JP2006109957A - 入浴用車椅子 - Google Patents

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俊之 高垣
Yasuhiro Fukushima
靖博 福島
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Abstract


【課題】 非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動復帰に係る作業を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化が図れる入浴用車椅子を提供すること。
【解決手段】 走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部とを有し、前記台車部に対して前記背凭部を所定の起立位置と傾斜位置との間で傾動作動させる傾動手段と該傾動手段による背凭部の傾動作動を補助する傾動補助手段を、前記台車部と前記背凭部とに亘って介装したことを特徴とする入浴用車椅子である。
【選択図】 図9

Description

本発明は、入浴者を着座状態で浴槽内へ挿入し入浴に供する入浴用の車椅子に関するものである。
下記特許文献1には、背板部及びシート部を直立側位置から傾斜位置に傾動できるチルト装置を備える入浴用の車椅子が開示されている。
しかしながら、上記の車椅子はチルト装置による傾動を補助する傾動補助手段を具備しない構成であり、例えば、女性等の非力な介助者にとっては入浴者の着座した背板部及びシート部を傾斜位置から直立側位置へ傾動復帰させるには労力を必要とするという問題点を有していた。
特開平9−108290号
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動に係る作業を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化が図れる入浴用車椅子を提供することを目的とするものである。
上記の目的を実現する為、本発明では、走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部とを有し、前記台車部に対して前記背凭部を所定の起立位置と傾斜位置との間で傾動作動させる傾動手段と、介助者による背凭部の傾動操作を補助する傾動補助手段を、前記台車部と前記背凭部とに亘って介装したことを特徴としている。
又、傾動補助手段の作動を規制し、背凭部を所定位置に固定維持するロック機構を付設した。
更に、傾動補助手段を、背凭部に上端部が軸着されるアッパーブラケットと、該アッパーブラケットの下端部に固着される圧縮バネと、前記アッパーブラケット及び前記圧縮バネに内嵌され下端部が台車部に枢着されたボトムブラケットを備える構成とした。
更には、背凭部を台車部に支軸にて傾動可能に軸着し、傾動補助手段を前記支軸に介装され一端が前記台車部に他端が前記背凭部に止着される捻りバネとした。
本発明は、介助者による背凭部の傾動操作を補助する傾動補助手段を台車部と背凭部との間に亘って介装するものであるから、非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部を所定の傾斜位置から起立位置へ前傾動させることができ、介助作業に係る労力の省力化が図れる。又、背凭部を所定の起立位置から傾斜位置に後傾動させる際には、背凭部の急激な後傾動を前記傾動補助手段の作用により抑制することができ、介助者は安全且つ楽に介助作業が行える。更に、背凭部の急激な後傾動を抑制することができるので入浴者に不必要な恐怖感を抱かせることもない。
本発明は、傾動補助手段の作動を規制し、背凭部を所定位置に固定維持するロック機構が付設されたものであるから、背凭部を安全且つ確実に所定位置に固定でき、更には傾動補助手段が不用意に作動し背凭部がひとりでに前・後傾動し入浴者或いは介助者を驚愕させたり怪我を負わせてしまうといった不都合な事態を防止できる。
入浴用車椅子の傾動補助手段に例えば、市販の鉄製ガススプリングを採用した場合では、長期に亘って当該入浴用車椅子を使用しているとガススプリングに付着した水滴等により錆付きが発生し見栄え的・衛生的にも好ましくないといった問題点があり、更には錆付きを防止する為にステンレス製のガススプリングを採用した場合には当該ガススプリングは鉄製のガススプリングに比して高価であるが故に入浴用車椅子の製造コストがアップしてしまうといった問題点が生じる。本発明では傾動補助手段にステンレス製の圧縮バネ又は捻りバネを採用したので、付着する水滴等によって発生する錆付きを軽減できると共にステンレス製のガススプリングと比べると製造コストを大幅にアップさせることなく介助者の介助作業に係る労力を省力化でき、好適である。又、ガススプリングを採用する場合と比較して、圧縮バネ又は捻りバネを採用する場合ではバネ反力の設定が容易に行える為、傾動補助力の設定が容易になるといった利点も有する。
