JP2006104076A - 鼻腔用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状を効果的に改善でき、安全性が高く、効果の持続性がある鼻腔用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 ラベンダーの水蒸気蒸留水を用いて、鼻腔用組成物を調製する。
【選択図】 なし
【解決手段】 ラベンダーの水蒸気蒸留水を用いて、鼻腔用組成物を調製する。
【選択図】 なし
Description
本発明は鼻腔用組成物に関する。より詳細には、本発明は、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状を改善する鼻腔用組成物に関する。
細菌やウイルス、花粉等のアレルゲンが鼻腔粘膜に付着すると、粘膜組織からヒスタミン等の化学物質が遊離し、鼻腔粘膜の血流量が劇的に増加する。これによって、鼻腔粘膜は、鬱血し腫れ、多量の粘液が分泌され、鼻腔を狭めたり、詰まらせたりする。この結果、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状が引き起こされる。
これまでに、鼻の不快症状を改善する手段として、抗炎症薬や抗ヒスタミン薬等の種々の薬剤の使用が提案されている。しかし、これら従来の薬剤では、安全性、効果、持続性及び使用感の全ての点を充足しているものはなく、使用者又は施用者の要求を満足できていないのが現状である。
従来、ラベンダー等の植物由来の精油成分には、アレルギー等による鼻の不快症状を改善する作用があることが分かっており、この精油の作用を利用した方法として、揮散させた該精油成分を鼻腔内に吸引させることにより鼻の不快感を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような方法では、精油成分を揮散状態で使用するため、充分な不快感改善効果が得られないだけでなく、効果の発現に時間がかかり、即効性の面でも欠点がある。
ところで、ラベンダーを水蒸気蒸留して得られる水溶性画分(水蒸気蒸留水)は、その特性や有効な利用法については知られておらず、該水蒸気蒸留水が鼻の不快症状に如何なる影響を及ぼすかについては、全く分かっていない。
特表2004−513875号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。即ち、本発明は、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状を効果的に改善でき、安全性が高く、効果の持続性がある鼻腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、ラベンダーを水蒸気蒸留することにより得られる水蒸気蒸留水には、ヒスタミンの遊離を抑制する作用があること、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状を効果的に改善できること、及び該不快症状改善効果に持続性があることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねて開発されたものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる発明を提供するものである:
項1. ラベンダーの水蒸気蒸留水を含有する、鼻腔用組成物。
項2. ラベンダーの水蒸気蒸留水が、ラベンダーの地上部又は全草から得られるものである、項1に記載の鼻腔用組成物。
項3. ラベンダーが、おかむらさき又はその改良品種である、項1又は2に記載の鼻腔用組成物。
項1. ラベンダーの水蒸気蒸留水を含有する、鼻腔用組成物。
項2. ラベンダーの水蒸気蒸留水が、ラベンダーの地上部又は全草から得られるものである、項1に記載の鼻腔用組成物。
項3. ラベンダーが、おかむらさき又はその改良品種である、項1又は2に記載の鼻腔用組成物。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の鼻腔用組成物は、ラベンダーの水蒸気蒸留水を含有することを特徴とするものである。
ラベンダーは、シソ科(Labiatae)、ラバンジュラ属(Lavandula)に属する植物種であり、真正ラベンダー(学名;Lavandula angustifolia、異学名;L.officinalis、L.vera)、スパイクラベンダー(学名;L.spica、異学名;L.latifolia)、ストエカス(学名;L.stoechas)、ラバンジン(学名;L.hybrida)などが挙げられる。本発明において、使用するラベンダーの種については特に制限されないが、好ましいものとして真正ラベンダーを挙げることができる。特に好ましいものとして、おかむらさき、はなもいわ、濃紫早咲、ようていの各品種を挙げることができ、もっとも好ましくはおかむらさき又はその改良品種、特に日本の北海道産のものである。なお、ラベンダーは野生種であってもよく、栽培種であってもよい。
