JP2006112083A - 鞄 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鍵の紛失や番号の失念の虞が無く、盗難された場合に解錠されにくい鞄を提供する。
【解決手段】 電気錠58を備え、閉蓋状態で施錠すれば開蓋不能となり、解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、指紋情報を記憶する記憶部56と、載置された指から指紋センサ43により指紋データを読取り、指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、取得した指紋情報と記憶部56に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段とを備え、閉蓋状態において、指紋情報が一致すると判断したときには、電気錠58が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば施錠され、指紋情報が一致しないと判断したときには、電気錠58が、施錠状態であれば施錠状態に維持され、解錠状態であれば解錠状態に維持される鞄。
【選択図】 図4
【解決手段】 電気錠58を備え、閉蓋状態で施錠すれば開蓋不能となり、解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、指紋情報を記憶する記憶部56と、載置された指から指紋センサ43により指紋データを読取り、指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、取得した指紋情報と記憶部56に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段とを備え、閉蓋状態において、指紋情報が一致すると判断したときには、電気錠58が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば施錠され、指紋情報が一致しないと判断したときには、電気錠58が、施錠状態であれば施錠状態に維持され、解錠状態であれば解錠状態に維持される鞄。
【選択図】 図4
Description
本発明は、指紋認証を用いて施錠・解錠を行う鞄に関する。
従来からスーツケース、アタッシュケース等の鞄には、盗難防止等のために、錠が取着されており、その錠を施錠することにより開蓋不能とされ、解錠することにより開蓋可能とされる。かかる鞄の錠には、鍵を用いて施錠・解錠を行うものや、ダイヤル部を所定の番号に合わせることにより解錠され、所定の番号からずらすことにより施錠されるダイヤル式のものがあった。
なお、従来から知られている指紋認証システムには、下記特許文献1や非特許文献1に記載されているものがある。また、自動施錠機構を備えた電気錠には、下記特許文献2に記載されているものがある。
特許第3224216号公報
特開平6−323047号公報
"NEC指紋認証システム SecureFinger"、[online]、日本電気株式会社、[平成16年9月22日検索]、インターネット〈URL:http://www.sw.nec.co.jp/pid/index.html〉
しかし、従来の鍵を用いた錠では、鍵を紛失して施錠・解錠ができなくなったり、盗難された場合に、鍵穴からピッキングにより解錠されてしまうという問題があった。また、ダイヤル式のものでは、番号を失念して施錠・解錠ができなくなったり、盗難された場合に、番号を1つずつずらして合わせていけば、やがては解錠されてしまうという問題があった。
この発明は、上述した問題を解決するものであり、鍵の紛失や番号の失念の虞が無く、盗難された場合に解錠されにくい鞄を提供することを目的とする。
本発明の鞄は、電気錠を備え、閉蓋状態で前記電気錠を施錠すれば開蓋不能となり、前記電気錠を解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、指紋情報を記憶する記憶部と、載置された指から指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、前記指紋情報取得手段により取得した指紋情報と前記記憶部に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段と、を備え、閉蓋状態において、前記照合手段が指紋情報が一致すると判断したときには、前記電気錠が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば施錠され、前記照合手段が指紋情報が一致しないと判断したときには、前記電気錠が、施錠状態であれば施錠状態に維持され、解錠状態であれば解錠状態に維持されることを特徴とする。
