JP2006107712A - マルチレベル回折格子とグレーレベル回折格子 - Google Patents

マルチレベル回折格子とグレーレベル回折格子 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスク装置の光ピックアップ用として、高い回折効率の回折格子を提供する。
【解決手段】光記録媒体で反射した光ビームを分割するためのビームスプリッタとしての回折格子であって、周期的形状の複数の溝を含む複数の区画を有し、その内の少なくとも1つの区画は高次の回折光を主とするような格子周期および格子深さを持つ。
【選択図】図11

Description

本発明は、回折格子等に関する。
データを、光記憶媒体に記録する/光記憶媒体から再現(再生)するのに用いられる光ピックアップ装置は、光記憶媒体で反射した光ビームを分割するためのビーム・スピリッタを含む。これらの分割されたビームは、光検出器で検出されて、それらの検出された光ビームは、トラッキング(追跡)、フォーカス(焦点)、球面収差の制御に用いられるディジタル信号に変換される。分割されたビームを、光検出器の適切な部分に向けるために、ビーム・スプリッタは、分割されたビームを所定の角度で回折させることのできる回折格子を備えている。この回折格子は、一般に、0次、±1次、±2次、±3次、および、それよりも高い次数の光など、いくつかの次数の回折光ビームを作り出す。
回折格子は、屈折型の回折格子、あるいは反射型の回折格子であることもある。ビーム・スプリッタに使用される従来の回折格子は、バイナリ・クロム・マスクを用いるフォトリソグラフィック・プロセスにより作り出されるバイナリ・タイプのものである。バイナリ・クロム・マスクを用いる代表的なフォトリソグラフィック・プロセスは、図1に示されている。まず最初に、基板上に、フォトレジストをスピン・コーティングする。次に、所望のパターンのクロム・フォトマスクをフォトレジスト上にセットする。次に、マスク露光装置(maskaligner)またはステッパを用いて、フォトマスクを通して、フォトレジストに露光を行う。そのような露出の後で、このフォトレジストの露光部分は、現像プロセスにより除去される。次に、その基板は、RIE(反応性イオン・エッチング)によるプラズマ・エッチング、イオンビーム・ミリング(ionbeam milling)、またはウェット化学エッチングなどの任意の適切なエッチング法を用いてエッチングされる。最後に、残りのフォトレジストが剥ぎ取られて、最終的なバイナリ回折格子を製造する。
前述のやり方で構築され、かつ入射光ビームを持つバイナリ回折格子の一例が図2に示されている。図2に示されるバイナリ回折格子は、その周期が1.00μmであり、またそのデューティ・サイクル(dutyratio)が50%である。図2に示されるバイナリ回折格子は、波長が405nmであり、かつ入射角が格子垂線から45°であるTEモード(S偏光)の入射ビーム光を受ける。バイナリ回折格子の表面は、屈折率が、実部ではn1=0.063116801、また虚部ではn2=4.8182597であるように、銀メッキされている。回折格子の深さは、シミュレーション・パラメータに応じて変る。
図2に示されるように、0次のビームは、ミラーでの反射と同様に、バイナリ回折格子により完全に反射され、また0次のビームの回折角は45°である。−1次のビームは、18°の角度だけ回折され、また、−2次のビームは、−6°の角度だけ回折され、さらに、−3次のビームは、−30°の角度だけ回折される。図2に示されるように、これらの角度はすべて、格子垂線から測定される。格子垂線から時計回りに測定される角度は、正の角度であり、また、格子垂線から反時計回りに測定される角度は、負の角度である。したがって、この入射光と、異なる次数の回折光は、それらの光が格子垂線のどちらの側に現れるかにより、正の角度、あるいは負の角度である。
このようなバイナリ回折格子が、入射光ビームを、多くの次数の光に分割するとはいえ、この入射光の大部分は、0次のビームと±1次のビームに配分される。これは、格子深さが0.1μmである場合に、図2の例として回折効率を与える下記の表1に実証されている。回折効率は、−2次の光や−3次の光よりも、0次の光や−1次の光の方が、著しく高い。
Figure 2006107712
この格子深さは、回折角には関係しないが、次に説明される回折効率と関係を持っている。m次のビームの回折効率は、入射ビームのパワーと、m次の回折ビームのパワーとの比率と定義される。図3は、図2に示されるバイナリ回折格子の場合に、0次の回折光、−1次の回折光、−2次の回折光、−3次の回折光のそれぞれに対して、様々な格子深さでの回折効率を示している。図3に示される上記次数の回折光の比較から、次数が高くなるにつれて、バイナリ回折格子に対する回折効率は下がることが明らかである。
図3および表1に基づいて、バイナリ回折格子の第1の顕著な特徴は、回折された次数の光のそれぞれに対する回折効率が50%よりも大きくないことである。さらに、回折ビーム・エネルギーの大部分は、バイナリ回折格子中に、0次の回折光と、−1次の回折光となって蓄積される。特に、図2のバイナリ回折格子が0.1μmの深さを持つ例に関して、表1に反映されるように、入射ビームのほぼ85%が、0次の回折ビームと、−1次の回折ビームで占められる。入射ビームの他の15%は、残りの次数の回折光で共用される。0次の回折ビームは、最大の効率をもたらすとはいえ、0次の回折ビームに対して回折角を変更することができず、その結果、0次の回折ビームは、実際の用途には適さない。それゆえ、±1次の回折光をバイナリ回折格子に使用して、このビームを所望の方向に分割する。
バイナリ回折格子の第2の顕著な特徴は、回折効率が、図3に示される格子深さに関して変動することである。このような特性の結果、回折効率を最大にするために、特定の次数の回折ビームに対して、複数の深さを選択することができる。しかしながら、バイナリ回折格子を製造するときに、どんな潜在的な製造欠陥も最小限に抑えるためには、この変動する(oscillating)回折効率の第1のピークに対応する深さが、一般に選択される。これは、格子深さがさらに浅い、すなわち、さらに小さいことから、製造プロセスの間、受け入れられるバイナリ回折格子に欠陥がさらに少なくなり、かつ、その歩留りが改善されるからである。例えば、0.1μmの格子深さに対応する図3に示される−1次の回折ビームの第1のピークが選択されることになる。
DVD、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどの現行光ディスク技術は、赤色レーザ(680nmの波長)を使用して、データを読み書きするが、一方、ブルーレイ・ディスク(BD)やHD(高密度)などの最近現れた光ディスク形式は、青色レーザ(405nmの波長)を使用している。短い方の青色波長を使用すれば、さらに高い精度でレーザビームの焦点を合わせ、かつ、さらに多くのデータをディスク上に密に詰め込む(パックする)ことが可能である。しかしながら、現行光ディスクに用いられる長い方の波長と比較すると、短い方の波長の使用に関連して、2つの問題が現れる。その第1の問題は、光電子変換効率が、短い方の波長に対して低いことである。第2の問題は、回折格子上の反射性メッキ層の反射率が、短い方の波長には不充分でありがちであることである。これらの問題の結果として、利用できる量のレーザ・エネルギーは、これらの最近現れた光ディスク形式に関連して、さらに低い。それゆえ、少ない方のレーザ・エネルギー量を補償するために、効率を高めるのに効果的であり、また、現在利用できる製造手法を用いて比較的に容易に製造できる回折格子が、現在、強く必要とされている。
