JP2006102537A - カテーテルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重管構造のカテーテルであって、局所的な硬化を伴うことなしに管と管とを出来るだけ狭い領域で固定でき、血管等の損傷や折れ曲がりが生じ難い、操作性や機能性に優れたカテーテルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のカテーテルは、管2および管3を有する多重管構造のカテーテルである。管2および管3は、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成されている。管2の先端部と管3の先端部とは、互いに融着接合されており、この融着接合部のカテーテル軸方向における融着接合幅が3mm以下である。このようなカテーテルは、管2の内側に芯金71を挿通し、管2と管3の間に切欠部を有する芯金72を挿通し、さらに熱収縮性チューブ8を被せたあと、光ビーム9を照射し管2と管3とを融着接合することにより製造される。
【選択図】図10

Description

本発明は、多重管構造を持ったカテーテルおよびその製造方法に関し、特に、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)において使用されるカテーテルおよびその製造方法に関する。
カテーテルは例えばガイドワイヤー等に導かれて、血管等の体腔内に挿入され、その先端の方向を制御されながら進められて目的の部位に到達できるものであり、このカテーテルを介して各種の治療や検査を行うことが可能である。
このカテーテルにあっては、高度な治療や検査に対応する一つの方法として、シャフトを構成する管を多重化することによりルーメンを複数化し、これらのルーメンのそれぞれを様々な役割に用いることが考えられる。これには、多重化されたこれらの管が一体となって挙動することが望ましい。
そこで、管と管とを任意の場所でピンポイント的に固定すること、すなわち、両方の管の固定領域を出来るだけ狭くすることで、カテーテルとしての機能低下をもたらさない、操作性や機能性に優れたカテーテルを得ることができると考えられる。
一方、このような多重管構造のカテーテルを製造するための従来の方法に於いては、接着剤を用いて管同士を固定する方法、若しくは、多ルーメン押し出し成形法などが一般的である。
多ルーメン押し出し成形法を採用する場合、たとえば以下の問題がある。
(1)高度な設備と精密な条件設定を要する為、作業に熟練を要し、製造コストが高くなる。
(2)1つのチューブに複数のルーメンを形成するため、細径化に限界がある。
また、接着剤を用いる方法についても、以下のような問題がある。
(1)高度な技術と処理を要する為、作業に熟練を要し、製造コストが高くなる。
(2)接着部分が硬くなる為、局所的にカテーテルの硬度が変化してしまい、カテーテルの操作性、機能性が低下し、またこの硬い部分で血管等を損傷する虞れがある。
(3)硬度変化の激しい接着部際で折れ易くなる。
(4)接着剤を充填するクリアランスが必要になる為、チューブ寸法が規制される。
(5)接着剤が経時的変化に弱く、外力が加わる等によって接着剤がとれて互いに接合していた管が外れ易い。
ゆえに、本発明は、複数のルーメンを備えたカテーテルであって、製造が容易で、細径化が図れ、経時的劣化の虞れもなく、ルーメンのそれぞれを色々な役割に用いて高度な各種治療、検査を行うことができる、操作性や機能性に優れたカテーテルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、多重管構造のカテーテルであって、局所的な硬化を伴うことなしに管と管とを出来るだけ狭い領域で固定でき、血管等の損傷および折れ曲がりが発生する虞れがなく、管と管とが一体となって挙動でき、操作性や機能性に優れたカテーテルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するものは、少なくとも第1の管および第2の管を有する多重管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管と前記第2の管とを重ね合わせて配置したあと、光ビームを照射することにより前記第1の管および前記第2の管を融着接合することを特徴とするカテーテルの製造方法である。
上記方法は、前記第1の管と前記第2の管とを重ね合わせて配置したあと、これらを接合したい箇所に熱収縮性チューブを被せて光ビームを照射することにより、前記第1の管と前記第2の管とを強固に密着させながら融着接合することが好ましい。