また、本発明の鞄は、電気錠を備え、閉蓋すれば前記電気錠が自動的に施錠されて開蓋不能となり、前記電気錠を解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、指紋情報を記憶する記憶部と、載置された指から指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、前記指紋情報取得手段により取得した指紋情報と前記記憶部に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段と、を備え、閉蓋状態において、前記照合手段が指紋情報が一致すると判断したときには、前記電気錠が解錠され、前記照合手段が指紋情報が一致しないと判断したときには、前記電気錠が施錠状態に維持されることを特徴とする。
ここで、前記電気錠を動作させるための電源となる電池と、前記電池の残量を検出する電池残量検出部と、を備え、前記電池残量検出部により検出した残量が、電池切れ直前とされる所定の条件を満たす場合に、前記電気錠が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば解錠状態に維持されるように構成することが好ましい。
また、前記電池が収納される電池収納部を備え、前記電池収納部に設けられた電池の出し入れ口が、鞄内部に向かって開口し、鞄外部に向かっては開口しないこととすることが好ましい。
請求項1記載の鞄は、指紋を用いて解錠・施錠ができ、鍵や番号を用いる必要が無いので、鍵の紛失や番号の失念の虞がない。また、指紋情報を登録した登録者本人でなければ、解錠することは略できないので、盗難時等に解錠される虞は殆ど無い。
請求項2記載の鞄は、閉蓋すれば自動施錠され、指紋を用いて解錠できるので、鍵や番号を用いる必要が無く、鍵の紛失や番号の失念の虞がない。また、指紋情報を登録した登録者本人でなければ、解錠することは略できないので、盗難時等に解錠される虞は殆ど無い。
請求項3記載の鞄のように、電気錠を動作させる電池の残量が、電池切れ直前とされる所定の条件を満たす場合に、電気錠が施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば解錠状態に維持されることとすれば、施錠されて開蓋不能な状態で電池切れとなって開蓋できなくなり、内部の物が取り出せなくなってしまう虞が無くなる。
請求項4記載の鞄のように、電池の出し入れ口が、鞄内部に向かって開口し、鞄外部に向かっては開口しないこととすれば、施錠されて開蓋不能な状態では電池の出し入れ口からの破壊ができないので、盗難時等に無理に錠を開けられてしまう虞が少ない。
〔第1実施形態〕本発明の第1実施形態であるスーツケース1について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、スーツケース1は本体部2と蓋部3とから構成されている。本体部2には、蓋部3によって閉塞される開口部に近い端部24に、把手21と把手22とが取着されて、閉蓋されたときに、図1に示すように、把手21はスーツケース1の前壁中央部に、把手22はスーツケース1の上壁中央部に配置される。なお、本実施形態で、閉蓋するとは、本体部2に対して蓋部3を閉じること、開蓋するとは、本体部2に対して蓋部3を開くことを言う。また、本体部2に形成された側方膨出部25には、高さが調節可能な把手23が上方に向けて突設されている。そして、スーツケース1の下壁部の4つの角部には、それぞれキャスター13が取着されている。
また、端部24には、把手21の両端部に挟まれる部位に、指紋認証錠部4が設けられている。指紋認証錠部4は、指紋センサ43と、警告ランプである表示部44と、表示窓45、45とを備えている。表示窓45、45は、電気錠58の動作に伴って窓内に覗く部位が変わるように構成されており、施錠状態では、例えば、OPENと表示された方に黒色、LOCKと表示された方に赤色が現れ、解錠状態では、例えば、OPENと表示された方に緑色、LOCKと表示された方に黒色が現れるように構成されて、施錠状態または解錠状態であることを示すものである。
