JP2006100324A - 膜パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層膜或いは連結膜を簡便且つ確実に得ることが可能な膜パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の膜パターンの形成方法は、基板P上に、相対的に膜厚の小さい薄膜部32と相対的に膜厚の大きい厚膜部33とを有する段差構造を備え、前記薄膜部32が前記厚膜部33により取り囲まれてなる構成のバンク35を形成するバンク形成工程と、前記薄膜部32により囲まれた領域に対して第1機能液10を配置する第1配置工程と、配置した第1機能液10を乾燥して第1機能膜11を得る乾燥工程と、前記乾燥工程の後、前記薄膜部32を選択的に除去する薄膜部除去工程と、前記薄膜部32の除去後、残存するバンクにより囲まれた領域に対して第2機能液を配置する第2配置工程と、配置した第2機能液を乾燥して第2機能膜を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、機能液を用いた膜パターンの形成方法に関するものである。
電子回路又は集積回路等に使われる機能膜の形成、パターンニング方法として、例えばフォトリソグラフィ法が用いられている。このフォトリソグラフィ法は、予め機能膜を、スパッター、CVDと言った既存成膜方法により形成した後、基板上にレジストと呼ばれる感光材を塗布し、回路パターンを照射して現像した後、レジストパターンに応じて機能膜をエッチングすることで機能薄膜の回路パターンを形成するものである。この一連のフォトリソグラフィ法を利用した機能薄膜の形成、パターンニングは、成膜処理及びエッチング処理時に真空装置等の大掛かりな設備と複雑な工程を必要とし、また材料使用効率が数%程度とそのほとんどを廃棄せざるを得ず、製造コストが高いのみならず、生産性も低い。
これに対して、液体吐出ヘッドから機能液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出法(いわゆるインクジェット法)を用いて、基板上に機能膜のパターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、金属微粒子等の導電性微粒子を分散させた機能液である配線パターン用インクを基板に直接パターン塗布し、その後熱処理やレーザ照射を行って薄膜の導電膜パターンに変換する。この方法によれば、従来の成膜処理、フォトリソグラフィ、及びエッチング工程が不要となり、プロセスが大幅に簡単なものになるとともに、原材料の使用量も少なく生産性の向上と言ったメリットがある。
特開2003−317945号公報
特許文献1に開示された技術では、形成したい機能薄膜パターンに応じたバンクを形成し、該バンク間に機能液を吐出後、乾燥・焼成することで薄膜パターンを得るものとしている。このような技術は、単一の薄膜パターンを形成することを目的とするもので、機能液を利用した2つの膜を積層した積層膜、或いは2つの膜を連結した連結膜を形成する技術については述べられていない。
ところで、上記特許文献1に開示されたようなバンクを用いて第1の機能膜を形成した後、該第1の機能膜の側面を含めて第2の機能膜を積層或いは連結しようとした場合、再度フォトリソグラフィによりバンクを形成し直す必要がある。このようなバンク再形成を行うと、フォトリソグラフィを施行する際の精度が問題となったり、工程増加によるコスト増大が問題となる場合がある。他方、機能液を用いて形成する機能膜の下地に形成しようとする機能膜の膜厚以上の段差がある場合、機能液を利用した成膜法の特徴として成膜後の膜厚差が著しく大きくなり、膜の短絡等の問題が生じる場合もある。
本発明は、以上のような問題を解決することを課題としており、機能液を利用した積層膜或いは連結膜を簡便且つ確実に得ることが可能な膜パターンの形成方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の膜パターンの形成方法は、基板上に、相対的に膜厚の小さい薄膜部と相対的に膜厚の大きい厚膜部とを有する段差構造を備え、前記薄膜部が前記厚膜部により取り囲まれてなる構成のバンクを形成するバンク形成工程と、前記薄膜部により囲まれた領域に対して第1機能液を配置する第1配置工程と、配置した第1機能液を乾燥して第1機能膜を得る乾燥工程と、前記乾燥工程の後、前記薄膜部を選択的に除去する薄膜部除去工程と、前記薄膜部の除去後、残存するバンクにより囲まれた領域に対して第2機能液を配置する第2配置工程と、配置した第2機能液を乾燥して第2機能膜を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
このような機能液を利用した膜パターンの形成方法によると、一度のバンク形成により複数の積層膜を形成することが可能となる。具体的には、薄膜部に囲まれた領域に第1機能膜が形成される一方、厚膜部に囲まれた領域に第2機能膜が形成され、第2機能膜は第1機能膜を完全に被覆した状態で形成される。これにより第1機能膜上に第2機能膜が被覆された積層膜を得ることができ、しかもバンク形成(フォトリソ・グラフィー)を2回行うことなく、段差のあるバンクを予め形成しておいて、その薄膜部除去により第2機能膜を形成するためのバンクを供するものとしている。つまり、積層膜を得るために2回のバンク形成工程が必要ないため、コスト低減に寄与することが可能となり、更には2回目のバンクを形成する際の位置合わせ等が必要ないため、精度の高い積層膜パターンを簡便に得ることができるようになる。なお、本発明で言う乾燥工程は、溶媒を除去するための加熱工程の他、焼成工程を含むものでも良い。
