JP2006098558A - 光学ユニット設計支援方法 - Google Patents

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Takeshi Okada
武 岡田
Kazuhito Hayakawa
和仁 早川
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Abstract

【課題】光学ユニット全体の光学性能の変動に対する機械的設計パラメータの寄与度を求める方法を提供する。
【解決手段】複数のレンズ群からなり、各レンズ群が少なくとも1つの光学部材と少なくとも1つの機構部材からなる光学ユニットを考える。光学部材と機構部材の機械的設計パラメータに公差と製造分布を与える。機構部材の設計パラメータ変動が光学部材の保持位置の変動に与える第1の寄与度を算出する。機構部材の設計パラメータ変動により変動する所望の測定パラメータの変動の分布(または、測定パラメータの分布)の算出をする。光学ユニットの光学性能に対する各レンズ群の空間位置の変動による第2の寄与度を算出する。第1の寄与度と第2の寄与度とを用いて、光学ユニットの光学性能の変動に対する機構部材の設計パラメータの寄与度を算出する。最終的な寄与度を用いて公差を適切に設定する方法も開示する。
【選択図】図2

Description

本発明は、概して光学製品の製造方法に関し、さらに詳細には、光学製品量産時の部材の設計パラメータの公差を適切に設定する技術に関する。
従来より、光学製品の設計において公差を決定するにあたり公差を適切に割り付けるための各種手法が提案されている。
例えば、松居らが提唱する公差割付の手法(松居法)では、まず、RDNなど光学系の構成要素が微小変化した際の光学性能の変化係数を求める(非特許文献1)。その後、各構成要素の公差と、「誤差の発生し易さ」を表す重み付け量を決めて、Σ変化係数×公差
×重み付けの値が所望の範囲内となるように、公差を決定する。この場合、重み付け量と公差の値を設計者が決めていくことになる。ここで言う「誤差の発生し易さ」は製造のし易さとも言え、それを表す重み付けは経験的な入力であり、必ずしも製造状況を表すとは言えない。また、製造誤差による性能の劣化を線形結合で表しているが、光学要素によっては、非線形な性能変動が大きく効いてしまい、製造誤差の影響を必ずしも的確に表すことができない場合がある。
ー方、今井らが提唱する手法では、各光学要素に公差幅と製造誤差の発生のし易さを表す製造分布を与えて、モンテカルロシミュレーションの手法に則り、光学系の設計値に製造誤差を付与した光学系のデータを多数作成する(非特許文献2)。これらの光学系データの各々に対して光学性能を調べた上で、系全体の光学性能の分布の度合いを求める。この結果が、所望の分布の程度に収まっているのであれば、公差の設定値が最適であると言える。また、公差の値を変更するたびにモンテカルロシミュレーションを使って大量のデータ処理を行う必要がある。
一方、近年、シミュレーションによる鏡筒光学系の公差設計方法が種々提案されている。これらの手法では、鏡筒光学系の構成要素の各々に公差と製造分布を付与して、偏心など光学的な製造分布に変換する(非特許文献3)。次に、光学系のデータに公差と製造分布と、先に鏡筒光学系から発生する光学的な製造分布とを付与する。以降は、今井らが提唱したモンテカルロシミュレーションを使い、光学性能の安定性を確認する。
ここで、この手法では、鏡筒光学系の部品設計パラメータに公差と製造分布を付与しており、光学的な構成要素を機械的な構成要素から算出していることが注目される。
なお、鏡枠系の部品設計パラメータに公差と製造分布を付与する手段としてeM-TolMate(Tecnomatix Technologies Ltd)やCETOL6σ(Sigmetrix.LLC)などの3次元CADのデータを利用する公差解析プログラムが存在する。
