JP2006110126A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
X線検出器の読み出し回路のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジでの撮影を可能にするX線CT装置を提供する。
【解決手段】
X線検出器の読み出し回路に複数のゲイン(増幅率)を有する増幅器4を設け、あるプロジェクションの撮影で取得したデジタルデータ(投影像)を用いて後のプロジェクションで画素に入射するX線量を予想し、その予想を基にゲインを決定して回路のゲインを切り替えて撮影を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、X線CT装置に関する。
近年、X線CT装置において、スライス方向に複数のX線検出素子を有するマルチスライスCT装置が登場し、臨床上で広く使用されつつある。マルチスライスCT装置は、X線検出素子のスライス方向の長さがシングルスライスCTに比べて小さく、スライス方向に高い空間分解能を実現できる。ただし、スライス数によらずX線検出素子のチャネル方向の長さは同程度であるため、マルチスライスCT装置のX線検出素子に入射するX線はシングルスライスCTに比べて少ない。特に、大減弱体によって減弱されてX線検出素子へ入射するX線量が少ないとき、画像の雑音はX線の量子数の揺らぎではなく、読み出し回路の雑音が決定要因となり、画質は悪化する。そのためマルチスライスCTでは、特に読み出し回路の雑音を低く抑える必要がある。
読み出し回路の雑音の影響を低減するために、読み出し回路の途中で信号を増幅することは有効である。この場合、読み出し回路の一部の雑音を、信号に対して相対的に低減することができる。例えば、図2のように、X線検出素子1からの出力を積分器3で電圧信号に変換し、アナログ−デジタル変換器(AD変換器)5へ出力する場合、増幅器4を設けて電圧信号を増幅する。この場合、配線による抵抗や容量を含むその他の読み出し回路2の雑音に対して信号を増幅することで、相対的に雑音を低減することができる。ただし、X線検出素子からの出力が大きいとき、増幅器の増幅率(ゲイン)が高いとAD変換器の入力レンジよりも大きくなり、出力は一般に飽和し、データを損失してしまう。そのためにX線検出素子の出力に依存してゲインを変更する必要がある。
これを実現する方法として、例えば、特公平7−121259号公報に提案されているように、入力のアナログ信号に応じて切り替えて使用する方法がある。このようなゲインアンプはオートゲインアンプと呼ばれる。
特公平7−121259号公報
オートゲインアンプを使用した処理のフローチャートを、図3に示す。このオートゲインアンプは異なるゲインを持つ増幅器4を2つ有し、どちらのゲインアンプ用いるかを、それぞれの出力レベルを比較して選択回路20にて決定する。この決定されたゲインの信号は、切り替え回路10にて選択される。選択回路20で選択されたゲインの情報は、バッファメモリ(記憶手段)6にて保存され、この情報とAD変換器5の出力値を用いて真の信号値を推測する。
このような構成にすることにより、AD変換器5への出力が適当になるように、選択回路20のゲインを切り替えることができる。
しかしながら、このような回路では選択回路や複数の増幅器が必要となるため、回路規模が大きくなるという問題があった。特に、マルチスライスCT装置において、読み出し回路数が多数となるため、回路規模の増加は問題となる。
そこで、本発明の目的は、X線検出器の読み出し回路のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジで撮影することができるX線CT装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のX線CT装置は、下記に示すような特徴を有する。
