不溶であり、また光リビングラジカル重合開始基前駆体などに対して不活性であれば、特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
[2−1−2]原子移動ラジカル重合開始基の導入
原子移動ラジカル重合開始基の導入は、下記の反応式(II)から(V)に従って行う。即ち、着色粒子を反応溶媒に分散させた後、原子移動ラジカル重合開始基前駆体として反応式(II)又は(III)で示される酸無水物を添加してエステル化を行い、原子移動ラジカル重合開始基を導入する。
あるいは、原子移動ラジカル重合開始基前駆体として反応式(IV)又は(V)で示される酸臭化物を添加してエステル化を行い、原子移動ラジカル重合開始基を導入してもよい。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し且つ不溶であり、また原子移動ラジカル重合開始基前駆体などに対して不活性であれば、特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
[2−1−3]ニトロキシド媒介重合開始基の導入
ニトロキシド媒介重合開始基の導入は、下記の反応式(VI)に従って行う。即ち、着色粒子を反応溶媒に分散させた後、4−エチルフェニルイソシアネートと反応させる。次に、tert−ブトキシラジカルによって着色粒子表面のエチル基の水素原子を引き抜いた後、ニトロキシド媒介重合開始基前駆体であるニトロキシド1と反応させてニトロキシド媒介重合開始基が導入される。反応溶媒としては、着色粒子が分散し且つ不溶であり、またニトロキシド媒介重合開始基前駆体などに対して不活性であれば、特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
反応式(VI)のニトロキシド1以外に、以下に記載のニトロキシドを使用しても良い。
Figure 2006113389
[2−2]着色粒子が顔料粒子である場合
[2−2−1]光リビングラジカル重合開始基の導入
光リビングラジカル重合開始基の導入は、下記の反応式(VII)に従って行う。即ち、着色粒子を反応溶媒に分散させた後、p−(1−クロロメチル)フェニルエチルトリクロロシランと反応させる。次に、光リビングラジカル重合開始基前駆体であるN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウムと反応させ、着色粒子表面に光リビングラジカル重合開始基を導入する。反応式(VII)では、光リビングラジカル重合開始基前駆体の例としてN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウムを用いているが、前記付加反応はこれらの組み合わせに限定されるものではない。また、光リビングラジカル重合開始基前駆体のトリクロロシリル基は、トリメトキシシリル基、あるいはトリエトキシシリル基であっても構わない。反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つ光リビングラジカル重合開始基前駆体などに対して不活性であれば、特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
[2−2−2]原子移動ラジカル重合開始基の導入
原子移動ラジカル重合開始基の導入は、下記の反応式(VIII)に従って行う。即ち、反応溶媒中に顔料粒子と原子移動ラジカル重合開始基前駆体9を加えて反応させ、顔料粒子の表面に原子移動ラジカル重合開始基を導入することができる。原子移動ラジカル重合開始基前駆体のトリクロロシリル基は、トリメトキシシリル基、あるいはトリエトキシシリル基であっても構わない。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つ原子移動ラジカル重合開始基前駆体に対して不活性であれば特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
反応式(VIII)の原子移動ラジカル重合開始基前駆体9以外に、以下に記載の原子移動ラジカル重合開始基前駆体を使用しても良い。また、原子移動ラジカル重合開始基前駆体のトリクロロシリル基は、トリメトキシシリル基、あるいはトリエトキシシリル基であっても構わない。
Figure 2006113389
[2−2−3]ニトロキシド媒介重合開始基の導入
ニトロキシド媒介重合開始基の導入は、下記の反応式(IX)に従って行う。即ち、反応溶媒中に顔料粒子とニトロキシド媒介重合開始基前駆体13を加えて反応させ、顔料粒子の表面にニトロキシド媒介重合開始基を導入することができる。ニトロキシド媒介重合開始基前駆体のトリエトキシシリル基は、トリメトキシシリル基、あるいはトリクロロシリル基であっても構わない。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つニトロキシド媒介重合開始基前駆体に対して不活性であれば、特に限定されるものではない。
Figure 2006113389
反応式(IX)のニトロキシド媒介重合開始基前駆体13以外に、以下に記載のニトロキシド媒介重合開始基前駆体を使用しても良い。いずれもnは1から10の整数である。また、ニトロキシド媒介重合開始基前駆体のトリエトキシシリル基は、トリメトキシシリル基、あるいはトリクロロシリル基であっても構わない。
Figure 2006113389
Figure 2006113389
Figure 2006113389
[3]着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化
前記[2]で説明した過程で、表面に2種類の異なるリビングラジカル重合開始基を有する着色粒子が生成される。次いで着色粒子表面の2種類の異なるリビングラジカル重合開始基を出発点として、それぞれからリビングラジカル重合を進めることにより、粒子表面に2種類の異なる高分子鎖をグラフト化することができる。2種類の異なる高分子鎖の形成方法は、一方のリビングラジカル重合開始基から重合を行って高分子鎖を形成した後、他方のリビングラジカル重合開始基から重合を行って別の高分子鎖を形成する、所謂、2段階重合法を用いる。
以下、この過程が、光リビングラジカル重合である場合と、原子移動ラジカル重合である場合と、ニトロキシド媒介重合である場合とについてそれぞれ説明する。
[3−1]光リビングラジカル重合
まず、リビングラジカル重合が光リビングラジカル重合である場合について説明する。
反応式(I)や反応式(VII)の結果、光リビングラジカル重合開始基が導入された着色粒子をコア粒子として、容易にコア粒子表面に鎖長の揃った高分子鎖を形成させることが出来る。
光リビングラジカル重合開始基が導入された着色粒子を反応溶媒に分散させた後、高分子鎖となる重合性モノマーを添加し、反応系を不活性ガスで置換して光照射することによって光リビングラジカル重合を行う。これによって、グラフト密度を一定に保持しながら重合を進行させることができる。つまり、重合をリビング的に進行させ、全ての高分子鎖をほぼ均等に成長させることができる。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つ不溶であれば特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジン、水、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メトキシベンゼン等を使用することができる。これらは単独で使用しても良いし、又は2種以上を併用しても良い。
不活性ガスとして、窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
照射する光の波長は、使用する光リビングラジカル重合開始基の種類によって異なる。反応式(I)や反応式(VII)に例示するN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウム由来の光リビングラジカル重合開始基を有する着色粒子表面に高分子鎖をグラフト化する場合、反応系に300nmから600nmの波長を示す光を照射することによって光リビングラジカル重合が良好に進行する。
重合温度は、副反応を抑制するため、室温あるいはそれ以下の温度であることが好ましい。ただし、同様の効果が得られる範囲においてこの温度領域に限定されるわけではない。
また、重合を行う際、着色粒子に固定化されていないフリーな重合開始種を添加することが好ましい。フリーな重合開始種から生成するフリーポリマーは、粒子にグラフト化された高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標とすることができる。
フリーな重合開始種としては、着色粒子に固定化している光リビングラジカル重合開始基と同種のものを選択することが好ましい。つまり、反応式(I)や反応式(VII)で光リビングラジカル重合開始基を導入した着色粒子に対しては、光リビングラジカル重合開始基前駆体であるN,N−ジチオカルバミン酸ナトリウムと同種のN,N−ジエチルジチオカルバメート系の光リビングラジカル重合開始種を選択することが好ましい。
反応終了後、着色粒子を洗浄、ろ過、デカンテーション、沈殿分別、遠心分離等の適切な方法によって分離精製して、高分子鎖がグラフト化された着色粒子を得ることができる。
[3−2]原子移動ラジカル重合