非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動に係る作業を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化を図るという目的を、走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部とを有し、前記台車部に対して前記背凭部を所定の起立位置と傾斜位置との間で傾動作動させる傾動手段と、介助者による背凭部の傾動作動を補助する傾動補助手段を、前記台車部と前記背凭部とに亘って介装することにより実現した。
以下、本発明の実施例1を図1乃至11を参照して説明する。図1は背凭部5を起立位置になした状態の入浴用車椅子1を示す右側面図である。入浴用車椅子1は、前後左右に計4個のキャスターを有し床面を走行可能な台車枠2からなる台車部3と、下端部が台車枠2に支軸4にて傾動可能に軸着される背凭部5と、背凭部5に固着される座席部6と、座席部6の先部に回動固定可能に取着される下肢支持部7とから構成される。
図2は下肢支持部7を座席部6の下方に退避させた状態の入浴用車椅子1を示す右側面図であり、図3は下肢支持部7の退避機構の作用を示す図であり、(a)は下肢支持部7を座席部6に対して下限位置にまで下降させた状態を示す部分図であり、(b)は下肢支持部7を下限位置から座席部6の下方向に退避させた状態を示す部分図である。下肢支持部7は通常、図1の実線で示される座席部6に対して所定の下限位置に設定されている。
座席部6は、背凭部5の左右に固着された側面視略L字形状のパイプ状座席枠9上に座板23が載置されてなり、下肢支持部7は基端部が座席部6の左右前端位置に軸着される左右一対のアーム部96と、アーム部96の先端側に軸着される足載せ部97とからなる。アーム部96は、座席枠9の先部に取着された側面視L字形状の固定部材14を介して座板23の左右に座板23から前方に延出取着された取付部材10の先端部に基端部が軸16にて回動可能に軸着された短片11と、左右の短片11間を連結する連結パイプ12の適宜位置に平行状に取着された下肢支持パイプ13と、前記固定部材14の水平部14aの左右位置であって前記取付部材10の取着位置より内方に垂下取着された支持部材68に基端部が軸15にて回動可能に枢着されたく字形状の曲折片17とからなる。そして、左右の前記下肢支持パイプ13及び曲折片17の先端部に軸18及び軸19にて平面視略U字形状の足載せパイプ20(足載せ部97)の遊端部がそれぞれ軸着される。
前述した四本の軸15・16・18・19にて平行四節リンク機構8を構成しているので、図3(a)に示す下限位置にある足載せパイプ20の傾斜角度を維持しつつ下肢支持部7(アーム部96及び足載せ部97)を一体的に座席部6の下方奥側に回転させ一時的に退避させることが可能である(図3(b)参照)。
又、曲折片17には平行四節リンク機構8の作動を規制する規制手段98が付設されている。以下、この規制手段98について説明する。図3に示すように曲折片17の基端側位置には円弧状溝26が形成され、円弧状溝26の一端側には円溝29が形成されている。前記円溝29、29間には横架状にピン27が挿通されている。図5に曲折片17とピン27との関連を説明する為の断面図を示す。前記ピン27は左右の曲折片17の内側に挟まれて介装される保持筒74に進退移動可能に挿通されている。
前記ピン27は介助者が把持し押し引き操作可能な操作部27aと、操作部27aの一端に取着される棒状部27bとから構成され、棒状部27bの基端側位置と末端側寄り位置は棒状部27bより小径の小径棒状部27cに形成されている。前記棒状部27bの直径は前記円溝29の直径と略同径で円溝29に嵌合可能に形成されており、小径棒状部27cの直径は円溝29の直径より小さく形成されている。又、曲折片17と操作部27aとの間には圧縮バネ99が介装されている。図5中、95は棒状部27bの両端部を支持する軸受である。
従って、図3(a)に示す状態では、棒状部27bの両端部分が曲折片17の円溝29に挿入嵌合され、押し上げ片25と曲折片17とがピン27を介して連結固定されている為、曲折片17は座席部6の下方奥方向への回転が不可能な状態となっている(規制手段98が作用している)。
介助者が操作部27aを押圧しピン27を押し込む(図5中の矢印B方向)と、保持筒74に対してピン27が進出動し棒状部27bの二箇所位置に形成される小径棒状部27cがそれぞれ円溝29に臨むことにより、押し上げ片25と曲折片17との連結固定が解除され、曲折片17の座席部6の下方奥方向への回転が許容される(規制手段98の作用が解除される)。
下肢支持部7を座席部6の下方へ一時的に退避させる場合は、前述したようにピン27の操作部27aを座席部6方向へ押圧し、押し上げ片25に対する曲折片17の連結固定を解除した後、下肢支持部7の一部を適宜把持し座席部6方向へ下肢支持部7を押すことで前記平行四節リンク機構8が作用し、下肢支持部7が座席部6の下方奥方向へ回転しながら移動し、図3(b)に示される状態に至る。
前記保持筒74の中央位置には下肢支持部7を押し上げ上昇させる押し上げ片25の先端部が保持筒74と一体的に取着されている。図3に示すように押し上げ片25の基端部は操作桿28にピン30にて回動可能に結合され、操作桿28は座板23下面の2箇所位置に取着されたガイド部材71に挿通され、背凭部5を貫通し台車枠2を構成する左右のパイプ2a・2bを連結するパイプ2cの中央位置に取着された下部ホルダー32の案内溝32aに取着されている。
