以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
尚、本明細書において、「プリント」(以下においては「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚しうるように顕在化したものであるか否かを問わず、記録媒体上に液体を付与することによって広く画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられている紙のみならず、広く布、プラスチックフィルム、金属板等、記録ヘッドによって吐出されるインクを受容可能なものも言うものとする。
さらに「インク」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって画像、模様、パターン等の形成、または記録媒体の加工に供されうる液体を言うものとする。
まず、本発明の各実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成について、図3を用いて説明する。
図3は本発明の各実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
尚、以下の各実施形態のインクジェット記録装置の機械的構成は、図1に示したものと同様とする。
図3において、インクジェット記録装置の制御構成は、メインバスライン305に対して夫々アクセスする画像入力部303、それに対応する画像信号処理部304、中央制御部(CPU)300等のソフト系処理部と、操作部306、回復系制御回路307、ヘッド温度制御回路314、ヘッド駆動制御回路315、主走査方向へのキャリッジ106の駆動を制御するキャリッジ駆動制御回路316、記録媒体の副走査方向への紙送りを制御する紙送り制御回路317等のハード系処理部とに大別される。
CPU300は、通常、ROM(読出専用メモリ)301とRAM(任意のアドレスにアクセスできるメモリ)302とEEPROM(電気的消却プログラム可能型読取専用メモリ)318を有し、入力情報に対して適正な記録条件を与えて記録ヘッド313を駆動して記録を行う。また、RAM302内には、予め記録ヘッド313の回復タイミングチャートを実行するプログラムが格納されており、必要に応じて予備吐出条件等の回復条件を回復系制御回路307、記録ヘッド313、保温ヒータ313a等に与える。
回復系モータ308は、記録ヘッド313とこれに対向離間するクリーニングブレード309やキャップ310、吸引ポンプ311を駆動する。ヘッド駆動制御回路315は、記録ヘッド313のインク吐出用電気熱変換体の駆動条件を実行するもので、通常、予備吐出や記録用インク吐出を記録ヘッド313に行わせる。
一方、記録ヘッド313のインク吐出用電気熱変換体が設けられている基板には、保温ヒータ313aが設けられている場合もあり、記録ヘッド313内のインク温度を所望設定温度に加熱調整することができる。また、ダイオードセンサ312は、同様に前記基板に設けられているもので、実質的な記録ヘッド313内部のインク温度を測定するためのものである。ダイオードセンサ312は、基板にではなく外部に設けられていても良く、記録ヘッド313の周囲近傍にあっても良い。
尚、インクジェット記録装置には、インクジェット記録装置で記録を行うための記録データを供給するホストコンピュータ(不図示)と接続可能である。ホストコンピュータは、記録動作を実現可能にするための記録データを生成し、その記録データのインクジェット記録装置への出力を制御する。この記録データの生成及び出力制御は、例えば、ホストコンピュータ上に搭載されるインクジェット記録装置に対応するプリンタドライバ等の専用プログラムによって実現されるが、その専用プログラムが実行する処理を実現する専用ハードウェアで実現しても良い。
また、ホストコンピュータは、汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
次に、インクジェット記録装置の概略構成について、図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
図4では、記録ヘッドで記録媒体上を記録していく際のプリンタ部の構成を示したものである。
図4において、401はインクカートリッジである。これらは、4色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローがそれぞれ詰め込まれたインクタンクと、各色に対応する同一の記録ヘッド402より構成されている。この記録ヘッド402上に配列するインク吐出口の様子をZ方向から示したものが図2であり、201は記録ヘッド402上に複数配列されたインク吐出口である。
再び、図4に戻ると、403は紙送りローラであり、補助ローラ(排紙ローラ)404とともに記録媒体Pを抑えながら図の矢印の方向に回転し、記録媒体PをY方向(副走査方向)に随時搬送していく。また、405は給紙ローラであり、記録媒体Pの給紙を行うとともに、紙送りローラ403、排紙ローラ404と同様、記録媒体Pを抑える役割も果たす。
ここで、排紙ローラ404は、インクジェット記録装置の給紙口(供給口)から記録媒体Pを給紙(供給)した後、記録ヘッド402の記録動作に応じて、記録媒体Pを順次搬送して、インクジェット記録装置の排紙口から記録媒体Pを外部に排紙(排出)する排紙(排出)位置と、記録ヘッド402の位置間に配置されている。換言すれば、記録ヘッド402よりも排出側に、排紙ローラ404が配置されている。
406は4つのインクカートリッジ401を支持し、記録とともにこれらを移動させるキャリッジである。これは記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッド402の回復作業等を行うときには、図の点線で示した位置のホームポジションhに待機するようになっている。
記録開始前、図の位置(ホームポジションh)にあるキャリッジ406は、記録開始命令がくると、X方向の主走査方向に移動しながら、記録ヘッド402上の複数のインク吐出口201により、記録剤(インク)を記録媒体Pに吐出することで記録を行う。ホームポジションhとは反対側に位置する記録媒体Pの端部まで画像を形成するための記録が終了すると、キャリッジ406は元のホームポジションhに戻り、再びX方向への記録を繰り返す片方向記録を行う。
または、記録開始前、図の位置(ホームポジションh)にあるキャリッジ406は、記録開始命令がくると、X方向の主走査方向に移動しながら、記録ヘッド402上の複数のインク吐出口201により、記録材(インク)を記録媒体Pに吐出することで記録を行う。そして、ホームポジションhとは反対側に位置する記録媒体端部まで画像を形成するための記録が終了すると、−X方向の主走査方向に移動しながら、記録ヘッド402上の複数のインク吐出口201により記録を行う。そして、ホームポジションhとは反対側に位置する記録媒体Pの端部まで画像を形成するための記録が終了すると、キャリッジ406は元のホームポジションhに戻り、再び、X方向への記録を繰り返す双方向(往復)記録を行う。
以上の装置構成に基づく、本発明のいくつかの実施形態について以下に説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、図2に示すインク吐出口列が一列で構成された記録ヘッド402を1つ備え、この記録ヘッド402は、ブラックのインクを吐出する。記録ヘッド402は、例えば、インク吐出口数L=256個で、インク吐出口の間隔が1/1200インチにより記録画素密度が1200dpiになるように構成されており、実施形態1では、全てのインク吐出口を使用して記録を行う。
また、記録ヘッド402からのインク吐出量は、例えば、1滴あたり約4plのインク滴が吐出可能なように構成されており、このインク滴を安定して吐出するための吐出周波数は、例えば、24KHzで、吐出速度は、例えば、約20m/秒となっている。この記録ヘッド402を搭載したキャリッジ406の主走査方向への速度は、主走査方向にインク滴を1200dpi間隔に記録すると、約20インチ/秒となる。
ここで、このような構成の場合の100%の記録デューティーについて、図5を用いて説明する。
図5は本発明の実施形態1の100%の記録デューティーを示す図である。
実施形態1では、1200dpi×1200dpi画素に対し、吐出量4plのインク滴が1ドットで100%の記録デューティーと定義する。
また、1200dpi×1200dpiの1画素当たりのデータ量は、1200dpi×1200dpiの格子に「ドット無し」と「ドット有り」からなる1bitとする。
記録ヘッド402を使用して、各画像領域を往路の主走査方向で完成させ、往路と復路の主走査の間に休止時間を設ける片方向記録の場合について、図4、図6、図7、図8、図9及び図10を用いて説明する。
まず、実施形態1の記録画像の一例について、図6を用いて説明する。
図6は本発明の実施形態1の記録画像を示す図である。
図6では、例えば、記録媒体Pとして、そのサイズが4×6インチの、写真画質の画像を得られる光沢紙の例を示している。また、この記録媒体Pに記録する記録画像としては、各画像領域A〜Dは、記録デューティーが100%の縦256/1200インチ、横4インチのサイズの画像である。
次に、本発明の実施形態1の記録動作について、図7を用いて説明する。
図7は本発明の実施形態1の記録動作を示す図である。
図7では、画像を記録するときの記録ヘッド402と各走査での記録の関係を示している。図7の場合、1走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域Aを記録して、画像領域Aを完成させる。2走査目で、記録ヘッド402はホームポジションh側に戻る。
同様に、3走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域Bを記録して、画像領域Bを完成させる。4走査目で、記録ヘッド402はホームポジションh側に戻る。
同様に、5走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域Cを記録して、画像領域Cを完成させる。6走査目で、記録ヘッド402はホームポジションh側に戻る。
同様に、7走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域Dを記録して、画像領域Dを完成させる。8走査目で、記録ヘッド402はホームポジションh側に戻る。
図8は、記録デューティーが100%で、サイズが256/1200インチ四方のパッチを示す図である。
256/1200インチ四方のパッチ内の記録ドット数は、記録デューティーが100%であることから、縦256ドット×横256ドット=65536ドットとなる。
図9は、図8の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間と排紙ローラ404の汚れ具合、及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れの転写具合の関係を示した表である。
図9の表は、図8の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間を0.4秒、3.6秒、7.6秒、10.6秒、13.6秒と異ならせて、その時の排紙ローラ404及び記録媒体Pの記録面への汚れ具合を評価したものである。
このときの0.4秒は、副走査方向への走査だけ繰り返して記録媒体Pの排紙を行う場合である。
図9において、「○」は、排紙ローラ404の汚れ具合及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れが無い場合である。
「×」は、排紙ローラ404の汚れ具合及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れがひどい場合である。
「△」は、排紙ローラ404は汚れているが、排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面へ汚れが転写していない場合である。
評価結果より、図8の画像の記録を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間が10.6秒以上であれば、排紙ローラ404及び記録媒体の記録面への汚れは発生しないことが解った。
次に、実施形態1のインクジェット記録装置の記録動作について、図10を用いて説明する。
図10は本発明の実施形態1のインクジェット記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
