JP2006113124A - 偏光板剥離装置およびその管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切断剥離用刃物の健全性の管理を容易に行なえる偏光板剥離装置を提供する。
【解決手段】 偏光板剥離装置は、パネル基板1の主表面から一部分の偏光板2を剥離するための切断剥離用刃物3と、鉛直方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を調整する手段と、水平方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を変更する手段と、切断剥離用刃物3に加わる抗力を測定するためのロードセル4と、抗力が管理値を超えているか否かを判定するための判定手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 偏光板剥離装置は、パネル基板1の主表面から一部分の偏光板2を剥離するための切断剥離用刃物3と、鉛直方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を調整する手段と、水平方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を変更する手段と、切断剥離用刃物3に加わる抗力を測定するためのロードセル4と、抗力が管理値を超えているか否かを判定するための判定手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、偏光板剥離装置およびその管理方法に関する。
従来の5インチ程度の中小型の大きさを有する液晶表示パネルの製造方法においては、初めに複数の液晶表示セルを含むパネル基板を形成する。パネル基板は、シール材によって互いに貼り合わされた2枚の大型のガラス基板を含む。この大型のパネル基板を分断して、短冊状のパネル基板を形成する。
次に、短冊状のパネル基板に液晶の注入および封止などを行なって、単一の液晶表示セルに分断する。次に、それぞれの単一の液晶表示セルに対して、主表面に偏光板を貼り付けて液晶表示パネルを製造する。偏光板の貼付けにおいては、このような単一の液晶表示セルの表面に1枚ずつ偏光板を貼り付ける方法が一般的であった。
ところが、この方法においては、個々の液晶表示セルに対して、個別に1枚ずつ偏光板を貼り付ける必要があるため、生産効率が極めて悪いという問題がある。たとえ、専用の偏光板の貼り付け装置を用いて貼り付けを行なっても、静電気によって偏光板1枚当りの貼り付け速度が制約を受けるため、偏光板の貼り付け速度の高速化にも限界がある。このため、偏光板の貼り付けのために、多数の偏光板貼り付け装置を導入しなければ高い生産性を確保することができないという問題があった。偏光板を貼り付けるための設備投資が大幅に膨らんで、ひいては最終製品である液晶表示装置の価格上昇につながるという問題があった。
特開2004−4636号公報においては、一方の大型基板に環状に配置されたシール材の内側の領域、または、他方の大型の基板のうちシール材が配置された領域に対応する領域に液晶を供給して、基板同士を貼り合わせる製造方法が開示されている。この大型のパネル基板には、複数の液晶表示セルが形成されている。次に、パネル基板に対して、大型の偏光板を一括して貼り付け、その後に個々の液晶表示セルに分断する方法が開示されている。
図6に、複数の液晶表示セルを含むパネル基板の平面図を示す。パネル基板1は、主表面が互いに対向するように貼り合わされた2枚のガラス基板を備える。パネル基板1の主表面には、偏光板2が貼り付けられている。パネル基板1は、複数の液晶表示セル14を含む。図6においては、液晶表示セル14の平面形状がほぼ長方形になるように形成され、それぞれが規則的に配列されている。それぞれの液晶表示セル14は、互いに間隔をあけて配置されている。偏光板2は、パネル基板1に形成された複数の液晶表示セル14すべてを覆うように配置されている。