松居吉哉:光学系公差の合理的決定方法について、光技術コンタクト、4、2(1966)、13 今井利廣、池田義嗣:偏心公差決定手法、光学、6,6(1977)228.231 佐々木豊春ほか:鏡筒光学製品における統計的公差設計システムの開発、精密工学会誌Vol.64、No.7、1998 佐々木豊春ほか:鏡筒光学製品における統計的公差設計システムの開発(第2報)、精密工学会誌Vol.65、No.2、1999 佐々木豊春ほか:鏡筒光学製品における統計的公差設計システムの開発(第3報)、精密工学会誌Vol.66、No.4、2000
上述のように、公差の適切な設定に向けた取り組みが行われてきているが、設計パラメータの公差の変化が最終的な光学性能にどの程度の影響を与えるのかといった解析は行われておらず、設計パラメータに公差と製造分布を設定してモンテカルロシミュレーションを行い、光学性能の性能分布が所望の分布となっているかどうか確認を行って、適切な公差に至ったかどうかを判断しているため、適切な公差を得るためには、公差を変更する設計パラメータを経験的に選択しては、モンテカルロシミュレーションを繰り返す必要があり、適切な公差を得るまでに時間と労力を要する。
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造に適切な光学ユニットとなるように、設計パラメータに設定した公差や製造分布が光学性能にどの程度の影響を与えるのか解析する手法を提供し、さらには、この解析結果に基づいて公差を変更するパラメータを効率良く選定し、設計パラメータの公差を最適にする手段を提供することである。
本発明は、一面では、複数のレンズ群からなり、各レンズ群が少なくとも1つの光学部材と少なくとも1つの機構部材からなる光学ユニットの設計支援方法を提供する。本発明の光学ユニット設計支援方法は、光学部材と機構部材の機械的設計パラメータに公差幅と製造分布を与え、これらを基に測定パラメータの分布を算出するステップと、測定パラメータの分布を基に、製造誤差のある多数のレンズデータを生成するステップと、上述の多数のレンズデータを基に、光学的シミュレーションにより光学性能の分布を算出するステップと、光学性能の分布を基に、寄与度解析により光学性能の分布に与えるパラメータの寄与度を算出する寄与度算出ステップと、上述の寄与度を用いて公差を判断するステップとを含むことを特徴とする。
光学的設計パラメータおよび機械的設計パラメータが光学性能の分布に及ぼす影響の程度(寄与度)を知ることがてぎる。
加えて、最適な公差を得るために、寄与度を踏まえて設計パラメータの公差を変更できるので、経験的な繰り返しを行うことなく、最適な公差を効率的に得ることができる。
さらには、設定済みの公差が必要以上に厳しい設計パラメータも知ることができ、光学性能の分布の検討以外に、加工や組立コストをも考慮した公差を設定することができるようになる。
まず、本発明の実施形態による詳細な説明に先立ち、幾つかの用語を説明する。
一般に、カメラレンズなど諸般の光学機器は、レンズ、プリズムなどの光学部材と、これらの光学部材を支持する鏡枠(鏡筒)などの機構部材から構成される。本明細書では、このような光学部材と機構部材から構成される機械光学系またはアセンブリ(組立体)を光学ユニットと称する。また、1枚以上のレンズと枠または筒で構成される組み立て単位をレンズ群と称する。例えば、図1は、本発明の説明に用いる光学ユニットDの一例を示す図であり、同ユニットDの光軸に沿った断面図である。図1において、レンズA1、A2とこれらを保持する保持枠B1が第1のレンズ群G1を構成し、レンズA3、A4と保持枠B2が第2のレンズ群G2を構成し、レンズA5と保持枠B3が第3のレンズ群G3を構成する。また、レンズ群G1、G2、G3とこれらを保持する保持枠B4とにより、光学ユニットDが構成される。
設計パラメータとは、部品の形態を定義するパラメータのことである。
機械的設計パラメータとは、部材の長さ、直径、角度など部品形態を定義する幾何学的寸法(幾何学的設計パラメータ)のことである。機械的設計パラメータには、機構部材に関する設計パラメータ(寸法)だけでなく、レンズの直径、厚さおよび曲率半径などの光学部材の設計パラメータも含まれる。これに対し、レンズの直径、厚さ(D)、曲率半径(R)、屈折率(N)、面精度および偏心などのような光学性能を求める際に使用する物理量を光学的設計パラメータと言う。なお、レンズの直径や厚さ(D)などレンズの形状も合わせて定義する幾何学的設計パラメータは、機械的設計パラメータとしての側面を併せ持つ。
