JP2006111082A - ステアリングコラム用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングシャフトをステアリングコラムに支持するステアリングコラム用軸受装置において、ステアリングシャフトに正確にかつ安価に予圧を与えることのできる構成とする。
【解決手段】本ステアリングコラム用軸受装置3は、ステアリングコラム1の内周面に嵌合される環状ケース4と、環状ケース4に収納されてステアリングコラム1にステアリングシャフト2を支持する針状ころ軸受5(転がり軸受)とを備え、環状ケース4は、金属材もしくは硬質の樹脂材で構成され、針状ころ軸受5は、環状ケース4に収納される外輪51と、外輪51の内周面を転接する複数の針状ころ52(転動体)とを備え、外輪51は、転動体からの圧接を受けてステアリングシャフト2側に弾性復元する向きに弾性変形してステアリングシャフト2に予圧を付与している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両用ステアリング装置に用いるステアリングコラム用軸受装置に関する。
図4で示すように、ステアリングホイール6とユニバーサルジョイント7との間にステアリングシャフト2が連結された自動車のステアリング装置においては、運転者が操作するステアリングホイール6の動きをステアリング機構に伝達させるため、車体側に支持される円筒状のステアリングコラム1と、このステアリングコラム1の内側に挿通されたステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2をステアリングコラム1に支持するステアリングコラム用軸受装置3a,3bとを備える(特許文献1参照)。
このステアリングコラム用軸受装置3bは、図5で示すように、ステアリングコラム1の内周面に嵌合された環状の環状ケース4と、この環状ケース4に収納されてステアリングシャフト2を支持する針状ころ軸受5とを備える。針状ころ軸受5は、外輪51と、複数の針状ころ52と、針状ころ52を保持する保持器53とを備えている。環状ケース4は、ゴム等の弾性材からなり、外輪51の周囲に設けられる円筒状本体部41と、この円筒状本体部41の両端から径内方に形成された円環状フランジ部42とからなり、内周面に開口する環状の軸受収納用の環状凹部43が形成されている。そして、環状ケース4は、環状凹部43内に針状ころ軸受5を収納した状態で、ステアリングコラム1の内周面に圧入されている(特許文献2参照)。
なお、図4に示すステアリングコラム用軸受装置3aも同様の構造となっている。
以上の構成を備えた従来のステアリングコラム用軸受装置3において、環状ケース4は、ゴム等の弾性材から構成されていることにより、環状ケース4の弾性作用で、ステアリングシャフト2に対して常に予圧を発生させ、ステアリングシャフト2のステアリングコラム1内でのがたつきを防止して、ステアリングホイールの操作性を向上させている。
特開2003−314563号公報 特開2002−039172号公報
上記した従来のステアリングコラム用軸受装置3の場合、ゴム等の弾性材は容易に圧縮変形するために、このような弾性材から環状ケース4を構成し、この環状ケース4が持つゴム等の弾性材の弾性変形を利用してステアリングシャフト2に必要な予圧を与えるには、環状ケース4をステアリングコラム1内で十分に圧縮変形させる必要がある。しかしながら、環状ケース4をその圧縮変形に必要な肉厚に成形するために原価の高い弾性材の使用量が増大してしまい、これによって上記環状ケース4を備えたステアリングコラム用軸受装置3の量産コストが高くついている。その上、ゴム等の弾性材からなる環状ケース4では、予圧に対する弾性材の圧縮変形が軸方向全体に均等に起こりにくく、したがって、予圧の調整を弾性材の肉厚の設定により正確に行うことは必ずしも容易ではなく、予圧の調整が不正確に行われてしまい易い。さらに、肉厚が厚い環状ケース4は、肉厚が厚い上にゴムが比較的剛体化したものとなるため、ステアリングコラム1とステアリングシャフト2との間の狭い隙間に挿入させる作業に相当な困難が伴い、加えて、ステアリングコラム1内に環状ケース4を収納した後に、環状ケース4とステアリングシャフト2との間に針状ころ軸受5を収納するスペースを確保するには環状ケース4をステアリングコラム1内で押し広げる作業も要求され、かかる押し広げ作業に長い作業時間を費やさざるを得ない、などの不都合がある。
