JP2006239025A - 入浴用車椅子 - Google Patents

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俊之 高垣
Yasuhiro Fukushima
靖博 福島
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Abstract


【課題】 腕力の非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動操作を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化が図れる入浴用車椅子を提供する。
【解決手段】 走行可能な台車部3と、該台車部3に軸着された背凭部5と、該背凭部5に設けられた座席部6と、前記台車部3に対して前記背凭部5を所定起立位置と所定傾斜位置との間で傾動可能にする傾動手段16とを有する入浴用車椅子1であって、前記背凭部5が所定起立位置或いは所定起立位置付近にある過程では前記背凭部5に前記背凭部5が傾斜する方向への付勢力を作用させ且つ前記背凭部5が所定傾斜位置或いは所定傾斜位置付近にある過程では前記背凭部5に前記背凭部5が起立する方向への付勢力を作用させることにより、介助者によってなされる前記背凭部5の前後傾動操作を支援する傾動支援手段42を具備したことを特徴とする入浴用車椅子である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、入浴者を着座状態で浴槽内へ挿入し入浴に供する入浴用の車椅子に関するものである。
下記特許文献1には、背板部及びシート部を直立側位置から傾斜位置に傾動できるチルト装置を備える入浴用の車椅子が開示されている。
しかしながら、上記車椅子には、介助者がチルト装置を作動させ背板部及びシート部の直立側位置から傾斜位置への後傾動操作及び傾斜位置から直立側位置への前傾動操作を開始する際に、前記前後傾動操作を支援する手段が全く具備されないものであった。
従って、直立位置から傾斜位置へ入浴者の着座した背板部の後傾動を開始するにはそれ相応の引き寄せ力が必要であり、又、背板部が傾斜状態にある時には、入浴者の荷重が背板部を傾斜する方向に作用しており、傾斜位置から直立位置への背板部の前傾動を開始するには前記荷重に抗する相当の押し上げ力を必要とするものであり、女性等の腕力の非力な介助者にとっては前記前後傾動操作に非常に労力を要するという問題点を有していた。
特開平9−108290号
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、腕力の非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動操作を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化が図れる入浴用車椅子を提供することを目的とするものである。
上記の目的を実現する為、本発明は、走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部と、該背凭部に設けられた座席部と、前記台車部に対して前記背凭部を所定起立位置と所定傾斜位置との間で傾動可能になす傾動手段とを有する入浴用車椅子において、前記背凭部が所定起立位置或いは所定起立位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が傾斜する方向への付勢力を作用させ且つ前記背凭部が所定傾斜位置或いは所定傾斜位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が起立する方向への付勢力を作用させることにより、介助者によってなされる前記背凭部の前後傾動操作を支援する傾動支援手段を具備した。