また、上記の目的を達成するものは、第1のルーメンを有する第1の管と、該第1の管を挿通し、前記第1の管の外面との間に第2のルーメンを形成する第2の管とを少なくとも有する同軸管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管を前記第2の管の内側に挿通し、周方向の一部に切欠部を有するパイプ状の芯金を前記第1の管および前記第2の管の間の空隙に挿通したあと、前記切欠部が配置された位置に光ビームを照射することにより、カテーテル周方向において前記第1の管の外面の一部と前記第2の管の内面の一部とを融着接合し、かつ前記第1の管の外面の他の部分と前記第2の管の内面の他の部分との間にカテーテル軸方向に延びる第2のルーメンを形成することを特徴とするカテーテルの製造方法である。
加熱溶融時において互いに可溶性のある2つの管を光ビームを用いて融着固定することにより、カテーテル軸方向における接合幅をφ3mm以下、好ましくはφ0.5〜1.0mm程度とたいへん極小に、すなわちピンポイント的に固定することができ、カテーテル先端部の柔軟性を損なわずに、押し込み性やトルク伝達性にも優れたカテーテルを得ることができる。
本発明において用いることのできる光ビームとしては、たとえば可視光から紫外光までわたるような多波長の光を含むもの(白色光)や、遠赤外光、近赤外光等の単色光のエネルギーを利用することができる。このうち、複雑な機器を必要とせず、取り扱いが簡便な点から、キセノンランプ、ハロゲンランプ等から発せられる白色光のビームを用いることが好ましい。
光ビームが照射されて融着接合される領域の寸法(接合径)は、光ビームの焦点径を変化させることで適宜調整できる。焦点径が小さいほど、光ビームのエネルギーが集中するため短時間で強固に融着接合を行うことができる。
また、カテーテル軸方向に幅を持たせて固定する場合は、接合する管もしくは光ビームをカテーテル軸方向に対して必要な距離移動させる。また、カテーテルの周方向に幅を持たせて固定したい場合は、管の加熱変形によってルーメンが閉塞しないように、ルーメン内に芯金を挿通した上で接合する管もしくは光ビームをカテーテルの周方向に回転させれば良い。
本発明のカテーテルの製造方法は、少なくとも第1の管および第2の管を有する多重管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管と前記第2の管とを重ね合わせて配置したあと、光ビームを照射することにより前記第1の管および前記第2の管を融着接合することを特徴とする。このため、煩雑な装置、操作を必要とせず、きわめて簡単な工程で、血管等を損傷する虞れがなく、トラッカビリティ、耐キンク性、プッシャビリティなどの操作性、機能性に優れたカテーテルを製造できる。
また、本発明のカテーテルの製造方法は、第1のルーメンを有する第1の管と、該第1の管を挿通し、前記第1の管の外面との間に第2のルーメンを形成する第2の管とを少なくとも有する同軸管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管を前記第2の管に挿通し、周方向の一部に切欠部を有するパイプ状の芯金を前記第1の管および前記第2の管の間の空隙に挿通したあと、前記切欠部が配置された位置に光ビームを照射することにより、カテーテル周方向において前記第1の管の外面の一部と前記第2の管の内面の一部とを融着接合し、かつ前記第1の管の外面の他の部分と前記第2の管の内面の他の部分との間にカテーテル軸方向に延びる第2のルーメンを形成することを特徴とする。このため、煩雑な装置、操作を必要とせず、きわめて簡単な工程で、血管等を損傷する虞れがなく、トラッカビリティ、耐キンク性、プッシャビリティなどの操作性、機能性に優れた複数のルーメンを備えるカテーテルを製造でき、かつ、ルーメンの横断面積を広く確保できる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のカテーテルを経皮経管冠動脈形成術(PTCA)において使用されるカテーテルに適用した場合の実施例を示す全体側面図、図2は、図1に示すカテーテルの要部を示す一部拡大斜視図、図3は、図2に示すカテーテルの要部の断面構造を示す説明図、図4は、本発明のカテーテルの他の実施例を示す要部拡大斜視図、図5は、本発明のカテーテルのさらに他の実施例を示す要部拡大斜視図、図6は、図5に示すカテーテルの要部の断面構造を示す説明図である。
本発明のカテーテル1は、少なくとも第1の管2と第2の管3を有する多重管構造のカテーテルであって、第1の管2および第2の管3は、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成されており、第1の管2の先端部と第2の管3の先端部とは、互いに融着接合されており、かつこの融着接合部のカテーテル軸方向における融着接合幅が3mm以下であることを特徴とするものである。
以下、図面を用いて説明する。
本発明のカテーテル1は、図1に示すように、第1の管である内管2と第2の管である外管3と拡張体4とを有するカテーテル本体10と、分岐ハブ12とにより形成されている。また、カテーテル本体10は、細径となった先端部10aと本体部10bとを備える。
内管2は、内部にガイドワイヤーを挿通するための第1のルーメン5を備えるチューブ体である。
