JP2006113122A - 打刻装置、点字打刻装置、および打刻制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度に依らず被打刻媒体に対して一定の打刻高さを確保することができる打刻装置、点字打刻装置、および打刻制御方法を提供することをその課題とする。
【解決手段】 打刻対象となる被打刻媒体の温度を検出する温度検出手段173と、温度検出手段の検出結果に基づき、ソレノイド47の駆動力を制御する駆動力制御手段210と、を備えたものである。
【選択図】 図8
【解決手段】 打刻対象となる被打刻媒体の温度を検出する温度検出手段173と、温度検出手段の検出結果に基づき、ソレノイド47の駆動力を制御する駆動力制御手段210と、を備えたものである。
【選択図】 図8
Description
本発明は、主として点字打刻装置に搭載する打刻装置、点字打刻装置、および打刻制御方法に関するものである。
従来、被打刻媒体に視覚障害者が認識可能な点字を打刻する点字打刻装置が知られている。この点字打刻装置は、受信した点字信号に応答して、押型駆動機構及び受型制御機構が垂直方向へ傾倒した位置のロッド及び押型の互の凹凸を係合させることにより圧着させて1ラインの打刻を行うものである。すなわち、一定の駆動力にて点字凸部を形成している。
特開平5−31965号公報
ところで、打刻対象となるテープ(被打刻媒体)を構成する材質によっては、温度によってその硬度が変化することがある。例えばテープを構成する形成層にPET(ポリエチレンテレフタレート)が含まれる場合、その材質上、テープは温度が高温になるにつれてやわらかくなり、逆に温度が低温になるにつれて硬くなる。このようなテープに対して一定の駆動力で打刻を行うと、温度が高い場合に、打刻を行う打刻ピンがやわらかくなったテープを突き破ってしまったり、逆に温度が低い場合は、テープが硬化していることにより、充分な打刻高さを得ることができない虞がある。特に点字を打刻する場合には、被打刻媒体が破れたり、打刻高さ不足が生じたりすると、点字としての点読が不可能となり致命的である。
上記の問題に鑑み、本発明は、温度に依らず被打刻媒体に対して一定の打刻高さを確保することができる打刻装置、点字打刻装置、および打刻制御方法を提供することをその課題とする。
本発明の打刻装置は、ソレノイドを駆動源として、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体に打刻を行う打刻装置であって、被打刻媒体の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出結果に基づき、ソレノイドの駆動力を制御する駆動力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の打刻制御方法は、ソレノイドを駆動源として、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体に打刻を行う打刻装置における打刻制御方法であって、被打刻媒体の温度に基づいて、ソレノイドの駆動力を制御することを特徴とする。
この構成によれば、検出した被打刻媒体の温度に基づき、ソレノイドの駆動を制御するので、温度によってその硬度が変化する材質を含む被打刻媒体に打刻を行う場合にも、被打刻媒体の硬さに応じて、打刻を行う駆動源の駆動を制御することができる。すなわち、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体であっても、温度に依らず常に一定の打刻高さを確保することができる。
この場合、温度検出手段は、被打刻媒体の温度に代えて、被打刻媒体の周囲温度を検出することが好ましい。
この構成によれば、被打刻媒体の温度に代えて、当該被打刻媒体の周囲温度を検出するので、被打刻媒体自体の温度検出が不可能な状態であっても、その周囲温度を検出することによって、被打刻媒体のおおよその温度を推定することができる。
また、この場合、温度検出手段と、ソレノイドとを離間して配設することが好ましい。
この構成によれば、連続打刻動作等によって高温になりやすいソレノイドの温度が、温度センサによって検出する温度に対して影響を及ぼす虞がない。
また、これらの場合、駆動力制御手段は、ソレノイドのON時間を一定として、ソレノイドの印加電圧値を可変することが好ましい。
この構成によれば、打刻を行うソレノイドに印加する印加電圧値を可変することによって、確実にソレノイドの駆動力の強弱を調整することが可能である。すなわち、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体に対して作用する力の調整が可能となる。従って、検出した温度に応じて印加電圧値を可変することによって、温度に依らず常に一定の打刻高さを確保することができる。
また、この場合、駆動力制御手段は、段階的に印加電圧値を可変することが好ましい。
この構成によれば、例えば高温または低温であるといった判別を行うための閾値を設け、高温であると判別した場合には、印加電圧値を下げることにより、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体に対して作用する力を弱めることができる。従って、高温で軟化している被打刻媒体を過剰な力によって突き破るといった打刻ミスを防止することができる。一方低温であると判別した場合には、印加電圧値を上げることにより、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体に対して作用する力を強めることができる。従って、低温で硬化している被打刻媒体に対して、打刻の力が不足することにより打刻高さ不足が生じるといった虞がない。なお、連続的に印加電圧値を可変するのではなく段階的に印加電圧値を可変する理由としては、例えば点字を打刻する場合、打刻した点字が点読可能である打刻高さを確保可能であれば、一定の駆動力で打刻を行ってもよいといった理由によるものである。もちろん、必要に応じて印加電圧値をより細かい単位で可変する構成でもよい。
また、これらの場合、駆動力制御手段は、ソレノイドの印加電圧値を一定として、ソレノイドのON時間を可変することによりソレノイドの駆動力を制御することが好ましい。
この構成によれば、ソレノイドのON時間を可変することによって、打刻ピン等の打刻媒体が、テープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を可変することができる。従って、温度に応じてその接触時間を可変することによって、被打刻媒体に対し、温度に依らず確実に一定の打刻高さを確保することが可能となる。また、ソレノイドのON時間を可変することから、より細かく段階を設定してソレノイドの駆動制御を行うことができる。