本発明で云うところの(所望の)測定パラメータとは、光学部材の空間位置を定めるための距離や角度寸法のことであり、機械的設計パラメータの変化によって測定パラメータは変化する。また、測定パラメータが変化すると光学部材の空間配置が変化するだけでなく、光学性能も変化する。
すなわち、測定パラメータは機械的設計パラメータにより算出されるが、光学性能に影響を与える光学的設計パラメータとしての性格も併せ持つ。
例えば、光学的設計パラメータの1つである偏心は、機械的設計パラメータが製造誤差のため本来の設計パラメータと異なってしまうことにより、光学部材の本来の光軸とレンズ群Gi(図1の例では、i=1〜3)の光軸との距離や角度が変化することを云い、測定パラメータともいえる。この偏心が発生すると、光学性能が変化することは周知の事実である。この他にも、光学的設計パラメータであるレンズとレンズの間隔は、機械的設計パラメータが変化することで変化する測定パラメータであり、レンズとレンズの間隔が変化することで、焦点距離にみられるような光学性能の変化を生ずることは、周知の事実であり、この変化を積極的に利用したものとして可変焦点レンズ(ズームレンズ)が挙げられる。また、後の説明のため、各レンズ群Giを構成する光学部材の機械的設計パラメータをMi,j(j=1,2,...J)と表す。ここで、Jは、レンズ群Giの光学部材の考慮すべき設計パラメータの数である。
設計パラメータに対する公差とは、その製品の製造時に、その設計パラメータに許される誤差の範囲のことであり、設計パラメータに対する製造分布とは、その製品を量産した場合に取り得る設計パラメータの値とその値の出現頻度のことである。
光学性能とは、レンズの焦点距離、諸収差、スポットダイアグラム、MTF(modulation transfer function)など、光学系の特性、性能を代弁する諸般の評価量であって、設計を行う光学系の目的や性格により、設計者が任意に選択あるいは複数を組み合わせて使用することができる。
設計段階において、設計中の光学ユニットの光学的設計パラメータおよび機械的設計パラメータを決定した後、各設計パラメータの光学性能への寄与度を求める方法と、寄与度を用いて、各設計パラメータの適切な公差を決定する方法について述べる。
まず、量産時における各設計パラメータの光学性能への寄与度を求める設計支援の方法について、図2により説明する。
図2は機械的設計パラメータと光学的設計パラメータから各々のパラメータの光学的性能の変動に与える寄与度を求める処理の流れをフローチャートにしたものである。
まず、図2のステップ30において対象の光学ユニットD(図1)の機械的設計パラメータの各々に、公差および製造分布を設定する。
図3は、機械的設計パラメータに公差を設定した例を示す図である。図3において、T1は、図1のレンズA1の直径(図3の例では25mm)に対し、−0.03〜0.0の公差を設定したことを示す。また、レンズA1の厚さ(図3の例では6mm)に対し、±0.01の公差が設定されている。T2は、レンズA1が嵌入される図1の鏡筒B1の内壁の直径(図3の例では25mm)に対し、公差を0〜0.015と設定したことを示す。T3は、レンズT1嵌入されたときに当接する面の平行度に対し、0.02の幾何公差を与えたことを示す。
図4は、レンズA1の直径25mmに−0.03〜0.0の公差を与えた場合に設定した製造分布を示す。公差を−0.03〜0.0と設定したので、レンズA1の直径の製造分布は、25.00−0.03から25.00の範囲で設定されている。
このような公差および製造分布の設定にあたっては、以下の3通りの方法がある。
(1)設計パラメータの公差の範囲で仮定した分布を使用する。例えば、仮定する分布として、正規分布や一様分布などがある。
(2)設計パラメータに対応する製造データを集計して、分布形状を求め、その形状を使用する。
(3)新規設計する部品と形状、大きさ、加工方法などの類似性から製造分布も類似であると予測される既存の製造データを使用する。