複数の液晶表示セルが形成されたパネル基板から、個々の液晶表示セルに分断する工程においては、偏光板の一部を帯状に除去してガラス基板を帯状に露出させる。剥離される偏光板の帯状の領域は、大型のパネル基板に形成された液晶表示セル同士の間に形成される。次に、ガラススクライブ形成用のホイルカッタによって、ガラス基板の露出した帯状の領域に分断用の亀裂を形成する。最後に、形成された亀裂に沿って、大型のガラス基板を分断して個々の液晶表示セルを形成する。
図6においては、液晶表示セル14同士の隙間において帯状に偏光板2が剥離され、帯状に剥離された領域に沿って、単一の液晶表示セル14に分断される。液晶表示セル14に、外部駆動装置などが接続され、筐体に配置されて液晶表示装置が完成する。
また、特開2003−335536号公報においては、偏光板を帯状に剥離する偏光板剥離装置として、パネル基板の表面に形成された偏光板に対して、予め偏光板ホイルカッタによって偏光板に帯状に切込みを入れておき、この帯状の領域をスクレイパーによって剥ぎ取る装置が開示されている。
特開2004−4636号公報
特開2003−335536号公報
上記の特開2004−4636号公報に開示された偏光板剥離装置においては、偏光板の切断と偏光板の剥ぎ取りとを、偏光板の分離剥離用刃物によって行なっている。偏光板の分離剥離用刃物は、先端部が尖った形状を有し、偏光板を切断することができる。また、たとえば、断面形状がコの字形に形成され、パネル基板の主表面に傾斜するように押付けることにより、偏光板の剥離を行なうことができる。分離剥離用刃物は、パネル基板に接触しているため、長期間の使用によって先端部に欠けや摩耗が生じてしまう。
分離剥離用刃物の先端部に欠けや摩耗が生じた状態で、偏光板の剥離を継続すると、偏光板に貼り付けられている保護フィルムが剥がれたり、偏光板の角になる部分が欠けてしまったりする。または、偏光板の粘着剤などがパネル基板の表面に残ってしまい、パネル基板の分断にも悪影響を与えるという問題があった。
偏光板の分離剥離用刃物を健全な状態に保つためには、分離剥離用刃物の定期的な検査および交換が必要がある。しかし、分離剥離用刃物は、装置の内側に取り付けられているために直接的な目視による確認が行ないにくく、多大な時間を要してしまうという問題があった。
また、偏光板の分離剥離用刃物の欠けの大きさや摩耗の進行度を判定することは難しく、分離剥離用刃物の交換が必要か否かを判定するためには、熟練が必要であるという問題があった。このように、分離剥離用刃物の交換を適切な時期に行なうことが難しいという問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、切断剥離用刃物の健全性の管理を容易に行なえる偏光板剥離装置および偏光板剥離装置の管理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく偏光板剥離装置は、基板の主表面から一部分の偏光板を剥離するための切断剥離用刃物と、上記主表面に垂直な方向の上記基板に対する上記切断剥離用刃物の位置を調整する調整手段と、上記主表面に平行な方向の上記基板に対する上記切断剥離用刃物の位置を変更する移動手段と、上記切断剥離用刃物に加わる抗力を測定するための抗力測定手段と、上記抗力が管理値を超えているか否かを判定するための判定手段とを備える。この構成を採用することにより、上記切断剥離用刃物の健全性の管理を容易に行なうことができる。
上記発明において好ましくは、上記抗力測定手段は、上記切断剥離用刃物に加わる抗力のうち、上記垂直な方向の抗力を測定する手段と、上記切断剥離用刃物に加わる抗力のうち、上記平行な方向の抗力を測定する手段とを含む。上記判定手段は、上記垂直な方向の上記抗力または上記平行な方向の上記抗力のうち、少なくともいずれか一方が、それぞれの管理値を超えているか否かを判定する手段を含む。この構成を採用することにより、上記抗力をより細かく測定することができ、より正確な上記切断剥離用刃物の管理を行なうことができる。