また、この場合、駆動力制御手段は、段階的にソレノイドのON時間を可変することが好ましい。
この構成によれば、例えば高温または低温であるといった判別を行うための閾値を設け、高温であると判別した場合には、打刻を行う駆動源のON時間を短くすることにより、打刻ピン等の打刻媒体が、テープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を短縮させることができる。すなわち、高温で軟化している被打刻媒体と過剰に接触し当該被打刻媒体を突き破るといった打刻ミスを防止することができる。一方、低温であると判別した場合には、ソレノイドのON時間を長くすることにより、打刻ピン等の打刻媒体が、テープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を延長させることができる。従って、低温で硬化している被打刻媒体に対して、接触時間が不足することにより打刻高さ不足が生じるといった虞がない。なお、細かくON時間を可変するのではなく、閾値を設けて段階的にON時間を可変する理由としては、例えば点字を打刻する場合、打刻した点字が点読可能である打刻高さを確保可能であれば、それ以上の打刻高さ精度は要求されないといった理由によるものである。もちろん、必要に応じてソレノイドのON時間をより細かい単位で可変する構成でもよい。
また、これらの場合、駆動力制御手段は、ソレノイドの印加電圧値およびON時間を可変することが好ましい。
この構成によれば、ソレノイドに印加する印加電圧値およびソレノイドのON時間を変更することによって、確実に駆動源が及ぼすソレノイドの強弱を調整することが可能であるとともに、打刻ピン等の打刻媒体が、テープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を調整することができる。すなわち、検出した温度に応じて印加電圧値およびON時間を変更することによって、より詳細に駆動制御を行うことができる。言い換えれば、駆動制御の精度を高めることができる。従って、非打刻媒体に対して、温度に依らず確実に常に一定の打刻高さを確保することが可能となる。また、印加電圧値およびON時間の双方を変更するか、若しくはどちらか一方のみを変更するといった選択を可能にして制御を実現する構成でもよい。
また、この場合、駆動力制御手段は、段階的にソレノイドの印加電圧値およびON時間を可変することが好ましい。
この構成によれば、例えば高温または低温であるといった判別を行うための閾値を設け、高温であると判別した場合には、ソレノイドに印加する印加電圧値を下げるとともに、ソレノイドのON時間を短くすることにより、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体に対して作用する力を弱めるとともに、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を短縮させることができる。すなわち、高温で軟化している被打刻媒体を突き破るといった打刻ミスを確実に防止することができる。一方、低温であると判別した場合には、ソレノイドに印加する印加電圧値を上げるとともに、ソレノイドのON時間を長くすることにより、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体に対して作用する力を強めるとともに、打刻ピン等の打刻媒体がテープ等の被打刻媒体と接触状態にある時間を延長させることができる。すなわち、低温で硬化している被打刻媒体に対して、接触時間が不足することにより打刻高さ不足が生じるといった事態を確実に防止することができる。
さらに、これらの場合、被打刻媒体は、ポリエチレンテレフタレートを材質とする形成層が含まれていることが好ましい。
この構成によれば、被打刻媒体に、ポリエチレンテレフタレートを材質とする形成層が含まれる場合でも、確実に被打刻媒体に対して一定の打刻高さを確保することができる。
本発明の点字打刻装置は、テープを被打刻媒体として点字打刻を行う点字打刻装置であって、入力した文字情報に基づき点字打刻データを生成する点字打刻データ生成手段と、点字打刻データの打刻を行う上記のいずれか1に記載の打刻装置と、点字マスのマス間ピッチでテープ間欠送りを行うテープ送り手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、被打刻媒体となるテープを点字1マスのマス間ピッチで間欠送りをしながら点字打刻を行う点字打刻装置において、検出した被打刻媒体の温度に基づきソレノイドの駆動を制御するので、温度によってその硬度が変化する材質を含む被打刻媒体に打刻を行う場合にも、被打刻媒体の硬さに応じて、打刻を行う駆動源の駆動を制御することができる。すなわち、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体であっても、温度に依らず常に一定の打刻高さを確保することが可能であり、打刻した点字が点読不可能であるといった致命的な打刻ミスの抑制にもつながる。
以下、本発明の一実施形態に係る打刻装置等について、墨字印刷と点字打刻との両方を実行可能であり、晴眼者と視覚障害者の両者が認識可能な点字ラベルを作成するためのラベル作成装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、ラベル作成装置1の閉蓋状態の外観斜視図であり、図2は、ラベル作成装置1の開蓋状態の外観斜視図である。両図に示すようにラベル作成装置1は、装置ケース2により外郭が形成され、当該装置ケース2の前部上面には各種入力キーを備えたキーボード3が配置されるとともに、後部上面には開閉蓋4が取り付けられている。また当該開閉蓋4の表側には、その中央部にディスプレイ5が配設されている。
また、開閉蓋4の内部には、その左部に位置してテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部6(墨字印刷部120)が窪入形成されており、テープカートリッジCは、蓋体開放ボタン7の押下により開閉蓋4が開放された状態で着脱自在に装着される。また、開閉蓋4にはこれを閉止した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓4aが形成されている。