反応式(II)から(V)、及び反応式(VIII)の結果、原子移動ラジカル重合開始基が導入された着色粒子をコア粒子として、容易にコア粒子表面に鎖長の揃った高分子鎖を形成することができる。原子移動ラジカル重合開始基が導入された着色粒子を反応溶媒に分散させた後、高分子鎖となる重合性モノマー、遷移金属錯体を添加し、反応系を不活性ガスで置換して原子移動ラジカル重合を行う。これによって、グラフト密度を一定に保持しながら重合を進行させることができる。つまり、重合をリビング的に進行させ、全ての高分子鎖をほぼ均等に成長させることができる。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つ不溶であれば特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジン、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メトキシベンゼン等を使用することができる。これらは単独で使用しても良いし、又は2種以上を併用しても良い。
不活性ガスとして、窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
使用する遷移金属錯体はハロゲン化金属とリガンドからなる。ハロゲン化金属の金属種としては、原子番号22番のTiから30番のZnまでの遷移金属が好ましく、更に、Fe、Co、Ni、Cuが好ましい。その中でも、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
リガンドとしては、ハロゲン化金属に配位可能であれば特に限定されないが、例えば、2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−(n−ヘプチル)−2,2’−ビピリジル、2−(N−ペンチルイミノメチル)ピリジン、(−)−スパルテイン、トリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン、エチレンジアミン、ジメチルグリオキシム、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,10−フェナントロリン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミン等を使用することができる。
遷移金属錯体の添加量は、高分子鎖となる重合性モノマーに対して、0.001から10重量%、好ましくは0.05から5重量%である。
重合温度は、40から100℃の範囲であり、好ましくは、50から80℃の範囲である。着色粒子が複合体微粒子である場合、重合温度が100℃を超えると、複合体微粒子を構成する高分子が溶融するので好ましくない。一方、重合温度が40℃未満では、形成される高分子鎖が低分子量であったり、あるいは重合が進行し難いので好ましくない。
また、重合を行う際、粒子に固定化されていないフリーな重合開始種を添加することが好ましい。フリーな重合開始種から生成するフリーポリマーは、粒子にグラフト化された高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標とすることができる。
フリーな重合開始種としては、粒子に固定化している原子移動ラジカル重合開始基と同種のものを選択することが好ましい。つまり、反応式(II)の粒子に対しては2−ブロモイソ酪酸エチルが好ましく、反応式(III)の粒子に対しては2−ブロモプロピオン酸エチルが好ましい。
反応終了後、着色粒子を洗浄、ろ過、デカンテーション、沈殿分別、遠心分離等の適切な方法によって分離精製して、高分子鎖がグラフト化された着色粒子を得ることができる。
[3−3]ニトロキシド媒介重合
ニトロキシド媒介重合について説明する。反応式(VI)や反応式(IX)の結果、ニトロキシド媒介重合開始基が導入された着色粒子をコア粒子として、容易にコア粒子表面に鎖長の揃った高分子鎖を形成することができる。
ニトロキシド媒介重合開始基が導入された着色粒子を反応溶媒に分散させた後、高分子鎖となる重合性モノマーを添加し、反応系を不活性ガスで置換してニトロキシド媒介重合を行う。これによって、グラフト密度を一定に保持しながら重合を進行させることができる。つまり、重合をリビング的に進行させ、全ての高分子鎖をほぼ均等に成長させることができる。
反応溶媒としては、着色粒子が分散し、且つ不溶であれば特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン等を使用することができる。あるいは、反応溶媒を使用せずに重合を行っても構わない。
不活性ガスとして、窒素ガスやアルゴンガスを使用することができる。
重合温度は、40から120℃の範囲であり、好ましくは、50から100℃の範囲である。着色粒子が複合体微粒子である場合、重合温度が100℃を超えると、複合体微粒子を構成する高分子が溶融するので好ましくない。一方、重合温度が40℃未満では、形成される高分子鎖が低分子量であったり、あるいは重合が進行し難いので好ましくない。
また、重合を行う際、粒子に固定化されていないフリーな重合開始種を添加することが好ましい。フリーな重合開始種から生成するフリーポリマーは、粒子にグラフト化された高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標とすることができる。
フリーな重合開始種としては、粒子に固定化しているニトロキシド媒介重合開始基と同種のものを選択することが好ましい。つまり、反応式(VI)の粒子に対してはニトロキシド1が好ましい。
反応終了後、着色粒子を洗浄、ろ過、デカンテーション、沈殿分別、遠心分離等の適切な方法によって分離精製して、高分子鎖がグラフト化された着色粒子を得ることができる。
[4]高分子鎖の帯電機能と分散機能
電気泳動粒子は、最表面の殻部分が、帯電機能と分散機能を担っている。上記リビングラジカル重合で得られる高分子鎖についてもその機能の発現が要請される。以下この点について説明する。
まず、分散機能について説明する。
高分子鎖が電気泳動分散媒中で分散機能を発現するためには、電気泳動分散媒と親和性の高い高分子を選択することが必要である。親和性が高いとは、高分子鎖と電気泳動分散媒が相分離することなく、相溶性に優れていることを意味し、高分子鎖は電気泳動分散媒中で広がりを持つことによって、粒子間の凝集を防止する立体排除効果を発現する。
分散機能を発現する高分子鎖となる重合性モノマーとして、上記したように、その重合体が電気泳動分散媒と親和性の高いポリマーであることが求められ、例えば、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等が挙げられ、これらを単独または2種以上を混合して用いてもよい。
次に、帯電機能について説明する。
電気泳動分散媒中において帯電機能を発現する高分子鎖となる重合性モノマーとして、塩基性の重合性モノマー及び酸性の重合性モノマー、並びにフッ素系の重合性モノマーから選択して用いることができる。これらのモノマーの2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
塩基性の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、4−ビニルピリジン等を挙げることができる。
電気泳動分散媒中において、塩基性の重合性モノマーからなる高分子鎖を持つ粒子に、酸性添加剤を添加すると、これらの物質間で酸−塩基相互作用が働き、粒子にプラス帯電を付与することができる。
酸性添加剤としては、電気泳動分散媒に溶解する酸性物質が好ましく、例えば、ロジン酸、ロジン酸エステル、ロジン酸誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリイソブチレンコハク酸無水物等を使用することができる。
酸性添加剤の添加量は、その種類によって適宜決められるが、電気泳動分散媒に対して、0.001〜10重量%が好ましく、更には、0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
一方、酸性の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、2−ブテン酸(クロトン酸)、3−ブテン酸(ビニル酢酸)、3−メチル−3−ブテン酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、4−メチル−4−ペンテン酸、4−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、5−メチル−5−ヘキセン酸、5−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、6−メチル−6−ヘプテン酸、6−オクテン酸、7−オクテン酸、7−メチル−7−オクテン酸、7−ノネン酸、8−ノネン酸、8−メチル−8−ノネン酸、8−デセン酸、9−デセン酸、3−フェニル−2−プロペン酸(ケイ皮酸)、カルボキシメチル(メタ)アクリレート、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ビニル安息香酸、ビニルフェニル酢酸、ビニルフェニルプロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、メチレンコハク酸(イタコン酸)、ヒドロキシスチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホメチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−プロペン−1−スルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、3−ブテン−1−スルホン酸等を挙げることができる。
電気泳動分散媒中において、酸性の重合性モノマーからなる高分子鎖を持つ粒子に、塩基性添加剤を添加すると、これらの物質間で酸−塩基相互作用が働き、粒子にマイナス帯電を付与することができる。
