JP4030342B2 - 遺伝子欠損細胞 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、染色体の複製後修復に関与する遺伝子機能を欠損した真核細胞に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、染色体DNAへの外来遺伝子の導入効率、あるいは染色体DNAの内在遺伝子と外来遺伝子との組換え頻度の高い真核細胞と、これらの細胞を用いて作出されるトランスジェニック動物およびノックアウト動物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細胞への特定遺伝子の導入は、その遺伝子の機能を解析するための有効な手段として広く行われている。遺伝子導入はまた、有用タンパク質の宿主細胞での生産(遺伝子工学)や治療用遺伝子の体内移植細胞への導入(遺伝子治療)の他、受精卵やES細胞等の分化全能性細胞を遺伝子導入の対象とする遺伝子改変動物(トランスジェニック動物やノックアウト動物)の作出においても重要な技術となっている。また、ES細胞の多分化能を利用した組織再生医療も注目を集めており、特に有用遺伝子または治療用遺伝子を導入したES細胞による組織再生医療には多くの期待が注がれている。
【0003】
遺伝子導入のための方法としては、例えば、リン酸カルシウム法、リポソームや赤血球ゴーストを使用する方法、エレクトロポーレーション法、レトロウイルスやアデノウイルスをベクターとして使用する方法、ガラスピペットを用いて細胞核へ遺伝子DNAを微量注入する方法等が確立している。しかしながら、これらの方法においても導入遺伝子が細胞の染色体DNAに安定に組み込まれる確率は極めて低いのが実状である。従って、導入遺伝子を安定的かつ確実に細胞染色体DNAに組み込むことのできる新しい方法の開発ともに、従来の方法によってもその染色体DNAに導入遺伝子を安定的かつ確実に組み込むことのできる細胞が望まれている。
【0004】
一方、細胞染色体DNAの損傷を修復する機構の一つとして、「複製後修復(postreplication repair:PRR)」が知られている(DNA Repair and Mutagenesis. ASM Press, Washington, DC., 1995)。すなわち、UV光や化学物質等の変異原により誘導されたDNA損傷は、塩基またはヌクレオチド切断修復により効率的に除去される。しかし、損傷がこれらの修復システムによっても除去されない場合、またはDNA複製機構が修復前に損傷を受けた場合には、複製の進行は損傷部で失速し、損傷部位から新しく合成された鎖にギャップを生じる。複製後修復(PRR)は、このようなギャップを乗り越えてDNA複製を進行させ(損傷乗り越え複製)、またギャップによる遺伝子組換えを防止する(組換え修復)機構から構成させており、多様な種において高度に保存されている。
【0005】
PRRに関与する遺伝子としては、RAD6およびRAD18を中心とするRAD6エピスタシス遺伝子群が重要な役割を果たしていることが知られている(Mutat. Res.486:167-184, 2001; DNA Repair and Mutagenesis. ASM Press, Washington, DC., 19954, 7)。例えば、酵母Saccharomyces cerevisiaeではRAD18およびRAD6がPRRに必要とされている。また哺乳動物では、RAD6遺伝子の2つの相同体であるHR6AおよびHR6Bと1つのRAD18が存在することが知られており(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 88:8865-8869, 1991; , Genomics 69:86-94, 2000)、この出願の発明者らは、ヒトRAD18遺伝子をクローニングし、RAD18タンパク質がHR6AおよびHR6Bタンパク質の両方と相互作用してPRRシステムに機能することを見出している(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 97:7927-7932, 2000)。
【0006】
しかしながら、従来、細胞におけるPRRシステムの改変と、その細胞における遺伝子導入効率の変化については全く知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この出願の発明は、細胞のPRRシステムを欠損させるによって、外来遺伝子の導入効率や遺伝子組換え頻度を向上させた新しい細胞を提供することを課題としている。
【0008】
またこの出願は、前記の細胞であって、外来遺伝子の導入や標的遺伝子組換えによって遺伝形質を改変させた細胞を提供することを課題としている。
【0009】
