JP2006107788A - 電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファンの風量を増加させることなく、電池モジュールの温度差を少なくして、均一に冷却する。
【解決手段】電源装置は、複数本の電池モジュール1が、内面形状を電池モジュール1の外面に沿う形状とするホルダーケース2の区画室4に収納されて、電池モジュール1と区画室4の内面との間に所定の間隔の冷却隙間3を設けている。ホルダーケース2は、区画室4の対向する位置に流入口13と排気口14とを設けて、流入口13から供給される空気を冷却隙間3に通過させて排気口14から排気するようにしている。電源装置は、排気側に近い冷却隙間3の間隔が、流入側の冷却隙間3の間隔よりも狭くなるように、電池モジュール1を中心をずらせて区画室4に配置している。
【選択図】図5

Description

本発明は、主として、ハイブリッド自動車や電気自動車等の自動車を駆動するモーターの電源用に使用される大電流用の電源装置に関する。
自動車走行用のモーターを駆動する電源に使用される大電流、大出力用の電源装置は、複数の電池を直列に連結した電池モジュールをさらに直列に接続して出力電圧を高くしている。駆動モーターの出力を大きくするためである。この種の用途に使用される電源装置は、極めて大きな電流が流れる。たとえば、ハイブリッド自動車等では、スタートするときや加速するときに、電池の出力で自動車を加速するので、100A以上と極めて大きな電流が流れる。さらに、短時間で急速に充電するときにも大きな電流が流れる。
大電流を流して使用される電源装置は、電池の温度が上昇したときに、強制的に冷却する必要がある。とくに、多数の電池モジュールを並べてホルダーケースに入れている電源装置は、各々の電池モジュールを均等に冷却することが大切である。冷却される電池の温度にむらができると、温度が高くなる電池の性能が低下するからである。ホルダーケースに複数の電池モジュールを収納して、各々の電池モジュールをより均等に冷却する電源装置は開発されている(特許文献1参照)。
特開2002−50412
以上の電源装置は、図1に示すように、複数本の電池モジュール21を平行に並べてホルダーケース22の区画室24に収納している。ホルダーケース22は、隔壁23で内部を複数列の区画室24に区画している。隔壁23は、電池モジュール21との対向面23aを電池モジュール21の表面に沿う形状として一定間隔の送風冷却隙間25を設けている。区画室24には対向する位置に流入口26と排気口27を開口している。この電源装置は、流入口26から複数列の区画室24に分流して空気を流入させて、送風冷却ダクト25を通過した空気を排気口27から排気して区画室24に収納している電池モジュール21を冷却する。
この構造の電源装置は、各々の電池モジュールを同じ条件で冷却できる。しかしながら、1本の電池モジュールの温度を均一にできない。流入口に近い流入側よりも、排気口に近い排気側の温度が高くなるからである。電池モジュールの流入側は流入口から供給される低い温度の空気で冷却されるが、排気側は電池の流入側を冷却して温度上昇した空気で冷却されるからである。この弊害は、区画室に供給する空気量を多くして少なくできる。しかしながら、空気量を増加させるには、区画室に強制送風するファンの消費電力が大きくなる欠点がある。また、ファンの騒音も大きくなる欠点がある。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、ファンの風量を増加させることなく、電池モジュールの温度差を少なくして、均一に冷却できる電源装置を提供することにある。
本発明の電源装置は、複数本の電池モジュール1が、内面形状を電池モジュール1の外面に沿う形状とするホルダーケース2の区画室4に収納されて、電池モジュール1と区画室4の内面との間に所定の間隔の冷却隙間3を設けている。ホルダーケース2は、区画室4の対向する位置に流入口13と排気口14とを設けて、流入口13から供給される空気を冷却隙間3に通過させて排気口14から排気するようにしている。電源装置は、排気側に近い冷却隙間3の間隔が、流入側の冷却隙間3の間隔よりも狭くなるように、電池モジュール1を中心をずらせて区画室4に配置している。
