JP2006112325A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車輪速の補正が行われていない場合でも、車輪速の補正が終了していない場合でも、駆動力制御(トラクションコントロール)の機能を充分活用することのできる駆動力制御装置を提供することを主たる課題とする。
【解決手段】 各車輪に装着されたタイヤの空気圧を、センサトランスミッタ21及びTPMSECU22により直接測定して空気圧を判定し、空気圧が規定の範囲内にある正常状態であれば、制御禁止手段12c4による駆動力の制御(トラクションコントロール)の禁止や制限を行わない。また、直接測定した空気圧が正常状態であれば、補正を省略する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の駆動力を制御する駆動力制御装置に関する。
車両の駆動輪のトラクション(駆動力)を制御するTCS(Traction Control System)と呼ばれる駆動力制御システムが知られている。このTCSは、タイヤがパンク等した場合に使用するテンパタイヤのような小径のスペアタイヤを駆動輪に装着して走行した場合、スペアタイヤ装着輪の回転速度(車輪速)が他の3輪に対して高くなるため、スペアタイヤ装着輪が実際にはスリップ(過回転)していないのに、スリップしていると誤認識して誤作動に至る場合がある。通常は、こうした事象を防ぐために、制御ECU(Electronic Control Unit)内でタイヤ径の補正演算(補正量の演算)を行っているが、IG(Ignition) ON直後からタイヤ径補正が完了するまではTCSの制御介入閾値を通常よりも大きくして、TCSの制御に入りにくく設定したり、補正が終了するまでTCSの制御に入るのを禁止したりしている。例えば、特許文献1は、ABS(Anti lock Brake System)やTCS(段落0031)について補正手段による車輪速の補正が終了するまでは、最高速度を示す車輪速に基づく制御を禁止(請求項1、0042等)することを特徴とする発明が記載されている。
一方、走行中のタイヤの空気圧を監視するTPMS(Tire Pressure Monitoring System)と呼ばれるタイヤ空気圧監視システムが知られている。このTPMSとTCSの協調制御に関しては、特許文献2がある。この特許文献2には、TPMSによる空気圧低下の情報を受けてTCSによりエンジンの出力を制御(抑制/強化)することが記載されている。
特開平7−242633号公報(請求項1、0031、0042等) 特許第3286389号明細書(請求項1、請求項4、0076等)
ところで、車輪速の補正は、車両を実際に走行させることで行われるが、直進・定速走行を所定距離(時間)以上継続しなければ正しく補正されない(特許文献1の0032〜0041、図3、図4等)。このため、補正が終了するまでには相当の時間を要する。この間、制御を禁止等すると、折角備えているTCSの機能を全く使えないか充分に使えないことになり、補正が終わるまで、例えばスリップ量が大きくなり、快適な運転が損なわれることになりかねない。特許文献1には、この点についての解決技術は記載されていない。また、特許文献2は、走行中に空気圧が低下した場合の制御が記載してあるだけで、車輪速の補正を行っている際にTCSの制御を禁止等する技術とは異なる。
そこで、本発明は、車輪速の補正が終了していない場合でも、駆動力制御の機能を充分活用することのできる駆動力制御装置を提供することを主たる課題とする。
車輪速は、車輪の径(適宜「輪径」という)により異なり、同じ車両の車輪でも、輪径が大きい車輪と小さい車輪とでは、輪径が小さい車輪ほど高速回転するため車輪速は速くなる。この輪径は、同種の車輪でも製造時の個体差によるバラツキがある(ホイールに起因したバラツキ・タイヤに起因したバラツキ)。このほか、輪径は、車輪に装着されたタイヤの磨耗程度により変化し、磨耗が多くなると輪径は小さくなる。また、輪径は、車輪に装着されたタイヤの空気圧により変化し、空気圧が低くなると輪径は小さくなる。ここで、製造時の固体差によるバラツキは、次回車輪(ホイール/タイヤ)を交換するまでは一定である。また、磨耗による輪径の変化は急には起こらない。その一方で、空気圧による輪径の変化はよく生じうる事象である。このため、空気圧を測定し、その結果、空気圧が規定の範囲内にある正常状態であれば、車輪速の補正が終了していなくとも(補正を行わなくとも)車輪速の差は、スリップの判定を行うのに支障のない範囲内であると考えられる。