具体的には、傾動支援手段は、背凭枠に沿って所定区間を上下に摺動する摺動板と、一端及び他端がそれぞれ台車枠及び前記摺動板に枢着され背凭部の前後傾動に従動し前記摺動板を上下に移動操作する操作棒と、前記摺動板に対して略上下対称状に配設され一端及び他端がそれぞれ前記摺動板及び前記背凭枠に係止された第一と第二の付勢部材とからなり、前記背凭部が所定起立位置及び所定起立位置付近にある過程では、前記摺動板及び前記操作棒を介して引張られ伸長状態になされた第一の付勢部材の収縮方向への弾性力によって背凭部が傾斜する方向へ付勢され、前記背凭部が所定傾斜位置及び所定傾斜位置付近にある過程では、前記摺動板及び前記操作棒に引張られ伸長状態になされた第二の付勢部材の収縮方向への弾性力によって背凭部が起立する方向へ付勢される。
請求項1記載の発明によれば、所定起立位置から所定傾斜位置への背凭部の傾動操作(以下、後傾動操作)を開始する際に背凭部を傾斜方向に付勢することで介助者は背凭部の後傾動操作が僅かな力で楽に開始できる。又、背凭部が後傾動し所定傾斜位置付近に到達する過程において、背凭部に背凭部を起立方向へ押し戻す付勢力(限勢力)を作用させることで、入浴者の荷重等によって加速増勢される背凭部の急激な後傾動を緩和でき、介助者が急激に後傾動した背凭部に激突し負傷を負うといった危険な事態を防止でき、介助者は安全に背凭部の後傾動操作が行える。更に、前述したように背凭部の急激な後傾動による衝撃を緩和することができるので入浴者に不必要な恐怖感を抱かせるといった不都合も生じない。
更に、請求項1に記載の発明は、所定傾斜位置から所定起立位置への背凭部の傾動操作(以下、前傾動操作)を開始する際に背凭部を起立方向へ付勢するように構成しているので、介助者は所定傾斜位置にある背凭部に作用する入浴者の荷重に抗して背凭部の前傾動操作を少量の力で楽に開始でき、又、背凭部が所定起立位置付近に到達する過程で背凭部に背凭部を傾斜方向へ押し戻す付勢力(限勢力)を作用させることで背凭部の急激な前傾動による衝撃を緩和することができるので入浴者に不必要な恐怖感を抱かせるといった不都合も生じない。
上述したように、請求項1記載の発明によれば、介助者による背凭部の傾動(前傾動・後傾動)操作に係る労力を大幅に軽減でき且つ安全に傾動操作が行えることになり、特に、本発明は女性等の腕力の非力な介助者にとって顕著な優れた効果を発揮するものである。
請求項2記載の発明は、傾動支援手段を、背凭枠に沿って所定区間を上下に摺動する摺動板と、一端及び他端がそれぞれ台車枠及び前記摺動板に枢着され背凭部の前後傾動に従動して前記摺動板を上下に摺動操作する操作棒と、前記摺動板に対して略上下対称状に配設され一端及び他端がそれぞれ前記摺動板及び前記背凭枠に係止された第一と第二の付勢部材という比較的簡素な構成で実現できるから、傾動支援手段を具備しない従来技術と比しても大幅なコストアップとなることはなく経済性に優れる。
非力な介助者であっても少量の力で容易に背凭部の傾動操作を行うことができ、介助作業に係る労力の省力化を図るという目的を、入浴用車椅子に、背凭部が所定起立位置或いは所定起立位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が傾斜する方向への付勢力を作用させ且つ前記背凭部が所定傾斜位置或いは所定傾斜位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が起立する方向への付勢力を作用させることにより、介助者によってなされる前記背凭部の前後傾動操作を支援する傾動支援手段を具備することにより実現した。
以下、本発明の実施例1を図1乃至7を参照して説明する。図1は背凭部5を所定起立位置になした状態の入浴用車椅子1を示す平面図、図2は図1におけるA−A矢視断面図、図3は背凭部5を所定傾斜位置になした状態の入浴用車椅子1をA−A矢視と同位置で切断した断面図、図4は背凭部5を所定起立位置になした状態の入浴用車椅子1を左斜め方向から見た斜視図、図5は背凭部5を所定傾斜位置になした状態の入浴用車椅子1を左斜め方向から見た斜視図である。
入浴用車椅子1は、前後左右に計4個のキャスターを有し床面を走行可能な平面視略H字形状の台車枠2からなる台車部3と、下端部が台車枠2に支軸4にて傾動可能に軸着される背凭部5と、背凭部5下部に固着される座席部6と、座席部6の先部に回動固定可能に軸着される下肢支持部7を主たる構成要素としている。