次に、上記の目的を達成するために、本発明の膜パターンの形成方法は、基板上に、相対的に膜厚の小さい薄膜部と相対的に膜厚の大きい厚膜部とを有する段差構造を備え、前記薄膜部が前記厚膜部により取り囲まれてなる構成のバンクを形成するバンク形成工程と、前記薄膜部により囲まれた領域と、当該薄膜部上の一部とに対して第1機能液を配置する第1配置工程と、配置した第1機能液を乾燥して第1機能膜を得る乾燥工程と、前記乾燥工程の後、自身の上に前記第1機能膜が形成されていない薄膜部を選択的に除去する薄膜部除去工程と、前記薄膜部を除去した領域に対して、前記第1機能膜と連なる形にて第2機能液を配置する第2配置工程と、配置した第2機能液を乾燥して第2機能膜を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
このような機能液を利用した膜パターンの形成方法によると、一度のバンク形成により連結膜を形成することが可能となる。具体的には、薄膜部に囲まれた領域と薄膜部上の一部とに第1機能膜が形成される一方、第1機能膜が形成されていない薄膜部が選択除去された領域に第2機能膜が形成され、第2機能膜は第1機能膜と連結した状態で形成される。この場合、段差の形成された位置に付き周りの良好な膜(連結膜)を好適に形成することができ、また段差底部における膜厚の制御も容易に行うことができるようになる。特に、段差の高さが機能液を用い形成する膜の厚さ以上である場合には、従来では段差底部の膜厚が大きくなる可能性があるが、本発明では、段差周りに第1機能膜を形成した後、段差底部に第2機能膜を形成するものとしているため、段差底部の膜厚が極端に大きくなることを防止ないし抑制することができるようになる。ここで、連結膜とは、自身の膜厚以上の段差がある位置に形成され、段差底部から側部更には段差上部にかけて連続する膜のことを言う。
なお、段差構造のバンクを形成するには、フォトリソグラフィ法にて形成することができ、具体的には段差を有しない膜厚の均一な感光性樹脂層を形成した後、該感光性樹脂層の露光時、露光強度を基板面内で変化させる事により(ハーフ露光)、薄膜部と厚膜部とからなる段差を形成することができる。また、薄膜部の除去工程は、例えばプラズマアッシング等により容易に行うことができる。
本発明の方法においては、特に第1機能液と第2機能液とが同一であることを除外するものではない。つまり、第1機能液と第2機能液とは同一の機能材料及び溶媒を含むものであっても良く、或いは同一の機能材料と異なる溶媒を含むものであっても良い。また、機能材料及び溶媒がそれぞれ第1機能液と第2機能液とで異なるものであっても良い。
本発明の方法において、第1配置工程及び/又は第2配置工程では、例えば液滴吐出装置を用いた液滴吐出法を採用することができる。この場合、バンクで囲まれた領域への機能液の定点配置が確実なものとなる。
また、前記第1配置工程及び/又は前記第2配置工程において、毛細管現象を利用したCAPコート法により機能液を配置することもできる。この場合も、バンクで囲まれた領域への機能液の定点配置を確実に行うことができるようになる。
また、前記バンク形成工程の後に、形成したバンクの表面に撥液処理を行う撥液処理工程を含むものとすることができる。この場合、バンク上に機能液が留まることがなくなり、バンクで囲まれた領域に機能液を確実に配置することができるようになる。
以下、本発明の膜パターンの形成方法について、実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
<第1実施形態>
本実施の形態では、液滴吐出法によって液体吐出ヘッドのノズルから導電性微粒子を含む配線パターン用インク(機能液)を液滴状に吐出し、基板上に導電性膜で形成された配線パターン(膜パターン)を形成する場合の例を用いて説明する。
この配線パターン用インクは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液、若しくはその前駆体からなるものである。本実施の形態では、導電性微粒子として、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニオブ及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子の他、これらの前駆体、合金、酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm〜0.1μm程度であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液体吐出ヘッドのノズルに目詰まりが生じるおそれがあるだけでなく、得られる膜の緻密性が悪化する可能性がある。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インクジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m〜0.07N/mの範囲内であることが好ましい。インクジェット法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s〜50mPa・sであることが好ましい。インクジェット法を用いて液体材料を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるだけでなく、液滴の吐出量が減少する。
配線パターンが形成される基板としては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種のものを用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものも含む。
次に、本発明に係る膜パターンの形成方法では、液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することにより、分散液を所定領域に配置するものとしている。具体的には、以下に示す液滴吐出装置(インクジェット装置)を用いて液滴吐出を行うものとしている。
図6は、液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド101と、X軸方向駆動軸104と、Y軸方向ガイド軸105と、制御装置CONTと、ステージ107と、クリーニング機構108と、基台109と、ヒータ115とを備えている。