塩基性添加剤としては、電気泳動分散媒に溶解する塩基性物質が好ましく、例えば、ポリイソブチレンコハク酸イミド、ポリビニルピリジン、ピリジン、レシチン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリデシルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリオクタデシルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリエーテル等を使用することができる。
塩基性添加剤の添加量は、その種類によって適宜決められるが、電気泳動分散媒に対して、0.001〜10重量%が好ましく、更には、0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
フッ素系の重合性モノマーとしては、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ノナフルオロブチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、ウンデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
フッ素系の重合性モノマーからなる高分子鎖は、電気陰性度の大きなフッ素原子を有することによって粒子にマイナス帯電を付与することができる。
グラフト化される高分子鎖は、分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量)が1.8以下に制御された高分子鎖であることが好ましく、分子量分布指数は1.5以下が更に好ましく、1.3以下がより好ましい。即ち、グラフト化される高分子鎖の分子量分布指数が1.8を超える場合、鎖長が揃っているとは言い難く、また、電気泳動粒子の分散性や帯電性にバラツキが生じ易くなる場合がある。
また、高分子鎖の数平均分子量は、分散機能型か帯電機能型によって適宜決めれば良いが、高分子鎖が分散機能型の場合、より良好な分散機能を得るには、500から1000000の範囲が好ましく、更に1000から500000が好ましい。帯電機能を得るための高分子鎖の場合は、数平均分子量が、500から1000000の範囲が好ましく、更に1000から500000が好ましい。
尚、高分子鎖のグラフト密度はリビングラジカル重合開始基の導入率によって制御することができる。また、高分子鎖の鎖長は、重合性モノマーの添加量や重合時間等によって制御することができる。
[5]電気泳動表示素子の構成
本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の一実施態様を示す断面図である。図1(a)の電気泳動表示素子において、第1電極1cを設けた第1基板1a、及び第2電極1dを設けた第2基板1bが、隔壁1gを介して所定の間隔で対向するように配置されている。第1基板1a、第2基板1b、及び隔壁1gにより仕切られたセル(空間)に、少なくとも電気泳動粒子1eと電気泳動分散媒1fからなる電気泳動分散液が封入されている。また、各電極上には絶縁層1hが形成されている。この電気泳動表示素子は、第2基板1bのある側が表示面である。すなわち、第1基板1a、第2基板1b及び隔壁1gによって電気泳動分散液を貯留する容器が形成されている。
図1(b)は、マイクロカプセルを用いた電気泳動表示素子を示す。前記電気泳動分散液を内包したマイクロカプセル1iが第1基板1a上に配置され、第2基板1bで覆われている。マイクロカプセル1iを用いる場合、絶縁層1hはなくてもよい。
図1において、第1電極1cは個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動分散液に対して、各々独立して所望の電界を印加できる画素電極であり、第2電極1dは全面同一電位で印加する共通電極である。尚、この画素電極にはスイッチ素子が設けられており、不図示のマトリクス駆動回路から行ごとに選択信号が印加され、更に各列に制御信号と駆動トランジスタからの出力が印加されて、個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動分散液に対して所望の電界を印加することができる。個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動粒子1eは、第1電極1cにより印加される電界によって制御され、各画素は電気泳動粒子の色(例えば白色)と分散媒1fの色(例えば青色)を表示する。このような駆動を画素単位で行うことにより、多数の画素によって任意の画像や文字を表示することができる。
第1基板1aは、電気泳動表示素子を支持する任意の絶縁部材であり、ガラスやプラスチックなどを用いることができる。
第1電極1cには、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化スズ、酸化インジウム、金、クロムなどの金属蒸着膜等を使用することができ、第1電極1cのパターン形成にはフォトリソグラフィー法を用いことができる。
第2基板1bは、透明なガラス基板やプラスチック基板等の絶縁部材を用いることができる。
第2電極1dには、ITOや有機導電性膜などの透明電極を使用することができる。
絶縁層1hとしては、無色透明な絶縁性樹脂を使用することができる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアルケン樹脂等を使用することができる。
隔壁1gの材料には、ポリマー樹脂を使用できる。隔壁形成にはどのような方法を用いても構わないが、例えば、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィー法によって隔壁を形成する方法、又は予め作製した隔壁を基板に接着する方法、モールドによって隔壁を形成する方法等を用いることができる。
前記電気泳動分散液をセル内に充填する方法は特に限定されないが、インクジェット方式のノズルを使用することができる。
(マイクロカプセル)
前記電気泳動分散液を内包するマイクロカプセル1iは、界面重合法、in situ 重合法、コアセルベーション法等の既知の方法で得ることができる。
マイクロカプセル1iを形成する材料には光を十分に透過させる材料が好ましく、具体的には、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、又はこれらの共重合体等を挙げることができる。
また、マイクロカプセル1iを第1基板1a上に配置する方法は特に制限されないが、インクジェット方式のノズルを使用することができる。
尚、基板上に配置されたマイクロカプセル1iの位置ずれを防止する目的で、マイクロカプセル1iの隙間に光透過性の樹脂バインダーを含浸させて基板上に固定しても良い。光透過性の樹脂バインダーとして、水溶性のポリマーを挙げることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。
第1基板1aと第2基板1bを封止する場合、マイクロカプセル1iの形状が、第1基板1aに対して水平方向の長さが垂直方向の長さよりも長い形状をとるように、押圧下で基板間を封止することが好ましい(図1(b)参照)。
(電気泳動分散媒)
電気泳動分散媒としては、高絶縁性でしかも無色透明な液体を挙げることができる。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、ノルマルパラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素等を使用でき、これらを単独、又は2種以上を混合して用いてもよい。
電気泳動分散媒を着色するにはR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等の色を有する油溶染料を用いることができる。これらの油溶染料として、アゾ染料、アントラキノン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペノリン染料、フタロシアニン染料、金属錯塩染料、ナフール染料、ベンゾキノン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノイミン染料等の油溶染料が好ましく、これらを組み合せて使用しても良い。
例えば、以下の油溶染料を挙げることができる。バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、バリファーストレッド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、オイルピンク312、オイルスカーレット308、オイルバイオレット730、バリファーストブルー(1501、1603、1605、1607、2606、2610、3405、)、オイルブルー(2N、BOS、613)、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルグリーン(502、BG)等であり、油溶染料の濃度は、電気泳動分散媒に対して、0.1〜3.5重量%が好ましい。
(電気泳動分散液)
電気泳動分散液は、少なくとも電気泳動粒子1eと電気泳動分散媒1fを含有する。電気泳動粒子1eを帯電させる為に、前記した酸性添加剤、又は塩基性添加剤を添加するのが好ましい。
電気泳動粒子1eの濃度は、その粒径によって異なるが、電気泳動分散媒に対して0.5から50重量%が好ましく、更には1から30重量%が好ましい。
(電気泳動表示)
本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の表示例を図2に示す。図2は、白色の電気泳動粒子1e、青色染料で着色した電気泳動分散媒1fからなる電気泳動分散液をセルに充填した場合の表示例である。電気泳動粒子1eは、負に帯電しているものとする。