尚、図10では、図6で示す画像領域A〜Dを記録する場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS1001において、記録媒体Pの給紙を行う。ステップS1002において、記録媒体Pの1ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS1002でNO)、ステップS1015に進む。一方、記録データがある場合(ステップS1002でYES)、ステップS1003に進む。
この場合、図6で示す画像領域Aを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に進む。
ステップS1003において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。この場合、画像領域Aに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら記録を行う。図7の場合、1走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Aの記録を行う。
ステップS1005において、記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(この場合、10秒間)記録を休止する。
ステップS1007において、休止後に、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
次に、ステップS1009において、ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS1009でNO)、ステップS1010に進む。一方、記録データがある場合(ステップS1009でYES)、ステップS1003に戻る。
この場合、図6で示す画像領域Bを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Bに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Bに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の3走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Bの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tの値を上書きし、3走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
次に、ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=10秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の4走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒となる。
次に、ステップS1009の判定では、図6で示す画像領域Cを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Cに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Cに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の5走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Cの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tの値を上書きし、5走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=10秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の6走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した31秒となる。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒となる。
次に、ステップS1009の判定では、図6で示す画像領域Dを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Dに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Dに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の7走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Dの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tの値を上書きし、7走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=10秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の8走査目で復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、ホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した31秒となる。
また、この時点で画像領域Cが完成した時点からの時間Tcは、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒となる。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
を合計した41.2秒となり、画像領域Aの記録が完成後、41.2秒間経過してから排紙ローラ404を通過する。
次に、ステップS1009の判定では、図6で示す画像領域Dより排紙側には、記録対象となる画像領域がないため、ページ内に記録対象の記録データがないと判定し、ステップS1010に進む。
ステップS1010において、画像領域Dが完成した時点からの時間Tが所定時間T1(この場合、10.6秒)以上であるか否かを判定する。所定時間T1以上である場合(ステップS1010でYES)、ステップS1015に進む。一方、所定時間T1未満である場合(ステップS1010でNO)、ステップS1011に進む。
この場合、画像領域Dが完成した時点からの時間Tは10.2秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS1011に進む。
ステップS1011において、図7の9走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1012において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=10秒間記録を休止する。ステップS1013において、休止後に、図7の10走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS1014において、ホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
再度、ステップS1010において、画像領域Dが完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
このとき、時間Tは、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒となる。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
を合計した41.2秒となり、画像領域Bの記録が完成後、41.2秒間経過してから排紙ローラ404を通過する。
また、この時点で画像領域Cが完成した時点からの時間Tcは、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した31秒となる。
この場合、時間Tが20.6秒となるため、所定時間T1(=10.6秒)以上となり、ステップS1015に進み、記録媒体Pを排紙する。
以上説明したように、実施形態1によれば、主走査方向が記録媒体Pの記録面に記録する全画像領域の中で最も主走査方向の記録幅が短い画像領域の主走査方向の幅X1は、図6の場合、4インチとなる。
一方、副走査方向が図6で示す画像領域A〜D(画像領域W1)の記録に使用するインク吐出口の内、排紙側に最も近いインク吐出口から記録ヘッド402よりも排紙側に記録媒体Pの記録面に接しながら記録媒体Pを搬送するローラ(排紙ローラ404)までの幅(厳密には、排紙ローラ404と記録媒体の接面に対する法面と、最も近いインク吐出口間との最短距離)である256/1200インチ×3回=768/1200インチから、記録に使用するインク吐出口の幅256/1200インチを差し引いた幅Y1は、512/1200インチとなる。
そして、この幅X1と幅Y1で囲まれる画像領域W2は、画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域と同じ大きさになる。
これより、実施形態1の画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域W2を完成させるのに要する時間T1は、
1走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.6秒となる。
実施形態1における記録媒体Pの記録面に記録する画像領域が完成してから排紙ローラ404と接触する時間が、画像領域A〜Cが41.2秒経過後、画像領域Dが31秒経過後となることから、画像領域A〜Dの全ての画像領域が所定時間T1(=10.6秒)以上経過後に排紙ローラ404と接触することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
また、実施形態1における画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しては、画像領域Dの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.6秒経過するまで、記録ヘッド402を走査する主走査は、図7より、8主走査〜10主走査の3回の主走査を実施し、記録媒体Pを走査する副走査は、8主走査目と9主走査目の間で1回の副走査を実施することで、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しても、ユーザに対して記録動作が終了していないことを促すことができる。これは、記録データがない領域に達した後、直ちに記録動作を終了してしまうと、ユーザが記録動作が終了したと判断して、記録媒体上の記録画像が十分浸透及び定着していない内に、その記録媒体をインクジェット記録装置から引き抜いてしまうことで、記録画像が劣化したり、排紙ローラが汚れてしまうことを防止するためである。
さらには、画像領域Dを完成させた7主走査目と8主走査目の主走査間、9主走査目と10主走査目の主走査間に休止時間を設けることで、画像領域Dの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.6秒を満足できる。また、排紙時においても、画像領域A〜Dを完成させる記録動作と同じ記録動作を実施することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラ404を用いることで、記録媒体P上の記録画像の画質を向上することができる。
尚、実施形態1では、記録媒体Pの記録面に記録する画像領域の記録デューティーが全て100%である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、画像領域が100%以下であっても、同様の記録動作を実施することで同様の効果を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態2では、第1及び第2記録モードの異なる記録モードを2種類備えている場合について説明を行う。
尚、実施形態2では、実施形態1と同じ記録ヘッドを用いた場合を例に挙げて説明する。また、100%の記録デューティーの定義については、実施形態1の図5と同様である。
ここで、2種類の異なる記録モードである第1記録モード及び第2記録モードは、以下のように定義する。
第1記録モードは、実施形態1と同様に、例えば、図6の各画像領域を完成させる主走査の回数が1回で、主走査の往路方向のみで記録する片方向記録で、主走査の往路方向と復路方向の主走査間のみ休止時間を設けた記録モードである。
