JP2006100088A - 発光装置の輝度制御方法及び制御データ生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御手順200は、各発光ユニットの各色のLED(赤、緑、青)の輝度Zを制御するための制御データを生成する手順を示している。各ステップにおける配列の引数kは、各発光ユニットの通し番号kに1対1に対応しており、各処理はこの範囲内(1≦∀k≦60)で順次それぞれ実施される。これらの処理により、式(6)のロジスティック写像に基づくカオス演算が実行される。ただし、ここで時刻nはループ回数に対応する。これらの処理を例えば400ミリ秒毎に周期的に繰り返すことにより、若葉の揺らめきを表現する制御データを実時間で生成できる。
y(k,n+1)=4.0×y(k,n)×{1.0−y(k,n)} …(6)
【選択図】図1
Description
この方法は、電飾(イルミネーション)、信号表示、情報表示、或いは、照明などの輝度制御に大いに有用なものである。
また、発光素子を線状に配列したその他の発光装置としては、クリスマスツリーなどに用いられる電飾(イルミネーション)などが一般的である。
また、個々の発光素子に対する多段階に渡ってのきめ細かい輝度制御を行うものや、或いは光の3原色等を用いた光の色合成に基づく色調制御などを行うものは特に見当たらない。
また、本発明の更なる目的は、上記の様な輝度制御を実行するための制御データを十分簡単に生成することである。
また、本発明の更なる目的は、上記の様な輝度制御を実行するための制御データを人間の視覚的な感覚に対して十分に適合させることである。
ただし、上記の個々の目的は、本発明の個々の手段の内の少なくとも何れか1つによって、個々に達成されれば十分であって、本願の個々の発明(下記の個々の手段)は、上記の全ての課題を同時に解決する具体的実施形態が存在することを必ずしも保証するものではない。
即ち、本発明の第1の手段は、発光素子を有する発光ユニットをK個(K≧2)線状に1次元配列して構成される発光装置の各発光ユニットの輝度を制御する制御手順において、整数nを用いて量子化される時刻における、第k番目(1≦∀k≦K)の各発光ユニットの輝度z(∀k,n)をそれぞれ何れもその整数nに関する漸化式を用いて決定することである。
また、発光ユニットを線状に1次元配列する配列形態は任意で良く、よって、上記の発光ユニットは、1直線上に配列しても良いし、平面上の曲線上に配列しても良いし、曲面上の曲線上に配列しても良い。
また、上記の漸化式は、複数同時に用いても良い。即ち、例えばnが奇数となる時刻に対しては第1の漸化式を用意し、nが偶数となる時刻に対しては第2の漸化式を用いるなどの方式を採用しても良い。
(ロジスティック写像)
y(k,n+1)=a×y(k,n)×{1−y(k,n)},
0<y(k,n)<1,1≦∀k≦K …(1)
ここで、aの値は4が望ましいが、それ以下の正の数でも良い。また、例えば、絶対値処理や切り捨て演算などの適当な手続きを導入すれば、上記の係数aには0以外の任意の定数を用いることもできる。
ただし、この乱数は、必ずしも十分にランダムなものでなくても良い。即ち、この乱数は、例えば正弦波などの適当な関数等を用いて簡単に生成することも可能である。より具体的には、例えば、次式(2)を用いた場合にも、初期位相δや定数ωを適当に設定すれば、漸化式の初項y(k,0)を見た目には概ねランダムに生成することができ、よって、その様な場合にもこの第3の手段の作用・効果を得ることができる。
(使用可能な乱数の1例)
y(k,0)=|sin(kω+δ)| (1≦∀k≦K) …(2)
ただし、上記の感覚の法則としては、例えば「ウェバー(Weber )の法則」や、「ウェバー・フェチナー(Weber-Fechner )の法則」や、或いは「スチーブンス(Stevens )の冪関数の法則」などの公知の感覚の法則を用いることができる。
即ち、本発明の制御データ生成装置の動作と、制御対象となる発光装置の駆動とは、必ずしも同期させる必要があるものではなく、よって、両者は分離して認識することができるものである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
即ち、本発明の第1の手段によれば、例えば一般にカオスと呼ばれている現象の様な、不規則でありながら、時間的若しくは空間的に一定の相関を有する様な動作を表現することが可能または容易となる。したがって、本発明によれば、線状に1次元配列されたK個(K≧2)の発光ユニットを有する発光装置を用いて自然現象に近い揺らぎを表現することが可能または容易となる。
即ち、上記の漸化式は、発光パターンにおける不規則性と相関と言う一見相いれない性質を統一的に融合させる作用を奏し、これにより、簡単に所望の揺らぎ(:非周期的な振動)を表現を実現することができる。
心理学的
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
図1は、本実施例1の若葉の揺らめきを表現する制御手順200のフローチャートである。このフローチャートは、所定のパソコン上でこれらの発光ユニットの輝度を制御するための制御データを生成する手順を示している。即ち、この制御データによって、使用する発光装置の発光パターンを一意に規定することができる。