なお、機械的設計パラメータに公差、及び、製造分布を設定することで、機械的設計パラメータの持つ設計値からの誤差を確率的に求められるようになり、実際に、公差、及び製造分布を設定した各々の機械的設計パラメータに誤差を生じさせしめた結果、これらの誤差の重ね合わせにより算出される測定パラメータの値は、設計値により算出される測定パラメータの値とは異なる値となりうる。
すなわち、測定パラメータは、ステップ30で設定した機械的設計パラメータの公差、及び、製造分布を反映した分布を有するといえる。
ステップ32において、ステップ30で設定した公差、及び、製造誤差の分布から、測定パラメータの分布を計算する。計算にあたって、実際にモンテカルロシミュレーションを行って測定パラメータの分布を求める方法や、システムモーメント法などの諸般の統計的な処理により、数値計算的に測定パラメータの分布を求める方法があるが、いずれの方法を用いても良い。実際の計算には、機械CADを使用することで、正確に計算を行うことができる。
ステップ34において、光学的設計パラメータに面精度等の光学的な公差や製造分布を設定する。光学的設計パラメータの公差や製造分布の設定にあたって、ステップ30で述べた(1)から(3)の公差と製造分布の設定の方法に加えて、機械的設計パラメータの影響を受ける光学的設計パラメータには、その製造分布の設定にあたって、次の方法を用いることができる。
(4)ステップ32で求めた測定パラメータの分布を製造分布として使用する。
ステップ36において、ステップ34で設定した公差や製造分布に基いてモンテカルロシミュレーションを実行し、製造誤差が付与されたレンズデータをN個生成し、図5Aに示すようなレンズデータテーブルとして保存する。
ステップ38において、ステップ36で作成したN個のレンズデータの各々に対して、設計者が必要とする所望の光学性能を計算し、計算結果を評価データとして図5Aに追加保存する。追加保存した結果、図5Bに示すようなレンズデータと評価データのテーブルとなる。実際の光学性能の評価には、光学CADを使うことで、正確に諸性能を計算することができる。
ステップ40において、ステップ38で求めたN個のレンズデータと光学性能のテーブルから解析を行い、光学性能に対する光学的設計パラメータの第一の寄与度(OCi )を求める。テーブルの解析には、重回帰解析などの統計的解析手法やMTS解析など、各種の解析手法を利用することができる。ここで求めたOCi を光学的設計パラメータとの表(光学的寄与度テーブル)として保存する。
ステップ42において、測定パラメータの分布に対する機械的設計パラメータの第二の寄与度(MCj )を計算する。寄与度の計算にあたって、ステップ40で述べた解析手法などを利用することができるが、昨今の市販されている機械CADでは、この種の計算機能が提供されているので、市販の機械CADを使って解析することもできる。
ステップ44において、ステップ40で求めたOCi とステップ42で求めたMCj から、光学性能に対する機械的設計パラメータの第三の寄与度(Cij)を計算する。Cijは、光学的設計パラメータのうち測定パラメータの分布をもちいた項目の第一の寄与度(OCi )と、その測定パラメータに対する機械的設計パラメータの寄与度MCj を用いて、Cij=OCi ×MCj により求めることができる。ここで求めたCijを機械的設計パラメータとの表(機械的寄与度テーブル)として保存する。
以上のように、本発明によれば、求める光学ユニットの光学性能に対する各光学的設計パラメータの第一の寄与度と各機械的設計パラメータの第三の寄与度を求めることができる。
ステップ40にて求めた光学性能に対する各光学的設計パラメータの第一の寄与度を比較することで、多数の光学的設計パラメータの内、製造誤差の影響を受けやすい光学的設計パラメータを容易に特定できる。この結果、設計者は製造誤差の影響を受け難くするために、各設計パラメータの変更や、公差の変更などといった設計改善に注力できる。さらにいうならば、製造誤差の影響をほとんど受けない設計パラメータの公差を緩められるかどうかの検討を行って、製造の容易さに対する検討を加える、すなわち、コスト低下を図るための検討を容易に行うことができる。