ステージ107は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド101は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド101の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド101の吐出ノズルからは、ステージ107に支持されている基板Pに対して、上述した導電性微粒子を含むインクが吐出される。
X軸方向駆動軸104には、X軸方向駆動モータ102が接続されている。X軸方向駆動モータ102はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸104を回転させる。X軸方向駆動軸104が回転すると、液滴吐出ヘッド101はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸105は、基台109に対して動かないように固定されている。ステージ107は、Y軸方向駆動モータ103を備えている。Y軸方向駆動モータ103はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ107をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド101に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ102に液滴吐出ヘッド101のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ103にステージ107のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構108は、液滴吐出ヘッド101をクリーニングするものである。クリーニング機構108には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸105に沿って移動する。クリーニング機構108の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ115は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ115の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド101と基板Pを支持するステージ107とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。したがって、液滴吐出ヘッド101の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図6では、液滴吐出ヘッド101は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド101の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド101の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
図7は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
図7において、液体材料(配線パターン形成用インク又は機能液)を収容する液体室121に隣接してピエゾ素子122が設置されている。液体室121には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系123を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子122は駆動回路124に接続されており、この駆動回路124を介してピエゾ素子122に電圧を印加し、ピエゾ素子122を変形させることにより、液体室121が変形し、ノズル125から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子122の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子122の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
次に、本発明の膜パターン形成方法の実施形態の一例として、基板上に配線を形成する方法(配線パターン形成方法)について図1〜図3を参照して説明する。本実施形態に係る配線パターン形成方法は、上述した配線パターン用のインクを基板上に配置し、その基板上に複数に積層された導電膜パターンを形成するものである。以下、各工程毎に詳細に説明する。
(バンク形成工程)
バンクは、仕切部材として機能する部材であり、バンクの形成はリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、図1(a)に示すように、基板P上にバンクの高さに合わせてアクリル樹脂等の有機系感光性材料を塗布して感光性材料層31を形成する。
そして、図1(b)及び図1(c)に示すように、形成したいバンク形状に合わせて感光性材料層31に対して紫外線L1,L2を同時に照射する。ここでは、段差構造を備えたバンクを形成するために、異なる照射パターン・エネルギーを持つ紫外線L1,L2を照射し、いわゆるハーフ露光を行うものとしている。
具体的には、露光工程では、図1(b)に示すように、フォトマスクにスリット等を持たせ所定パターンを有する紫外線L1(マスクを透過する紫外線の強度を減じてある)を感光性材料層31の厚さ方向中間部付近まで照射するものとし、同時に紫外線L1の照射領域よりも内側であって、相対的に狭面積のパターンを有し、且つ紫外線L1よりも強度の強い紫外線L2を感光性材料層31の底部(基板Pの表面)まで照射する。以上のような露光を感光性材料層31に対して行うことで、図1(d)に示すように、相対的に膜厚の小さい薄膜部32と、相対的に膜厚の大きい厚膜部33とを有し、形成したい配線パターンに応じた開口パターンを有するバンク35が形成される。なお、基板Pに対しては、有機材料塗布前に表面改質処理として、HMDS処理((CHSiNHSi(CHを蒸気状にして塗布する方法)が施されているが、図1ではその図示を省略している。