本発明者らは前記課題を解決すべく、かかる知見に基づき鋭意研究を行い、その結果、各車輪の空気圧を、空気圧センサにより直接測定して判定し、空気圧が規定の範囲内にある正常状態であれば、制御の禁止や制限を行わないことで前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決した本発明(請求項1)は、車両の各車輪の車輪速を検出する車輪速センサからの車輪速に基づいて駆動輪のスリップを判定するスリップ判定手段と、前記スリップ判定手段によりスリップと判定されたときに前記駆動輪の駆動力を減少するように制御する駆動力制御手段と、前記各車輪速に基づいて、各車輪の径の違いによる速度差を補正する補正量を演算し、前記車輪速を補正する車輪速補正手段と、前記車輪速補正手段による補正が終了するまでは、前記スリップ判定手段における判定基準値をスリップと判定し難い側に変更するか、前記駆動力制御手段による制御を禁止する手段とを備えた駆動力制御装置である。この車両の駆動力制御装置は、前記各車輪の空気圧が規定の範囲内にある正常状態かを前記各車輪に有した空気圧センサにより空気圧を直接測定して判定する空気圧判定手段をさらに備え、前記空気圧判定手段による判定が前記正常状態であるときには、前記車輪速補正手段による補正が終了していない場合でも、前記変更又は禁止を行わないように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、車輪速補正手段が補正を行っている際にも、スリップ判定手段における判定基準値を、スリップと判定し難い側に変更されることはない。また、車輪速補正手段が補正を行っている際にも、駆動力制御手段による制御が禁止されることがない。なお、請求項1は、「前記空気圧判定手段による判定が前記正常状態であるとき」というように、正常状態について記述しているが、これは、「前記空気圧判定手段による判定が異常状態であるときには」というよな逆の表現を排除するものではない。また、駆動力制御手段による制御の禁止には、例えばスリップ判定手段によるスリップの判定を禁止することも含む。
また、本発明(請求項2)は、前記補正量を記憶する記憶手段を備え、前記車輪速補正手段による補正が終了するまでは、前記記憶した補正量を読み出し、この読み出した補正量により制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、演算した補正量を記憶し、補正が終了するまではこの補正量を読み出して制御を行う。このように、過去に演算した補正量を用いる場合、用いない場合よりも、より適切な制御を行うことができる。なお、この構成では、空気圧が正常状態である場合に、記憶した補正量が用いられるので、読み出した補正量と新たに演算される補正量とは、値が近似している可能性が高い。このことから、記憶した補正量を用いても適切な駆動力の制御が可能である。むしろ、記憶した補正量を用いることで、より適切な駆動力の制御が可能となる。
また、前記課題を解決した本発明(請求項3)は、請求項1の発明と同様の手段を有する駆動力制御装置であるが、空気圧判定手段による判定が正常状態であるときには、車輪速補正手段による補正を行わない構成としたことを特徴とする。
この構成によれば、空気圧が正常状態であるときには、補正を行わない(補正をスキップする)。このため、駆動力制御装置は、スリップ判定手段における判定基準値をスリップと判定し難い側に変更することもなく、駆動力制御手段による制御を禁止することもない。よって、駆動力制御が通常通り行われる。
