JP2006109711A - 細胞の遺伝子変異機能の制御による変異タンパク質の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有用な変異タンパク質を産生するクローンを単離して、その有用な変異タンパク質を永続的に産生させるために、変異機能を司るAIDの発現を一時停止させた後、目的クローンの単離を可能とする細胞株を樹立することが、本発明の課題である。
【解決手段】 本発明の細胞は、AID遺伝子は互いに逆方向の2つのloxP配列で挟まれており、細胞外からの刺激によりCreリコンビナーゼ(Cre)の発現が誘導されると、AID遺伝子の方向が反転することにより、2つのloxP配列に挟まれた領域の上流に存在するプロモーターに制御されているAID遺伝子の発現が促進(0N)から停止(0FF)またはOFFからONへの変換が可能となる。すなわち、AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に向いている場合はその発現がONの状態が維持されるが、AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に向いている場合はその発現がOFFの状態が維持される。
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は以下の態様:
1. 細胞外刺激により外因性Creリコンビナーゼ遺伝子が活性化され、活性化されたCreリコンビナーゼにより外因性AID(activation induced cytidine deaminase)遺伝子の向きを反転させることにより、AID発現を誘導することおよび停止させることが可能な脊椎動物細胞であって、以下の特徴:
1)内因性のAID遺伝子が機能的に破壊されており、内因性AID遺伝子発現によるAIDタンパク質は産生されないこと、
2)互いに逆方向の2つのloxP配列で挟まれた外因性のAID遺伝子、および該2つのloxP配列で挟まれた領域の上流側に存在する該動物細胞で機能し得るプロモーターを有し、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されている場合には、該プロモーターによるAID遺伝子の発現が可能であり、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されている場合には、AID遺伝子の発現は停止すること、および
3)Creリコンビナーゼ遺伝子が、細胞外刺激によりCreリコンビナーゼ活性化が可能な形で導入されており、Creリコンビナーゼ活性化により、上記外因性AID遺伝子を含む2つのloxP配列に挟まれた領域の方向が反転すること、
を有する上記細胞;
2. 上記Creリコンビナーゼ遺伝子が、Creリコンビナーゼがエストロゲンレセプターとの融合タンパク質として発現するような形で存在し、上記細胞外刺激がエストロゲンまたはその誘導体による刺激であり、細胞を細胞外からエストロゲンまたはその誘導体で刺激することにより、細胞内でCreリコンビナーゼの活性化が誘導されることをさらなる特徴とする、上記1記載の細胞;
3. 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子と同じ向きのマーカー遺伝子をさらに含む、上記1または2に記載の細胞であって、ここで、AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されている場合には該マーカー遺伝子も順方向に配置されているため該マーカー遺伝子が発現して、AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されてAID遺伝子が発現可能である細胞を該マーカーにより選択可能であること特徴とする、上記細胞;
4. 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子とは逆向きのマーカー遺伝子をさらに含む、上記1〜3のいずれかに記載の細胞であって、ここで、AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されている場合には該マーカー遺伝子は順方向に配置されているため該マーカー遺伝子が発現して、AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されてAID遺伝子を発現できない細胞を該マーカーにより選択可能であることを特徴とする、上記細胞;
5. 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子とは逆向きのマーカー遺伝子がピューロマイシン耐性遺伝子であり、AID遺伝子と同じ向きのマーカー遺伝子がGFP遺伝子である、上記4記載の細胞;