本発明は、高い回折効率を達成できるマルチレベル回折格子(multi−level diffraction grating)とグレーレベル回折格子(gray−level diffraction grating)を提供することで、また、これらの回折格子を設計して、これらの回折格子をビーム・スプリッタや光ピックアップ装置に使用する効果的な設計方法を提供することで、前述の問題を解決することを対象としている。
本発明により、光ピックアップ装置に使用する回折格子が提供される。この回折格子は、少なくとも2つの区画(partition)を含み、かつ、それぞれの区画は、所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる。これらの少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる複数の溝は、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長である。
本発明の他の面により、光ピックアップ装置に使用する回折格子が提供される。そこでは、この回折格子は、少なくとも2つの区画を含み、かつ、それぞれの区画は、所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる。これらの少なくとも2つの区画の第1の区画に含まれる複数の溝は、第1の所定入射光角度に対して第1の所定の回折角を持つ+1次の回折光と−1次の回折光のいずれかに使用するように設計されており、また、これらの少なくとも2つの区画の第2の区画に含まれる複数の溝は、第2の所定入射光角度に対して第2の所定の回折角を持つ+m次の回折光と−m次の回折光(ここで、mは1よりも大きい整数である)のいずれかに使用するように設計されている。
本発明の他の面により、光記録媒体で反射した光ビームを分割するために、ビーム・スプリッタが備えられる。ビーム・スプリッタは、発光素子と光記録媒体との間の光の進路に沿って配置されるものであって、発光素子から送り出された光を光記録媒体の方に向け、また、光記憶媒体で反射した光を回折格子の方に向けるように作動する偏光ビーム・スプリッタ面を含み、しかも、この回折格子は、この偏光ビーム・スプリッタ面で方向づけられた光を受け取るように配置されている。この回折格子は、少なくとも2つの区画を含み、かつ、それぞれの区画は、所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる。これらの少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる複数の溝は、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長である。
本発明の他の面により、光ピックアップは、進路に沿って光記録媒体へ光を送り出すように作動する発光素子、この光記録媒体で反射した光を受け取るように作動する回折格子であって、少なくとも2つの区画を含み、かつ、それぞれの区画が、所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる回折格子であって、これらの少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる複数の溝が、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長であるような回折格子、および、この回折格子で反射した光を受け取り、その受け取った光をディジタル信号に変換するように作動する光検出器を備えている。
本発明の他の面により、光ピックアップ装置に使用する回折格子を設計する方法であって、この回折格子上に少なくとも2つの区画を提供すること、これらの少なくとも2つの区画のそれぞれに、所定の周期的形状を成す複数の溝を提供すること、これらの少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる複数の溝の周期を、周期=m×p(式中、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、ここで、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、また、λ=入射光の波長である)の通り、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)ようにセットすることを含む方法が提供される。
本発明の他の面により、光ピックアップ装置に使用する回折格子であって、複数の区画を含んで、それぞれの区画が複数の溝を持ち、しかもそれらの溝が、所定の周期的形状を成し、また入射光の波長λ、所定の入射光角度θin、所定の回折光角度θdif、所定の周期=p0、および所定の深さ=d0を持つような回折格子を設計する方法が提供される。この方法は、複数の区画の1つを選択すること、m次の回折光を、+1(正の次数)と−1(負の次数)のいずれかになるようにセットすること、p=mλ/(sinθdif−sinθin)の式を用いて、複数の溝の周期pを計算すること、pがp0よりも大きいかどうか判定し、pがp0よりも大きくない場合には、mを、m+1(正の次数)とm−1(負の次数)のいずれかになるようにセットして、上記計算することと上記判定することを繰り返すこと、pがp0よりも大きい場合には、最大の回折効率をもたらす格子深さdを得ること、この得られた格子深さがd0よりも大きいかどうか決定し、この得られた格子深さがd0よりも大きくない場合には、mを、m+1(正の次数)とm−1(負の次数)のいずれかになるようにセットして、上記計算すること、上記判定すること、上記決定することを繰り返すこと、この得られた格子深さがd0よりも大きい場合には、この得られた格子深さd、周期p、mの次数を、この選択された区画用の設計パラメータとして選択すること、および、これらの複数の区画のうちの残りの区画1つ1つについて、上記選択すること、上記セットすること、上記計算すること、上記判定すること、上記決定することを繰り返すことを含む。
本発明の他の面により、光ピックアップ装置に使用する回折格子を設計する方法であって、この回折格子上に少なくとも2つの区画を提供すること、これらの少なくとも2つの区画のそれぞれに、所定の周期的形状を持つ複数の溝を形成すること、第1の所定の入射光角度に対して、第1の所定の回折角を持つ+1次の回折光と−1次の回折光のいずれかを使用するために、上記少なくとも2つの区画の第1の区画に含まれる複数の溝の周期を選択すること、および、第2の所定の入射光角度に対して、第2の所定の回折角を持つ+m次の回折光と−m次の回折光(ここで、mは1よりも大きい整数である)のいずれかを使用するために、上記少なくとも2つの区画の第2の区画に含まれる複数の溝の周期を選択することを含む方法が提供される。
