JP2006102917A - ワイヤソー用ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ローラ本体に刻設されたワイヤ溝の壁面の摩耗を低減し、ローラの耐久性を増す。
【解決手段】 ワイヤソー用ローラのローラ本体を、ウレタンで成形する。このウレタンは、SiCなどの砥粒を均一に含む。このローラ本体に外周面に複数のワイヤ溝を刻設する。ワイヤ溝の壁面がウレタンのみの場合よりも硬化する。ワイヤが細線化され、単結晶インゴットの直径が大きくなって、切断時のワイヤへの負荷が増大しても、ワイヤ溝壁面の摩耗や変形が生じない。この結果、単結晶インゴットより一定厚さの半導体ウェーハを得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 ワイヤソー用ローラのローラ本体を、ウレタンで成形する。このウレタンは、SiCなどの砥粒を均一に含む。このローラ本体に外周面に複数のワイヤ溝を刻設する。ワイヤ溝の壁面がウレタンのみの場合よりも硬化する。ワイヤが細線化され、単結晶インゴットの直径が大きくなって、切断時のワイヤへの負荷が増大しても、ワイヤ溝壁面の摩耗や変形が生じない。この結果、単結晶インゴットより一定厚さの半導体ウェーハを得ることができる。
【選択図】図1
Description
この発明はワイヤソー用ローラ、詳しくは単結晶インゴットを切断するワイヤが巻き掛けられるワイヤソー用ローラの改良に関する。
ワイヤソーでは、砥粒をラッピングオイルに混合したスラリ状の砥液を供給しつつ、ワイヤ列に単結晶インゴットを押しつけて、この砥粒の研削作用により、この単結晶インゴットを複数の薄い円板(ウェーハ)に切断する。具体的には、ワイヤソーは、3本のワイヤソー用ローラを略三角形に配置し、これらのワイヤソー用ローラのワイヤ溝にワイヤが一定ピッチで巻きかけられている。そして、三角形の底辺を構成する2本ワイヤソー用ローラ間のワイヤ列を往復動させ、このワイヤ列に単結晶インゴットを押し当て、所定厚みの半導体ウェーハに切断する。
従来、ワイヤソー用ローラのローラ本体はナイロンやウレタンなどで成形されている。そして、このローラ本体の外周面に複数条のワイヤ溝が刻設されている。
しかし、単結晶インゴットの切断時、ワイヤの往復動に基づいて発熱する。このため、ウレタン製ローラ本体の場合、この熱によりワイヤ溝の断面形状が変形してしまうことがある。ワイヤ溝断面が変形すると、所望のワイヤ切断精度が得られず、所定厚み、所定平行度の半導体ウェーハをスライスすることができないという問題が生じる。
一方、最近では、直径が300mmの半導体ウェーハの切断にもワイヤソーが用いられている。また、半導体ウェーハでのカーフロス(切断代)を低減するため、ワイヤの細線化が検討されている。これらのワイヤの細線化、および、インゴット直径の拡大につれ、ワイヤに負荷される応力が大きくなっていく。すなわち、ローラ本体のワイヤ溝壁面に作用する負荷が大きくなってしまう。
これにより、ワイヤ溝壁面の摩耗または変形が生じ、所定厚みの半導体ウェーハが得られない問題が生じてしまう。
このような問題を解決するため、特許文献1に記載の通り、ローラの周面表層部分を、窒化珪素および窒化珪素以外の無機物質を成分とするセラミックスで形成したワイヤソー用ローラが開示されている。
しかし、単結晶インゴットの切断時、ワイヤの往復動に基づいて発熱する。このため、ウレタン製ローラ本体の場合、この熱によりワイヤ溝の断面形状が変形してしまうことがある。ワイヤ溝断面が変形すると、所望のワイヤ切断精度が得られず、所定厚み、所定平行度の半導体ウェーハをスライスすることができないという問題が生じる。
一方、最近では、直径が300mmの半導体ウェーハの切断にもワイヤソーが用いられている。また、半導体ウェーハでのカーフロス(切断代)を低減するため、ワイヤの細線化が検討されている。これらのワイヤの細線化、および、インゴット直径の拡大につれ、ワイヤに負荷される応力が大きくなっていく。すなわち、ローラ本体のワイヤ溝壁面に作用する負荷が大きくなってしまう。
これにより、ワイヤ溝壁面の摩耗または変形が生じ、所定厚みの半導体ウェーハが得られない問題が生じてしまう。
このような問題を解決するため、特許文献1に記載の通り、ローラの周面表層部分を、窒化珪素および窒化珪素以外の無機物質を成分とするセラミックスで形成したワイヤソー用ローラが開示されている。