第2記録モードは、例えば、図6の各画像領域を完成させる主走査の回数が2回で、主走査の往路方向と復路方向で記録する双方向記録で、主走査の往路方向と復路方向の主走査間と復路方向と往路方向の主走査間に休止時間を設けた記録モードである。
第1記録モードの記録動作は、実施形態1と同様であるため、実施形態2では、第1記録モードでの記録動作の説明は省略する。
以下、第2記録モードの記録動作について、実施形態1の図4、図8、図9、図11、図13及び図14を用いて説明する。
まず、実施形態2の記録画像の一例について、図11を用いて説明する。
図11は本発明の実施形態2の記録画像を示す図である。
図11では、例えば、記録媒体Pとして、そのサイズが、実施形態1と同様、4×6インチの光沢紙の例を示している。また、この記録媒体Pに記録する記録画像としては、各画像領域A1〜D2は、記録デューティーが100%の縦128/1200インチ、横4インチのサイズの画像である。
次に、本発明の実施形態2の記録動作について、図12を用いて説明する。
図12は本発明の実施形態2の記録動作を示す図である。
図12では、図11の画像を記録するときの記録ヘッド402と各走査での記録の関係を示している。
図12の上段において、1走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域A1−1を記録し、2走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域A1−1の上に、画像領域A1−2を記録して、画像領域A1を完成させる。
同様に、2走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域A2−1を記録し、3走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域A2−1の上に、画像領域A2−2を記録して、画像領域A2を完成させる。
同様に、3走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域B1−1を記録し、4走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域B1−1の上に、画像領域B1−2を記録して、画像領域B1を完成させる。
同様に、4走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域B2−1を記録し、5走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域B2−1の上に、画像領域B2−2を記録して、画像領域B2を完成させる。
同様に、5走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域C1−1を記録し、6走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域C1−1の上に、画像領域C1−2を記録して、画像領域C1を完成させる。
同様に、6走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域C2−1を記録し、7走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域C2−1の上に、画像領域C2−2を記録して、画像領域C2を完成させる。
同様に、7走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域D1−1を記録し、8走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域D1−1の上に、画像領域D1−2を記録して、画像領域D1を完成させる。
同様に、8走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域D2−1を記録し、9走査目で、記録ヘッド402の各インク吐出口からインク滴を吐出し、画像領域D2−1の上に、画像領域D2−2を記録して、画像領域D2を完成させる。
ここで、図11の各画像領域A1〜D2の記録を完成させる2回の主走査が終了してから、その後の各主走査が終わるまでの各時間Tとして、Ta1、Ta2、Tb1、Tb2、Tc1、Tc2、Td1、Td2と定義する。
図9は、図8の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間と排紙ローラ404の汚れ具合、及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れの転写具合の関係を示した表である。
実施形態2では、図9の表は、図8の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間を0.4秒、2.6秒、5.6秒、10.6秒、20.6秒と異ならせて、その時の排紙ローラ404及び記録媒体の記録面への汚れ具合を評価したものである。
このときの0.4秒は、副走査方向への走査だけ繰り返して記録媒体Pの排紙を行う場合である。
評価結果より、図8の画像の記録を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間が10.6秒以上であれば、排紙ローラ404及び記録媒体の記録面への汚れは発生しないことが解った。
図13は、記録モードに応じて設定された画像領域を完成させる走査間の休止時間を示す図である。
第1記録モードでは、実施形態1と同じ記録動作を行い、画像領域を往路方向の1回の主走査で画像を完成させ、往路と復路の主走査間の反ホームポジションの位置で休止時間として、10秒間記録を休止する。
一方、第2記録モードでは、画像領域を往路方向と復路方向の2回の主走査で画像を完成させ、往路と復路の主走査間の反ホームポジションの位置と復路と往路の走査間のホームポジションの位置で休止時間として、2.4秒間記録を休止する。
次に、実施形態2のインクジェット記録装置の記録動作について、図14を用いて説明する。
図14は本発明の実施形態2のインクジェット記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
尚、図14では、図11で示す画像領域A1〜D2を記録する場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS2801において、記録モードの種類を判定する。記録モードが第1記録モード1である場合、上述の実施形態1の図10の記録動作を実行する。一方、記録モードが第2記録モードである場合、ステップS2802に進む。
尚、記録モードの判定は、例えば、ホストコンピュータより受信する記録データに含まれる記録設定情報に基づいて行う。
ステップS2802において、記録媒体Pの給紙を行う。ステップS2803において、記録媒体Pの1ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS2802でNO)、ステップS2815に進む。一方、記録データがある場合(ステップS2802でYES)、ステップS2804に進む。
この場合、図11で示す画像領域A1−1を記録するため、ページ内に記録データがあると判定し、ステップS2804に進む。
ステップS2804において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。この場合、画像領域A1−1に対応する記録データを読み込む。
ステップS2805において、往路の主走査方向へ記録ヘッドを移動しながら記録を行う。図12の場合、1走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域A1−1の記録を行う。
ステップS2806において、新たに記録が完成した画像領域の有無を判定する。記録が完成した画像領域がある場合(ステップS2806でYES)、ステップS2807に進む。一方、新たに記録が完成した画像領域がない場合(ステップS2806でNO)、ステップS2808に進む。
この場合、画像領域A1−1までが記録されているだけで、画像領域A1の記録は完成していないため、新たに記録が完成した画像領域がないと判定し、ステップS2808に進む。
ステップS2808において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(この場合、2.4秒間)記録を休止する。
ステップS2809において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、128/1200インチ)搬送(記録媒体の搬送1)する。
ステップS2810において、ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS2810でNO)、ステップS2811に進む。一方、記録データがある場合(ステップS2810でYES)、ステップS2804に戻る。
この場合、図11で示す画像領域A1−2とA2−1を記録するため、ページ内に記録対象のデータがあると判定し、ステップS2804に戻る。
画像領域A1−2とA2−1に対する記録動作としては、ステップS2804において、画像領域A1−2とA2−1に対応する記録データを読み込む。ステップS2805において、図12の2走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域A1−2とA2−1の記録を行う。これにより、画像領域A1の記録が完成する。
次に、ステップS2806の判定では、画像領域A1の記録が完成したため、記録が完成した画像領域があると判定し、ステップS2807に進む。
ステップS2807において、画像領域A1を完成させる2回の記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。ステップS2808において、休止時間として、ホームポジションhで所定時間T2=2.4秒間記録を休止する。ステップS2809において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、128/1200インチ)搬送する。
ステップS2810の判定では、図11で示す画像領域A2−2とB1−1を記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS2804に戻る。
画像領域A2−2とB1−1に対する記録動作としては、ステップS2804において、画像領域A2−2とB1−1に対応する記録データを読み込む。ステップS2805において、図12の3走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域A2−2とB1−1の記録を行う。これにより、画像領域A2の記録が完成する。
次に、ステップS2806の判定では、画像領域A2の記録が完成したため、記録が完成した画像領域があると判定し、ステップS2807に進む。
ステップS2807において、時間Tの値は上書きし、画像領域A2を完成させる2回の記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。
また、この時点で画像領域A1が完成した時点からの時間Ta1は、
2走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒を合計した2.6秒となる。
次に、ステップS2808において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=2.4秒間記録を休止する。ステップS2809において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、128/1200インチ)搬送する。
以下、同様にして、ステップS2804〜ステップS2810の処理において、画像領域B2−1とB1−2に対する記録動作を実行する。この画像領域B2−1とB1−2に対する記録動作によって、画像領域B1の記録が完成し、ステップS2807において、時間Tを上書きし、画像領域B1を完成させる2回の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
また、この時点で画像領域A1が完成した時点からの時間Ta1は、
2走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、
3走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した5.2秒となる。
また、この時点で画像領域A2が完成した時点からの時間Ta2は、