指紋認証錠部4は、図3に示すように、スーツケース1の外部11に配置される外部配置部41と、スーツケース1の内部12に配置される内部配置部42とを備え、図1に示すように、指紋センサ43の載置面431と、表示部44と、表示窓45、45とは、外部11に露出するように外部配置部41に配設されている。
内部配置部42は、図3に示すように、電池54が収納される電池収納部46を備えている。本実施形態では、電池54は乾電池である。電池収納部46には、電池54の出し入れのために、スーツケース1の内部12に向かって開口する出し入れ口461が設けられており、出し入れ口461には、出し入れ口461を開閉可能な開閉蓋462が配設されている。なお、電池54の出し入れ口としては、出し入れ口461しか設けられていない。また、内部配置部42には係止孔47が形成され、係止孔47内には、後述する電気錠58の施錠時に、電気錠58に設けられた係止片581が突出する。さらに、内部配置部42には、指紋情報の登録時に操作されるレバー491が突設されている。レバー491は、初期位置と登録用位置の2つの位置を取り得るように移動可能とされている。
指紋認証錠部4は、上述した指紋センサ43、表示部44等の他に、図4に示すように、指紋センサ43に接続されたセンサ制御部51、センサ制御部51に接続された登録・照合・制御処理部(以下、処理部と略す。)52、処理部52に接続されるとともに表示部44に接続された表示制御部53、処理部52に接続されるとともに電池54に接続される電池残量検出部55、処理部52に接続された記憶部56、処理部52に接続された錠制御部57、錠制御部57に接続された電気錠58、及び、処理部52に接続された登録操作部49を備えている。
指紋センサ43は、載置面431に載置された指から指紋データを読取る周知のセンサである。指紋センサ43としては、半導体式センサを用いてもよいし、光学式センサを用いてもよい。また、指内散乱光直接読取方式センサ等、他の方式のセンサを用いてもよい。半導体式センサとしては、指の凹凸で生じる電位の差を利用して静電容量を計測し、指紋の紋様データを読み取る静電容量型半導体センサがある。光学式センサとしては、CCDを用い、光の反射を利用して、反射光量の大小を電気信号に変換して、指紋の紋様データを読み取るセンサがある。指内散乱光直接読取方式センサとは、指に光を照射し、指内で散乱する光を読取り、指紋の紋様データを読取るものである。
センサ制御部51は、処理部52からの信号に基づいて指紋センサ43を制御したり、指紋センサ43が読取った指紋データを処理部52に渡したりするものである。
処理部52は、CPU等から構成され、指紋センサ43からセンサ制御部51を介して受け取った指紋データに処理を施すことにより、指紋情報を取得するものである。すなわち、指紋センサ43、センサ制御部51、及び、処理部52は、指紋情報取得手段を構成する。また、処理部52は、取得した指紋情報を記憶部56に記憶(すなわち登録)したり、取得した指紋情報と記憶部56に記憶されている指紋情報とを照合して、取得した指紋情報が、記憶されている指紋情報に一致するか否かを判断したりする。すなわち、処理部52は、照合手段を構成する。また、処理部52は、照合結果や電池残量検出部55から受け取った電池残量情報に基づいて、表示制御部53や錠制御部57に信号を与える。
指紋情報とは、指紋の特徴を表す情報であり、指紋情報の例としては、指紋の特徴点(指紋の隆線の端点及び分岐点)の位置、特徴点から延びる隆線の方向、特徴点と他の特徴点との間を横切る隆線の数等がある。なお、本実施形態では、読取った指紋データから指紋情報を取り出したが、指紋データをそのまま指紋情報として用いることとが可能であれば、指紋データを指紋情報としてもよい。すなわち、指紋データと指紋情報とは異なるものとは限らない。
表示制御部53は、処理部52からの信号に基づいて、表示部44の点灯・消灯を制御するものである。以下、表示部44を警告ランプ44とも表記する。
記憶部56は、半導体メモリ等からなり、指紋情報や、電気錠58が解錠状態か施錠状態かを示す電気錠状態情報等、種々の情報や、処理部52に処理を行わせるためのプログラム等を記憶するものである。
電池残量検出部55は、電池54の電圧レベルにより電池の残量を検出し、電池の残量を示す電池残量情報を処理部52に与えるものである。
