JP2006111911A - 高強度等速ジョイント用中間シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波焼入れ技術を有効に活かしつつ、静的ねじり強度で2000MPaレベルを超える特性を発揮し得る様な高強度CVJ用中間シャフトを提供すること。
【解決手段】 化学成分、特にC,Mn,Ni,Mo,Bなどの特定された鋼材からなり、シャフト最小径部の半径を(r)、高周波焼入れによる焼入れ硬化層の深さを(t)としたとき、(t/r)比が0.7以上で、且つ焼入れ硬化層の結晶粒度番号が9番以上であり、静的ねじり強度が2000MPa以上である高強度等速ジョイント用中間シャフトを開示する。

Description

本発明は、自動車部品の等速ジョイントに用いられる鋼製の中間シャフトに関し、より詳細には、高靭性でしかも2000MPaレベル以上の高い静的ねじり強度を有する等速ジョイント用の中間シャフトに関するものである。
自動車の機械構造用部品として駆動伝達部に使用される等速ジョイント(Constant Velocity universal Joints、以下、CVJと記す)の中間シャフトには、優れた疲労強度と静的強度が要求されるが、その様なシャフト部品の疲労強度や静的強度を高めるための代表的な手段として高周波焼入れ法がある。すなわち高周波焼入れ法は、加工費が比較的廉価である上に処理時間が短くて効率がよく、しかも、表面硬化と圧縮残留応力を効果的に高めることができ、環境にやさしく、製品に殆ど歪を与えることなく綺麗な表面に仕上げることができる、といった様々の特徴を有していることから、各種機械部品の有用な強化法として活用されている。
例えば本発明者らも、特許文献1として高周波焼入れにより機械構造用部品の面疲労強度を高める技術を先に提案している。しかしこの技術は、面疲労強度の向上に主眼を置いた発明であって、相対的にC含量の多い鋼材を用いて表面硬度を高めているが、本発明で意図する様なCVJ用中間シャフトに適用した場合は靭性不足となり、静的ねじり強度で2000MPa以上を確保することはできない。
他方、特許文献2には、本発明と同様の駆動軸用シャフトが開示されており、この発明によれば、鋼材の成分組成を特定すると共に、高周波焼入れによって表面硬さをHrC55以上とし、且つ焼入れ硬化層深さとシャフト半径との比を0.45以上とすることでねじり疲労特性を高めている。そしてこの公報によれば、ねじりせん断応力(静的ねじり強度)で1.47GPa(1470MPa)以上が得られることを強調しているが、実績値としては1.81GPa(1810MPa)までが限度であり、それ以上にねじり特性を高めることには成功していない。
しかし、地球温暖化を背景として世界的規模の排気ガス低減対策が求められる中で、車体軽量化の要望は更に高まっており、機械構造部品であるCVJ用中間シャフトについても、高強度化による部品サイズの小型化とそれに伴う軽量化の要望は益々高まっており、1800MPaレベルを凌駕する静的ねじり強度特性をもった中間ジョイント材の開発が望まれる。
特許第3208960号 特許第3539981号
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高周波焼入れ技術を有効に活かしつつ、静的ねじり強度で2000MPaレベルを超える特性を発揮し得る様な高強度CVJ用中間シャフトを提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る高強度CVJ用中間シャフトとは、
C :0.40〜0.50%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.5%以下、
Mn:0.5%以下、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
B :5〜30ppm、
Ti:0.005〜0.05%、
Cr:0.2%以下、
Al:0.1%以下、