内管2としては、長さは、300〜2000mm、より好ましくは、300〜1500mm、外径が、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚10〜150μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。
そして、内管2は、外管3の内部に挿通され、その先端部が外管3より突出している。図2および図3に示すように、この内管2の外面と外管3の内面により第2のルーメン6が形成されており、十分な容積を有している。
外管3は、内部に内管2を挿通し、先端が内管2の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管3としては、長さは、300〜2000mm、より好ましくは、300〜1500mm、外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
この実施例のカテーテル1では、外管2は、図1に示すように、先端部側(カテーテル本体の先端部10aに相当)が細径で、本体部側(カテーテル本体の本体部10bに相当)が先端部側より径が大きくなっている。具体的には、外管2の途中部分において、外管2の先端に向かって縮径するテーパー部を備えている。
このような外管先端側(先端部10a)の外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、外管本体側(本体部10b)の外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。このような異径外管としては、内管先端側と外管基端側とを個々に作成し接合したもの、引き落とし加工等の二次加工を行ったもの、押し出し成形により、先端側の径を本体側径より小さくすることにより形成したもののいずれでもよい。
また、図示しないが、内管2においても同様に、先端側を本体側よりも細径とした異径構造としてもよい。
そして、図2および図3に拡大して示すように、外管3の先端部は、内管2の先端部に融着接合されており、これにより内管2と外管3とは固定されている。具体的には、内管2および外管3の先端部に、外管2および内管3を互いに固定する融着接合部32が形成されている。内管2と外管3は、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶性のある材料で形成されている。これにより、内管2と外管3の融着が可能となる。そして、このようにすることにより、内管2および外管3とが互いに溶融して一体化するため、接着剤による固定とは異なり、接合部においても内管2、外管3の本来の物性が保たれ、カテーテルの物性に影響を及ぼすことなく強固に固定することができる。
内管2の構成材料および外管3の構成材料としては、ある程度可撓性を有するものが用いられ、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物など)、あるいはこの架橋したもの、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性を有する高分子材料あるいはこれらの混合物などが使用でき、さらにこれらのうち、加熱溶融時において互いに可溶性をもつ材料同士を適宜選択して使用することができる。
内管2の材料と外管3の材料との好ましい組合せとしては、例えば、ポリエチレンとポリエチレン、ポリアミドとポリアミド、ポリアミドエラストマーとポリアミドエラストマー、ポリウレタンとポリウレタンというような同材質の組合せのほか、ポリアミドとポリアミドエラストマー、ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルとポリエステルエラストマー、ポリウレタンとポリウレタンエラストマー等の組合せが挙げられる。
融着接合部32のカテーテル軸方向(長手方向)における融着接合幅は、3mm以内、好ましくは0.5〜1mmである。このような範囲に設定することにより、内管2と外管3との固定を確実に行えるとともに、カテーテルの柔軟性を損なうことなしに内管2と外管3とを一体となって挙動させることができ、カテーテルのトルク伝達性、押し込み性、追従性を向上でき、ひいてはカテーテルの操作性の向上が図れる。
本実施例では、内管2の外面と外管3の内面との間に融着接合部32が形成されている。内管2と外管3とを同軸的に重ね合わせ、内管2の外面および外管3の内面を所定長にわたり融着接合する構造とすることにより、2つの管が重なり合った部分で確実に融着接合され、高い固定強度を有する複数のルーメンを備えたカテーテルを得ることができる。
そして、本実施例では、外管3は内管2の周方向の一部分でのみ内管2と接合されており、周方向の他の部分では両者は接合されていない。そして、この接合されてない部分における内管2の外面と外管3の内面との間に第2のルーメン6が形成されている。このような構造とすることにより、極めて簡単な構成で、第2のルーメン6の横断面積を広く確保できる。なお、このような固定を達成する場合は、内管外面と外管内面において、それらの周方向の15〜55%程度、好ましくは25〜45%が互いに融着接合されていることが好ましい。