錠制御部57は、処理部52から与えられた信号に基づいて、電気錠58を動作させ、解錠したり施錠したりするものである。
電気錠58は、電気により動作する錠であり、電子錠、電動錠を含むものである。本実施形態では、電気錠58は、モータまたはソレノイド等が駆動されることにより、係止片581を突出させたり、引っ込めたりするように構成されている。
登録操作部49は、上述したレバー491を備え、レバー491の位置情報を、処理部52に与えるものである。
本体部2の端部24には、把手21の両側に、それぞれ予備錠部6が設けられている。各予備錠部6は、それぞれシリンダー錠61を備えた周知の錠であり、動作に電気は不要である。そして、シリンダー錠61、61が解錠されているときには、図2に示すように、予備錠部6、6の操作部62、62を跳ね上げて、スーツケース1を開蓋することができる。また、スーツケース1を閉蓋して操作部62、62を押し戻せば、予備錠部6、6に設けられている被係止部が、蓋部3に設けられている係止部33、33に係止され、スーツケース1は閉蓋状態を保つこととなる。そして、その状態でシリンダー錠61、61を施錠すれば、操作部62、62を跳ね上げることができず、スーツケース2は開蓋不能となる。なお、シリンダー錠61、61の施錠・解錠には、鍵を用いる。
蓋部3は、本体部2と同様に物を収納可能なように、図2に示す開蓋状態において、ある程度の深さを有するものとされ、開口端部34には、中央部に、閉蓋時に係止孔47内に挿入される係止部32が配設され、その両側に係止部33、33が配設されている。係止部32には、係止片581が挿入され係止される孔が形成されている。
以上のように構成されたスーツケース1の動作について、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。スーツケース1は、表1に示すように、閉蓋状態でも開蓋状態でも、指紋情報が一致すれば、電気錠58が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば施錠されるが、指紋情報が不一致であれば、電気錠58の状態は変わらない。すなわち、スーツケース1では、開蓋状態でも、電気錠58を施錠状態にしたり解錠状態にしたりできるので、登録した指紋により電気錠58が正常に動作するかどうかを見て確かめることができる。
次に、利用者は、レバー491に対して所定の登録用操作を行う。本実施形態では、レバー491を登録用位置に移動する。すると、登録操作部49は、レバー491が登録用位置であることを示す位置情報を処理部52に与える。そして、利用者が載置面431に指を載置すると、載置面431に指が載置されたことを検知した指紋センサ43は(S101)、指紋データを読取って処理部52に送り、処理部52は、指紋データから指紋情報を取得する(S102)。なお、載置面431に指を載置した状態で、レバー491を登録用位置に移動してもよい。
処理部52は、レバー491の位置情報が登録用位置を示していることから、指紋情報登録であると判断し(S103)、取得した指紋情報を記憶部56に記憶する(S105)。そして、処理部52は、表示制御部53に信号を与えて、警告ランプ44を所定回点滅させる等、利用者に指紋が登録されたことを知らせるための表示を行わせた後、警告ランプ44を消灯する。指紋の登録を確認したら、利用者はレバー491を初期位置に戻す。登録操作部49は、レバー491が初期位置であることを示す位置情報を処理部52に与える。以下、指紋を登録した利用者を登録者、指紋を登録していない者を非登録者と言う。
〈登録者が施錠するときの動作〉登録者は、スーツケース1を施錠するときは、レバー491を初期位置とした状態で、スーツケース1を閉蓋し、指紋を登録した指を載置面431に載置する。すると、載置面431に指が載置されたことを検知した指紋センサ43は(S101)、指紋データを読取って処理部52に送り、処理部52は、指紋データから指紋情報を取得する(S102)。
処理部52は、レバー491の位置情報が初期位置であることを示していることから、指紋情報登録ではないと判断し(S103)、取得した指紋情報と、記憶部56に記憶されている指紋情報とを照合する。ここでは、指紋登録された指が載置されているので、取得した指紋情報と、記憶されている指紋情報とは一致することとなる。したがって、処理部52は、指紋情報が一致すると判断して(S108)、ステップS109に進む。