上記課題を解決するための手段として、本発明第1のステアリングコラム用軸受装置は、ステアリングコラムの内周面に嵌合される環状ケースと、この環状ケースに収納されてステアリングコラムにステアリングシャフトを支持する転がり軸受とを備えたステアリングコラム用軸受装置であって、上記環状ケースは、金属材もしくは樹脂材で構成され、上記転がり軸受は、両端部が環状ケースに係止されて半径方向外向きに弾性変形可能に構成された外輪と、外輪の内周面とステアリングシャフトの外周面との間に圧入された複数の転動体とを備え、上記外輪は、転動体の圧接を受けて半径方向外向きに弾性変形され、その弾性復元力により、該転動体を介してステアリングシャフトに予圧を付与していることを特徴とするものである。
本発明第1のステアリングコラム用軸受装置によると、環状ケースが金属材もしくは樹脂材で構成されているから、原価の高いゴム等の弾性材で環状ケースを構成する必要がなくなり、また、原価の安い金属材もしくは樹脂材により外輪を構成するから、当該軸受装置の量産コストを低減することができる。また、環状ケースが弾性変形してステアリングシャフトに予圧を与える構造ではなく、複数のころからの圧接を受けて弾性変形している外輪がステアリングシャフトに予圧を与える構造であるから、当該軸受装置においてステアリングシャフトへ所望の与圧付与が行われていることについて、信頼性が高くなる。
また、外輪を、ころ等の転動体からの圧接によりステアリングシャフト側に弾性復元する向きに弾性変形し得るように成形加工するだけで済み、その加工コストも高くつかずに済む。
さらに、環状ケースの肉厚を厚くする必要はなく、薄肉で構成することができるので、環状ケースを薄肉にして、ステアリングコラムとステアリングシャフトとの間の狭い隙間に挿入させ易い構造とすることができる。
さらに、環状ケースをステアリングコラム内に収納した後でも、環状ケースとステアリングシャフトとの間にころ軸受を収納するスペースを確保することができ、従来のように、環状ケースをステアリングコラム内で押し広げる作業はなくなり、かかる押し広げ作業に長い作業時間を費やす必要もない。
本発明第2のステアリングコラム用軸受装置は、本発明第1のステアリングコラム用軸受装置の好ましい実施態様であり、上記転動体は、ころであり、上記環状ケースは、ケース内面と軸方向両側のケース内側面とで囲まれて内部が径方向内側に開口した環状凹部を有し、上記軸方向両側それぞれのケース内側面の径方向途中部に段差面が設けられており、かつ、その環状凹部は、上記段差面よりも径方向外側に上記ころの長さよりも長く、上記外輪の軸方向長さよりも短い凹部幅を有する第1の環状凹部と、上記段差面よりも径方向内側に上記外輪の収納が可能な凹部幅を有する第2の環状凹部とを含み、上記外輪は、その軸方向両側の端部が、上記軸方向両側の段差面に係止され、その係止状態で、上記第2の環状凹部に収納されており、かつ、半径方向内向きに湾曲した形状に成形されており、かつ、上記ころにより押圧されて半径方向外向きに弾性変形されているとともに、その弾性復元力により、該ころを介してステアリングシャフトに予圧を付与しており、上記ころは、上記第1の環状凹部と径方向で対向する位置で、上記外輪の内周面を半径方向外向きに押圧しているステアリングコラム用軸受装置である。
本発明第2のステアリングコラム用軸受装置においては、転動体がころとされており、かつ、上記ころが、上記第1の環状凹部と径方向で対向する位置で、上記外輪の内周面を半径方向外向きに押圧しているから、外輪が半径方向外向きに押されたとき、環状ケースと干渉するおそれがなくなり、外輪の半径方向外向きへの弾性変形を円滑に行うことが可能となる。
本発明第3のステアリングコラム用軸受装置は、本発明第1のステアリングコラム用軸受装置の好ましい実施態様であり、上記転動体が、ころであり、上記外輪が、ころの圧接を受けて弾性変形して弾性復元力を発現する肉厚に設定された平板状に成形されているステアリングコラム用軸受装置である。
本発明第3のステアリングコラム用軸受装置においては、外輪としては、単に肉厚が調整設定された平板状の外輪を準備するだけで済み、半径方向内向きに成形加工する必要が無くなり、量産コストを低減することができる。
本発明第4のステアリングコラム用軸受装置は、本発明第3のステアリングコラム用軸受装置の好ましい実施態様であり、上記環状ケースが、ケース内面と軸方向両側のケース内側面とで囲まれて内部が径方向内側に開口した環状凹部を有し、上記軸方向両側それぞれのケース内側面の径方向途中部に段差面が設けられており、外輪が、その軸方向両側の端部が、上記軸方向両側の段差面に係止されているステアリングコラム用軸受装置である。
本発明第4のステアリングコラム用軸受装置においては、外輪の肉厚調整のみで、ステアリングシャフトに対する予圧量の調整を容易に行うことが可能である。
