JP2006110450A - 生ゴミ処理機 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオ基材が処理槽から外部に漏れることを確実に防止しつつ、バイオ基材の活性化および排気を促進させる。
【解決手段】バイオ基材を収容する処理槽20を有する処理機本体10と、処理槽20の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌部材25と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段(温度センサ74〜76)とを備え、基材状態検出手段の検出値に基づいて撹拌部材25を制御する生ゴミ処理機において、基材状態検出手段の検出値に基づいて、または、撹拌部材25が非動作中に動作され、処理槽20内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段(第2送風ファン55)を設けた構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】バイオ基材を収容する処理槽20を有する処理機本体10と、処理槽20の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌部材25と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段(温度センサ74〜76)とを備え、基材状態検出手段の検出値に基づいて撹拌部材25を制御する生ゴミ処理機において、基材状態検出手段の検出値に基づいて、または、撹拌部材25が非動作中に動作され、処理槽20内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段(第2送風ファン55)を設けた構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に家庭で使用するバイオ方式の生ゴミ処理機に関するものである。
この種の生ゴミ処理機は、好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材によって生ゴミを発酵させて分解するもので、処理機本体の処理槽内に、回動可能な撹拌手段が配設されるとともに、前記処理槽の外部に、内部を加熱するための加熱手段が配設されている。そして、前記加熱手段によって処理槽の内部を所定温度範囲内に維持しながら、投入した生ゴミを前記撹拌手段によってバイオ基材と撹拌することによって処理を行うものである。
本発明の生ゴミ処理機に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
この特許文献1では、バイオ菌の活性化を促進するために、処理槽の下部を多孔板により区画し、その下部からエアポンプにより外気を導入できるようにしている。また、処理槽の上部には、吸気口が設けられるとともに、対向位置に排気ファンが設けられている。
しかしながら、この生ゴミ処理機では、下部に設けた多孔板および上部の吸気口からバイオ基材が漏出する可能性がある。
そこで、本発明では、バイオ基材の活性化および排気を促進し、しかも、バイオ基材が処理槽から外部に漏れることを確実に防止できる生ゴミ処理機を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の第1の生ゴミ処理機は、バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段とを備え、前記基材状態検出手段の検出値に基づいて前記撹拌手段を制御する生ゴミ処理機において、前記基材状態検出手段の検出値に基づいて動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けた構成としている。
また、第2の生ゴミ処理機は、バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、前記撹拌手段が非動作中に動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けた構成としている。
さらに、第3の生ゴミ処理機は、バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段とを備え、前記基材状態検出手段の検出値に基づいて前記撹拌手段を制御する生ゴミ処理機において、前記基材状態検出手段の検出値に基づいてバイオ基材が乾燥状態であると判断した場合に、前記撹拌手段が非動作中に所定時間動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けた構成としている。