処理部52は、現在、電気錠58が解錠状態であるか否かを、電気錠状態情報により判断する(S109)。そして、電気錠状態情報は解錠状態を示す情報とされているので、解錠状態であると判断し、錠制御部57に施錠用の信号を与える。錠制御部57は処理部52からの信号に従って、電気錠58を動作させて、係止片581を突出させ、係止部32に係止して、施錠状態とする(S110)。そして、処理部52は、電気錠状態情報を、施錠状態を示す情報に更新する(S111)。
〈登録者が解錠するときの動作〉登録者は、閉蓋されて施錠されたスーツケース1を解錠するときは、指紋登録した指を載置面431に載置する。すると、指が載置されたことを検知した指紋センサ43は(S101)、指紋データを読み取って処理部52に送り、処理部52は、指紋データから指紋情報を取得する(S102)。
ここで、スーツケース1が閉蓋されて施錠されている場合は、内部12にあるレバー491を移動することはできないので、レバー491は施錠時のまま、すなわち、初期位置のままである。したがって、処理部52は、指紋情報登録ではないと判断して(S103)、取得した指紋情報を、記憶部56に記憶されている指紋情報と照合する(S107)。そして、処理部52は、指紋情報が一致すると判断し(S108)、電気錠状態情報により、現在、施錠状態であると判断して(S109)、錠制御部57に解錠用の信号を与えて、電気錠58を動作させ、係止片581を係止部32の孔から抜脱するよう引込めて、解錠状態とする(S112)。そして、電気錠状態情報を、解錠状態を示す情報に更新する(S113)。
〈非登録者が解錠または施錠しようとしたときの動作〉非登録者が、載置面431に指を載置すると、上記と同様に、ステップS101、S102、S103、S107、S108と処理が進む。但し、レバー491は初期位置のままとする。ステップS108で、処理部52は、指紋情報が一致しないと判断して、錠制御部57に信号を与えず、電気錠58を動作させない。すなわち、電気錠58は、解錠状態であれば解錠状態に維持され、施錠状態であれば施錠状態に維持される。したがって、非登録者が、自分の指を載置しても、電気錠58を解錠したり施錠したりすることはできない。
〈登録者を変更するときの動作〉登録者を変更するときは、まず、それまでの登録者が指紋登録している指を載置面431に載置して、電気錠58を解錠し、スーツケース1を開蓋する。そして、レバー491を登録用位置に移動し、新しく登録者になる者が載置面431に指を載置する。すると、指紋センサ43は、指紋データを読取って処理部52に送り、処理部52は、指紋データから指紋情報を取得する(S101、S102)。
処理部52は、レバー491の位置情報から、指紋情報登録であると判断し(S103)、取得した指紋情報で、記憶部56に記憶されている指紋情報を更新する(S105)。すなわち、それまで記憶されていた指紋情報を消去して、取得した指紋情報を記憶する。これにより、新たな登録者のみが、施錠・解錠を行えることとなる。処理部52は、指紋が登録されたことを知らせるための表示を、警告ランプ44に行わせる。
なお、登録者は変更しないが指紋登録する指を変更するときも、上記と同様である。
〈電池残量監視処理〉上記の指紋登録・施錠・解錠処理と並行して、指紋認証錠部4は、図6に示す電池残量監視処理を行う。電池54が入れられると、電池残量検出部55が電池残量を検出して、電池残量情報を処理部52に与え(S201)、処理部52は、電池残量が所定の警告条件を満たすか否かを判定する(S202)。本実施形態では、電池残量が所定の第1の基準値以下であることを、警告条件とする。そして、警告条件が満たされない場合には、処理部52は、再びステップ201に制御を戻すが、警告条件が満たされた場合には、処理部52は、表示制御部53に信号を与えて、警告ランプ44を点灯させる(S203)。
ステップS203の後、さらに、処理部52は、電池残量情報を電池残量検出部55から受取り(S204)、電池残量が、電池切れ直前とされる所定の条件(以下、電池切れ直前条件と言う。)を満たすか否かを判定する(S207)。本実施形態では、電池残量が所定の第2の基準値以下であることを、電池切れ直前条件とする。なお、第2の基準値は、第1の基準値よりも小さい値である。