なお、バンク35間におけるバンク形成時のレジスト(有機物)残渣を除去するために、基板Pに対して残渣処理を施すものとしている。残渣処理としては、紫外線を照射することにより残渣処理を行う紫外線(UV)照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOプラズマ処理等を選択できるが、ここではOプラズマ処理を実施する。
具体的には、基板Pに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射することで行う。Oプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50W〜1000W、酸素ガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの板搬送速度が0.510mm/sec〜10mm/sec、基板温度が70℃〜90℃とされる。なお、基板Pがガラス基板の場合、その表面は配線パターン形成材料に対して親液性を有しているが、本実施の形態のように残渣処理のためにOプラズマ処理や紫外線照射処理を施すことで、バンク内部の基板の親液性を高めることができる。
(撥液化処理工程)
続いて、バンク35に対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)を採用することができる。CFプラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50kW〜1000kW、4フッ化メタンガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5mm/sec〜1020mm/sec、基体温度が70℃〜90℃とされる。なお、処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
このような撥液化処理を行うことにより、バンク35には、これを構成する樹脂中にフッ素基が導入され、高い撥液性が付与される。なお、上述したOプラズマ処理は、バンク35の形成前に行ってもよいが、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等は、Oプラズマによる前処理を行った方がよりフッ素化(撥液化)されやすいという性質があるため、バンク35を形成した後にOプラズマ処理することが好ましい。
なお、バンク35に対する撥液化処理により、先に行われた残渣処理により親液化した基板P表面に対し多少は影響があるものの、特に基板Pがガラス等からなる場合には、撥液化処理によるフッ素基の導入が起こりにくいため、基板Pはその親液性、すなわち濡れ性が実質上損なわれることはない。また、バンク35については、撥液性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成することにより、その撥液処理を省略するようにしてもよい。
(第1材料配置工程)
次に、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、配線パターン形成材料を基板P上の薄膜部32で囲まれた領域に塗布する。なお、ここでは、導電性微粒子として銀を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いたインク(分散液)を吐出する。
この第1材料配置工程では、図2(a)に示すように、液滴吐出ヘッド1から配線パターン形成材料を含む液体材料を液滴にして吐出し、その液滴を基板P上の薄膜部32によって囲まれた領域に配置する。液滴吐出の条件としては、インク重量4ng/dot、インク速度(吐出速度)5〜7m/secで行った。このとき、バンク35(薄膜部32)には撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク35(薄膜部32)上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク35から弾かれ、滴下された液状体10は、図2(b)に示すように薄膜部32に囲まれた領域に流れ落ちるようになる。
(中間乾燥工程)
基板Pに液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下、真空下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W〜5000Wの範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W〜1000Wの範囲で十分である。この中間乾燥工程を行うことにより、図2(c)に示すように、所望の第1配線パターン(薄膜パターン)11が形成される。
(薄膜部除去工程)
次に、基板P上に形成されたバンク35のうち薄膜部32を選択除去する。具体的には、アッシングにより除去するものとしている。アッシング処理としては、プラズマアッシングやオゾンアッシング等を採用できる。プラズマアッシングは、プラズマ化した酸素ガス等のガスとバンクとを反応させ、バンクを気化させて剥離・除去するものである。バンクは炭素、酸素、水素から構成される固体の物質であり、これが酸素プラズマと化学反応することでCO、HO、Oとなり、全て気体として剥離することができる。一方、オゾンアッシングの基本原理はプラズマアッシングと同じであり、O(オゾン)を分解して反応性ガスの活性酸素に変え、この活性酸素とバンクとを反応させる。活性酸素と反応したバンクは、CO、HO、Oとなり、全て気体として剥離される。