この生ゴミ処理機によれば、処理槽の上部の空気層領域の空気は滞留したままで排気されない可能性があるが、本発明では、この空気層領域に拡散用の送風手段を設けているため、空気の対流が可能になる。その結果、バイオ基材に対して空気を与え、活性化を促進させて処理能力を向上させることができる。また、バイオ基材が乾燥状態である場合には、撹拌手段および拡散用の送風手段により、処理槽内でバイオ基材が飛散し、最悪の場合には外部にバイオ基材の粉塵が漏出する可能性があるが、バイオ基材の状態または撹拌手段の動作状態に基づいて前記送風手段を動作させる構成としているため、その問題を確実に防止できる。
なお、第2の生ゴミ処理機では、前記送風手段は、撹拌手段の動作が停止された後、所定の第1待機時間が経過した後に動作が開始されることが好ましい。
この場合、前記撹拌手段は、前記送風手段の動作が停止された後、所定の第2待機時間が経過した後に動作が開始されることが好ましい。
これらのようにすれば、乾燥状態のバイオ基材の粉塵が外部に漏出する問題を更に確実に防止できる。
この場合、前記撹拌手段は、前記送風手段の動作が停止された後、所定の第2待機時間が経過した後に動作が開始されることが好ましい。
これらのようにすれば、乾燥状態のバイオ基材の粉塵が外部に漏出する問題を更に確実に防止できる。
本発明の生ゴミ処理機では、処理槽の空気層領域に拡散用の送風手段を設けているため、空気の対流により、バイオ基材の活性化を促進させることができる。処理槽内には何ら孔が設けられていないため、バイオ基材が処理槽の外部に漏出することを確実に防止できる。しかも、バイオ基材の状態または撹拌手段の動作状態に基づいて前記送風手段を動作させるため、例えば乾燥状態のバイオ基材が送風手段の動作により飛散して外部に漏出する問題も防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、内部の処理槽20に好気性の酵母菌からなるバイオ菌をおがくずなどの基材に担持させたバイオ基材を収容し、投入した生ゴミをバイオ基材と撹拌することによって処理を行うバイオ方式であり、大略、処理機本体10と、該処理機本体10の上部を開閉可能に閉塞する蓋体60とからなる。
前記処理機本体10は、その外装体11の内部に処理槽20を配設することにより、該処理槽20内の処理部と処理槽20外の部品配設部とに区画したものである。
前記外装体11は、略四角筒状をなす枠体12の底に底板13が配設されるとともに、上部に蓋枠14が配設されたものである。前記枠体12の後面(図1中右側)には、後述する処理槽20の排出口21から突出した筒部22を露出させる開口部12aが設けられている。そして、この枠体12の前面(図1中左側)と前記開口部12aが設けられた後面には、前カバー15と後カバー16とが着脱可能に配設されている。前記蓋枠14には、その前部に生ゴミの投入口14aが設けられ、その開口縁には下向きに突出するリブが設けられている。また、枠体12の内部には、処理槽20の上端に位置するように仕切板17が配設されている。この仕切板17は、処理槽20の上端前部に位置するように開口部17aが設けられ、該開口部17aと前記蓋枠14の投入口14aとの間にはダクト部材18が配設されている。前記投入口14aの近傍に位置するこのダクト部材18の後面側には吸気口19が設けられ、この吸気口19に後述する排気手段を構成する排気ダクト53が接続されている。なお、前記仕切板17と蓋枠14との間の空間は、蓋体60のロック手段および撹拌部材25の駆動手段であるモータ26、および、処理槽20内の空気を機外に排気する排気手段などを配設する配設部を構成する。
前記処理槽20は、横断面矩形状をなし、かつ、その横断面積が上側の開口に向けて徐々に広がる底面を閉塞した縦断面略逆台形筒状をなすPP(ポリプロピレン)製のものである。具体的には、この処理槽20の前側壁20aは、底壁20eに対するなす角が約95度で上方に向けて外向きに傾斜するように形成され、その上部は、前方に位置するダクト部材18の前面を覆うように前方に膨出した形状をなす。また、処理槽20の左右側壁20b,20cおよび後側壁20dは、底壁20eに対するなす角が約92度で上方に向けて外向きに傾斜するように形成されている。前記後側壁20dの下部には、外部に連通する排出口21が設けられ、その開口縁には外向きに突出するとともに、前記枠体12の開口部12a内に配置される筒部22が突設されている。この筒部22の先端には、ネジ締めにより蓋23が着脱可能に取り付けられている。さらに、処理槽20の底壁20eには、下向きに窪んだ受部24が設けられ、この受部24に撹拌手段を構成する撹拌部材25の下端が回転可能に取り付けられる。