なお、接合部32の位置は、外管2の先端を含むように固定してもよく、あるいは図示している構成のように、外管2の先端から所定距離基端側に離間した位置に形成してもよい。
また、内管2と外管3との融着接合は、図2に示すように外管3のカテーテル軸方向において点状に(スポット的に)固定するものに限られるものではなく、図4に示すように、ある程度カテーテル軸方向に幅を持たせて融着固定してもよい。また、図5および図6に示すように、カテーテル周方向に離間して複数の箇所で接合固定してもよい。図示の例では、カテーテル周方向にほぼ等間隔で離間する3つの箇所で内管2と外管3とが融着接合されており、3つの融着接合部32が形成されている。この場合においても、図2に示す実施例と同様に、融着接合されていない内管2の外面と外管3の内面との間に第2のルーメン6が形成されている。図示の例では、3つの融着接合部32で隔てられた3つの部分において内管2と外管3との間に第2のルーメン6が形成されている。
拡張体(バルーン)4は、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管2の外周に折り畳まれた状態となることができるものである。そして、拡張体4は、血管の狭窄部を容易に拡張できるように少なくとも一部が円筒状となっているほぼ同径の略円筒部を有する折り畳み可能なものである。上記の略円筒部は、完全な円筒状でなくともよく、多角柱状でもよい。そして、拡張体4は、その基端部が外管3の先端部に接着もしくは融着などにより液密に固着されており、また先端部も内管2の先端部に同様に液密に固着されている。
拡張体4の内部、すなわち拡張体4の内面と内管2の外面との間に形成された内部空間は、その基端部において第2のルーメン6と連通している。このように、拡張体4の基端に比較的大きい容積を有する第2のルーメン6を連通させたので、第2のルーメンより拡張体4内への膨張用流体を注入するのが容易である。
拡張体4の大きさとしては、拡張されたときの略円筒部の外径が、1.0〜10mm、好ましくは、1.0〜5.0mmであり、長さが5〜50mm、好ましくは10〜40mmであり、拡張体4全体の長さが10〜70mm、好ましくは15〜60mmである。
拡張体4の材質としては、血管の狭窄部を拡張でき、かつある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどのポリオレフィン、さらにはこれらの架橋もしくは部分架橋物、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、フッ素樹脂などの高分子材料、シリコーンゴム、ラテックスゴムなどが使用できる。また、これら高分子材料を適宜積層した積層フィルムも使用できる。
また、拡張体の略円筒部の中央部に位置する部分の内管外面には、マーカー(図示せず)を設けることが好ましい。さらに、略円筒部の基端に位置する部分の内管2の外面に第2のマーカー(図示せず)を設けてもよい。さらに、中央部に設けずに、拡張体4の略円筒部の両端に位置する部分の内管2の外面に2つ設けてもよい。マーカーは、コイルスプリングあるいはリングにより形成することが好ましい。マーカーの形成材料としては、X線造影性の高い材料、例えば、Pt、Pt合金、W、W合金、Au,Au合金、Ir、Ir合金、Ag、Ag合金などを用いることができる。
分岐ハブ12は、分岐した2つの開口部を有しており、一方の開口部は第1のルーメン5に連通し、この開口部を介してガイドワイヤーを挿入したり、造影用流体のフラッシュ用に用いられる。また他方の開口部は第2のルーメンに連通しており、この開口部に拡張体拡張用の流体を注入するためのシリンジ等を接続して用いられる。この分岐ハブ12の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
また、本発明のカテーテルは、上述したPTCA用の拡張体付カテーテルに限定されるものではなく、例えばIABP用カテーテル、内視鏡カテーテル、アブレーションカテーテル、心拍出量測定用カテーテル等の、複数のルーメンを備える各種カテーテルに適用することができる。
次に、本発明のカテーテルの製造方法を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明のカテーテルの製造方法は、少なくとも第1の管および第2の管を有する多重管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管と前記第2の管とを重ね合わせて配置したあと、光ビームを照射することにより前記第1の管および前記第2の管を融着接合するものである。