このように特許文献1に記載のワイヤソー用ローラでは、そのワイヤ溝壁面はセラミックスで形成されているため、ワイヤは、このセラミックス製のワイヤ溝に対して摩擦係数が小さくて滑りやすい。この結果、単結晶インゴットの切断時、ワイヤがワイヤ溝壁面上を滑り、その往復動が安定しないという問題点が生じていた。
この発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、ワイヤ溝の摩耗を低減することができるワイヤソー用ローラを提供することを目的とする。
また、この発明は、ワイヤの往復動の安定化を図ることができるワイヤソー用ローラを提供することを目的とする。
また、この発明は、ワイヤの往復動の安定化を図ることができるワイヤソー用ローラを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、円柱状のローラ本体と、このローラ本体の外周面に刻設され、円柱状の単結晶インゴットを切断するワイヤが張設されるワイヤ溝とを備えたワイヤソー用ローラであって、上記ローラ本体は、所定量の砥粒が混入された樹脂により成形されたワイヤソー用ローラである。
切断される単結晶インゴットの素材は限定されず、例えば、単結晶シリコン、ガリウム砒素である。単結晶インゴットの直径も限定されない。直径が200mmのインゴットでもよいし、直径が300mmのインゴットでもよい。
ワイヤソーは、インゴットを下降させてワイヤに押し付けることにより単結晶インゴットを切断するタイプでもよいし、インゴットを上昇させてワイヤに押し付けることにより切断する装置でもよい。
使用するワイヤの径も限定されない。ワイヤの素材も限定されず、例えば、ピアノ線(高張力鋼)が用いられる。
ワイヤソー用ローラのローラ本体の素材は樹脂で、例えばウレタン、ナイロンなどである。ウレタンは、所定硬度を有するポリウレタンである。
また、砥粒としては、通常のスライスにて使用する遊離砥粒、例えばSiC、コロイダルシリカ、アルミナ、ダイヤモンドなどがある。
ローラ本体の製造方法は限定されない。例えば、ローラ本体を成形する型を準備し、この型に樹脂液に砥粒を所定量混入させた液体の樹脂を注入する。そしてこの後、冷却するなどして型からローラ本体を取り出す。最後に、外周面に切削などの溝加工を施してローラ本体を完成させる。
切断される単結晶インゴットの素材は限定されず、例えば、単結晶シリコン、ガリウム砒素である。単結晶インゴットの直径も限定されない。直径が200mmのインゴットでもよいし、直径が300mmのインゴットでもよい。
ワイヤソーは、インゴットを下降させてワイヤに押し付けることにより単結晶インゴットを切断するタイプでもよいし、インゴットを上昇させてワイヤに押し付けることにより切断する装置でもよい。
使用するワイヤの径も限定されない。ワイヤの素材も限定されず、例えば、ピアノ線(高張力鋼)が用いられる。
ワイヤソー用ローラのローラ本体の素材は樹脂で、例えばウレタン、ナイロンなどである。ウレタンは、所定硬度を有するポリウレタンである。
また、砥粒としては、通常のスライスにて使用する遊離砥粒、例えばSiC、コロイダルシリカ、アルミナ、ダイヤモンドなどがある。
ローラ本体の製造方法は限定されない。例えば、ローラ本体を成形する型を準備し、この型に樹脂液に砥粒を所定量混入させた液体の樹脂を注入する。そしてこの後、冷却するなどして型からローラ本体を取り出す。最後に、外周面に切削などの溝加工を施してローラ本体を完成させる。
請求項1に記載のワイヤソー用ローラにあっては、ローラ本体は、所定量の砥粒が混入された樹脂で成形されている。樹脂は、例えば、ポリウレタンなどが用いられる。そして、砥粒が均一に含まれた樹脂で成形されたローラ本体外周面に多数のワイヤ溝が刻設される。この砥粒の混入により、ワイヤ溝の壁面が従来のポリウレタン製のものよりも硬質化する。したがって、ワイヤが細線化され、単結晶インゴットの直径が大きくなることにより、ワイヤおよびワイヤ溝壁面への負荷(外力または応力)が増大しても、ワイヤ溝壁面の摩耗や変形が生じない。この結果、単結晶インゴットより所定厚さの半導体ウェーハを得ることができる。また、通常の切断で使用している砥粒を樹脂に混入してワイヤ溝が形成されているので、ワイヤとの滑りも小さく、ワイヤの往復動走行を安定化させることができる。
請求項2に記載の発明は、上記樹脂はウレタンであって、このウレタンに対する砥粒の混入量は5〜30重量%である請求項1に記載のワイヤソー用ローラである。