前記ピン27と押し上げ片25と操作桿28とは後述する背凭部5の傾動作動に連動して座席部6に対して下肢支持部7を所定の下限位置と上限位置とに昇降させる連動昇降手段31を構成する。操作桿28は後述する傾動手段45による背凭部5の後傾動に伴って前記下部ホルダー32に形成された案内溝32aに沿って右下方向に移動する。
図6は、一方把手33を座席部6側方に水平旋回させた状態の入浴用車椅子1を示す部分斜視図である。入浴用車椅子1の左右の座席枠9には把手33が取着され、入浴者の座席部6の横側方向からの移乗を可能とする為、把手33は図6に示すように、座席部6の外側方向へ所定角度(=約90度)だけ水平旋回可能に配設されている。前記把手33は、水平旋回機構34を介して左右の座席枠9の起立部9aに取着される。
把手33は固定支柱部35と、固定支柱部35の先部に基端部が内嵌される把持部36とからなり、固定支柱部35は起立部9aの対向位置に配置される旋回操作パイプ39に固着され、旋回操作パイプ39の上下端が起立部9aの上下位置に取着される上筒部37と下筒部38に内嵌され、旋回操作パイプ39は該パイプ39の軸心廻り方向に回動可能となされている(水平旋回機構34)。又、旋回操作パイプ39は上筒部37と下筒部38の挿嵌方向に遊びをもたせて内嵌されている。
図7は、図2におけるA部分(下筒部38付近)の内部構造を透過して表す部分図である。下筒部38内壁部には互いに交差して十字形をなす二方向の係合溝40が係合溝40奥方向に行くに従って溝幅が狭くなるテーパ状に形成され、旋回操作パイプ39の先端部には前記二方向の係合溝40のうち一方向溝に係合可能な係合片41が係合片41先端方向に行くに従って幅狭となるテーパ状に形成されている。従って、旋回操作パイプ39の係合片41がどちらか一方向の係合溝40に嵌入係合している時、旋回操作パイプ39は旋回不可能な状態となり、把手33が座席枠9に対して固定される。尚、係合溝40及び係合片41を前述したテーパ状に形成することによって両者が互いに嵌入係合している時のガタツキを防止している。
把手33を座席部6側方に旋回させる場合には、旋回操作パイプ39を一旦上方向に持上げ、係合片41を一方向の係合溝40から抜脱し、把手33を所定角度旋回させた後、旋回操作パイプ39を下降させ、係合片41を他方向の係合溝40に嵌入係合させる。又、図6に示すように前記把持部36は固定支柱部35の軸心廻り方向に回動可能に内嵌され、把持部36は所定の上位置と下位置に固定可能とされている。図示は省略するが、例えば、把手とサイドフェンスをブロー成形等の手法により一体成形した板状部材とし、該板状部材の適宜箇所を切削し把持部とする構成としてもよく、把手33及びサイドフェンス42の形状は図面に記載した形状に限定されるものではない。図6中、42は固定支柱部35の下方部と旋回操作パイプ39とに亘って取着された側面視略U字形状のパイプ材で構成されるサイドフェンスである。尚、サイドフェンスはパイプ材でなく板状部材としてもよい。
図4は背凭部5を所定の傾斜位置に後傾動させた状態の入浴用車椅子1を示す右側面図であり、図8は入浴用車椅子1を右斜め後方から見た斜視図であり、図9は傾動補助手段46の構造を示す部分断面図である。台車枠2は左右に平行配置され前後にキャスターが取着されたパイプ2a・2bと、パイプ2a・2bの中間位置より後方の位置にて両パイプ2a・2bを横架状に連結するパイプ2cとから構成され、台車枠2全体は平面視H形状をなしている(図8参照)。
前記背凭部5は、背凭フレーム43にFRP製の表側部材44と裏側部材(図示省略)とが接合されて形成されるものである。背凭フレーム43の左右下端がそれぞれパイプ2a・2bに支軸4にて軸着されており(傾動手段45)、背凭部5は支軸4を支点にして所定の起立位置から傾斜位置にまで傾動可能となっている。
入浴用車椅子1には、所定の傾斜位置にまで後傾させた背凭部5(図4参照)を所定の起立位置にまで戻す介助者の傾動操作を補助する傾動補助手段46が台車枠2と背凭部5とに亘って介装される。前記傾動補助手段46は、上端部がブラケット72を介して横背凭フレーム43bに取着される筒状のアッパーブラケット52と、アッパーブラケット52の下端部に固着される圧縮バネ60と、アッパーブラケット52及び圧縮バネ60に内嵌され下端部が前記パイプ2cの中央位置に固着された下部ホルダー32に軸着された筒状のボトムブラケット53と、前記圧縮バネ60の収縮・復元(伸長)作動を操作する背凭ロック解除レバー47とから構成される。尚、圧縮バネ60には、当該バネ60に付着する水滴等によって生じる錆付きを軽減する為、ステンレス製のバネを採用する。
前記背凭ロック解除レバー47は、介助者が把持する操作レバー部47aと、操作レバー部47aに先端が固着された作動部47bとからなり、作動部47bの基端は横背凭フレーム43bに上下に揺動可能に軸着され、作動部47bの基端部側寄りの位置には連結片48の一端が連結される。連結片48の他端は略三角形状のリンク片49の一頂角部位置に軸50にて軸着される。前記リンク片49の他の頂角部位置において、リンク片49はアッパーブラケット52の外周面に取着された取付部材75と軸51にて軸着される。