(1)X線を電荷に変換する複数のX線検出素子と、前記電荷を電圧信号に変換する増幅器を複数有し、該増幅器のゲインを変更する手段を具備する読み出し回路と、複数の前記X線検出素子の前記電圧信号からなるアナログデータをデジタルデータへ変換するアナログ−デジタル変換手段とを有し、前記デジタルデータを複数の投影方向から取得するX線CT装置において、ある投影方向のデジタルデータに対して条件判定処理を施すことにより、該デジタルデータを取得した投影方向の後のプロジェクションで使用する前記増幅器のゲインを決定する手段と、前記ゲインを前記決定手段の結果を用いて変更するゲイン切り替え手段を具備することを特徴とする。
これらの構成により、オートゲインアンプと同様に検出器に入射するX線量に依存してゲインを切り替える動作を、回路規模の増大を抑えながら実現できる。これにより読み出し回路の雑音を相対的に低減でき、画質を向上できる。
(2)前記(1)のX線CT装置において、使用した前記増幅器のゲイン及び/又はゲイン毎のオフセット量をデジタルデータとして記憶し、各投影方向で取得された前記デジタルデータに対して、前記ゲインのデジタルデータを用いて前記増幅器のゲインの違い及び/又はゲイン毎のオフセット量を補正する補正処理手段を具備することを特徴とする。
これらの構成により、読み出し回路の有するダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジのデータを取得すること、X線検出素子のゲインのバラツキを補正して出力を正確に推定することが実施できる。
(3)前記(1)のX線CT装置において、ある投影方向での前記X線検出素子の読み出しから次の投影方向での前記X線検出素子の読み出しの間に読み出しを行わない時間(ブランキング時間)を有し、該ブランキング時間中に前記ゲイン切り替え手段が前記増幅器のゲインを変更することを特徴とする。
(4)前記(1)のX線CT装置において、複数の前記X線検出素子が行と列の二次元に配置されて前記電圧信号が行毎に順次に読み出され、1つの行の前記X線検出素子の読み出しから次の行の前記X線検出素子の読み出しの間に読み出しを行わないブランキング時間を有し、該ブランキング時間中に前記ゲイン切り替え手段が前記増幅器のゲインを変更することを特徴とする。
これらの構成により、ゲインの切り替えを読み出しへの影響のないタイピングで実施できる。
(5)前記(1)のX線CT装置において、前記判定手段が、前記デジタルデータの値としきい値とを比較して前記増幅器のゲインを決定する機能を有することを特徴とする。
この構成により、ゲインの判定処理を容易に、長い処理時間を必要とせずに行うことができる。
(6)前記(1)のX線CT装置において、前記判定手段が、前記増幅器のゲインを決定する投影方向で取得される前記電圧信号を、前の単数または複数のプロジェクションで取得した前記X線検出素子のデジタルデータを用いて推定し、該推定にて得た前記電圧信号の値を用いて前記増幅器のゲインを決定する機能を有することを特徴とする。
この構成により、複数の前記X線検出素子のデジタルデータや、前の複数のプロジェクションにわたるデジタルデータを用いて、精度良くゲインを決定できる。
(7)前記(1)のX線CT装置において、複数の前記X線検出素子が、行と列の二次元に配置されてX線検出器を構成し、前記ゲイン切り替え手段が、前記増幅器のゲインを、単数または複数の前記X線検出素子から構成されるブロックごとに変更することを特徴とする。
この構成により、ゲインの判定処理の規模を小さくし、より高速な処理を実現することが可能となる。
(8)前記(1)のX線CT装置において、前記判定手段が、ある一定の前記増幅器のゲインで取得した単数または複数の投影方向の前記デジタルデータを用いて、後のプロジェクションの前記ゲインを推定することを特徴とする。
このような構成により、ゲインの判定の精度を向上させ、ゲインの不適によるデータの損失や読み出し回路の雑音の影響の増加を防ぐことができる。
(9)前記(8)のX線CT装置において、推定して得た前記ゲインを適用して得たデジタルデータを用いて、前記増幅器のゲインを推定する前に得た前記デジタルデータの一部または全部を推定する推定手段を具備することを特徴とする。
このような構成により、ゲインを決定するために実施する撮影による無効被爆をなくしながら、ゲインの不適による読み出し回路の雑音の影響の増加を防ぐことができる。