また、装置ケース2の後部上面右部には、墨字印刷部120から排出された印刷/切断済のテープTすなわちラベルを手差し挿入する(ユーザがラベルを指先で把持し点字打刻部150に挿入する)打刻テープ挿入部31、および点字打刻されたテープTが後方に排出される打刻テープ排出部32がそれぞれ形成しており、打刻テープ挿入部31と打刻テープ排出部32との間に点字打刻部150の主装置が内蔵している。
さらに、装置ケース2右側部には、電源供給のための電源供給口9と、パーソナルコンピュータ等の外部装置(図示省略)と接続するための接続口10(インタフェース)が設けられており、当該接続口10に外部装置を接続することで、外部装置によって生成された文字情報に基づいて墨字印刷や点字打刻を行い得るようになっている。
一方、装置ケース2の左側部には、カートリッジ装着部6と装置外部とを連通する印刷テープ排出口11が形成され、この印刷テープ排出口11には、モータ駆動(カッタモータ141、図8参照)でハサミ形式のテープカッタ12が臨んでいる。そして、印刷テープ排出口11から、墨字印刷が行われたテープTが送り出される際に、テープTがテープカッタ12により切断され排出される。
キーボード3は、種々の指定およびデータを後述する制御部200に入力するものであって、入力キーには、アルファベットキー群、記号キー群、数字キー群、仮名キー群を含む文字キー群3aの他、各種の動作を指定するための機能キー群3b等が配列されている。機能キー群3bには、電源キーを始め、テキスト入力時のデータ確定や改行、選択画面における各種モードの選択指示のための選択キー、各種入力を取りけるための取り消しキー、各キーの役割変更などに用いられるシフトキー、カーソル移動やディスプレイ5の表示範囲を移動させるための4個のカーソルキー、印刷/打刻動作を開始するための印刷/打刻キー等が設けられている。
ディスプレイ5は、横方向(X方向)約12cm×縦方向(Y方向)5cmの長方形の形状の内側に、192ドット×80ドットの表示画像データを表示可能であり、ユーザがキーボード3から文字情報を入力して、墨字印刷を行うための墨字データや、点字打刻を行うための点字データを作成・編集する際に用いられる。また、各種エラーやメッセージ(指示内容)を表示し、ユーザに報知する。
カートリッジ装着部6には、ヘッドカバー13内にサーマルヘッドから成る印刷ヘッド14が内蔵されたヘッドユニット15と、印刷ヘッド14に対峙するプラテン駆動軸(図示省略)と、後述のインクリボンRを巻き取る巻き取り駆動軸(図示省略)と、後述のテープリール18の位置決め突起19と、を備えている。また、カートリッジ装着部6の下側には、プラテン駆動軸(図示省略)および巻き取り駆動軸(図示省略)を回転させる印刷送りモータ121(図8参照)および動力伝達機構(図示省略)が内蔵されている。
テープカートリッジCは、カートリッジケース20内部の上部中央部に、一定の幅のテープTを巻回したテープリール18と、右下部にインクリボンRを巻回したリボンリール21とを収容して構成されており、テープTとインクリボンRは同じ幅で構成されている。また、テープリール18の左下部には上記ヘッドユニット15を覆うヘッドカバー13に差し込むための貫通孔22が形成しており、テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して、上記プラテン駆動軸に嵌合されて回転駆動するプラテンローラ23が配置されている。一方、上記リボンリール21に近接してリボン巻き取りリール24が配置され、リボンリール21から繰り出されたインクリボンRは、ヘッドカバー13を周回するように配置されたリボン巻き取りリール24に巻き取られるようになっている。
テープカートリッジCがカートリッジ装着部6に装着されると、ヘッドカバー13に貫通孔22が、位置決め突起19にテープリール18の中心孔が、巻き取り駆動軸(図示省略)にリボン巻き取りリール24の中心孔がそれぞれ差し込まれ、テープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド14がプラテンローラ23に当接して墨字印刷が可能になる。そして、入力した文字情報に基づき墨字データの印刷を行った後、墨字印刷後のテープTは、印刷テープ排出口11に送られる。
テープTは、テープ種別(テープ幅、テープ色、墨字インク色、テープ材質など)が異なる複数種のものが用意されており、この種別を指標する複数の被検出孔(図示省略)がカートリッジケース20の裏面に設けられている。また、複数の被検出孔に対応してカートリッジ装着部6には、これらを検出するテープ識別センサ(マイクロスイッチ)171(図8参照)が複数設けられており、このテープ識別センサ171により、テープ種別(材質を含む)を判別し、テープ情報としてテープ情報ブロック235(図8参照)に格納される。
一方、装置ケース2後部上面右部には、点字打刻部150として、その内部に主構成装置を装置フレーム65(図3参照)に組み込んだ、点字打刻アッセンブリが組み込まれている。図3に示すように、点字打刻部アッセンブリは、3個の打刻ピン41(図4(b)参照)により点字打刻を行う打刻ユニット80と、打刻テープ挿入部31に挿入されたテープTを打刻テープ排出部32に向けて送るテープ送り機構60と、打刻テープ挿入部31から打刻テープ排出部32に至るテープ走行路70とを有し、テープ送り機構60の駆動によりテープ走行路70に沿って送られていくテープTに対し、打刻ユニット80により3個の打刻ピン41を選択的に駆動することで点字が形成されるようになっている。
また、テープ走行路70、テープ送り機構60および打刻ユニット80は、外部からの異物の侵入を防止するべく、透光性の打刻部カバー30(図1または2参照)の内部に配設されている。打刻部カバー30は、テープ走行路70等の上方を封止する上面カバー30aと、打刻テープ挿入部31側の前面カバー30bと、打刻テープ排出部32側の後面カバー(図示省略)とから構成されている。前面カバー30bには打刻テープ挿入口(図示省略)が開口形成されている。打刻テープ挿入部口は、その高さおよび幅をテープTの厚さおよび幅広のテープTの幅(24mm)にそれぞれ対応させて形成されている。なお、後面カバーにも打刻テープ挿入口と略同一形状の打刻テープ排出口が開口している。
また、打刻テープ挿入部31および打刻テープ排出部32は、テープ走行路70に向かって下り傾斜となるようにそれぞれ窪入形成されている。そして、打刻テープ挿入部31には、2種のテープTの幅(12mmおよび24mm)に応じて、テープ送り方向に直交する方向(テープ幅方向)にスライド自在に幅切替え可能な手差しガイド8が設けられている。ユーザはこの手差しガイド8を案内にして、印刷面を上方に向けたテープTを点字打刻挿入部31に挿入する。