前記撹拌部材25は金属製であり、その回転軸27の下端を前記受部24に配置するとともに、仕切板17を貫通させた上端にモータ26を接続した縦型のもので、前記処理槽20内において後面側に位置し、生ゴミを投入するためのダクト部材18からは上面視で殆ど見えないように構成されている。具体的には、この撹拌部材25は、図2に示すように、垂直方向に延びる回転軸27に、一対の弾性部材28A,28Bと、第1羽根部材31と、第2羽根部材37と、下端羽根部材43とを固着したものである。
前記弾性部材28A,28Bは、図1および図2に示すように、後述する第1羽根部材31および第2羽根部材37のそれぞれ下部において、前記回転軸27に対して径方向外向きに突出するように固着され、横断面正方形状をなす処理槽20のコーナー部分をも確実に撹拌する役割をなすものである。具体的には、これら弾性部材28A,28Bは、前記処理槽20において側壁20a〜20dが交差する角部に略達する全長とし、かつ、前記回転軸27に対して下向きに傾斜するように配設されるもので、バネ部材29と、当接部材30とを備えている。
前記バネ部材29は、前記回転軸27において、垂直に延びる軸方向と直交する水平面に対して、下向きに約10度の角度で傾斜するように、図示しない基部を介して固着されるもので、線径φ2.6mmでコイル外径φ24mmの弾性変形可能なコイルバネからなる。前記当接部材30は、前記バネ部材29の先端内部に圧入して固着され、その先端部を略球状に面取りした円柱形状のもので、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)からなる。これらバネ部材29および当接部材30からなる弾性部材28A,28Bは、処理槽20における面取りされたコーナー部分に位置した状態で、前記当接部材30の先端と側壁20a〜20dとの当接が解除(非接触)され、他の部位では対向する側壁20a〜20dに当接した状態を維持し、内周面に摺接しながら回転する寸法に設定されている。即ち、本実施形態では、一対の弾性部材28A,28Bは、回転軸27に対する取付位置の違いにより、縦断面逆台形筒状をなす処理槽20の側壁20a〜20dまでの距離が相違するため、その軸方向の寸法を変更している点でのみ相違している。
前記第1羽根部材31は、回転軸27に対して後述する下端羽根部材43の上方に固着され、前記処理槽20において、バイオ基材および生ゴミを許容量一杯に収容した状態で中央下部に位置するものである。具体的には、この第1羽根部材31は、前記回転軸27に固着するための略正方形状をなす第1連結部32に対して、略180度の位置に一対の第1羽根部33A,33Bを対向配置したものである。
前記第1羽根部33A,33Bは、回転時にバイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌するもので、それぞれ第1連結板34A,34Bと、第1傾斜板35A,35Bと、第1側板36A,36Bとからなる。
前記第1連結板34A,34Bは、前記第1連結部32と後述する第1傾斜板35A,35Bおよび第1側板36A,36Bとを一体に連続するもので、前記第1連結部32に対するなす角が約30度となるように回転軸27から外側縁に向けてそれぞれ上下逆向きに傾斜するように屈曲されている。前記第1傾斜板35A,35Bは、前記第1連結板34A,34Bの突出により前記回転軸27から径方向外向きに突出するとともに、モータ26による回転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第1連結板34A,34Bに対して約135度の角度で屈曲されている。前記第1側板36A,36Bは、前記第1連結板34A,34Bに対して略90度屈曲させて設けることにより、前記各第1傾斜板35A,35Bにおいて回転方向後側の外側縁から上向きに突設するとともに、回転方向後側に向けて径方向外向きに傾斜するように形成されるものである。
前記第2羽根部材37は、回転軸27に対して前記第1羽根部材31の上方に固着され、前記処理槽20において、バイオ基材および生ゴミを許容量一杯に収容した状態で中央上部に位置するものである。具体的には、この第2羽根部材37は、前記第1羽根部材31と同様に、回転軸に固着するための略正方形状をなす第2連結部38に対して、略180度の位置に一対の第2羽根部39A,39Bを対向配置したものである。