本発明の電源装置は、電池モジュール1の外形と区画室4の内形を円柱状として、電池モジュール1の中心軸1aを区画室4の中心軸4aに対して排気側に偏心して、電池モジュール1を区画室4に配置することができる。さらに、本発明の電源装置は、電池モジュール1の偏心量(d)を、電池モジュール1の外径(D)と区画室4の内径(W)の差の25〜75%とすることができる。
本発明の電源装置は、流入口13と排気口14を、区画室4の軸方向に伸びるスリット状とすることができる。さらに、本発明の電源装置は、流入口13の幅(ta)と排気口14の幅(tb)を、電池モジュール1の外径(D)と区画室4の内径(W)の差の1〜4倍とすることができる。
本発明の電源装置は、ファンの風量を増加させることなく、電池モジュールの温度差を少なくして、均一に冷却できる特長がある。それは、本発明の電源装置が、排気側に近い冷却隙間の間隔を、流入側の冷却隙間の間隔よりも狭くなるように、電池モジュールを、中心をずらせて区画室に配置しているからである。この構造の電源装置は、間隔が広い風上側の冷却隙間を通過する空気の流速を低下させて、間隔が狭い風下側の冷却隙間を通過する空気の流速を速くできる。冷却隙間に送風される空気の温度は、一般に、冷却隙間の間隔が同じ場合では、風上側よりも風下側で温度が高くなる。したがって、異なる温度で冷却される電池モジュールの温度は、風上側と風下側とで差が生じる。これに対して本発明の電源装置は、冷却隙間に送風される空気の風速を、風上側で遅く、風下側で速くするので、電池モジュールの全周を均一に冷却できる。とくに、本発明の電源装置は、電池モジュールを区画室に配置する位置をずらすという極めて簡単な構成によって、ファンの風量を増加させることなく、電池モジュールの温度差を少なくして、均一に冷却できるという正に理想的な冷却を実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電源装置を例示するものであって、本発明は電源装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図2に示す電源装置は、複数本の電池モジュール1と、この電池モジュール1を内蔵しているホルダーケース2と、ホルダーケース2の電池モジュール1を冷却するファン9とを備える。ホルダーケース2は、電池モジュール1を内部に複数の行列に平行に並べて収納しており、内部を通過する空気で電池モジュール1を冷却するようにしている。
電池モジュール1は、複数の二次電池、あるいは静電容量の大きなスーパーキャバシタを直線状に接続したものである。電池モジュール1は、たとえば、5本又は6本の二次電池を、直線状に直列に連結している。スーパーキャバシタを使用する電池モジュールは、複数のスーパーキャバシタを並列または直列に接続している。ただし、電池モジュールは、1本の二次電池やスーパーキャバシタで構成することもできる。図3に示す電池モジュール1は、円筒型の二次電池6を皿状接続体7で直線状に連結している。電池モジュール1の両端には、正極端子5Aと負極端子5Bからなる電極端子5を連結している。
皿状接続体7が二次電池6を直線状に連結する構造を、図3と図4に示している。この構造の電池モジュール1は、皿状接続体7の円盤部7Aを、円筒型の二次電池6の正極に溶接して接続している。皿状接続体7の円盤部7Aは、二次電池6の正極に溶接するプロジェクション7aを設けている。皿状接続体7のプロジェクション7aが正極に溶接されるとき、プロジェクション7aの上面に溶接用電極棒が押圧される。皿状接続体7と二次電池6とのショートを阻止するために、皿状接続体7と二次電池6との間に、リング状に絶縁体8が挟着される。
さらに、皿状接続体7は、フランジ部7Bの内側に二次電池6を挿入して、フランジ部7Bを二次電池6の負極である外装缶6Aに溶接する。フランジ部7Bも、円盤部7Aと同じように、内面に設けたプロジェクション7aを外装缶6Aに溶接する。このとき、フランジ部7Bには、プロジェクション7aの外側に溶接用電極棒が押圧される。