上記発明において好ましくは、上記管理値は、停止管理値を含み、上記停止管理値を超えた場合に、上記偏光板の剥離を停止する手段を備える。この構成を採用することにより、上記切断剥離用刃物に大きな摩耗や大きな欠けが生じたままの状態で、上記偏光板を剥離することを防止できる。
上記発明において好ましくは、上記抗力の測定値に対して、規定された範囲を逸脱する上記測定値を除外した上で、規定された時間幅の上記測定値を平均化する手段を備える。この構成を採用することにより、信頼性の低い上記測定値を排除することができ、より正確な上記切断剥離用刃物の管理を行なうことができる。
上記発明において好ましくは、間欠的に測定した上記抗力から、上記切断剥離用刃物の交換時期を予測する予測手段を備える。この構成を採用することにより、予め上記切断剥離用刃物を交換する時期を知ることができる。
上記発明において好ましくは、上記管理値は、取替え時の上記切断剥離用刃物に対する納入基準値を含む。この構成を採用することにより、上記偏光板剥離装置を上記切断剥離用刃物の受入れ検査に用いることができる。
上記発明において好ましくは、上記抗力が上記納入基準値を超えていた場合に、上記偏光板の剥離を停止する手段を備える。この構成を採用することにより、納入した上記切断剥離用刃物が不良であった場合に、不良の切断剥離用刃物を用いて剥離することを防止できる。
上記目的を達成するため、本発明に基づく偏光板剥離装置の管理方法は、基板の主表面から偏光板の一部分を剥離するための切断剥離用刃物を備える偏光板剥離装置の管理方法であって、上記切断剥離用刃物が上記基板に接触しているときに、上記切断剥離用刃物に加わる抗力を測定する工程と、上記抗力が管理値を超えているか否かにより、上記切断剥離用刃物の健全性を判定する工程とを含む。この方法を採用することにより、上記切断剥離用刃物の健全性の管理を容易に行なうことができる。
上記発明において好ましくは、上記切断剥離用刃物の取替え時において、上記抗力を測定して上記管理値としての納入基準値を越えているか否かにより、上記切断剥離用刃物の受入れ検査を行なう。この方法を採用することにより、上記管理方法において、上記切断剥離用刃物の取替えを行なった時の上記切断剥離用刃物の健全性を確認することができる。
本発明によれば、切断剥離用刃物の健全性の管理を容易に行なえる偏光板剥離装置および偏光板剥離装置の管理方法を提供することができる。
(装置の構成)
図1から図5を参照して、本発明に基づく偏光板剥離装置および偏光板剥離装置の管理方法について説明する。
図1から図5を参照して、本発明に基づく偏光板剥離装置および偏光板剥離装置の管理方法について説明する。
図1は、偏光板剥離装置に基板としてのパネル基板を配置したときの概略側面図である。本実施の形態における偏光板剥離装置は、偏光板の剥離の他にパネル基板に分断のためのスクライブ線を形成する機能を有する。
偏光板剥離装置は、ベース部材7を備え、ベース部材7に各部材が取り付けられている。剥離ユニット10は、切断剥離用刃物3を含む。剥離ユニット10は、ガイドレール11を介してベース部材7に固定されている。切断剥離用刃物3は、刃物取付け部材8に固定されている。切断剥離用刃物3は、長手方向を有し、該長手方向がステージ6の主表面に対して、傾斜するように配置されている。
偏光板剥離装置は、パネル基板1を配置するためのステージ6を備える。ステージ6は、平板状に形成され、主表面が水平方向と平行に配置されている。本実施の形態においては、パネル基板1の主表面と平行な方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を変更する移動手段として、ステージ6が移動するように形成されている。ステージ6は、矢印31に示すように水平方向に移動可能に形成されている。