前記第2羽根部39A,39Bは、回転時にバイオ基材を押し上げながら内向きに掻き込むように撹拌するもので、第1羽根部33A,33Bと同様に、それぞれ第2連結板40A,40Bと、第2傾斜板41A,41Bと、第2側板42A,42Bとからなる。
前記第2連結板40A,40Bは、前記第2連結部38と後述する第2傾斜板41A,41Bおよび第2側板42A,42Bとを一体に連続するもので、前記第2連結部38に対するなす角が約30度となるように回転軸27から外側縁に向けてそれぞれ上下逆向きに傾斜するように屈曲されている。前記第2傾斜板41A,41Bは、前記第2連結板40A,40Bの突出により前記回転軸27から径方向外向きに突出するとともに、モータ26による回転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第2連結板40A,40Bに対して約135度の角度で屈曲されている。前記第2側板42A,42Bは、前記第2連結板40A,40Bに対して略90度屈曲させて設けることにより、前記各第2傾斜板41A,41Bにおいて回転方向後側の外側縁から上向きに突設するとともに、回転方向後側に向けて径方向内向きに傾斜するように形成されるものである。
前記下端羽根部材43は、回転軸27に対して下端に固着され、前記処理槽20の底に位置するものである。この下端羽根部材43は、前記受部24の上端縁に載置される円板部44aと受部24内に回転可能に内嵌される突出部44bとを備え、回転軸27の下端に固着される装着部44に対して、略180度の位置に一対の第3羽根部45A,45Bを対向配置したものである。
前記第3羽根部45A,45Bは、回転時にバイオ基材を押し上げるように撹拌するもので、第3連結板46A,46Bと、第3傾斜板47A,47Bと、第3側板48A,48Bと、第4傾斜板49A,49Bとからなる。
前記第3連結板46A,46Bは、前記装着部44と連続するもので、本実施形態では該装着部44に対して面一に径方向外向きに突出するように構成されている。前記第3傾斜板47A,47Bは、前記第3連結板46A,46Bの突出により前記回転軸27から径方向外向きに突出するとともに、モータ26による回転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板46A,46Bに対して約135度の角度で屈曲されている。前記第3側板48A,48Bは、前記第3連結板46A,46Bに対して略90度屈曲させて設けることにより、前記各第3傾斜板47A,47Bにおいて回転方向後側の外側縁から上向きに突設するとともに、第3連結板46A,46Bの突出方向に対する回転軌跡との接線と略平行に傾斜するように形成されるものである。前記第4傾斜板49A,49Bは、モータ26による回転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板46A,46Bに対して約135度の角度で屈曲されている。具体的には、回転方向前側である第3連結板46A,46Bとの連結端を最上端位置とし、回転方向後側に向けて上向きに傾斜されている。そして、本実施形態では、一方の第3羽根部45Aを構成する第4傾斜板49Aは、第3連結板46Aの外側半分の領域からのみ突出され、他方の第3羽根部45Bを構成する第4傾斜板49Bは、第3連結板46Bの内側半分の領域からのみ突出されている。
前記部材28A,28B,31,37,43からなる撹拌部材25は、回転軸27の一番下側である一段目には前記下端羽根部材43が配設される。二段目に配設される第1羽根部材31は、下端羽根部材43の第3羽根部45A,45Bに対して、第1羽根部33A,33Bが略90度の間隔で周方向に回転した位置に配置されるように固着される。また、三段目に配設される第2羽根部材37は、二段目の第1羽根部材31の第1羽根部33A,33Bに対して、第2羽根部39A,39Bが90度の間隔で周方向に回転した位置に配置されるように固着される。しかも、二段目の第1羽根部材31の第1羽根部33Aの回転方向後側に、三段目の第2羽根部材37の第2羽根部39Aが位置するように固着される。さらに、下側に固着される第1の弾性部材28Aは、第1羽根部材31の第1連結部32の真下において、上向きに傾斜した第1羽根部33Bと同一径方向に突出するように固着される。そして、上側に固着される第2の弾性部材28Bは、第2羽根部材37の第2連結部38の真下において、上向きに傾斜した第2羽根部39Bと同一径方向に突出するように固着される。これにより、本実施形態では、一対の弾性部材28A,28Bは、撹拌部材25の回転方向に対して90度の間隔をもって固着される。