また、打刻テープ挿入部31近傍に位置して、テープ走行路70にはテープTの温度を検出する温度検出センサ173(図8参照)が設けられており、この温度検出センサ173によって検出した温度に基づいて打刻の制御が行われる(詳細については後述する)。なお、テープ走行路70に温度検出センサを配設することが困難な場合には、装置ケース2内部の任意の位置に温度検出センサ173を設け、テープTの温度に代えてテープTの周囲温度を検出してもよい。但し、温度検出センサ173は、動作中に高温になりやすいソレノイド47(詳細は後述する)の温度の影響を受けないようソレノイド47とは離間して配設することが好ましく、従って周囲温度を検出する場合には、温度検出センサ173をその検出端を外部に露出させるようにして装置ケース前部に収容することが好ましい。
図3に示すように、テープ送り機構60は、正逆回転可能な送りローラ61と、送りローラ61を装置フレーム65に回転自在に支持する支持部材62と、図示しない動力伝達機構を介して送りローラ61を回転させる打刻送りモータ151とで構成されている。送りローラ61は、駆動ローラ(図示省略)および従動ローラ61aから成るグリップローラで構成されており、従動ローラ61aは、形成された点字を押し潰すことが無いよう、テープ走行路70の幅方向における上下3カ所ずつ(縦3個の打刻ポイント301a、301b、301c(図5(a))に相当する位置)に環状溝(図示省略)が形成されている。
次に、図4を参照し、打刻ユニット80の構成について説明する。同図(a)は打刻ユニット80を図3における上側から見た平面図であり、同図(b)は打刻ユニット80の断面図である。同図(a)は、墨字印刷後のテープT(テープ幅12mm)が、打刻テープ挿入部31から手差し挿入によりテープ走行路70に送り込まれ、打刻テープ排出部32に向かってテープTが送られていく状態を示したものである。
両図に示すとおり、打刻ユニット80は、テープTの裏面側に配設されると共にガイドブロックに上記3個の打刻ピン41を組み込んだ打刻部材81(打刻ヘッド)と、テープTを挟んで打刻部材(打刻ピン41)81と対向する位置に設けられた打刻受け部材82と、を備えている。
打刻部材81は、テープ幅方向(同図(a)における上下方向)に沿って、2.4mmの間隔で配列された3個の打刻ピン41を備えており、6個の打刻ポイント301(図5参照)のうち縦3個の打刻ポイント301に対応していると共に、後述するソレノイド47を駆動源とした直線運動をガイドするガイド部材45によって、テープTに対し垂直に保持されている。打刻ピン41の頭部41aは、打刻した打刻凸部302の形状が角の丸まった円筒形となるように、角の丸まった円筒形に形成されている。
また、打刻ピン41の尾部には、アーム部材46の一端が半固定的に接続している。このアーム部材46には、その他端にソレノイド47のプランジャー48の先端部が回動可能に接続していると共に、その中間部を回動自在に支持する支持部材49が設けられている。そして、このソレノイド47のプランジャー48は、テープTに対して垂直方向に直線運動をするように、プランジャー48と上記の打刻ピン41とは平行に配設されている。従って、ソレノイド47によりプランジャー48が直線運動を行うと、アーム部材46が支持部材49を支点として回動し、打刻ピン41がテープTに対し垂直方向に直線運動を行う。
なお、3個の打刻ピン41にそれぞれ接続された3個のアーム部材46は、上下両端に位置するアーム部材46がそれぞれテープ幅方向に離反するように(上下方向に)延在し、中間に位置するアーム部材46がテープT送り方向に沿って延在している。すなわち、3個のアーム部材46に打刻ピン41の位置から三方に延在し、その結果それぞれ接続された3個のソレノイド47は、三角形を為すように配設されている。
一方、打刻受け部材82は、3個の打刻ピン41と対向する面42aに、3個の打刻ピン41に対応する3個の打刻受け凹部43が形成されており、これら打刻受け凹部43は、打刻ピン41の頭部形状に合わせ、角の丸まった凹型の円筒形となっている。
打刻ユニット80は、この打刻ピン41と打刻受け部材82とにより、テープTに打刻凸部302(図5参照)を形成する。すなわち、入力された文字情報に基づいて生成された点字データに基づいてソレノイド47が励磁し、プランジャーが吸引されると、打刻ピン41がガイド部材45に案内されてテープTに対して垂直方向に進み、テープTを挟んで対応する打刻受け凹部43に突き当たり、テープTに打刻凸部302を打刻する。
次に、図5を参照し、テープT上に形成される点字B(6点点字B)について説明する。同図(a)は、文字情報「し」を表す点字(点字データ)Bを示す図である。同図に示すように、6点点字Bは、縦3個×横2個の6個の点(打刻ドット)で1マス300が構成され、1マス300で、1文字または濁点等の属性が表現される。なお、点字Bには、仮名文字や数字等を表す6点点字の他、縦4個×横2個の8個のビットパターンの点で漢字を表す8点点字も使用されている。本実施形態のラベル装置1は、6点点字を打刻するものであるが、もちろん8点点字を打刻可能な構成であってもよい。
6点点字Bは、1マス300が縦3個×横2個の配置パターンで6個の打刻ポイント301a〜301fに分割されており、同図の「し」では、6個の打刻ポイント301a〜301fのうち4個の打刻ポイント301a,301b,301e,301fが選択的に打刻されて、テープT上に4個の打刻凸部302a,302b,302e,302fが形成されている。また、6個の打刻凸部302は、縦方向のピッチが略2.4mm、横方向のピッチが略2.1mm、隣接マスの点までの(マス間)ピッチは略3.3mmとなっている。
同図(b)は、打刻凸部302の断面形状である。同図に示すように、打刻凸部302の形状は、角の丸まった円筒形である。なお、打刻凸部302の形状は、角の丸まった円筒形のものが良い(触感が良く好ましい)とされているが、他の形状、例えば半球形、円錐形、四角錐形等であってもよい。
また、本実施形態の点字打刻部150は、打刻ユニット80として相互に交換可能な2種類のユニットが用意されており、一方は小形の小打刻凸部303を形成し、他方は大形の大打刻凸部304を形成する。小打刻凸部303は、円筒の直径が略1.4mm、高さが略0.4mmであり、大打刻凸部304は、円筒の直径が略1.8mm、高さが略0.5mmである。大小2種類の打刻凸部303,304は、その用途によって使い分けられるものであり、例えば、小打刻凸部303が点字Bの読み取りに慣れた者(先天盲者)向けであって、大打刻凸部304が初心者(中途失明者)向けである。