P :0.015%以下、
S :0.03%以下、
を満たし、残部が鉄および不可避不純物である鋼からなり、シャフト最小径部の半径を(r)、高周波焼入れによる焼入れ硬化層の深さを(t)としたとき、(t/r)比が0.7以上で、且つ焼入れ硬化層の結晶粒度番号が9番以上であり、静的ねじり強度が2000MPa以上であるところに特徴を有している。
本発明のCVJ用中間シャフトは、用いる鋼材の成分組成を特定すると共に、上記の様に高周波焼入れ技術をより有効に活用して焼入れ硬化層深さ(t)/シャフト最小径(r)の比を大幅に高めることによって、靭性劣化を防止しつつ静的ねじり疲労強度で2000MPaを超える高い値を確保できる。従って、同レベルの性能のシャフトであれば相対的に小径、即ち相対的に軽量のシャフトを使用することができ、構造部品として軽量化を増進できるばかりでなく、素材消費量の低減によるコストダウンも可能となる。
本発明者らは上述した様な課題の解決を期して、用いる鋼材の化学成分や高周波焼入れ条件などを主体にして鋭意研究を進めてきた。その結果、所定の化学成分を満たす鋼材を選択使用すると共に、高周波焼入れ後のオーステナイト結晶粒径を微細に制御し、高周波焼入れによる硬化層深さを深くしてやれば、静的ねじり強度を有意に高めることができることを確認した。
しかし、例えば前掲の特許文献2に開示されている様な高周波焼入れ用鋼では、硬化層深さを過度に高めると靭性が低下して静的ねじり強度は頭打ち状態となり、その後は却って低下傾向を示す様になる。そのため、焼入れ硬化層深さ比(即ち、シャフト半径に対する高周波焼入れ硬化層深さの比)を過度に高めることはできず、その結果として、静的ねじり強度レベルは1800MPa前後が限界となり、それ以上に静的ねじり強度を高めることはできなかった。
また前掲の特許文献1に開示された高面疲労強度機械構造用部品では、高周波焼入れによる硬質化によって面疲労強度を高めることはできるが、硬質化のため相対的に炭素量の多い鋼材を使用していることもあって靭性不足になる傾向があり、静的ねじり疲労特性に対する改善効果については必ずしも満足し得るものとはいえない。
そこで、鋼材化学成分が高周波焼入れによって与えられる硬化層深さや結晶粒度、粒界強度、延いては静的ねじり疲労特性に与える影響を再度見直すべく研究を重ねてきた。その結果、上記の様に化学成分の特定された鋼材を使用すれば、高周波焼入れ鋼材の靭性劣化を生じることなく焼入れ硬化層を深くできること、しかも、高周波焼入れに伴う結晶粒の粗大化については、高周波焼入れ処理時の最高到達温度を抑制することで最小限に抑制できることを突き止めた。そして、高周波焼入れ硬化層の結晶粒径を結晶粒度番号で9番以上を確保し、且つ該硬化層深さを(t)、当該シャフトの最小径部の半径を(r)としたとき、その比(t/r)を0.7以上に高めてやれば、静的ねじり強度を従来例では得ることのできなかった2000MPaレベル以上にまで高め得ることを知り、上記本願発明に想到したものである。
まず、本願発明で使用する鋼材の化学成分を定めた理由について説明する。
C:0.40〜0.50%
Cは、高周波焼入れ後の部品の疲労強度を高めるのに欠くことのできない元素であり、0.40%未満では本発明で意図するレベルの静的ねじり強度を確保するのに十分な表面硬さが得られず、結果的に満足のいく静的ねじり強度が保障できなくなる。しかし、C量が多過ぎると、鋼材の割れ感受性が高くなって静的ねじり強度が却って低下傾向を示す様になるので、0.50%以下に抑えなければならない。C量のより好ましい含有量は0.45%前後である。
Si:0.5%以下
Siは、炭化物生成元素の少ない鋼においては高温硬さを高める上で重要な元素であり、一方、炭化物生成元素の多い鋼では炭化物の生成を遅らせる。従って、その好適含有量は炭化物生成元素の含有量によって変わってくるが、本発明で定める成分系の鋼では0.5%以下に抑えるのがよい。
Mn:0.5%以下