3走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した2.6秒となる。
次に、ステップS2804〜ステップS2810の処理において、画像領域C1−1とB2−2に対する記録動作を実行する。この画像領域C1−1とB2−2に対する記録動作によって、画像領域B2の記録が完成し、ステップS2807において、時間Tを上書きし、画像領域B2を完成させる2回の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
また、この時点で画像領域A1が完成した時点からの時間Ta1は、
2走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、
3走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒と、
4走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.8秒となる。
また、この時点で画像領域A2が完成した時点からの時間Ta2は、
3走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒と、
4走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒を合計した5.2秒となる。
また、この時点で画像領域B1が完成した時点からの時間Tb1は、
4走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒を合計した2.6秒となる。
以下、同様に、残りの画像領域C1、C2、D1、D2の記録を完成させるまで、ステップS2804〜ステップS2810を繰り返す。
そして、画像領域A1が完成した時点から画像領域A1が排紙ローラ404を通過するまでの時間Ta1は、画像領域A1が完成した時点から6走査目の復路の主走査を記録し終えた時点までの時間10.4秒と、6走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒を合計した12.8秒となる。
同様に、画像領域A2が完成した時点から画像領域A2が排紙ローラ404を通過するまでの時間Ta2は、画像領域A2が完成した時点から7走査目の往路の主走査を記録し終えた時点までの時間10.4秒と、7走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒を合計した12.8秒となる。
同様に、画像領域B1が完成した時点から画像領域B1が排紙ローラ404を通過するまでの時間Tb1は、画像領域B1が完成した時点から8走査目の復路の主走査を記録し終えた時点までの時間10.4秒と、8走査目の復路を記録し終わった後のホームポジションh側での休止時間のT2=2.4秒を合計した12.8秒となる。
同様に、画像領域B2が完成した時点から画像領域B2が排紙ローラ404を通過するまでの時間Tb2は、画像領域B2が完成した時点から9走査目の往路の主走査を記録し終えた時点までの時間10.4秒と、9走査目の往路を記録し終わった後の反ホームポジション側での休止時間のT2=2.4秒を合計した12.8秒となる。
画像領域D2の記録が完成すると、ステップS2810の判定では、画像領域D2より排紙側には記録対象の画像領域がないため、ページ内に記録対象の記録データがないと判定し、ステップS2811に進む。
ステップS2811において、画像領域C1が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(この場合、10.6秒)以上であるか否かを判定する。所定時間T1以上である場合(ステップS2811でYES)、ステップS2815に進む。一方、所定時間T1未満である場合(ステップS2811でNO)、ステップS2812に進む。
この場合、画像領域C1が完成した時点からの時間Tc1が10.2秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS2812に進む。
尚、この時点で、画像領域C2が完成した時点からの時間Tc2は、7.6秒である。また、この時点で、画像領域D1が完成した時点からの時間Td1は、5.0秒である。また、この時点で、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2は、2.4秒である。
ステップS2812において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T3(この場合、2.7秒間)記録を休止する。
ステップS2813において、画像領域C1が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。所定時間T1以上である場合(ステップS2813でYES)、ステップS2814に進む。一方、所定時間T1未満である場合(ステップS2813でNO)、ステップS2812に戻る。
この時点で、画像領域C1が完成した時点からの時間Tc1は、上記10.2秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した12.9秒が計測され、所定時間T1(=10.6秒)以上であると判定する。
また、この時点で、画像領域C2が完成した時点からの時間Tc2は、上記7.6秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した10.3秒となる。
また、この時点で、画像領域D1が完成した時点からの時間Td1は、上記5.0秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した7.7秒となる。
また、この時点で、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2は、上記2.4秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した5.1秒となる。
ステップS2814において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、100/1200インチ)搬送(記録媒体の搬送2)する。
再度、ステップS2811において、画像領域C2が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点では、画像領域C2が完成した時点からの時間Tc2=10.3秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS2812に進む。
ステップS2812において、休止時間として、ホームポジションhで所定時間T3=2.7秒間記録を休止する。
ステップS2813において、画像領域C2が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点で、画像領域C2が完成した時点からの時間Tc2は、上記10.3秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した13.0秒が計測され、所定時間T1(=10.6秒)以上であると判定する。
また、この時点で、画像領域D1が完成した時点からの時間Td1は、上記7.7秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した10.4秒となる。
また、この時点で、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2は、上記5.1秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した7.8秒となる。
ステップS2814において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、100/1200インチ)搬送(記録媒体の搬送3)する。
再度、ステップS2811において、画像領域D1が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点では、画像領域D1が完成した時点からの時間Td1=10.4秒であるため、所定時間T(=10.6秒)未満となり、ステップS2812に進む。
ステップS2812において、休止時間として、ホームポジションhで所定時間T3=2.7秒間記録を休止する。
ステップS2813において、画像領域D1が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点で、画像領域D1が完成した時点からの時間Td1は、上記10.4秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した13.1秒が計測され、所定時間T1(=10.6秒)以上であると判定する。
また、この時点で、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2は、上記7.8秒と、ホームポジションh側での休止時間のT3=2.7秒を合計した10.5秒となる。
ステップS2814において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、100/1200インチ)搬送(記録媒体の搬送4)する。
再度、ステップS2811において、画像領域D2が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点では、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2=10.5秒であるためは、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS2812に進む。
ステップS2812において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T3=2.7秒間記録を休止する。
ステップS2813において、画像領域D2が完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点で、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2は、上記10.5秒と、反ホームポジション側での休止時間のT3=2.7秒を合計した13.2秒が計測され、所定時間T1(=10.6秒)以上であると判定する。
ステップS2814において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、100/1200インチ)搬送(記録媒体の搬送5)する。
再度、ステップS2811において、画像領域D2が完成した時点からの時間TがT1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この時点では、画像領域D2が完成した時点からの時間Td2=13.2秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)以上となり、ステップS2815に進み、記録媒体Pを排紙する。
以上説明したように、実施形態2によれば、第2記録モードにおいて、主走査方向が記録媒体Pの記録面に記録する全画像領域の中で最も主走査方向の記録幅が短い画像領域の主走査方向の幅X1は、図11の場合、4インチとなる。
一方、副走査方向が図11で示す画像領域A1〜D2(画像領域W1)の記録に使用するインク吐出口の内、排紙側に最も近いインク吐出口から記録ヘッド402よりも排紙側に記録媒体Pの記録面に接しながら記録媒体Pを搬送するローラ(補助ローラ404)までの幅である128/1200インチ×6回=768/1200インチから、記録に使用するインク吐出口の幅256/1200インチを差し引いた幅Y1は、512/1200インチとなる。
そして、この幅X1と幅Y1で囲まれる画像領域W2は、画像領域A1と画像領域A2と画像領域B1と画像領域B2の4つを合わせた画像領域と同じ大きさになる。
これより、実施形態2の画像領域A1と画像領域A2と画像領域B1と画像領域B2の4つを合わせた画像領域を完成させるのに要する時間T1は、
1走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=2.4秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