さらにこの出願は、前記の遺伝形質を改変させた細胞であって、特に分化全能性を有する細胞を個体発生して得られるトランスジェニック動物およびノックアウト動物を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この出願は、前記の課題を解決するための発明として、以下の(1)から(16)の発明を提供する。
(1) 染色体DNAの複製後修復に関与するRAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子が機能欠損していることを特徴とする細胞。
(2) 細胞が動物細胞である前記発明(2)の細胞。
(3) 動物細胞が分化全能性細胞である前記発明(2)の細胞。
(4) 分化全能性細胞がES細胞である前記発明(3)の細胞。
(5) 分化全能性細胞が非ヒト動物由来である前記発明(3)の細胞。
(6) ES細胞が非ヒト動物由来である前記発明(4)の細胞。
(7) 外来遺伝子を染色体DNAに保有する前記発明(1)から(4)のいずれかの細胞。
(8) RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子とは別の内在遺伝子の1以上が機能欠損している前記発明(1)から(4)のいずれかの細胞。
(9) 外来遺伝子を染色体DNAに保有する前記発明(5)の細胞。
(10) RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子とは別の内在遺伝子が機能欠損している前記発明(6)の細胞。
(11) 前記発明(6)の細胞を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であって、各体細胞において、RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子が機能欠損していることを特徴とする動物。
(12) 前記発明(9)の細胞を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であって、各体細胞において、RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子が機能欠損しているとともに、各体細胞に外来遺伝子を保有し、外来遺伝子形質を個体発現することを特徴とする動物。
(13) 前記発明(10)の細胞を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であって、各体細胞において、RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子とともに、別の内在遺伝子を機能欠損していることを特徴とする動物。
(14) 前記発明(11)の動物から単離された細胞。
(15) 前記発明(12)の動物から単離された細胞。
(16) 前記発明(13)の動物から単離された細胞。
【0011】
以下、発明の実施形態を示し、この出願の各発明について詳しく説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
発明(1)の「細胞」は、RAD18遺伝子およびその関連遺伝子群がその細胞の染色体DNA複製における複製後修復(PRR)に関与しているような細胞であり、具体的には酵母、昆虫細胞、植物細胞および動物細胞等の真核細胞である。「真核細胞」は、一般的な遺伝子トランスフェクションに使用されるようなサル腎臓細胞COS7、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO、各種ヒト腫瘍株化細胞などの哺乳動物培養細胞、出芽酵母、分裂酵母、カイコ細胞、アフリカツメガエル卵細胞、植物細胞など、いかなる真核細胞でもよいが、この発明においてはヒト細胞を含めた「動物細胞」であること好ましい態様の一つとしている(発明(2))。また、動物細胞は、動物個体から単離した初代培養細胞であってもよく、その初代培養細胞は、未分化細胞でも分化細胞であってもよい。さらにこの発明においては、動物細胞は「分化全能性細胞」であること(発明(3))を好ましい態様としている。分化全能性細胞の一例は受精卵または初期胚であり、別の態様は「ES細胞」(発明(4))である。またさらに、分化全能性細胞とその一態様であるES細胞は「非ヒト動物由来の細胞」であることを好ましい態様としている(発明(5)(6))。
【0013】
「複製後修復(PRR)」とは、先に説明したように、「損傷乗り越え複製」および「組換え修復」を意味する。そしてこのようなPRRに関与する「RAD18遺伝子」は、ヒトRAD18遺伝子(GenBank Accession No. AB035274, No. NM#020165)、マウスRAD18遺伝子(GenBank Accession No. NM#021385)、酵母RAD18遺伝子(GenBank Accession No. X12588)等のcDNA配列が公知である。