また、本発明(請求項4)は、請求項3において、前記補正量を記憶する手段を備え、補正を行わないときは、記憶した補正量を読み出し、この読み出した補正量により制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、演算した補正量を記憶し、補正を行わないときは、この補正量を読み出して制御を行う。このように、過去に演算した補正量を用いる点にてついては、前記したとおりであり、より適切な駆動力の制御が可能となる。
また、本発明(請求項5)は、前記した各発明について、空気圧の測定を、直接式のタイヤ空気圧監視システムにおける空気圧センサを用いて行うことを特徴する。
後記する実施形態では、直接式(センサ式ともいう)のTPMSを利用した例を示す。
請求項1の発明によれば、空気圧が正常状態であれば、車輪速の補正が終了していない場合でも、駆動力制御装置の機能を充分活用することができる。例えば、運転開始直後から車輪速の補正を行うようなときでも、乗員は、運転開始直後から駆動力制御装置による利益を受けることができる。また、請求項3の発明によれば、空気圧が正常状態であれば、車輪速の補正が省かれるので、駆動力制御装置の機能を充分活用することができる。例えば、乗員は、運転開始直後から駆動力制御装置による利益を受けることができる。また、請求項2・請求項4の発明によれば、記憶した補正量により適切な制御がなされる。また、請求項5の発明によれば、既存技術を用いることにより、信頼性の向上等を図ることができる。
以下、本発明の駆動力制御装置を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施形態は、第1実施形態がエンジンの出力を制御することによる駆動力の制御に関する実施形態であり、第2実施形態がブレーキ力を制御することによる駆動力の制御に関する実施形態であり、第3実施形態が空気圧が正常であれば速度差の補正を行わない制御に関する実施形態である。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態の車両が搭載する、(a)はTCSのシステム構成を示した図であり、(b)はTPMSのシステム構成を示した図である。本実施形態では、車両には、駆動力制御装置としてのTCS1(図1(a))、直接式のタイヤ空気圧監視システムとしてのTPMS2(図1(b))、エンジンEの出力を制御するFIECU3(図1(a))等が搭載されている。
〔TCS〕
図1(a)に示すTCS1は、各車輪に備えられて各車輪の回転速度を測定する車輪速センサ11から入力した車輪速の補正が終了するまでTPMS2の空気圧判定結果を利用し、FIECU3を介してトラクションの制御を行うTCSECU12を備える。このTCSECU12の詳細については、図2を参照して後記する。なお、FIECU3のFIはFuel Injectionの略である。
〔TPMS〕
図1(b)に示すTPMS2は、各車輪に備えられて各車輪に装着されたタイヤの空気圧室の圧力を直接測定する空気圧センサ、CPU(Central Processing Unit)及び空気圧センサで測定した空気圧を無線で車体側(TPMSECU22)に送信する無線通信機を有するセンサトランスミッタ21、無線で送信された空気圧を受信して空気圧が規定の範囲内にある「正常状態」か、そうでない「異常状態」であるかの空気圧判定を行うTPMSECU22、センサトランスミッタ21の起動・停止を指示するイニシエータ23、空気圧判定の結果を視覚的に表示して乗員に知らせるモニタ24等を備える。ここで、図1(b)の噴出しは、モニタ24の表示内容を模式的に示している。
なお、本実施形態では、TCS1は、TPMS2の空気圧判定結果を入力し、判定結果が正常状態であるようなときは、車輪速の補正が終了する前でも、FIECU3を介して通常通りの駆動力の制御を行う。このため、後記する図2に示すように、TCS1、TPMS2及びFIECU3は、CAN(Controlled Area Network)のような車内の通信ネットワーク4に接続されている。また、各車輪速センサ11もこの通信ネットワーク4に接続されているものとする。
〔TCSECU〕