台車枠2は左右に平行配置され前後端にキャスターが取着されたパイプ2a・2bと、パイプ2a・2bの中間位置より後方の位置にて両パイプ2a・2bを横架状に連結するパイプ2cとから構成され、台車枠2全体は平面視略H字形状をなしている(例えば、図4参照)。
図4に示すように背凭部5は左右に平行配設された円柱状の背凭パイプ8・8と、該左右背凭パイプ8・8の両下端部を連結する細板状の連結板22等よりなる背凭枠9にFRP素材の表側被覆部材10と不図示の裏側部材とが接合されて構成される。本発明に係る構成の説明上、裏側部材は図示を省略している。表側被覆部材10表面中央部には、入浴者の背中部分及び頭部分が載置される載置部60が隆起状に一体成形されている(図1参照)。
背凭パイプ8の上方位置と上下中間位置と下方位置の三箇所位置それぞれにおいて左右の背凭パイプ8間に略コ字形状の板状部材11(上側・中間・下側板状部材11a・11b・11c)が架設されている(図2参照)。
図2に示すように下側板状部材11cの左右には側面視略L字形状の背凭支持パイプ15・15が該部材11cから下方に向かって延出するように配設され、背凭支持パイプ15・15の各先端は台車枠2を構成する左・右パイプ2a・2b内側位置に支軸4にて軸着されている。背凭部5は支軸4を支点として所定起立位置(図2に示される背凭部5位置)と所定傾斜位置(図3に示される背凭部5位置)との間を傾動可能になされている(傾動手段16)。
中間板状部材11bと下側板状部材11cとに亘って直交状に後述する摺動板12を移動案内する角柱状のガイドレール13・13が左右に平行して固着されている。摺動板12は背凭部5の左右幅方向に伸長して形成された細長板状の部材であり、摺動板12は該板12面の左右に固着される摺動部材41・41を介してガイドレール13・13に沿って滑動する。
連結パイプ2cの左右位置には背凭部5の傾動に伴い摺動板12を両ガイドレール13に沿って上下方向に移動操作する操作棒14・14の各一端がブラケット64・64と枢軸17・17を介して回動可能に連結され、操作棒14の各他端は摺動板12の取付部12a・12aに枢軸18・18を介して回動可能に連結されている。各取付部12a上面には該部12aを被覆するように平板61・61が当着されている。
更に、中間板状部材11b及び下側板状部材11cにはそれぞれ摺動板12の上方向移動を規制する上側規制具62・62及び下方向移動を規制する下側規制具63・63が設けられている。具体的には、上側規制具62は中間板状部材11b上面に固着された直方体状部材の底面に延出量を調整可能に螺着されたボルトであり、同じく下側規制具63は下側板状部材11c上面に固着された直方体状部材の上面に延出量を調整可能に螺着されたボルトである。前記上側・下側規制具62・63の延出量を適宜増減微調整することにより後述する背凭部5を固定維持するロック位置(所定起立位置或いは所定傾斜位置)の微調整を可能としている。
図4或いは図5に示すように摺動板12面上部及び上側板状部材11aの下方面近傍位置にはそれぞれ該板12及び該部材11aの長手方向に向かって複数本(本実施例では6本)の係止ピン21・21が連設されている。上下の係止ピン21・21は互いに前後対向する方向で且つ左右位置が互いに対応するように突設されている。又、摺動板12面下部及び連結板22にもそれぞれ長手方向に向かって係止ピン21と同数本の係止ピン23・23が連設されている。
そして、上下一組の係止ピン21・21に第一の付勢部材19としての上側引張バネ20の各端部が係止され、上下一組の係止ピン23・23に第二の付勢部材24としての下側引張バネ25の各端部が係止されている(傾動支援手段42)。尚、本実施例においては第一の付勢部材19及び第二の付勢部材24の本数をそれぞれ計6本になした構成としているが、本発明は当該構成に限定されるものではなく、第一の付勢部材19及び第二の付勢部材24の本数は必要に応じて適宜増数或いは減数が可能なものである。
背凭部5には摺動板12の上下移動を不自在とすることで背凭部5を所定起立位置或いは所定傾斜位置に固定維持するロック機構26が設けられている。以下、ロック機構26の構成について説明する。中間板状部材11bの左右中央位置に固着されたコ字形状の取付部材27上面の下部に回動板軸28にて背凭枠9面方向に回動可能に略長方形状の回動板29が軸着されている。回動板29は摺動板12の前側(図2参照)に配設され、回動板29にはコ字形状の切欠溝30が形成されている。