刃物取付け部材8は、ロードセル4に固定されている。刃物取付け部材8およびロードセル4は、鉛直方向に形成されたリニアガイド9に沿って移動可能なように形成され、鉛直方向の位置が調整できるように形成されている。本実施の形態においては、パネル基板1の主表面に垂直な方向のパネル基板1に対する切断剥離用刃物3の位置を調整する調整手段として、ロードセル4および刃物取付け部材8が一体的に移動可能なように形成されている。このように、切断剥離用刃物3は、矢印34に示す鉛直方向に移動可能なように形成されている。
本実施の形態においては、剥離ユニット10は、ガラス分断ユニット12を含む。ガラス分断ユニット12は、パネル基板1に対向するように配置されたホイルカッタ13を含む。ホイルカッタ13は、円板状に形成され、回転可能なように形成されている。また、ガラス分断ユニット12は、リニアガイド19に沿って、上下方向に移動可能なように形成されている。ガラス分断ユニット12は、パネル基板1に向かってホイルカッタ13を押圧できるように形成されている。
本実施の形態における偏光板剥離装置は、切断剥離用刃物3に加わる抗力を測定するための抗力測定手段を含む。本実施の形態における抗力測定手段は、ロードセル4を含む。ロードセル4は、切断剥離用刃物3に加わる抗力のうち、パネル基板1の主表面に垂直な方向の抗力と、パネル基板1の主表面に平行な方向の抗力を測定する手段とを含む。それぞれの方向の抗力は、個別に測定可能なように形成されている。すなわち、本実施の形態におけるロードセル4は、鉛直方向の抗力と水平方向の抗力とをそれぞれ測定できるように形成されている。
本実施の形態における偏光板剥離装置は、図示しない表示部を備え、装置の稼動状況や故障状況を表示できるように形成されている。また、本実施の形態においては、管理値や測定間隔などを変更できるように形成されている。
図2に、本実施の形態における切断剥離用刃物の概略斜視図を示す。本実施の形態における切断剥離用刃物3は、偏光板の切断を行なうとともに、切断した偏光板の一部の剥離を行なうためのものである。切断剥離用刃物3は、断面形状がコの字型になるように形成されている。切断剥離用刃物3は、長手方向を有するように形成されている。切断剥離用刃物3の長手方向における端部のうち、剥離を行なう一方の端部は尖るように形成されている。
図3に、切断剥離用刃物3が固定されている部分の拡大図を示す。ロードセル4は、切断剥離用刃物3がパネル基板1に接触することにより生じる矢印33に示す向き(切断剥離用刃物がパネル基板に向かう向きと反対向き)の抗力を測定できるように形成されている。また、ロードセル4は、ステージ6が移動することにより生じる矢印32に示す向き(パネル基板が移動する向き)の抗力を測定できるように形成されている。
本実施の形態における偏光板剥離装置は、抗力測定手段によって測定されたそれぞれの抗力が、それぞれの管理値を超えているか否か判定する判定手段を備える(図示せず)。判定手段は、切断剥離用刃物3が受けるパネル基板1に垂直な方向(鉛直方向)の抗力が、垂直な方向の管理値を超えているか否か判定する手段を含む。さらに、切断剥離用刃物3が受けるパネル基板1の主表面に平行な方向(水平方向)の抗力が、該平行な方向の管理値を超えているか否かを判定する手段を含む。管理値としては、たとえば、切断剥離用刃物に対して注意を喚起するための管理値、切断剥離用刃物を交換するための管理値などが挙げられる。
本実施の形態においては、鉛直方向の管理値および水平方向の管理値は、それぞれが停止管理値を含み、2つの抗力のうち少なくとも一方が停止管理値を超えた場合に、偏光板の剥離を停止するように形成されている。本実施の形態においては、偏光板の剥離を行なっているときに停止管理値を超えた場合、行なっている偏光板の剥離が終了した後に偏光板の剥離を停止するように形成されている。
さらに、本実施の形態における偏光板剥離装置は、抗力の測定値に対して、予め規定された範囲を逸脱する測定値を除外した上で、予め規定された時間幅での測定値を平均化するように形成されている。上記の規定された範囲は、剥離を行なう偏光板の種類や、パネル基板に用いられる切断剥離用刃物などに応じて定められる。規定された範囲は、切断剥離用刃物が健全な状態の測定値および通常起こり得る摩耗や欠けが生じたときに測定される測定値をほぼ含むような範囲である。さらに、上記の規定された時間は、測定を行なう時間間隔に対応して、測定値を平均化したときに十分な信頼性を得ることができる程度に長い時間である。