続いて、図6を参照し、ソレノイド47の構成について説明する。本実施形態のソレノイド47は、固定ねじにより装置フレーム片65a(図3参照)に螺着されることで点字打刻部150に組みつけられるようになっており、外郭を構成する外部ケース88と、外部ケース88内部に配置する略円筒形の内部ケース89と、内部ケース89の内周面に沿って配設されコイル84を巻回したコア(固定鉄芯)85と、コア85に遊挿され一端を内部ケース89の上面から露出させたプランジャー(可動鉄芯)48と、を有するプル型のものである。
動作原理について簡単に説明すると、ソレノイド47は、電源回路91および電圧可変回路92を介してコイル84に電流が流れることにより、コア85とブランジャー48の互いに向き合った面がそれぞれN極とS極になって吸引力が生じる。その結果、矢印方向に力を発生し、プランジャー48が下向き垂直方向に移動することで打刻ピン41が上向き垂直方向に突出する(図4(b)参照)。電流を遮断すると、内部または外部の戻しばね(図示省略)の力で元の位置に戻り、プランジャー48が上向きに移動することで打刻ピン41が下降する。すなわち、ソレノイド47の励磁に伴ってプランジャー48がコア85に吸引されると共に、消磁に伴って戻しばねにより元の位置に戻るようになっている。
また、電圧可変回路92では、制御部200によるトランジスタ(図示省略)のスイッチング制御によって付加抵抗値を可変させ、電源回路91からソレノイド47への供給電流を変化させることによって、ソレノイド47への印加電圧値を必要に応じて数段階に設定することが可能である。
次に、図7を参照し、点字打刻部150により墨字「し」を表す点字B(図4参照)を打刻する一連の動作について説明する。なお、同図では、打刻ピン41に接続されたアーム部材46、プランジャー48およびソレノイド47を省略して示す。墨字印刷・切断済のラベルが打刻テープ挿入部31から手差し挿入されると、まず、事前に設定された点字打刻開始位置が3個の打刻ピン41に臨む位置までテープTが送られる(同図(a)参照)。
続いて、3個の打刻ピン41のうち上側と中間の2個の打刻ピン41が、裏面から6個の打刻ポイント301a〜301fのうち2個の打刻ポイント301a、301bにおいて、1ポイントずつテープTを打刻し、表面に2個の打刻凸部302a、302bを形成する(同図(b)参照)。次に、テープTが略2.1mm送られた後、3個の打刻ピン41のうち中間と下側の2個の打刻ピン41が、同様に2個の打刻ポイント301e、301fにおいて1ポイントずつテープTを打刻し、表面に2個の打刻凸部302e、302fを形成する(同図(c)参照)。こうして、墨字「し」を表す点字Bが打刻される。
さらに、図8を参照し、ラベル作成装置1の制御構成について説明する。ラベル作成装置1は、ユーザインタフェースを司る操作部110と、墨字印刷を行う墨字印刷部120と、テープTを所定長さとなるように切断する切断部140と、点字打刻を行う点字打刻部150と、各種検出を行う検出部170と、各部を駆動する駆動部180と、各部と接続され、ラベル作成装置1全体を制御する制御部200とによって構成されている。
操作部110は、キーボード3およびディスプレイ5を有し、ユーザによる文字情報の入力や各種情報の表示などを行う。また墨字印刷部120は、テープカートリッジC、印刷ヘッド14および印刷送りモータ121を有し、テープTおよびインクリボンRを搬送しながらテープT上に墨字文字情報に基づく墨字データを印刷する。さらに、切断部140はテープカッタ12、およびこれを駆動するカッタモータ141を有し、テープTを所定長さとなるように切断する。また、点字打刻部150は、ソレノイド47、打刻ピン41および打刻送りモータ151を備え、テープTを搬送しながら、生成した点字打刻データに基づく点字データをテープT上に打刻する。
検出部170は、テープT(テープカートリッジC)の種別(材質を含む)を検出するテープ識別センサ171、点字打刻部150においてテープTの先端を検出する先端検出センサ172、テープTの温度を検出する温度検出センサ173、印刷送りモータ121の回転速度を検出する印刷部エンコーダ174、打刻送りモータ151の回転速度を検出する打刻部エンコーダ175を有し各種検出を行う。
駆動部180は、ディスプレイドライバ181、ヘッドドライバ182、印刷送りモータドライバ183、およびカッタモータドライバ184に加え、点字打刻部150内のソレノイド47および打刻ピン41を駆動する打刻ドライバ185、点字打刻部150内の打刻送りモータ151を駆動する打刻送りモータドライバ186をさらに有し、各部を駆動する。
制御部200は、CPU210、ROM220、RAM230および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)250を備え、互いに内部バス260により接続されている。ROM220は、墨字印刷処理や点字打刻処理等の各種処理をCPU210で制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック221と、墨字印刷を行うための文字フォントデータ並びに点字打刻を行うための点字フォントデータ、点字データの打刻制御のための制御データ等を記憶する制御データブロック222とを有している。
この制御データには、温度別に、被打刻媒体の種類と、打刻回数、ソレノイド47の印加電圧値およびON時間のうち何れかを関連付けたテーブル400(図11参照)が含まれている。なお、文字フォントデータは、ROM220内ではなく、CG−ROMを別個に備えても良い。
RAM230は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック231の他、生成された墨字印刷データを記憶する墨字印刷データブロック232と、生成された点字打刻データを記憶する点字打刻データブロック233と、ディスプレイ5に表示するための表示データを記憶する表示データブロック234と、検出したテープ情報を格納するテープ情報ブロック235を有し、制御処理のための作業領域として使用される。また、RAM230は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
IOC250には、CPU210の機能を補うと共に各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC250は、キーボード3からの入力データや制御データをそのまま或いは加工して内部バス260に取り込むと共に、CPU210と連動して、CPU210から内部バス260に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して駆動部180に出力する。
