JP2006105301A - ブレーキケーブル接続装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 対向片22a,22bを有するストラット22に枢支した板状の操作レバー21に形成したケーブル接続溝21dに、ブレーキケーブル30のクレビス32の対向片32a,32a間に横架した連結ピン34を挿入するべくインナケーブル31を牽引するときは、連結ピン34がケーブル接続溝21dに移動するのを許容するように弾性変形する弾性部材15,16と、連結ピン34がケーブル接続溝21dから外れようとするときは、連結ピン34の通過を阻止する抜止部(21c,22c)とを具備した、ブレーキケーブル接続装置において、連結ピン34の差し込み過ぎを阻止する規制片22kをストラット22に設ける。
【選択図】 図4
Description
操作レバー71は遊端部71cにケーブル接続溝71dが形成され、ばね部材90がそのケーブル接続溝71dを封鎖するように付勢している。
ブレーキケーブル80のクレビス82を操作レバー71に連結するときは、クレビス82の係合孔82b,82b(一方のみを図示)をばね部材90の上方に位置させて想像線(二点鎖線)で示すように連結ピン84を係合し、つぎにインナケーブル81を牽引しながらばね部材90を弾性変形させ、実体として示すように連結ピン84をケーブル接続溝71d内に通過させて、ブレーキケーブル80の操作レバー71への接続が完了する。
接続後は、ばね部材90が操作レバー71のケーブル接続溝71dを封鎖するので、ブレーキケーブル80が操作レバー71から外れることはない。
さらに、インナケーブル81を牽引してブレーキケーブル80を操作レバー71に接続するまでは、自由状態となった連結ピン84が自重で抜け落ちる危険性があるため、想像線(二点鎖線)で示すように指先で保持する必要があった。
さらに、ブレーキケーブル80を挿入するときには、連結ピン84を差し込むことができる位置にクレビス82の係合孔82b,82bが来るように、クレビス82の挿入深さを上述した連結ピン84の差し込み深さを調整する手とは反対の手で調整する必要があった。(実体として指を図示)
さらに、別部品として独立した大きくて形状の複雑なばね部材90を必須の構成とするので、材料費だけでなく加工費もかかって製造コストが嵩むうえに、ばね部材90の組付け工程と誤組付けの確認工程の追加に伴う組付け工数の増加で組付けコストも嵩んだ。
本願の第2発明に係るブレーキケーブル接続装置は、前記第1発明において、前記規制片を前記連結ピンが自重で以って移動する側に形成したことを特徴とするものである。
本願の第3発明に係るブレーキケーブル接続装置は、前記第1または2発明の何れかにおいて、前記クレビスの対向片の挿入位置を規制するストッパ部を、前記ストラットの規制片に併設したことを特徴とするものである。
本願の第4発明に係るブレーキケーブル接続装置は、前記第1乃至第3発明の何れかにおいて、前記ストラットは前記対向片を連結する橋絡部を具備しており、この橋絡部と操作レバーの遊端部とにより前記抜止部を構成したことを特徴とするものである。
本願の第5発明に係るブレーキケーブル接続装置は、前記第1乃至第4発明の何れかにおいて、前記弾性部材がシューリターンスプリングであることを特徴とするものである。
本願の第6発明に係るブレーキケーブル接続装置は、前記第1乃至第4発明の何れかにおいて、前記弾性部材がストラットと操作レバー間に掛け渡したレバーリターンスプリングであることを特徴とするものである。
さらに、連結ピンが自重で抜け落ちるのを防止するため、規制片を連結ピンが自重で以って移動する側に形成すれば、従来のように連結ピンを指先で保持する必要がないという利点がある。
さらに、クレビスの対向片の挿入位置を規制するストッパ部を、ストラットの規制片に併設すれば、クレビスの先端がストッパ部に当接するまでブレーキケーブルを挿入するだけの簡単な操作で、クレビスの係合孔が連結ピンの差し込みが容易な位置に来るので、従来のようにクレビスの対向片の挿入位置を調整する面倒な調整手間を省略することができるという利点がある。
さらに、抜止部を既存の部品で構成できたり、弾性部材も既存の部品を使用できたりするので、材料費だけでなく加工費もかからず、製造コストと組付けコストの低減が可能となる利点がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図9を基に本発明の実施例1に係るブレーキケーブル接続装置について説明する。
図1は、ブレーキケーブル接続装置を具えた機械式ドラムブレーキ装置の正面図を示す。このドラムブレーキ装置は、車体の不動部(図1では図示せず)に固定されるバックプレート10上に、一対のブレーキシュー11,12がシューホールド機構13,13で以って可動的に装架されており、その一方隣接端がアンカー17に支承され、他方隣接端が連結部材14で連結されている。