図4に、本実施の形態における偏光板剥離装置の制御部の制御のフローチャートを示す。抗力の測定においては、偏光板の一部の切断と剥離とを行ないながらモニタリングを行なう。次に、測定データの処理として、定められた範囲を逸脱する測定値を除去して、定められた時間幅で平均化を行なう。
次に、得られた測定値が停止基準値を超えているか否かの判定を行なう。停止基準値を超えていない場合には、切断剥離用刃物が健全であると判定して剥離を継続する。得られた測定値が停止基準値を超えている場合には、測定値の増加が急激か否かを判定する。測定値が急激に大きくなっている場合には、表示部に切断剥離用刃物が欠けていることを表示して装置を停止する。測定値の増加傾向が緩やかである場合には、表示部に切断剥離用刃物が摩耗したことを表示して装置を停止する。
偏光板剥離装置の停止時期においては、一の帯状の偏光板の剥離が完了したところで装置を停止する。すなわち、偏光板の剥離においては、形成されている液晶表示セル同士の間(図6参照)の複数列を剥離するが、複数列のうち一の列の剥離が完了するまで剥離を継続して、上記一の列の剥離が完了したところで装置を停止する。このように本実施の形態においては、管理値が停止管理値を含み、停止管理値を超えた場合に偏光板の剥離を停止するように形成されている。
また、本実施の形態における偏光板剥離装置は、所定の時間をあけて間欠的に測定した抗力から切断剥離用刃物の交換時期を予測する予測手段を備える。たとえば、測定した抗力から近似曲線を求めて抗力の測定値の増加傾向を予測して、予測した抗力から停止管理値を超える時期を予測するように形成されている。
さらに、本実施の形態における管理値は、切断剥離用刃物を取替えた際の管理値として納入基準時を含む。すなわち、新品の切断剥離用刃物が不良品であるか否かを判定するための管理値を含む。さらに、偏光板剥離装置は、切断剥離用刃物の抗力が納入基準時を超えていた場合に偏光板の剥離を停止する手段を備える。
(作用、効果、および偏光板剥離装置の管理方法)
図6を参照して、はじめに多面取りを行なうためのパネル基板を形成する。たとえば、電極や配向膜などを形成した2枚の大型のガラス基板を、環状に形成したシール材で互いに貼りあわせる。貼り合わせの際には、予めシール材の環状の内側に液晶を滴下する。貼り合わせは真空中で行ない、ガラス基板同士の貼り合わせと液晶の封入とを同時行なう。パネル基板1には、複数の液晶表示セル14が形成される。
図6を参照して、はじめに多面取りを行なうためのパネル基板を形成する。たとえば、電極や配向膜などを形成した2枚の大型のガラス基板を、環状に形成したシール材で互いに貼りあわせる。貼り合わせの際には、予めシール材の環状の内側に液晶を滴下する。貼り合わせは真空中で行ない、ガラス基板同士の貼り合わせと液晶の封入とを同時行なう。パネル基板1には、複数の液晶表示セル14が形成される。
次に、パネル基板1の主表面に大型の偏光板2を貼り付ける。偏光板2の貼付けにおいては、複数の液晶表示セル14の全てを覆うように貼り付ける。また、パネル基板1の外周部においては、ガラス基板が露出するように偏光板2を貼り付ける。こののちに、液晶表示セル14同士の間の隙間に沿って帯状に偏光板2を剥離する。
図1を参照して、偏光板剥離装置のステージ6の主表面に偏光板2を貼り付けたパネル基板1を固定する。次に、ステージ6および刃物取付け部材8を移動して、切断剥離用刃物3をパネル基板1に接触させる。図6に示すように、パネル基板1の外周部には、偏光板2は貼り付けてられていないため、偏光板2が貼り付けられていない領域に切断剥離用刃物3を当接させる。