第2電極1dを0Vとし、第1電極1cに負極性の電圧を印加すると、電気泳動粒子1eが第2電極1dに集まり、セルを上から観察すると、白色の電気泳動粒子1eの分布により白色に見える(図2(a))。
一方、第2電極1dを0Vとし、第1電極1cに正極性の電圧を印加すると、電気泳動粒子1eが第1電極1c上に集まり、セルを上から観察すると、青色に見える(図2(b))。
本発明の電気泳動粒子1eを用いた電気泳動表示素子の別の表示例を図3に示す。図3は、正に帯電した白色の電気泳動粒子1ew、負に帯電した黒色の電気泳動粒子1eb、及び無色透明の電気泳動分散媒1fからなる電気泳動分散液をセルに充填した場合の表示例である。
第2電極1dを0Vとし、第1電極1cに負極性の電圧を印加すると、黒色の電気泳動粒子1ebが第2電極1dに集まり、白色の電気泳動粒子1ewは第1電極1cに集まる。セルを上から観察すると、黒色の電気泳動粒子1ebの分布により黒色に見える(図3(a))。
一方、第2電極1dを0Vとし、第1電極1cに正極性の電圧を印加すると、白色の電気泳動粒子1ewが第2電極1dに集まり、黒色の電気泳動粒子1ebは第1電極1cに集まるので、セルを上から観察すると、白色の電気泳動粒子1ewの分布により白色に見える(図3(b))。
印加電圧は、電気泳動粒子の帯電量、電極間距離などによって異なるが、通常は、数Vから数十V程度が必要であり、階調表示は印加電圧や時間によって制御することができる。このような駆動を画素単位で行うことにより、多数の画素によって任意の画像や文字を表示することができる。
(別の電気泳動表示素子の構成)
本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の他の実施態様について図面を参照しながら説明する。図4は本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の他の実施態様を示す断面図である。
図4(a)の電気泳動表示素子において、第1基板4a上に第1電極4c及び第2電極4dが設けられ、電極間及び第2電極4d上には絶縁層4h、4iがそれぞれ形成されている。絶縁層4hは、着色されていても無色透明であってもよいが、絶縁層4iは無色透明である。第1基板4aと第2基板4bが、隔壁4gを介して所定の間隔で対向するように配置されている。第1基板4a、第2基板4b、及び隔壁4gからなるセル(空間)に、少なくとも電気泳動粒子4eと電気泳動分散媒4fからなる電気泳動分散液が封入されている。この電気泳動表示素子は、第2基板4bのある側が表示面である。
図4(b)は、マイクロカプセルを用いた電気泳動表示素子を示す。前記電気泳動分散液を内包したマイクロカプセル4jが第1基板4a上に配置され、第2基板4bで覆われている。尚、マイクロカプセル4jを用いる場合、絶縁層4iはなくてもよい。
図4において、第2電極4dは個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動分散液に対して、各々独立して所望の電界を印加できる画素電極であり、第1電極4cは全面同一電位で印加する共通電極である。尚、この画素電極にはスイッチ素子が設けられており、不図示のマトリクス駆動回路から行ごとに選択信号が印加され、更に各列に制御信号と駆動トランジスタからの出力が印加されて、個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動分散液に対して所望の電界を印加することができる。個々のセル(又はマイクロカプセル)内の電気泳動粒子4eは、第2電極4dにより印加される電界によって制御され、各画素は電気泳動粒子の色(例えば黒色)と絶縁層4hの色(例えば白色)を表示する。このような駆動を画素単位で行うことにより、多数の画素によって任意の画像や文字を表示することができる。
第1基板4aは、電気泳動表示素子を支持する任意の絶縁部材であり、ガラスやプラスチックなどを用いる事ができる。第2基板4bには、透明なガラス基板やプラスチック基板等の絶縁部材を使用することができる。
第1電極4cの材料には、Alなどの光反射性の金属電極を使用する。第1電極4c上に形成する絶縁層4hには、光を散乱させるための微粒子、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン等を無色透明の絶縁性樹脂に混ぜ合わせたものを使用できる。無色透明の絶縁性樹脂には、前述した絶縁性樹脂を挙げることができる。あるいは、微粒子を用いずに金属電極表面の凹凸を利用して光を散乱させる方法を用いてもよい。
第2電極4dには表示素子の観察者側からみて暗黒色に見える導電性材料、例えば、炭化チタンや黒色化処理したCr、黒色層を表面に形成したAl、Ti等を使用できる。また、第2電極4dのパターン形成には、フォトリソグラフィー法を用いることができる。
続いて第2電極4d上に絶縁層4iを形成する。絶縁層4iには、前記した無色透明な絶縁性樹脂を使用することができる。
本実施態様の表示コントラストは、第2電極4dと画素の面積比に大きく依存する為、コントラストを高めるためには第2電極4dの露出面積を画素のそれに対して小さくする必要があり、通常は1:2〜1:5程度が好ましい。
隔壁4gは、前述と同様の隔壁形成方法と材料を用いることができる。前記電気泳動分散液をセル内に充填する方法は特に限定されないが、前述したインクジェット方式のノズルを使用することができる。
(マイクロカプセル)
前記電気泳動分散液を内包するマイクロカプセル4jは、前述したように、界面重合法、in situ 重合法、コアセルベーション法等の既知の方法で得ることができ、マイクロカプセル3jの形成材料には、前記した同様のポリマー材料を使用することができる。
また、マイクロカプセル4jを第1基板4a上に配置する方法は特に制限されないが、前述したインクジェット方式のノズルを使用することができる。
尚、基板上に配置されたマイクロカプセル4jの位置ずれを防止する目的で、前述したようにマイクロカプセル4jの隙間に光透過性の樹脂バインダーを含浸させて基板上に固定しても良い。光透過性の樹脂バインダーとして、前述した樹脂を用いることができる。
第1基板4aと第2基板4bを封止する場合、マイクロカプセル4jの形状が、第1基板4aに対して水平方向の長さが垂直方向の長さよりも長い形状をとるように、押圧下で基板間を封止することが好ましい(図4(b)参照)。
(電気泳動分散媒)
電気泳動分散媒4fに関しては、前述した同様の液体を使用することができる。
(電気泳動粒子)
電気泳動粒子4eには、前述と同様の方法によって得た黒色粒子を使用することができる。本実施態様における電気泳動粒子4eの濃度は、その粒径によって異なるが、電気泳動分散媒4fに対して0.5から10重量%が好ましく、更には1から5重量%が好ましい。電気泳動粒子4eの濃度が0.5重量%未満の場合、第1電極4c上を完全に隠蔽できなくなり、表示コントラストが淡くなるので好ましくない。また、電気泳動粒子4eの濃度が10重量%を越えると着色した第2電極4d上から溢れ出し、表示コントラストが悪くなるので好ましくない。
(電気泳動分散液)
電気泳動分散液は、少なくとも電気泳動粒子4eと電気泳動分散媒4fを含有する。電気泳動粒子4eを帯電させる為に、前記した酸性添加剤、又は塩基性添加剤を添加するのが好ましい。
(電気泳動表示)
本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の表示例を図5に示す。図5は、黒色の電気泳動粒子4e、無色透明な電気泳動分散媒4fからなる電気泳動分散液をセルに充填した場合の表示例である。電気泳動粒子4eは、負に帯電しているものとする。また、絶縁層4h上が白色であり、第2電極4d上が黒色であるものとする。
第1電極4cを0Vとし、第2電極4dに正極性の電圧を印加すると、電気泳動粒子4eが第2電極4d上に集まり、セルを上から観察すると、白色に見える(図5(a))。
一方、第1電極4cを0Vとし、第2電極4dに負極性の電圧を印加すると、電気泳動粒子4eが第1電極4c上に集まり、セルを上から観察すると、黒色に見える(図5(b))。
印加電圧は、電気泳動粒子の帯電量、電極間距離などによって異なるが、通常は、数Vから数十V程度が必要であり、階調表示は印加電圧や時間によって制御することができる。このような駆動を画素単位で行うことにより、多数の画素によって任意の画像や文字を表示することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(複合体微粒子の合成)
疎水化処理を施した酸化チタン(平均粒径0.1μm、15重量部)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(1.7重量部)、スチレン(130重量部)、エチレングリコールメタクリレート(7重量部、一般式(I)n=4と5の混合物、ブレンマーPE−200、日本油脂)、ジビニルベンゼン(15重量部)からなる複合体微粒子用組成物をホモジナイザーで均一に分散させる。0.05重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液(400重量部)にリン酸カルシウム(20重量部)を分散して得た懸濁媒体中に、上記の複合体微粒子用組成物を投入する。これを、ホモジナイザーを用いて高速攪拌して均一な懸濁液を調整する。懸濁化した複合体微粒子用組成物の平均粒径は、約2.0μmである。次に、窒素雰囲気下80℃で懸濁重合を行う。重合終了後、洗浄、乾燥、分級工程を経て、粒子表面に水酸基が局在化された複合体微粒子(着色粒子)を得る。その平均粒径は、約2.0μmである。
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(VI)に従ってニトロキシド媒介重合開始基と、前記した反応式(I)に従って光リビングラジカル重合開始基を、それぞれの割合が2:1となるよう調整した上で着色粒子表面に導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・光リビングラジカル重合)