直列に連結される二次電池は、図示しないが、皿状接続体を使用することなく、U曲したリード板の対向面を互いに溶接して連結することもできる。この電池モジュールは、二次電池を放電させる方向に、大電流をパルス通電して、U曲したリード板の対向面を溶着する。さらに、電池モジュールは、二次電池の+−の電極の間に金属板を挟着する状態で、二次電池を放電させる方向に大電流パルス通電処理をして、金属板を二次電池の電極に溶着することもできる。
さらにまた、二次電池の間に金属板を挟着することなく、二次電池の+−の電極を直接に溶着することもできる。この二次電池は、正極端子である封口板の上部表面に円錐状の突起を設け、この突起を隣接する二次電池の負極端子に大電流パルス通電して溶接する。
複数の二次電池6が互いに直列に連結された電池モジュール1は、二次電池6の正極側には正極端子5Aを接続し、負極側には負極端子5Bを接続する。
電池モジュール1の二次電池6は、ニッケル−水素電池である。ただ、電池モジュールの二次電池は、リチウムイオン二次電池やニッケル−カドミウム電池等を使用することもできる。
電池モジュールは、図示しないが、各二次電池の表面に温度センサーを固定している。温度センサーは、電池温度を検出できる素子である。この温度センサーには、好ましくは、電池温度で電気抵抗が変化するにPTCが使用される。各二次電池の表面に固定される温度センサーは、センサーリードを介して直列に、直線状に連結されて、電池モジュールの表面に縦方向に延長して固定される。温度センサーとセンサーリードは、表面を被覆する熱収縮チューブ等で二次電池の表面に固定される。
ホルダーケース2は、図2に示すように、両面に対向して、第1表面プレート2aと第2表面プレート2bを有する箱形で、第1表面プレート2aと第2表面プレート2bと平行な面内に、複数の行列に電池モジュール1を並べて配設している。図のホルダーケース2は、内部に2行8列に電池モジュール1を収納している。ただ、本発明の電源装置は、図5に示すように、ホルダーケース2の内部に配設される複数の電池モジュール1を、1行に並べて収納することも、あるいは、図示しないが、3行以上に並べて収納することもできる。複数の電池モジュール1を1行に並べて配設する電源装置は、各列の電池モジュール1を効率よく冷却できる特長がある。さらに、複数の電池モジュールを3行以上に並べて配設する電源装置は、多数の電池モジュールをコンパクトに収納できる特長がある。
図2のホルダーケース2は、上下の蓋ケース2Aと、蓋ケース2Aの間に配設される中間ケース2Bとを備える。蓋ケース2Aと中間ケース2Bは、プラスチック等の絶縁材を成形して製作される。蓋ケース2Aは、第1表面プレート2aを一体成形している第1蓋ケースと、第2表面プレート2bを一体成形している第2蓋ケースとからなる。蓋ケース2Aと中間ケース2Bは、全体をプラスチックで成形しており、これ等を組み立ててホルダーケース2としている。
さらに、ホルダーケース2は、複数の電池モジュール1を積層する状態で収納している。図のホルダーケース2は、8本の電池モジュール1を同一面に並べている。ただ、ホルダーケースは、7本以下、あるいは9本以上の電池モジュールを同一面に並べることもできる。ホルダーケース2は、複数の電池モジュール1を収納するための区画室4を備える。各々の電池モジュール1は、各々の区画室4に配設される。すなわち、ひとつの区画室4にはひとつの電池モジュール1を収納している。これらの区画室4は、ホルダーケース2を構成する蓋ケース2Aと中間ケース2Bの内形を、電池モジュール1の外形に沿う形状に成形して設けられる。
中間ケース2Bは、両面に区画室4の半分を成形して設けている。上下の蓋ケース2Aは、内側面に区画室4の半分を成形して設けている。上の蓋ケース2Aは下面に、下の蓋ケース2Aは上面に区画室4の半分を設けている。中間ケース2Bの両面に上下の蓋ケース2Aを連結すると、中間ケース2Bと蓋ケース2Aに設けている半分の区画室4は互いに一致して閉鎖構造の区画室4となる。この区画室4に、電池モジュール1が収納される。
図5に示す電源装置は、複数の電池モジュール1を1行に並べて収納するので、ホルダーケース2を上下の蓋ケース2Aで構成している。上下の蓋ケース2Aは内側面に区画室4の半分を成形して設けている。このホルダーケース2は、上下の蓋ケース2Aを連結すると、蓋ケース2Aに設けている半分の区画室4が互いに一致して閉鎖構造の区画室4が形成される。