切断剥離用刃物3は、調整手段によってパネル基板1の表面に所定の荷重で押え付けられる。初期状態においても、ロードセル4はパネル基板1の主表面に垂直な向きに発生する抗力を検出する。図3においては、矢印33に示す向きの抗力を検出する。この抗力の検出により、偏光板剥離装置がスタンバイ状態であることが認識される。
次に、ステージ6が切断剥離用刃物3に向かって移動する。図3を参照して、ステージ6が移動することにより、矢印32に示すパネル基板1の主表面に平行な向きに抗力が生じる。また、同時に初期状態の抗力に加え、偏光板の切断と剥離とを行なっている際の鉛直方向の抗力が、矢印33に向きに生じる。これらのそれぞれの抗力は、ロードセル4によって検出される。
図5に、偏光板2の切断および剥離を行なっているときの斜視図を示す。偏光板2は、剥離線25に沿って切断されると同時に剥離される。偏光板2は、一部分が帯状に剥離される。切断剥離用刃物3は、剥離が継続されているときも、パネル基板1の主表面に向かって押圧された状態である。
図1を参照して、本実施の形態においては、ガラス分断ユニット12のホイルカッタ13がパネル基板1に向かって押圧され、偏光板2が剥離された帯状の部分のパネル基板の表面にスクライブ線が形成される。
切断剥離用刃物3の刃先が、摩耗したり欠けたりした場合には、偏光板の切れ味が悪くなって切断剥離用刃物3に加わる水平方向の抗力および垂直方向の抗力が増大する。これらの抗力は、摩耗が進行するほど、または、欠けが大きいほど大きくなる。切断剥離用刃物の摩耗は、剥離を行なうとともに徐々に進行するのに対して、切断剥離用刃物の欠けは、突発的に生じる。したがって、摩耗が進行した場合には抗力が徐々に増大して、欠けが生じた場合には不連続に急激に抗力が増大する。
図4を参照して、偏光板の切断および剥離の際に、これらの抗力を連続的または間欠的に測定して、パネル基板の主表面に垂直な方向の抗力または水平な方向の抗力のうち、少なくとも一方が、それぞれの管理値を超えている場合には、切断剥離用刃物が不良と判定して、偏光板剥離装置を停止する。切断剥離用刃物に加わる抗力が徐々に増加して、基準値を超えた場合には、刃先の摩耗であると判定して急激に抗力が増加した場合には切断剥離用刃物の刃先の欠けと判定する。
このように、本発明における偏光板剥離装置の管理方法は、切断剥離用刃物がパネル基板に接触しているときに、切断剥離用刃物に加わる抗力を測定する工程と、測定を行なった抗力が管理値を超えているか否かにより、切断剥離用刃物の健全性を判定する工程とを含む。この方法を採用することにより、目視により切断剥離用刃物の健全性を確認する必要はなく、容易に切断剥離用刃物の健全性の管理を行なうことができる。
偏光板を剥離する際には、切断剥離用刃物に突発的な荷重がかかる場合がある。このため、ある程度の周波数で得られた抗力のフィルタリングを行なうことが好ましい。たとえば、判定手段にフィルタリングを行なう機能が付加されていることが好ましい。フィルタリングによって得られる振動周波数は、刃物取付け部材の共振周波数以下になることが好ましい。たとえば、フィルタリングによって得られる振動周波数は、およそ数Hz以上数十Hz以下であることが好ましい。すなわち、上記のフィルタは、この周波数帯以外の振動成分が除去されるように形成されていることが好ましい。この構成を採用することにより、たとえば、不必要に装置を停止することを防止できる。
また、抗力の測定値に対して、規定された範囲を逸脱する測定値を除外できるように形成されていることが好ましい。この構成を採用することにより、検出される抗力のノイズ成分を除去することができ、より正確な抗力を測定することができる。
また、本実施の形態においては、規定された時間内の測定値を平均化する手段を備える。この構成を採用することにより、平均的な測定値を算出することができ、より正確に切断剥離用刃物の健全性を管理することができる。
また、本実施の形態の偏光板剥離装置は、間欠的に測定した抗力から切断剥離用刃物の交換時期を予測する予測手段を備える。この構成を採用することにより、予め交換時期を知ることができ、たとえば、交換するための切断剥離用刃物を準備しておくことができる。