重合開始基を導入した着色粒子をジメチルスルホキシドに分散させた後、アクリル酸を添加して反応系を窒素ガスで置換する。次に、光照射することによって光リビングラジカル重合開始基から光リビングラジカル重合を行う。重合は室温にて所定時間行う。また、着色粒子表面にグラフト化される高分子鎖の分子量および分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを反応系内に予め加えておく。なお、光照射には400W高圧UVランプを使用し、照射波長は312nmから577nm、ピーク波長は365nmとする。
重合終了後、分離精製を行い、ポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子を得る。合成した着色粒子のIR分析を行ったところ、ポリアクリル酸由来の吸収ピークが観測され、ポリアクリル酸がグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな開始種として加えておいたベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートから生成した高分子鎖の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約2.5万で、分子量分布指数が1.20であることから、着色粒子表面にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・ニトロキシド媒介重合)
次に、ポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子をジメチルスルホキシドに分散させて反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加してニトロキシド媒介重合開始基からニトロキシド媒介重合を行う。重合は80℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてニトロキシド1を反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子1e(電気泳動粒子)を得る。その平均粒径は、約2.2μmである。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいたニトロキシド1から生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約5万で、分子量分布指数が1.25であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子1e(白色粒子)5重量%、オイルブルーN(アルドリッチ)0.1重量%、ポリイソブチレンコハク酸イミド(塩基性添加剤)0.5重量%、電気泳動分散媒1fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)94.4重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリアクリル酸は、ポリイソブチレンコハク酸イミドとの酸−塩基相互作用によって電気泳動粒子1eにマイナス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒1f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図1(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子1eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な青白表示を行うことができる。
(実施例2)
実施例1と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル1iをin situ 重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質は尿素−ホルムアルデヒド樹脂である。マイクロカプセル1iをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板1a上に配置し、電圧印加回路を接続して図1(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子1eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な青白表示を行うことができる。
(実施例3)
(複合体微粒子の合成)
疎水化処理を施したカーボンブラック(平均粒径0.1μm、10重量部)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(1.7重量部)、スチレン(130重量部)、エチレングリコールメタクリレート(7重量部、一般式(I)n=4と5の混合物、ブレンマーPE−200、日本油脂)、ジビニルベンゼン(15重量部)からなる複合体微粒子用組成物をホモジナイザーで均一に分散させる。0.05重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液(1800重量部)にリン酸カルシウム(90重量部)を分散して得た懸濁媒体中に、上記の複合体微粒子用組成物を投入する。これを、ホモジナイザーを用いて高速攪拌して均一な懸濁液を調整する。懸濁化した複合体微粒子用組成物の平均粒径は、約1.5μmである。次に、窒素雰囲気下80℃で懸濁重合を行う。重合終了後、洗浄、乾燥、分級工程を経て、粒子表面に水酸基が局在化された複合体微粒子(着色粒子)を得る。その平均粒径は、約1.5μmである。
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(I)に従って光リビングラジカル重合開始基と、前記した反応式(IV)に従って原子移動ラジカル重合開始基を、それぞれの割合が1:1となるように調整した上で着色粒子表面に導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・光リビングラジカル重合)
重合開始基を導入した着色粒子をジメチルスルホキシドに分散させた後、メタクリル酸アミノエチルを添加して反応系を窒素ガスで置換する。次に、光照射することによって光リビングラジカル重合開始基から光リビングラジカル重合を行う。重合は室温にて所定時間行う。また、着色粒子表面にグラフト化される高分子鎖の分子量および分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを反応系内に予め加えておく。なお、光照射には、実施例1と同様に400W高圧UVランプを使用する。
重合終了後、分離精製を行い、ポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化された着色粒子を得る。
合成した着色粒子のIR分析を行ったところ、ポリメタクリル酸アミノエチル由来の吸収ピークが観測され、ポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな開始種として加えておいたベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートから生成した高分子鎖の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約2万で、分子量分布指数が1.17であることから、着色粒子表面にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・原子移動ラジカル重合)
次に、ポリメタクリル酸ミノエチルがグラフト化された着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させて臭化第一銅、(−)−スパルテインを添加する。更に、反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加して原子移動ラジカル重合開始基から原子移動ラジカル重合を行う。重合は70℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種として2−ブロモイソ酪酸エチルを反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化された着色粒子4e(電気泳動粒子)を得る。その平均粒径は、約1.7μmである。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいた2−ブロモイソ酪酸エチルから生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約6万で、分子量分布指数が1.08であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子4e(黒色粒子)1重量%、ロジン酸(酸性添加剤)0.1重量%、電気泳動分散媒4fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)98.9重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリメタクリル酸アミノエチルは、ロジン酸との酸−塩基相互作用によって電気泳動粒子4eにプラス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒4f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図4(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例4)