処理部52は、電池切れ直前条件が満たされない場合には、再びステップS204に制御を戻すが、電池切れ直前条件が満たされた場合には、錠制御部57に解錠用の信号を与え、電気錠58を解錠させる(S208)。なお、電気錠58は、解錠状態であれば解錠状態に維持される。このためには、処理部52が、電気錠状態情報を参照して、施錠状態のときのみ解錠用の信号を与えることとしてもよいし、電気錠58が解錠状態のときには、解錠用の信号を受け取っても、錠制御部57が電気錠58を動作させないこととしてもよい。ステップS208の後、電池54が交換されるまでは、指紋認証錠部4は、図5に示す指紋登録・施錠・解錠処理を行わず、載置面431に指紋登録した指が載置されても、電気錠58の施錠を行わない。
このように、スーツケース1は、電池切れ直前となったとき、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば解錠状態に維持されるので、スーツケース2が閉蓋されて施錠されている状態で、電池切れ(すなわち、電池残量が0)となって、開蓋不能となり、中の物を取り出せなくなることを防止できる。なお、電池切れとなった場合には、警告ランプ44は当然消灯する。また、電池54を交換するまでは、予備錠部6を用いて施錠すればよい。
一方、図6の2点鎖線で示すように、登録者が電池54を交換すれば(S209)、指紋認証錠部4は、ステップS201から処理を開始し、また、図5に示す処理も行うこととなる。なお、電池54を取り出したときに、警告ランプ44は当然消灯する。
また、スーツケース1では、電池切れになったり、電池54の交換のために電池54が取り出されたりして、電気の供給が止まると、記憶しておいた指紋情報が消えてしまうので、上述した〈最初の指紋登録時の動作〉と同様に、指紋登録を行う必要がある。
このように、スーツケース1は、登録した指紋を用いて解錠・施錠ができ、鍵や番号を用いる必要が無いので、鍵の紛失や番号の失念の虞がない。また、指紋情報を登録しておいた登録者本人でなければ、解錠することは略できないので、盗難時等に解錠される虞は殆ど無い。
また、電池54の残量が無くなる直前に、電気錠58が解錠されるので、施錠されて開蓋不能な状態で電池切れとなって蓋部3が開けられなくなり、内部12に収納した物が取り出せなくなってしまう虞が無い。
さらに、電池54の出し入れ口461が、スーツケース1の内部12に向かって開口し、外部11に向かっては開口していないので、閉蓋されて施錠された状態では出し入れ口461からの破壊ができない。したがって、盗難時等に無理に解錠されてしまう虞が少ない。
〔第2実施形態〕次に、第2実施形態について説明する。なお、スーツケース1の各構成要素と対応する構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。
第2実施形態のスーツケースでは、表2に示すように、開蓋状態では電気錠58は動作しないように構成されており、開蓋状態では必ず解錠状態である。
そして、第2実施形態のスーツケースは、図7に示すように動作する。ここで、スーツケース1の動作と異なる部分のみ説明することとすれば、第2実施形態のスーツケースでは、ステップS308で指紋情報が一致すると判断した場合に、処理部52が、蓋状態検出部により、現在、閉蓋状態か否かを検出し、閉蓋状態と判断すれば(S308A)、ステップS309に進んで、現在解錠状態か否かを判断し、以下、スーツケース1と同様に動作する。一方、ステップS308Aで閉蓋状態でないと判断した場合には、処理部52は、ステップS309に進まず、電気錠58を動作させない。
なお、蓋状態検出部を設ける代わりに、開蓋したり閉蓋したりしたときに、開蓋状態または閉蓋状態を示す蓋状態情報を記憶部56に記憶しておき、処理部52が、蓋状態情報を参照することにより、現在、開蓋状態か閉蓋状態かを知るように構成してもよい。
〔第3実施形態〕次に、第3実施形態について説明する。なお、スーツケース1の各構成要素と対応する構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。
スーツケース1では、指紋を用いて施錠を行ったが、第3実施形態のスーツケースは、閉蓋すると自動的に施錠され、指紋では施錠できないように構成されている。したがって、表3に示すように、閉蓋状態では必ず施錠状態であり、開蓋状態では必ず解錠状態である。
そして、第3実施形態のスーツケースは、図8に示すように動作する。ここで、スーツケース1の動作と異なる部分のみ説明することとすれば、第3実施形態のスーツケースでは、ステップS408で指紋情報が一致すると判断した場合に、処理部52が解錠用信号を錠制御部57に与え、電気錠58を解錠する(S410)。なお、電気錠58は、解錠状態であれば解錠状態に維持される。