請求項2に記載のワイヤソー用ローラにあっては、ローラ本体を成形するための樹脂に対する砥粒の混入量は5〜30重量%である。砥粒が5重量%未満であると、ローラ本体との摩耗低減効果が得られないという問題が生じる。また、砥粒が30重量%を超えると、ローラ本体の成形が難しくなったり、ローラ本体を成形する流動性に問題が生じたりする。
請求項3に記載の発明は、上記砥粒の粒径が#1000〜#2500である請求項1または請求項2に記載のワイヤソー用ローラである。
請求項3に記載のワイヤソー用ローラにあっては、砥粒の粒径が#1000〜#2500である。砥粒が#1000未満であると、ワイヤが摩耗するという問題が生じる。また、砥粒が#2500を超えると、混入した砥粒がローラ表面から脱落しやすいという問題が生じる。
請求項4に記載の発明は、上記砥粒は、炭化珪素質砥粒、シリカ砥粒、アルミナ砥粒またはダイヤモンド砥粒のうちのいずれか1つである請求項1〜請求項3に記載のワイヤソー用ローラである。
請求項4に記載のワイヤソー用ローラにあっては、上記砥粒は炭化珪素質砥粒(GC砥粒)、シリカ砥粒、アルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒などである。そして、これらのいずれか1つの砥粒を樹脂に含ませて、ローラ本体を成型する。これにより、ローラ本体の刻設されているワイヤ溝の壁面を硬化することができ、ローラ本体の摩耗を低減することができる。
この発明によれば、ワイヤソー用ローラのローラ本体は、砥粒が含まれた樹脂で成形されている。樹脂は、例えば、ポリウレタンなどが用いられる。そして、砥粒が混入された樹脂で成形されたローラ本体に、ワイヤ溝が刻設される。これにより、ローラ本体に刻設されたワイヤ溝の壁面が硬質化する。したがって、ワイヤが細線化され、単結晶インゴットの直径が大きくなることにより、ワイヤのワイヤ溝に対する負荷が増大しても、ワイヤ溝の摩耗や変形が生じない。この結果、ワイヤソーによる単結晶インゴットより所定厚さの半導体ウェーハを得ることができる。また、通常の切断で使用している砥粒を樹脂に混入してワイヤ溝が形成されているので、ワイヤとの滑りもなく、ワイヤの往復動を安定化させることができる。
以下、この発明の一実施例を、図1および図2を参照して説明する。
最初に、ワイヤソー用ローラの製造方法について説明する。
まず、ワイヤ用ローラのローラ本体11を成形する型を準備する。この型は、直方体の一面を半円筒状にくり抜き、これらを対向して重ね合わせて内部に円柱空間を形成する2つの型で構成する。次いで、液状のポリウレタン15にGC砥粒(炭化珪素質砥粒)14を所定量だけ混入し、撹拌する。このときのポリウレタン15に対する砥粒の混入量は5〜30重量%である。また、GC砥粒14の粒径は#1500である。この後、これらの2つの型のくり抜き部にそれぞれ主剤となる高温で液状のポリウレタン(JIS A硬度90〜95)15を流し込む。
上記2つの型に流し込んだポリウレタン15面を貼り合わせ面として、2つの型を貼り合わせる。そして、貼り合わせた状態で、所定時間室温まで冷却する。これにより、型内のポリウレタンが硬化する。そして、型からローラ本体11となる砥粒が含まれたポリウレタン15を取り出す。これにより、所定直径、所定長さのローラ本体11が得られる。このローラ本体11の材質は、ウレタンにGC砥粒を均一に分散したものとなる。
そして、上記ローラ本体11にバイトを用いてワイヤ溝13の溝加工(円筒切削)を施す。具体的には、図1に示すように、ピッチAが0.99mm、ワイヤ溝13の深さBが0.3mmのワイヤ溝13がローラ本体11に刻設される。また、ワイヤ溝の幅Cは0.14mmであり、ワイヤ溝13底面のなす角θは105°である。
以上の工程を経てワイヤソー用ローラが得られる。図1に示すように、ワイヤ溝13は、粒径が略0.008mmのGC砥粒14を均一に含むポリウレタンで構成されている。これにより、ワイヤWに対するワイヤ溝13の壁面の硬質化が図れる。
最初に、ワイヤソー用ローラの製造方法について説明する。
まず、ワイヤ用ローラのローラ本体11を成形する型を準備する。この型は、直方体の一面を半円筒状にくり抜き、これらを対向して重ね合わせて内部に円柱空間を形成する2つの型で構成する。次いで、液状のポリウレタン15にGC砥粒(炭化珪素質砥粒)14を所定量だけ混入し、撹拌する。このときのポリウレタン15に対する砥粒の混入量は5〜30重量%である。また、GC砥粒14の粒径は#1500である。この後、これらの2つの型のくり抜き部にそれぞれ主剤となる高温で液状のポリウレタン(JIS A硬度90〜95)15を流し込む。