ラベンダーの水蒸気蒸留水の原料としては、ラベンダーの花、花穂、果実、果皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、種子をいずれか単独で、又は組み合わせて使用してもよく、またラベンダーの全草を使用してもよい。好ましくは地上部(根を除く全草)又は全草である。
ラベンダーの水蒸気蒸留水は、ラベンダー1重量部に対して、水0.6〜2重量部、好ましくは0.8〜1重量部を用いて、水蒸気蒸留を行い、捕集した蒸留液の水相を回収することにより調製される。水蒸気蒸留の方法については特に制限されないが、好ましくは加圧水蒸気蒸留法が挙げられる。
本発明の鼻腔用組成物は、ラベンダーの水蒸気蒸留水単独からなるものであってもよいが、薬学的に許容される基材や添加剤等の他の成分を含むものであってもよい。本発明の鼻腔用組成物中のラベンダーの水蒸気蒸留水の配合割合については、使用目的、症状の程度、組成物の形態等に応じて適宜設定すればよいが、一例として、該組成物の総量に対してラベンダーの水蒸気蒸留水が0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%、更に好ましくは1〜100重量%となる割合が挙げられる。
本発明の鼻腔用組成物の形状については、使用形態に応じて適宜調整される。鼻腔用組成物の形状の一例として、液状、軟膏状、ゾル状等が挙げられる。これらの中で、好ましくは液状である。
本発明の鼻腔用組成物に配合可能な他の成分として、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、水、軟膏基材等の基材成分;及び界面活性剤、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、増粘剤、色素、保存剤、防腐剤、抗炎症剤、抗菌剤、血管収縮剤、ステロイド剤等の添加剤を挙げることができる。
本発明の鼻腔用組成物は、pHや浸透圧については、本発明の効果を妨げないことを限度として、一般の鼻腔用組成物に採用されているpH及び浸透圧の範囲内に適宜設定すればよい。
本発明の鼻腔用組成物は、鼻腔内に直接適用されるものである限り、その用途については特に制限されなが、例えば医薬用又は一般用の洗鼻剤や点鼻剤として使用することができる。
本発明の鼻腔用組成物の一日当たりの投与量としては、該組成物の形状、ラベンダーの水蒸気蒸留水の濃度、使用者の年齢や性別、組成物の形状、投与方法、期待される程度等に応じて適宜設定することができる。本発明の鼻腔用組成物は、通常、1回当たり適量を1回乃至数回、鼻腔内に噴霧、塗布、滴下又は流入させることにより投与される。
なお、以下の試験例に示すように、本発明の鼻腔用組成物には、ヒスタミンの遊離を抑制する作用や鼻腔内の雑菌の繁殖を抑制する作用が認められるので、鼻腔用のヒスタミン遊離抑制用組成物又は鼻腔用の抗菌用組成物として使用することもできる。
本発明の鼻腔用組成物は、鼻づまり、くしゃみ、痒み等の鼻の不快症状を改善する効果に優れている。また、本発明の鼻腔用組成物は、鼻腔粘膜に長時間留まることができ、効果の持続性に優れているので、不快症状を長期にわたって改善することができる。特に、上記本発明の効果は、ラベンダーの地上部又は全草から得られる水蒸気蒸留水を使用する場合に優れている。
また、本発明の鼻腔用組成物は、鼻腔粘膜に長時間留まることにより、雑菌の繁殖を防いで炎症の発生を抑制できるので、鼻腔内の炎症の予防又は治療剤としても有用である。
更に、本発明の鼻腔用組成物は、人間に対する安眠効果や鎮静効果を奏する心地よい芳香を放出させるので、リラックス効果を享受でき、良好な使用感を得ることができる。また、このような効果が奏されることによって、使用者や施用者の使用実感を高めることができる。
また、本発明の鼻腔用組成物は、天然由来成分であるラベンダーの水蒸気蒸留水を使用しており、鼻粘膜に対する刺激性が極めて低く、安全性が高い。
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
ラベンダー(おかむらさき)の地上部(根を除く全草)60kgに対して、水約50kgを用いて加圧水蒸気蒸留を行い、水相36kg及び油相0.36kgを含む蒸留液を製した。蒸留液から水相を回収して、ラベンダーの水蒸気蒸留水を得た。
実施例1
ラベンダー(おかむらさき)の地上部(根を除く全草)60kgに対して、水約50kgを用いて加圧水蒸気蒸留を行い、水相36kg及び油相0.36kgを含む蒸留液を製した。蒸留液から水相を回収して、ラベンダーの水蒸気蒸留水を得た。
試験例1 刺激性評価
実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水について、以下の方法により鼻腔粘膜に対する刺激性の評価試験を行なった。
実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水について、以下の方法により鼻腔粘膜に対する刺激性の評価試験を行なった。