2走査目の復路と3走査目の往路の主走査方向間の休止時間のT2=2.4秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=2.4秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路と5走査目の往路の主走査方向間の休止時間のT2=2.4秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒とを合計した10.6秒となる。
実施形態2における記録媒体Pの記録面に記録する画像領域が完成してから排紙ローラ404と接触する時間が、画像領域A1〜B2が12.8秒経過後、画像領域C1が12.9秒経過後、画像領域C2が13.0秒経過後、画像領域D1が13.1秒経過後、画像領域D2が13.2秒経過後となることから、画像領域A1〜D2の全ての画像領域が所定時間T1(=10.6秒)以上経過後に排紙ローラ404と接触することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができた。
また、実施形態2における画像領域よりも給紙側の領域に記録データが無い領域に対しては、画像領域D2の完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の約13.2秒経過するまで、記録媒体Pを走査する副走査として、図12の記録媒体の搬送1〜記録媒体の搬送5の5回の副走査を実施することで、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しても、ユーザに対して記録動作が終了していないことを促すことができる。これは、記録データがない領域に達した後、直ちに記録動作を終了してしまうと、ユーザが記録動作が終了したと判断して、記録媒体上の記録画像が十分浸透及び定着していない内に、その記録媒体をインクジェット記録装置から引き抜いてしまうことで、記録画像が劣化したり、排紙ローラが汚れてしまうことを防止するためである。
さらには、画像領域D2を完成させた9主走査目の主走査と記録媒体の搬送1の副走査の走査間、記録媒体の搬送1と記録媒体の搬送2の副走査間、記録媒体の搬送2と記録媒体の搬送3の副走査間、記録媒体の搬送3と記録媒体の搬送4の副走査間、記録媒体の搬送4と記録媒体の搬送5の副走査間に休止時間を設けることで、画像領域D2の完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の13.2秒を満足できる。また、排紙時においても、このように記録媒体Pを走査する副走査の動作を繰り返し実施することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラ404を用いることで、記録媒体P上の記録画像の画質を向上することができる。
尚、実施形態2では、画像領域を往路方向と復路方向の2回の主走査で画像を完成させる第2記録モードと、実施形態1で説明した画像領域を往路方向の1回の主走査で画像を完成させる第1記録モードの2種類の画像を完成させる走査回数の異なる記録モードについて説明したが、これに限定されるものではなく、主走査方向の走査速度の異なる記録モードや、副走査方向の走査速度の異なる記録モード等の異なる複数種類の記録モードに対して、同様の制御を実施することで同様の効果を得ることができる。
また、実施形態2では、記録媒体Pの記録面に記録する画像領域の記録デューティーが全て100%である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、画像領域が100%以下であっても、同様の制御を実施することで同様の効果を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態1の画像領域A〜Dの記録デューティーが異なる場合について説明を行う。
尚、実施形態3では、実施形態1と同じ記録ヘッド402を用いた場合を例に挙げて説明する。
実施形態3では、例えば、図15の各画像領域を往路の主走査方向で完成させ、往路と復路の主走査の間に休止時間を設ける片方向記録の場合について、図7、図8、図9、図10、図15、図19、図20及び図21を用いて説明する。
まず、実施形態3の記録画像の一例について、図15を用いて説明する。
図15は本発明の実施形態3の記録画像を示す図である。
図15では、例えば、記録媒体Pとして、そのサイズが4×6インチの光沢紙の例を示している。また、この記録媒体Pに記録する記録画像としては、画像領域Aの記録デューティーが30%、Bの記録デューティーが20%、Cの記録デューティーが50%、Dの記録デューティーが70%の縦256/1200インチ、横4インチのサイズの画像である。
図16は、記録デューティーが75%で、サイズが256/1200インチ四方のパッチを示す図である。
図17は、図16の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間と排紙ローラ404の汚れ具合、及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れの転写具合の関係を示した表である。
図17の表は、図12の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間を0.4秒、3.6秒、7.6秒、10.6秒、13.6秒と異ならせて、その時の排紙ローラ404及び記録媒体Pの記録面への汚れ具合を評価したものである。
このときの0.4秒は、副走査方向への走査だけ繰り返して記録媒体Pの排紙を行う場合である。
評価結果より、図16の画像の記録を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間が7.6秒以上であれば、排紙ローラ404及び記録媒体Pの記録面への汚れは発生しないことが解った。
また、図18は、記録デューティーが50%で、サイズが256/1200インチ四方のパッチを示す図である。
図19は、図18の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間と排紙ローラ404の汚れ具合、及び汚れた排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面への汚れの転写具合の関係を示した表である。
図19の表は、図18の画像を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間を0.4秒、3.6秒、7.6秒、10.6秒、13.6秒と異ならせて、その時の排紙ローラ404及び記録媒体Pの記録面への汚れ具合を評価したものである。
このときの0.4秒は、副走査方向への走査だけ繰り返して記録媒体の排紙を行う場合である。
評価結果より、図18の画像の記録を完成させてから、排紙ローラ404を通過するまでの時間が3.6秒以上であれば、排紙ローラ404及び記録媒体Pの記録面への汚れは発生しないことが解った。
図20は、(256dot/1200dpi)×(256dot/1200dpi)内のドット数に応じたドットカウントレベルの区分けを示す表である。
ドットカウントレベルは0〜2の3つに区分けしている。
ドットカウントレベル0は、(256dot/1200dpi)×(256dot/1200dpi)内の記録デューティーが50%以下である。
ドットカウントレベル1は、(256dot/1200dpi)×(256dot/1200dpi)内の記録デューティーが50%以上75%未満である。
ドットカウントレベル2は、(256dot/1200dpi)×(256dot/1200dpi)内の記録デューティーが75%以上である。
図21は、図20で設定したドットカウントレベルと画像の記録を完成させてから排紙ローラ404を通過するまでの時間の関係を示す表である。ここで、記録を完成させてから排紙ローラ404を通過するまでの時間は、図17及び図19の結果から設定している。
図22は、4×6インチの記録媒体の全領域に対して、(256dot/1200dpi)×(256dot/1200dpi)サイズのWindow181内の記録ドット数をカウントするWindowの移動位置を示す図である。
まず、(1)の位置からX方向へ1画素/1200dpiづつ移動する。
次に、(2)の位置まで移動を終了すると、(1)の位置を−Y方向へ1画素/1200dpiずらした位置からX方向へ1画素/1200dpiづつ移動する。
同様に、縦に1画素/1200dpi、横1画素/1200dpiづつすらして移動し、(3)の位置で移動は終了となる。
次に、実施形態3のインクジェット記録装置の記録動作について、図23を用いて説明する。
図23は本発明の実施形態3のインクジェット記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
尚、図23では、インクジェット記録装置とそれに記録データを供給するホストコンピュータ間における記録動作について説明する。特に、ステップS1901〜ステップS1908の処理がホストコンピュータ側、ステップS1909及びステップS1910の処理がインクジェット記録装置側の処理である。
ステップS1901において、ホストコンピュータ内のプリンタドライバで多値の入力画像データを2値に量子化する。ここでは、例えば、1画素/1200dpi当たり8bitの多値の入力画像データを2値に量子化する。
ステップS1902において、処理対象の画像データのWindowSize内のドット数をカウントする。
ここでは、まず、図15の画像の記録デューティーが30%の画像領域Aに対応する量子化画像データに対して、図22の(1)の位置のWindowSize内のドット数をカウントする。
ステップS1903において、カウント値(ドット数)とドットカウントレベルを設定する。この場合、カウント値は、記録デューティーが30%の場合であるため、図20の表から、ドットカウントレベルを0に設定する。
ステップS1904において、ホストコンピュータのメモリにドットカウントレベルを記憶する。この場合、ドットカウントレベルとして0を記憶する。
ステップS1905において、Window(例えば、図18のWindow181)が移動可能であるか否かを判定する。一方、移動可能でない場合(ステップS1906でNO)、ステップS1907に進む。移動可能である場合(ステップS1905でYES)、ステップS1906に進み、Windowを縦または横1画素分移動する。
図18の例の場合、(1)の位置からWindow181の移動可能であるを判定し、ステップS1906において、Window181を(1)の位置からX方向へ1画素/1200dpi移動する。そして、Window181が(3)の位置で移動を終了するまで、ステップS1902からステップS1906を繰り返す。その後、Window181が(3)の位置に達した時点で、移動可能でないと判定し、ステップS1907に進む。
ステップS1907において、ホストコンピュータのメモリに記憶している、WindowSize毎のドットカウントレベルを比較する。
この場合、図15の画像領域Dのドット数(記録デューティーが70%)によって設定されたドットカウントレベル=1が、最大のドットカウントレベルとなる。
ステップS1908において、比較したドットカウントレベルから、最大のドットカウントレベル(この場合、「1」)をインクジェット記録装置本体に送信する。
ステップS1909において、インクジェット記録装置は、ホストコンピュータから最大のドットカウントレベル(この場合、「1」)を受信する。
ステップS1910において、受信した最大のドットカウントレベルに基づいて、休止時間を設定する。
この場合、最大のドットカウントレベル=1であるため、図21の表から記録を完成させてから排紙ローラ404を通過するまでの時間が7.6秒となるように、休止時間を7秒に設定する。
その後のインクジェット記録装置の記録動作について、図10を参照して説明する。
まず、ステップS1001において、記録媒体Pの給紙を行う。ステップS1002において、図15で示す画像領域Aを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に進む。ステップS1003において、画像領域Aに対応する記録データを読み込む。
ステップS1004において、図15の1走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Aの記録を行う。ステップS1005において、記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(この場合、7秒間)記録を休止する。
ステップS1007において、休止後に、図7の2走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.2秒が計測されている。