Mnは鋼材の焼入れ性を高める元素であるが、本発明では、追って詳述する如くNi、Mo,Bなどが複合添加されて十分な焼入れ性を有しており、焼入れ性向上元素としてのMnの必要性は少ない。むしろMn含量が0.5%を超えると、圧延材が硬質化し過ぎて切削性や切断性が劣化し、或いは焼入れ部の割れ感受性も高まるので、0.5%以下に抑えることとした。
Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜1.0%
NiおよびMoは、下記のBと複合添加することで焼入れ性を高め、静的ねじり強度で2000MPa以上を達成する上で欠くことのできない元素であり、Ni、Moがそれぞれ0.1%未満ではその効果が十分に発揮されない。しかし、多過ぎると焼き割れを起こす原因になるのでNiは2.0%以下、Moは1.0%以下に抑える。より好ましいNi含量は0.5%以上、1.1%以下、より好ましいMo含量は0.4%以上、0.7%以下である。
B:5〜30ppm
Bは、少量の添加で上記NiおよびMoとの複合効果もあって焼入れ性を高め、且つ粒界強度も高めて静的ねじり強度の向上に寄与する。こうした効果を有効に発揮させるには少なくとも5ppm以上含有させなければならないが、その効果は約30ppmで飽和するので、それ以上の含有は不経済である。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは鋼中に不可避的に混入してくる微量元素であるN(窒素)やO(酸素)との親和性が高く、これらと結合することで、上記Bの焼入れ性改善効果や粒界強度増強効果を発揮させる他、結晶粒の微細化にも有効に作用する。こうした効果を有効に発揮させるには0.005%以上含有させねばならないが、多過ぎると鋼材が硬くなり過ぎて切断などの加工性に悪影響が表れてくるので、0.05%を上限とする。
Cr:0.2%以下
Crは鋼材の焼入れ性向上に寄与する元素であるが、本発明では上記の様にNi,Mo,Bが複合添加されており十分に焼入れ性を有しているので、必須とされる訳ではない。但し、多過ぎると鋼材が硬質化して切断性が劣化する他、焼入れ部の割れ感受性も高まるので、0.2%を上限とする。より好ましくは0.15%以下に抑えるのがよい。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸と結晶粒の微細化に有効な元素であるが、0.1%を超えてもそれ以上の結晶粒微細化効果は発揮されず、むしろ酸素との結合によって生成するAl23の増大によって切削性を劣化させるので、0.1%を上限とする。より好ましくは0.04%以下に抑えるのがよい。
P:0.015%以下
Pは粒界偏析を起こして粒界強度を低下させ脆化の原因になるので、0.015%以下に抑えるべきである。
S:0.03%以下
Sは鋼材の強度、特に加工方向に対して横目の強度を著しく劣化させるので、0.03%以下に抑えるべきである。
本発明で用いる鋼材の必須元素は上記の通りであり、残部はFeと不可避不純物であるが、場合によっては上記元素に加えてCu,V,Nb,Ca,Pb,Teなどを適量含有させることによって所望に応じた改質を行なうことも可能である。
本発明の中間シャフトは、上記化学成分の鋼材を常法に従って溶製、鋳造、圧延などを経て棒状に加工し、鍛造、研削加工などによりCVJ用の中間シャフト形状とした後、高周波焼入れ処理される。この高周波焼入れに当たっては、周波数や温度、加熱時間などを制御することによって硬化層深さを調整するが、その際、硬化層深さ(t)のシャフト最小径部の半径(r)に対する比、すなわち硬化層深さ比(t/r)が0.7以上となる様に焼入れ条件を制御する。
このときの焼入れ温度は、焼入れ硬化層の結晶粒度に顕著な影響を及ぼし、該温度が1000℃を超えると結晶粒の粗大化が進行し易く、所定硬化層深さに達するまでに結晶粒度番号で9番以下にまで粗大化するが、最高到達温度が1000℃を超えない様に制御すると、粒度番号9番以上の微細な結晶粒を確保することができ、それにより靭性劣化が抑えられて2000MPa以上の静的ねじり強度を確保できる。