なお、薄膜部32を選択的に剥離するために、Oプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが500W〜1000W、酸素ガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの板搬送速度を0.510mm/sec〜10mm/sec、基板温度が70℃〜90℃とした。このように基板Pに対してアッシング剥離処理を施すことにより、図2(d)に示すように、基板Pから薄膜部32が選択的に除去され、同除去部に感光性樹脂の残渣も発生しない。
(第2材料配置工程)
次に、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、配線パターン形成材料を基板P上の厚膜部33で囲まれた領域に塗布する。なお、ここでは、導電性微粒子としてNiを用い、溶媒(分散媒)としてジエタノールアミンを用いたインク(分散液)を吐出する。
この第2材料配置工程では、図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド1から配線パターン形成材料を含む液体材料を液滴にして吐出し、その液滴を基板P上の厚膜部33によって囲まれた領域に配置する。液滴吐出の条件としては、インク重量4ng/dot、インク速度(吐出速度)5m/sec〜7m/secで行った。このとき、バンク35(厚膜部33)には撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク35(厚膜部33)上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク35から弾かれ、滴下された液状体20は、図3(b)に示すように厚膜部33に囲まれた領域に流れ落ちるようになる。
(中間乾燥工程)
液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下、真空下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W〜5000Wの範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W〜1000Wの範囲で十分である。この中間乾燥工程を行うことにより、図3(c)に示すように、所望の第2配線パターン(薄膜パターン)21が形成される。
(焼成工程)
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤がコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。例えば、有機物からなるコーティング剤を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温〜100℃で行うことが好ましい。以上の工程により、吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換される。
焼成後、必要に応じてバンク35を除去するものとしても良く、例えば、アッシング剥離処理により除去することができる。アッシング処理としては、プラズマアッシングやオゾンアッシング等を採用できる。プラズマアッシングは、プラズマ化した酸素ガス等のガスとバンクとを反応させ、バンクを気化させて剥離・除去するものである。バンクは炭素、酸素、水素から構成される固体の物質であり、これが酸素プラズマと化学反応することでCO、HO、Oとなり、全て気体として剥離することができる。一方、オゾンアッシングの基本原理はプラズマアッシングと同じであり、O(オゾン)を分解して反応性ガスの酸素ラジカルに変え、この酸素ラジカルとバンクとを反応させる。酸素ラジカルと反応したバンクは、CO、HO、Oとなり、全て気体として剥離される。
以上のような工程により、図3(c)に示すような第1配線パターン11上に第2配線パターン21が積層してなる積層膜が形成されることとなる。本実施の形態では、薄膜部32に囲まれた領域に第1配線パターン11が形成される一方、厚膜部33に囲まれた領域に第2配線パターン21が形成され、第2配線パターン21は第1配線パターン11を完全に被覆した状態で形成されている。これにより第1配線パターン11上に第2配線パターン21が被覆された積層膜を得ることができ、しかもバンク形成を2回行うことなく、段差のあるバンク35を予め形成しておいて、その薄膜部32の除去により第2配線パターン21を形成するためのバンクを供するものとしている。つまり、機能液を用い積層膜を得るために2回のバンク形成工程が必要ないため、コスト低減に寄与することが可能となり、更には2回目のバンクを形成する際のフォト・リソグラフィー工程が必要ないため、所望の膜パターンを簡便に得ることができるようになる。
<第2実施形態>
次に、本発明の機能液を用いた膜パターン形成方法の第2実施形態として、基板上に配線を形成する方法(配線パターン形成方法)について図4及び図5を参照して説明する。本実施形態に係る配線パターン形成方法は、上述した配線パターン用のインクを基板上に配置し、その基板上に複数の膜が連結してなる導電膜パターンを形成するものである。以下、各工程毎に詳細に説明する。
(バンク形成工程)
上述した第1実施形態と同様の方法で、図4(a)に示したような開口パターンを備えたバンク35を形成する。つまり、感光性材料層を形成した後、ハーフ露光を行うことで、薄膜部32と厚膜部33とを有する段差構造を備えたバンク35を形成する。なお、ここでも、バンク35間におけるバンク形成時のレジスト(有機物)残渣を除去するために、基板Pに対して残渣処理を施す。残渣処理としては、紫外線を照射することにより残渣処理を行う紫外線(UV)照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOプラズマ処理等を選択できるが、ここではOプラズマ処理を実施する。これにより、バンク内部の基板の親液性を高めることも可能となる。
(撥液化処理工程)
続いて、バンク35に対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)を採用することができる。このような撥液化処理を行うことにより、バンク35には、これを構成する樹脂中にフッ素基が導入され、高い撥液性が付与される。なお、本実施形態では、バンク35のうち、薄膜部32の一部については撥液処理を施さないものとしており、ここでは後に配線パターンを形成する薄膜部32上を撥液処理しないものとしている。