図2は、システムの全体構成と、TCSECUの内部構成及びTPMSECUの内部構成を示した図である。この図2に示すように、スリップの判定とこの判定に基づく駆動力の制御を行うTCS1のTCSECU12は、通信部12a、記憶部12b、CPU12c等を含んで構成される。なお、通信部12aは通信ネットワーク4に接続する機能を有し、記憶部12bはCPU12cで実行する各種プログラムや各種データ等を記憶する機能を有している。
CPU12cは、各車輪速センサ11からの車輪速に基づいて駆動輪のスリップを判定するスリップ判定手段12c1、スリップ判定手段12c1によりスリップと判定されたときに駆動輪の駆動力を減少するように制御する駆動力制御手段12c2、各車輪速に基づいて、各車輪の径(輪径)の違いによる車輪速センサ11の速度差を補正する補正量を演算し、車輪速を補正する車輪速補正手段12c3、車輪速補正手段12c3による補正が終了するまでは、駆動力制御手段12c2による制御(駆動力を低減する制御)を禁止する制御禁止手段12c4等を備える。ここで、制御禁止手段12c4は、TPMS2から通知される空気圧判定結果が正常状態である場合(異常状態でない場合)は、制御禁止を行わないように構成されている。このため、空気圧判定結果が正常状態である場合は、車輪速補正手段12c3による補正が終了していなくても、スリップ判定手段12c1によりスリップと判定されると駆動力の低減が行われることになる。
これら各手段12c1〜12c4は、記憶部12bに記憶されているプログラムが図示しないRAM上に読み出され、CPU12cにより実行されることで具現化されるものとする。
ちなみに、車輪速補正手段12c3は、演算した補正量を、記憶部(記憶手段)12bにその都度に記憶するものとする。また、スリップ判定手段12c1は、車輪速補正手段12c3が補正量を演算するまでは、記憶部12bに記憶されている補正量を読み出してスリップの判定をするものとする。
なお、車輪速補正手段12c3は、車両の直進・定速走行を条件に所定時間(所定距離)車両が走行することにより得られる各車輪速センサ11からの車輪速をもとに車輪速を補正(補正量を演算)するもので、これは、周知の技術であることから詳しい説明を省略する。なお、従来技術でも述べたように、補正には、少なからぬ時間が必要である。
〔センサトランスミッタ〕
センサトランスミッタ21は、前記したとおり空気圧センサ、CPU及び無線通信機を有する(図示外)。このセンサトランスミッタ21は、各車輪の例えばリム外周面に取り付けられる。このセンサトランスミッタ21は、イニシエータ23からの信号により起動・停止し、起動時は所定の時間間隔又は空気圧の変化が所定値よりも大きくなったとき、センサトランスミッタ21ごとに異なるIDを付すことで識別可能にした空気圧(空気圧値)の信号を無線で送信する。なお、センサトランスミッタ21のバッテリの電圧も空気圧に併せて送信するものとする。
〔TPMSECU〕
TPMSECU22は、図2に示すように、通信部22a、記憶部22b、CPU22c、無線通信機22d、モニタ駆動部22e等を含んで構成される。なお、通信部22aは通信ネットワーク4に接続する機能を有し、記憶部22bはCPU22cで実行する各種プログラムやデータを記憶する機能を有する。なお、記憶部22bで記憶しているデータには、センサIDと各車輪の対応関係が含まれる。
CPU22cは、各車輪に取り付けられたセンサトランスミッタ21から送信される空気圧を、無線通信機22dを介して入力し、車輪ごとに空気圧が正常範囲にある「正常状態」か、そうではない「異常状態」かを判定する空気圧判定手段22c1、空気圧に併せて送信される各センサトランスミッタ21のバッテリの電圧が正常範囲にある「正常状態」か、そうではない「異常状態」かを判定する電圧判定手段22c2、通信部22aを介して空気圧判定結果をTCSECU12に通知する判定結果通知手段22c3、モニタ駆動部22eを介して判定結果をモニタ24に表示する表示制御手段22c4等を備える。また、イニシエータ23を制御してセンサトランスミッタ21の起動・停止等を指示するイニシエータ制御部22c5も併せて備えるものとする。これらの各手段22c1等は、記憶部22bに記憶されているプログラムが図示しないRAM上に読み出され、CPU22cにより実行されることで具現化されるものとする。
〔FIECU〕