さらに、本実施の形態においては、管理値は、取替え時の切断剥離用刃物に対する納入基準値を含み、切断剥離用刃物に加わる抗力が納入基準値を超えていた場合に、偏光板の剥離を停止する手段を備える。または、切断剥離用刃物の取替え時において、抗力を測定して納入基準値を超えているか否かの判定を行なう。この構成または方法を採用することにより、偏光板剥離装置を用いて切断剥離用刃物の受け入れ検査を容易に行なうことができる。
本実施の形態においては、基板の主表面に垂直な方向と基板の主表面に平行な方向との抗力をそれぞれ検出するように抗力測定手段が形成されていたが、特にこの形態に限られず、一方向の抗力が測定されるように形成されていても構わない。たとえば、本実施の形態において、切断剥離用刃物の長手方向における抗力のみを測定できるように抗力測定手段が形成されていても構わない。
また、本実施の形態においては、抗力測定手段としてロードセルが形成されているが、特にこの形態に限られず、抗力が測定できるように形成されていればよい。たとえば、ロードセルの代わりに切断剥離用刃物の取付け部に歪みゲージが配置され、切断剥離用刃物に生じる歪みによって抗力が測定されても構わない。
また、本実施の形態における鉛直方向の位置を調整する調整手段は、切断剥離用刃物が移動するように形成され、水平方向の移動手段は、ステージが移動するように形成されているが、特にこの形態に限られず、基板と切断剥離用刃物との相対的な位置が変更できるように形成されていれば構わない。たとえば、水平方向の移動手段として、固定されたステージに対して、切断剥離用刃物が水平方向に移動するように形成されていても構わない。
本実施の形態における偏光板剥離装置において、分離剥離用刃物に加わる抗力と分離剥離用刃物の状態との関係を確認する試験を行なった。剥離を行なうためのパネル基板としては、液晶が封入された多面取りを行なうためのパネル基板を準備した。図6に示すように、パネル基板の表面には複数の液晶表示セルを覆うように1枚の偏光板を一括して貼り付けた。偏光板の剥離においては、本実施の形態と同様に、パネル基板の主表面のうちガラス基板が露出している部分に切断剥離用刃物を当接させて、パネル基板を平行移動することにより帯状に偏光板を剥離した。
試験においては、未使用の切断剥離用刃物、摩耗が進行した切断剥離用刃物、および欠けが生じた切断剥離用刃物の3種類を予め準備して、偏光板の剥離を行なっているときにそれぞれの切断剥離用刃物に加わる抗力を測定した。抗力の測定においては、パネル基板の主表面に平行な方向と垂直な方向との2方向について測定を行なった。
試験においては、分離剥離用刃物のパネル基板に対する初期の荷重を1.5kgf、ステージの水平方向の移動速度を300mm/secに設定した。
表1に試験結果を示す。測定区分において、F1はパネル基板の主表面に平行な方向の抗力を示す。すなわち、F1は、ステージの進行方向の抗力を示す。また、F2は、パネル基板の主表面に対して垂直な方向に加わる抗力を示す。すなわち、F2は、鉛直方向の抗力を示す。抗力の測定は、3つのパネル基板について行なった。
表1に示す試験結果から、未使用の分離剥離用刃物に加わる水平方向の抗力F1は、すべての測定において2.1kgf以下であるのに対して、摩耗や欠けが生じている切断剥離用刃物に加わる抗力F1は、2.7kgf以上であることがわかる。したがって、切断剥離用刃物の進行方向と反対向きに加わる抗力から、切断剥離用刃物の健全性を確認することができる。
また、同様に、未使用の切断剥離用刃物に加わる鉛直方向の抗力F2は、1.7kgf以下であるのに対して、摩耗や欠けが生じた切断剥離用刃物の鉛直方向の抗力F2は、2.0kgf以上であった。鉛直方向の抗力は、切断剥離用刃物を押す力にも依存するが、切断剥離用刃物を押す力を定めることによって、パネル基板の表面に垂直な方向における抗力を測定して、切断剥離用刃物の健全性を判定することができる。