次に、ステップS1009の判定では、図15の画像領域Bを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Bに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Bに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の3走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Bの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tの値を上書きし、3走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=7秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の4走査目で復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した14.6秒となる。
次に、ステップS1009の判定では、図15で示す画像領域Cを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Cに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Cに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の5走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Cの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tを上書きし、5走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
ステップS1006において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2=7秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の6走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した22秒となる。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した14.6秒となる。
次に、ステップS1009の判定では、図15で示す画像領域Dを記録するため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS1003に戻る。
画像領域Dに対する記録動作としては、ステップS1003において、画像領域Dに対応する記録データを読み込む。ステップS1004において、図7の7走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Dの記録を行う。次に、ステップS1005において、時間Tの値を上書きし、7走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を再度開始する。
ステップS1006において、休止時間として反ホームポジションで所定時間T2=7秒間記録を休止する。ステップS1007において、休止後に、図7の8走査目で復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1008において、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.2秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した22秒が計測されている。
また、この時点で画像領域Cが完成した時点からの時間Tcは、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した14.6秒となる。
また、この時点で画像領域Aが完成した時点からの時間Taは、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
を合計した29.4秒となり、画像領域Aの記録が完成後、29.4秒間経過してから排紙ローラ404を通過する。
次に、ステップS1009の判定では、図15で示す画像領域Dより排紙側には、記録対象となる画像領域がないため、ページ内に記録対象の記録データがないと判定し、ステップS1010に進む。
ステップS1010において、画像領域Dが完成した時点からの時間Tが所定時間T1(この場合、7.6秒)以上であるか否かを判定する。
この場合、画像領域Dが完成した時点からの時間Tは7.2秒であるため、所定時間T1(=7.6秒)未満となり、ステップS1011に進む。
ステップS1011において、図7の9走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS1012において、休止時間として反ホームポジションでT2=7秒間記録を休止する。ステップS1013において、休止後に、図7の10走査目で、復路の主走査方向記録ヘッド402を移動する。
ステップS1014において、ホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
再度、ステップS1010において、画像領域Dが完成した時点からの時間Tが所定時間T1(=7.6秒)以上であるか否かを判定する。
このとき、時間Tは、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した14.6秒となる。
また、この時点で画像領域Bが完成した時点からの時間Tbは、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と
を合計した29.4秒となり、画像領域Bの記録が完成後、29.4秒間経過してから排紙ローラ404を通過する。
また、この時点で画像領域Cが完成した時点からの時間Tcは、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
9走査目の往路と10走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
9走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
10走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した22秒となる。
この場合、時間Tが14.6秒となるため、所定時間T1(=7.6秒)以上となり、ステップS1015に進み、記録媒体Pを排紙する。
以上説明したように、実施形態3によれば、主走査方向が記録媒体Pの記録面に記録する全画像領域の中で最も主走査方向の記録幅が短い画像領域の主走査方向の幅X1は、図15の場合、4インチとなる。
一方、副走査方向が図15の画像領域A〜D(画像領域W1)の記録に使用するインク吐出口の内、排紙側に最も近いインク吐出口から記録ヘッド402よりも排紙側に記録媒体Pの記録面に接しながら記録媒体Pを搬送するローラ(補助ローラ404)までの幅である256/1200インチ×3回=768/1200インチから、記録に使用するインク吐出口の幅256/1200インチを差し引いた幅Y1は、512/1200インチとなる。
そして、この幅X1と幅Y1で囲まれる画像領域W2は、実施形態3の画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域と同じ大きさになる。
これより、実施形態3の画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域を完成させるのに要する時間T1は、
1走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=7秒と、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した7.6秒となる。
実施形態3における記録媒体Pの記録面に記録する画像領域が完成してから排紙ローラ(補助ローラ404)と接触する時間が、画像領域Aと画像領域Bが29.4秒経過後、画像領域Cが22秒経過後、画像領域Dが14.6秒経過後となることから、画像領域A〜Dの全ての画像領域が所定時間T1(=7.6秒)以上経過後に排紙ローラ404と接触することで、図17の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
また、実施形態3における画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しては、画像領域Dの完成から(1/3)×T1≒2.6秒以上の14.6秒経過するまで、記録ヘッド402を走査する主走査は、図7より、9主走査、10主走査の2回の主走査を実施し、記録媒体Pを走査する副走査は、10主走査目の後に1回の副走査を実施することで、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しても、ユーザに対して記録動作が終了していないことを促すことができる。これは、記録データがない領域に達した後、直ちに記録動作を終了してしまうと、ユーザが記録動作が終了したと判断して、記録媒体上の記録画像が十分浸透及び定着していない内に、その記録媒体をインクジェット記録装置から引き抜いてしまうことで、記録画像が劣化したり、排紙ローラが汚れてしまうことを防止するためである。
さらには、画像領域Dを完成させた7主走査目と8主走査目の主走査間、9主走査目と10主走査目の主走査間に休止時間を設けることで、画像領域Dの完成から(1/3)×T1≒14.6秒以上の14.6秒を満足できる。また、画像領域A〜Dを完成させる記録動作と同じ記録動作を実施することで、図17の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラ404を用いることで、記録媒体P上の記録画像の画質を向上することができる。
このように、画像領域のドットカウントを行うことで、走査毎に各画像領域の記録を行ってから排紙ローラ404を通過するまでの時間を設定することができるので、実施形態1に比べて、記録時間を短縮することができる。
尚、実施形態3では、同一記録媒体毎にドットカウントレベルの設定を行ったが、これに限定されるものではなく、各主走査毎にドットカウントレベルの設定を行っても良く、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態3では、ホストコンピュータ内のプリンタドライバでドットカウントを行ったが、これに限定されるものではなく、インクジェット記録装置本体でドットカウントを行っても良く、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態4では、記録動作の中止を実行した場合について説明を行う。
実施形態4では、実施形態1と同じ記録ヘッド402を用いて、図6で示す画像を記録する場合を例に挙げて説明する。
実施形態4の記録動作は、実施形態1と同様の記録動作で、各画像領域を往路の主走査方向で完成させ、往路と復路の主走査の間に休止時間を設ける片方向記録を行う。
以下、実施形態4の記録動作について、図24を用いて説明する。
図24は本発明の実施形態4のインクジェット記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
尚、図24の処理は、実施形態1の図10のステップS1003〜ステップS1009による記録のステップS1005の後に、記録動作の中止を実行した場合を示している。ここで、記録動作の中止は、ホストコンピュータから記録動作の中止の指示を受信した場合や、インクジェット記録装置で障害(インク切れ、用紙切れ、用紙づまり等)は発生した場合に実行される。
ステップS2001において、図7の1走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド302を移動しながら、画像領域Aの記録を行う。ステップS2002において、記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。
ステップS2003において、記録動作を中止する。ステップS2004において、時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
これまでに、時間Tは、1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されており、所定時間T=10.6秒未満であるため、ステップS2005に進む。