【0014】
また、「RAD18遺伝子の関連遺伝子」としては、ヒトUbe2A(RAD6A)遺伝子(GenBank Accession No. NM#003336)、ヒトUbe2B(RAD6B)遺伝子(GenBank Accession No. NM#003337)、マウスHR6A(RAD6A)遺伝子(GenBank Accession No.AF089812)、マウスHR6B(RAD6B)遺伝子(GenBank Accession No. NM#009458)、ヒトHIP116(RAD5)遺伝子(GenBank Accession No.A56095)、マウスp113(RAD5)遺伝子(GenBank Accession No.AF010138)、酵母RAD5遺伝子(GenBank Accession No.M96644)、ヒトpolymerase eta (RAD30)遺伝子(GenBank Accession No. NM#006502)、ヒトUBE2V2(MMS2)遺伝子(GenBank Accession No.9864244)、ヒトUBE2N(UBC13)遺伝子(GenBank Accession No.605372410)、ヒトREV3L(REV3)遺伝子(GenBank Accession No.9863226)、ヒトREV'7遺伝子(GenBank Accession No.AF157482)等が知られている。以下の説明では、RAD18遺伝子とその関連遺伝子群から選択される1以上の遺伝子を「RAD18関連遺伝子」と記載することがある。
【0015】
なお、染色体DNA複製のPRRに関与する遺伝子としては、RAD6遺伝子も知られているが、このRAD6遺伝子を完全に機能欠損させた場合には細胞は死滅してしまうため、RAD6遺伝子はこの発明のRAD18関連遺伝子からは除外する。
【0016】
発明(1)の細胞は、前記のとおりのRAD18関連遺伝子、好ましくはRAD18遺伝子それ自体が機能欠損していることを特徴とする。この場合の「機能欠損」とは、例えばRAD18遺伝子産物であるRAD18タンパク質がPRRシステムにおいて正常に機能していないことを意味する。従って、発明(1)の細胞の一つの態様は、細胞の染色体ゲノムにRAD18遺伝子コード領域が存在していないことによってRAD18タンパク質を産生しない細胞である。別の態様は、RAD18遺伝子のコード領域における1以上のヌクレオチドが欠失、付加、または他のヌクレオチドに置換していること(遺伝子変異)によって、RAD18タンパク質を産生しないか、または変異型RAD18タンパク質を産生する細胞である。また別の態様は、RAD18遺伝子の発現制御領域が欠失または部分的に変異していることによって、RAD18遺伝子が発現せず、その結果としてRAD18タンパク質を産生しない細胞である。さらに別の態様は、RAD18遺伝子からの転写産物(mRNA)に対するセンス鎖、アンチセンス鎖、センス・アンチセンス二重鎖(siRNA)、RAD18 mRNAを切断するリボザイムを発現し、mRNAからRAD18タンパク質が合成されない細胞である。
【0017】
センス鎖、アンチセンス鎖、センス・アンチセンス二重鎖(siRNA)やリボザイムを発現する細胞は、それらをコードするDNA断片を細胞に導入することによって作製することができるが、RAD18関連遺伝子を確実に機能欠損させるためには、RAD18遺伝子のコード領域および/または発現制御領域に欠失変異を導入することが好ましい。このような遺伝子特異的な変異導入は、公知の標的遺伝子組換え法(ジーンターゲティング法:Science 244:1288-1292, 1989)を改良した方法により行うことができる。この方法は、例えばヒト細胞とヒトRAD18遺伝子を対象とする場合を例にとって説明すれば以下のとおりである。先ず、RAD18遺伝子のゲノムDNAを単離し、そのDNA断片を試験管内にて遺伝子操作し、RAD18遺伝子の開始コドンを含むDNA断片に対して改変を施すなど、RAD18遺伝子の機能を不活性化させるような変異DNA断片を作製する。RAD18遺伝子ゲノムDNAは、例えば、公知のヒトRAD18遺伝子のcDNA配列(GenBank Accession No. NM#020165)等に基づいて合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いてヒトゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより得られる。また、このRAD18 cDNAの一部または両端に相当する合成オリゴヌクレオチドをプライマーとするPCR法によっても目的とするゲノムDNA断片を得ることができる。
【0018】