図1に示すように、前記処理槽20の下部外周面には、処理槽20内のバイオ基材を所定温度範囲内に維持するための加熱手段としてヒータ50が配設されている。また、外装体11を構成する枠体12の前面と処理槽20との間には、蓋体60を自動開放するために人体の有無を検出する測距センサ51と、該測距センサ51を床面から所定高さに配置するためのケース52とが配設されるとともに、後述する制御基板77が配設されている。
前記ダクト部材18に接続する排気手段は、前記撹拌部材25のモータ26を迂回するように配設した排気ダクト53と、該排気ダクト53の内部に配設した第1送風手段である第1送風ファン54とを備え、本実施形態では、前記処理槽20内に第2送風手段である第2送風ファン55を更に設けたものである。また、本実施形態では、前記排気ダクト53の内部には、排気する空気に含まれた臭分を分解除去する脱臭手段56が更に配設されている。
具体的には、前記排気ダクト53は、図1および図3に示すように、前記ダクト部材18において一側(図3中上側)設けた吸気口19に接続されるもので、後述する加熱源を備えた脱臭手段56を配設するために、排気する空気の冷却区間を設けるために略L字形状に構成されている。なお、前記排気ダクト53には、機内に開口した吸気口19の近傍および機外に開口した排気部53aに集塵用のフィルタ(図示せず)が配設されている。
前記第1送風ファン54は、前記排気ダクト53内において、機外に開口する排気部53aの近傍に位置するように配設したプロペラ形状の羽根を備えた周知のものである。
前記第2送風ファン55は、前記吸気口19の下方である処理槽20内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散するプロペラ形状の羽根を備えた周知のものである。この第2送風ファン55は、送出する風がバイオ基材に向かうように、前記仕切板17の下面に所定間隔をもって配設されている。
前記脱臭手段56は、前記排気ダクト53内において第1送風ファン54の上流側である吸気口19の近傍に配設されている。具体的には、この脱臭手段56は、機内側から機外側に向けて順次配設した加熱ヒータ57と、加熱温度の検出手段であるサーミスタ58と、触媒59とを備え、前記排気手段の第1送風ファン54と連動させて動作されるものである。
前記加熱ヒータ57は、触媒59が220℃から280℃の温度になるように加熱するもので、サーミスタ58の検出値に基づいて後述するマイコン78がオン、オフ制御する。前記サーミスタ58は、前記触媒59の検出し、温度に相当するデータをマイコン78に出力するものである。前記触媒59は、Fe-Cr-Alステンレス構造体からなるハニカム状の基材に白金を担持させ、イオウ系やアンモニア系などの臭分を化学的に反応させてCO2やH2Oに変化させるものである。
前記蓋体60は、前記処理機本体10を構成する蓋枠14の上面に回動可能に取り付けられるとともに、付勢手段であるヒンジスプリング61により開放方向に付勢されたものである。なお、このヒンジ接続部分の近傍には、下向きに円弧状に突出する押圧部材62が設けられ、該押圧部材62によりスイッチ63をオン、オフすることにより、蓋体60の開放および閉塞状態を検出できるように構成している。また、この蓋体60の前部には、図4に示すように、下向きに突出した係止受部64が設けられ、この係止受部64がロック手段によってロックおよびアンロックされる。
前記ロック手段は、前記蓋枠14に回動可能に取り付けられ、前記係止受部64に係止する爪部67aを設けたロック部材65からなる。具体的には、このロック部材65は、蓋体60に軸着する軸受部66より上方に突出するように先端に爪部67aを設けた係止部67が設けられている。また、軸受部66には、略L字形状に突出して下向きに延びる作用部68が設けられている。この作用部68は、スプリング69によって常にロック部材65によりロック位置である上向きに付勢されている。また、この作用部68には、前記測距センサ51による人体の検出により蓋体60を自動開放させる蓋体開放手段を構成するソレノイド70のロッド70aがリンク部材71を介して連結されている。さらに、作用部68の前部に位置するように蓋枠14には、手動式のロック解除操作部72がスプリングによって外向きに付勢された状態で配設されている。なお、符号73は、蓋体60を自動および手動のいずれでも開放不可能とする強制ロック部材である。