この制御データの生成を例えば400ミリ秒毎に周期的に繰り返すことにより、発光装置の発光パターンを規定する制御データを実時間で生成することができる。
(配列y(k)の値域と定義域)
0<y(k)<1 ,1≦∀k≦60 …(3)
(発光強度x(k))
x(k)=255×y(k)3 …(4)
(a)各発光ユニットの発光強度(輝度)は少なくとも、略等間隔の256段階に制御可能である。
(b)発光パターンに対する視認者は、上記の256段階の発光強度の、最小の発光強度も最大の発光強度も認識(識別)することができる。即ち、発光装置の周辺にはその他の光(光源や反射や導波など)がない。
(c)各発光ユニットに関する視認者の感覚の強さは、その発光ユニットの出力(発光強度)の1/3乗に比例する。
(3原色LEDの各輝度)
Zr(k)=0.75×x(k),
Zg(k)=0.25×x(k),
Zb(k)=0.00×x(k) …(5)
y(k,n+1)=4.0×y(k,n)×{1.0−y(k,n)},
0<y(k,n)<1,1≦∀k≦60 …(6)
ここで、整数nは次式(7)に従って量子化された時刻を表している。
t=nΔt+t0 ,n≧0 …(7)
時刻t0 は、発光パターンの制御が開始されるべき基準時刻を表している。また、前述の様に、制御周期Δtは、例えば400ミリ秒程度で良い。
なお、ここで、ステップ280の配列y(k)が引数としてnを持っていないのは、ステップ260によって上記の制御データ(3バイトデータ×60組)が随時上記のバッファ領域に出力(退避)されるので、同一の領域(配列y(k))を使い回していれば十分なためである。言い換えれば、式(6)の量子化された時刻nは、図1のループ処理におけるループ回数に相当するが、リアルタイム処理ではこの回数を意識する必要がない。
以上の処理を繰り返し実行することにより、式(6)のロジスティック写像に基づくカオス演算が実現される。
図2に、本実施例1の発光装置の論理的な構成を示す。本発光装置1000の電気回路は、図示するパソコンCと、所定の発光ユニットを連結して構成される連結体120と、これらを繋ぐ配線から構成されている。即ち、この連結体120は図3或いは図4の発光ユニット121を一列に連結接続したものであり、その一端はターミナルTから構成されており、反対側の一端はパソコンCに接続されている。
図中の各接続端子tj(1≦j≦6)は、それぞれ以下の様に用途が特定されて使用されている。
t1 : GND(接地用)
t2 : CLOCK(クロック信号伝送用)
t3 : LATCH(ラッチ制御信号伝送用)
t4 : DATA(3原色制御信号配信用)
t5 : 5V(5V直流電位供給用)
t6 : 17V(17V直流電位供給用)
そして、特に、接続端子t4によって直列に繋がれた図中の太線部分(y)は、LEDの発光制御、即ち、発光強度及び発光色に係わる制御データをパソコンCからシリアルに伝送する制御信号伝送回路yを各発光ユニット121と共に構成している。
また、基板Bの裏面Bbには、3つのモージュールIC121bが等間隔に配設されている。この3つのモージュールIC121bは、図5を用いて後で詳しく説明する様に、同一基板B上の4つの3原色LED121aの個々の発光色や輝度を制御する。
以下、モジュールIC121bの各端子の機能を端子番号順に説明する。
1 : 制御系とパワー系の共通のグランド端子
2 : シフトレジスタに送るシリアルデータ(制御データ)の入力端子
3 : クロック信号入力端子
4 : ラッチ信号入力端子
5〜12 : ドライバ出力端子
13 : 出力イネーブル用端子
14 : シフトレジスタを通ったシリアルデータ(制御データ)の出力端子
15 : 出力電流の設定抵抗を接続する端子
16 : ICの5V系電源電圧供給端子
(抵抗Rjの値)
Rj=r×2(j-17),
r=51[kΩ] …(8)
ただし、本式(8)の定数rの具体的な値は、用いるLEDの性能(最大輝度)などによって最適化すれば良く、LEDの各発光色毎にそれぞれ最適値が存在する。
図4の制御信号伝送回路y上で上記の制御データは、上記のシリアルパラレル変換回路の作用に基づいて、1クロック毎に1ビットずつシリアルに伝送される。そして、シリアルパラレル変換回路上のシフトレジスタから上記のラッチ回路に周期的に転送されて保持される1バイトデータ(上記の制御データ)により、LEDの輝度が256段階に制御される。この制御は、図4の構成からも判る様に、赤、緑、青の各発光駆動単位(XB,XR,XG)でそれぞれ独立に実施される。各制御データ(8ビットデータ)は、図5及び図7に示す様に個々の抵抗に直列に接続された8つのスイッチのON/OFF信号として用いられるので、互いに並列接続された図5の8個の抵抗(R10〜R17)の合成抵抗の値は自在に制御することができる。即ち、図4の発光ユニット121から出力される光の色は、光の3原色が合成される結果、前記の式(8)に基づいて224通りに自在に制御される。
(a)端子15(R−EXT)と端子1(GND)との間に適当な外付け抵抗(図5のR7)を接続して、出力電流(LED駆動電流)を最適化することができる。
(b)クロック信号の立ち上がりエッジでシフトレジスタはデータをシフトする。
(c)端子4(ラッチ信号入力端子)から入力されるラッチ信号は、シフトレジスタ上のシリアルデータ(制御データ)をラッチ回路へ転送するタイミングを制御する。