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、IOC250を介してラベル作成装置1内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいてRAM230内の各種データを処理し、IOC250を介してラベル作成装置1内の各部に各種信号・データを出力することにより、墨字印刷処理および点字打刻処理の制御を行う。
例えば、CPU210は、ユーザによりキーボード3を介して文字情報が入力されると、入力した文字情報に基づいて墨字印刷データを生成し、墨字印刷データブロック232に一時的に記憶する。また、キーボード3を介し印刷/打刻指示を取得すると、点字打刻データを生成し、点字打刻データブロック233に一時的に記憶すると共に、印刷送りモータ121の駆動を開始し、印刷部エンコーダ174の検出結果に応じて印刷ヘッド14を駆動することにより、墨字印刷データブロック232内の墨字データに基づいて墨字印刷を行う。その後、墨字印刷データに基づく所定長さのテープ送りを行った後、テープカッタ12によりテープ後端部を切断し印刷テープ排出口11から印刷済テープTを排出する。
さらに、ユーザによりテープTが打刻テープ挿入部31から挿入されると、CPU210は、温度検出センサ173によって検出した温度に基づいて、打刻ユニット80およびテープ送り機構60を駆動することにより、点字打刻部150において、点字打刻データに基づき点字打刻が行われる。点字打刻が終了すると、打刻送りモータ151の駆動によりテープ送りを行い、打刻テープ排出部32から打刻済テープTを排出する。
ここで、点字打刻対象となるテープTに例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を材質とする形成層が含まれる場合の、温度に応じたその硬度(靭性)の変化について図9を参照して説明する。図9は、温度とテープTの引張強度(N/cm)との関係を示したグラフである。同図に示すように、温度が25℃におけるテープTの引張強度が19(N/cm)であるのに対し、60℃においては、引張強度が7(N/cm)とり、高温となるにつれてテープTが軟化することが判別できる。一方、温度が−30℃になると、テープTの引張強度は30(N/cm)となり、低温になるにつれて、テープTの硬度が増していくことがわかる。このように、温度によってその硬度(靭性)が変化する被打刻媒体に打刻を行う場合には、温度に応じて打刻の力を制御する必要がある。
従って、本実施形態のラベル作成装置1(CPU210)は点字打刻を行う場合、テープTの温度に応じて打刻回数若しくはソレノイド47の駆動力を制御する。さらに、本実施形態のラベル作成装置1は、テープTの種別(温度による硬度変化の変化率の種別)に応じて、打刻回数若しくはソレノイド47の駆動力制御を行う。以下、PET(ポリエチレンテレフタレート)を材質とする形成層が含まれるテープTの種別を仮に「A」とし、ラベル作成装置1における打刻回数およびソレノイド47の駆動力制御について詳細に説明する。
まず、テープTの温度に応じて打刻回数を設定する構成を第1実施形態として図10および図11(a)を参照して説明する。図10は、テープTが打刻挿入部31に挿入されてから実際に打刻が行われるまでのラベル作成装置1(CPU210)による制御を表すフローチャートであり、図11(a)は、ラベル作成装置1に記憶された、温度別にテープTの種別と打刻回数とを関連付けたテーブル400を示している。
図10に示すように、まずユーザによって打刻挿入部31から墨字印刷・切断済テープTが挿入されると(S01)、温度検出センサ173によって温度を検出する(S02)。次に、テープ情報ブロック235に記憶したテープ情報を参照し、ラベル作成装置1に装着されているテープカートリッジC(テープT)の種別を判別する(S03)。そして、検出した温度およびテープ種別に基づき、図11(a)に示すテーブル400を参照し(S04)、打刻回数を設定する(S05)。その後、設定した打刻回数に基づき、点字打刻部150を制御することによって点字打刻を実行する(S06)。
例えば、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当する場合、温度検出センサ173によって検出した温度が15℃未満であると、CPU210は図11(a)に示すテーブル400に基づき同一の打刻ポイントに対する打刻回数を2回に設定する。一方、検出した温度が15℃以上であると、CPU210は打刻回数を1回に設定する。なお、同一の打刻ポイントに対する打刻回数を2回(複数回)に設定する場合、1回目の打刻における打刻ピン41の直線運動終了直後に2回目の打刻を開始する構成にしてもよい。これにより、打刻回数の増加に伴う処理時間の延長を最小限に止めることができる。
次に、テープTの温度に応じてソレノイド47の印加電圧値を可変する構成を第2実施形態として図12および図11(b)を参照して説明する。図12は、テープTが打刻挿入部31に挿入されてから実際に打刻が行われるまでのラベル作成装置1(CPU210)による制御を表すフローチャートであり、図11(b)は、ラベル作成装置1に記憶された、温度別にテープTの種別とソレノイド47の印加電圧値とを関連付けたテーブル400を示している。
図12に示すように、まずユーザによって打刻挿入部31から墨字印刷・切断済テープTが挿入されると(S01)、温度検出センサ173によって温度を検出する(S02)。次に、テープ情報ブロック235に記憶したテープ情報を参照し、ラベル作成装置1に装着されているテープカートリッジC(テープT)の種別を判別する(S03)。そして、検出した温度およびテープ種別に基づき、図11(b)に示すテーブル400を参照し(S04)、ソレノイド47の印加電圧値を設定する(S05)。その後、点字打刻部150を制御することによって点字打刻を実行する(S06)。
例えば、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するとき、温度検出センサ173によって検出した温度が30℃以上である場合、CPU210は図11(b)に示すテーブル400に基づきソレノイド47の印加電圧値を9Vに設定する。また、検出した温度が15℃以上30℃未満であるとき、CPU210はソレノイド47の印加電圧値を11Vに設定する。さらに、温度検出センサ173によって検出した温度が15℃未満である場合、CPU210はソレノイド47の印加電圧値を15Vに設定する。