また、ステップ44にて求めた光学性能に対する各機械的設計パラメータの第三の寄与度を比較することで、多数の機械的設計パラメータのうち、製造誤差の影響によって光学性能に影響を与えやすい機械的設計パラメータを容易に特定できる。この結果、設計者は製造誤差の影響を受け難くするために、各設計パラメータの変更や公差の変更等といった設計改善に注力できる。さらにいうならば、製造誤差の影響をほとんど受けない設計パラメータの公差を緩められるかどうかの検討を行って、製造の容易さに対する検討を加える、すなわち、コスト低下を図るための検討を容易に行うことができる。
ここまでに述べてきた本発明の設計支援の方法は、第一の寄与度や第三の寄与度を算出する1つの実施形態であって、経験的な知見等により光学性能に対する機械的設計パラメータの影響がほとんどないと判っているような光学系に対しては、第二の寄与度の算出を行わず、光学的設計パラメータの寄与度のみ算出して、機械的なパラメータの関与するステップを省略する、あるいは、機械的設計パラメータが設計途上のため測定パラメータの分布を計算できず、過去の経験的な知見や期待値などから測定パラメータの分布を仮定した上で、光学的設計パラメータの公差や製造分布を設定して、第一の寄与度のみ算出し、第三寄与度算出ステップを省略するなど、光学性能に対する機械的設計パラメータの寄与度を簡略化した設計支援の方法としてもよい。
あるいはステップ44で求めた光学性能に対する機械的設計パラメータの寄与度Cijの算出でCij=OCi ×MCj ×Wijなどといった経験的な重み付けパラメータWijを導入したり、Cij=OCi +MCj のようにCijの算出方法を変更して、より寄与度Cijの精度を高めるように変更を加えたとしても、上述の効果を得ることができ、本発明の設計支援の方法が意図するところの1実施形態に過ぎないことは、いうまでもない。
あるいは、ステップ34の光学的設計パラメータの公差や製造分布の設定を行ってから、機械的設計パラメータの公差や製造分布の設定を行って、機械的設計パラメータや光学的設計パラメータの寄与度を算出するといった部分的なステップの入れ替えを行ったところで、上述の効果を得ることができ、本発明の設計支援の方法が意図するところの1実施形態に過ぎないことは、いうまでもない。
すなわち、本発明の技術思想または原理に沿って、上述の設計支援の方法に種々の変更、修正、追加、一部ステップの簡略化を行うことは、当業者にとって容易であり、本発明の範疇に属することは言うまでもない。
次に、第一の寄与度や第三の寄与度を用いて、ステップ30およびステップ34において設定した公差を適切に設定する方法を、図6の本発明により求めた光学性能に対する機械的設計パラメータの寄与度を用いて公差を適切に設定する方法を示すフローチャートに基いて説明する。
まず、ステップ52において、図2のステップ38で求めた光学性能の分布が設計者の所望の分布となっているかどうか判断する。所望の分布となっているのであれば、既に公差は適切な値となっているので、処理を終了する。
ステップ54において、この機械的寄与度テーブルの全データを考察前テーブルとして保存する。
ステップ56において、この機械的寄与度テーブルに、各機械的設計パラメータの公差の変更に関する考察が既に行われたかどうか判断する識別子(考察可否識別子)が備えられているか否か判断し、既にこの識別子が追加されていない場合には、機械的寄与度テーブルに識別子を追加する。ここでいう、考察可否識別子は、すでに公差の変更の可否を検討された状態を示す“考察済み”あるいは、未だ考察されていない状態を示す“未考察”の値をもつ判定値のことである。
ステップ58において、全ての考察可否識別子を未考察として初期化する。
ステップ60において、機械的寄与度テーブル中の考察可否識別子を検索し、初めに見つかった未考察の考察可否識別子をもつ機械的寄与度テーブルの要素を全て抽出すると同時に、同テーブル内の当該考察可否識別子を考察済みに更新する。
ステップ62において、ステップ60で抽出した要素の寄与度が、一定の基準よりも寄与度が高いかどうか判断し、寄与度が高いものについては、ステップ70へ、そうでないものは、ステップ80へと進む。