FIECU3は、エンジンEに供給する燃料の量を制御する手段であり、図示しないインジェクタから噴射する燃料の量を決定して、例えばインジェクタをPWM(Pals Width Modulation)駆動するECUである。本実施形態では、スリップと判定された場合は、TCSECU12からの指示に基づいてPWM信号のデューティ比を下げ、インジェクタによる燃料噴射量の低減を行う。
〔動作説明〕
以下、前記説明したTCSの動作を、図1及び図2を参照しつつ、図3に沿って説明する。図3は、第1実施形態でのTPMSECUとTCSECUの協調制御を示すフローチャートである。
図3に示すように、IGON(イグニッションON)により、TCSECU12とTPMSECU22が起動する(S11)。TPMSECU22は、イニシエータ23を介してセンサトランスミッタ21を起動させる。これにより、センサトランスミッタ21から、空気圧を含む信号がTPMSECU22に所定の時間間隔で無線送信される。
起動後は、車輪速補正手段12c3による車輪速の補正が行われる(S12)。この補正は、直進走行かつ定速走行を所定時間(所定距離)続けることで達成される。このため、補正が終了するには相当時間を要する。なお、ステップS13は、補正が終了したか否かを判断し、終了していない場合は(No)、再度車輪速の補正を行うようにする。
一方、IGONにより起動したTPMSECU22は、センサトランスミッタ21が送信した各車輪の空気圧から、各車輪の空気圧が正常状態にあるか異常状態にあるかを判定する(空気圧判定、S14)。この空気圧判定の結果は、TCSECU12に直ちに送信される(S15)。
空気圧判定の結果が正常(正常状態)である場合は(S16→Yes)、制御禁止手段12c4は制御禁止を行わない(S17)。つまり、駆動力制御手段12c2は、車輪速補正手段12c3による補正が終了する前でも、スリップ判定手段12c1がスリップと判定すると、FIECU3を介してエンジンEが発生する駆動力を低減する制御を行う。なお、スリップ判定手段12c1は、車輪速補正手段12c3が前回演算して記憶部12bに記憶した補正量(前回値)を、記憶部12bから読み出してスリップの判定に用いる。空気圧が正常状態であれば、前回起動から今回起動までの間に輪径が変化していたとしてもごく僅かである。このため、前回値の補正量を用いることでスリップの判定を適切に行える。
一方、空気圧判定の結果が異常(異常状態)である場合は(S16→No)、制御禁止手段12c4により、制御の禁止を行う(S18)。つまり、車輪速補正手段12c3による補正が終了するまでは、喩えスリップ判定手段12c1がスリップと判定しても、FIECU3を介してエンジンEが発生する駆動力を低減する制御は行わない。空気圧判定の結果が異常状態であると、輪径が大きく変化(減少)していることが想定されることから、スリップ判定手段12c1が誤ったスリップの判定をする可能性が高いからである。
ステップS13において、車輪速の補正が終了と判断された場合は(S13→Yes)、補正量の演算が終了したので、スリップ判定手段12c1へと補正量が通知される(S19)。以後、スリップ判定手段12c1は、新たに演算された補正量によりスリップの判定を行い、この判定結果に基づいて駆動力制御手段12c2がFIECU3を介してエンジンEが発生する駆動力を制御する。つまり、スリップの判定がなされると駆動力を低減する制御を通常通り行う(S20、TCS通常制御)。なお、本実施形態では、空気圧判定の結果が正常状態でも異常状態でも、スリップ判定手段12c1のスリップの判定に基づき駆動力の制御を行う。空気圧が正常状態であれば、この正常状態を加味した車輪速の補正(補正量の演算)がステップS12でなされ、異常状態であれば、異常状態を加味した車輪速の補正(補正量の演算)がステップS12でなされるからである。
この第1実施形態によれば、補正が終了するまで、空気圧が正常状態であれば、通常時と変わらないような駆動力の制御が行われる。また、空気圧が異常状態であれば、補正量が演算されるまでは、異常な状態でのスリップの判定に基づく駆動力の制御を避けることができる。そして、補正が終了すると、新たに演算された補正量により駆動力の制御が行われる。