区画室4は、図2と図5に示すように、電池モジュール1表面に冷却隙間3を設ける状態で電池モジュール1を収納する。この区画室4は、内形を電池モジュール1の外形よりも大きくして、区画室4の内面と電池モジュール1表面との間に冷却隙間3を設けている。図のホルダーケース2は、電池モジュール1と区画室4を円柱状とし、区画室4の内径を電池モジュール1の外径よりも大きくして、区画室4の内面と電池モジュール1表面との間に冷却隙間3を設けている。
電池モジュール1を区画室4の定位置に配設するために、図6に示すホルダーケース2は、区画室4の内面に突出して、保持凸部10を一体成形している。保持凸部10は、蓋ケース2Aと中間ケース2Bに一体成形して設けられ、蓋ケース2Aと中間ケース2Bの保持凸部10で電池モジュール1を挟着して定位置に保持する。電池モジュール1は、区画室4の内面との間に、空気を通過できる隙間ができるように、保持凸部10で保持される。保持凸部10は、電池モジュール1に対して交差する方向に延長して設けられる。
以上のホルダーケース2は、電池モジュール1に直交する方向に空気を送風して、冷却隙間3を通過する空気で全ての電池モジュール1を冷却する構造としている。さらに、ホルダーケース2は、冷却隙間3に送風される空気で冷却される電池モジュール1の風上側と風下側とで温度差が生じるのを防止するために、電池モジュール1の中心軸1aを区画室4の中心軸4aに対して風下側にずらせて偏心して配置している。いいかえると、排気に近い風下側冷却隙間3Bの間隔が、流入側の風上側冷却隙間3Aの間隔よりも狭くなるように、電池モジュール1を区画室4に中心をずらせて配置している。電池モジュール1の中心軸1aを区画室4の中心軸4aに対してずらせて配置する状態を図7の概略拡大断面図に示す。この図に示すように、電池モジュール1の中心軸1aを区画室4の中心軸4aから風下側にずらして配置すると、間隔が広い風上側冷却隙間3Aを通過する空気の流速が低下して、この部分での電池モジュール1の冷却効果を低くし、間隔が狭い風下側冷却隙間3Bを通過する空気の流速が速くなって、この部分での電池モジュール1の冷却効果を高くする。冷却隙間3に送風される空気は、風下側では風上側よりも温度が高くなるが、この状態で区画室4に配置される電池モジュール1は、冷却隙間3に送風される空気の風速を、風上側で遅く、風下側で速くして、全周を均一に冷却できる。
電池モジュール1の中心軸1aを区画室4の中心軸4aに対してずらす偏心量(d)は、電池モジュール1の外径(D)と区画室4の内径(W)の差の25〜75%とする。偏心量(d)が小さ過ぎると、風下側冷却隙間3Bを通過する空気の流速を風上側冷却隙間3Aの流速に対して十分に速くすることができなくなり、電池モジュール1の全周を均一に冷却できなくなる。反対に、偏心量(d)が大きすぎると、風下側冷却隙間3Bの間隔が狭くなりすぎて、ここを通過するを空気による圧力損出が大きくなり、効率よく冷却できなくなる。したがって、電池モジュール1の偏心量(d)は、これらのことを考慮して前述の範囲で最適な値とする。
図5に示すホルダーケース2は、同一平面内に平行に並べられた全ての電池モジュール1を風下側にずらせて偏心して配置している。この電源装置は、全ての電池モジュールを均一に冷却できる特長がある。ただ、電源装置は、必ずしも全ての電池モジュールを風下側にずらせて区画室に配置する必要はない。図2に示すホルダーケース2は、上下2段に電池モジュール1を配置しており、風上側である上段に配置される電池モジュール1を偏心することなく区画室4の中心に配置し、風下側である下段の電池モジュール1を風下側にずらせて配置している。すなわち、上段の電池モジュール1は、区画室4と中心軸が一致するように配置して冷却隙間3の間隔を電池モジュール1の全周において略一定としている。この構造の電源装置は、とくに、温度差が生じやすい風下側に配置される電池モジュール1を均一に冷却できる特長がある。