アッパーブラケット52にはロッド56が連結片48側に向かって突出固定され、ロッド56の先端には引張バネ57の一端が取着され、引張バネ57の他端は軸50に取着されている。引張バネ57は連結片48をアッパーブラケット52側に引き寄せる作用を奏している。アッパーブラケット52の円筒面には互いに対向する面位置に円筒方向に沿って縦長の案内孔55が形成され、両案内孔55には支え軸54がそれぞれ挿通され、各支え軸54はボトムブラケット53の上方部に取着される。
前記傾動補助手段46には圧縮バネ60の収縮又は復元作動を規制し、背凭部5を所定起立位置又は傾斜位置に固定維持するロック機構61が付設される。ロック機構61は前記取付部材75の取着位置より下方のアッパーブラケット52の外周面に取着される案内筒65と、案内筒65に内嵌されるセンターロックピン64と、ボトムブラケット53に形成される上・下側挿入孔62・63とからなる。
即ち、前記センターロックピン64が前記上側挿入孔62に嵌入している状態においては、圧縮バネ60の収縮作動が規制され、センターロックピン64が前記下側挿入孔63に嵌入している状態においては、圧縮バネ60の復元作動が規制される。尚、図9ではセンターロックピン64が上側挿入孔62に嵌入している状態(背凭部5が起立位置にある状態)を示している。
前記案内筒65にはセンターロックピン64を案内筒65に対して進退移動可能にする挿通孔67が形成され、挿通孔67からはセンターロックピン64に取着されたスプリングピン66が突出して設けられ、スプリングピン66は前記リンク片49の残りの頂角部位置に三角形内部方向に向かって形成された切欠溝76に嵌められている。従って、背凭ロック解除レバー47を上方に僅かに押し上げるとリンク片49が軸51を支点に右回転し、リンク片49の当該回転によってセンターロックピン64が上側挿入孔62から脱抜される方向へ移動し、前記ロック機構61によるロック機能が解除される。
起立位置にある背凭部5を傾斜位置にまで後傾動させる場合は、前記背凭ロック解除レバー47を上方に僅かに押し上げた状態で、背凭部5を背凭部5に掛かる入浴者の荷重を利用して支軸4を支点に後傾動させることによって圧縮バネ60が収縮作動する方向へ変位する。この圧縮バネ60の収縮作動に伴いアッパーブラケット52がボトムブラケット53に対して相対的に下方向へ移動することで背凭部5が傾斜位置にまで後傾動する。
アッパーブラケット52がボトムブラケット53に対して所定の下方位置に到達すると、引張バネ57の作用によって、センターロックピン64が前記下側挿入孔63に自動的に嵌入し、アッパーブラケット52がボトムブラケット53に対して移動不可能となり、背凭部5は所定の傾斜位置に固定保持される。
傾斜位置にある背凭部5を起立位置にまで前傾動させる場合は、前記背凭ロック解除レバー47を上方に僅かに押し上げセンターロックピン64を下側挿入孔63から抜脱し、圧縮バネ60の復元力を利用してアッパーブラケット52をボトムブラケット53に対して所定の上方位置にまで上昇させる。
アッパーブラケット52が所定の上方位置に到達すると、引張バネ57の引張によって、センターロックピン64が前記上側挿入孔62に自動的に嵌入し、アッパーブラケット52がボトムブラケット53に対して移動不可能となり、背凭部5は所定の起立位置に固定保持される。
図9中、58、59は圧縮バネ60を挾持する上座金、下座金である。尚、ボトムブラケット53に形成される上・下側挿入孔62・63以外に、例えば、上・下側挿入孔62・63の間のボトムブラケット53に中側挿入孔(図示省略)を形成し、背凭部5を上述した所定起立位置と傾斜位置との間の中間傾斜位置に固定維持するようにしてもよく、背凭部5を固定維持する位置は所定起立位置と傾斜位置の二箇所に限定されるものではない。
前述したように入浴用車椅子1は、背凭部5の起立位置と傾斜位置の間の傾動作動に連動して座席部6に対して下肢支持部7を所定の下限位置と上限位置とに昇降させる連動昇降手段31を有しており、連動昇降手段31はピン27と押し上げ片25と操作桿28とから構成される。
ピン27に形成される2個の大径部27cがそれぞれ左右の曲折片17の円溝29に嵌合している状態(図3(a))、即ち、連動昇降手段31が機能する状態で、上述した傾動補助手段46のロック機構61のロック機能を背凭ロック解除レバー47を操作することにより解除し背凭部5の後傾動を開始すると、背凭部5の後傾動に伴って操作桿28が下部ホルダー32の案内溝32aに沿って右斜め下方向に変位し、下肢支持部7の曲折片17が操作桿28の先端に結合された押し上げ片25にて上方向へ押し上げられ、下肢支持部7が後傾した座席部6に対して所定の上限位置にまで上昇することになる(図1中の一点鎖線部分参照)。上記とは逆の操作を行い背凭部5を傾斜位置から起立位置へと前傾動させると、下肢支持部7は座席部6に対して所定の下限位置にまで下降する(図1中の実線部分参照)。
続いて、実施例1の入浴用車椅子1を用いて入浴者を入浴させる浴槽77について説明する。浴槽77には貯湯槽78が一体的に形成され、浴槽77の一側方に開口部79が形成される。実施例1は、浴槽77の開口部79を入浴者が着座した入浴用車椅子1の背凭部5で閉塞することにより入浴者を入浴状態にさせるものである。図10に浴槽77を開口部79方向から見た斜視図、図11に浴槽77を開口部79方向から見た正面図を示す。