6. GFP遺伝子の発現を向上させるためにGFP遺伝子の直ぐ上流にIRES配列をさらに含む、上記5記載の細胞;
7. 抗体産生細胞である、上記1〜6のいずれかに記載の細胞;
8. B細胞由来の細胞である、上記7記載の細胞;
9. ニワトリB細胞株DT40細胞に由来する細胞である、上記8記載の細胞;
10. 対象とする1つ以上のタンパク質をコードする遺伝子を該遺伝子が発現可能な形態で導入され、細胞内のゲノムに組み込まれていることを特徴とする、上記1〜9のいずれかに記載の細胞;
11. 細胞内の遺伝子変異を促進または停止させる方法であって、
1)上記1〜8のいずれかに記載の細胞を用意し、
2)該細胞にCreリコンビナーゼ遺伝子の発現を誘導し得る細胞外刺激を与え、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を促進または停止させること、
を含む、上記方法;
12. 変異を有するタンパク質を得る方法であって、
1)上記1〜10のいずれかに記載の細胞を用意し、
2)該細胞のAIDの発現が可能な状態とし、
3)該細胞を一定期間培養し、
4)該細胞が産生する対象とするタンパク質または該タンパク質をコードする遺伝子を単離して、その変異を検出し、
5)所望の変異を有しているタンパク質が産生されている場合には、該細胞にCreリコンビナーゼを活性化し得る細胞外刺激を与えて、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を停止させ、
6)該細胞が産生する所望の変異を有している対象とするタンパク質を単離すること、
を含む、上記方法;
13. 変異を有するタンパク質を得る方法であって、
1)上記1〜10のいずれかに記載の細胞を用意し、
2)該細胞のAIDの発現が可能な状態とし、
3)該細胞を一定期間培養し、
4)該細胞にCreリコンビナーゼを活性化し得る細胞外刺激を与えて、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を停止させ、
5)該細胞が個々に産生する対象とするタンパク質または該タンパク質をコードする遺伝子を単離して、その変異を検出し、
6)所望の変異を有しているタンパク質を産生する細胞株を上記培養された細胞から選別し、
7)該細胞が産生する所望の変異を有している対象とするタンパク質を単離すること、
を含む、上記方法;
14. 上記対象とするタンパク質が、外因性の遺伝子の発現により産生されるタンパク質であって、上記(1)または(2)のステップにおいて、該細胞に対象とするタンパク質をコードする遺伝子を発現可能な形態で上記細胞に導入して、該細胞内のゲノムに組み込むことをさらに含む、上記12または13記載の方法;ならびに、
15. 上記対象とするタンパク質が、抗体である、上記12または13記載の方法;
に関する。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:発現をON/OFF制御できる形にAID遺伝子を組み込んだ遺伝子ターゲッティング構築物(pAID-ctrl)の構築
体細胞突然変異および体細胞遺伝子置換誘発を制御するために、挿入方向の反転によって、AID遺伝子の発現制御を行えるAID遺伝子ターゲッティング構築物を構築した(図2)。
正方向プライマー
5'-cgacagatctaagcttgtaatacgactcactatagg-3'(配列番号1)
逆方向プライマー
5'-cataggatccgtcgacatggtattatcatcgtgtt-3'(配列番号2)
PCR産物をBglII-BamHIで消化した後、pEGFP-N1ベクターのBamHIサイトにクローニングした(pIGFP)。pIGFPのIRES領域、EGFP遺伝子を含むNheI-HpaI断片をpLoxPuroベクターのNheI-Eco47III切断断片に組み込んだ(pLIGFP)。ウサギβグロビンポリA付加配列を含むpCAGGS(Niwa,Hら、1991, Gene, 108:193−200)のBamHI-EcoRI断片を、ピューロマイシン耐性遺伝子(SV40初期ポリA付加配列を含む)を含むpPURベクター(Clontech)のBamHI-EcoRI間にピューロマイシン耐性遺伝子とは逆向きに挿入し、EcoRIにはNotIリンカーを導入した(pPA)。pPAのピューロマイシン耐性遺伝子および逆向きのウサギβグロビンポリA付加配列を含むHindIII-NotHI断片を利用し、pLIGFPのHindIII-NotI間に組込むことによってIRES領域およびEGFP遺伝子と、ピューロマイシン耐性遺伝子(SV40初期ポリA付加配列を含む)および逆向きウサギβグロビンポリA付加配列を含む断片を入れ替えた(pLPA)。