本発明の他の面により、光を光学媒体に送り出すように作動する発光素子、この光学媒体で反射した光を回折させて、第1の回折光と第2の回折光をそれぞれ形成するように作動する第1の部分と第2の部分を含む回折格子、この回折格子の第1の部分で回折する第1の回折光を検出するように作動する第1の光検出区間、および、この回折格子の第2の部分で回折する第2の回折光を検出するように作動する第2の光検出区間を備える光ピックアップであって、上記第1の回折光の次数が、上記第2の回折光の次数よりも大きい光ピックアップが提供される。
本発明の他の面により、光を光ディスクに送り出すように作動する発光素子、この光ディスクで反射した光を回折させて、第1の回折光と第2の回折光をそれぞれ形成するように作動する第1の部分と第2の部分を含む回折格子、この回折格子の第1の部分で回折する第1の回折光を検出するように作動する第1の光検出区間、および、この回折格子の第2の部分で回折する第2の回折光を検出するように作動する第2の光検出区間を備える光ディスク装置であって、上記第1の回折光の次数が、上記第2の回折光の次数よりも大きく、また上記第1の回折光と上記第2の回折光がそれぞれ、フォーカシング信号とトラッキング信号に使用される光ディスク装置が提供される。
上述の本発明の様々な面により、これらの複数の溝は、格子深さ≒m×d(式中、dは、周期pに対して、最大回折効率に対応する深さである)を持つように、設計できる。
上述の本発明の様々な面により、この回折格子は、グレーレベル回折格子とマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、その所定の形状は、それぞれ、ブレーズ型鋸歯形状と階段形状のいずれかであることもある。
本発明のさらなる適用分野は、以下で与えられる詳細な説明から明らかになろう。この詳細な説明と具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、例示目的だけのために示されて、本発明の範囲を制限するつもりはないものとする。
本発明の上記および他の目的、特徴、利点は、添付図面といっしょに、以下の詳細な説明を読めば、より明確に理解されよう。
図4と図5を参照すると、それぞれ、本発明によるグレーレベル回折格子の例とマルチレベル回折格子の例が示されている。特に、図4は、グレーレベル回折格子の一例として、pの周期とdの格子深さを持つブレーズ型回折格子を示している。また、図5は、マルチレベル回折格子の一例として、pの周期とdの格子深さを持つ階段状回折格子を示している。残りの説明は、本発明の好ましい実施形態として、ブレーズ型回折格子の特性および特徴に向けられることになるが、このような特性および特徴は、図5に示される階段状回折格子などの他のグレーレベル・タイプおよびマルチレベル・タイプの回折格子にも適用できるものとする。
ブレーズ型回折格子1の一例の断面図を示す図6を参照すると、所定の周期的形状として鋸歯形状を成す複数のブレーズ型溝2が、この回折格子上に設けられる。比較の目的で、図2に示されるバイナリ回折格子用のものと同一のパラメータが、図6に示されるブレーズ型回折格子に施される。具体的に言えば、ブレーズ型格子は、405nmの波長と、格子垂線から45°の入射角を持つTEモード(S偏光)入射光ビームを受ける。この回折格子の深さは、シミュレーション・パラメータに応じて変る。図6に示されるように、0次の光ビームの回折角は45°であり、−1次の光ビームは、18°の角度だけ回折し、−2次の光ビームは、−6°の角度だけ回折し、また、−3次の光ビームは、−30°の角度だけ回折する。これらの回折角は、図2に示されるバイナリ回折格子の回折角と同一である。これらの回折角が、バイナリ回折格子でも、ブレーズ型回折格子でも同一であるという理由は、m次の回折ビームの回折角を計算するのに用いられる下記の式がバイナリ回折格子だけでなく、ブレーズ型回折格子にも当てはまるためである:
数式1: p(sinθdif−sinθin)=mλ
数式1において、pは、これらの溝の周期であり、また、θinとθdifは、それぞれ入射角と回折角であって、それぞれ、格子垂線に対して測定される。
図7は、図6に示されるブレーズ型回折格子で回折する異なる次数の回折光の、様々な格子深さに対する回折効率を示すグラフである。図7と図3のグラフの比較から、ブレーズ型回折格子の2つの個々の特性が注目に値する。第1の特性は、ブレーズ型回折格子の格子深さに適した選択が、一般に、異なる次数の回折光ビームの1つに対して、高い回折効率をもたらすことである。例えば、図7のグラフを用いて、0.52μmが、所望の格子深さとして選択される場合には、−2次の光ビームは、約78%という最大の回折効率をもたらす唯一のビームである。残りの次数のそれぞれに対する回折効率は、このような所望の格子深さでは、約10%よりも大きくない。ブレーズ型回折格子の第2の特性は、異なる次数の回折光ビームのそれぞれに対して、ピーク効率をもたらす唯一の最適な格子深さがあることである。言い替えると、異なる次数の回折光はそれぞれ、ただ1つの格子深さにて、ただ1つの最大ピークを持っている。例えば、−3次の回折光に関して、図7のグラフを調べれば、約81%のピーク効率をもたらす0.95μmの最適な格子深さがただ1つあることが明らかである。格子深さと、異なる次数の回折光のピーク効率との関係を表わす下記の表2には、ブレーズ型回折格子のこれらの記述された2つの特性が示されている。
Figure 2006107712
表1と表2を比較すれば、ブレーズ型回折格子は、バイナリ回折格子よりも大きい回折効率をもたらすことがまったく明らかである。したがって、ブレーズ型回折格子は、効率の見地から、バイナリ回折格子に優る有意な恩恵をもたらす。もちろん、考慮に入れなければならない重要な問題は、ブレーズ型回折格子が製造できることである。特に、ブレーズ型回折格子の製造の間に考慮されるべき2つの大きさは、以下で説明される格子深さとブレーズ型溝の周期である。
まず最初に、ブレーズ型回折格子の格子深さの問題を説明することから始めると、格子深さが浅いときにブレーズ型回折格子を製造することの難しさを扱わなければならない。このように浅い格子深さは、特に重要である。これは、さきに記述されたように、ブルーレイ・ディスク形式とHD(高密度)ディスク形式が、比較的に短い波長の光(405nm)を持つ青色レーザの利用を必要とするからである。例えば、設計要件が、−2次の回折光ビームを、図6に示される模範的なブレーズ型回折格子に使用するものとしてみよう。このような場合、約0.52μmの格子深さを使用して、上記の表2に示されるように、約78%の最大効率を達成しなければならない。ブレーズ型回折格子の製造では、さきに記述されたバイナリ回折格子の製造と同様なフォトリソグラフィ・プロセスが、一般に使用される。このフォトリソグラフィック・プロセスを使用して、基板上にスピン・コーティングされたフォトレジスト中に、鋸歯外形を形作り、次に、プラズマ・エッチングを用いて、この基板にエッチングを行って、その鋸歯外形を基板中に転写する。しかしながら、ブレーズ型回折格子を製造するプロセスは、鋸歯外形上にノイズをもたらす工程を含む。次に、このようなノイズの一例として、図8を参照する。図8には、所望のブレーズ型回折格子が、「理想的なもの」で示されており、また、グレースケール・レーザ・ライタで得られる実際のブレーズ型回折格子が、「現実のもの」で示されている。図8に表わされるように、利用可能なグレースケール・レーザ・ライタは、フォトレジストの外形上に、約0.3μmRMS(実効値)のノイズをもたらす。このノイズは著しいものであって、それぞれのブレーズ型溝の所望の格子深さが約0.5μmにすぎないという事実により、無視できない。したがって、1つの鋸歯外形中に、なめらかな、あるいは障害物のない多段傾斜を作ることは難しいから、さらに深い鋸歯外形をカットする必要がある。