前記開口部79は、浴槽77の左・右側壁77a・77bの内側面に開口部79側から浴槽77の奥側方向に向かって傾斜状に形成された左・右内側壁77aa・77bbと底壁77cとで構成される接合面80を有し、該接合面80には入浴用車椅子1の背凭部5に形成される左・右・下平坦面81a・81b・81c(図6参照)が当接可能となっている。
浴槽77の接合面80より前方向に突出して形成された左・右側壁77a・77bの内側上方位置にそれぞれ略L字形状の左・右補強部材82・82が取着され、該左・右補強部材82・82にそれぞれ入浴用車椅子1の左ロックピン(図示省略)・右ロックピン83が嵌入する左孔(図示省略)・右孔84が貫設される。
前記接合面80の周縁には、接合面80に沿って接合面80と入浴用車椅子1の背凭部5の平坦面81との水密状態を維持する為のシール材85が貼着される。又、浴槽77の底壁77cの内側には、浴槽77の開口部79と反対側位置に段部86が形成される。段部86を形成することにより浴槽77の容積を減少させることができ、貯湯槽78から浴槽77へ移送する湯水の省湯量化が図れる。
浴槽77と、入浴用車椅子1の背凭部5との固定は、以下の二つの手段により行う。一つは、浴槽77の左右側壁77a・77bと入浴用車椅子1の背凭部5の左右側上部を固定する第一の固定手段87であり、もう一つは浴槽77の底壁77cと入浴用車椅子1の背凭部5の下部を固定する第二の固定手段88である。
第一の固定手段87は、入浴用車椅子1側に設けられる前記左ロックピン(図示省略)・右ロックピン83と、浴槽77側に設けられる前記左孔(図示省略)・右孔84とから構成される。第二の固定手段88は、底壁77cの下方外面に固着された電動アクチュエーター89と、該電動アクチュエーター89の伸縮自在なロッドの先端部と底壁77cの端面とに回動可能に軸着される押圧片90と、入浴用車椅子1の背凭フレーム43下端の中央部に螺着され前記押圧片90の押圧を受け止める受止部材91とから構成される。
従って、入浴用車椅子1を浴槽77の内方所定位置にまで進入させると、ロックピン83が孔84に自動的に嵌入し、入浴用車椅子1の背凭部5の上部と浴槽77とが固定される。続いて、電動アクチュエーター89のロッドの伸長作動を開始すると、押圧片90の先端部が左回転(背凭部5側に回転)し受止部材91に当接する。更に、ロッドの伸長作動を行うと、押圧片90により受止部材91が押圧され、浴槽77の底壁77cに入浴用車椅子1の背凭部5の下部が押圧固定される。上述した第一の固定手段87と第二の固定手段88とにより浴槽77の開口部79が入浴車椅子1の背凭部5で閉塞されることになる。
上述した入浴用車椅子1を用いて、入浴者を浴槽77に入浴させる場合、介助者は、先ず貯湯槽78へ湯水を所定量貯湯する。ピン27の操作部27aを座席部6方向へ押圧し、押し上げ片25に対する曲折片17の連結固定を解除した後、下肢支持部7の一部を適宜把持し座席部6方向へ下肢支持部7を押し、下肢支持部7を座席部6の下方へ一時的に退避させる(図3(b)の状態)。
次に、入浴者を移乗させる方向の把手33の一部を把持し旋回操作パイプ39を上方向に若干持上げ旋回操作パイプ39と下筒部38との係合固定を解除し、把手33を座席部6の外側方向へ略90度水平旋回させた後、旋回操作パイプ39を下方向に下降させ旋回操作パイプ39を下筒部38に対して係合固定する。水平旋回させた把手33の把持部36は、固定支柱部35に対して上位置であって入浴者側に傾斜配置される為、当該配置の把持部36が後述する入浴者の移乗作業に支障を来たさないよう下位置に適宜配置変更することが好ましい。(図6中、右方向の把手33の状態)。
介助者は、入浴用車椅子1の下肢支持部7及び把手33をそれぞれ前記退避状態及び旋回状態に変更する準備を行った後、入浴者が搬送される他の福祉機器を本発明の入浴用車椅子1の近傍へ停車させ、入浴者を入浴用車椅子1へ移乗させる。前述したように下肢支持部7は座席部6の下方へ退避されている為、座席部6の前方位置に介助者が接近し易く、下肢支持部7が移乗作業の妨げとなることはない。更に、把手33は座席部6の左右側部に対して略90度側方へ旋回された退避配置されているので、座席部6の両側方に移乗スペースを十分に確保でき、介助者は座席部6の側方から入浴者の移乗作業を円滑に行えることになる。本発明の入浴用車椅子1は、座席部6の前・左・右の三方向のいずれの方向からも入浴者の移乗作業が行えるものである。
入浴者が座席部6に着座したことを確認し、把手33を座席部6方向へ逆旋回させ把持部36を所定の上位置に戻す。介助者は座席部6に着座した入浴者の下肢を支持しながら退避位置にある下肢支持部7を図3(a)に示す前方位置に進出させる。ピン27の小径棒状部27cを円溝29へ臨ませると圧縮バネ99の弾性作用によりピン27が図5中の矢印Bとは反対側方向に付勢され、棒状部27bの両端部分が円溝29に自動的に挿入嵌合し、押し上げ片25と曲折片17とがピン27を介して連結固定され、連動昇降手段31が作用可能な状態となる。
背凭部5の裏側位置に設けられた背凭ロック解除レバー47を上方向に若干持上げ、ロック機構61のロック機能を解除し、支軸4を支点にして起立位置にある背凭部5を傾斜位置にまで後傾動させる。この背凭部5の後傾動に連動して、下肢支持部7が押し上げ片25(連動昇降手段31)により所定の上限位置にまで上昇する。