(第1材料配置工程)
次に、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、配線パターン形成材料を基板P上の薄膜部32で囲まれた領域、及び薄膜部32の撥液処理されていない領域に塗布する。なお、ここでは、導電性微粒子として銀を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いたインク(分散液)を吐出する。
この第1材料配置工程では、液滴吐出ヘッドから配線パターン形成材料を含む液体材料を液滴にして吐出し、その液滴を基板P上の薄膜部32によって囲まれた領域、及び薄膜部32の撥液処理されていない領域に配置する。液滴吐出の条件としては、インク重量4ng/dot、インク速度(吐出速度)5m/sec〜7m/secで行った。このとき、バンク35(薄膜部32)の一部には撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク35(薄膜部32)上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク35から弾かれ、滴下された液状体40は、図4(b)に示すように薄膜部32に囲まれた領域に流れ落ちるようになる。また、薄膜部32のうち撥液処理されていない領域には液状体40が残存することとなる。
(中間乾燥工程)
薄膜部32に囲まれた領域、及び薄膜部32の撥液処理されていない領域に液状体40を配置した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下、真空下など、必ずしも大気中で行う必要はない。この中間乾燥工程を行うことにより、図4(c)に示すように、所望の第1配線パターン(薄膜パターン)41が形成される。つまり、薄膜部32に囲まれた領域、及び薄膜部32の撥液処理されていない領域に第1配線パターン(薄膜パターン)41が形成される。
(薄膜部除去工程)
次に、基板P上に形成されたバンク35のうち薄膜部32を選択除去する。具体的には、上記第1配線パターン41の形成されていない薄膜部32をアッシングにより除去するものとしている。なお、薄膜部32を選択的に剥離するために、Oプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが500W〜1000W、酸素ガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの板搬送速度を0.510mm/sec〜10mm/sec、基板温度が70℃〜90℃とした。このように基板Pに対してアッシング剥離処理を施すことにより、図4(d)に示すように、基板Pから薄膜部32の一部が選択的に除去されることとなる。
(第2材料配置工程)
次に、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、上記薄膜部32を除去した領域に配線パターン形成材料を塗布する。なお、ここでは、導電性微粒子として銀を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いたインク(分散液)を吐出する。
この第2材料配置工程では、液滴吐出ヘッドから配線パターン形成材料を含む液体材料を液滴にして吐出し、図5(a)に示すように、液状体50を基板P上の薄膜部除去領域に配置する。液滴吐出の条件としては、インク重量4ng/dot、インク速度(吐出速度)5m/sec〜7m/secで行った。このとき、バンク35(厚膜部33)には撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク35(厚膜部33)上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク35から弾かれ、滴下された液状体50は、図5(a)に示すように厚膜部33の内側領域に流れ落ちるようになる。
(中間乾燥工程)
液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下、真空下など、必ずしも大気中で行う必要はない。この中間乾燥工程を行うことにより、図5(b)に示すように、所望の第2配線パターン(薄膜パターン)51が形成される。
(焼成工程)
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤がコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。例えば、有機物からなるコーティング剤を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温〜100℃で行うことが好ましい。以上の工程により、吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換される。
焼成後、必要に応じてバンク35を除去するものとしても良く、例えば、アッシング剥離処理により除去することができる。アッシング処理としては、プラズマアッシングやオゾンアッシング等を採用できる。プラズマアッシングは、プラズマ化した酸素ガス等のガスとバンクとを反応させ、バンクを気化させて剥離・除去するものである。バンクは炭素、酸素、水素から構成される固体の物質であり、これが酸素プラズマと化学反応することでCO、HO、Oとなり、全て気体として剥離することができる。一方、オゾンアッシングの基本原理はプラズマアッシングと同じであり、O(オゾン)を分解して反応性ガスの酸素ラジカルに変え、この酸素ラジカルとバンクとを反応させる。酸素ラジカルと反応したバンクは、CO、HO、Oとなり、全て気体として剥離される。
以上のような工程により、図5(b)に示すような第1配線パターン41と第2配線パターン51が連結してなる連結膜が形成されることとなる。