切欠溝30には摺動板12上面の上部で左右中央位置近傍に回動板29方向に一体的に突出形成されたロックピン31が挿通されている。回動板29は、回動板29の一頂角位置(図4中、左下の頂角位置)に前方向(表側被覆部材10方向)に突出して設けられた係止ピン32と一方ガイドレール13(図4中、左側のガイドレール13)とに亘って架渡された引張バネ33によって常時ガイドレール13側へ引張られている。
次に、前記ロック機構26による背凭部5の所定起立位置或いは所定傾斜位置での固定維持状態を解除するロック解除手段35の構成について説明する。ロック解除手段35は、回動板軸28位置に対して引張バネ33と反対側方向の回動板29の上端位置に一端が取着され背凭部5の上方向へ延伸されたワイヤー34と、ワイヤー34の他端に連結された解除レバー36とを構成要素としている。尚、図示は省略するがワイヤー34の替わりに棒状のリンク部材等を用いても良く、要は回動板29上端と解除レバー36一端とが連結でき後述するように回動板29と解除レバー36とが連動可能であればどのような部材を用いても良い。
解除レバー36は上側板状部材11a左右の各上部と左右の各背凭パイプ8とに亘って固着されたレバー取付部材37の一方(図4中、右側)に解除レバー軸65を介して回動可能に設けられた作動片38と、作動片38の一端に背凭部5中央方向に向かって取着された棒状の把持部材39とから構成され、把持部材39と平行状に配置された作動片38の棒状部38aの先端に前記ワイヤー34の他端が連結されている。
左右に配設されるレバー取付部材37の一側面は略直角三角形の形状をなし後方向へ突出しており、該両側面部に亘って操作ハンドル40が架設されている。操作ハンドル40は把持部材39の後側上方に架設されており、把持部材39と操作ハンドル40とは介助者が両構成部材を同時に把持できる程度の離間距離をあけて配置されている。
尚、本発明の本筋とは直接関係ないので詳細な説明は省略するが、解除レバー36が設けられない他方レバー取付部材37(図4中、左側)には、背凭部5の左右に側方突出して配設される後述のロックピン49・49を同期して進退操作するロックピン操作レバー66が回動可能に軸着されている。上述した解除レバー36と同様にロックピン操作レバー66と操作ハンドル40とは介助者が両構成部材を同時できる程度の離間距離をあけて平行に配置されており、ロックピン操作レバー66はワイヤー等のリンク部材を介して左右ロックピン49・49に連結されており、操作ハンドル40とロックピン操作レバー66を同時に把持すると、該操作レバー66の回転作動によって左右ロックピン49・49が同期して退入作動するように構成されている。
次に、実施例1の入浴用車椅子1の作用について説明する。最初に背凭部5を所定起立位置(図2の位置)から所定傾斜位置(図3の位置)に後傾動させる場合について説明する。背凭部5が所定起立位置にて固定維持されている時には、図4に示すように回動板29が引張バネ33によって引張られロックピン31が回動板29の下側横溝30c(図5参照)の終端内壁に当接しロック状態となっている。この時、上側引張バネ20はガイドレール13下方へ移動した摺動板12によって引張られ自然長より多量伸長した伸長状態になっている。尚、下側引張バネ25も自然長より若干伸長してはいるが、その伸長度合いは上側引張バネ20と比すると極めて少量である。
後傾動に際して、解除レバー36の把持部材39と操作ハンドル40を介助者が同時に把持すると把持部材39が操作ハンドル40に接近する方向、即ち、作動片38が左廻り方向へ回転し(図2中、一点鎖線で示す作動片38)、作動片38に連結されたワイヤー34によって回動板29が引張バネ33の引張力に抗して左廻り方向(図4中)へ回転する。当該回転によって下側横溝30cの終端内壁に当接状態にあったロックピン31が縦溝30b下端に位置し背凭部5の所定起立位置でのロックが解除される。