図13は、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するときの、温度別のソレノイド47の電圧波形を示している。同図に示すように、高温になるにつれて軟化する(靭性が低くなる)とともに低温になるにつれて硬化する(靭性が高くなる)性質を持つテープTに対し、高温のときは印加電圧値を下げ、逆に低温のときは印加電圧値を上げることによって、温度によらず常に一定の打刻高さを確保することができる。なお、ソレノイド47のコイル84発熱防止等のため、印加電圧値を上げることが好ましくない場合には、打刻回数と印加電圧値との双方を組み合わせて可変させる制御を行ってもよい。
さらに、テープTの温度に応じてソレノイド47のON時間を可変する構成を第3実施形態として図14および図11(c)を参照して説明する。図14は、テープTが打刻挿入部31に挿入されてから実際に打刻が行われるまでのラベル作成装置1(CPU210)による制御を表すフローチャートであり、図11(c)は、ラベル作成装置1に記憶された、温度別にテープTの種別とソレノイド47のON時間とを関連付けたテーブル400を示している。
図14に示すように、まずユーザによって打刻挿入部31から墨字印刷・切断済テープTが挿入されると(S01)、温度検出センサ173によって温度を検出する(S02)。次に、テープ情報ブロック235に記憶したテープ情報を参照し、ラベル作成装置1に装着されているテープカートリッジC(テープT)の種別を判別する(S03)。そして、検出した温度およびテープ種別に基づき、図11(c)に示すテーブル400を参照し(S04)、ソレノイド47のON時間を設定する(S05)。その後、点字打刻部150を制御することによって点字打刻を実行する(S06)。
例えば、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するとき、温度検出センサ173によって検出した温度が30℃以上である場合、CPU210は図11(c)に示すテーブル400に基づきソレノイド47のON時間を40msecに設定する。また、検出した温度が15℃以上30℃未満であるとき、CPU210はソレノイド47のON時間を80msecに設定する。さらに、温度検出センサ173によって検出した温度が15℃未満である場合、CPU210はソレノイド47のON時間を160msecに設定する。
図15は、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するときの、温度別のソレノイド47の電圧波形を示している。同図に示すように、高温になるにつれて軟化する(靭性が低くなる)とともに低温になるにつれて硬化する(靭性が高くなる)性質を持つテープTに対し、高温のときはソレノイド47のON時間を短縮し、逆に低温のときはON時間を延長することによって、温度によらず常に一定の打刻高さを確保することができる。なお、同図(1′)に示すように、30℃以上の時のようにON時間を延長させる場合、ON時間とOFF時間とを組み合わせて細かく波形を形成してもよい。すなわち、ソレノイド47の消磁によって打刻ピン41がテープTから離れようとする時間よりも短い時間をOFF時間とし、ON時間とOFF時間とを組み合わせて形成することによって、結果的に160msec間打刻ピン41はテープTに接触し続けることになる。このようにON時間とOFF時間を組み合わせて細かく波形を形成することで、ON時間を延長させる制御を行う場合にもソレノイド47へ供給する電力を節約することが可能となる。
また、CPU210は、ソレノイド47のON時間の設定に応じてテープ停止時間を設定し、打刻送りモータドライバ186を制御する。なお、ソレノイド47のON時間+OFF時間を1周期としたとき、ON時間の延長/短縮に伴い、ソレノイド47のOFF時間を短縮/延長させて周期時間を固定させる構成でもよいし、ON時間の延長/短縮に拘わらずOFF時間を固定させて周期時間を可変させる構成でもよい。周期時間を固定させる構成の場合、テープ停止時間に影響を及ぼすことがないので、テープ送り制御が容易となる。一方OFF時間を固定させる構成の場合、ソレノイド47のON時間を短くすることで打刻処理全体に係る処理時間を短縮させることができる。
このように、ソレノイド47のON時間を制御することによってより細かい駆動力の制御が可能となる。従って、本実施形態のラベル作成装置1のように、点字すなわち矮小な打刻凸部を形成する際には特に有効な制御である。
さらに、テープTの温度に応じてソレノイド47の印加電圧値およびON時間を可変する構成を第4実施形態として説明する。
図16に示すように、まずユーザによって打刻挿入部31から墨字印刷・切断済テープTが挿入されると(S01)、温度検出センサ173によって温度を検出する(S02)。次に、テープ情報ブロック235に記憶したテープ情報を参照し、ラベル作成装置1に装着されているテープカートリッジC(テープT)の種別を判別する(S03)。そして、検出した温度およびテープ種別に基づき、図11(d)に示すテーブル400を参照し(S04)、ソレノイド47の印加電圧値およびON時間を設定する(S05)。その後、点字打刻部150を制御することによって点字打刻を実行する(S06)。
図16に示すように、まずユーザによって打刻挿入部31から墨字印刷・切断済テープTが挿入されると(S01)、温度検出センサ173によって温度を検出する(S02)。次に、テープ情報ブロック235に記憶したテープ情報を参照し、ラベル作成装置1に装着されているテープカートリッジC(テープT)の種別を判別する(S03)。そして、検出した温度およびテープ種別に基づき、図11(d)に示すテーブル400を参照し(S04)、ソレノイド47の印加電圧値およびON時間を設定する(S05)。その後、点字打刻部150を制御することによって点字打刻を実行する(S06)。
例えば、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するとき、温度検出センサ173によって検出した温度が30℃以上である場合、CPU210は図11(d)に示すテーブル400に基づきソレノイド47の印加電圧値を9Vに設定するとともにON時間を20msecに設定する。また、検出した温度が15℃以上30℃未満であるとき、CPU210はソレノイド47の印加電圧値を11Vに設定するとともにON時間を40msecに設定する。さらに、温度検出センサ173によって検出した温度が15℃未満である場合、CPU210はソレノイド47の印加電圧値を15Vに設定するとともにON時間を80msecに設定する。
