JP2006112544A - 断熱部材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属製の被断熱体Pの表面Sに接触させて設ける断熱部材とその製造方法で、無機材からなるアノード型インヒビター又はカソード型インヒビターの少なくともいずれか一方を含有成分とする防錆剤が備えられている断熱部材と、断熱部材1を成形した後に、少なくとも被断熱体Pへの接触面に、無機材からなるアノード型インヒビター又はカソード型インヒビターの少なくともいずれか一方を含有成分とする防錆剤を塗布し、または、断熱部材1を成形する際に、断熱部材1の成形材料に、無機材からなるアノード型インヒビター又はカソード型インヒビターの少なくともいずれか一方を含有成分とする防錆剤を混入して製造する断熱部材の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明の第1の特徴構成によれば、無機材からなるアノード型インヒビター又はカソード型インヒビターの少なくともいずれか一方を含有成分とする防錆剤が備えられているので、後述する実験結果から明らかなように、たとえ60℃以上の高温下においても、また、塩分の存在下においても、所望の防錆機能を比較的長期間にわたって発揮して金属製被断熱体の腐食を抑制することができる。
アノード型インヒビターが、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、水ガラス、ホウ酸塩からなる群より選択されるので、効果的に金属製被断熱体の腐食を抑制することが可能であり、しかも危険物取扱い上の法規の規制を受けることもないので、容易に入手可能である。
カソード型インヒビターが、リンのオキシ酸塩、ホスホン酸塩、亜鉛塩からなる群より選択されるので、効果的に金属製被断熱体の腐食を抑制することが可能であり、しかも危険物取扱い上の法規の規制を受けることもないので、容易に入手可能である。
防錆剤が、更に無機系結合剤を含有するので、断熱部材に対する防錆剤の結合を強固にして、より一層長期間にわたって所望どおりの腐食抑制効果を発揮することができる。
前記防錆剤を含む防錆層が、断熱部材のうちの少なくとも被断熱体への接触面に設けられているので、防錆剤の使用量を少量に抑えながら金属製被断熱体の腐食を確実に抑制することができる。
前記防錆剤が、断熱部材内に混入されているので、例えば、断熱部材の成形前または成形時に混入することによって、断熱部材の成形後に防錆剤を塗布する手間が不用で、断熱部材の生産性の向上を図ることができる。
上述した第1〜5の特徴構成に記載される作用効果を発揮し得る断熱部材を提供することができる。
上述した第1〜4及び6の特徴構成に記載される作用効果を発揮し得る断熱部材を提供することができる。
この断熱部材は、主に保温を目的として複数を互いに接続して使用するもので、各断熱部材1は、珪酸カルシウム断熱材を主材とし、図1および図3に示すように、高温流体通流用の金属製の被断熱体としてのパイプPの外表面Sに合致するように、その断面形状がほぼ半割り円環状の半円筒体の成形品で構成されている。
そのカソード型インヒビター(水中イオン型)としては、Mg、Ca、Ba、Sr、ZnまたはAlから選ばれた1種または2種以上の金属のリンのオキシ酸塩と、亜硝酸塩を主成分とするものが好ましい。
本発明の断熱部材では、後述する第1の実施形態に従って前記防錆成分を無機系結合剤により固定して防錆層を形成し断熱部材に前記防錆成分を含有させることができる。
リで安定化されたコロイダルシリカを用いることができる。
第1の実施形態による断熱部材1は、図1に示すように、珪酸カルシウム断熱材を主材とする断熱部材1のうち、少なくともパイプPの外表面Sに接触する面、つまり、半円筒体の内周面1aに防錆剤2からなる防錆層3が設けられ、必要に応じて、半円筒体の長手方向に沿う端面1bと長手方向に直交する端面1cにも、同じ防錆剤2からなる防錆層3が設けられている。
水ガラス1500g、アノード型インヒビター20g、亜リン酸カルシウム(カソード型インヒビター)180gである。
図2に示すように、断熱部材1の主材である珪酸カルシウムの成形材料となる酸化カルシウム(CaO)と酸化珪素(SiO2)に水を加え、混合機により混合してゲル化する
(ステップ1)。必要に応じて、補強用のガラス繊維や撥水剤を加え(ステップ2)、所定の形状にプレス成形し(ステップ3)、オートクレーブにより焼成して結晶化する(ステップ4)。その後、乾燥して(ステップ5)、図示のような半円筒体の母体1Aを成形し、少なくともその内周面1aに、必要な場合には、長手方向に沿う端面1bと長手方向に直交する端面1cにも、上述した防錆剤2をローラーや刷毛により塗るか、あるいは、吹き付けて防錆層3を形成するのである。
第2の実施形態による断熱部材1は、図3に示すように、珪酸カルシウム断熱材を主材とする断熱部材1内にほぼ均一に防錆剤2が混入されている。
のガラス繊維や撥水剤を加える(ステップ2)。