このように構成された生ゴミ処理機には、図5に示すように、前記処理槽20内に収容されたバイオ基材によって生ゴミを分解する処理機能の状態を検出するための基材状態検出手段として、処理槽20内の温度Ts、バイオ基材の温度Tk、および、外気の温度Tgを検出する3個の温度センサ74〜76が配設されている。処理槽用温度センサ74は、処理槽20内におけるバイオ基材の上部の空間温度に配設されている。基材用温度センサ75は、処理槽20内における底に配設されている。外気用温度センサ76は、処理機本体10の外装体11に配設されている。
そして、制御基板77に実装された制御手段であるマイコン78は、予め設定されたプログラムに従って動作される。具体的には、このマイコン78は、商用電源からの電力が電源回路部79により直流電圧に変換され、この直流電圧が印加されることにより動作する。そして、蓋体開放手段の役割をなし、前記測距センサ51により人体を含む物体が検出可能な範囲内に近づいたことを検出すると、前記ソレノイド70を動作させ、係止部67による係止受部64の係止を解除することにより、ヒンジスプリング61の付勢力によって蓋体60を自動開放させる。また、スイッチ63により蓋体60が閉塞されたことを検出すると、その閉塞時を制御の開始点として、時間計時タイマ80により時間の計測を開始し、前記ヒータ50のオン、オフ、および、撹拌部材25の回転の制御を開始する。さらに、所定時間毎に基材状態検出手段である前記温度センサ74〜76による検出値に基づいてバイオ基材の処理機能の状態を判断する基材状態判断手段の役割をなし、判断結果に基づいて前記ヒータ50のオン、オフ、および、撹拌部材の回転数を制御するとともに、操作パネル81の表示部にバイオ基材の処理機能の状態を表示する。
ここで、前記マイコン78によるバイオ基材の状態の判断に基づく撹拌部材25の制御を下記の表1に示す。
この表1に示すように、マイコン78は、温度センサ74〜76の検出値に基づいてバイオ基材が含水量の少ない乾燥(第1)状態であると判断した場合には、1周期7分のうち48秒だけ撹拌部材25を動作させ、水分の発散を抑制するように制御する。また、含水量が適量であることを意味する良好(第2)状態であると判断した場合には、1周期7分のうち60秒だけ撹拌部材25を動作させ、水分が現状を維持するように制御する。また、良好状態より含水量が多く新たな投入を抑制することを意味する控えめ(第4)状態であると判断した場合には、1周期7分のうち72秒だけ撹拌部材25を動作させ、水分の発散を促進するように制御する。また、控えめより含水量が多く新たな投入を停止することを意味するべとつき(第3)状態であると判断した場合には、1周期7分のうち72秒だけ撹拌部材25を動作させ、水分の発散を促進するように制御する。
そして、本実施形態では、図6(A),(B)に示すように、前記排気手段を構成する第1送風ファン54および脱臭手段56は、前記バイオ基材の状態の判断結果に関係なく、常に連続運転されるように構成している。また、処理槽20内に配設した第2送風ファン55は、バイオ基材の状態の判断結果が乾燥状態を除く、良好、控えめおよびべとつき状態である場合には、図6(A)に示すように、第1送風ファン54と連動して連続運転されるように構成している。一方、バイオ基材の状態の判断結果が乾燥状態である場合には、前記第2送風ファン55は、図6(B)に示すように、撹拌部材25が停止されている状態(非動作中)でのみ、動作されるように構成している。しかも、その動作は、撹拌手段が停止された後、予め設定された第1待機時間(例えば1分)が経過した後に、動作が開始されるように構成している。また、この第2送風ファン55の動作を停止した後、予め設定された第2待機時間(例えば1分)が経過した後に、前記撹拌部材25の動作を開始するように構成している。言い換えれば、前記第2送風ファン55は、撹拌部材25の動作を停止した所定時間後に動作が開始され、次に撹拌部材25の動作を開始する所定時間前に動作が停止されるように構成している。
次に、マイコン78による生ゴミ処理制御工程について具体的に説明する。
この生ゴミ処理制御工程では、マイコン78は、図7に示すように、まず、ステップS1で、スイッチ63を介して蓋体60が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体60の開放を検出した場合にはステップS2に進み、蓋体60の開放を検出しない場合にはステップS5に進む。