両ブレーキシュー11,12間に張設した一対のシューリターンスプリング15,16により、両ブレーキシュー11,12の両端部は、アンカー17および連結部材14に当接保持されている。
アンカー17は、立設部17aと座部17bとを断面略L字形に形成してなり、この座部17bがバックプレート10を間に挟んで取付けボルト40,40にナット(図示せず)を螺合して車体の不動部100に固定される。
操作レバー21の遊端部21cに接続されて、車室内の駐車ブレーキレバー(図示せず)の操作力を操作レバー21に伝達するブレーキケーブル30は、インナケーブル31、クレビス32およびアウタケーシング33などから構成され、クレビス32が連結ピン34を介して操作レバー21に連結される。
以降に本発明の構成を詳述する。
ストラット22は1枚の板体から成り、長手方向の両端間に橋絡部22cを設けると共に、コ字形に折曲して操作レバー21を収容する一対の対向片22a,22bを形成している。
さらに、対向片22a,22bの図3および図4における左方側を重合して溶接等で以って密着接合し、長手方向の両端間には、操作レバー21の遊端部21cおよびブレーキケーブル30のクレビス32の対向片32a,32aを収容可能な幅広の空間22hが形成し、この空間22hに続いて幅狭の空間22jを形成している。
また、対向片22a,22bの重合部にシュー係合溝22eを形成し、幅狭の空間を形成した右方側には枢支孔22d,22dを形成している。
上述した操作レバー21は、枢支孔22d,21a,22dの順に挿通してその先端に止めワッシャ24を取着した枢支ピン23により、相対回転可能にストラット22に枢支されている。
操作レバー21の遊端部21cの図3および図4における上方側には、連結ピン34を介してクレビス32を連結するケーブル接続溝21dを形成すると共に、クレビス32に係止した連結ピン34を仮置きする座面21eを形成する。
傾き量が大きいと、連結ピン34を係合できる位置が図3における左方側に大きく変位し、連結ピン34を仮置きする座面21eも左方側に変位するので、操作レバー21の遊端部21cが長くなる。延いてはブレーキ作動機構20の全体が長くなるので、コストやレイアウト性に影響する。
なお、上述したストラット22の橋絡部22cの傾斜面および段差部22g,22gは必須となるものではない。
この規制片22kは、クレビス32の係合孔32b,32bを図3〜図5におけるストラット22の上方に位置させた状態で、連結ピン34をストラット22の一側から差し入れたときに、連結ピン34の差し込み過ぎを阻止する部位として機能させるもので、ストラット22の対向片22a,22bの何れか一方に、反ケーブル牽引方向へ向けて形成する。
本例では、図1および図2に示すように、ブレーキ作動機構20がドラムブレーキの中心を通る水平線よりも上側に配設される場合において、規制片22kをブレーキ中心側の対向片22bに形成した場合を示す。
ブレーキケーブル30の一端部は、アンカー17の座部17bに一端を固着したガイドパイプ35に内挿して配設され、アウタケーシング33のケーシングキャップ33aをガイドパイプ35の他端に嵌挿し、止めリング36で以って止着する。
つぎに図6〜図9を参照しながらブレーキケーブル30を操作レバー21に接続する手順について説明する。
クレビス32の対向片32a,32a間に形成された溝内に操作レバー21の遊端部21cを収容しながら、一対の対向片32a,32aがストラット22の対向片22a,22bと操作レバー21の遊端部21cの間に形成された夫々の隙間内に進入し、クレビス32の先端部がストラット22の橋絡部22cの案内面(前述した傾斜面)に至る。(図6)
さらにインナケーブル31を押し込むと、クレビス32はその対向片32a,32aの係合孔32b,32bの全体がストラット22の開口部からすべて露出する位置に至る。
クレビス32の係合孔32b,32bのうち、ブレーキの中心側に位置する対向片32aの係合孔32bが規制片22kにより塞がれているので、強く差し込んでも連結ピン34の先端が規制片22kに当接してその移動が制止されるため、連結ピン34はクレビス32に対し常に一定の深さで差し込まれることになる(図7および図8)。
図9の想像線(二点鎖線)はインナケーブル31を牽引後でかつ操作レバー21が回動する前の操作レバー21の座面21eとブレーキケーブル30のクレビス32と連結ピン34を示し、この状態においてはストラット22の橋絡部22cの突部22fと操作レバー21の遊端部21c間に形成された隙間25が連結ピン34の直径より小さいので、連結ピン34は突部22fと座面21eに当接している。