よって、この第1実施形態によれば、車輪速の補正を行っている間(補正量の演算を行っている間)も、折角備えるTCS1の機能を充分活用することができる。しかも、補正を行っている間は、前回演算した補正量を用いて適切な駆動力の制御(スリップの判定)を行うことができる。もちろん、始動直後から適切な駆動力の制御がなされる(より早期からの駆動力の制御が可能)。
なお、制御禁止手段12c4は、(1)補正中は、スリップ判定手段12c1が判定基準値を標準値よりも高くしてスリップと判定し難い側に変更するといった手段でも、(2)補正中は、スリップ判定手段12c1によるスリップの判定を禁止(判定結果の出力を禁止)するといった手段でも、(3)補正中は、駆動力制御手段による駆動力の制御を禁止するといった手段でもよい。
また、補正量は演算されるごとに記憶部12bに記憶するものとしたが、演算されるごとに記憶しない構成としてもよいし、全く記憶しない構成としてもよい。全く記憶しない構成の場合は、補正が終了するまでは、補正量を用いないでスリップの判定がなされることになるが、空気圧が正常範囲であれば、補正量を用いなくとも、スリップの判定や駆動力の制御に大きな支障はないと考えられる。それよりも、駆動力の制御を補正中も通常と変わらないように行えるというメリットの方が大きい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、前記した第1実施形態では、エンジンの出力を制御することで駆動力を制御するTCSであったが、この第2実施形態では、ブレーキ力を制御することで駆動力を制御するTCSである。このため、第2実施形態では、FIECUを介しての駆動力の制御ではなく、ブレーキ力を制御するブレーキECU(以下「BKECU」という)を介しての駆動力制御である。ここで、前記した第1実施形態と共通する部分につては、図面に同一の符号を付し、説明を省略し又は簡略する。
図4は、第2実施形態のTCSのシステム構成を示す図である。第2実施形態の車両はブレーキ力を車輪ごとに、乗員のブレーキ操作とは別個に増減可能である。このため、図4に示すようにブレーキ液圧(ブレーキ力)の増減が可能なブレーキ装置BKを車輪ごとに備えると共に、このブレーキ装置BKを制御するBKECU5を備える。なお、ブレーキ装置BKの構成は、TCSやVSA(Vehicle Stability Assist)等として周知なものであるので、説明を省略する。
図5は、システムの全体構成と、TCSECUの内部構成及びTPMSECUの内部構成を示した図である。第2実施形態では、駆動力制御手段12c2がスリップ判定手段12c1によるスリップの判定に基づいて、BKECU5を介してスリップしている車輪のブレーキ装置BKのブレーキ力を制御して駆動力の制御(スリップの防止)を行う構成である。
この第2実施形態の動作は、図3を参照して説明した第1実施形態のものと同じである。つまり、IGONにより起動すると(S11)、車輪速補正手段12c3は車輪速の補正(補正量の演算)を行い(S12)、TPMSECU22は空気圧判定を行い、判定結果を制御禁止手段12c4(TCSECU12)に通知する(S14、S15)。制御禁止手段12c4は、空気圧判定が正常状態であれば(S16→Yes)、補正が終了していない場合でも、制御禁止を行わない(S17)。つまり、通常通りの駆動力制御を行う。一方、空気圧判定が正常状態でなければ、制御禁止を行う(S18)。補正が終了すると(S13→Yes)、演算した補正量をスリップ判定手段12c1に通知し(S19)、スリップ判定手段12c1が新たな補正量に基づいてスリップ判定を行い、駆動力制御手段12c2がこのスリップ判定に基づいてBKECU5を介してスリップしている車輪のブレーキ装置BKのブレーキ力を高めてスリップを制御する。即ち、ステップS20では、新たな補正量に基づきTCS1の通常制御を行う。
この第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、この第2実施形態では、スリップしている車輪に限定した駆動力の制御が可能である。
≪第3実施形態≫