ブレーズ型回折格子の第2の問題は、ブレーズ型溝の周期である。短い方の405nmの波長を持つ青色レーザを使用し、かつ、ビームを、さらに急勾配な角度で回折させたいときには、所要の周期は短くなければならない。このような関係は、さきに述べられた「数式1」から容易に推定される。これは、入射角と回折角が決まっていて、また、405nmという短い方の波長が使用される場合に、この周期もさらに短くしなければならないからである。入射角と波長が決まっていて、かつ、回折する次数の光の角度が小さいとき(すなわち、入射角と回折角が互いに組み合わされると、大きい角度が得られる)。以下に与えられる表3(a)は、ブレーズ型溝の周期と、入射光の異なる波長との関係を示している。以下に与えられる表3(b)は、ブレーズ型溝の周期と、回折角(回折角は、格子垂線に対するものである)との関係を示している。
Figure 2006107712
例証として、表3(a)は、−1次の回折光、25°の回折角、および45°の入射角では、波長が短くなるにつれて、ブレーズ型回折格子の格子周期が短くなることを示している。
Figure 2006107712
他の例証として、表3(b)は、−1次の回折光、0.405μmの波長、および45°の入射角では、回折角が小さくなるにつれて、ブレーズ型回折格子の格子周期が短くなることを示している。
ブレーズ型回折格子の格子深さと周期に関する上述の関係および制約条件にかんがみて、ブレーズ型回折格子を製造する負担および費用も最小限に抑えなければならない。
しかしながら、ブレーズ型回折格子の製造の期間中、露光工程の間に使用されるステッパまたはマスク露光装置の解像度が制限されるという事実により、実現できる最小格子周期は、このような露光設備の解像度により制限される。現在、約1ミクロンの特徴サイズ(解像度)を持つステッパに、「g線」露光光源(436nm)を使用する。したがって、g線ステッパを使用しても、1ミクロンよりも短い周期を持つ回折格子を製作することは不可能である。g線ステッパに代る別法として、365nmというさらに短い波長と、約0.5ミクロンの特徴サイズを持つ「i線」ステッパがある。しかしながら、どの寸法も0.5ミクロンよりも小さい回折格子の製作については、i線ステッパを使用しても、不可能である。同様に、すべてのステッパは、限られた特徴サイズを持っており、また、従来のやり方で用いられる回折格子を、従来の設計法を使用して製造する限りは、その格子周期は、つねに、露光の波長により制限される。
次に与えられる説明は、本発明が、ビーム・スプリッタと光ピックアップ装置に効果的に用いられる高効率の回折格子を設計でき、かつ、これらの回折格子を製造できるようにするやり方を狙いとしている。
図9Aは、入射光の波長=λ、入射角=θinc、回折角=θdiffという定められた特性を持つ−1次の回折光を使用するブレーズ型回折格子の例証を示している。最適な格子深さはdであり、また周期pは、「数式1」を用いて計算される。図9Bに示されるように、−1次の回折光を使用する上記のブレーズ型回折格子は、dの格子深さに対応するMaxEfにて、ただ1つの最大効率を持っている。しかしながら、pの周期と、dの格子深さが、許容製造しきい値よりも小さい場合には、高レベルの回折効率を維持しながら、周期pと格子深さdを大きくすることが必要となる。本発明により、さらに高い次数の回折光を使用して、前述の定められた特性に影響を及ぼすことなく、上記の周期および格子深さを、それらが所定の製造しきい値を超えるように大きくすることが可能である。具体的に言えば、−1次の回折光を−2次の回折光に変える場合には、図10Aに示されるように、その周期をpから2pに2倍にし、かつ、その格子深さをdから約2dにほぼ2倍にすることで、その定められた特性の変更を必要とせずに、高レベルの回折効率を達成することが可能である。図10Bに示されるように、約2dの格子深さに対する回折効率は、約MaxEfである。したがって、−2次の光ビームを使用すれば、また、その周期を2倍にし、かつその格子深さをほぼ2倍にすれば、−1次の光ビームを用いて達成されるものとほぼ同一の回折効率を得るために、−1次の光ビームと同一の入射ビームおよび同一の回折角を使用することができる。
したがって、さらに高い次数の回折光を効果的に使用できるようにするために、複数の溝は、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長であって、ここでは、200nm〜790nmの範囲内にある。さらに高い次数の回折光を使用するときにも、m×dにほぼ等しい格子深さを持つように、これらの複数の溝を設けることができる。ここで、dは、pに対して、最大回折効率に対応する格子深さである。回折光の角度があまり大きくないときには、スカラー理論を用いれば、最適な格子深さを得ることができる。別法として、例えばGSOLVERなどの市販の製品、あるいは、RCWM(RigorousCoupled Wave Method)に基づく自製のアルゴリズム/プログラムを使用して、回折効率を計算すれば、最適な格子深さを得ることができる。
±1次よりも高い次数の回折光を使用する本発明による上記方法を用いれば、所定の最小製造しきい値を満たし、かつ/または、そのしきい値を超える周期および格子深さを持つように、ブレーズ型回折格子を設計することができる。
前述の式および関係における個々の値が、本発明の新規な概念から逸脱することなく、わずかな変化度/許容差を受けることに留意する。これらの変化度/許容差は、関連する極めて小さい寸法によるもの、さらに、そのような小さい寸法の正確な測定に固有の難しさにもよるものと考えられる。例えば、屈折型の回折格子の場合には、回折角θdifは、基準軸線(例えば、入射ビーム軸線)に対する光検出器の位置を決定することにより、測定される。しかしながら、光検出器のうち、光がぶつかる面は特定の幅を持っているから、光検出器のうち、回折光がぶつかる面上の正確な地点を突き止めることは困難である。したがって、光検出器の幅は、許容差をもたらす。その結果、前述の式および関係における数値のわずかな変化度/許容差は、本発明の新規性の範囲内にも包含されることが理解されよう。例えば、複数の溝の周期がm×pからわずかに逸れることは許容でき、また、複数の溝の格子深さがm×dからわずかに逸れることも許容できる。