上記2つの型に流し込んだポリウレタン15面を貼り合わせ面として、2つの型を貼り合わせる。そして、貼り合わせた状態で、所定時間室温まで冷却する。これにより、型内のポリウレタンが硬化する。そして、型からローラ本体11となる砥粒が含まれたポリウレタン15を取り出す。これにより、所定直径、所定長さのローラ本体11が得られる。このローラ本体11の材質は、ウレタンにGC砥粒を均一に分散したものとなる。
そして、上記ローラ本体11にバイトを用いてワイヤ溝13の溝加工(円筒切削)を施す。具体的には、図1に示すように、ピッチAが0.99mm、ワイヤ溝13の深さBが0.3mmのワイヤ溝13がローラ本体11に刻設される。また、ワイヤ溝の幅Cは0.14mmであり、ワイヤ溝13底面のなす角θは105°である。
以上の工程を経てワイヤソー用ローラが得られる。図1に示すように、ワイヤ溝13は、粒径が略0.008mmのGC砥粒14を均一に含むポリウレタンで構成されている。これにより、ワイヤWに対するワイヤ溝13の壁面の硬質化が図れる。
上記工程により製造されたワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cを用いてワイヤソー10を構成する。
図2は、そのワイヤソー10の全体構成を示す斜視図である。ワイヤソー10は、図2に示すように正面視して逆三角形状に配置された3本のワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cを有している。これらのワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間には、ワイヤWが互いに平行かつ一定ピッチで巻きかけられている。これにより、ワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間にワイヤ列21aが設けられる。ワイヤ列21aは、3本のワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間で駆動モータにより往復走行される。そして、2本のワイヤソー用ローラ12A,12Bの略中央に、単結晶インゴットIを切断するワイヤ列21aの単結晶インゴット切断位置aが設けられる。
単結晶インゴットIは、スライス台19aを介して、単結晶インゴットIを昇降させるワークプレート19の下面に固定されている。単結晶インゴット切断位置aの両側の上方には、遊離砥粒をラッピングオイルに混合したスラリ状の砥液をワイヤ列21a上に連続供給するスラリ供給部(図示せず)が、例えば一対配設されている。
図2は、そのワイヤソー10の全体構成を示す斜視図である。ワイヤソー10は、図2に示すように正面視して逆三角形状に配置された3本のワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cを有している。これらのワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間には、ワイヤWが互いに平行かつ一定ピッチで巻きかけられている。これにより、ワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間にワイヤ列21aが設けられる。ワイヤ列21aは、3本のワイヤソー用ローラ12A,12B,12C間で駆動モータにより往復走行される。そして、2本のワイヤソー用ローラ12A,12Bの略中央に、単結晶インゴットIを切断するワイヤ列21aの単結晶インゴット切断位置aが設けられる。
単結晶インゴットIは、スライス台19aを介して、単結晶インゴットIを昇降させるワークプレート19の下面に固定されている。単結晶インゴット切断位置aの両側の上方には、遊離砥粒をラッピングオイルに混合したスラリ状の砥液をワイヤ列21a上に連続供給するスラリ供給部(図示せず)が、例えば一対配設されている。
ワイヤWはピアノ線である。このワイヤWは、繰出し装置23のボビン30から導出され、供給側のガイドローラ(図示せず)を介して、これらのワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cに架け渡された後、導出側のガイドローラ(図示せず)を介して、巻取り装置25のボビン31に巻き取られる。ボビン30,31の各回転軸は、駆動モータ16,17の対応する出力軸にそれぞれ連結されている。
各駆動モータ16,17を同期して駆動すると、一対の軸受18に軸支された各ボビン30,31が、その軸線を中心として、図2において、時計回り方向または反時計回り方向に回転して、ワイヤWが往復走行する。