実施例3と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル4jを界面重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はポリアミド樹脂である。マイクロカプセル4jをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板4a上に配置し、電圧印加回路を接続して図4(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例5)
(複合体微粒子の合成)
オイルブラックHBB(20重量部)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(1.7重量部)、スチレン(130重量部)、エチレングリコールメタクリレート(7重量部、一般式(I)n=1)、ジビニルベンゼン(18重量部)からなる複合体微粒子用組成物をホモジナイザーで均一に分散させる。0.05重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液(1800重量部)にリン酸カルシウム(90重量部)を分散して得た懸濁媒体中に、上記の複合体微粒子用組成物を投入する。これを、ホモジナイザーを用いて高速攪拌して均一な懸濁液を調整する。懸濁化した複合体微粒子用組成物の平均粒径は、約1.0μmである。次に、窒素雰囲気下80℃で懸濁重合を行う。重合終了後、洗浄、乾燥、分級工程を経て、粒子表面に水酸基が局在化された複合体微粒子(着色粒子)を得る。その平均粒径は、約1.0μmである。
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(VI)に従ってニトロキシド媒介重合開始基と、前記した反応式(IV)に従って原子移動ラジカル重合開始基を、それぞれの割合が3:1となるように調整した上で着色粒子表面に導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・原子移動ラジカル重合)
重合開始基を導入した着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させて臭化第一銅、(−)−スパルテインを添加する。更に、反応系を窒素ガスで置換した後、N,N−ジエチルメタクリル酸アミドを添加して原子移動ラジカル重合開始基から原子移動ラジカル重合を行う。重合は70℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種として2−ブロモイソ酪酸エチルを反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子を得る。
着色のIR分析を行ったところ、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)由来の吸収ピークが観測され、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいた2−ブロモイソ酪酸エチルから生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約2万で、分子量分布指数が1.05であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・ニトロキシド媒介重合)
次に、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子をジメチルスルホキシドに分散させて反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加してニトロキシド媒介重合開始基からニトロキシド媒介重合を行う。重合は80℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてニトロキシド1を反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子4e(電気泳動粒子)を得る。その平均粒径は、約1.1μmである。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいたニトロキシド1から生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約4万で、分子量分布指数が1.19であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子4e(黒色粒子)1重量%、ロジン酸(塩基性添加剤)0.1重量%、電気泳動分散媒4fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)98.9重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)は、ロジン酸との酸−塩基相互作用によって、電気泳動粒子4eにプラス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒4f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図4(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例6)
実施例5と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル4jを界面重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はポリアミド樹脂である。マイクロカプセル4jをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板4a上に配置し、電圧印加回路を接続して図4(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例7)
実施例1と同様にして得た電気泳動粒子1e(白色粒子)5重量%、ポリイソブチレンコハク酸イミド(塩基性添加剤)0.5重量%、実施例3と同様にして得た電気泳動粒子4e(黒色粒子)3重量%、ロジン酸(酸性添加剤)0.3重量%、電気泳動分散媒としてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)91.2重量%を用い、電気泳動分散液とする。電気泳動分散媒において、白色の電気泳動粒子はマイナス帯電を示し、一方、黒色の電気泳動粒子はプラス帯電を示す。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図1(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示(図3)を長時間行ったところ、白黒の2種類の電気泳動粒子は分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例8)
実施例7と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル1iをin situ重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。マイクロカプセル1iをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板1a上に配置し、電圧印加回路を接続して図1(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示(図3)を長時間行ったところ、白黒の2種類の電気泳動粒子は分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例9)
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(VII)に従って着色粒子(酸化チタン、平均粒径0.1μm、粒子表面に水酸基を含有)の表面に光リビングラジカル重合開始基を導入する。次に、前記した反応式(IX)に従って着色粒子にニトロキシド媒介重合開始基前駆体13(n=10)を反応させ、ニトロキシド媒介重合開始基を導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。尚この時の光リビングラジカル重合開始基とニトロキシド媒介重合開始基の割合は1:1となるように調整する。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・光リビングラジカル重合)
重合開始基を導入した着色粒子をジメチルスルホキシドに分散させた後、アクリル酸を添加して反応系を窒素ガスで置換し、光照射することによって光リビングラジカル重合開始基から光リビングラジカル重合を行う。重合は室温にて所定時間行う。また、着色粒子表面にグラフト化される高分子鎖の分子量および分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを反応系内に予め加えておく。なお、光照射には、実施例1と同様に400W高圧UVランプを使用する。
重合終了後、分離精製を行い、ポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子を得る。合成した着色粒子のIR分析を行ったところ、ポリアクリル酸由来の吸収ピークが観測され、ポリアクリル酸がグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな開始種として加えておいたベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートから生成した高分子鎖の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約2万で、分子量分布指数が1.15であることから、着色粒子表面にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・ニトロキシド媒介重合)