また、本発明のカテーテルの製造方法は、第1のルーメンを有する第1の管と、該第1の管を挿通し、前記第1の管の外面との間に第2のルーメンを形成する第2の管とを少なくとも有する同軸管構造のカテーテルを製造する方法であって、前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、前記第1の管を前記第2の管に挿通し、周方向の一部に切欠部を有するパイプ状の芯金を前記第1の管および前記第2の管の間の空隙に挿通したあと、前記切欠部が配置された位置に光ビームを照射することにより、カテーテル周方向において前記第1の管の外面の一部と前記第2の管の内面の一部とを融着接合し、かつ前記第1の管の外面の他の部分と前記第2の管の内面の他の部分との間にカテーテル軸方向に延びる第2のルーメンを形成するものである。
そこで、図1ないし図3に示したカテーテルを参照して、各工程を説明する。
図7ないし図10は、本発明のカテーテルの製造方法を図1ないし図3に示すカテーテルを製造する場合を例として説明するための各工程を示す説明図、図11は、図5および図6に示すカテーテルを製造するための芯金の形状を示す説明図である。
まず、内管2および外管3を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成する。この形成は、上述した内管2および外管3の構成材料のそれぞれを押し出し成形したものを所定の長さに切断する方法、または射出成形などにより行うことができる。
次に、図7に示す様に、内管2と外管3とを重ね合わせて配置する。具体的には、内管2を外管3の内側に挿通し、内管2を外管3の先端から突出させて両者を同軸的に配置する。かつ、図7および図8に示すように、断面円形の芯金71を内管2に挿通し、さらに、内管2と外管3との間の空隙にパイプ状の芯金72を挿通する。この芯金72は、周方向の一部に切欠部72aを有している。切欠部72aは、芯金72の先端から基端方向に所定長にわたって、横断面が半分のリング状となるように切り欠いたものである。なお、この切欠部の形状は、図示のように軸方向に平行に切り欠けられたものに限定されなく、例えば、芯金72の先端に向かって断面積が減少するように斜めに切り欠けて形成されたものであってもよい。
そして、このように2つの管を配置したあと、光ビームを照射することにより2つの管を融着接合する工程は、次のようにして行う。
まず、上述したように内管2、外管3、芯金71および芯金72の位置を合わせたあと、図9に示す様に、芯金72の切欠部72aの上に位置するように、熱収縮性チューブ8を被せる。
熱収縮性チューブ8は、延伸可能な材料により内径が外管3の外径より若干小さいものを作成し、これを径方向に拡げることにより作成できる。形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、EAA(エチレン−アクリル酸共重合体)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)などが使用できる。
そして、図10に示す様に、芯金71の先端部および外管3の熱収縮性チューブ8の位置よりも基端側の部分を治具91,92にセットし、内管2と外管3とを接合したい箇所、言い換えれば熱収縮性チューブ8の切欠部72aが配置された位置に、あらかじめ焦点径を希望する大きさに調整した光ビーム9を合わせ、照射する。この時、光ビーム9の光源としてキセノンランプが望ましい。この光は光源931で発せられて、装置93内で集光され、光ファイバ94とレンズ95を介して光ビーム9として照射される。照射時間が約5秒程度になる様に光量を0.9W程度に調整すると、作業が安定する。
このような光ビーム9の照射により、熱収縮性チューブ8が加熱されて収縮するとともに、切欠部72aに位置する内管2の外面と外管3の内面とが溶融、融合する。このとき、熱収縮性チューブ8の収縮力が、切欠部72aの上に位置する外管3の内面を内管2の外面に押しつける力として作用する。これにより、2つの管を強固に密着させながら融着接合することができ、両者の接合を強固に行うことができる。
そして、これらの熱収縮性チューブ8、内管2および外管3を室温に戻るまで放置冷却した後、熱収縮性チューブ8を取り外し、芯金71、72を抜去する。このようにして、図2および図3に示すように、融着接合部23を介して互いに固着された内管2と外管3からなる複合チューブ体が形成される。
以上のようにすれば、従来の接着剤を用いた固定と異なり、カテーテルが局所的に硬くなることがなく、操作性、機能性に優れた複数のルーメンを有するカテーテルを提供することができる。また、内管2と外管3とを少ない固着面積でピンポイント的に(略点状に)固定でき、内管2と外管3との非接合部分、すなわち第2のルーメン6の大きさを広く確保することができる。
以上述べたように、光ビームを用いて管と管とを融着接合することにより、管と管とを極めて狭小な領域で容易に固定することができる。具体的には、カテーテル軸方向における接合幅がφ3mm以下、好ましくはφ0.5〜1.0mm程度というように、極めてピンポイント的に固定することができる。また、従来の接着剤による固定と異なり、局所的な硬化を伴わないため、カテーテル先端部の柔軟性を損なわずに、押し込み性やトルク伝達性にも優れたカテーテルを得ることができる。