なお、本実施例では、単結晶インゴットを下降させてワイヤに押しつけての切断するワイヤソーを示しているが、本発明は単結晶インゴットを上昇させてワイヤに押しつけて切断するワイヤソーにも適用することができる。
各駆動モータ16,17を同期して駆動すると、一対の軸受18に軸支された各ボビン30,31が、その軸線を中心として、図2において、時計回り方向または反時計回り方向に回転して、ワイヤWが往復走行する。
なお、本実施例では、単結晶インゴットを下降させてワイヤに押しつけての切断するワイヤソーを示しているが、本発明は単結晶インゴットを上昇させてワイヤに押しつけて切断するワイヤソーにも適用することができる。
次に、このワイヤソー10による単結晶インゴットIの切断方法を説明する。
まず、CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコン単結晶を準備する。そして、この育成されたシリコン単結晶を内周刃若しくはバンドソーを用いて所定長さを有する円柱状のブロックに切断加工する。次いで、目標の直径(300mm)近傍まで外周を研削する。この後、X線方位測定により決められた結晶方位にオリエンテーションフラット(OF)若しくはノッチをつける。このようにして、円柱状の単結晶インゴットIが形成される。
次に、円柱状の単結晶インゴットIをスライス台19aの下方に配設する。次いで、図2に示すように、ワークプレート19を切断位置aに向けて降下させる。そして、ワイヤソー10は、スラリ状の砥液を砥液供給部よりワイヤ列21aに供給しながら、駆動モータ16により繰出し装置23のボビン30を回転させる。次いで、ワイヤWを供給側のガイドローラを介してワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cに供給する。これと同時に、駆動モータ17により巻取り装置25のボビン31を回転し、ワイヤソー用ローラ12A,12B,12C、導出側のガイドローラを介してワイヤWを巻き取る。その際、各ボビン30,31の回転方向を変更し、ワイヤWを高速で往復走行させる。これにより、2本のワイヤソー用ローラ12A,12Bが回転し、両ガイドローラも回転する。このとき、ワイヤソー用ローラ12Cは図外の回転モータにより回転し、ワイヤ列21aの往復走行を補助する。
まず、CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコン単結晶を準備する。そして、この育成されたシリコン単結晶を内周刃若しくはバンドソーを用いて所定長さを有する円柱状のブロックに切断加工する。次いで、目標の直径(300mm)近傍まで外周を研削する。この後、X線方位測定により決められた結晶方位にオリエンテーションフラット(OF)若しくはノッチをつける。このようにして、円柱状の単結晶インゴットIが形成される。
次に、円柱状の単結晶インゴットIをスライス台19aの下方に配設する。次いで、図2に示すように、ワークプレート19を切断位置aに向けて降下させる。そして、ワイヤソー10は、スラリ状の砥液を砥液供給部よりワイヤ列21aに供給しながら、駆動モータ16により繰出し装置23のボビン30を回転させる。次いで、ワイヤWを供給側のガイドローラを介してワイヤソー用ローラ12A,12B,12Cに供給する。これと同時に、駆動モータ17により巻取り装置25のボビン31を回転し、ワイヤソー用ローラ12A,12B,12C、導出側のガイドローラを介してワイヤWを巻き取る。その際、各ボビン30,31の回転方向を変更し、ワイヤWを高速で往復走行させる。これにより、2本のワイヤソー用ローラ12A,12Bが回転し、両ガイドローラも回転する。このとき、ワイヤソー用ローラ12Cは図外の回転モータにより回転し、ワイヤ列21aの往復走行を補助する。
これにより、シリコンからなる単結晶インゴットIは、ワイヤソー10により、厚さ略1mmで直径300mmのシリコンウェーハの形状にスライスされる。
このとき、300mmシリコンウェーハを切断する時のワイヤに対して応力がかかる。しかし、図1に示すように、ローラ本体11は、砥粒14(供給されるスラリーに含まれる砥粒と同じものでもよい)が含まれたポリウレタン15により形成され、ワイヤ溝13の壁面が硬質化されている。よって、ワイヤおよびワイヤ溝に対する負荷が生じても、ローラ本体11のワイヤ溝13の変形も生じなく、ローラ本体11の摩耗が少ない。この結果、ワイヤの軌道がワイヤソー用ローラの両端側に向かって移動する(ぶれる)こともなく、単結晶インゴットIから上記一定厚みを有するシリコンウェーハを得ることができる。