続いて、本発明の第3実施形態を説明する。なお、前記した第1・第2実施形態では、空気圧判定が正常状態でも車輪速の補正を行うこととしたが、この第3実施形態では、空気圧判定が正常状態であれば車輪速の補正は省略する。
このため、第3実施形態では(図2参照)、TCSECU12は、TPMSECU22から空気圧判定結果を入力し、空気圧判定結果が正常状態であるようなときは、補正を行わないで前回の車輪速の補正量を読み出し、この補正量により通常通りのスリップ判定とスリップ制御(駆動力制御)を行う。
以下、第3実施形態のTCSの動作を、図6に沿って説明する(適宜図1等を参照)。図6は、第3実施形態でのTPMSECUとTCSECUの協調制御を示すフローチャートである。
図6に示すように、IGONにより、TCSECU12とTPMSECU22が起動する(S41)。TPMSECU22は、イニシエータ23を介してセンサトランスミッタ21を起動させる。これにより、センサトランスミッタ21からは、空気圧を含む信号がTPMSECU22に所定の時間間隔で無線送信される。
起動後、TPMSECU22は、センサトランスミッタ21が送信した各車輪の空気圧から、各車輪の空気圧が正常状態にあるか異常状態にあるかを判定する(空気圧判定、S42)。この空気圧判定の結果は、TCSECU12に直ちに送信される(S43)。
空気圧判定の結果が正常(正常状態)である場合は(S44→Yes)、TCSECU12は、制御禁止手段12c4による制御禁止を行わないで、前回補正を行ったときの補正量を記憶部12bから読み出し(S45)、この読み出した補正量により通常通りの駆動力の制御を行う(TCS制御、S49)。つまり、前回の補正量を用いてスリップ判定を行い、スリップと判定したときは、駆動力を低減する制御を行う。
一方S44で空気圧判定が正常でない場合は(S44→No)、制御禁止手段12c4による制御禁止を行う(S46)。これは、空気圧判定が異常状態であり、輪径が前回補正を行ったときとは大きく異なっている可能性が高いからであり、このような状態での駆動力制御を禁止する。
ステップS46で制御を禁止した後は、車輪速補正手段12c3で車輪速の補正を行う(S47)。車輪速の補正量を新たに演算し、適切な補正量でスリップを判定して駆動力制御を行うためである。補正が終了すると(S48→Yes)、新たに演算した補正量により駆動力の制御が行われる(TCS制御、S49)。なお、次回使用のため、TCSECU12は、新たに演算した補正量を、記憶部12bに記憶するものとする。
この第3実施形態によれば、空気圧判定が正常状態の場合は、車輪速の補正が省略されるので、起動直後からTCS1が備える機能を充分活用することができる。しかも、空気圧が正常状態であることから、前回の補正量を読み出して使用しても駆動力制御に際して支障はない。一方、空気圧が異常状態の場合は補正がなされるので、新たに演算した補正量により適切な状態での駆動力制御がなされる。
以上説明した本発明は、前記した実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる(図1〜図6を適宜参照)。例えば、空気圧センサは、TPMS2のものを流用することとしたが、TPMS2とは別個の空気圧センサを用いてもよい。つまり、乗員に空気圧の低下を警報するためではない、TCS1専用の空気圧センサを用いてもよい。また、センサトランスミッタ21のバッテリの電圧について、電圧が低下するとTPMSECU22の電圧判定手段22c2が電圧に関して異常状態と判定するが、この異常状態の判定をTCSECU12に通知し、TCSECU12(制御禁止手段12c4)がスリップ判定手段12c1によるスリップの判定の禁止等を行うことで、駆動力の制御を禁止するようにしてもよい。また、第3実施形態について、駆動力の制御は、エンジンEの制御ではなく、ブレーキ装置BKの制御でもよい。