(10)前記(1)のX線CT装置において、前記ゲイン毎に、前記X線検出素子の前記X線に対する前記デジタルデータの値への変換率である感度を反映した感度データと、前記X線検出素子のX線が入射していない際のデジタルデータの値を反映したオフセットデータとを記憶し、各プロジェクションでの前記ゲインに対応して記憶された前記感度データとオフセットデータを用いて前記デジタルデータへ補正処理を行う補正処理手段を具備することを特徴とする。
この構成により、ゲインごとに感度とオフセットのバラツキを補正を行うことができ、感度とオフセットの補正を高精度に行うことができる。
本発明によれば、X線CT装置において、低線量域での低雑音撮影と、高線量域での撮影を撮影条件によって自動的に切り替え、読み出し回路のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジで撮影することができる。
(実施例1)
以下、図1、および図4〜図7を用いて、本発明の第1の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例になるX線CT装置の構成を説明する図、図4は、本実施例におけるデータ収集装置の一構成例を示すブロック図、図5は、本実施例におけるX線検出器の一構成例を示す図、図6は、ゲイン判定処理の一例を示すフローチャート、図7は、ゲイン判定処理の一例を説明するための図である。
図1に示すように、X線CT装置の基本構成として、X線を照射するX線管100、X線を検出して電気信号に変換するX線検出器104、X線検出器104からの信号を収集して投影像であるデジタルデータへ変換する信号収集手段118、信号収集手段118からの投影像を記憶して画像処理を行う中央処理手段105、画像処理の結果を表示する表示手段106、撮影開始やパラメータの設定、入力を行う入力手段119、X線管100とX線検出器104を制御する制御手段117から成る。
図1を用いて、撮影の手順を説明する。入力手段119から撮影開始の入力が行われると、X線源100から寝台天板103に載った被写体102に向けてX線を照射する。このX線は、被写体102を透過し、X線検出器104で検出されて電気信号に変換される。この電気信号は、信号収集回路118にてAD変換が行われて投影像となる。この撮影は、X線管100とX線検出器104とが搭載された回転体101を回転することで、被写体102に対するX線の照射角度を変化させて繰り返し行われ、例えば、360度、0.4度ごとに行う。これにより、照射角度に応じた投影像を取得する。この際に制御手段117は、回転体101の回転とX線検出器104の読み出しを制御する。この投影像は、中央収集回路105にて演算処理が実施され、結果を表示手段106にて表示する。
図5を用いて、本発明のX線CT装置におけるX線検出器104の一構成例を説明する。図5に示すX線検出器104は、図1に示すように、X線管100と対抗配置されて円弧状に複数並べられる。図5に示すX線検出器104は、X線を光に変換するシンチレータ素子112と、光を電気信号に変換するフォトダイオードが複数形成されているフォトダイオード基板111と、電気信号を出力する電極パッド120とそのための配線を有する配線基板113から構成される。シンチレータ素子112とフォトダイオード基板111とは、光学的に透明な接着剤310で接着され、これらはフォトダイオード基板111に支持されている。
X線検出器104にX線が入射した場合を、図5を用いて説明する。入射したX線はシンチレータ素子112にて光に変換される。シンチレータ素子112はセパレータ130によって分割されている。このシンチレータ素子112ごとに対応して、光を電気信号に変換するフォトダイオードがフォトダイオード基板111上に設けられている。このフォトダイオードとシンチレータ素子112とによってX線検出素子を構成しており、フォトダイオードにて光から変換された電気信号はX線検出素子ごとに出力される。フォトダイオードの電極は電極パッド120と電気的に接続されている。この電極パッド120から、X線によって発生した電気信号は図1に示す信号収集手段118に読み出される。