上記のとおりの方法によって得られたRAD18遺伝子のゲノムDNAの一部を改変し、ヒト細胞のRAD18遺伝子に変異を導入するためのターゲティングベクターを公知の方法(例えば、Science 244:1288-1292, 1989)に準じて作製する。例えば、RAD18遺伝子DNA(両方の対立遺伝子)の一部をG418等の細胞毒に対する耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子)に置換することにより、もしくは細胞毒に対する耐性遺伝子をRAD18遺伝子DNAの一部に挿入することで、RAD18遺伝子DNAと相同な配列を両端に有する変異遺伝子を保有する組換えプラスミドDNA、すなわちターゲティングベクターを作製する。次に、このターゲティングベクターを、2段階でヒト細胞に導入する。すなわち、第1段階では2つの対立遺伝子の一方にベクターを導入して標的RAD18関連を変異遺伝子に置換し、第2段階として他方の対立遺伝子を置換する。具体的には、後記実施例の方法を採用することができる。ベクター導入法としては、公知の電気パルス法、リポソーム法、リン酸カルシウム法等も利用できるが、導入遺伝子の相同遺伝子組換え効率を勘案した場合、電気パルス法が好ましい。そして、ターゲティングベクターを導入した各細胞のDNAを抽出し、サザンブロット分析やPCRアッセイ等により、染色体上に存在する野生型RAD18遺伝子と導入したRAD18変異遺伝子断片の間で正しく相同遺伝子組換えが起こり、染色体上のRAD18遺伝子に変異が移った細胞を選択する。
【0019】
以上のとおりの発明(1)から(6)の細胞は、後記実施例に例示するように、外来遺伝子の導入効率、および遺伝子組換えの頻度が野生型細胞に比べて有意に高い。従って、これらの細胞を用いることによって、発明(7)から(10)の細胞を効率よく作製することができる。特に、発明(5)および(6)の細胞は、発明(11)の動物(ノックアウト動物)の作出に使用することができる。
【0020】
発明(7)の細胞は、RAD18関連遺伝子が機能欠損しているとともに、外来遺伝子を染色体DNAに保有する細胞である。細胞は真核細胞であり、一つの態様としてヒトを含めた動物由来の細胞である。また別の態様として、その動物細胞はヒトを含めた動物由来の受精卵またはES細胞等の分化全能性細胞である。「外来遺伝子」とは、その細胞の染色体ゲノムには存在しない遺伝子であり、例えば他の生物種由来の遺伝子または合成遺伝子である。外来遺伝子の種類や細胞の種類は、その外来遺伝子の発現の目的(例えば、遺伝子機能の解析、遺伝子工学的な有用タンパク質の生産、遺伝子治療、薬剤スクリーニング等)に応じて適宜に選択することができる。また、外来遺伝子の細胞導入方法も、リン酸カルシウム法、リポソームや赤血球ゴーストを使用する方法、エレクトロポーレーション法、レトロウイルスやアデノウイルスをベクターとして使用する方法、ガラスピペットを用いて細胞核へ遺伝子DNAを微量注入する方法等の公知の方法を採用することができる。また、前記の標的遺伝子組換え法を用いれば、その細胞の内在遺伝子と相同性の高い他種生物の外来遺伝子を内在遺伝子と置換することもできる。
【0021】
発明(8)の細胞は、RAD18関連遺伝子とともに、別の内在遺伝子の1以上が機能欠損している細胞である。細胞の種類は、前記発明(7)の細胞と同一とすることができる。機能欠損させる「内在遺伝子」とは、その細胞において機能性タンパク質を発現する遺伝子であり、そのタンパク質の欠損が細胞の特性を変化させる遺伝子を意味する。機能欠損させる内在遺伝子の種類と、細胞の種類は、機能欠損の目的(例えば、遺伝子の機能解析、遺伝子治療、薬剤スクリーニング等)に応じて適宜とすることができる。
【0022】
発明(9)の細胞は、RAD18関連遺伝子が機能欠損しているとともに、外来遺伝子を染色体DNAに保有する「非ヒト動物由来の分化全能性細胞」である。この発明(9)において「分化全能性細胞」とは、具体的には受精卵、初期胚およびES細胞であり、前記発明(7)と同様の目的に使用することもできるが、特に発明(12)の動物(トランスジェニック動物)の作出に使用することができる。
【0023】
発明(10)の細胞は、RAD18関連遺伝子とともに、別の内在遺伝子の1以上が機能欠損している「非ヒト動物由来のES細胞」である。このES細胞は、前記発明(8)と同様の目的に使用することもできるが、特に発明(13)の動物(ノックアウト動物)の作出に使用することができる。
【0024】