次に、図11を参照すると、本発明による1次の格子形態と、さらに高い次数の格子形態の上面図の模範的な比較が示されている。図11に示されるように、ブレーズ型回折格子は、複数の区画を含み、しかも、それぞれの区画は、例えば、鋸歯形状または階段形状などの所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる。図11に示される模範的なブレーズ型回折格子は、光検出器12の6つの部分に対応する6つの区画を持っているが、個々の設計基準に応じて、区画の数を増減できることに留意する。その区画の数および配列は、一般に、光検出器12上に設けられた区分エリアの数および配列に対応するように与えられる。例えば、光検出器が、第1の光検出区間と第2の光検出区間を持っている場合には、その回折格子は、第1の部分と第2の部分を持つことになる。図11に示されるように、1次の格子形態において、区画3、区画4、区画6に含まれる溝の周期は、短くて、あらかじめ定められた最小製造しきい値よりも短い。図11に示される対応する元のビーム次数には、1次のビームしか含まれていない。これと対照的に、本発明による高い方の次数の格子形態は、さらに高い次数のビームを用いることで、区画3、区画4、区画6の周期を長くする。特に、図11に示されるように、本発明の高い方の次数の格子形態により、区画3、区画4、区画6は、2次の回折ビームと3次の回折ビームを持っている。したがって、図11に示される新たなビーム次数には、1次の回折ビームだけでなく、さらに高い次数の回折ビームも含まれている。この例では、区画1、区画2、区画5の次数を変更する必要はない。これは、それらの周期が短くないからである。すなわち、それらの周期は、所定の最小製造しきい値よりも短くない。本発明の回折格子により、0次の回折光、±1次の回折光、および、±1次よりも高い次数(すなわち、±2次、±3次など)の回折光を含むように、異なる次数の回折光ビームの混合を含むことがある複数の区画が、回折格子上に設けられる。図11は、このような異なる次数の回折光の混合の一例として与えられている。さらに、図11に示される光検出器12のそれぞれの異なる部分により検出される異なる回折光ビームは、フォーカシング信号、トラッキング信号、収差信号に使用できることに留意する。例えば、第1の回折光と第2の回折光は、それぞれフォーカシング信号とトラッキング信号に使用できよう。
さきに述べられたように、光の所定の波長、入射角、回折角という決まっているパラメータを変更せずに、周期pを広げることが可能である。これは、さらに高い次数の回折光を使用することで、例えばmの次数を−1次から−2次に変更し、また周期をpから2pに変更することで、達成される。したがって、2次の回折光を使用し、かつ、その周期を2倍にすることで、同一の回折角を達成できる。さらに、この2倍にした周期が、なおも小幅すぎる(すなわち、所定の製造しきい値よりもまだ短い)場合には、この周期は、−3次の回折光ビームを用いて、3倍にすることができる。したがって、本発明により、例えば、その周期を2倍または3倍にすることなどで、その周期を長くすれば、また回折光の次数を変更すれば、所望の回折角に変更はない。本発明のこのような面は、45°の角度と、0.405μmの波長を持つ入射光に対して、格子周期と回折角との関係が載っている下記の表4で明らかにされる。N/A(該当しない)は、特定の次数では回折ビームを得られないことを示すために用いられることに留意する。
Figure 2006107712
したがって、表4に示されるように、−1次の回折光次数を、−2次か、−3次のいずれかの次数に変更すれば、また、その周期をそれぞれ2倍または3倍にすれば、17.584185という同一回折角を得ることができる。
さらに、さきに述べられたように、この格子深さはまた、その周期を2倍または3倍にすると、ほぼ2倍または3倍にされる。図12は、周期を2倍にすること以外、図7に用いられるものと同一の特性を用いて、様々な格子深さに対する回折効率のグラフを示している。さらに、下記の表5には、異なる格子深さに対して、回折光の次数ごとに、ピーク効率が載っている。表5から、格子周期を2倍にする場合には、−2次の光が用いられ、また、そのピーク効率は、0.58μmの格子深さにて得られるものである。この格子深さは、1次の光ビームに用いられる0.27μmのほぼ2倍である。−2次の光ビームが製造しがたい場合には、−3次の光ビームを使用できる。−3次の光ビームにより、0.27μmの格子深さの約3倍である0.83μmの格子深さにて、ピーク効率が得られる。
Figure 2006107712
次に、ブレーズ型回折格子の前述の特性および関係にかんがみて、光ピックアップ装置に用いられるブレーズ型回折格子を設計するための本発明による方法が、図13に示される流れ図を参照して説明される。図11に示されるものと同様に、この方法で設計されるブレーズ型回折格子は、複数のNmax個の所定区画を含む。ここで、Nmaxは、任意の整数であり得る。さきに述べられたように、区画の数および配列は、光検出器上に位置づけられる区分エリアに対応するように与えられる。N個の区画のそれぞれに対して、複数のブレーズ型溝は、許容製造しきい値をもたらす特定の次数の回折光ビームを選択し、かつ、その回折光ビームを、所定の入射角および所定の回折角に対する回折効率の点から最適化できるように、設計されることに留意する。それぞれの区画に含まれる複数のブレーズ型溝は、所定の周期的形状を成し、かつ、図13のステップS1に示されるように、あらかじめ定められた入射光の波長λ、入射角θin、回折角θdifを持っている。このあらかじめ定められた形状は、例えば、ブレーズ型の鋸歯形状または階段形状であることもある。周期p0と深さd0は、ステップS2に示される所定の最小製造しきい値である。
ステップS3において、この方法は、第1の区画を使用して、まず、Nを1になるようにセットする。
次に、ステップS4において、ビーム次数は、初めに、mを正の次数に対して1、あるいは、負の次数に対して−1になるようにセットすることで、第1のビーム次数になるようにセットされる。
ステップS5において、数式1を用いて、格子周期pを計算する。
次に、ステップp6において、ステップS5で計算された周期pがp0よりも長いかどうか判定を下す。pがp0よりも長くない場合には、ステップS7を実行する。pがp0よりも長い場合には、ステップS8を実行する。
ステップS7において、mをm+1(正の次数)か、m−1(負の次数)のいずれかとなるようにセットすることで、次数を大きくする(正の次数)か、あるいは小さくする(負の次数)。次に、この流れは、ステップS5まで戻る。
ステップS8において、さきに述べられたスカラー理論、例えばGSOLVERなどの市販のソフトウェア、あるいは、RCWM(RigorousCoupled Wave Method)に基づく自製のプログラムを使用して、回折効率を計算することで、格子深さdを最適化する。
ステップS9において、この最適化された深さdを、d0と比較する。dがd0よりも大きくない場合には、ステップS10を実行する。dがd0よりも大きい場合には、ステップS11を実行する。
ステップS10において、mをm+1(正の次数)か、m−1(負の次数)のいずれかとなるようにセットすることで、次数を大きくする(正の次数)か、あるいは小さくする(負の次数)。次に、この流れは、ステップS5まで戻る。
ステップS11において、区画Nに対して最小製造しきい値を満たすのに適した次数として、m次を選択し、ステップS12を実行する。
ステップS12において、Nを、N+1となるようにセットし、次に、次の区画に移った後で、ステップS13を実行する。