本発明は、ステアリングシャフトをステアリングコラムに支持するステアリングコラム用軸受装置において、ステアリングシャフトに対して予圧を正確に付与することが可能でありかつ量産コストを低減することができるステアリングコラム用軸受装置を提供することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態に係るステアリングコラム用軸受装置を詳細に説明する。ステアリング装置は、車輪を操向するためにステアリングホイールの動きを伝達するステアリングシャフトと、このステアリングシャフトを内部に通して回転自在に支持するステアリングコラムとを有する。ステアリングシャフトの一方の端部にステアリングホイールが連結され、ステアリングシャフトの他方の端部に、ユニバーサルジョイント、インターミディエイトシャフト等を介して、ピニオン、ラック軸等を含むステアリング機構が連結されている。ステアリングホイールが回されると、その回転がステアリングシャフト、ユニバーサルジョイント、インターミディエイトシャフト等を介して、ステアリング機構に伝達され、これによって、車輪を操向することができる。
以上の構成および動作をするステアリング装置において、図1および図2を参照して、ステアリングシャフトをステアリングコラムに支持するためのステアリングコラム用軸受装置を説明する。
図1は、ステアリングコラムと、ステアリングシャフトと、本実施の形態のステアリングコラム用軸受装置とを示す断面図、図2は、図1のステアリングコラム用軸受装置が備える針状ころ軸受の外輪の外観を示す図である。説明の都合で、これらの図中左側を軸方向一方側といい、図中右側を軸方向他方側ということとする。
図1において、1はステアリングコラム、2はステアリングシャフト、3はステアリングコラム用軸受装置である。ステアリングコラム1は円筒形であり、ステアリングシャフト2は、このステアリングコラム1の内側に挿入されている。
ステアリングコラム用軸受装置3は、ステアリングコラム1とステアリングシャフト2との間の隙間に挿入されて、ステアリングシャフト2をステアリングコラム1に支持している。ステアリングコラム用軸受装置3は、ステアリングシャフト2に対して、所要の予圧を与えており、これによって、運転者が操作するステアリングホイールの動きを、ステアリングシャフト2を介して、ステアリング機構に、がたつきなく、円滑に伝達させるようになっている。
ステアリングコラム用軸受装置3は、環状ケース4と、針状ころ軸受5とから構成されている。
以下に、環状ケース4と針状ころ軸受5との構造を詳細に説明する。
環状ケース4は、軸方向に円筒状でかつ半径方向の肉厚が軸方向に沿って均等に形成された円筒状本体部41と、円筒状本体部41の軸方向両側それぞれから半径方向内向きに延びかつ内側面を段差の有る形状とされた円環状フランジ部42とからなり、内部には、円筒状本体部41と、軸方向両側の円環状フランジ部42とにより囲まれた環状凹部43を内部に形成されている。
円環状フランジ部42の内側面44は、その段差形状により、外径側の第1の内側面部44aと、内径側の第2の内側面部44bとにより構成されており、これら両内側面部44a,44bの境界には軸方向に平坦な環状の段差面44cが形成されている。
環状ケース4の環状凹部43は、円筒状本体部41の内周面(ケース内面)41aと両円環状フランジ部42の第1の内側面部(ケース内側面)44aとにより囲まれた第1の環状凹部43aと、両円環状フランジ部42の第2の内側面部(ケース内側面)44bの軸方向対向間に形成された第2の環状凹部43bとから構成されている。
第1の環状凹部43aは、環状段差面44cよりも半径方向外側に位置していて、針状ころ52の長さよりも長く、後述する外輪51の軸方向長さよりも短い凹部幅を有する環状凹部である。
第2の環状凹部43bは、環状段差面44cのよりも半径方向内側に位置していて、外輪51の収納が可能な凹部幅を有する環状凹部である。
軸方向両側の端部と第2の内側面部44bとの間に、若干の隙間Gが存在する程度とされている。
隙間Gの存在により、外輪51は、その内周面が半径方向外向きに押圧されて弾性変形するとき、その弾性変形する挙動に悪影響を受けないようにされている。
環状ケース4は、金属材の成形により構成されている。
この成形方法としては、板金プレス成形法等の塑性加工法、切削加工法、鋳造加工法等の公知の方法を利用することができる。特に、一体成形品として板金プレス成形品を用いる場合には、耐久性が有り安価な板金材料を利用して形成することができるので、ステアリングコラム用軸受装置3の量産コストを低減する上で好ましい。金属材料は、ゴム等の弾性変形し易い材料でなければ、特に限定されないが、例えば、鉄系材料、銅系材料、アルミニウム合金等を利用することができ、これらの材料を単独、あるいは複数を組み合わせて利用しても良い。鉄系材料としては、鉄、鉄を含む合金等を例示することができる。銅系材料としては、銅、銅を含む合金等を例示することができる。