把持部材39と操作ハンドル40の両構成部材を把持した状態で背凭部5の後傾動を開始すると、上側引張バネ20の収縮方向への弾性力によって摺動板12の上方向への移動が促進される結果、背凭部5が後傾動する方向へ付勢される。従って、介助者は背凭部5に付与される当該付勢作用を利用して背凭部5の後傾動を楽に開始できる。
更に続けて背凭部5を後傾動させていくと、背凭部5の後傾動に従動して回転した操作棒14によって摺動板12が上方向へ移動操作され、当該移動操作によって下側引張バネ25が伸長され、ある時点で次第に下側引張バネ25の伸長度合いが上側引張バネ20の伸長度合いを上回るようになる。下側引張バネ25の伸長度合いが上側引張バネ20の伸長度合いを上回ると、背凭部5は下側引張バネ25の収縮方向への弾性力によって、起立方向へ戻し付勢されるようになる。当該付勢作用により入浴者の荷重等に起因して加速増勢される背凭部5の急激な後傾動を緩和できる。
背凭部5の後傾動に伴いロックピン31は縦溝30bに沿って相対的に上方移動することになり、摺動板12に当着される平板61が上側規制具62に当接した時点、即ち背凭部5の更なる後傾動が規制された時点で把持部材39の把持を解放すると、回動板29が引張バネ33によって該バネ33方向、即ち右廻り方向(図4中)へ引き戻され、ロックピン31が上側横溝30aの終端内壁に当接され、背凭部5はロック状態となり図3に示す所定傾斜位置にて固定維持される。
尚、図示は省略するが、回動板29に形成される上・下側横溝30a・30c以外に、例えば、上・下側横溝30a・30cの間であって縦溝30bの適宜位置に中側横溝を形成し、該中側横溝の終端内壁にロックピン31を当接させ、背凭部5を上述した所定起立位置と所定傾斜位置との間の適宜な中間傾斜位置に固定維持するようにしてもよく、背凭部5を固定維持する位置は所定起立位置と所定傾斜位置の二箇所に限定されるものではない。
続いて、背凭部5を所定傾斜位置から所定起立位置に前傾動させる場合について説明する。上述したように、背凭部5が所定傾斜位置にて固定維持されている時には、ガイドレール13上方へ移動した摺動板12によって下側引張バネ25が自然長より多量伸長した伸長状態になっている。上側引張バネ20も自然長より若干伸長してはいるが、伸長度合いは下側引張バネ25と比すると極めて少量である。
把持部材39と操作ハンドル40の両構成部材を把持し所定傾斜位置における背凭部5のロック状態を解除した後、背凭部5の前傾動を開始すると、下側引張バネ25の収縮方向への弾性力によって摺動板12の下方向への移動が促進される結果、背凭部5が起立する方向へ付勢される。従って、介助者は背凭部5に付与される当該付勢作用を利用して背凭部5の前傾動を少量の力で楽に開始できる。
更に続けて背凭部5を前傾動させていくと、背凭部5の前傾動に従動して回転した操作棒14によって摺動板12が下方向へ移動操作され、当該移動操作によって上側引張バネ20が伸長され、ある時点で上側引張バネ20の伸長度合いが下側引張バネ25の伸長度合いを上回るようになる。上側引張バネ20の伸長度合いが下側引張バネ25の伸長度合いを上回ると、上側引張バネ20の収縮方向への弾性力によって、背凭部5は傾斜方向へ戻し付勢されるようになる。当該付勢作用により背凭部5の急激な前傾動が緩和できる。
背凭部5の前傾動に伴いロックピン31は縦溝30bに沿って相対的に下方移動することになり、平板61が下側規制具63に当接した時点、即ち背凭部5の更なる前傾動が規制された時点で把持部材39の把持を解放すると、回動板29が引張バネ33によって該バネ33方向、即ち右廻り方向(図4中)へ引き戻され、ロックピン31が下側横溝30cの終端内壁に当接され、背凭部5はロック状態となり所定起立位置にて固定維持される。
続いて、実施例1の入浴用車椅子1を用いて入浴者を入浴させる浴槽43について説明する。浴槽43には貯湯槽44が一体的に形成され、浴槽43の一側方に開口部45が形成される。実施例1は、浴槽43の開口部45を入浴者が着座した入浴用車椅子1の背凭部5で閉塞することにより入浴者を入浴状態にさせるものである。図6に浴槽43を開口部45方向から見た斜視図、図7に浴槽43を開口部45方向から見た正面図を示す。