ステップ70において、抽出した要素の機械的設計パラメータの公差の設定を狭くすることができるかどうか判断する。ここでいう判断は、例えば、その設計パラメータの公差の値を変更するのに要するコストの変動と、その設計パラメータの公差の値を変更することによる生産性の変化との対応する関係の検索が可能なデータベースを利用することにより、前記コストと前記生産性の比較検討をして、その設計パラメータの公差としての適切な値の範囲を決定し、その範囲を判断基準とする。
ステップ72において、ステップ60で抽出した機械的設計パラメータの公差の値が現在の値より狭くなるように、元の機械的寄与度テーブル内の該当データを再設定する。
ステップ80において、抽出した要素の機械的設計パラメータの公差の設定を広くすることができるかどうか判断する。ここでいう判断は、ステップ70と同様の基準により行う。
ステップ82において、ステップ60で抽出した機械的設計パラメータの公差の設定が現在の値より広くなるように、機械的寄与度テーブルの該当データを再設定する。
ステップ90において、機械的寄与度テーブル内の全ての考察可能識別子が“考察済み”となっている場合には、ステップ92へと進み、そうでない場合は、もう一度、ステップ60へと戻る。
ステップ92において、機械的寄与度テーブルの機械的設計パラメータの公差が、すくなくとも1つ更新されたかどうか判断する。この判断には、ステップ54で保存した考察前テーブルの公差とを比較することで行う。更新されている場合は、新たな機械的設計パラメータの公差にて、機械的設計パラメータの公差を設定するように提示し、前述のステップ30へ戻る。更新されない場合には、もはや公差の更新の余地がないことを提示して終了する。
上述のような手順を踏むことで、全ての機械的なパラメータの公差について、最適な値となっているかどうか洩れなく検討を行うことができる。また、経験的に公差の幅を狭めたり広めたりして試行錯誤的に最適な公差に追い込むことなく、少ない回数で最適な公差の設定を行う、あるいは、これ以上、公差の変更を行って、最適な公差を求め得ないことを設計者に知らしめることができる。
さらに、このようして得られた機械的設計パラメータを用いることで、その機械的設計パラメータの公差を必要以上に厳しくすることなく、かつ、光学性能を犠牲にすることなく、適切なコストで光学ユニットを提供することが可能となる。
上述のステップ60から92の設計支援の方法は、機械的設計パラメータに関して述べてきたことではあるが、光学的設計パラメータに関して、同様な方法を用いることで、光学的設計パラメータの公差を最適にできることはいうまでもない。
ここまでに述べてきた本発明の設計支援の方法は、公差を最適に設定するための1つの実施形態を示したものであって、考察可否識別子の種類を増やして考察対象の優先度変更を行うなど、効率良く公差の選定を行うなどの代替手段を用いても良い。
あるいは、考察可否識別子の代わりに、機械的寄与度テーブルの寄与度の考察済みを表す値(例えば0とする)などの代替手段を用いてもよい。
あるいは、ステップ62において寄与度が高いか否かの判定を、複数の条件判定(例えば、高い、低い、そのどちらでもない、という判定方法など)を用いて、ステップ70から82に示した公差の値を修正する各ステップの内容、及び、順序を各条件判定に則した手順へと、ステップの構成の変更や追加を行っても、同等の効果が得られることは言うまでもない。
あるいは、ステップ90〜92をステップ60の前とし、未考察の有無を先に判断するなど、各ステップを部分的に変更しても、上述の効果を得ることができ、本発明の設計支援の方法が意図するところの1実施形態に過ぎないことは、言うまでもない。
あるいは、同様の効果を得ながら、処理の効率化を図るため、機械的寄与度テーブルに対して、寄与度の値を基に、並べ替えを行うなどのデータ処理を行っても良い。
あるいは、ステップ54の考察前テーブルを保存する代わりに、公差の変更が発生したことを示す識別子を導入して、ステップ92で識別子による判定を行っても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