ステップS13において、N=Nmax+1であるかどうか確かめることで、すべての区画が完成されたかどうかチェックを行う。NがNmax+1に等しくない場合には、これらの区画のすべてが完成されたわけではなく、この流れは、ステップS5まで戻る。NがNmax+1に等しい場合には、すべての区画は完成されていて、その手順は、ステップS14において終了する。
本発明により、ビーム・スプリッタに用いられる回折格子を設計するための上記方法を提供すれば、複数の区画を含む回折格子は、ブレーズ型回折格子の回折効率および所定の総合特性を損なわずに、最小製造しきい値を満たすように、図11に示される通り、一次よりも高い次数を含む混合ビーム次数を用いて、設計することができる。
図14は、図11の区画2、区画6、区画3の断面図の比較を示している。記号「1st/p/d」は、1次のビーム、周期p、格子深さdに相当することに留意する。図14に示されるように、区画2、区画6、区画3を含む従来のバイナリ格子の格子面全体にわたって、格子深さは同一である。これは、バイナリ・フォトリソグラフィック・プロセスの間、異なる深さ露光(depthexposure)を用いてパターニングを実行することが不可能であるからである。しかしながら、ブレーズ型回折格子用のフォトリソグラフィック・プロセスにより、異なる深さ露光を用いて、パターニングを実行することが可能である。したがって、図14に示されるように、本発明のブレーズ型回折格子は、格子面全体にわたる3つの区画に対して、p、3p、2pという異なる格子周期だけでなく、d、3d、2dという異なる格子深さも含む。
次に、図15に示されるように、本発明によるブレーズ型回折格子の深さは、ディジタル化された格子外形を与えるようにディジタル化できる。このようなディジタル化を利用すれば、格子深さを正確に、かつ容易に制御することができる。
図16に示されるように、或る区画内で、これらの溝の周期を連続的に変えて、回折角を連続的に変えることができる。すなわち、これらの複数の溝の周期は、或る溝から次の溝へ、わずかに変えられる。さらに、これらの溝を、格子面上に、曲線状に施すこともできる。さらに、図17に示されるように、これらの複数の溝は、或る溝から次の溝へ連続的に変えられる格子深さを持つこともできる。すなわち、周期と同様に、これらの複数の溝の格子深さを、或る溝から次の溝へ、わずかに変えることができる。
本発明によるビーム・スプリッタは、図18に示されている。このビーム・スプリッタは、偏光ビーム・スプリッタ面10と回折格子11を含む。本発明によるビーム・スプリッタは、光記録媒体で反射した光ビームを分割するために用いられる。このビーム・スプリッタは、発光素子13と光記録媒体との間の光の進路に沿って配置される。発光素子13は、レーザ・ダイオード、または光を送り出すことのできる他の任意の光源であることもある。図18に示されるように、偏光ビーム・スプリッタ面10は、発光素子13から送り出された光を光記録媒体の方に向け(光が上方へ進み)、また、光記憶媒体で反射した(光が下方に戻る)光を回折格子11の方に向けるように作動する。本発明のビーム・スプリッタに入っている回折格子11は、さきに述べられた回折格子に一致するものであって、さきに述べられた本発明の方法を用いて設計することができる。回折格子11は、偏光ビーム・スプリッタ面10で方向づけられた光を受け取るように配置されている。次に、回折格子11で回折した光は、光検出器12で受け取られる。
図19Aは、本発明による反射型回折格子を持つ光ピックアップを示す略図である。図19Bは、本発明による屈折型回折格子を持つ光ピックアップを示す略図である。図19Aと図19Bに記されている同一要素には、同一の参照数字が付けられている。これらの光ピックアップは、信号を、光記録媒体15から再現する/光記憶媒体15に記録するのに用いられる。図19Aと図19Bに示される光ピックアップ装置はそれぞれ、光検出器12と発光装置13を含む。記録または再現が行われるときには、発光素子13は、200nm〜790nmの範囲内の波長を持つ光を、進路に沿って、光記録媒体15に送り出す。発光素子13から送り出される光の波長は、200nm〜790nmの範囲内で変えることができる。次に、この光は、光記録媒体15で反射し、次に、この進路の一部を、逆方向にたどる。図19Aに示される光ピックアップにより、偏光ビーム・スプリッタは、この光を反射させ、次に、この光が、反射型回折格子11で受け取られて、次に、反射型回折格子11が、その光を、光検出器12上へ回折させる。図19Bに示される光ピックアップにより、屈折型回折格子14は、この反射された光を受け取って、その光を、光検出器12上へ回折させる。反射型回折格子11と屈折型回折格子14はそれぞれ、さきに詳述された回折格子により、構造化されて、設計される。光検出器12は、回折光を受け取ると、その受け取られた光をディジタル信号に変換する。光検出器12の構造は、図11を参照して、さきに述べられたものと同一である。
前述の特徴は、本発明による光ピックアップの新規な面を構成しているが、他の様々な周知の要素および配列を、光ピックアップに実現できることが、通常の当業者にはすぐ明らかになる。例えば、追加の光学素子を、光記録媒体と回折格子との間の光の進路に沿って(すなわち、図19Aおよび図19B中の切断部分に)配置することができる。
最後に、図20は、本発明による光ディスク装置を示す略図である。この光ディスク装置は、さきに述べられた本発明による光ピックアップを含むことに留意する。さらに、この光ディスク装置は、セットトップ形光ディスク・プレーヤ/レコーダ、ポータブル形光ディスク・プレーヤ/レコーダ、デスクトップ形コンピュータ、ポータブル形コンピュータのどれか1つ、あるいは、データの再現/記録のために、光ディスクを受け取ることのできる他の任意の装置であることもある。
本発明の好ましい実施形態が例示目的で記述され、開示されてきたが、当業者であれば、併記の特許請求の範囲に述べられる本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な変更、追加、代用が可能であることが理解されよう。
従来のバイナリ回折格子を製造するためのフォトリソグラフィック・プロセスを示す略図である。 入射光ビームを45°にて受けるバイナリ回折格子の断面図を示す略図である。 図2に示されるバイナリ回折格子の様々な格子深さに対する格子効率を示すグラフである。 本発明によるブレーズ型回折格子の断面図を示す略図である。 本発明による階段状の回折格子の断面図を示す略図である。 本発明により、入射光ビームを45°にて受けるブレーズ型回折格子の断面図を示す略図である。 本発明により、図6に示されるブレーズ型回折格子の様々な格子深さに対する格子効率を示すグラフである。 本発明により、RMSノイズを含むブレーズ型回折格子の鋸歯外形の断面を示す略図である。 −1次の回折光を用いるブレーズ型回折格子の断面図を示す略図である。 −1次の回折光を用いるブレーズ型回折格子の回折効率の対応するグラフである。 本発明により、−2次の回折光を用いるブレーズ型回折格子の断面図を示す略図である。 −2次の回折光を用いるブレーズ型回折格子の回折効率の対応するグラフである。 本発明により、複数の区画を含むブレーズ型回折格子形態の上面図と、光検出器の上面図である。 本発明により、周期が2倍にされているほかは、図6に示されるものと同じブレーズ型回折格子の様々な深さに対する回折効率を示すグラフである。 本発明によるブレーズ型回折格子を設計する方法を示す流れ図である。 本発明によるブレーズ型回折格子と、バイナリ回折格子の断面図の比較を示す略図である。 本発明によるブレーズ型回折格子のディジタル化された外形の断面図を示す略図である。 本発明により、曲線状の溝と、徐々に変化する周期を持つブレーズ型回折格子の上面図を示す略図である。 本発明により、徐々に変化する回折深さを持つブレーズ型回折格子の断面図を示す略図である。 本発明によるビーム・スプリッタを示す略図である。 本発明により、反射型の回折格子を有する光ピックアップ装置を示す略図である。 本発明により、屈折型の回折格子を有する光ピックアップ装置を示す略図である。 本発明による光ディスク装置を示す略図である。