焼入れのための周波数は特に制限されないが、処理の均一性や処理効率などを総合的に考慮すると3〜20KHzの範囲が好ましい。
なお硬化層深さ比(t/r)の上限は特に存在せず、t/r=1、すなわち深部まで完全に焼入れ硬化させることも可能であり、特にシャフト本体部や周溝などについては完全焼入れ硬化(中心部まで焼入れ)とすることも有効である。しかしセレーション軸部については、硬化層を深くし過ぎると靭性不足により静的ねじり疲労特性が低下傾向になるので、好ましくはt/r値で0.95程度以下に抑えることが望ましい。
いずれにしても本発明によれば、硬化層の結晶粒度番号を9番以上とし、且つ硬化層深さ比(t/r)を0.7以上とすることで、この種のCVJ用中間シャフトでは得ることのできなかった静的ねじり強度で2000MPa以上を確保することができ、従来の強度レベルの中間シャフトに比べて相対的に軸径を小さくすることが可能となり、車体の軽量化に寄与できる。
以下、実験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例
通常の溶製法に従って下記表1に示す成分組成の鋼を溶製し、鋳造および鍛造してから焼ならしを行った後、切削加工により図1に示す形状の中間シャフトを作製した。図中、1はシャフト本体部、2は周溝、3はセレーション軸部、4は止め輪を示す。
得られた中間シャフトについて、下記の高周波焼入れ処理を施した後、下記の方法で焼入れ硬化層深さを測定すると共に、表層部の硬さ及び硬化層の結晶粒度を測定し、更に下記の条件で静的ねじり強度を測定した。結果を表1に一括して示す。
[高周波焼入れ条件]
比較法:
出力;75KW、周波数;10KHz、ワークコイル移動速度;20mm/secの条件で加熱する。この後、180℃×10秒で焼戻ししてからねじり試験に供する。
本発明法:
条件は上記比較法と同様にして高周波加熱を行うが、その間、電圧を調節することで表層温度が1000℃を超えないように制御する。次いで同様にして焼入れ・焼戻し処理してからねじり試験に供する。
[硬化層深さの測定法]
JIS G0559に規定される測定法に準拠し、表面からビッカース硬さがHv450までの深さを求め、硬化層深さとする。
[表層部硬さ測定法]
JIS G0559に規定される測定法に準拠してビッカース硬さHvを求める。
[結晶粒度の測定法]
JIS G0551に規定される測定法に準拠して測定する。
[静的ねじり強度測定法]
静的ねじり試験機(鷺宮製作所製の油圧サーボ捩り疲労試験機、商品名「ETH−50−420−500」)を使用し、捩り角度を徐々に増加させながら順次トルクを測定して破断するまでのトルクを求め、供試棒の断面寸法から計算によりせん断応力を求める。
得られた中間シャフトの評価結果を下記表1に示す。
図1は、実験で使用した中間シャフトの形状を示す説明図である。
符号の説明
1 シャフト本体部
2 周溝
3 セレーション軸部
4 止め輪

Claims (1)

  1. 等速ジョイント用中間シャフトにおいて、
    C :0.40〜0.50%(質量%の意味、以下同じ)、
    Si:0.5%以下、
    Mn:0.5%以下、
    Ni:0.1〜2.0%、
    Mo:0.1〜1.0%、
    B :5〜30ppm、
    Ti:0.005〜0.05%、
    Cr:0.2%以下、
    Al:0.1%以下、
    P :0.015%以下、
    S :0.03%以下、
    を満たし、残部が鉄および不可避不純物である鋼からなり、シャフト最小径部の半径を(r)、高周波焼入れによる焼入れ硬化層の深さを(t)としたとき、(t/r)比が0.7以上で、且つ焼入れ硬化層の結晶粒度番号が9番以上であり、静的ねじり強度が2000MPa以上であることを特徴とする高強度等速ジョイント用中間シャフト。
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