すなわち、本発明の技術思想、または、原理に沿って上述した本発明の設計支援の方法に種々の変更、修正、追加を行うことは、当業者にとって容易であり、本発明の範疇に属することは言うまでもない。
本発明の説明に用いる光学ユニットDの一例を示す光軸に沿った断面図である。 本発明の一実施形態により光学性能に対する機械的設計パラメータの寄与度を求める処理の流れを示すフローチャートである。 機械的設計パラメータに公差を設定した例を示す図である。 製造分布の設定例を示すグラフである。 モンテカルロシミュレーションにより得たN組のレンズデータの例を示す表である。 図5Aのレンズデータで示されるレンズにおける設計パラメータ対光学性能を示す表である。 図2に示した処理により得た光学性能に対する機械的設計パラメータの寄与度を用いて公差を適切に設定する方法を示すフローチャートである。
符号の説明
100 シミュレーション結果データ
102 レンズデータvs光学性能の表

Claims (6)

  1. 複数のレンズ群からなり、各レンズ群が少なくとも1つの光学部材と少なくとも1つの機構部材からなる光学ユニットに関して、
    光学的設計パラメータの公差と製造分布を基に、製造誤差のある多数のレンズデータを生成するステップと、
    前記多数のレンズデータを基に、光学性能の分布を算出するステップと、
    前記光学性能の分布を基に、寄与度解析により光学性能の変動に対する光学的設計パラメータの第一の寄与度を算出する第一寄与度算出ステップと、
    を含むことを特徴とする光学ユニット設計支援方法。
  2. 前記光学部材と前記機構部材の機械的設計パラメータに公差と製造分布を与えるステップと、
    前記機械的設計パラメータの公差と製造分布を基に測定パラメータの分布を算出するステップと、
    前記機構部材の機械的設計パラメータの変動が前記測定パラメータの変動に与える第二の寄与度を算出する第二寄与度算出ステップと、
    前記第一の寄与度と前記第二の寄与度とを用いて、前記光学ユニットの光学性能の変動に対する前記機構部材の設計パラメータの第三の寄与度を算出する第三寄与度算出ステップと、
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット設計支援方法。
  3. 前記第三寄与度算出ステップは、前記第一の寄与度と前記第二の寄与度との積から算出するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の光学ユニット設計支援方法。
  4. 前記第一の寄与度を用いて、前記光学的設計パラメータの公差の少なくとも1つを変更して、公差を最適にする公差最適化ステップを更に含むことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の光学ユニット設計支援方法。
  5. 前記第三の寄与度を用いて、前記機械的設計パラメータの公差の少なくとも1つを変更して、公差を最適にする公差最適化ステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の光学ユニット設計支援方法。
  6. 前記機械的設計パラメータ、あるいは、前記光学的設計パラメータの公差の値を変更するステップが、公差の値の変更に伴うコストの変動と生産性の効果とを比較検討するステップを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の光学ユニット設計支援方法。
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JP2011501982A (ja) * 2007-09-12 2011-01-20 ノベル バイオケア サーヴィシィズ アーゲー 医療処置を計画し前記医療処置に関連するデータを生成するための方法およびシステム
KR101170107B1 (ko) 2009-03-03 2012-08-01 주식회사 엘지화학 광학 필름의 설계 방법

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