符号の説明
10 偏光ビーム・スプリッタ面
11 回折格子
12 光検出器
13 発光素子、発光装置
14 屈折型回折格子
15 光記録媒体
20 光ディスク装置

Claims (37)

  1. 光ピックアップ装置に使用する回折格子であって、
    所定の周期的形状を成す複数の溝をそれぞれが含む少なくとも2つの区画を有し、
    前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長であるような回折格子。
  2. 前記少なくとも2つの区画の前記少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、格子深さ≒m×d(dは、pに対して、最大回折効率に対応する深さである)を持つ請求項1に記載の回折格子。
  3. dが、RCWM(Rigorous CoupledWave Method)に基づいて計算される請求項2に記載の回折格子。
  4. 前記少なくとも2つの区画の異なる1つ1つに含まれる前記複数の溝の前記格子深さと前記周期が異なる請求項2に記載の回折格子。
  5. 前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝の前記格子深さが、前記複数の溝のうちの或る深さから、前記複数の溝のうちの次の深さへ、わずかに変えられる請求項2に記載の回折格子。
  6. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項1に記載の回折格子。
  7. λが200nm〜790nmの範囲内にある請求項1に記載の回折格子。
  8. 前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝の周期が、前記複数の溝のうちの或る周期から、前記複数の溝のうちの次の周期へ、わずかに変えられる請求項1に記載の回折格子。
  9. 前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、曲線状である請求項1に記載の回折格子。
  10. 光ピックアップ装置に使用する回折格子であって、
    所定の周期的形状を成す複数の溝をそれぞれが含む少なくとも2つの区画を有し、
    前記少なくとも2つの区画の第1の区画に含まれる前記複数の溝が、第1の所定入射光角度に対して第1の所定の回折角を持つ+1次の回折光および−1次の回折光のいずれかに使用するように設計されており、また、
    前記少なくとも2つの区画の第2の区画に含まれる前記複数の溝が、第2の所定入射光角度に対して第2の所定の回折角を持つ+m次の回折光および−m次の回折光(mは1よりも大きい整数)のいずれかに使用するように設計されている回折格子。
  11. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項10に記載の回折格子。
  12. 光記録媒体で反射した光ビームを分割するためのビーム・スプリッタであり、発光素子と前記光記録媒体との間の光の進路に沿って配置される前記ビーム・スプリッタであって、前記ビームスプリッタは、
    前記発光素子から送り出された光を前記光記録媒体の方に向け、また、前記光記憶媒体で反射した光を回折格子の方に向けるように作動する偏光ビーム・スプリッタ面を有し、
    前記回折格子が、前記偏光ビーム・スプリッタ面で方向づけられた光を受け取るように配置され、また、前記回折格子が、少なくとも2つの区画を含み、それぞれの区画が所定の周期的形状を成す複数の溝を有し、
    前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長であるようなビーム・スプリッタ。
  13. 前記少なくとも2つの区画の前記少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、格子深さ≒m×d(dは、pに対して、最大回折効率に対応する深さである)を持っている請求項12に記載のビーム・スプリッタ。
  14. dが、RCWM(Rigorous CoupledWave Method)に基づいて計算される請求項13に記載のビーム・スプリッタ。
  15. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項12に記載のビーム・スプリッタ。
  16. λが200nm〜790nmの範囲内にある請求項12に記載のビーム・スプリッタ。
  17. 進路に沿って前記光記録媒体へ光を送り出すように作動する発光素子と、
    前記光記録媒体で反射した光を受け取るように作動する回折格子であって、少なくとも2つの区画を含み、かつ、それぞれの区画が、所定の周期的形状を成す複数の溝を含んでいる回折格子であって、
    前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する周期(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)、すなわち周期=m×pを持っており、ここで、p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、また、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、さらに、λ=入射光の波長であるような回折格子と、
    前記回折格子で反射した光を受け取り、前記受け取った光をディジタル信号に変換するように作動する光検出器と
    を有する光ピックアップ。
  18. 前記少なくとも2つの区画の前記少なくとも1つに含まれる前記複数の溝が、格子深さ≒m×d(dは、pに対して、最大回折効率に対応する深さである)を持つ請求項17に記載の光ピックアップ。
  19. dが、RCWM(Rigorous CoupledWave Method)に基づいて計算される請求項18に記載の光ピックアップ。
  20. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項17に記載の光ピックアップ。
  21. 前記回折格子が、屈折型の格子である請求項17に記載の光ピックアップ。