インナケーブル31をさらに牽引すると操作レバー21はさらに回動し、クレビス32の対向片32a,32aの先端部がストラット22の橋絡部22cを通過すると、連結ピン34は操作レバー21のケーブル接続溝21d内に収容されて係合する。
この構造により、連結ピン34がクレビス32の係合孔32b,32bから抜け落ちる位置までクレビス32が移動することを阻止して、ドラムブレーキの運搬中においてブレーキケーブル30が操作レバー21から不用意に外れることがない。
図10〜図16を基に実施例2に係るブレーキケーブル接続装置について説明する。
本例は、ブレーキケーブル30のクレビス32に設けた係合孔32b,32bを連結ピン34の差し込みが容易な位置に位置決めするためにクレビス32の過挿入防止作用をなすストッパ部22mをストラット22の規制片22kに一体に併設した例である。
ストッパ部22mの突出長さはクレビス32を構成する対向片32a,32aの一方または両方と当接可能な長さがあればよい。
本例ではストッパ部22mの全体形状をクレビス32の先端部の形状に合わせて円弧形に形成する場合を示すが、その全体形状は円弧形に限定されず、上記した位置決め機能を発揮できればよい。
つぎに図15および図16を参照しながら本例におけるブレーキ作動機構20を構成する操作レバー21の遊端部21cにブレーキケーブル30のクレビス32を連結する手順について説明する。
クレビス32の対向片32a,32a間に形成された溝内に操作レバー21の遊端部21cを収容しながら、一対の対向片32a,32aがストラット22の対向片22a,22bと操作レバー21の遊端部21cの間に形成された夫々の隙間内に進入し、クレビス32の進入過程において、クレビス32の先端部は操作レバー21の側面に設けた案内部21fに沿って案内されながら、ストラット22に形成したストッパ部22mへ向けて誘導される。
規制片22kが連結ピン34の差し込み過ぎを阻止する機能を発揮することは前述した実施例1と同様である。
図16の想像線(二点鎖線)はインナケーブル31を牽引後でかつ操作レバー21が回動する前の操作レバー21の座面21eとブレーキケーブル30のクレビス32と連結ピン34を示し、この状態においてはストラット22の舌片22nに設けた突部22fと操作レバー21の遊端部21c間に形成された隙間25が連結ピン34の直径より小さいので、連結ピン34は突部22fと座面21eに当接している。
インナケーブル31をさらに牽引すると操作レバー21はさらに回動し、この隙間25が連結ピン34の径より大きくなり、連結ピン34は隙間25を通過してケーブル接続溝21d内に収容されて係合する。
既述した実施例1および実施例2は、操作レバー21に戻し力を発生させる弾性部材が、既存部品であるシューリターンスプリングである場合について説明したが、弾性部材は本例のように独立したレバーリターンスプリング50であってもよい。
本例にあっては、インナケーブル31の牽引を解除した直後、操作レバー21が反ケーブル牽引方向に回動して初期状態に復帰する戻し力を、実施例1および実施例2のシューリターンスプリングに代えてレバーリターンスプリング50から得ることになる。
したがって、例えば、操作レバー21の操作ストロークに余裕がなく遊びが少ないブレーキの場合、言い換えれば、実施例1および実施例2に示す構成の成立が困難な場合に、レバーリターンスプリング50を追加するだけの簡単な構造で、実施例1および実施例2と同様の効果を得ることができるという利点がある。
本例は操作レバー21の遊端部21cに連結したブレーキケーブル30のクレビス32が操作レバー21から外れるのを阻止する手段として、図23に示すような専用部品のストッパスプリング60を適用している。
ストッパスプリング60は図23に示すように、断面L字状に折曲した基部61と、この基部61から延在する細長の帯片62と、後述する回り止め片64とから構成し、ストラット22の対向片22a,22bの何れか一方と操作レバー21間に介在する基部61には、枢支ピン23を介して枢着するための係止孔63を形成している。
ストラット22の舌片22nと操作レバー21の間に介在させる帯片62は、図21および図22に示すように操作レバー21のケーブル接続溝21dの一部にはみ出す先端部62aを有する。
つぎにブレーキ作動機構20に枢着したストッパスプリング60の作用について説明する。
上述した構成のブレーキ作動機構20に対し、外部から図21に示すガイドパイプ35を経由してブレーキケーブル30のクレビス32を挿入し、ストラット22内を通過させ、既述した実施例と同様にストラット22に形成した規制片22kを用いて、クレビス32に連結ピン34を挿入する。