pLIGFPのloxP配列、IRES領域、EGFP遺伝子を含むSpeI-NotHI断片と、pLPURのloxP配列、ピューロマイシン耐性遺伝子(SV40初期ポリA付加配列を含む)および逆向きウサギβグロビンポリA付加配列を含むSpeI-BamHI断片を、pExpressベクター(Arakawa等、2001. BMC Biotechnol. 1: 7.)のNheIサイトに、それぞれの遺伝子が上記の配列順になるように組込んだ(pALPGIL)。CAGプロモーターは、pCAGGSベクターのものを利用し、CAGプロモーターを含むSpeI-XbaI断片をpALPGILのSpeI-XbaI間に挿入した(pCLPGIL)。CAGプロモーターはpCAGCSベクターのものを利用し、CAGプロモーターを含むSpeI-XbaI断片をPALPGILのSPeI-XbaI間に挿入した(pCLPGIL)。AID cDNAのクローニング及び、AIDゲノムDNAのクローニングはPCR法を利用した。PCRはDT40 cDNAまたはDT40ゲノムDNAを鋳型とし、以下のように設計したプライマーにより行った。
正方向プライマー
5'-gtttctgtgcaccagagggctgaacagtca-3'(配列番号3)
逆方向プライマー
5'-ctcctttcttggctgggtgagaggtccata-3'(配列番号4)
PCR産物は、それぞれpB1uescriptIIベクターにクローニングし、AIDc DNAはPvuII-ScaIで消化したのち、pCLPGILの平滑末端化したEcoRIサイトに組み込んだ(pCLPGIAL)。クローニングされたAIDゲノムDNAのBstX1-BamHI間にCAGプロモーターからloxP配列(3'側)を含むpCLPGIALのSpeI-EcoRV断片を平滑末端で連結し、体細胞突然変異および体細胞遺伝子置換誘発の制御のためのAID遺伝子ターゲッティング構築物(pAID-ctrl)とした。
内因性のAID遺伝子を破壊するために、AID遺伝子の活性部分を欠失し、選択マーカーとしてブラストサイディンS耐性遺伝子を持ち、またCre/loxPシステムによる薬剤耐性遺伝子の欠落を誘導し、選択マーカーの再利用が可能な、AID遺伝子ターゲッティング構築物を構築した(図2)。
Cre組換え酵素/エストロゲン受容体融合タンパク質を細胞内に発現させるために、Cre組換え酵素/エストロゲン受容体融合タンパク質発現ベクターを構築した(図2)。
(1)細胞培養
DT40細胞およびその遺伝子導入株は、C02恒温槽内で37℃,5%C02存在化で、1O%FCS,1%ニワトリ血清、50μM 2-メルカプトエタノール、2mMグルタミン、1mMピルビン酸、100μg/m1ペニシリンG、50μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI1640培地(ICN Biomedicals社)で培養した。
各遺伝子導入は、5x1O6個の細胞に、直鎖状にしたプラスミドDNA15μgを加え、550V、2μFの条件下、Gene Pu1ser XceII(BI0-RAD社)を用い、エレクトロポレーション法でDT40へ遺伝子導入を行った。
ApaLIで直鎖状にしたpCI-CreERを上記の条件で野生型のDT40細胞に遺伝子導入した。その際、培地にG-418を2mg/mlの濃度になるように加え、選択を行った。G-418耐性のクローンのうち、4-ヒドロキシタモキシフェン存在化でCreの活性を有するクローンを得る事ができた(DT40-Cre株)。
KpnIで直鎖状にしたpAID-ko-Bsrを同様の条件で上記のDT40-Cre細胞に遺伝子導入した。その際、培地にブラストサイディンSを50μg/mlの濃度になるように加え、選択を行った。ブラストサイディンS耐性のクローンのうち、pAID-ko-Bsr構築物が一方のAID遺伝子座に標的相同組換えされているクローンを得る事ができた(DT40-AID+/-株)。さらに、KpnIで直鎖状にしたpAID-ctrlを同様の条件で上記のDT40-AID+/-細胞に遺伝子導入した。その際、培地にピューロマイシンを0.5μg/mlの濃度になるように加え、選択を行った。ピューロマイシン耐性のクローンのうち、pAID-ctrl構築物が残りのもう片方のAID遺伝子座に標的相同組み換えされ、内因性のAIDの発現を欠失したクローンを得る事ができた。この細胞を体細胞突然変異および体細胞遺伝子置換誘発が制御できる細胞(DT40-AID-ctrl株)とした。
(1)4-ヒドロキシタモキシフェン(4-0HT)によるDNA反転の誘導
ここで作製したDT40改変細胞におけるAID発現のON/OFF制御の該略図を図3に示す。