  22. 前記回折格子が反射型の格子であり、また、前記光ピックアップがさらに、前記発光素子と前記光記録媒体との間の光の進路に沿って配置された偏光ビーム・スプリッタ要素を有し、前記偏光ビーム・スプリッタ要素が、前記発光素子から送り出された光を前記光記録媒体の方に向け、また、前記光記憶媒体で反射した光を前記回折格子の方に向けるように作動する請求項17に記載の光ピックアップ。
  23. λが200nm〜790nmの範囲内にある請求項17に記載の光ピックアップ。
  24. 光ピックアップ装置に使用する回折格子を設計する方法であって、
    前記回折格子上に少なくとも2つの区画を提供するステップと、
    前記少なくとも2つの区画のそれぞれに、所定の周期的形状を成す複数の溝を提供するステップと、
    前記少なくとも2つの区画の少なくとも1つに含まれる前記複数の溝の周期を、所定の入射光角度θinに対して、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の所定角度θdifを提供する(mは、1よりも大きい整数であり、また、θinとθdifは、格子垂線から測定される)ように周期=m×p(p=±λ/(sinθin−sinθdif)であり、±が、+m次の回折光と−m次の回折光の少なくとも1つの回折光の符号に対応し、また、λ=入射光の波長である)となるようにセットするステップと
    を有する方法。
  25. 前記少なくとも2つの区画の前記少なくとも1つに含まれる前記複数の溝の格子深さを、格子深さ≒m×d(式中、dは、pに対して、最大回折効率に対応する深さである)になるようにセットするステップをさらに含む請求項24に記載の方法。
  26. RCWM(Rigorous CoupledWave Method)を用いて、前記格子深さdを計算するステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
  27. 前記複数の溝の前記格子深さをディジタル化するステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
  28. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項24に記載の方法。
  29. 光ピックアップ装置に使用する回折格子であって、複数の区画を含んでそれぞれの区画が複数の溝を持ち、それらの溝が所定の周期的形状を成し、また入射光の波長λ、所定の入射光角度θin、所定の回折光角度θdif、所定の周期=p0、および所定の深さ=d0を持つような回折格子を設計する方法であって、
    前記複数の区画の1つを選択するステップと、
    m次の回折光を、+1(正の次数)および−1(負の次数)のいずれかになるようにセットするステップと、
    p=mλ/(sinθdif−sinθin)の式を用いて、前記複数の溝の周期pを計算するステップと、
    pがp0よりも大きいかどうか判定し、
    pがp0よりも大きくない場合には、mを、m+1(正の次数)とm−1(負の次数)のいずれかになるようにセットして、前記計算するステップと前記判定するステップを繰り返すステップと、
    pがp0よりも大きい場合には、最大の回折効率をもたらす格子深さdを得るステップと、
    前記得られた格子深さがd0よりも大きいかどうか決定し、
    前記得られた格子深さがd0よりも大きくない場合には、mを、m+1(正の次数)とm−1(負の次数)のいずれかになるようにセットして、前記計算するステップ、前記判定するステップ、前記決定するステップを繰り返すステップと、
    前記得られた格子深さがd0よりも大きい場合には、前記得られた格子深さd、周期p、mの次数を、前記選択された区画用の設計パラメータとして選択するステップと、
    前記複数の区画のうちの残りの区画1つ1つについて、前記選択するステップ、前記セットするステップ、前記計算するステップ、前記判定するステップ、前記決定するステップを繰り返すステップと
    を有する方法。
  30. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項29に記載の方法。
  31. RCWM(Rigorous CoupledWave Method)を用いて、前記格子深さdを計算するステップをさらに含む請求項30に記載の方法。
  32. d0およびp0が、最小製造しきい値である請求項29に記載の方法。
  33. 前記複数の区画が、設計パラメータとして選択された+1次および−1次のいずれかを持つ少なくとも1つの区画と、前記+1次および前記−1次のいずれかよりも高い設計パラメータとして選択された次数を持つ少なくとも1つの他の区画とを有する請求項29に記載の方法。
  34. 光ピックアップ装置に使用する回折格子を設計する方法であって、
    前記回折格子上に少なくとも2つの区画を提供するステップと、
    前記少なくとも2つの区画のそれぞれに、所定の周期的形状を持つ複数の溝を形成するステップと、
    第1の所定の入射光角度に対して、第1の所定の回折角を持つ+1次の回折光および−1次の回折光のいずれかを使用するために、前記少なくとも2つの区画の第1の区画に含まれる前記複数の溝の周期を選択するステップと、
    第2の所定の入射光角度に対して、第2の所定の回折角を持つ+m次の回折光と−m次の回折光(mは1よりも大きい整数である)のいずれかを使用するために、前記少なくとも2つの区画の第2の区画に含まれる前記複数の溝の周期を選択するステップと
    を有する方法。
  35. 前記回折格子が、グレーレベル回折格子およびマルチレベル回折格子のいずれかであり、また、所定の形状が、それぞれブレーズ型の鋸歯形状および階段形状のいずれかである請求項34に記載の方法。
  36. 光を光学媒体に送り出すように作動する発光素子と、
    前記光学媒体で反射した光を回折させて、第1の回折光と第2の回折光をそれぞれ形成するように作動する第1の部分と第2の部分を含む回折格子と、
    前記回折格子の前記第1の部分で回折する前記第1の回折光を検出するように作動する第1の光検出区間と、
    前記回折格子の前記第2の部分で回折する前記第2の回折光を検出するように作動する第2の光検出区間と
    を有し、
    前記第1の回折光の次数が、前記第2の回折光の次数よりも大きい光ピックアップ。
  37. 光を光ディスクに送り出すように作動する発光素子と、
    前記光ディスクで反射した光を回折させて、第1の回折光と第2の回折光をそれぞれ形成するように作動する第1の部分と第2の部分を含む回折格子と、
    前記回折格子の前記第1の部分で回折する前記第1の回折光を検出するように作動する第1の光検出区間と、
    前記回折格子の前記第2の部分で回折する前記第2の回折光を検出するように作動する第2の光検出区間と、
    を有し、
    前記第1の回折光の次数が、前記第2の回折光の次数よりも大きく、また前記第1の回折光と前記第2の回折光がそれぞれフォーカシング信号とトラッキング信号に使用される光ディスク装置。
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