図17は、装着されたテープカートリッジ(テープT)の種別が「A」に該当するときの、温度別のソレノイド47の電圧波形を示している。同図に示すように、高温になるにつれて軟化する(靭性が低くなる)とともに低温になるにつれて硬化する(靭性が高くなる)性質を持つテープTに対し、高温のときはソレノイド47の印加電圧値を下げるとともにON時間を短縮し、逆に低温のときは印加電圧値を上げるとともにON時間を延長させることによって、確実に温度によらず常に一定の打刻高さを確保することができる。また、ソレノイド47の性質上、極度に印加電圧値を上げたりON時間を長くするといった制御を行うと、コイル84の発熱や焼損の危険性が生じるが、印加電圧値およびON時間を組み合わせて制御することによって、ソレノイド47の定格出力範囲内で効果的な制御を行うことが可能となる。
また、第4実施形態の構成に加え、さらに打刻回数を組み合わせて打刻を制御する構成でもよい。これにより、さらに確実に温度およびテープTの種別に応じた打刻の制御が可能となる。
なお、本実施形態では、CPU210による打刻制御において、打刻回数、ソレノイド47の印加電圧値およびON時間を、高温または低温であると判別するための閾値を設け段階的に可変する構成にしているが、これは本実施形態のラベル作成装置1が点字を打刻するという仕様上、点読可能である打刻高さを確保可能であれば、それ以上の打刻高さ精度は要求されないといった理由によるものである。当然のことながら、検出した温度に対応して打刻回数、ソレノイド47の印加電圧値およびON時間を、例えば0.1℃といった細かい単位で可変させる構成でもよい。
さらに、本実施形態では、本発明の打刻装置等をラベル作成装置に適用したものを示したが、例えばエンボス等を形成する他の打刻装置に適用してもよい。
1 ラベル作成装置 4 打刻ピン 47 ソレノイド
48 プランジャー 80 打刻ユニット 92 電圧可変回路
173 温度検出センサ 200 制御部 210 CPU
235 テープ情報ブロック 300 点字マス 301 打刻ポイント
302 打刻凸部 400 テーブル T テープ
B 点字
48 プランジャー 80 打刻ユニット 92 電圧可変回路
173 温度検出センサ 200 制御部 210 CPU
235 テープ情報ブロック 300 点字マス 301 打刻ポイント
302 打刻凸部 400 テーブル T テープ
B 点字
Claims (12)
- ソレノイドを駆動源として、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体に打刻を行う打刻装置であって、
前記被打刻媒体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づき、前記ソレノイドの駆動力を制御する駆動力制御手段と、を備えたことを特徴とする打刻装置。 - 前記温度検出手段は、前記被打刻媒体の温度に代えて、当該被打刻媒体の周囲温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の打刻装置。
- 前記温度検出手段と、前記ソレノイドとを離間して配設することを特徴とする請求項1または2に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、前記ソレノイドのON時間を一定として、前記ソレノイドの印加電圧値を可変することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、段階的に前記印加電圧値を可変することを特徴とする請求項4に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、前記ソレノイドの印加電圧値を一定として、前記ソレノイドのON時間を可変することにより前記ソレノイドの駆動力を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、段階的に前記ソレノイドのON時間を可変することを特徴とする請求項6に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、前記ソレノイドの印加電圧値およびON時間を可変することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の打刻装置。
- 前記駆動力制御手段は、段階的に前記ソレノイドの印加電圧値およびON時間を可変することを特徴とする請求項8に記載の打刻装置。
- 前記被打刻媒体は、ポリエチレンテレフタレートを材質とする形成層が含まれていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の打刻装置。
- テープを被打刻媒体として点字打刻を行う点字打刻装置であって、
入力した文字情報に基づき点字打刻データを生成する点字打刻データ生成手段と、
前記点字打刻データの打刻を行う請求項1ないし10のいずれか1項に記載の打刻装置と、
点字マスのマス間ピッチでテープ間欠送りを行うテープ送り手段と、を備えたことを特徴とする点字打刻装置。 - ソレノイドを駆動源として、温度によってその硬度が変化する被打刻媒体に打刻を行う打刻装置における打刻制御方法であって、
前記被打刻媒体の温度に基づいて、前記ソレノイドの駆動力を制御することを特徴とする打刻制御方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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AT521569A1 (de) * | 2018-07-27 | 2020-02-15 | Bruno Berger Ing | Verfahren zur Kennzeichnung eines Gegenstandes |
-
2004
- 2004-10-12 JP JP2004297659A patent/JP2006113122A/ja active Pending
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AT521569A1 (de) * | 2018-07-27 | 2020-02-15 | Bruno Berger Ing | Verfahren zur Kennzeichnung eines Gegenstandes |
AT521569B1 (de) * | 2018-07-27 | 2020-07-15 | Bruno Berger Ing | Verfahren zur Kennzeichnung eines Gegenstandes |
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