第3実施形態のスーツケースでは、閉蓋により自動施錠されるので、施錠忘れを防止することができる。
〔第4実施形態〕次に、第4実施形態について説明する。なお、スーツケース1の各構成要素と対応する構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。
第4実施形態のスーツケースでは、電池54として、乾電池ではなく、充電可能な電池(蓄電池)を用いる。そして、第4実施形態のスーツケースには、充電器と接続するための接続ケーブルの差込口が、スーツケースの外部11に向かって開口しており、その差込口に接続ケーブルを差し込んで、その接続ケーブルを充電器に接続し、充電器を外部電源に接続することにより、外部電源から電池54に充電できるように構成されている。
そして、第4実施形態のスーツケースは、指紋登録・施錠・解錠処理は、スーツケース1と同様に行うが、電池残量監視処理については、図9に示すように動作する。
すなわち、電池残量0の状態から電池54が充電されると、電池残量検出部55が電池残量を検出して(S501)、処理部52は、電池残量検出部55からの電池残量情報により、電池残量が第1の基準値以下か否かを判定し(S502)、第1の基準値以下でなければ、処理部52は、再びステップ501に制御を戻し、第1の基準値以下であれば、処理部52は、警告ランプ44を点灯させる(S503)。
ステップS503の後、電池残量検出部55は電池残量を検出し(S504)、処理部52は、電池残量が第1の基準値以下か否かを判定する(S505)。そして、充電が行われることにより、電池残量が第1の基準値以下でなくなっていれば、処理部52は、表示制御部53に消灯用の信号を与えて、警告ランプ44を消灯させる(S506)。
一方、ステップS505で、電池残量が第1の基準値以下と判断すれば、処理部52は、電池残量が第2の基準値以下か否かを判定し(S507)、第2の基準値以下でなければ、再びステップS504に制御を戻すが、第2の基準値以下であれば、電気錠58を解錠させる(S508)。ステップS508の後、電池54が充電されるまでは、指紋認証錠部4は、電気錠58の施錠を行わない。
このように、電池54を蓄電池としてもよく、その場合にも、電池残量が無くなる直前で解錠されるように構成すれば、充電器を忘れたり、充電器をスーツケース内に入れたまま施錠したりして、電池残量が無くなり、解錠できなくなってしまう虞が無くなる。
なお、上記各実施形態では、いずれも、指紋登録時に、それまで登録されていた指紋情報を消去することにより、登録する指紋を1つに限ったが、複数の指紋情報を登録可能としてもよい。かかる場合には、処理部52は、取得した指紋情報と、記憶されている複数の指紋情報とを照合し、記憶されている複数の指紋情報の中に、取得した指紋情報と一致するものがあれば、指紋情報が一致すると判断し、取得した指紋情報と一致するものが無ければ、指紋情報は一致しないと判断する。このようにすれば、複数人が登録者となってスーツケース1を共用することや、1人が複数の指の指紋を登録することにより、指の怪我等で指紋登録した指が使用できなくなって、スーツケース1の施錠・解錠ができなくなる虞を低減できる。
また、電気の供給が止まっても、記憶されている指紋情報が消えないように構成してもよい。そうすれば、電池残量が無くなる度に、指紋を登録しなおす必要がない。
また、各処理の順序は適宜変更可能であり、例えば、指紋情報登録か否かを判断してから、指紋情報を取得するようにしてもよい。
また、指紋情報を登録したら、レバー491を自動で初期位置に戻すように構成してもよいし、指紋登録であることを知らせるための手段として、レバー491ではなく、ボタン等、他の手段を用いてもよい。
また、解錠状態か施錠状態かを知るのに、電気錠58の状態を記憶しておくのではなく、電気錠状態検出部を設け、解錠または施錠しようとするときに現在の電気錠58の状態を検出するようにしてもよい。
また、指紋センサ43、センサ制御部51、処理部52等の構成各部は、別体とは限らず、例えば、センサ制御部51と処理部52とを同じものとしたり、電池残量検出部55と処理部52とを同じものとしたりする等、適宜一体としてもよい。