次に、ポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させて反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加してニトロキシド媒介重合開始基からニトロキシド媒介重合を行う。重合は80℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてニトロキシド1を反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリアクリル酸がグラフト化された着色粒子1e(電気泳動粒子)を得る。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいたニトロキシド1から生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約4万で、分子量分布指数が1.20であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子1e(白色粒子)5重量%、オイルブルーN(アルドリッチ)0.1重量%、ポリイソブチレンコハク酸イミド(塩基性添加剤)0.5重量%、電気泳動分散媒1fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)94.4重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリアクリル酸は、ポリイソブチレンコハク酸イミドとの酸−塩基相互作用によって電気泳動粒子1eにマイナス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒1f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図1(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子1eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な青白表示を行うことができる。
(実施例10)
実施例9と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル1iをin situ 重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質は尿素−ホルムアルデヒド樹脂である。マイクロカプセル1iをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板1a上に配置し、電圧印加回路を接続して図1(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子1eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な青白表示を行うことができる。
(実施例11)
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(VII)に従って着色粒子(マグネタイト、平均粒径0.15μm、粒子表面に水酸基を含有)の表面に光リビングラジカル重合開始基を導入する。次に、前記した反応式(VIII)に従って着色粒子に原子移動ラジカル重合開始基前駆体9(n=6)を反応させ、原子移動ラジカル重合開始基を導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。尚この時の光リビングラジカル重合開始基と原子移動ラジカル重合開始基の割合は1:2となるように調整する。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・光リビングラジカル重合)
光リビングラジカル重合開始基を導入した着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させた後、メタクリル酸アミノエチルを添加して反応系を窒素ガスで置換し、光照射することによって光リビングラジカル重合開始基から光リビングラジカル重合を行う。重合は室温にて所定時間行う。また、着色粒子表面にグラフト化される高分子鎖の分子量および分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを反応系内に予め加えておく。なお、光照射には、実施例1と同様に400W高圧UVランプを使用する。
重合終了後、分離精製を行い、ポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化された着色粒子を得る。
合成した着色粒子のIR分析を行ったところ、ポリメタクリル酸アミノエチル由来の吸収ピークが観測され、ポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな開始種として加えておいたベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートから生成した高分子鎖の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約1.5万で、分子量分布指数が1.10であることから、着色粒子表面にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・原子移動ラジカル重合)
次に、ポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化された着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させて臭化第一銅、2,2’−ビピリジルを添加する。更に、反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加して原子移動ラジカル重合開始基から原子移動ラジカル重合を行う。重合は70℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種として2−ブロモイソ酪酸エチルを反応系に予め加えておく。重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリメタクリル酸アミノエチルがグラフト化された着色粒子4e(電気泳動粒子)を得る。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいた2−ブロモイソ酪酸エチルから生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約4万で、分子量分布指数が1.07であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子4e(黒色粒子)1重量%、ロジン酸(酸性添加剤)0.1重量%、電気泳動分散媒4fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)98.9重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリメタクリル酸アミノエチルは、ロジン酸との酸−塩基相互作用によって電気泳動粒子4eにプラス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒4f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図4(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例12)
実施例11と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル4jを界面重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はポリアミド樹脂である。マイクロカプセル4jをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板4a上に配置し、電圧印加回路を接続して図4(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例13)
(着色粒子表面へのリビングラジカル重合開始基の導入)
前記した反応式(VIII)に従って着色粒子(マグネタイト、平均粒径0.15μm、粒子表面に水酸基を含有)の表面に原子移動ラジカル重合開始基前駆体9(n=6)を反応させ、原子移動ラジカル重合開始基を導入する。次に、前記した反応式(IX)に従って着色粒子にニトロキシド媒介重合開始基前駆体13(n=10)を反応させ、ニトロキシド媒介重合開始基を導入する。このようにして、2種類の異なるリビングラジカル重合開始基が着色粒子表面に固定化される。尚この時の原子移動ラジカル重合開始基とニトロキシド媒介重合開始基の割合は1:3となるように調整する。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・原子移動ラジカル重合)
重合開始基を導入した着色粒子をジフェニルエーテルに分散させて臭化第一銅、2,2’−ビピリジルを添加する。更に、反応系を窒素ガスで置換した後、N,N−ジエチルメタクリル酸アミドを添加して原子移動ラジカル重合開始基から原子移動ラジカル重合を行う。重合は70℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種として2−ブロモイソ酪酸エチルを反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子を得る。