介助者は押しハンドル92を操作し、入浴用車椅子1を床面93上を走行させる。入浴用車椅子1を開口部79付近に配置し、開口部79方向に延出し左・右側壁77a・77bの内側に沿って平行に取着されたガイドレール94・94に台車枠2を当接させながら、入浴用車椅子1を開口部79側から浴槽77内へ進入させる。
この時、台車部3は、底壁77cの外部下方に位置し、入浴者の載置される座席部6及び下肢支持部7が浴槽77内に位置する。下肢支持部7は背凭部5の後傾動に伴って上限位置に持上げされた状態であるので、浴槽77の内方に挿入された場合にも底壁77cに形成された段部86に衝突することはない。
入浴用車椅子1を浴槽77の内方所定位置にまで進入させると、ロックピン83が孔84に嵌入し、入浴用車椅子1の背凭部5の上部と浴槽77とが固定される。次に、電動アクチュエーター89のロッドを伸長作動させ、押圧片90にて受止部材91を押圧すると、背凭部5の左平坦面81a・右平坦面81b・下平坦面81cが接合面80に当接し、浴槽77の開口部79が入浴用車椅子1の背凭部5で閉塞される。貯湯槽78から浴槽77へ湯水を移送し、入浴者を入浴させる。
入浴が完了し入浴者を退浴させる場合、まず浴槽77内の湯水を入浴装置外へ排出する。浴槽77内の水位が減少し所定の高さ位置未満になると、電動アクチュエーター89のロッドの収縮が許容可能となるので、介助者は、ロッドを収縮させ、押圧片90による受止部材91の押圧固定を解除し、浴槽77の底壁77cと入浴用車椅子1の背凭部5の下部との固定を解除する。次に、入浴用車椅子1の図示しないロックピン操作レバーを手前方向に引き、ロックピン83を孔84から抜脱し、浴槽77の左右側壁77a・77bと入浴用車椅子1の背凭部5の左右側上部との固定を解除し、入浴用車椅子1を浴槽77内から退出操作する。
介助者は、背凭れロック解除レバー47を操作し傾斜位置にある背凭部5を起立位置にまで復帰作動させた後、前述した移乗作業と逆の手順にて作業を行い、入浴用車椅子1から他の福祉機器へ入浴者を移乗させ、入浴を完了する。
又、図12及び13に示すように実施例1の入浴用車椅子1から連動昇降手段31を取り除き、下肢支持部7を座席部6の下方に退避可能としても勿論よい。図12は背凭部5を起立位置になした状態の入浴用車椅子1を示す右側面図であり、図13は連動昇降手段を取り除いた入浴用車椅子1の下肢支持部7の退避機構に係る作用を示す図であり、(a)は下肢支持部7を座席部6の前方に伸展状態になした部分図であり、(b)は下肢支持部7を座席部6の下方に退避させた状態を示す部分図である。図12,13において図1,2,3と同一又は同等の構成要素については、同一符号を付記して、特に説明を要する場合を除いて構成要素の説明は省略する。
この入浴用車椅子1では、足載せパイプ20の一方遊端側の上方に保持部材21が取着され、保持部材21に固定ピン22(規制手段98)が足載せパイプ20の側方方向から挿嵌されている。下肢支持パイプ13には前記固定ピン22が挿通される挿入孔24が開設されており、固定ピン22を挿入孔24に挿通した状態では平行四節リンク機構8は作用せず、下肢支持部7は座席部6の下方へ退避不可能とされている。
図12(b)に示すように下肢支持部7を座席部6の下方へ一時的に退避させる場合は、固定ピン22を挿入孔24から抜脱し、適宜下肢支持部7の一部分を把持し下方向へ押すことで平行四節リンク機構8が作用し、下肢支持部7(足載せ部20)は下降しつつ座席部6の下方へ移動する。
実施例2はアーム部96を曲折片17と外側曲折片100とから構成し、平行四節リンク機構8の作動を規制する規制手段98をロック軸101とロック軸101に形成されるキー溝101cに嵌入する平行キー102とから構成し、傾動補助手段46を背凭部5の支軸4に介装される捻りバネ106とした実施形態である。実施例2に係る入浴用車椅子1の構成を図14乃至17に示す。図14は実施例2の入浴用車椅子1を示す平面図であり、図15は図14におけるC−C矢視断面図であり、図16は規制手段98を説明する図であり、(a)は規制手段98を示す部分断面図であり、(b)は取付部材10に形成される孔10a・10bとロック軸101と平行キー102との関係を模式的に示す断面図である。図17は入浴用車椅子1を右斜め後方から見た斜視図である。尚、図14,15,16,17において図1,2,3と同一又は同等の構成要素については、同一符号を付記して、特に説明を要する場合を除いて構成要素の説明は省略する。
まず、四節リンク機構8の作動(外側曲折片100の回動)を規制するロック軸101の構成について説明する。図16(a)に示すようにロック軸101は釦部101aと軸部101bとからなり、平行キー102が軸部101bに形成されるキー溝101cに嵌められている。そして、軸部101bは断面視コ字形状の取付部材10の先端部にそれぞれ開設される一方孔10a・他方孔10b、及び外側曲折片100に開設される孔100aに挿通され、ロック軸101全体は圧縮バネ103によって外側方向(図16中、矢印Dと反対側の方向)に常時付勢されている。