たとえば、パネル基板の主表面に平行な方向における抗力F1の停止管理値を2.6kgfに設定することにより、偏光板の欠けなどが生じる前に切断剥離用刃物を取替えることができる。または、パネル基板の主表面に垂直な方向における抗力F2の停止管理値を新品の切断剥離用刃物の測定値の1.2倍に設定することによって、適切な時期に切断剥離用刃物を取り替えることができる。
または、たとえば、納入基準値を通常の健全な状態の測定値のうち、最も高いものに設定する。表1の試験結果を参照して、パネル基板の主表面に平行な方向に対する通常の抗力F1のうち、最も大きな2.1kgfを納入基準値として設定する。この納入基準値よりも抗力F1が大きい場合には、納入した切断剥離用刃物が不良品であると判定することができる。
上記の形態においては、液晶表示パネルの偏光板の剥離を例に採りあげて説明したが、特にこの形態に限られず、偏光板の剥離を行なう装置および方法に本発明を適用することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 パネル基板、2 偏光板、3 切断剥離用刃物、4 ロードセル、6 ステージ、7 ベース部材、8 刃物取付け部材、9,19 リニアガイド、10 剥離ユニット、11 ガイドレール、12 ガラス分断ユニット、13 ホイルカッタ、14 液晶表示セル、25 剥離線、31〜34 矢印。
Claims (9)
- 基板の主表面から一部分の偏光板を剥離するための切断剥離用刃物と、
前記主表面に垂直な方向の前記基板に対する前記切断剥離用刃物の位置を調整する調整手段と、
前記主表面に平行な方向の前記基板に対する前記切断剥離用刃物の位置を変更する移動手段と、
前記切断剥離用刃物に加わる抗力を測定するための抗力測定手段と、
前記抗力が管理値を超えているか否かを判定するための判定手段と
を備える、偏光板剥離装置。 - 前記抗力測定手段は、前記切断剥離用刃物に加わる抗力のうち、前記垂直な方向の抗力を測定する手段と、
前記切断剥離用刃物に加わる抗力のうち、前記平行な方向の抗力を測定する手段と
を含み、
前記判定手段は、前記垂直な方向の前記抗力または前記平行な方向の前記抗力のうち、少なくともいずれか一方が、それぞれの管理値を超えているか否かを判定する手段を含む、請求項1に記載の偏光板剥離装置。 - 前記管理値は、停止管理値を含み、
前記停止管理値を超えた場合に、前記偏光板の剥離を停止する手段を備える、請求項1に記載の偏光板剥離装置。 - 前記抗力の測定値に対して、規定された範囲を逸脱する前記測定値を除外した上で、規定された時間幅の前記測定値を平均化する手段を備える、請求項1に記載の偏光板剥離装置。
- 間欠的に測定した前記抗力から、前記切断剥離用刃物の交換時期を予測する予測手段を備える、請求項1に記載の偏光板剥離装置。
- 前記管理値は、取替え時の前記切断剥離用刃物に対する納入基準値を含む、請求項1に記載の偏光板剥離装置。
- 前記抗力が前記納入基準値を超えていた場合に、前記偏光板の剥離を停止する手段を備える、請求項5に記載の偏光板剥離装置。
- 基板の主表面から偏光板の一部分を剥離するための切断剥離用刃物を備える偏光板剥離装置の管理方法であって、
前記切断剥離用刃物が前記基板に接触しているときに、前記切断剥離用刃物に加わる抗力を測定する工程と、
前記抗力が管理値を超えているか否かにより、前記切断剥離用刃物の健全性を判定する工程と
を含む、偏光板剥離装置の管理方法。 - 前記切断剥離用刃物の取替え時において、前記抗力を測定して前記管理値としての納入基準値を越えているか否かにより、前記切断剥離用刃物の受入れ検査を行なう、請求項8に記載の偏光板剥離装置の管理方法。
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- 2004-10-12 JP JP2004297748A patent/JP2006113124A/ja not_active Withdrawn
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