環状ケース4は、樹脂の成形により構成することもできる。樹脂の成形法としては、圧縮成形法、トランスファ成形法、射出成形法、等の公知の方法を利用することができる。樹脂の材料としては、ゴム等の弾性変形し易い材料でなければ、特に限定されないが、耐摩耗性や機械的強度等に優れた樹脂が好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、PPS(ポリフェニレンスルファイド)樹脂等がある。
針状ころ軸受5は、外輪51と、外輪51の内周面を転接する複数の針状ころ52と、これら針状ころ52を保持する保持器53とを具備している。
外輪51は、軸方向中央側がステアリングシャフト2側に、換言すれば、半径方向内向きに膨出した湾曲形状に成形されている。外輪51の湾曲量は、針状ころ52の転動に悪影響を及ぼさず、かつ、針状ころ52の圧接により、半径方向外向きに弾性変形して、ステアリングシャフト2に対して必要とする予圧を与えることができる量に設定されている。この設定は、実験等により適宜に行うことができる。
外輪51は、軸方向の両端部が、環状ケース4の環状段差面44cに上記隙間Gの存在分、拘束されない自由状態で係止されている。外輪51には、軸方向斜めにスリット51aが形成され、このスリット51aの対向隙間分だけ、弾性的に拡径および縮径が可能になっている。
針状ころ52は、保持器53とともにケージアンドローラを構成しているものであり、保持器53の円周方向等間隔に形成されたポケット53aに個別に収納されて保持されており、ステアリングシャフト2の外周面と外輪51の軸方向中央側の内周面とに圧接している。ステアリングシャフト2において針状ころ52と圧接する外周面は、針状ころ52の内輪軌道面を構成し、外輪51において針状ころ52が圧接する軸方向中央側内周面は、針状ころ52の外輪軌道面を構成する。
針状ころ52はまた、環状ケース4の第1の環状凹部43aに対して半径方向で対向しており、外輪51が第1の環状凹部43aに入り込むまで弾性変形した際には、針状ころ52が第1の環状凹部43aに入り込むことが可能になっている。
上記圧接のために、外輪51の軸方向両側の端部の内径は、針状ころ52の外接円直径よりも大きく、かつ、外輪51の軸方向中央側の内径は、針状ころ52の外接円直径よりも小さくなるように、上記した湾曲形状に成形されている。このように外輪51の軸方向中央側を半径方向内向きの湾曲形状としたことにより、針状ころ52は、外輪51の軸方向中央側である軌道面に圧接した状態で転動することが可能となる。
図1に仮想線で示されている外輪51は、ステアリングコラム1とステアリングシャフト2との間に組み込まれていない自由状態での外輪51の形状を示しており、実線で示されている外輪51は、ステアリングコラム1とステアリングシャフト2との間に組み込まれている状態での外輪51の形状を示している。仮想線と実線とで示されている外輪51の形状を比較して明らかであるように、外輪51は、その軸方向両側の端部が環状ケース4における環状段差面44cに係止されている状態では、針状ころ52の圧接を受けて、ステアリングコラム1側方向、換言すれば、半径方向外向きに弾性変形されていることになる。
以上の構成を備えた実施の形態のステアリングコラム用軸受装置3においては、外輪51が、針状ころ52からの圧接によりステアリングシャフト2側に弾性復元する向きに弾性変形させられていることにより、ステアリングシャフト2に予圧を付与する形態となっている。
実施の形態のステアリングコラム用軸受装置3によると、環状ケース4の弾性変形によりステアリングシャフト2に予圧を与える構造ではなく、外輪51における針状ころ52の圧接による弾性変形により外輪51がステアリングシャフト2に予圧を与える構造であるから、原価の高いゴム等の弾性材で環状ケース4を構成する必要がなくなり、また、原価の安い金属材もしくは樹脂材からなる弾性変形しにくい材料により外輪51を構成するから、当該軸受装置3の製造コストを低減できる。
実施の形態のステアリングコラム用軸受装置3によると、外輪51を針状ころ52からの圧接によりステアリングシャフト2側に弾性復元する向きに弾性変形しているから、ステアリングシャフト2に常に所望状態に予圧を付与することができる。
実施の形態のステアリングコラム用軸受装置3によると、ステアリングシャフト2に予圧を付与するために環状ケース4の肉厚を厚くする必要はないから、環状ケース4の肉厚を薄肉にして、環状ケース4をステアリングコラム1とステアリングシャフト2との間の狭い隙間に容易に挿入させ易い構成にすることができる。同時に、実施の形態のステアリングコラム用軸受装置3によると、環状ケース4を薄肉に構成すると、ステアリングコラム1内に収納した後、環状ケース4とステアリングシャフト2との間にころ軸受5を収納するスペースを確保することが容易であり、従来のように、環状ケース4をステアリングコラム1内で押し広げる作業は全く必要としなくなり、かかる押し広げ作業に長い時間を費やす必要もない。