発明(11)は、前記発明(6)の非ヒト動物由来ES細胞を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であり、RAD18関連遺伝子が機能欠損しているノックアウト動物である。ES細胞は、マウス(Nature 292:154-156, 1981)、ラット(Dev. Biol. 163(1):288-292, 1994)、サル(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92(17):7844-7848, 1995)、ウサギ(Mol. Reprod. Dev. 45(4):439-443, 1996)で確立している。また、ブタについてはEG(embryonic germ)細胞が確立している(Biol. Reprod 57(5):1089-1095, 1997)。従ってこの発明(11)の動物は、これらの動物種を対象に作製することができるが、特に遺伝子ノックアウト動物の作製に関して技術が整っているマウスが最適である。このノックアウト動物は、以下の手順で作出することができる。すなわち、前記の標的遺伝子組換え法によってRAD18関連遺伝子に変異を導入したES細胞を野生型動物のブラストシストに注入し、つづいてこのキメラ胚を仮親の子宮に移植する。出生した動物を里親につけて飼育させた後、RAD18関連遺伝子の変異遺伝子が生殖系細胞に入ったキメラ動物を選別する。選別は毛色の違い、または体の一部(例えば尾部先端)からDNAを抽出してサザンブロット分析やPCRアッセイ等により行う。RAD18変異遺伝子が生殖系細胞に入ったキメラ動物と野生型動物の交配により得られる子孫について、さらに体の一部(例えば尾部先端)からの抽出DNAを材料としてサザンブロット分析やPCRアッセイ等を行い、RAD18変異遺伝子が体細胞染色体に導入されたノックアウト動物を選択する。なお、前記のRAD18関連遺伝子変異を導入する標的遺伝子組換え法では、2つの対立遺伝子の両方を変異遺伝子で置換する必要を説明したが、このノックアウト動物の作製方法では、一方の対立遺伝子が変異遺伝子で置換したES細胞を用いることができる。ES細胞は半数体である生殖細胞にキメラ動物を介して分化することができるため、キメラ動物の生殖細胞を通して子孫動物へ変異遺伝子がヘテロ接合型に伝達され、このヘテロ接合型同士を交配させることによって2倍体の対立遺伝子をホモ型変異遺伝子とすることができる。この発明のノックアウト動物は、初代ヘテロ接合体動物、ヘテロ接合体同士を交配して得られるホモ接合体動物、それらの子孫動物、またはそれらの胎児が含まれる。
【0025】
この発明(11)のノックアウト動物は、各体細胞においてRAD18関連遺伝子を機能欠損しており、各体細胞への外来遺伝子の導入効率、および遺伝子組換え頻度が野生型動物に比較して有意に高い。従って、遺伝子治療に用いられるようなウイルスベクター等を用いて特定の臓器や細胞に外来遺伝子を導入したり、特定の遺伝子領域を他の遺伝子に組換え変異させた遺伝子変異動物を効率良く作製するために使用することができる。また、この動物から単離された細胞(発明(14))は、実質的に発明(2)から(6)の細胞と同一範囲に含まれる細胞であり、発明(11)の動物は、発明(2)から(6)の細胞を大量に作製するために使用することもできる。
【0026】
発明(12)の動物は、前記発明(9)の非ヒト動物由来分化全能性細胞(受精卵、初期胚またはES細胞)を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であり、RAD18関連遺伝子が機能欠損しているとともに、外来遺伝子を各体細胞に保有するトランスジェニック動物である。このトランスジェニック動物は、公知のトランスジェニック動物作成法(例えば、Proc. Natl. Acad. Scl. USA 77;7380-7384, 1980)に従って作成することができる。すなわち、外来遺伝子を非ヒト動物の分化全能性細胞に導入し、この細胞を個体へと発生させ、体細胞のゲノム中に外来遺伝子が組み込まれた個体を選別することによって目的とするトランスジェニック動物を作製することができる。非ヒト動物としては、技術的には全ての動物種を対象とすることが可能であるが、特に近交系が多数作出されており、しかも受精卵の培養、体外受精等の技術が整っているマウスが最適である。また分化全能性細胞への遺伝子導入法としては、トランスジェニック動物個体の産出高率や次代への導入遺伝子の伝達効率を考慮した場合、外来遺伝子DNAの物理的注入(マイクロインジェクション)法が最適である。遺伝子を注入した受精卵は、次に仮親の卵管に移植され、個体まで発生し出生した動物を里親につけて飼育させたのち、体の一部(尾部先端等)からDNAを抽出し、サザンブロット解析やPCRアッセイにより導入した外来遺伝子の存在を確認することによって、2倍体染色体の一方に外来遺伝子が導入された初代のヘテロ接合体動物が得られ、このヘテロ接合体同士を交配することによってホモ接合体動物が獲られる。この発明のトランスジェニック動物には、初代ヘテロ接合体動物、ヘテロ接合体同士を交配して得られるホモ接合体動物、それらの子孫動物、またはそれらの胎児が含まれる。
【0027】