ステップS2005において、2走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS2006において、休止時間として、ホームポジションhで所定時間T2=10秒間記録を休止する。
ステップS2007において、休止後に、3走査目で往路の主走査方向に記録ヘッド402を移動する。ステップS2008において、反ホームポジション側で、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
次に、再度、ステップS2004において、時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
ここまでに、時間Tは、2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、2走査目の復路と3走査目の往路の主走査間の休止時間のT2=10秒と、3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒をさらに合計した10.4秒が計測されており、所定時間T1=10.6秒未満であるため、同様に、スッテップ2005からステップS2008を行う。
さらに、再度、ステップS2004において、時間Tが所定時間T1(=10.6秒)以上であるか否かを判定する。
ここまでに、時間Tは、4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、4走査目の復路と5走査目の往路の主走査間の休止時間のT2=10秒と、5走査目の往路の主走査にかかる0.2秒をさらに合計した20.8秒が計測されており、所定時間T1=10.6秒以上であるため、ステップS2009に進み、記録媒体Pを排紙する。
以上説明したように、実施形態4によれば、画像領域Aの記録が完成してから20.8秒となり、所定時間T1=10.6秒間経過してから排紙ローラ404を通過する。そのため、実施形態1の図9の表から理解されるように、記録媒体Pが排紙ローラ404を通過して、排紙ローラ404にインクが付着し、さらに排紙ローラ404から記録媒体Pへインクが転写することを防止できる。
また、記録動作の中止を実行した場合においても、実施形態1と同様に、幅X1と幅Y1で囲まれる画像領域が、画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域と同じ大きさになり、この画像領域を完成させるのに要する時間T1は、10.6秒となる。
実施形態4における記録媒体Pの記録面に記録する画像領域Aが完成してから排紙ローラ404と接触する時間が、20.8秒経過後となることから、画像領域Aが所定時間T1=10.6秒以上経過後に排紙ローラ404と接触することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
また、実施形態4における画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しては、同一記録媒体に記録される画像データが全て記録し終える前に記録動作を中止した場合に発生するが、画像領域Aの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.8秒経過するまで、記録ヘッド402を走査する主走査は、図7より、2主走査、3主走査、4主走査、5主走査目の4回の主走査を実施し、記録媒体Pを走査する副走査は、3主走査目と4主走査目、4主走査目と5主走査目の間で2回の副走査を実施することで、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しても、ユーザに対して記録動作が終了していないことを促すことができる。これは、記録データがない領域に達した後、直ちに記録動作を終了してしまうと、ユーザが記録動作が終了したと判断して、記録媒体上の記録画像が十分浸透及び定着していない内に、その記録媒体をインクジェット記録装置から引き抜いてしまうことで、記録画像が劣化したり、排紙ローラが汚れてしまうことを防止するためである。
さらには、記録動作を中止した後の2主走査目と3主走査目の主走査間、4主走査目と5主走査目の主走査間に休止時間を設けることで画像領域Dの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.8秒を満足できる。このように、記録動作を中止した場合においても、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラ404を用いることで、記録媒体P上の記録画像の画質を向上することができる。
尚、実施形態1では、記録媒体Pの記録面に記録する画像領域の記録デューティーが全て100%である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、画像領域が100%以下であっても、同様の記録動作を実施することで同様の効果を得ることができる。
(実施形態5)
実施形態5では、同一の記録媒体に記録される画像データの途中に画像データがない場合について説明を行う。
実施形態5では、実施形態1と同じ記録ヘッド402を用いて、図25で示す画像を記録する場合を例に挙げて説明する。
実施形態5での記録動作は、実施形態1と同様の記録動作で、各画像領域を往路の主走査方向で完成させ、往路と復路の主走査の間に休止時間を設ける片方向記録を行う。
まず、実施形態5の記録画像の一例について、図25を用いて説明する。
図25は本発明の実施形態5の記録画像を示す図である。
図25では、例えば、記録媒体Pとして、そのサイズが4×6インチの光沢紙の例を示している。また、この記録媒体Pに記録する記録画像としては、各画像領域A、Fは、記録デューティーが100%の縦256/1200インチ、横4インチのサイズの画像であり、各画像領域B〜Eには画像データ(nullデータ)がない。
次に、実施形態5のインクジェット記録装置の記録動作について、図26を用いて説明する。
図26は本発明の実施形態5のインクジェット記録装置の記録動作を示すフローチャートである。
尚、図26では、図25で示す画像領域A〜Fを記録する場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS2401において、記録媒体Pの給紙を行う。ステップS2402において、記録媒体Pの1ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS2402でNO)、ステップS2418に進む。一方、記録データがある場合(ステップS2402でYES)、ステップS2403に進む。
この場合、図25で示す画像領域Aと画像領域Fに対応する記録データがあるため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS2403に進む。
ステップS2403において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。この場合、画像領域Aに対応する記録データを読み込む。ステップS2404において、処理対象の画像データの有無を判定する。処理対象の画像データがない場合(ステップS2404でNO)、ステップS2411に進む。一方、処理対象の画像データがある場合(ステップS2402でYES)、ステップS2405に進む。
この場合、画像領域Aに対応する記録データがあるため、処理対象の画像データがあると判定し、ステップS2405に進む。
ステップS2405において、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら記録を行う。図25の場合、1走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Aの記録を行う。
ステップS2406において、記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。ステップS2407において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(この場合、10秒間)記録を休止する。
ステップS2408において、休止後に、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。ステップS2409において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ここまでに、時間Tは、1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
次に、ステップS2410において、次の主走査で記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS2410でNO)、ステップS2411に進む。一方、記録データがある場合(ステップS2410でYES)、ステップS2403に戻る。
この場合、図25で示す画像領域Aより排紙側の画像領域Bは画像データがないため、次の主走査で記録対象の記録データがないと判定し、ステップS2411に進む。
ステップS2411において、時間Tが所定時間T1(この場合、10.6秒)以上であるか否かを判定する。所定時間T1以上である場合(ステップS2411でYES)、ステップS2417に進む。一方、所定時間T1未満である場合(ステップS2411でNO)、ステップS2412に進む。
この場合、画像領域Aが完成した時点からの時間Tは10.2秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS2412に進む。
ステップS2412において、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。図25の場合、3走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS2413において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(=10秒間)記録を休止する。ステップS2414において、休止後に、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。図25の場合、4走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS2415において、ホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ステップS2403において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。この場合、画像領域Bに対応する記録データを読み込む。ステップS2404において、処理対象の画像データの有無を判定する。
この場合、画像領域Bに対応する記録データがないため、処理対象の画像データがないと判定し、ステップS2411に進む。
ここまでに、時間Tは、
2走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
1走査目の往路と2走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
3走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
3走査目の往路と4走査目の復路の主走査方向間の休止時間のT2=10秒と、
4走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒が計測されている。
そして、ステップS2411の判定では、時間Tは20.6秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)以上となり、ステップS2417に進む。
ステップS2417において、記録媒体Pの1ページ内に記録対象の記録データの有無を判定する。記録データがない場合(ステップS2417でNO)、ステップS2418に進む。一方、記録データがある場合(ステップS2417でYES)、ステップS2416に進む。
この場合、図25で示す画像領域Fに対応する記録データがあるため、ページ内に記録対象の記録データがあると判定し、ステップS2416に進む。
ステップS2416において、画像領域C〜Eにかけて、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ、各画像領域分×所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ステップS2403において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。この場合、画像領域Fに対応する記録データを読み込む。ステップS2404において、処理対象の画像データの有無を判定する。