試験は、図6に示すように、ホットプレート4を使用して、ホットプレート4上に仮保温材5(厚さ5mmの珪酸カルシウム板)を設置し、その上に一辺が100mmの正方形で厚さ5mmのみがき鋼板6を設置し、さらに、その上に一辺が75mmの正方形で厚さ10mmの試供体7を設置した。試供体7の周囲をシリコンシーリング材8で密封して、試供体7の上面に液体収容空間を形成し、みがき鋼板6の腐食を促進するため、その空間内に塩化ナトリウム(NaCl)を含むイオン交換水9を収容し、みがき鋼板6と仮保温材5の間に熱電対10を配置した。
(試験1:塩分の影響)
みがき鋼板6との接触面積1m2当たり、珪酸カルシウム板の表面に本発明による防錆剤(No.2又はNo.3のアノード型インヒビター;20g、亜リン酸カルシウム;180g)200gを水ガラス(1500g)で固定化した試供体7又はNo.1、4、5、6の液体であるアノード型インヒビターを1500g塗布した試供体7の上面空間内のイオン交換水中に添加する塩化ナトリウムの量を0.1gとしてサイクル試験を行い、塩分量に対する防錆効果について確認した(比較例1、実施例1〜6)。
以下表2に示す試験結果から明らかなように、防錆剤を塗布しない比較例では、35%程度の腐食面積を示したのに対し、防錆剤を塗布した実施例では、わずか0〜4%程度の腐食面積であり、本発明の断熱部材によれば、たとえ塩分の存在下においても顕著な腐食抑制効果のあることが確認できた。
みがき鋼板6との接触面積1m2当たり、珪酸カルシウム板の表面に本発明による防錆剤(No.2又はNo.3のアノード型インヒビター;20g、亜リン酸カルシウム;180g)200gを水ガラス(1500g)で固定化した試供体7又はNo.1、4、5、6の液体であるアノード型インヒビターを1500g塗布した試供体7を200℃での加熱サイクル試験を行って、防錆効果について確認した。(比較例2、実施例7〜12)
尚、試供体7の上面空間内のイオン交換水中に添加する塩化ナトリウムの量は、0.1gとした。
以下の表3の試験結果から明らかなように、200℃に加熱した実施例7〜12では実施例10を除くと10%以下の腐食面積であり、防錆剤を塗布していない比較例2より大きな防錆効果が見られ、たとえ200℃の高温下に曝されても顕著な腐食抑制効果があり、本発明の断熱材によれば、たとえ高温下で、かつ、塩分の存在下においても顕著な腐食抑制効果のあることが確認できた。
(1)先の実施形態では、珪酸カルシウム断熱材を主材とする断熱部材1を例にして説明したが、例えば、発泡系の硬質ウレタンフォーム、グラスウール、繊維系のロックウールなどを主材とする断熱部材においても適用可能である。
(2)先の実施形態では、金属製の被断熱体の一例としてパイプPを示したが、パイプP以外にも、例えば、高温の流体や固体などを収納するタンクや各種の容器などにも適用することができる。
したがって、断熱部材1の形状も、これまでの実施形態のような半円筒形状に限るものではなく、被断熱体の形状に応じて種々の形状に形成することができる。
1a 断熱部材の被断熱体への接触面
1b 断熱部材の長手方向に沿う端面
1c 断熱部材の長手方向に直交する端面
2 防錆剤
3 防錆層
P 金属製の被断熱体
S 被断熱体の表面
Claims (8)
- 金属製の被断熱体の表面に接触させて設ける断熱部材であって、
無機材からなるアノード型インヒビター又はカソード型インヒビターの少なくともいずれか一方を含有する防錆剤が備えられている断熱部材。 - 前記アノード型インヒビターが、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、水ガラス、ホウ酸塩からなる群より選択される請求項1に記載の断熱部材。
- 前記カソード型インヒビターが、リンのオキシ酸塩、ホスホン酸塩、亜鉛塩からなる群より選択される請求項1に記載の断熱部材。
- 前記防錆剤が、無機系結合剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱部材。
- 前記防錆剤を含む防錆層が、前記断熱部材のうちの少なくとも前記被断熱体への接触面に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱部材。
- 前記防錆剤が、前記断熱部材内に混入されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱部材。
- 請求項5に記載される断熱部材の製造方法であって、
前記断熱部材を成形した後に、その断熱部材のうちの少なくとも前記被断熱体への接触面に、前記防錆剤を塗布して製造する断熱部材の製造方法。 - 請求項6に記載される断熱部材の製造方法であって、
前記断熱部材を成形する際に、その断熱部材の成形材料に、前記防錆剤を混入して製造する断熱部材の製造方法。
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KR101619889B1 (ko) | 2010-12-22 | 2016-05-12 | 니찌아스 카부시키카이샤 | 단열재 및 그 제조방법 |
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2004
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