この発明(12)のトランスジェニック動物は、分化全能性細胞に導入された外来遺伝子を各体細胞の染色体中に保有し、外来遺伝子形質を個体発現する。従って、外来遺伝子が例えば疾患遺伝子の場合は、疾患モデル動物として薬剤スクリーニング等に使用することができる。さらに、このトランスジェニック動物はまた、RAD18関連遺伝子を機能欠損したノックアウト動物でもある。このため、各体細胞への外来遺伝子の導入効率、および遺伝子組換え頻度が野生型動物に比較して有意に高く、例えばウイルスベクター等を用いて特定の臓器や細胞に外来遺伝子を導入したり、特定の遺伝子領域を他の遺伝子に組換え変異させた遺伝子変異動物を効率良く作製するために使用することができる。
【0028】
また、この動物から単離された細胞(発明(15))は、実質的に発明(7)および(9)の細胞と同一範囲に含まれる細胞であり、発明(12)の動物は、発明(7)および(9)の細胞を大量に作製するために使用することもできる。
【0029】
発明(13)の動物は、前記発明(10)の非ヒト動物由来ES細胞を個体発生して得られる非ヒト動物およびその子孫動物であり、RAD18関連遺伝子とともに、別の内在遺伝子が機能欠損しているノックアウト動物である。この動物は前記発明(11)のノックアウト動物と同一の方法によって作出することができる。
【0030】
この発明(13)のノックアウト動物は、内在遺伝子の機能欠損によって、例えば疾患モデル動物として薬剤スクリーニング等に使用することができる。なお、内在遺伝子の種類によっては、出生以前に死亡する場合がある。そのような場合であっても、胎児を対象に薬剤スクリーニング等が可能である。
【0031】
この発明(13)の動物はまた、RAD18関連遺伝子の機能欠損によって、各体細胞への外来遺伝子の導入効率、および遺伝子組換え頻度が野生型動物に比較して有意に高い。従って、特定の臓器や細胞に外来遺伝子を導入したり、特定の遺伝子領域を他の遺伝子に組換え変異させた遺伝子変異動物を効率良く作製するために使用することができる。
【0032】
また、この動物から単離された細胞(発明(16))は、実質的に発明(8)および(10)の細胞と同一範囲に含まれる細胞であり、発明(13)の動物は、発明(8)および(10)の細胞を大量に作製するために使用することもできる。
【0033】
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
1:材料および方法
1-1:細胞培養およびプラスミド
野生型ES細胞、E14およびRAD18-/-ES細胞は、10%ウシ胎児血清を補充したGlassgow培地中で培養し、LIFを培地に添加し、ES細胞の分化を防いだ。マウスRAD18 cDNAを含むプラスミドは、I.M.A.G.E.コンソーシアムから得た(クローンID535214)。IRES-geoは、cre-pCAGGSプラスミドを用いたCRE酵素の一過性発現によりES細胞から除去した。
1-2:RAD18遺伝子のターゲティングベクターおよびRAD18欠損ESクローンの作成
マウスRAD18ゲノムDNAを、マウスゲノムライブラリー129/SvJ(ストラタジーン)から、マウスRAD18 cDNAをプローブとして単離した。マウスRAD18ターゲティングベクターは、LacZ-ネオマイシン(βgeo)カセットをRAD18ゲノムに2段階で組込むことにより作成した。先ず、RAD18ゲノムDNAのエクソン中のAvrII制限酵素部位へIRESβgeo-ポリAカセットを組込むことにより、RAD18遺伝子の1つの対立遺伝子を不活性化した(図1)。そして、CRE酵素を細胞で一過性に発現させることによりIRESβgeo部分を除去した。RAD18ゲノムDNAの一部をプローブとしてサザンハイブリダイゼーション法により、RAD18の1つの対立遺伝子が不活性であることを確認した。次いで、RAD18-/-ゲノムの他の対立遺伝子へIRESβgeo-ポリAカセットを組込むことによって、一方の対立遺伝子を不活性化した。
1-3:免疫細胞化学(immunosytochemistry)
GST-mRAD18(マウスRAD18タンパク質のMet-373からGln-509)融合タンパク質をEscherichia coliで発現させ、グルタチオン-アガロースカラムによって精製した。次いでPrEScissionプロテアーゼ(アマシャム)を用いてGST部分を切断除去した。この切断したmRAD18(Met-373からGln-509)を用いてウサギを免疫することによって、マウスRAD18タンパク質に対するポリクローナル抗血清を調製した。細胞に、抗mRAD18抗血清を反応させ(30分間4℃)で、次いでFITCコンジュゲート抗ウサギIgG(Cappel)を添加して30分間室温反応させることにより、視覚化した。
1-4:安定トランスフェクション頻度の測定