また、砥粒14を均一に含むポリウレタン15によりワイヤ溝13が構成されているので、ワイヤとローラ本体11との滑りを低減することができる。したがって、ワイヤが細線化されても、ワイヤの往復動を安定化させ、単結晶インゴットIからシリコンウェーハの切断の作業効率が図れる。
このとき、300mmシリコンウェーハを切断する時のワイヤに対して応力がかかる。しかし、図1に示すように、ローラ本体11は、砥粒14(供給されるスラリーに含まれる砥粒と同じものでもよい)が含まれたポリウレタン15により形成され、ワイヤ溝13の壁面が硬質化されている。よって、ワイヤおよびワイヤ溝に対する負荷が生じても、ローラ本体11のワイヤ溝13の変形も生じなく、ローラ本体11の摩耗が少ない。この結果、ワイヤの軌道がワイヤソー用ローラの両端側に向かって移動する(ぶれる)こともなく、単結晶インゴットIから上記一定厚みを有するシリコンウェーハを得ることができる。
また、砥粒14を均一に含むポリウレタン15によりワイヤ溝13が構成されているので、ワイヤとローラ本体11との滑りを低減することができる。したがって、ワイヤが細線化されても、ワイヤの往復動を安定化させ、単結晶インゴットIからシリコンウェーハの切断の作業効率が図れる。
10 ワイヤソー、
11 ローラ本体、
12A〜12C ワイヤソー用ローラ、
13 ワイヤ溝
14 砥粒、
15 ポリウレタン(樹脂)
W ワイヤ。
11 ローラ本体、
12A〜12C ワイヤソー用ローラ、
13 ワイヤ溝
14 砥粒、
15 ポリウレタン(樹脂)
W ワイヤ。
Claims (4)
- 円柱状のローラ本体と、
このローラ本体の外周面に刻設され、円柱状の単結晶インゴットを切断するワイヤが張設されるワイヤ溝とを備えたワイヤソー用ローラであって、
上記ローラ本体は、所定量の砥粒が混入された樹脂により成形されたワイヤソー用ローラ。 - 上記樹脂はウレタンであって、このウレタンに対する砥粒の混入量は5〜30重量%である請求項1に記載のワイヤソー用ローラ。
- 上記砥粒の粒径が#1000〜#2500である請求項1または請求項2に記載のワイヤソー用ローラ。
- 上記砥粒は、炭化珪素砥粒、シリカ砥粒、アルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒のうちの少なくともいずれか1つである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のワイヤソー用ローラ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007019566A1 (de) | 2007-04-25 | 2008-10-30 | Siltronic Ag | Drahtführungsrolle für Drahtsäge |
JP2011051032A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Taiheiyo Cement Corp | ワイヤーソー用ローラー |
DE102015200198A1 (de) | 2014-04-04 | 2015-10-08 | Siltronic Ag | Verfahren zum Abtrennen von Scheiben von einem Werkstück mit einem Sägedraht |
WO2018149631A1 (de) | 2017-02-14 | 2018-08-23 | Siltronic Ag | Drahtsäge, drahtführungsrolle und verfahren zum gleichzeitigen abtrennen einer vielzahl von scheiben von einem stab |
DE102018210401A1 (de) | 2018-06-26 | 2020-01-02 | Siltronic Ag | Verfahren zum gleichzeitigen Abtrennen einer Vielzahl von Scheiben von einem Halbleiterstab |
-
2004
- 2004-10-08 JP JP2004296429A patent/JP2006102917A/ja active Pending
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