そして、別に形成した拡張体4の基端部を外管3の先端部に融着、接着等により取り付け、拡張体4の先端部を内管2の先端部に融着、接着等により取り付けることにより、図1に示すカテーテル本体10が形成される。そして、このカテーテル本体10の基端に別に形成した分岐ハブ12を取り付けて、図1に示す拡張体付きカテーテル1を得ることができる。
なお、内管2と外管3とをより強固に固定したい場合は、光ビーム9の照射に際して、レンズ93を内管2および外管3に対してカテーテル軸方向に移動させるか、治具91、92をカテーテル軸方向に移動させることで、図4に示すように、カテーテル軸方向に幅をもたせて融着接合することもできる。
また、内管2と外管3の固定位置は、カテーテル周方向の一箇所に限定されるものではなく、周方向に離間した複数の箇所で固定することもできる。例えば、上記したパイプ状芯金72に変えて、図11に示すように、周方向に離間して複数の切欠部72a´を有するパイプ状芯金72´を用い、光ビーム6の照射においてレンズ11を内管2および外管3に対して回転させるか、治具91、92を回転させることで内管2および外管3を回転させながら光ビーム9を照射すると、切欠部72a´に対応する位置で内管2と外管3とが融着接合され、図5および図6に示すような固定をすることができる。
以上、本発明を内管と外管とを有する同軸管構造のカテーテルおよびその製造について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管と管とを平行に配置したタイプのカテーテルにも適用できる。すなわち、管と管とを平行に配置し、互いに隣接する外面と外面とを融着接合してそれらの管を固定することも可能である。また、本発明を2つの管の固定について説明したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の管を固定するタイプのカテーテルにも適用することができる。
本発明のカテーテルを経皮経管冠動脈形成術(PTCA)において使用されるカテーテルに適用した場合の実施例を示す全体側面図である。 図1に示すカテーテルの要部を示す一部拡大斜視図である。 図2に示すカテーテルの要部の断面構造を示す説明図である。 本発明のカテーテルの他の実施例を示す要部拡大斜視図である。 本発明のカテーテルのさらに他の実施例を示す要部拡大斜視図である。 図5に示すカテーテルの要部の断面構造を示す説明図である。 本発明のカテーテルの製造方法を図1ないし図3に示すカテーテルを製造する場合を例として説明するための各工程を示す説明図である。 本発明のカテーテルの製造方法を図1ないし図3に示すカテーテルを製造する場合を例として説明するための各工程を示す説明図である。 本発明のカテーテルの製造方法を図1ないし図3に示すカテーテルを製造する場合を例として説明するための各工程を示す説明図である。 本発明のカテーテルの製造方法を図1ないし図3に示すカテーテルを製造する場合を例として説明するための各工程を示す説明図である。 図5に示すカテーテルを製造するための芯金の形状を示す説明図である。
符号の説明
1 カテーテル
2 内管
3 外管
32 融着接合部
4 拡張体
5 第1のルーメン
6 第2のルーメン
71、72、72´芯金
72a、72a´切欠部
8 熱収縮性チューブ
9 光ビーム
91、92 治具
93 装置
931 光源
94 光ファイバ
95 レンズ
10 カテーテル本体
12 分岐ハブ

Claims (2)

  1. 少なくとも第1の管および第2の管を有する多重管構造のカテーテルを製造する方法であって、
    前記第1の管および前記第2の管を、それぞれ、加熱溶融時に互いに可溶である材料で形成し、
    前記第1の管と前記第2の管とを重ね合わせて配置したあと、これらを接合したい箇所に熱収縮性チューブを被せて光ビームを照射することにより、前記熱収縮性チューブが加熱されて収縮し、該熱収縮性チューブの収縮力により前記第1の管と前記第2の管とを強固に密着させながら融着接合することを特徴とするカテーテルの製造方法。
  2. 前記第1の管を前記第2の管の内側に挿通し、周方向の一部に切欠部を有するパイプ状の芯金を前記第1の管と前記第2の管との間に挿通したあと、前記切欠部が配置された位置に光ビームを照射することにより、カテーテル周方向において前記第1の管の外面の一部と前記第2の管の内面の一部とを融着接合し、かつ前記第1の管の外面の他の部分と前記第2の管の内面の他の部分との間にカテーテル軸方向に延びる第2のルーメンを形成することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルの製造方法。

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