着色粒子のIR分析を行ったところ、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)由来の吸収ピークが観測され、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいた2−ブロモイソ酪酸エチルから生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約2万で、分子量分布指数が1.05であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(着色粒子表面への高分子鎖のグラフト化・ニトロキシド媒介重合)
次に、ポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子をジメチルホルムアミドに分散させて反応系を窒素ガスで置換した後、イソプレンを添加してニトロキシド媒介重合開始基からニトロキシド媒介重合を行う。重合は80℃で所定時間行う。また、粒子にグラフト化される高分子鎖の分子量及び分子量分布の指標となるように、フリーな重合開始種としてニトロキシド1を反応系に予め加えておく。
重合終了後、分離精製を行い、ポリイソプレンとポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)がグラフト化された着色粒子4e(電気泳動粒子)を得る。
電気泳動粒子のIR分析を行ったところ、ポリイソプレン由来の吸収ピークが観測され、ポリイソプレンがグラフト化されていることを確認できる。また、フリーな重合開始種として加えておいたニトロキシド1から生成した高分子の分子量と分子量分布を測定したところ、数平均分子量が約4.5万で、分子量分布指数が1.23であることから、着色粒子にグラフト化された高分子鎖は鎖長の揃った高分子鎖であることを確認できる。
(電気泳動評価)
電気泳動粒子4e(黒色粒子)1重量%、ロジン酸(塩基性添加剤)0.1重量%、電気泳動分散媒4fとしてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)98.9重量%を用い、電気泳動分散液とする。グラフト化されたポリ(N,N−ジエチルメタクリル酸アミド)は、ロジン酸との酸−塩基相互作用によって、電気泳動粒子4eにプラス帯電を付与し、帯電機能を発現する。また、グラフト化されたポリイソプレンは電気泳動分散媒4f中で広がりを持つことによって分散機能を発現する。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図4(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例14)
実施例13と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル4jを界面重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はポリアミド樹脂である。マイクロカプセル4jをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板4a上に配置し、電圧印加回路を接続して図4(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示を長時間行ったところ、電気泳動粒子4eは分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例15)
実施例9と同様にして得た電気泳動粒子(白色粒子)5重量%、ポリイソブチレンコハク酸イミド(塩基性添加剤)0.5重量%、実施例11と同様にして得た電気泳動粒子(黒色粒子)3重量%、ロジン酸(酸性添加剤)0.3重量%、電気泳動分散媒としてアイソパーH(商品名、エクソン化学社製)91.2重量%を用い、電気泳動分散液とする。電気泳動分散媒において、白色の電気泳動粒子はマイナス帯電を示し、一方、黒色の電気泳動粒子はプラス帯電を示す。
前記した電気泳動分散液をインクジェット方式のノズルを用いてセルに注入し、電圧印加回路を接続して図1(a)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示(図3)を長時間行ったところ、白黒の2種類の電気泳動粒子は分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
(実施例16)
実施例15と同様にして得た電気泳動分散液を用いて、該分散液を内包するマイクロカプセル1iをin situ重合法によって作製する。マイクロカプセルの膜材質はメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。マイクロカプセル1iをインクジェット方式のノズルを用いて第1基板1a上に配置し、電圧印加回路を接続して図1(b)に示した電気泳動表示素子を作製する。
駆動電圧±10Vでコントラスト表示(図3)を長時間行ったところ、白黒の2種類の電気泳動粒子は分散性と帯電性に優れ、鮮明な白黒表示を行うことができる。
本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の一実施態様例を示す断面図である。 本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の表示例を示す概略図である。 本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の表示例を示す概略図である。 本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の他の実施態様例を示す断面図である。 本発明の電気泳動粒子を用いた電気泳動表示素子の表示例を示す概略図である。
符号の説明
1a 第1基板
1b 第2基板
1c 第1電極
1d 第2電極
1e 電気泳動粒子
1f 電気泳動分散媒
1g 隔壁
1h 絶縁層
1i マイクロカプセル
4a 第1基板
4b 第2基板
4c 第1電極
4d 第2電極
4e 電気泳動粒子
4f 電気泳動分散媒
4g 隔壁
4h 絶縁層
4i 絶縁層
4j マイクロカプセル

Claims (12)

  1. 着色粒子の表面に少なくとも2種類の異なる高分子鎖がグラフト化された電気泳動粒子であって、
    前記少なくとも2種類の異なる高分子鎖は、前記粒子表面のこれらの異なる高分子鎖に対応するリビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によってグラフト化されており、かつこれらの異なる高分子鎖が電気泳動分散媒中において異なる機能を発現する
    ことを特徴とする電気泳動粒子。
  2. 前記リビングラジカル重合の少なくとも一方が、光リビングラジカル重合であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  3. 前記リビングラジカル重合の少なくとも一方が、原子移動ラジカル重合であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  4. 前記リビングラジカル重合の少なくとも一方が、ニトロキシド媒介重合であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  5. グラフト化された各高分子鎖の分子量分布指数が、1.8以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  6. 前記グラフト化された少なくとも2種以上の高分子鎖の異なる機能の一つが、電気泳動分散媒中で分散機能であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  7. グラフト化された少なくとも2種以上の高分子鎖の異なる機能の一つが、電気泳動分散媒中で帯電機能であることを特徴とする請求項1または6に記載の電気泳動粒子。
  8. 前記着色粒子が、着色剤と高分子からなる複合体微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  9. 前記着色粒子が、顔料粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動粒子。
  10. 着色粒子の表面に少なくとも2種類の異なる高分子鎖がグラフト化された電気泳動粒子の製造方法であって、
    該粒子表面に少なくとも2種類の異なるリビングラジカル重合開始基を導入する工程、および各リビングラジカル重合開始基からそれぞれリビングラジカル重合によって異なる高分子鎖をグラフト化する工程を含み、
    これらの異なる高分子鎖が電気泳動分散媒中において異なる機能を発現する
    ことを特徴とする電気泳動粒子の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気泳動粒子と電気泳動分散媒を含有することを特徴とする電気泳動分散液。
  12. 電気泳動粒子と電気泳動分散媒を含有する電気泳動分散液を貯留する容器と、該容器の少なくとも一部に設けられた表示部と、該表示部への前記電気泳動粒子の移動を表示情報に応じて生じさせるための電圧印加手段と、を有し、前記表示部における前記電気泳動粒子の有無により表示を行なう電気泳動表示素子において、
    前記電気泳動分散液が、請求項11に記載の電気泳動分散液であることを特徴とする電気泳動表示素子。
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