ES細胞にPGK puroプラスミドまたはpGT.IRES-hygroプラスミド、pOct3/4IRES-hygroプラスミドをエレクトロポーレーションでトランスフェクションした。細胞を1μg/mlピュロマイシンまたは0.2 mg/mlヒグロマイシンB(和光)含有培地で2週間培養し、プラスミド導入細胞を選別した。安定的トランスフェクション頻度は、上記の抗生物質耐性クローンの数を調べることにより測定した。
1-5:ジーンターゲッティング(標的組換え)頻度の測定
ES細胞のジーンターゲッティング(標的組換え)は、Oct3/4ターゲティングベクター(pOct3/4IRES-hygro)を使用して測定した(Cell. 959:379-39, 1998; Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 91:4303-4307, 1994)。すなわち、電気穿孔法によりプラスミドをES細胞にトランスフェクションし、0.2mg/mlのヒグロマイシンB(和光、日本)を用いてヒグロマイシン耐性クローンを選択し、このヒグロマイシン耐性クローンから各ゲノムDNAを調製し、EcoRIで切断した。ジーンターゲッティング頻度は、Oct3/4DNAプローブとハイブリダイズしたDNAのサザンブロットにより判定した。
2:結果
2-1:RAD18ターゲティングベクターおよびRAD18欠損ESクローンの作成
図1に構成を示したターゲティングベクターを用いた2段階の標的遺伝子組換えによって、RAD18-/-ESクローンを作製し、そのRAD18遺伝子の破壊は、サザンブロットにより確認した(図2)。RAD18-/-ESクローンにおいては、ターゲティングベクターをRAD18の両方の対立遺伝子へ組込むことによって、RAD18タンパク質のN末端RINGフィンガー以外の発現はすべて抑制されることが予測された。しかし、N末端プローブを使用したノザンブロットにより、RAD18-/-ES細胞におけるRAD18遺伝子はN末端領域を含めて全く転写していないことが判明した(図3)。ウェスタンブロットにより、RAD18-/-ES細胞のRAD18タンパク質量は野生型ES細胞におけるRAD18タンパク質の半分の量よりもはるかに低く、またRAD18-/-ES細胞ではRAD18タンパク質の発現は全く検出されなかった(図4)。RAD18タンパク質の免疫蛍光染色により、野生型ES細胞でのRAD18タンパク質の核内での発現が判明したが、RAD18-/-ES細胞では全く発現しないことも確認された(図5)。
2-2:RAD18-/-細胞の増殖特性
増殖特性を調べるために、野生型RAD18-/-細胞の増殖曲線をモニタリングした。結果は図6に示したとおりであり、RAD18-/-細胞は、野生型細胞とほぼ同じ速度で増殖し、倍加時間は16時間であった。
2-3:RAD18-/-ES細胞における安定トランスフェクション効率および標的遺伝子組換え効率の増強
抗生物質耐性遺伝子を含むプラスミドを使用して、外来性DNAのゲノムへの組込み効率を反映すると考えられている安定トランスフェクション効率を測定した。PGKpuroは、PGKプロモーターの後にピュロマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドである。電気穿孔法によりプラスミドをES細胞にトランスフェクションした後に薬剤で選択し、ピュロマイシン耐性となったクローンの数を計測した。RAD18-/-ES細胞におけるピュロマイシン耐性クローンの数は、野生型ES細胞の約20倍であった(表1)。各種プラスミド、プロモーターのないpGTIREShphpAおよびOct3/4IREShphを用いた他の組換えアッセイでも約20倍高いトランスフェクション効率が得られた。これらの結果から、RAD18-/-ES細胞は、外来性DNAのゲノムへのランダムな組込みが約20倍増強されたことが示された。
【0035】
【表1】
Figure 0004030342
【0036】
次に、Oct3/4ターゲティングベクターを使用して標的遺伝子組換え頻度を測定した。Oct3/4遺伝子座での標的遺伝子組換え事象を決定するために、ターゲティングベクターであるOct3/4IREShphをES細胞にトランスフェクションし、ヒグロマイシン耐性を安定して示すクローンを薬剤選択した。ヒグロマイシン耐性を安定に示すクローンの数は、RAD18-/-ES細胞の野生型ES細胞の約22倍であり、RAD18-/-ES細胞では、野生型細胞に比べて、外来性遺伝子がゲノムに組み込まれる効率が飛躍的に増加していることを示した。次に、ヒグロマイシン耐性を安定に示す細胞からゲノムDNAを抽出し、Oct3/4プローブを用いたサザンブロットによりジーンターゲッティング(標的組換え)頻度を測定した(表2)。標的遺伝子組換えの頻度は、野生型ES細胞では41%(11/27)または34%(11/32)、RAD18-/-ES細胞では74%(23/31)または63%(15/24)であり、RAD18-/-ES細胞の組換え頻度は、野生型ES細胞の約2倍であった。