さらに、電池モジュールを2段に配置する電源装置は、各段の電池モジュールを風上側から風下側にずらせて配置して、全ての電池モジュールを均一に冷却することもできる。電池モジュール1が2段に配置されるホルダーケース2内に空気を送風する他の例を図8と図9に示す。図8のホルダーケース1は、上下面に沿って空気の流入路11を設け、中間に空気の排出路12を設けている。このホルダーケース2は、上段の電池モジュール1を下方にずらして、下段の電池モジュール1を上方にずらして配置して、全ての電池モジュールを均一に冷却できる。図9のホルダーケース1は、中間に流入路11を設けて上下の両面に沿って排出路12を設けている。このホルダーケース2は、上段の電池モジュール1を上方にずらして、下段の電池モジュール1を下方にずらして配置して全ての電池モジュールを均一に冷却できる。ただ、本発明の電源装置は、電池モジュールの配列と、位置をずらす電池モジュールを特定するものではない。電源装置は、一部あるいは全ての電池モジュールの位置を風下側にずらして、一部あるいは全ての電池モジュールの風上側と風下側の温度差を少なくしながら冷却することができる。
図の電源装置は、電池モジュール1と区画室4を円柱状としている。ただ、図示しないが、電池モジュールは角柱状とすることもできる。この形状の電池モジュールを内蔵する電源装置は、電池モジュールと区画室を角柱状とする。角柱状の電池モジュールも、中心軸を区画室の中心軸に対して風下側にずらせて偏心して配置して、風下側の冷却隙間を風上側の冷却隙間よりも狭くする。
ホルダーケース2は、各々の区画室4に、分流された冷却空気を通過させる。このことを実現するために、第1表面プレート2aを貫通して、各々の区画室4を分流して空気を流入させる流入口13を開口しており、第2表面プレート2bを貫通して、各々の区画室4の空気を外部に排出する排気口14を開口している。流入口13の開口幅(ta)と排気口14の開口幅(tb)は、電池モジュール1の外径(D)と区画室4の内形(W)の差の1〜4倍としている。
図のホルダーケース2は、第1表面プレート2aに、区画室4の中央部分に位置して、軸方向に伸びるスリット状の流入口13を開口している。また、ホルダーケース2は、第2表面プレート2bに、区画室4の中央部分に位置して、軸方向に伸びるスリット状の排気口14を開口している。この形状の流入口13と排気口14を備えるホルダーケース2は、電池モジュール1の表面に沿って、冷却空気を速やかに流動させて、効率よく冷却できる特長がある。
図2と図5の電源装置は、第1表面プレート2aの表面に空気の流入ダクト15を設けている。流入ダクト15はファン9に連結され、ファン9は流入ダクト15に冷却空気を強制的に供給する。流入ダクト15の冷却空気は、各々の流入口13に分流されて、各々の区画室4に流入される。図に示す電源装置は、第1表面プレート2aに開口される複数の流入口13の開口幅を等しくしている。ただ、図示しないが、電源装置は、全ての区画室に均一に冷却空気を通過させるために、流入ダクトの上流側の流入口を、下流側の流入口よりも小さくすることもできる。この電源装置は、流入ダクトの上流側では、ファンから供給される冷却空気の圧力が高いので、小さい流入口から多量の空気が供給される。流入ダクトの下流側においては、冷却空気の圧力が低くなるので、流入口を大きくして区画室に供給される空気量を多くできる。したがって、この構造の装置は、全ての区画室に均一に冷却空気を供給できる。
電源装置は、図2の鎖線で示すように、第2表面プレート2bの表面に空気の排出ダクト16を設け、この排出ダクト16にファン9を連結することもできる。ファン9は排出ダクト16の冷却空気を強制的に吸引して排気する。排出ダクト16は、各々の区画室4から排出される空気を一緒にして排気する。図に示す電源装置は、第2表面プレート2bに開口される複数の排気口14の開口面積を等しくしている。ただ、図示しないが、電源装置は、各々の区画室に均一に冷却空気を通過させるために、排出ダクトの上流側の排出口を、下流側の排出口よりも大きくすることもできる。この電源装置は、排出ダクトの下流側では、ファンで効率よく冷却空気が吸引されるので、小さい排出口から多量の空気が排出される。したがって、この構造の装置は、全ての区画室に均一に冷却空気を通過できる。
とくに、電源装置は、排出ダクトの下流側の流入口に対向する排出口を、上流側の流入口に対向する排出口よりも小さくことができる。この電源装置は、流入口を上流側から下流側に向かって次第に多きくし、排出口を上流側から下流側に向かって次第に小さくする。この電源装置は、狭い排出口から排出される空気の流速を、広い排出口から流入される空気よりも速くできる。このため、ファンから離れた位置にある電池モジュールであっても効率よく冷却できる。