図3は、本発明の他の実施の形態に係るステアリングコラム用軸受装置3の断面図である。図3に示す実施の形態において、図1および図2に示す実施の形態と相違するのは、外輪51が、針状ころ52からの圧接を受けて弾性変形し得る平板状に成形されており、かつ、軸方向両側の端部それぞれが、環状ケース4の軸方向両側の環状段差面44cそれぞれに係止されていることである。
図3に示す実施の形態では、針状ころ52からの圧接に対して、外輪51の肉厚をステアリングシャフト2に対する予圧に応じて厚薄に設定することで、外輪51の肉厚の厚薄に対応した弾性変形に伴う弾性復元力により、ステアリングシャフト2に対する予圧量を設定可能としたことに特徴を備える。なお、外輪51の材質の選択により、肉厚を厚薄に設定することなく、ステアリングシャフト2に対する予圧量の調整を行うことができる。
その他、本発明のステアリングコラム用軸受装置3は、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、図1に示す軸受装置3において、第1環状凹部44aの部分が中実となっていて凹部としては第2環状凹部44bに相当する部分のみ備える構成でも良い。
本発明の実施の形態に係るステアリングコラム用軸受装置の断面図 図1のステアリングコラム用軸受装置を構成する針状ころ軸受の外輪の斜視図 本発明の他の実施の形態に係るステアリングコラム用軸受装置の断面図 自動車のステアリング装置の概略構成を示す図 図4のステアリング装置に組み込まれる従来のステアリングコラム用軸受装置の断面図
符号の説明
1 ステアリングコラム
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム用軸受装置
4 環状ケース
5 針状ころ軸受(転がり軸受)
51 外輪
52 針状ころ(転動体)

Claims (4)

  1. ステアリングコラムの内周面に嵌合される環状ケースと、この環状ケースに収納されてステアリングコラムにステアリングシャフトを支持する転がり軸受とを備えたステアリングコラム用軸受装置であって、
    上記環状ケースは、金属材もしくは樹脂材で構成され、
    上記転がり軸受は、両端部が環状ケースに係止されて半径方向外向きに弾性変形可能に構成された外輪と、外輪の内周面とステアリングシャフトの外周面との間に圧入された複数の転動体とを備え、
    上記外輪は、転動体の圧接を受けて半径方向外向きに弾性変形され、その弾性復元力により、該転動体を介してステアリングシャフトに予圧を付与している、
    ことを特徴とするステアリングコラム用軸受装置。
  2. 上記転動体は、ころであり、
    上記環状ケースは、ケース内面と軸方向両側のケース内側面とで囲まれて内部が径方向内側に開口した環状凹部を有し、上記軸方向両側それぞれのケース内側面の径方向途中部に段差面が設けられており、かつ、その環状凹部は、上記段差面よりも径方向外側に上記ころの長さよりも長く、上記外輪の軸方向長さよりも短い凹部幅を有する第1の環状凹部と、上記段差面よりも径方向内側に上記外輪の収納が可能な凹部幅を有する第2の環状凹部とを含み、
    上記外輪は、その軸方向両側の端部が、上記軸方向両側の段差面に係止され、その係止状態で、上記第2の環状凹部に収納されており、かつ、半径方向内向きに湾曲した形状に成形されており、かつ、上記ころにより押圧されて半径方向外向きに弾性変形されているとともに、その弾性復元力により、該ころを介してステアリングシャフトに予圧を付与しており、
    上記ころは、上記第1の環状凹部と径方向で対向する位置で、上記外輪の内周面を半径方向外向きに押圧している、ことを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム用軸受装置。
  3. 上記転動体は、ころであり、
    上記外輪は、ころの圧接を受けて弾性変形して弾性復元力を発現する肉厚に設定された平板状に成形されている、ことを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム用軸受装置。
  4. 上記環状ケースは、ケース内面と軸方向両側のケース内側面とで囲まれて内部が径方向内側に開口した環状凹部を有し、上記軸方向両側それぞれのケース内側面の径方向途中部に段差面が設けられており、
    外輪は、その軸方向両側の端部が、上記軸方向両側の段差面に係止されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のステアリングコラム用軸受装置。

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