【0037】
【表2】
Figure 0004030342
【0038】
以上のとおり、RAD18-/-ES細胞では、外来性DNAのゲノムへの組み込み効率は野生型ES細胞よりも20倍も高く、また外来DNAによる標的遺伝子組換えの頻度は野生型よりも2倍高かった。従って、合計として、RAD18-/-ES細胞のターゲティング収率は、野生型ES細胞よりも40倍高い。これらの結果から、RAD18-/-ES細胞が安定的なトランスフェクション効率および標的遺伝子組換え頻度を増強させることから、安定的な形質転換細胞やノックアウト細胞を含む標的遺伝子組換えクローンの作製に極めて有効であることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明により、細胞のPRRシステムを欠損させるによって、外来遺伝子の導入効率や遺伝子組換え頻度を向上させた新しい細胞が提供される。また、外来遺伝子の導入や標的遺伝子組換えによって遺伝形質を改変させた細胞と、前記細胞の特徴を有する分化全能性細胞を個体発生して得られるトランスジェニック動物およびノックアウト動物が提供される。以上のとおりの細胞および動物は、遺伝子導入や遺伝子組換えを必須として用いる様々な基礎研究分野や産業分野(医薬品の開発や薬剤スクリーニング等)において、作業の効率化や低コスト化をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスRAD18-/-ES細胞クローンの作成に使用したターゲティングベクターの構成図である。アミノ酸Thr-90からLys-201をコードするエクソンは1つのAvrI部位を有する。IRES-βgeo-ポリAカセットをAvrII部位に挿入した。サザンブロット解析に使用したプローブ領域を、影のボックスとして示した。
【図2】 RAD18-/-ES細胞クローンにおけるRAD18遺伝子の破壊を調べたサザンブロット解析の結果である。野生型、RAD18-/-またはRAD18+/-ES細胞から調製したBamHI消化ゲノムDNAを、図1に示したプローブとハイブリダイズさせた。レーン1:野生型細胞(+/+)レーン2〜4:RAD18+/-細胞(+/-)、レーン5〜6:RAD18-/-細胞(-/-)。
【図3】 RAD18-/-ES細胞クローンにおけるRAD18遺伝子の転写を調べたノザンブロット解析の結果である。野生型、RAD18-/-またはRAD18+/-ES細胞由来の全RNAを「1:1材料および方法」に記載したようなPCRにより合成し、マウスN末端RAD18 cDNAプローブとハイブリダイズした。
【図4】 RAD18-/-ES細胞クローンにおけるRAD18タンパク質量を調べたウェスタンブロット解析の結果である。野生型、RAD18-/-またはRAD18+/-ES細胞由来の細胞溶解液を、マウスRAD18 C末端部分(Met-373からGln-509)に対する抗マウスRAD18抗体でイムノブロットした。
【図5】抗マウスRAD18抗体による野生型またはRAD18-/-ES細胞の免疫染色の結果である。左は野生型細胞、右はRAD18-/-ES細胞。
【図6】種々の遺伝子型を有する細胞の増殖曲線である。細胞を3cm皿にインキュベートし、トリプシン-EDTAを用いてプレートから剥離し、指定した時間に計測した。データは3つの独立的な実験の典型的な結果を示した。

Claims (9)

  1. 染色体DNAの複製後修復に関与するRAD18 遺伝子が機能欠損した細胞を調製し、この細胞のゲノムに外来遺伝子を導入することを特徴とする遺伝形質改変細胞の作成方法。
  2. 染色体DNAの複製後修復に関与するRAD18 遺伝子が機能欠損した細胞を調製し、この細胞の、RAD18遺伝子とは別の内在遺伝子の1以上を機能欠損させることを特徴とする遺伝形質改変細胞の作成方法。
  3. 細胞が動物細胞である請求項1または2の方法。
  4. 細胞が分化全能性の動物細胞である請求項3の方法。
  5. 分化全能性細胞がES細胞である請求項4の方法。
  6. 細胞が分化全能性の非ヒト動物細胞である請求項1の方法。
  7. 細胞が非ヒト動物のES細胞がある請求項2の方法。
  8. 請求項6の方法で作成した遺伝形質改変細胞を個体発生させ、RAD18 遺伝子が機能欠損しているとともに、各体細胞に外来遺伝子を保有し、外来遺伝子形質を個体発現するトランスジェニック動物の作成方法。
  9. 請求項7の方法で作成した遺伝形質改変細胞を個体発生させ、各体細胞において、RAD18 遺伝子とともに、別の内在遺伝子を機能欠損しているノックアウト動物の作成方法。
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