さらに、電源装置は、図5に示すように、第1表面プレート2aの表面に空気の流入ダクト15を設けて、第2表面プレート2bの表面に空気の排出ダクト16を設けることもできる。この電源装置は、流入ダクト15と排出ダクト16の一方あるいは両方にファン9を連結して強制的に空気を流動させることができる。このように、流入ダクト15と排出ダクト16を有する電源装置は、空気の流入位置と排出位置の両方を特定できる。
図2の電源装置は、2行の複数の電池モジュール1を図において上下に対向して配設しているが、本発明の電源装置は、複数行に並べて配設される複数の電池モジュールの隣接する行に配列される電池モジュールを段違いに配設することもできる。この電源装置は、図示しないが、上下2行に配列される電池モジュールの位置を多少左右にずらして段違いに配設することもできる。この電源装置は、流入口から排気口に向かって流動する空気の流動方向を、第1表面プレートと第2表面プレートに垂直な方向に対して傾斜するように、各行の電池モジュールを段違いに配設することによって、流入ダクトから供給される空気を、速やかに流入口から冷却隙間に流入させて、区画室を通過した空気を排気口から排出ダクトにスムーズに排出できる。
従来の電源装置の断面斜視図である。 本発明の一実施例にかかる電源装置の概略断面図である。 図2に示す電源装置の収納される電池モジュールの側面図である。 図3に示す電池モジュールの分解断面図である。 本発明の他の実施例にかかる電源装置の概略断面図である。 図2に示す電源装置のA−A線断面図である。 図5に示す電源装置の要部拡大断面図である。 本発明の他の実施例にかかる電源装置の概略断面図である。 本発明の他の実施例にかかる電源装置の概略断面図である。
符号の説明
1…電池モジュール 1a…中心軸
2…ホルダーケース 2A…蓋ケース 2B…中間ケース
2a…第1表面プレート 2b…第2表面プレート
3…冷却隙間 3A…風上側冷却隙間 3B…風下側冷却隙間
4…区画室 4a…中心軸
5…電極端子 5A…正極端子 5B…負極端子
6…二次電池 6A…外装缶
7…皿状接続体 7A…円盤部 7B…フランジ部
7a…プロジェクション
8…絶縁体
9…ファン
10…保持凸部
11…流入路
12…排出路
13…流入口
14…排気口
15…流入ダクト
16…排出ダクト
21…電池モジュール
22…ホルダーケース
23…隔壁 23a…対向面
24…区画室
25…送風冷却隙間
26…流入口
27…排気口

Claims (5)

  1. 複数本の電池モジュール(1)が、内面形状を電池モジュール(1)の外面に沿う形状とするホルダーケース(2)の区画室(4)に収納されて、電池モジュール(1)と区画室(4)の内面との間に所定の間隔の冷却隙間(3)を設けており、
    さらに、ホルダーケース(2)は、区画室(4)の対向する位置に流入口(13)と排気口(14)とを設けて、流入口(13)から供給される空気を冷却隙間(3)に通過させて排気口(14)から排気するようにしてなる電源装置であって、
    電池モジュール(1)が、排気に近い冷却隙間(3)の間隔が、流入側の冷却隙間(3)の間隔よりも狭くなるように、区画室(4)に中心をずらせて配置してなることを特徴とする電源装置。
  2. 電池モジュール(1)の外形と区画室(4)の内形が円柱状で、電池モジュール(1)の中心軸(1a)を区画室(4)の中心軸(4a)に対して排気側に偏心して、電池モジュール(1)を区画室(4)に配置している請求項1に記載される電源装置。
  3. 電池モジュール(1)の偏心量(d)が、電池モジュール(1)の外径(D)と区画室(4)の内径(W)の差の25〜75%である請求項2に記載される電源装置。
  4. 流入口(13)と排気口(14)が、区画室(4)の軸方向に伸びるスリット状である請求項1に記載される電源装置。
  5. 流入口(13)の幅(ta)と排気口(14)の幅(tb)が、電池モジュール(1)の外径(D)と区画室(4)の内径(W)の差の1〜4倍である請求項4に記載される電源装置。
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