本実施の形態では、薄膜部32に囲まれた領域と薄膜部32上の一部とに第1配線パターン41が形成される一方、薄膜部32が選択除去された領域に第2配線パターン51が形成され、第2配線パターン51は第1配線パターン41と連結した状態で形成される。この場合、機能液を利用した成膜に於いても、薄膜部32の上面から側面並びに薄膜部32に囲まれた領域に至って付き周りの良好な膜(連結膜)を好適に形成することができ、また膜厚の制御も容易に行うことができるようになる。特に、図示したように薄膜部32の高さが形成する膜の厚さ以上である場合に、基板Pの薄膜部32に囲まれた領域、及び薄膜部32の側面並びに上面に第1配線パターン41を形成した後、薄膜部32を除去した領域に第2配線パターン51を形成するものとしているため、薄膜部32に囲まれた領域に形成される膜の厚さが極端に大きくなることを防止ないし抑制することができるようになる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、液滴(機能液)を配置するために液滴吐出装置を用いた液滴吐出法を採用しているが、その他の方法として、例えば図8に示すようなCapコート法を採用することもできる。Capコート法は毛細管現象を利用した成膜法で、塗布液70にスリット71を差し込み、その状態で塗布液面を上昇させるとスリット71の上端に液盛72が生成される。この液盛72に対して基板Pを接触させ、所定方向に基板Pを平行移動させることにより、塗布液70を基板P面に塗布することができる。
また、本実施形態では、第1配線パターンの焼成と第2配線パターンの焼成とを同時に行うものとしているが、第1配線パターンを焼成した後、第2配線パターン形成用材料を配置するものとしても良い。この場合、形成した第1配線パターンが、第2配線パターン形成工程における溶媒(分散媒)に対する安定性が向上することとなる。
さらに、各実施形態で示した配線パターン(膜パターン)の形成方法は、配線を具備した各種電気光学装置の製造方法に適用することができる。例えば、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置等の配線を形成する際に採用するのが好適である。
第1実施形態の配線パターン形成工程を示す断面模式図。 図1に続く配線パターンの形成工程を示す断面模式図。 図2に続く配線パターンの形成工程を示す断面模式図。 第2実施形態の配線パターン形成工程を示す断面模式図。 図4に続く配線パターンの形成工程を示す断面模式図。 液滴吐出装置の概略斜視図。 ピエゾ方式による液状体の吐出原理を説明するための模式図。 Capコート法を説明するための断面模式図。
符号の説明
11…第1配線パターン(第1機能膜)、21…第2配線パターン(第2機能膜)、32…薄膜部、33…厚膜部、35…バンク、P…基板(ガラス基板)

Claims (7)

  1. 基板上に、相対的に膜厚の小さい薄膜部と相対的に膜厚の大きい厚膜部とを有する段差構造を備え、前記薄膜部が前記厚膜部により取り囲まれてなる構成のバンクを形成するバンク形成工程と、
    前記薄膜部により囲まれた領域に対して第1機能液を配置する第1配置工程と、
    配置した第1機能液を乾燥して第1機能膜を得る乾燥工程と、
    前記乾燥工程の後、前記薄膜部を選択的に除去する薄膜部除去工程と、
    前記薄膜部の除去後、残存するバンクにより囲まれた領域に対して第2機能液を配置する第2配置工程と、
    配置した第2機能液を乾燥して第2機能膜を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とする膜パターンの形成方法。
  2. 基板上に、相対的に膜厚の小さい薄膜部と相対的に膜厚の大きい厚膜部とを有する段差構造を備え、前記薄膜部が前記厚膜部により取り囲まれてなる構成のバンクを形成するバンク形成工程と、
    前記薄膜部により囲まれた領域と、当該薄膜部上の一部とに対して第1機能液を配置する第1配置工程と、
    配置した第1機能液を乾燥して第1機能膜を得る乾燥工程と、
    前記乾燥工程の後、自身の上に前記第1機能膜が形成されていない薄膜部を選択的に除去する薄膜部除去工程と、
    前記薄膜部を除去した領域に対して、前記第1機能膜と連なる形にて第2機能液を配置する第2配置工程と、
    配置した第2機能液を乾燥して第2機能膜を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とする膜パターンの形成方法。
  3. 前記バンク形成工程において、膜厚の均一な感光性樹脂層を形成した後、該感光性樹脂層の露光時、露光強度を基板面内で変化させる事により前記薄膜部及び前記厚膜部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の膜パターンの形成方法。
  4. 前記バンク形成工程の後に、形成したバンクの表面に撥液処理を行う撥液処理工程を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
  5. 前記第1配置工程及び/又は前記第2配置工程において、液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により機能液を配置することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
  6. 前記第1配置工程及び/又は前記第2配置工程において、毛細管現象を利用したCAPコート法により機能液を配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
  7. 前記薄膜部除去工程において、アッシングにより当該薄膜部を除去することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の膜パターンの形成方法。
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