この場合、画像領域Fに対応する記録データがあるため、処理対象の画像データがあると判定し、ステップS2405に進む。
ステップS2405において、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら記録を行う。図25の場合、5走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動しながら、画像領域Fの記録を行う。
ステップS2406において、記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。この場合、時間Tを上書きし、5走査目の記録が終了してからの時間Tの計測を開始する。ステップS2407において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(=10秒間)記録を休止する。
ステップS2408において、休止後に、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。この場合、6走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS2409において、記録ヘッド402がホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
次に、ステップS2410において、次の主走査で記録対象の記録データの有無を判定する。
この場合、図25で示す画像領域Fより排紙側に画像領域がなり、つまり、画像データがないため、次の主走査で記録対象の記録データがないと判定し、ステップS2411に進む。
ここまでに、時間Tは、5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間の10秒と、6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した10.2秒が計測されている。
ステップS2411において、時間Tが所定時間T1(この場合、10.6秒)以上であるか否かを判定する。
この場合、時間Tは10.2秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)未満となり、ステップS2412に進む。
ステップS2412において、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。この場合、7走査目で、往路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS2413において、休止時間として、反ホームポジションで所定時間T2(=10秒間)記録を休止する。ステップS2414において、休止後に、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。この場合、8走査目で、復路の主走査方向へ記録ヘッド402を移動する。
ステップS2415において、ホームポジションh側に戻ると、紙送りローラ403と排紙ローラ404によって、記録媒体Pを副走査方向へ所定量(この場合、256/1200インチ)搬送する。
ステップS2403において、主走査方向に記録する記録データを読み込む。ステップS2402において、処理対象の画像データの有無を判定する。
この場合、画像領域Fより排紙側には画像領域がないため、処理対象の画像データがないと判定し、ステップS2411に進む。
ここまでに、時間Tは、
5走査目の往路と6走査目の復路の主走査方向間の休止時間の10秒と、
6走査目の復路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路の主走査にかかる0.2秒と、
7走査目の往路と8走査目の復路の主走査方向間の休止時間の10秒と、
8走査目の復路の主走査にかかる0.2秒を合計した20.6秒が計測されている。
そして、ステップS2411の判定では、時間Tは20.6秒であるため、所定時間T1(=10.6秒)以上となり、ステップS2417に進み、記録媒体Pを排紙する。
以上説明したように、実施形態5によれば、同一記録媒体に記録される画像データの途中に、記録に用いる画像データ(nullデータ)がない場合においても、実施形態1と同様に、幅X1と幅Y1で囲まれる画像領域W2が、画像領域Aと画像領域Bの2つを合わせた画像領域と同じ大きさになり、この画像領域を完成させるのに要する時間T1は、10.6秒となる。
実施形態5における記録媒体Pの記録面に記録する画像領域Aが完成してから排紙ローラ404と接触する時間が、20.6秒経過後となることから、画像領域Aが所定時間T1=10.6秒以上経過後に排紙ローラ404と接触することで、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
また、実施形態5における画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域は、実施形態5のように、同一記録媒体に記録される画像データの途中に、記録に用いる画像データ(nullデータ)がない場合に発生するが、画像領域Aの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.6秒経過するまで、記録ヘッド402を走査する主走査は、2走査目、3走査目、4走査目の4回の主走査を実施し、記録媒体Pを走査する副走査は、1主走査目と2主走査目、3主走査目と4主走査目の間で2回の副走査を実施することで、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない領域に対しても、ユーザに対して記録動作が終了していないことを促すことができる。これは、記録データがない領域に達した後、直ちに記録動作を終了してしまうと、ユーザが記録動作が終了したと判断して、記録媒体上の記録画像が十分浸透及び定着していない内に、その記録媒体をインクジェット記録装置から引き抜いてしまうことで、記録画像が劣化したり、排紙ローラが汚れてしまうことを防止するためである。
さらには、図25の画像領域Aを完成させた1主走査目と2主走査目の主走査間、3主走査目と4主走査目の主走査間に休止時間を設けることで、画像領域Aの完成から(1/3)×T1≒3.5秒以上の20.6秒を満足でき、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない場合においても、図9の表から理解されるように、記録媒体Pへのインクの定着が悪い場合でも記録媒体Pの記録面が排紙ローラ404に擦れ、記録画像と排紙ローラ404が汚れるのを防止することができる。
さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラ404を用いることで、記録媒体P上の記録画像の画質を向上することができる。
また、画像領域よりも給紙側の領域に記録データがない場合、画像領域の記録を行ってから排紙ローラ404を通過するまでの時間T1以上の時間を経過した後は、次に記録を行う画像領域の直前まで記録媒体を副走査方向へ搬送することで、実施形態1と比べて余分な記録時間を短縮することができる。
尚、実施形態1では、記録媒体Pの記録面に記録する画像領域の記録デューティーが全て100%である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、画像領域が100%以下であっても、同様の記録動作を実施することで同様の効果を得ることができる。
(実施形態6)
実施形態1〜5では、図2に示すような、インク吐出口列が一列で構成された記録ヘッド402を1つ備え、記録ヘッド402はブラックのインクを吐出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インク吐出口列が複数列で構成された記録ヘッドの使用に関しても、各領域の記録が完成してから排紙ローラ404を通過するまでの時間を一定以上とすることで、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態1から実施形態5では、約4plのインク滴を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、約4plよりも大きなインク滴でも、小さなインク滴でも良く、さらに色ごと、ノズル列ごとにインク滴の大きさを異ならせても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、時間T1を経過するために、実施形態1、4及び5については、記録動作と同じ主走査と記録媒体Pを走査する副走査の両方を走査する場合について説明し、実施形態2については、記録動作と異なる副走査のみを繰り返した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録動作と同じ主走査のみを繰り返しても良く、また、記録動作と同じ副走査のみを繰り返しても良く、また、記録動作と異なる主走査のみを繰り返しても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では各画像領域の記録が完成してから排紙ローラ404を通過するまでの時間を一律としたが、これに限定されるものではなく、記録媒体の種類、記録媒体の大きさ、記録ヘッド402から吐出されるインク吐出量、1画素当たりのデータ量、記録対象の画像領域、排紙側に最も近いインク吐出口から排紙ローラ404までの距離、記録モードの少なくとも1つ、あるいはそれらの任意の組み合わせに応じて各画像領域の記録が完成してから排紙ローラ404を通過するまでの時間を異ならせても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態1〜5では、画像領域W1の記録に使用するインク吐出口の内、排紙側に最も近いインク吐出口から排紙ローラ404までの幅から、記録に使用するインク吐出口の幅を差し引いた幅Y1を、512/1200インチとして説明したが、これに限定されるものではなく、512/1200インチよりも長くても、短くても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では各画像領域の記録が完成してから、排紙ローラ404を通過するまでの所定時間T1を一律とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、スループットアップのために、図27のように、記録媒体Pの記録面に記録する全画像領域を記録し終えてから排紙ローラ404を通過するまでの時間T3(T3≧(1/3)×T1)を、図9の表から排紙ローラ404は汚れているが、排紙ローラ404から記録媒体Pの記録面へ汚れが転写していない「△」の7.6秒に設定し、時間T1と異ならせてもよく、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、図4に示すような、1本のローラからなる排紙ローラ404を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図28に示す排紙ローラ2704のように、所定幅に分割された所定数(この場合、4)のローラで構成しても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、図4に示すような、1本のローラからなる排紙ローラ404を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図28に示す構成に加えて、記録媒体Pの搬送精度向上のために、図29に示す補助ローラ2804を構成した、副走査方向に2列で構成されるローラで構成しても良く、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、各画像領域の記録を行ってから排紙ローラを通過するまでの時間を設定することで、インクが記録媒体に浸透し定着するための十分な時間が確保され、インクが記録媒体に定着しないうちに記録媒体Pが排紙ローラを通過して排紙ローラにインクが付着し、さらに排紙ローラから記録媒体Pへインクが転写することを防止することができる。さらには、記録媒体Pの副走査方向への搬送精度が良い排紙ローラを用いることで、記録媒体に記録される記録画像の画質を向上することができる。
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。