図16(b)に示すように、一方孔10aの形状は鍵穴形状に形成されており、他方孔10bは後述する平行キー102による外側曲折片100の回動規制を解除可能にする為、平行キー102と軸部101bとの間に空隙104が設けられる孔形状とされている。又、外側曲折片100に形成される孔100aの形状も前記孔10aと同等の形状になされている。
図16(a)に示す状態では、平行キー102によって外側曲折片100の回転が規制されている。介助者が釦部101aを把持しロック軸101を圧縮バネ103の付勢力に抗して矢印D方向に押し込むと、ロック軸101と平行キー102が一体的に移動し、平行キー102の一部分が孔10bに、平行キー102の残りの部分が孔100aに臨むことになる。この結果、外側曲折片100は軸部101bを支点とした回転が可能となり、平行四節リンク機構8の作動が許容される。尚、図16(a)中、105は軸部101bの先端に固定されロック軸101の抜け止めを防止する抜け止め蓋である。
次に、実施例3の入浴用車椅子1に具備される傾動補助手段46の構成について説明する。図17に示すように背凭部5の骨格を形成する左右のパイプ状の縦背凭フレーム43a間に下側固定板70が横架状に取着され、下側固定板70には二枚の側面視略逆L字形状の背凭フレーム片107が左右方向に所定間隔をあけて取着され、各背凭フレーム片107の前側下部が支軸4に対して回動可能に連結されている。捻りバネ106は台車枠2と背凭フレーム片107の間の支軸4に介装され、捻りバネ106の一方端は台車枠2(パイプ2a・パイプ2b)の内側下方に延出取着される止め部材121に止着され、捻りバネ106の他方端は背凭フレーム片107に外側方向に向かって突設されたピン124に止着されている。捻りバネ106は所定起立位置から後傾動された背凭部5を起立位置に戻す方向に作用するように介装されている。
背凭フレーム片107の下部後方位置には支軸4を円中心とする円弧溝113が形成されている。図15に示すように背凭フレーム片107の内側であって、背凭フレーム片107の上下中間位置にはロックプレート回転軸109にて略逆台形状のロックプレート108が軸着され、背凭フレーム片107の前側下方部とロックプレート108の前側下方部とが圧縮バネ110にて連結されている。圧縮バネ110はロックプレート108を左方向(図15中)に引き寄せる作用をなしている。ロックプレート108には略逆コ字形状の溝112が形成され、溝112は前記円弧溝113と同一形状の円弧溝112bと、円弧溝112bの両端からそれぞれ右上方向に向かって形成された上溝112a・下溝112cとからなる。溝112及び円弧溝113には台車枠2から内側方向に向かって突設されたロックピン111が挿通されている。
図17に示すように、縦背凭フレーム43aの上下中間位置付近において、左右の縦背凭フレーム43a間に横架状に上側固定板73が取着され、上側固定板73には左右方向に所定間隔をあけて二基のスライドレール118が平行取着されている。左右スライドレール118に対して一枚の板状のスライド部材69が上下方向に摺動自在に設けられており、スライド部材69の左右方向に二基のロッド取付部材117が平行状に螺着されている。前述した二枚のロックプレート108の右上端側にはロッド軸114を介して下側ロッド115の下端が軸着され、下側ロッド115の上端は前述したスライド部材69の下部にロッド軸114にて軸着されている。
図15及び図17に示すように一方のロッド取付部材117の上部には上側ロッド116の下端がロッド軸114で軸着されており、上側ロッド116の上端は二枚のロックプレート108の回動を同期制御する側面視逆L字形状のレバーリンク119の前側下方部119aにロッド軸114にて軸着されている。レバーリンク119の後側下方部119bは左右の縦背凭フレーム43a間に架渡された横背凭フレーム43bに右斜め上方向に向かって固定された支持片122にロッド軸114にて回動可能に軸着されている。レバーリンク119の上方部119cには図14及び図17に示すようにレバーリンク119と直交し且つ外側方向に延出されたロック解除レバー123が取着されている。ロック解除レバー123は左右の背凭フレーム43aの上部内側に取着された矩形フレーム120間に架渡された押しハンドル92と平行状に設けられている。
前述したロックプレート108と圧縮バネ110とロックピン111とは背凭部5を所定の起立位置又は傾斜位置にて維持するロック機構125を構成している。図15は背凭部5がロック機構125により所定起立位置に固定維持された状態を示している。背凭部5を所定傾斜位置に傾動させる場合は、押しハンドル92とロック解除レバー123を同時に把持し、ロック解除レバー123を押しハンドル92に接近する方向へ移動操作する。当該操作によってレバーリンク119がロッド軸114を支点に右回転(レバーリンク119の前側下方部119aが上方に回転)し、この回転作動に伴いスライド部材69が上方向に摺動することによって二枚のロックプレート108が下側ロッド115を介して引張られた結果、二枚のロックプレート108はロックプレート回転軸109を支点として同期して左回りに回転する。