ステップS2では、バイオ基材調整を停止、具体的には、撹拌部材25、ヒータ50、ファン54,55および脱臭手段56の全ての部品の停止処理を行った後、ステップS3で、スイッチを介して蓋体60が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体60の閉塞を検出すると、ステップS4で、バイオ基材の処理機能の状態を検出する周期である2時間タイマをリセットした後に再びスタートさせてステップS5に進む。
ステップS5では、2時間タイマがカウントアップしたか否かを検出し、カウントアップした場合にはステップS6に進み、カウントアップしていない場合にはステップS8に進む。
ステップS6では、次にバイオ基材の処理機能の状態を検出するために2時間タイマをリセットした後に再びスタートさせた後、ステップS7で、後述するバイオ基材の状態の判断処理を実行してステップS8に進む。
また、ステップS8では、モータ26および撹拌部材25からなる撹拌手段の制御処理、ヒータ50による加熱手段の制御処理、および、脱臭手段56を含む排気手段の制御処理からなるバイオ基材調整処理を実行してステップS1に戻る。
次に、ステップS7の基材状態判断処理について具体的に説明する。
この基材状態判断処理では、マイコン78は、図8に示すように、まず、ステップS7−1で、各温度センサ74〜76によって各部の温度Ts,Tk,Tgを検出する。
ついで、ステップS7−2で、基材用温度センサ75による基材温度Tkから外気用温度センサ76による外気温度Tgを減算した温度差が4℃より高いか否かを検出する。そして、温度差(Tk−Tg)が4℃より高い場合にはステップS7−3に進み、バイオ基材が良好状態であると判断し、ステップS7−9で、操作パネル81の表示部を変更した後、ステップS7−10で、撹拌部材25による撹拌時間を変更してリターンする。また、温度差(Tk−Tg)が4℃以下である場合にはステップS7−4に進む。
ステップS7−4では、処理槽用温度センサ74による槽内温度Tsから基材用温度センサ75による基材温度Tkを減算した温度差が0℃以下であるか否かを検出する。そして、温度差(Ts−Tk)が0℃以下である場合にはステップS7−5に進み、バイオ基材が乾燥状態であると判断し、前記と同様にステップS7−9,10を実行してリターンする。また、温度差(Ts−Tk)が0℃より高い場合にはステップS7−6に進む。
ステップS7−6では、処理槽用温度センサ74による槽内温度Tsから基材用温度センサ75による基材温度Tkを減算した温度差が1℃より高いか否かを検出する。そして、温度差(Ts−Tk)が1℃より高い場合にはステップS7−7に進み、バイオ基材がひかえめ状態であると判断し、前記と同様にステップS7−9,10を実行してリターンする。また、温度差(Ts−Tk)が1℃以上である場合にはステップS7−8に進み、バイオ基材がべとつき状態であると判断し、前記と同様にステップS7−9,10を実行してリターンする。
前記ステップS8のバイオ基材調整処理では、ステップS7で判定したバイオ基材の状態に基づいて、撹拌手段の制御処理、ヒータ50の制御処理、および、脱臭手段56を含む排気手段の制御処理が並行して処理される。
なお、前記排気手段および脱臭手段56による排気および脱臭作用ではについて具体的に説明する。
まず、本実施形態の生ゴミ処理機は、処理槽20から投入口14aまでの間にダクト部材18を介設しているが、排気手段を構成する吸気口19を除くと他には何ら吸気用の孔は設けられていない。そのため、第1送風ファン54によって処理槽20内の空気を排気するには、処理槽20とダクト部材18とのクリアランスからのみ空気を吸引することにより行われる。この場合、処理槽20の上部の空気層領域では、空気が滞留して上部の吸気口19から排気できない領域が生じる。
しかし、本実施形態では、この空気層領域に拡散用の第2送風ファン55を配設しているため、空気の対流が可能になる。そのため、処理槽20内の空気を確実に排気できる。また、バイオ基材には、第2送風ファン55から送風された空気が与えられるため、活性化を促進させて処理能力を向上させることができる。しかも、本実施形態の生ゴミ処理機は、投入口14aの近傍に設けた吸気口19以外には何ら孔が設けられていないため、バイオ基材が処理槽20の外部に漏出することを確実に防止できる。また、本実施形態では、排気手段を構成する排気ダクト53の内部には、脱臭手段56を更に設けているため、処理槽20内で発生する不快な臭気が外部に排気されることを抑制できる。その結果、臭気が外部に放出され、周囲を通るユーザに対して不快感を与えることを防止できる。