成人男性6名(健常者3名と花粉症患者3名)を被験者として、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水20gを鼻腔内に流入させた後これを排出することによって投与した(試験例1)。投与後、下記基準に従って、刺激性について評価した。また、比較として、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりに、精製水(大塚製薬株式会社製)(比較試験例1-1);生理食塩水(大塚製薬株式会社製)(比較試験例1-2);ラベンダー精油含有溶液(ラベンダー精油1重量%、界面活性剤5重量%、残部水)(比較試験例1-3);又はラベンダー精油含有溶液(ラベンダー精油1重量%、界面活性剤5重量%、食塩0.9重量%、残部水)(比較試験例1-4)を用いて、上記と同様に試験を行った。
<刺激性の評価基準>
(評点)
0:不快な刺激なし
1:どちらかというと不快な刺激なし
2:どちらともいえない
3:どちらかというと不快な刺激あり
4:不快な刺激あり。
<刺激性の評価基準>
(評点)
0:不快な刺激なし
1:どちらかというと不快な刺激なし
2:どちらともいえない
3:どちらかというと不快な刺激あり
4:不快な刺激あり。
得られた結果を表1に示す。試験例1では、不快な刺激を示していないことが確認されたが、比較試験例1-1、1-3及び1-4では不快な刺激が認められた。更に、不快な刺激は、比較試験例1-1では投与後15分程度で治まったが、比較試験例1-3及び1-4では、投与から60分間経過しても不快な刺激が残った。一方、比較試験例1-2では、花粉症患者において刺激が認められた。
花粉症を患っている成人男性5人を被験者として、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水20gを鼻腔内に流入させた後これを排出させることによって投与した(試験例2)。投与後、不快症状(鼻ずまり、鼻のむず痒さ)の改善の程度を下記基準に従って評価した。該評価は、投与直後、5分後、10分後、30分後、1、2、4及び12時間後に行なった。更に、鼻の不快症状から起こるストレス(イライラ感)が軽減されたかどうかについても、下記基準に従って評価した。該評価は、投与直後、2及び4時間後に行なった。また、比較として、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりに、生理食塩水(大塚製薬株式会社製)(比較試験例2-1)又はラベンダー精油含有溶液(ラベンダー精油1重量%、界面活性剤5重量%、残部水)(比較試験例2-2)を用いて、上記と同様に試験を行った。
<刺激性の評価基準>
(評点)
4:改善した
3:どちらかというと改善した
2:どちらともいえない
1:どちらかというと改善していない
0:改善していない
−1:やや悪化した
−2:悪化した
<ストレス軽減効果の評価基準>
(評点)
2:ストレスが軽減した
1:どちらかというとストレスが軽減した
0:どちらともいえない
−1:どちらかというとストレスが増加した
−2:ストレスが増加した。
<刺激性の評価基準>
(評点)
4:改善した
3:どちらかというと改善した
2:どちらともいえない
1:どちらかというと改善していない
0:改善していない
−1:やや悪化した
−2:悪化した
<ストレス軽減効果の評価基準>
(評点)
2:ストレスが軽減した
1:どちらかというとストレスが軽減した
0:どちらともいえない
−1:どちらかというとストレスが増加した
−2:ストレスが増加した。
得られた結果を表2及び3に示す。表2から分かるように、試験例2では、投与直後から鼻の不快症状の改善効果が認められた。一方、比較試験例2-1及び2-2では、不快症状の改善効果は認められなかった。特に、比較試験例2-2では、ラベンダー精油による刺激が強く、鼻の不快症状の改善には逆効果であることが確認された。また、表3から明らかなように、鼻の不快症状の改善に伴って、ストレス(イライラ感)も軽減されることも確認された。
本試験ではラットの肥満細胞からヒスタミン遊離試薬であるcompound48/80でヒスタミンを遊離させる試験法(J.Soc.Cosmet.Japan,Vol.25,No.4,P246(1992))を用いて、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水のヒスタミン遊離抑制効果を評価した。