図4のブロック図を用いて、本発明のX線CT装置におけるデータ収集装置である信号収集手段118と中央処理手段105の一構成例を説明する。
図4中に点線で示す信号収集手段118は、X線検出素子1ごとに設けられる。X線検出素子1からの出力を読み出す際は、積分器3で蓄積して電圧信号に変え、増幅器4へ出力する。増幅器4は、複数のゲインを有する。本例では、抵抗R1と抵抗R2の2通りの増幅率を実現する。ただし、このゲインの数は、説明を簡単にするために用いた数であり、本発明はこれに限るものではない。抵抗の切り替えは、切り替え回路10にて行われる。増幅器4から出力されたアナログ信号は、AD変換器5でデジタル信号に変換されて投影像となる。ここで、AD変換器5から出力されるデジタル信号は、例えば、16ビットである。
信号収集手段118から出力された投影像は、図4中に点線で示す中央収集回路105の記憶手段6に記憶される。これを用いて、判定手段12は、次のプロジェクションで使用する増幅器4のゲインを決定する。
このデジタル信号を取得したプロジェクションと次のプロジェクションの間には、X線検出素子1の信号読み出しを行っていない時間(ブランキング時間)があり、その時間の間に、判定手段12は決定したゲインを実現するために制御手段117へ制御信号を出力し、切り替え回路10を動作させてゲインを切り替える。選択したゲインのデータは、記憶手段6に記憶される。
記憶された投影像に対して補正手段7は、オフセット補正、感度補正、ゲインの補正を行う。オフセット補正は、検出器にX線が入射していないときの出力値をゼロにする処理であり、例えば、事前にX線検出器104にX線が照射されていないときの投影像から算出した画像(オフセット像)を差し引く処理である。感度補正は、X線に対する出力の割合(感度)のばらつきをX線検出素子1ごとに補正する処理であり、例えば、事前にX線検出器104にX線を一様に照射したときの投影像から算出した感度分布を用いて、感度のバラツキを除する処理である。ゲインの補正は、選択されたゲインを画素毎に掛け、基準の増幅率に直した時の値を求める処理である。例えば、選択されるゲインが1倍と16であるとき、1倍のゲインを基準とし、16倍のゲインが選択されたときに取得されたデータには16倍の演算を行う。この場合、ゲインの切り替えを行なわない場合には、例えば、16ビットのデジタルデータであるとすると、ゲインの切り替えを行うことで20ビットの出力データを得ることができる。このゲインは、X線検出素子1毎に抵抗R1、R2のばらつきによってばらつくため、X線検出素子毎にゲインの補正を行う。
投影像は、補正手段7にて補正処理が行われた後、再構成手段8にてコンボルーション(畳み込み)やバックプロジェクション(逆投影)などの演算処理が行われ、被写体のX線吸収係数分布の断面像が再構成され、表示手段106にて表示される。
本発明のX線CT装置における判定手段12で実施されるゲインを決定するための条件判定処理の一構成例を、図6の処理のフローチャートと、図7の説明図(グラフ)を用いて説明する。図7は、X線検出素子1にX線が入射したときの入射X線量(横軸)に対するAD変換後の投影像の値(縦軸)のグラフをゲイン毎に記したものである。MAXはAD変換器の最大の出力値を表す。ゲイン1は低いゲインの場合であり、ゲイン2は高いゲインの場合である。
図6に示すように、N番目のプロジェクション(ステップ601)のゲインがゲイン1の場合、その投影像の値をしきい値1と比較する(ステップ602)。値がしきい値1よりも小さい場合、次の(N+1)番目のプロジェクションでゲインをゲイン2に切り替える(ステップ605)。これは、図7に示すグラフでは、投影像の値が、ゲイン1上にある点Cからゲイン2上にある点Dに切り替わることに相当する。N番目のプロジェクションのゲイン(ステップ601)がゲイン2の場合、その投影像の値をしきい値2と比較する(ステップ602)。値がしきい値2よりも大きい場合、次の(N+1)番目のプロジェクションでゲインをゲイン1に切り替える(ステップ604)。これは、図7に示すグラフでは、投影像の値が、ゲイン2上にある点Aからゲイン1上にある点Bに切り替わることに相当する。