前記開口部45は、浴槽43の側壁43a・43bの内側面に開口部45側から浴槽43の奥側方向に向かって傾斜状に形成された内側壁43aa・43bbと底壁43cとで構成される接合面46を有し、該接合面46には入浴用車椅子1の背凭部5に形成される左・右・下平坦面47a・47b・47cが当接可能となっている。
浴槽43の接合面46より前方向に突出して形成された側壁43a・43bの内側上方位置にそれぞれ略L字形状の補強部材48が取着され、該左右の補強部材48にはそれぞれ入浴用車椅子1の背凭部5上部の左右位置から突出されたロックピン49が挿脱可能な透孔50が穿設される。
前記接合面46の周縁には、接合面46に沿って接合面46と入浴用車椅子1の背凭部5の平坦面47との水密状態を維持する為のシール材51が貼着される。又、浴槽43の底壁43cの内側には、浴槽43の開口部45と反対側位置に段部52が形成される。段部52を形成することにより浴槽43の容積を減少させることができ、貯湯槽44から浴槽43へ移送する湯水の省湯量化が図れる。
浴槽43と、入浴用車椅子1の背凭部5との固定は、以下の二つの手段により行う。一つは、浴槽43の側壁43a・43b上部と入浴用車椅子1の背凭部5の左右側上部を固定する第一の固定手段53であり、もう一つは浴槽43の底壁43cと入浴用車椅子1の背凭部5の下部を固定する第二の固定手段54である。
第一の固定手段53は、入浴用車椅子1側に設けられる前記ロックピン49と、浴槽43側に設けられる前記透孔50とから構成される。第二の固定手段54は、底壁43cの下方外面に固着された伸縮自在なロッドを有する電動アクチュエーター55と、該ロッドの先端部と底壁43cの端面とに回動可能に軸着される押圧片56と、入浴用車椅子1の背凭枠9下端の中央部に螺着され前記押圧片56の押圧を受け止める受止部材57とから構成される。
従って、入浴用車椅子1を浴槽43の内方所定位置にまで進入させると、ロックピン49が透孔50に自動的に嵌入し、入浴用車椅子1の背凭部5の上部と浴槽43上部とが固定される。続いて、電動アクチュエーター55のロッドの伸長作動を開始すると、押圧片56の先端部が左回転(背凭部5側に回転)し受止部材57に当接する。更に、ロッドの伸長作動を行うと、押圧片56により受止部材57が押圧され、浴槽43の底壁43cに入浴用車椅子1の背凭部5の下部が押圧固定される。上述した第一の固定手段53と第二の固定手段54とにより浴槽43の開口部45が入浴車椅子1の背凭部5で閉塞されることになる。
上述した入浴用車椅子1を用いて、入浴者を浴槽43に入浴させる場合、介助者は、先ず貯湯槽44へ湯水を所定量貯湯する。介助者は、入浴者が搬送される他の福祉機器を本発明の入浴用車椅子1の近傍へ停車させ、入浴者を入浴用車椅子1へ移乗させる。尚、移乗時には、背凭部5は所定起立位置に設定されている。
解除レバー36の把持部材39と操作ハンドル40を同時に把持し、ロック機構26のロック機能を解除し、支軸4を支点にして所定起立位置にある背凭部5を所定傾斜位置にまで後傾動させる。
介助者は操作ハンドル40を掴んで、入浴用車椅子1を床面58上を走行させる。入浴用車椅子1を浴槽43の開口部45付近に配置した後、開口部45方向に延出し側壁43a・43bの内側に沿って平行状に取着されたガイドレール59・59に台車枠2を当接させながら、入浴用車椅子1を開口部45側から浴槽43内へ進入させる。
この時、台車部3は、底壁43cの外部下方に位置し、入浴者の載置される座席部6及び下肢支持部7が浴槽43内に位置する。下肢支持部7は背凭部5の後傾動に伴って持上げされた状態であるので、浴槽43の内方に挿入された場合にも底壁43cに形成された段部52に衝突することはない。
入浴用車椅子1を浴槽43の内方所定位置にまで進入させると、ロックピン49が透孔50に嵌入し、入浴用車椅子1の背凭部5上部と浴槽43上部とが固定される。次に、電動アクチュエーター55のロッドを伸長作動させ、押圧片56にて受止部材57を押圧すると、背凭部5の左平坦面47a・右平坦面47b・下平坦面47cが接合面46に当接し、浴槽43の開口部45が入浴用車椅子1の背凭部5で閉塞される。貯湯槽44から浴槽43へ湯水を移送し、入浴者を入浴させる。