ラット(Slc:Wister系雄性ラット,約4〜9週齢)の腹腔内から採取した肥満細胞浮遊液1.2mLに、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水0.2mLと共に、compound48/80を最終濃度1.0μg/mLとなるように加え、37℃で15分間インキュベートした。次いで、氷冷して反応停止させた後、反応液を遠心分離し、上澄から遊離したヒスタミン量を、常法に従って抽出・精製し、o-フタルジアルデヒドにて発色させ、励起波長360nm、蛍光波長450nmにおける蛍光強度を測定することにより測定した。比較として、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりにラベンダー精油含有溶液(ラベンダー精油1重量%、界面活性剤5重量%、残部水)(比較試験例3)を用いて、またコントロールとして、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりに生理食塩水(大塚製薬株式会社製)(コントロール)を用いて、上記と同様に試験を行った。下式から、ヒスタミン遊離抑制率を算出した。
実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水中に、大腸菌(Escherichia coil ATCC 8739)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538)又は緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027)を1×106個/mL程度になるように添加した。菌添加後よく攪拌し、その後37℃で静置し、12時間後にサンプリングを行って液中の菌濃度を測定した。菌の濃度測定は、DDチェッカー一般細菌用血液寒天平板を用いて、37℃で18時間培養することにより行った。また、比較のため、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりに、生理食塩水(大塚製薬株式会社製)(比較試験例4)を用いて、上記と同様に試験を行った。
得られた結果を表5に示す。この結果、ラベンダー水蒸気蒸留水には、優れた抗菌作用があることが確認された。
鼻の不快症状のある花粉症患者3人を被験者に選択した。被験者3人に、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水20gを鼻腔内に流入させた後これを排出させることによって投与した。投与後、被験者を直ちに就寝させ、ラベンダーの水蒸気蒸留水が睡眠に如何なる影響を及ぼしているかについて評価した(試験例5)。なお、評価は、(1)寝付き、(2)眠りの深さ、(3)睡眠中の目覚め、及び(4)目ざめの状態について、下記評価基準に従って評価した。また、比較として、ラベンダーの水蒸気蒸留水の代わりに、生理食塩水(大塚製薬株式会社製)(比較試験例5-1)又はラベンダー精油含有溶液(ラベンダー精油1重量%、界面活性剤5重量%、残部水)(比較試験例5-2)を用いて、上記と同様に試験を行った。
<評価基準>
A:いつもに比べて良好である
B:いつもに比べて変わりがない
C:いつもに比べて悪い。
得られた結果を表6に示す。この結果、本発明の鼻腔用組成物には、優れた安眠誘発効果があること確認された。この結果から、本発明の鼻腔用組成物は、鼻腔内に長時間留まることが可能であるため、睡眠中にわたって鼻の不快症状を改善し、更に本発明品の香気成分によって睡眠中の問題を改善していることが示唆された。
実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水、及びラベンダー精油について、ガスクロマトグラフィーにより成分分析を行った。分析対象のラベンダー精油には、実施例1において、水蒸気蒸留により製された蒸留液から回収した油相を用いた。分析には、実施例1で得られたラベンダーの水蒸気蒸留水47.5gにヘキサン2.5gを混合したもの、及び上記ラベンダー精油をメタノールで1重量%に希釈したものを試料として使用した。分析条件は、以下の通りである。
<分析条件>
ガスクロマトグラフ装置
Hewlett Packard 社製
HP6890シリーズ
カラム
DB−5MS
長さ 30m
内径 0.25mm
膜厚 0.25μm
オーブン
初期温度50℃7分
毎分5℃で100℃まで昇温
毎分20℃で250℃まで昇温
250℃定温10.5分
分析合計時間 45分
注入口
温度 250℃
スプリット比 10:1
総流量 9.8ml/分
キャリアガス 超高純度ヘリウム
試料注入量
2μl
検出器
FID(水素炎イオン化)検出器。
ラベンダーの水蒸気蒸留水について得られたクロマトグラフを図1に、またラベンダー精油について得られたクロマトグラフを図2に示す。図1と図2ではピークパターンが相違しており、ラベンダーの水蒸気蒸留水とラベンダー精油とでは、その組成を異にするものであることが確認された。
Claims (3)
- ラベンダーの水蒸気蒸留水を含有する、鼻腔用組成物。
- ラベンダーの水蒸気蒸留水が、ラベンダーの地上部又は全草から得られるものである、請求項1に記載の鼻腔用組成物。
- ラベンダーが、おかむらさき又はその改良品種である、請求項1又は2に記載の鼻腔用組成物。
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