DT40-AID-ctrl細胞に終濃度50nMになるように4-OHTを添加した。48時間後、2回洗浄を行った後、通常の培地で更に48時間培養し、その後の解析を行った。
4-0HTを添加したDT40-AID-ctrl細胞の蛍光強度をFACS Calibur(Becton Dickinson社)を用いて測定した結果、DNAが反転する事によって発現しうるEGFPの蛍光を発する細胞集団が観察された(図4)。
4-0HTを添加したDT40-AID-ctrl細胞のゲノムDNAをDNA zol(GIBCO BRL社)を用いて、プロトコールにしたがって抽出した。KOD-Pu1us-用い、得られたゲノムDNAを鋳型とし、DNAの反転を検出できるように設計された以下のプライマーを用いてPCRを行った。その結果、DNAの反転を示すバンドが検出できた(図5)。また同じ細胞からmRNAをTRIzol(GIBCO BRL社)を用いて、プロトコールにしたがって抽出した。このmRNAから得られた。DNAを鋳型とし、AIDの発現を検出できるように設計した以下のプライマーを用いてPCRを行った。その結果、DNAの反転によりAID遺伝子が再発現していることがmRNAのレベルで確認する事ができた(図5)。
DNA:
正方向プライマー
5'-ctccttcttggctgggtgagaggtccta-3'(配列番号5)
逆方向プライマー
5'-gccctgagcaaagaccccaa-3'(配列番号6)
mRNA:
正方向プライマー
5'-cccgctagcgctgacatggacagcctcttgatga-3'(配列番号7)
逆方向プライマー
5'-ctccaggaggtgaaccatgtgatgcggtag-3'(配列番号8)
エストロゲン受容体リガンドである、4-ヒドロキシタモキシフェン(4-OHT)を添加したDT40-AID-ctrl細胞からEGFPの蛍光を発する細胞をFACSAria(Becton Dickinson社)でソートしクローニングを行った。このEGFP発現細胞に上記の条件で再び4-OHTを添加したところ、EGFP非発現細胞集団が出現した(図6)。また、この細胞集団の培養培地中にピューロマイシンを終濃度0.5μg/mlになるように加えたところ、EGFP発現細胞の集団は消滅した。すなわち、2度目の4-OHT刺激により、EGFP非発現、ピューロマイシン耐性の細胞集団が出現する事が確認できた(図6)。以上の結果より、DT40-AID-ctrl細胞は繰り返し、AIDの発現のON/OFF調節が可能なことが明らかとなった。
DT40-AID-ctrl細胞に4-0HTを添加して得られたEGFP発現クローンと4-0HTを添加していないDT40-AID-ctrl細胞をそれぞれ2ヶ月間培養した後、mRNAを抽出した。このmRNAから得られたcDNAを鋳型とし、KOD-Pu1us-、抗体可変部領域増幅のための以下のプライマーを用いて、PCRを行った。
正方向プライマー:
5'-cggcgtggggatccacagctgctgggattc-3'(配列番号9)
逆方向プライマー:
5'-actcggatcccttcagggtcttcgtgatag-3'(配列番号10)
Claims (15)
- 細胞外刺激により外因性Creリコンビナーゼ遺伝子の発現が誘導され、発現されたCreリコンビナーゼにより外因性AID(activation induced cytidine deaminase)遺伝子の向きを反転させることにより、AID発現を誘導することおよび停止させることが可能な脊椎動物細胞であって、以下の特徴:
1)内因性のAID遺伝子が機能的に破壊されており、内因性AID遺伝子発現によるAIDタンパク質は産生されないこと、
2)互いに逆方向の2つのloxP配列で挟まれた外因性のAID遺伝子、および該2つのloxP配列で挟まれた領域の上流側に存在する該動物細胞で機能し得るプロモーターを有し、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されている場合には、該プロモーターによるAID遺伝子の発現が可能であり、上記AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されている場合には、AID遺伝子の発現は停止すること、および
3)Creリコンビナーゼ遺伝子が、細胞外刺激によりCreリコンビナーゼ活性化が可能な形で導入されており、Creリコンビナーゼ活性化により、上記外因性AID遺伝子を含む2つのloxP配列に挟まれた領域の方向が反転すること、
を有する上記細胞。 - 上記Creリコンビナーゼ遺伝子が、Creリコンビナーゼがエストロゲンレセプターとの融合タンパク質を発現するような形で存在し、上記細胞外刺激がエストロゲンまたはその誘導体による刺激であり、細胞を細胞外からエストロゲンまたはその誘導体で刺激することにより、細胞内でCreリコンビナーゼの活性化が誘導されることをさらなる特徴とする、請求項1記載の細胞。