また、指紋によりスーツケース1全体を施錠・解錠するのではなく、スーツケース1の一部のみを施錠・解錠するように構成してもよい。すなわち、開蓋・閉蓋するとは、スーツケース1全体を開閉する場合だけではなく、スーツケース1の一部に設けられた蓋部を開閉する場合も含むものとする。かかる例としては、スーツケース1の内部に、貴重品等を収納する収納部と、その収納部の開口部を開閉する蓋部(以下、収納蓋部と言う。)とを設け、収納部に対して収納蓋部を閉めて、指紋により、収納蓋部が開かなくなるように施錠し、また、収納蓋部が開くように解錠するものがある。
また、上記各実施形態では、いずれも、本発明をスーツケースに適用したが、アタッシュケースに適用する等、本発明は種々の鞄に適用可能である。
すなわち、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、本発明は種々の構成を採り得る。
1…スーツケース
11…外部
12…内部
43…指紋センサ
46…電池収納部
52…登録・照合・制御処理部
54…電池
55…電池残量検出部
56…記憶部
58…電気錠
461…出し入れ口
11…外部
12…内部
43…指紋センサ
46…電池収納部
52…登録・照合・制御処理部
54…電池
55…電池残量検出部
56…記憶部
58…電気錠
461…出し入れ口
Claims (4)
- 電気錠を備え、閉蓋状態で前記電気錠を施錠すれば開蓋不能となり、前記電気錠を解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、
指紋情報を記憶する記憶部と、
載置された指から指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、
前記指紋情報取得手段により取得した指紋情報と前記記憶部に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段と、
を備え、
閉蓋状態において、前記照合手段が指紋情報が一致すると判断したときには、前記電気錠が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば施錠され、前記照合手段が指紋情報が一致しないと判断したときには、前記電気錠が、施錠状態であれば施錠状態に維持され、解錠状態であれば解錠状態に維持されることを特徴とする鞄。 - 電気錠を備え、閉蓋すれば前記電気錠が自動的に施錠されて開蓋不能となり、前記電気錠を解錠すれば開蓋可能となる鞄であって、
指紋情報を記憶する記憶部と、
載置された指から指紋情報を取得する指紋情報取得手段と、
前記指紋情報取得手段により取得した指紋情報と前記記憶部に記憶されている指紋情報とを照合して、指紋情報が一致するか否かを判断する照合手段と、
を備え、
閉蓋状態において、前記照合手段が指紋情報が一致すると判断したときには、前記電気錠が解錠され、前記照合手段が指紋情報が一致しないと判断したときには、前記電気錠が施錠状態に維持されることを特徴とする鞄。 - 前記電気錠を動作させるための電源となる電池と、
前記電池の残量を検出する電池残量検出部と、
を備え、
前記電池残量検出部により検出した残量が、電池切れ直前とされる所定の条件を満たす場合に、前記電気錠が、施錠状態であれば解錠され、解錠状態であれば解錠状態に維持されることを特徴とする請求項1または2記載の鞄。 - 前記電池が収納される電池収納部を備え、
前記電池収納部に設けられた電池の出し入れ口が、鞄内部に向かって開口し、鞄外部に向かっては開口しないことを特徴とする請求項3記載の鞄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004299043A JP2006112083A (ja) | 2004-10-13 | 2004-10-13 | 鞄 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004299043A Withdrawn JP2006112083A (ja) | 2004-10-13 | 2004-10-13 | 鞄 |
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- 2004-10-13 JP JP2004299043A patent/JP2006112083A/ja not_active Withdrawn
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