ロックプレート108が所定角度だけ左回りに回転し、円弧溝113と円弧溝112bとが重なり状態、即ち、ロックピン111が円弧溝112bと円弧溝113の下側端に位置する状態になると、背凭部5の後傾動が可能になる(ロック機構125によるロック機能が解除される)。ロックピン111が円弧溝112b及び円弧溝113の上側端に到達するまで背凭部5を後傾動させた段階で、ロック解除レバー123を離すと、ロックプレート108が圧縮バネ110に引張られ右回りに回転し、ロックピン111がロックプレート108の上溝112aに臨みロックプレート108の回転がロックピン111にて制止されることによって、背凭部5が所定の傾斜位置にて固定維持される。尚、ロックプレート108に形成される上・下溝112a・112b以外に、例えば、中溝(図示省略)を円弧溝112bの中間位置から上・下溝112a・112bと同方向に延出形成し、背凭部5を上述した所定起立位置と傾斜位置との間の中間傾斜位置に固定維持するようにしてもよく、背凭部5を固定維持する位置は所定起立位置と傾斜位置の二箇所に限定されるものではない。
背凭部5を所定の起立位置に戻す際は、前述した後傾動操作の場合と同様に押しハンドル92とロック解除レバー123を同時に把持し、ロックプレート108を右回りに回転させロックピン111を円弧溝112bと円弧溝113の上側端に位置させた後(ロック機構125のロック機能を解除し)、背凭部5を前傾動させる。この時、介助者は捻りバネ106の復元力により少量の力で容易に背凭部5の前傾動復帰に係る作業を行うことでき、介助者の作業負担を軽減できる。
本発明は上記の実施例1及び2で述べた実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更できることは言うまでもない。例えば、図示は省略するが背凭部5の裏側下方位置に介助者の片足を載置するステップ台を付設し、背凭部5を後傾動させる際に前記ステップ台に片足を載置して、手と足の両部位を併用しながら背凭部5を後傾動できるように構成してもよい。
本発明は、入浴者を着座状態で浴槽内へ挿入し入浴に供する入浴用の車椅子に適用できる。
本発明の背凭部を起立位置になした状態の入浴用車椅子を示す右側面図である。 本発明の下肢支持部を座席部の下方に退避させた状態の入浴用車椅子を示す右側面図である。 本発明の下肢支持部の退避機構の作用を示す図であり、(a)は下肢支持部を座席部に対して下限位置にまで下降させた状態を示す部分図であり、(b)は下肢支持部を下限位置から座席部の下方向に退避させた状態を示す部分図である。 本発明の背凭部を所定の傾斜位置に後傾動させた状態の入浴用車椅子を示す右側面図である。 本発明のピンと曲折片との関連を示す断面図である。 本発明の一方把手を座席部側方に水平旋回させた状態の入浴用車椅子を示す部分斜視図である。 図2におけるA部分(下筒部付近)の内部構造を透過して表す部分図である。 本発明の入浴用車椅子を右斜め後方から見た斜視図である。 本発明の傾動補助手段の構造を示す部分断面図である。 浴槽を開口部方向から見た斜視図である。 浴槽を開口部方向から見た正面図である。 本発明の連動昇降手段を取り除いた入浴用車椅子を示す右側面図である。 本発明の連動昇降手段を取り除いた入浴用車椅子の下肢支持部の退避機構に係る作用を示す図であり、(a)は下肢支持部を座席部の前方に伸展状態になした部分図であり、(b)は下肢支持部を座席部の下方に退避させた状態を示す部分図である。 本発明の実施例2の入浴用車椅子の平面図である。 図14におけるC−C矢視断面図である。 本発明の実施例2の規制手段を説明する図であり、(a)は規制手段を示す部分断面図であり、(b)は取付部材に形成される孔とロック軸と平行キーとの関係を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例2の入浴用車椅子を右斜め後方から見た斜視図である。
符号の説明
1 入浴用車椅子
3 台車部
4 支軸
5 背凭部
6 座席部
45 傾動手段
46 傾動補助手段
47 背凭ロック解除レバー
52 アッパーブラケット
53 ボトムブラケット
60 圧縮バネ
61 ロック機構
106 捻りバネ
125 ロック機構

Claims (4)

  1. 走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部とを有し、前記台車部に対して前記背凭部を所定の起立位置と傾斜位置との間で傾動作動させる傾動手段と、介助者による背凭部の傾動操作を補助する傾動補助手段を、前記台車部と前記背凭部とに亘って介装したことを特徴とする入浴用車椅子。
  2. 傾動補助手段の作動を規制し、背凭部を所定位置に固定維持するロック機構が付設されることを特徴とする請求項1記載の入浴用車椅子。
  3. 傾動補助手段は、背凭部に上端部が軸着されるアッパーブラケットと、該アッパーブラケットの下端部に固着される圧縮バネと、前記アッパーブラケット及び前記圧縮バネに内嵌され下端部が台車部に軸着されたボトムブラケットを備えることを特徴とする請求項1記載の入浴用車椅子。
  4. 背凭部は台車部に支軸にて傾動可能に軸着されており、傾動補助手段を前記支軸に介装され一端が前記台車部に他端が前記背凭部に止着される捻りバネとしたことを特徴とする請求項1記載の入浴用車椅子。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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