このようにして、入射X線量が少ないときはゲイン2での撮影を行い、入射X線量が大きい場合はゲイン1で撮影を行う。すなわちゲイン1では下限のしきい値が存在し、ゲイン2では上限のしきい値が存在するようにゲインを切り替える。このゲインの判定はX線検出素子毎に行い、ゲインはX線検出素子毎に設定する。
本実施例では、判定に用いた投影像を得たプロジェクションと次のプロジェクションとの間にてゲインの切り替えを行ったが、本発明はこれに限るものではない。判定に数プロジェクションの処理時間を要する場合や、AD変換を行っている間に次のプロジェクションを既に実施している場合などのとき、複数プロジェクション後にゲインの切り替えを行ってもかまわない。
また、本実施例では、1つのプロジェクションのデータの値を用いて判定を行ったが、本発明はこれに限るものではない。同一のX線検出素子の過去の複数のプロジェクションの値を用いてフィッティングを行って次のプロジェクションの値を予想し、これを用いてゲインの判定を行ってもよい。また、他のX線検出素子の値を用いて次のプロジェクションでの値を予想し、これを用いてゲインの判定を行ってもかまわない。
(実施例2)
以下、図8と図9を用いて、本発明の第2の実施例について説明する。図8は、本実施例におけるデータ収集装置の一構成例を示すブロック図、図9は、ゲイン判定処理の一例を示すフローチャートである。
X線検出器104は、図1に示すX線CT装置に搭載され、2行2列のX線検出素子1のマトリックス構造を有する。この列の方向(以降、チャネル方向と呼ぶ)は、図1に示した回転方向108と同一の方向に配置され、この行の方向(以降、スライス方向と呼ぶ)は、図1に示した回転軸方向107と同一の方向に配置される。このiチャネル目jスライス目のX線検出素子1を、図8においてX線検出素子1-i-jと記す。
X線検出素子1は、フォトダイオード(PD)素子21とスイッチング素子20’から構成される。同一のチャネルiに属するX線検出素子1-i-1とX線検出素子1-i-2のスイッチング素子20のゲート電極は、共通の配線にてシフトレジスタ回路30に接続され、シフトレジスタ回路30からONの信号が来ると、X線検出素子1-i-1とX線検出素子1-i-2の電荷は同時に読み出される。同一のスライスjに属するX線検出素子1-1-jと1-2-jのPD素子21の出力電極は、共通の配線にて積分器3に接続されている。X線検出素子1-1-jとX線検出素子1-2-jは、シフトレジスタ回路30にて順次切り換えられて信号が読み出される。
積分器3には、容量の異なるコンデンサC1及びC2が接続される。このC1とC2の容量によって、入力に対する積分器3の電圧への変換率(ゲイン)は異なる。容量が小さな場合の方が高いゲインとなる。例えばPD素子21の容量を10pF、C1の容量10pF、C2の容量1pFとして設けると、C1を選択した場合はPD素子21に生じた電位差はそのまま積分器の出力の電位差なり、C2を選択した場合はPD素子21に生じた電位差はその10倍の電位差で積分器から出力される。どちらのコンデンサを使用するかを切り換え回路10によって切り換える。
切り換え回路10のゲインの選択処理方法を、図9を用いて説明する。初めのプロジェクション(N=1)では、全てのX線検出素子1で低いゲインを選択する。その後のN番目(N=2、3、…)のプロジェクションにおいては、しきい値と比較する(ステップ901)。その比較では、ゲイン1の場合、X線検出器104内の全X線検出素子1における投影像の中で最も大きな出力値をしきい値1と比較する(ステップ902)。この比較の処理は、(N+1)番目のプロジェクションの読み出し中に行う。その最大の出力値がしきい値1よりも小さい場合、次の(N+2)番目のプロジェクションでのゲインをゲイン2とする(ステップ905)。N番目のプロジェクションのゲインがゲイン2の場合(ステップ901)、その最大の出力値をしきい値2と比較する(ステップ903)。その値がしきい値2よりも大きい場合、(N+2)番目のプロジェクションでのゲインをゲイン1とする(ステップ904)。
このようにして、入射X線量が少ないときはゲイン2での撮影を行い、入射X線量が大きい場合はゲイン1で撮影を行う。ゲインの選択はX線検出器104ごとに行う。