(d)図7の真理値表では、Dn =”H”レベルのときOUT0〜7はオンし、Dn =”L”レベルのときOUT0〜7はオフする。
したがって、毎回0.01秒毎にシリアル転送する毎秒18000バイト(60基板×3原色×100)の制御データを適当にプログラムすることにより、1列の所望のフルカラー電飾(発光サイン)を設計することができる。制御データ、ラッチ信号、クロック信号などは、勿論図2のパソコンCから、前述の出力タスクが行う制御にしたがって出力する。
例えば、赤色の係数は、0.75を中心として振動させても良い。その他の係数も赤色の係数とは同期させて、或いは非同期に、変化させても良い。何れの場合においても、この発光装置1000の発光パターンは、関数y(k)(即ち、ステップ210の初期値とステップ280の漸化式)によって支配される。
例えば、図1のy(k)やx(k)の各値を各原色毎に別々に独立して算定すれば、その様な応用も容易に実施することができる。
(フラッシュ発光の輝度設定条件)
Zr(k)=240,
Zg(k)=240,
Zb(k)=255 …(9)
この設定により、青白いフラッシュ発光が実現されるので、その発光がある程度ランダムであれば、発光装置1000全体における当該発光パターンは水面のきらめきの様に見える。ただし、この不規則性は、ロジスティック写像によって支配されているので、完全なものではなく、その挙動は実施例1の若葉の揺らめきの場合と同様に一種のカオス挙動となる。
(フラッシュ発光の発現条件)
x(k)=255×y(k)2 >254 …(10)
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
また、利用する感覚の法則としては、その他の周知または任意のものを用いることができる。
120 : 連結体
121 : 発光ユニット
121a: 3原色LED
121b: モジュールIC
B : 基板
Ba : 基板Bの上面(表)
Bb : 基板Bの裏面
Bh : 穴
T : ターミナル
C : パソコン
tk : 接続端子(1≦k≦6)
XB : 発光駆動単位(青色系)
XR : 発光駆動単位(赤色系)
XG : 発光駆動単位(緑色系)
Claims (10)
- 発光素子を有する発光ユニットをK個(K≧2)線状に1次元配列して構成される発光装置の各発光ユニットの輝度を制御する方法であって、
整数nを用いて量子化される時刻における、第k番目(1≦∀k≦K)の各前記発光ユニットの輝度z(∀k,n)をそれぞれ何れも前記整数nに関する漸化式を用いて決定する
ことを特徴とする輝度制御方法。 - 前記漸化式として、
所定の正定数aを用いて表されるロジスティック写像:
y(k,n+1)=a×y(k,n)×{1−y(k,n)},
0<y(k,n)<1,1≦∀k≦K.
を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の輝度制御方法。 - 各前記発光ユニットに対してそれぞれ何れも前記漸化式の初項を乱数を用いて決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の輝度制御方法。 - 前記輝度z(∀k,n)の値はそれぞれ何れも、
前記漸化式の第n項であるy(k,n)と、
視覚に係わる感覚の法則に基づいて定められた所定の関数fと
を用いて表される関数:
z(k,n)=f(y(k,n))
によって与えられる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の輝度制御方法。 - 前記感覚の法則として、
スチーブンスの冪関数の法則を用いて前記関数fを規定した
ことを特徴とする請求項4に記載の輝度制御方法。 - 発光素子を有する発光ユニットをK個(K≧2)線状に1次元配列して構成される発光装置の各発光ユニットの輝度を制御する制御データを生成する装置であって、
整数nを用いて量子化される時刻における、第k番目(1≦∀k≦K)の各前記発光ユニットの輝度z(∀k,n)をそれぞれ何れも前記整数nに関する漸化式を用いて算定する輝度演算手段を有する
ことを特徴とする制御データ生成装置。 - 前記輝度演算手段は、
所定の正定数aを用いて表されるロジスティック写像:
y(k,n+1)=a×y(k,n)×{1−y(k,n)},
0<y(k,n)<1,1≦∀k≦K.
を前記漸化式として用いている
ことを特徴とする制御データ生成装置。 - 各前記発光ユニットに対してそれぞれ何れも前記漸化式の初項を乱数を用いて決定する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の制御データ生成装置。 - 前記輝度z(∀k,n)の値はそれぞれ何れも、
前記漸化式の第n項であるy(k,n)と、
視覚に係わる感覚の法則に基づいて定められた所定の関数fと
を用いて表される関数:
z(k,n)=f(y(k,n))
によって与えられる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の制御データ生成装置。 - 前記感覚の法則として、
スチーブンスの冪関数の法則を用いて前記関数fを規定した
ことを特徴とする請求項9に記載の制御データ生成装置。
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