連結ピン34が隙間25を通過した直後、ストッパスプリング60の帯片62は自己復元力で以って初期位置に復帰してその先端部62aが操作レバー21のケーブル接続溝21d内に張り出す。
11,12・・・・ブレーキシュー
13・・・・・・・シューホールド機構
14・・・・・・・連結部材
15,16・・・・シューリターンスプリング
17・・・・・・・アンカー
17a・・・・・・立設部
17b・・・・・・座部
20・・・・・・・ブレーキ作動機構
21・・・・・・・操作レバー
21a・・・・・・枢支孔
21b・・・・・・シュー係合溝
21c・・・・・・遊端部
21d・・・・・・ケーブル接続溝
21e・・・・・・座面
21f・・・・・・案内部
22・・・・・・・ストラット
22a,22b・・対向片
22c・・・・・・橋絡部
22d・・・・・・枢支孔
22e・・・・・・シュー係合溝
22f・・・・・・突部
22g・・・・・・段差部
22h・・・・・・幅広の空間
22j・・・・・・幅狭の空間
22k・・・・・・規制片
22m・・・・・・ストッパ部
22n・・・・・・舌片
23・・・・・・・枢支ピン
24・・・・・・・止めワッシャ
25・・・・・・・隙間
30・・・・・・・ブレーキケーブル
31・・・・・・・インナケーブル
32・・・・・・・クレビス
32a・・・・・・対向片
32b・・・・・・係合孔
33・・・・・・・アウタケーシング
33a・・・・・・ケーシングキャップ
34・・・・・・・連結ピン
35・・・・・・・ガイドパイプ
36・・・・・・・止めリング
40・・・・・・・取付けボルト
50・・・・・・・レバーリターンスプリング
51,52・・・・腕部
53・・・・・・・コイル部
54,55・・・・フック部
60・・・・・・・ストッパスプリング
61・・・・・・・基部
62・・・・・・・帯片
62a・・・・・・先端部
63・・・・・・・係止孔
64・・・・・・・回り止め部
64a・・・・・・係止部
100・・・・・・車両の不動部材
Claims (6)
- 一方のブレーキシューに係合する係合部とこの係合部の近傍を起点に前記ブレーキシューから離間する方向に延出する対向片とを有するストラットと、前記対向片間の空間に収容され、この対向片の遊端部に回動可能に枢支される枢支部とこの枢支部の近傍で他方のブレーキシューに係合する係合部を有する操作レバーと、この操作レバーの遊端部に形成したケーブル接続溝に連結ピンを介して接続されるブレーキケーブルとを具備し、このブレーキケーブルを牽引すると、前記操作レバーが前記枢支部を支点にストラットと相対的に回動すると共に、双方が相互に離隔する方向に拡張するブレーキ作動機構のブレーキケーブル接続装置であって、
前記ストラットの対向片の夫々と前記操作レバー間に形成された夫々の隙間内に、前記ブレーキケーブルのクレビスの対向片を挿入して、このクレビスの対向片に設けた係合孔を連結ピンが係合できる位置とし、この連結ピンを前記係合孔に係合した状態で、前記操作レバーの遊端部に前記ブレーキケーブルを接続すべく前記ブレーキケーブルをケーブル牽引方向に引くときは、前記連結ピンが前記操作レバーの接続溝に移動するのを許容するように弾性変形する弾性部材と、
前記ブレーキケーブルが反ケーブル牽引方向に移動するときは、前記クレビスが前記操作レバーの遊端部からの外れるのを防止する抜止部とを具備するブレーキケーブル接続装置において、
前記連結ピンを前記クレビスの係合孔に差し込むときに前記連結ピンの差し込み深さを規制する規制片を、前記ストラットに形成したことを特徴とする、
ブレーキケーブル接続装置。 - 請求項1において、前記規制片を前記連結ピンが自重で以って移動する側に形成したことを特徴とする、ブレーキケーブル接続装置。
- 請求項1または請求項2において、前記クレビスの対向片の挿入位置を規制するストッパ部を、前記ストラットの規制片に併設したことを特徴とする、ブレーキケーブル接続装置。
- 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記ストラットは前記ストラットの対向片を連結する橋絡部を具備しており、この橋絡部と操作レバーの遊端部とにより前記抜止部を構成したことを特徴とする、ブレーキケーブル接続装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れかにおいて、前記弾性部材がシューリターンスプリングであることを特徴とする、ブレーキケーブル接続装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れかにおいて、前記弾性部材がストラットと操作レバー間に掛け渡したレバーリターンスプリングであることを特徴とする、ブレーキケーブル接続装置。
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