第1実施形態の車両が搭載する、(a)はTCSのシステム構成を示した図であり、(b)はTPMSのシステム構成を示した図である。 第1実施形態の駆動力制御装置を説明するために引用した図であり、システムの全体構成と、TCSECUの内部構成及びTPMSECUの内部構成を示した図である。 第1実施形態でのTPMSECUとTCSECUの協調制御を示すフローチャートである。 第2実施形態のTCSのシステム構成を示した図である。 第2実施形態の駆動力制御装置を説明するために引用した図であり、システムの全体構成と、TCSECUの内部構成及びTPMSECUの内部構成を示した図である。 第3実施形態でのTPMSECUとTCSECUの協調制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 … TCS(駆動力制御装置)
11 … 車輪速センサ
12 … TCSECU
12c1…スリップ判定手段
12c2…駆動力制御手段
12c3…車輪速補正手段
12c4…制御禁止手段
2 … TPMS(空気圧判定手段)
21 … センサトランスミッタ
22 … TPMSECU
3 … FIECU
4 … 通信ネットワーク
5 … BKECU


Claims (5)

  1. 車両の各車輪の車輪速を検出する車輪速センサからの車輪速に基づいて駆動輪のスリップを判定するスリップ判定手段と、
    前記スリップ判定手段によりスリップと判定されたときに前記駆動輪の駆動力を減少するように制御する駆動力制御手段と、
    前記各車輪速に基づいて、各車輪の径の違いによる速度差を補正する補正量を演算し、前記車輪速を補正する車輪速補正手段と、
    前記車輪速補正手段による補正が終了するまでは、前記スリップ判定手段における判定基準値をスリップと判定し難い側に変更するか、前記駆動力制御手段による制御を禁止する手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、
    前記各車輪の空気圧が規定の範囲内にある正常状態かを前記各車輪に有した空気圧センサにより空気圧を直接測定して判定する空気圧判定手段をさらに備え、
    前記空気圧判定手段による判定が前記正常状態であるときには、前記車輪速補正手段による補正が終了していない場合でも、前記変更又は禁止を行わないように構成したこと
    を特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記補正量を記憶する記憶手段を備え、
    前記車輪速補正手段による補正が終了するまでは、前記記憶した補正量を読み出し、この読み出した補正量により制御を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
  3. 車両の各車輪の車輪速を検出する車輪速センサからの車輪速に基づいて駆動輪のスリップを判定するスリップ判定手段と、
    前記スリップ判定手段によりスリップと判定されたときに前記駆動輪の駆動力を減少するように制御する駆動力制御手段と、
    前記各車輪速に基づいて、各車輪の径の違いによる速度差を補正する補正量を演算し、前記車輪速を補正する車輪速補正手段と、
    前記車輪速補正手段による補正が終了するまでは、前記スリップ判定手段における判定基準値をスリップと判定し難い側に変更するか、前記駆動力制御手段による制御を禁止する手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、
    前記各車輪の空気圧が規定の範囲内にある正常状態かを前記各車輪に有した空気圧センサにより空気圧を直接測定して判定する空気圧判定手段をさらに備え、
    前記空気圧判定手段による判定が前記正常状態であるときには、前記車輪速補正手段による補正を行わないように構成したこと
    を特徴とする駆動力制御装置。
  4. 前記補正量を記憶する記憶手段を備え、
    前記車輪速補正手段による補正を行わないときは、前記記憶した補正量を読み出し、この読み出した補正量により制御を行うこと
    を特徴とする請求項3に記載の駆動力制御装置。
  5. 前記空気圧の測定は、直接式のタイヤ空気圧監視システムにおける空気圧センサを用いて行うこと
    を特徴する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の駆動力制御装置。
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