決定されたゲインは、1つのプロジェクションのX線検出器104内の全てのX線検出素子1で共通とする。プロジェクション間には読み出しを行っていないブランキング時間があり、その次のプロジェクションの直前のブランキング時間に、切り換え回路10によりゲインの決定を行う。ゲインの選択するための条件判定処理を次のプロジェクションの間に行うため、読み出しを行ったプロジェクションから1プロジェクション後、2プロジェクション前のブランキング時間にゲインの切り替えを行うことになる。
本実施例では、全X線検出素子が複数のゲインを有しているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、スライスに対して一つおきにのみ複数の増幅器を設けてもかまわない。この場合、例えば、奇数スライスでは増幅器を切り替えてゲイン切り替えを行い、偶数スライスでは1つの増幅器で撮影を行う。偶数スライスでのゲインは、低く設ける。このような構造により、奇数スライスにてゲイン切り替えの結果、高いゲインで撮影を行い、その際に想定より大きな入力が入ってしまって取得したデジタルデータが飽和した場合でも、近くの偶数スライスに低い感度で撮影したX線検出素子があるために、この値を用いて補間できる。また、全X線検出素子が複数のゲインを有し、その一部のX線検出素子のみがゲインの切り換えを行い、その他のX線検出素子が切り替えを行わない場合もありえる。
本実施例では、切り替え条件がX線検出器ごとであったが、本発明はこれに限るものではない。X線検出器104を複数のブロックに分け、ブロック毎に切り替え条件を設けてもかまわない。
(実施例3)
以下、図10に示す撮影およびゲイン決定処理のフローチャートを用いて、本発明の第3の実施例について説明する。
実施例3のX線CT装置における読み出し回路は、X線検出素子ごとに、低いゲインのゲイン1と高いゲインのゲイン2の2つを有し、切り替えられる。
再構成像を得るために2N枚のプロジェクションを撮影する。まず1番目からN番目のプロジェクションの半周分の撮影は、ゲイン1で行う(ステップ1001)。次に、この結果を用いて、(N+1)番目から2N番目のプロジェクションの出力値を推定する(ステップ1002)。この(N+x)番目(x=1、2…、N)のプロジェクションにおいて、X線検出素子毎にしきい値処理を行う(ステップ1003)。このしきい値には、ゲイン1を用いて回路雑音の影響が無視できる範囲の下限を用いる。
この処理では、しきい値よりも小さなX線検出素子はゲインをゲイン2とし(ステップ1006)、大きな場合はゲインをゲイン1とする(ステップ1004)。この処理により(N+x)番目(x=1、2…、N)のプロジェクションごと、およびX線検出素子ごとに使用するゲインを決定する。
次に、(N+1)番目から2N番目のプロジェクションを求めたゲインで撮影する(ステップ1005、1007)。このとき、スライスの間にX線検出素子の信号の読み出しを行っていないブランキング時間を設け、ゲインを切り換えるスライスの直前のブラキング時間内で切り替えを行う。更にチャネル毎に異なる値をとり、X線検出素子ごとに異なるゲインを実現する。
次に、このように撮影した(N+1)番目から2N番目のプロジェクションを用いて、1番目からN番目のプロジェクションでしきい値以下であったX線検出素子の値を推定する(ステップ1008)。
このようにして得た2N枚のプロジェクションを用い、再構成手段8にて再構成演算を実施して再構成像を得る(ステップ1009)。
本実施例では、ゲインの判定のための撮影は半周分行われているが、本発明はこれに限るものではない。
また、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、上述した実施例にはさまざまな段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせによりさまざまな発明が抽出され得る。例えば、上述した実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても良い。