入浴が完了し入浴者を退浴させる場合、まず浴槽43内の湯水を浴槽43外へ排出する。浴槽43内の水位が減少し所定の高さ位置未満になると、電動アクチュエーター55のロッドの収縮動が許容可能となるので、介助者は、ロッドを収縮動させ、押圧片56による受止部材57の押圧固定を解除し、浴槽43の底壁43cと入浴用車椅子1の背凭部5下部との固定を解除する。
次に、入浴用車椅子1に具備されるロックピン操作レバー66と操作ハンドル40とを同時に把持し、左右のロックピン49を透孔50から同時に抜脱し、浴槽43の側壁43a・43b上部と入浴用車椅子1の背凭部5の左右側上部との固定を解除し、入浴用車椅子1を浴槽43内から退出させる。
介助者は、解除レバー36を操作し所定傾斜位置にある背凭部5を所定起立位置にまで復帰作動させた後、入浴用車椅子1から他の福祉機器へ入浴者を移乗させ、入浴を完了する。
本発明は上記の実施例1で述べた実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更できることは言うまでもない。
本発明は、入浴者を着座状態で浴槽内へ挿入し入浴に供する入浴用の車椅子に適用できる。
本発明の背凭部を所定起立位置になした状態の入浴用車椅子を示す平面図である。 図1におけるA−A矢視断面図である。 本発明の背凭部を所定傾斜位置になした状態の入浴用車椅子をA−A矢視と同位置で切断した断面図である。 本発明の背凭部を所定起立位置になした状態の入浴用車椅子を左斜め方向から見た斜視図である。 本発明の背凭部を所定傾斜位置になした状態の入浴用車椅子を左斜め方向から見た斜視図である。 浴槽を開口部方向から見た斜視図である。 浴槽を開口部方向から見た正面図である。
符号の説明
1 入浴用車椅子
2 台車枠
3 台車部
4 支軸
5 背凭部
6 座席部
9 背凭枠
12 摺動板
14 操作棒
16 傾動手段
19 第一の付勢部材
24 第二の付勢部材
42 傾動支援手段

Claims (2)

  1. 走行可能な台車部と、該台車部に軸着された背凭部と、該背凭部に設けられた座席部と、前記台車部に対して前記背凭部を所定起立位置と所定傾斜位置との間で傾動可能になす傾動手段とを有する入浴用車椅子であって、前記背凭部が所定起立位置或いは所定起立位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が傾斜する方向への付勢力を作用させ且つ前記背凭部が所定傾斜位置或いは所定傾斜位置付近にある過程では前記背凭部に前記背凭部が起立する方向への付勢力を作用させることにより、介助者によってなされる前記背凭部の前後傾動操作を支援する傾動支援手段を具備したことを特徴とする入浴用車椅子。
  2. 傾動支援手段は、背凭枠に沿って所定区間を上下に摺動する摺動板と、一端及び他端がそれぞれ台車枠及び前記摺動板に枢着され背凭部の前後傾動に従動して前記摺動板を上下に移動操作する操作棒と、前記摺動板に対して略上下対称状に配設され一端及び他端がそれぞれ前記摺動板及び前記背凭枠に係止された第一と第二の付勢部材とからなり、前記背凭部が所定起立位置及び所定起立位置付近にある過程では、前記摺動板及び前記操作棒を介して引張られ伸長状態になされた第一の付勢部材の収縮方向への弾性力によって背凭部が傾斜する方向へ付勢され、前記背凭部が所定傾斜位置及び所定傾斜位置付近にある過程では、前記摺動板及び前記操作棒に引張られ伸長状態になされた第二の付勢部材の収縮方向への弾性力によって背凭部が起立する方向へ付勢されることを特徴とする請求項1記載の入浴用車椅子。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009082283A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Og Giken Co Ltd 入浴装置
JP2015204947A (ja) * 2014-04-18 2015-11-19 株式会社いうら 入浴介助用車椅子

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