- 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子と同じ向きのマーカー遺伝子をさらに含む、請求項1または2に記載の細胞であって、ここで、AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されている場合には該マーカー遺伝子も順方向に配置されているため該マーカー遺伝子が発現して、AID遺伝子が該プロモーターに対して順方向に配置されてAID遺伝子が発現可能である細胞を該マーカーにより選択可能であること特徴とする、上記細胞。
- 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子とは逆向きのマーカー遺伝子をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞であって、ここで、AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されている場合には該マーカー遺伝子は順方向に配置されているため該マーカー遺伝子が発現して、AID遺伝子が該プロモーターに対して逆方向に配置されてAID遺伝子を発現できない細胞を該マーカーにより選択可能であることを特徴とする、上記細胞。
- 上記2つのloxP配列に挟まれた領域内に、AID遺伝子とは逆向きのマーカー遺伝子がピューロマイシン耐性遺伝子であり、AID遺伝子と同じ向きのマーカー遺伝子がGFP遺伝子である、請求項4記載の細胞。
- GFP遺伝子の発現を向上させるためにGFP遺伝子の直ぐ上流にIRES配列をさらに含む、請求項5記載の細胞。
- 抗体産生細胞である、請求項1〜6のいずれか1項記載の細胞。
- B細胞由来の細胞である、請求項7記載の細胞。
- ニワトリB細胞株DT40細胞に由来する細胞である、請求項8記載の細胞。
- 対象とする1つ以上のタンパク質をコードする遺伝子を該遺伝子が発現可能な形態で導入され、細胞内のゲノムに組み込まれていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の細胞。
- 細胞内の遺伝子変異を促進または停止させる方法であって、
1)請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞を用意し、
2)該細胞にCreリコンビナーゼ遺伝子を活性化し得る細胞外刺激を与え、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を促進または停止させること、
を含む、上記方法。 - 変異を有するタンパク質を得る方法であって、
1)請求項1〜10のいずれか1項に記載の細胞を用意し、
2)該細胞のAIDの発現が可能な状態とし、
3)該細胞を一定期間培養し、
4)該細胞が産生する対象とするタンパク質または該タンパク質をコードする遺伝子を単離して、その変異を検出し、
5)所望の変異を有しているタンパク質が産生されている場合には、該細胞にCreリコンビナーゼを活性化し得る細胞外刺激を与えて、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を停止させ、
6)該細胞が産生する所望の変異を有している対象とするタンパク質を単離すること、
を含む、上記方法。 - 変異を有するタンパク質を得る方法であって、
1)請求項1〜10のいずれか1項に記載の細胞を用意し、
2)該細胞のAIDの発現が可能な状態とし、
3)該細胞を一定期間培養し、
4)該細胞にCreリコンビナーゼを活性化し得る細胞外刺激を与えて、AID遺伝子の向きを反転させて、AIDの発現を停止させ、
5)該細胞が個々に産生する対象とするタンパク質または該タンパク質をコードする遺伝子を単離して、その変異を検出し、
6)所望の変異を有しているタンパク質を産生する細胞株を上記培養された細胞から選別し、
7)該細胞が産生する所望の変異を有している対象とするタンパク質を単離すること、
を含む、上記方法。 - 上記対象とするタンパク質が、外因性の遺伝子の発現により産生されるタンパク質であって、上記(1)または(2)のステップにおいて、該細胞に対象とするタンパク質をコードする遺伝子を発現可能な形態で上記細胞に導入して、該細胞内のゲノムに組み込むことをさらに含む、請求項12または13記載の方法。
- 上記対象とするタンパク質が、抗体である、請求項12または13記載の方法。
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