しかも、本実施形態の生ゴミ処理機では、バイオ基材が乾燥状態である場合には、撹拌部材25および拡散用の第2送風ファン55の動作により、処理槽20内でバイオ基材が飛散し、最悪の場合には外部にバイオ基材の粉塵が漏出する可能性がある。しかし、本実施形態では、バイオ基材の状態および撹拌部材25の動作状態に基づいて前記第2送風ファン55を動作させるため、その問題を確実に防止できる。しかも、撹拌部材25の動作と第2送風ファン55の動作との間には、所定の待機時間を設けているため、バイオ基材の粉塵が外部に漏出する問題を更に確実に防止できる。
なお、本発明の生ゴミ処理機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、撹拌部材25の動作を停止した後、第1待機時間の経過後に処理槽20内に配設した第2送風ファン55の動作を開始させ、該第2送風ファン55の動作を停止した後、第2待機時間の経過後に撹拌部材25の動作を開始させたが、前記各待機時間を設けることなく動作させてもよい。
10…処理機本体
20…処理槽
25…撹拌部材(撹拌手段)
26…モータ(撹拌手段)
50…ヒータ(加熱手段)
53…排気ダクト
54…第1送風ファン(排気手段)
55…第2送風ファン(送風手段)
56…脱臭手段
60…蓋体
74〜76…温度センサ(基材状態検出手段)
78…マイコン(制御手段)
20…処理槽
25…撹拌部材(撹拌手段)
26…モータ(撹拌手段)
50…ヒータ(加熱手段)
53…排気ダクト
54…第1送風ファン(排気手段)
55…第2送風ファン(送風手段)
56…脱臭手段
60…蓋体
74〜76…温度センサ(基材状態検出手段)
78…マイコン(制御手段)
Claims (5)
- バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段とを備え、前記基材状態検出手段の検出値に基づいて前記撹拌手段を制御する生ゴミ処理機において、
前記基材状態検出手段の検出値に基づいて動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。 - バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、
前記撹拌手段が非動作中に動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。 - 前記送風手段は、撹拌手段の動作が停止された後、所定の第1待機時間が経過した後に動作が開始されることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
- 前記撹拌手段は、前記送風手段の動作が停止された後、所定の第2待機時間が経過した後に動作が開始されることを特徴とする請求項3に記載の生ゴミ処理機。
- バイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段と、バイオ基材の状態を検出する基材状態検出手段とを備え、前記基材状態検出手段の検出値に基づいて前記撹拌手段を制御する生ゴミ処理機において、
前記基材状態検出手段の検出値に基づいてバイオ基材が乾燥状態であると判断した場合に、前記撹拌手段が非動作中に所定時間動作され、前記処理槽内のバイオ基材の上方の空気層領域の空気を拡散する送風手段を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004299948A JP2006110450A (ja) | 2004-10-14 | 2004-10-14 | 生ゴミ処理機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113292366A (zh) * | 2021-05-26 | 2021-08-24 | 浙江昂泰智联生物环保有限公司 | 一种全降解餐厨垃圾处理设备 |
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2004
- 2004-10-14 JP JP2004299948A patent/JP2006110450A/ja not_active Withdrawn
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