以上詳述したように、本発明によれば、X線CT装置において、低線量域での低雑音撮影と、高線量域での撮影を撮影条件によって自動的に切り替え、読み出し回路のダイナミックレンジよりも広いダイナミックレンジでの撮影を実現することができる。
本発明の一実施例になるX線CT装置の構成を説明する図。 従来のX線CT装置の読み出し回路の処理を説明するブロック図。 従来のX線CT装置の読み出し回路で用いられるオートゲインアンプの処理を説明するブロック図。 本発明の実施例1におけるデータ収集装置の一構成例を説明するブロック図。 本発明の実施例1におけるX線検出器の一構成例を示す図。 本発明の実施例1におけるゲイン判定処理の一例を示すフローチャート図。 本発明の実施例1におけるゲイン判定処理の一例を説明する図。 本発明の実施例2におけるデータ収集装置の一構成例を説明するブロック図。 本発明の実施例2におけるゲイン判定処理の一例を示すフローチャート図。 本発明の実施例3におけるゲイン判定処理の一例を示すフローチャート図。
符号の説明
1…X線検出素子、2…その他読み出し回路、3…積分器、4…増幅器、5…AD変換器、6…記憶手段、7…補正手段、8…再構成手段、10…切り替え回路、12…判定手段、20…選択回路、20’…スイッチング素子、30…シフトレジスタ回路、100…X線源、101…回転体、102…被写体、103…寝台天板、104…X線検出器、105…中央処理装置、106…表示装置、107…回転軸方向、スライス方向、108…回転方向、チャネル方向、111…光電変換基板、112…シンチレータ素子、113…配線基板、118…信号収集手段、117…制御手段、118…信号収集手段、119…入力手段、120…電極パッド、310…接着剤。

Claims (5)

  1. X線を電荷に変換する複数のX線検出素子と、前記電荷を電圧信号に変換する増幅器を複数有し、前記増幅器のゲインを変更する手段を具備する読み出し回路と、複数の前記X線検出素子の前記電圧信号からなるアナログデータをデジタルデータへ変換するアナログ−デジタル変換手段とを有し、前記デジタルデータを複数の投影方向から取得するX線CT装置において、ある投影方向のデジタルデータに対して条件判定処理を施すことにより、前記デジタルデータを取得した投影方向の後のプロジェクションで使用する前記増幅器のゲインを決定する手段と、前記ゲインを前記判定手段の結果を用いて変更するゲイン切り替え手段を具備することを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1の前記X線CT装置において、使用した前記増幅器のゲイン及び/又はゲイン毎のオフセット量をデジタルデータとして記憶し、各投影方向で取得された前記デジタルデータに対して、前記ゲインのデジタルデータを用いて前記増幅器のゲインの違い及び/又はゲイン毎のオフセット量を補正する補正処理手段を具備することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1の前記X線CT装置において、前記X線検出素子の読み出しの間に読み出しを行わない時間を有し、前記ブランキング時間中に前記ゲイン切り替え手段が前記増幅器のゲインを変更することを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1の前記X線CT装置において、前記判定手段が、前記増幅器のゲインを決定する投影方向で取得される前記電圧信号を、前の単数または複数のプロジェクションで取得した複数の前記X線検出素子のデジタルデータを用いて推定し、該推定にて得た前記電圧信号の値を用いて前記増幅器のゲインを決定する機能を有することを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1の前記X線CT装置において、前記判定手段が、ある一定の前記増幅器のゲインで取得した単数または複数の投影方向の前記デジタルデータを用いて、後のプロジェクションの前記ゲインを推定することを特徴とするX線CT装置。
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