JP2006098198A - 透明部材の欠陥検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状部材の表面に形成された傷等の状態によらず、傷等を正確に検出できる透明部材の欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】透明な被検査部材Sにおける欠陥検査装置1であって、検出手段10が、透過光を受光する受光部3と、受光部3に、透過光を集光するレンズ2とを備えており、光照射手段20が、一対の発光手段を備えており、一対の発光手段のうち、一の発光手段が、被検査部材Sの表面に沿って延びた発光体を備えており、他の発光手段が、検出手段10側から見て、その軸方向が、一の発光手段における発光体の軸方向と交差するように配設された発光体を備えており、該他の発光手段における発光体が、被検査部材Sの表面における法線方向と平行であって、発光体の軸方向における端部、および、被検査部材Sにおける検出手段10の画角内に位置する部分と交差する全ての交差平面が、一の発光手段における発光体と交差するように配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明部材の欠陥検査装置に関する。ディスプレイ等に使用される透明なシート状部材は、製造工程において、その表面や内部に傷や凹凸や歪み等の欠陥が発生する可能性がある。かかるシート状部材の欠陥検出には、シート状部材の表面に光を照射してその反射光の状態から欠陥を検出する方法や、シート状部材の裏面から光を照射してその透過光の状態から欠陥を検出する方法が使用される。
本発明は、かかる透明なシート状部材の欠陥を透過光の状態に基づいて検出する欠陥検査装置に関する。
透過光の状態に基づいて欠陥を検出する技術として、以下のごとき技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
図12に示すように、透過光の状態に基づいて欠陥を検出する場合には、検査されるシート状部材Sを挟むように検出手段Dと光源LEを配置し、光源LEから照射される光L1の走行方向と、検出手段Dの光軸Daが同軸状に位置しないように配置される。
このため、シート状部材Sに光源LEから光L1を照射したときに、シート状部材Sの表面に傷Cがない場合には、検出手段Dに直接光L1が入光しないのでシート状部材Sは暗くなるのに対し、シート状部材Sの表面に傷Cがあれば、光源LEから照射された光L1が傷Cにおいて散乱し、散乱した光L2が検出手段Dに直接入光する。すると、検出手段Dによって撮影された映像では、シート状部材Sにおいて傷Cの部分が明るくなるので、傷Cの有無および傷Cの位置を特定することができる。
しかるに、傷Cにおける光L1の散乱は、光L1の走行方向と傷Cの軸方向Caが直交する場合に最も強く散乱するが(図12(B))、光源LEから照射される光L1の光軸を含みかつシート状部材Sの表面と直交する平面と、傷Cの軸方向Caを含みかつシート状部材Sの表面と直交する平面が同一平面であったり(図13(B))、両平面のなす角が小さい場合には、傷Cにおける光L1の散乱が弱くなり、光L1の光軸方向に透過する光の光量が多くなり、傷Cで散乱し検出手段Dに入光する光の量が少なくなる。すると、傷Cの部分と、傷Cのないシート状部材Sの表面との明るさの差が小さくなる。通常、傷Cの有無は、傷Cのないシート状部材Sの表面に対する明るさによって判断され、検出される光L2の強度が所定のしきい値を越えた場合に傷Cと認識される。しかし、傷Cにおける光L1の散乱が弱くなれば検出される光L2の強度も弱くなるため、光L2の強度が所定のしきい値以下であれば、傷Cが存在していても傷Cを検出できず、傷の検出精度が低下してしまう。
特開2003−4645号
本発明は上記事情に鑑み、シート状部材の表面に形成された傷等の状態によらず、傷等を正確に検出できる透明部材の欠陥検査装置を提供することを目的とする。
第1発明の透明部材の欠陥検査装置は、透明な被検査部材に光を照射する光照射手段と、該光照射手段から前記被検査部材に照射される光のうち該被検査部材を透過した透過光を検出する検出手段とを備えた欠陥検査装置であって、前記検出手段が、前記透過光を受光する受光部と、該受光部に、前記透過光を集光するレンズとを備えており、前記光照射手段が、一対の発光手段を備えており、該一対の発光手段のうち、一の発光手段が、前記被検査部材の表面に沿って延びた発光体を備えており、他の発光手段が、前記検出手段側から見て、その軸方向が、前記一の発光手段における発光体の軸方向と交差するように配設された発光体を備えており、該他の発光手段における発光体が、前記被検査部材の表面における法線方向と平行であって、該発光体の軸方向における端部、および、前記被検査部材における前記検出手段の画角内に位置する部分と交差する全ての交差平面が、前記一の発光手段における発光体と交差するように配設されていることを特徴とする。
第2発明の透明部材の欠陥検査装置は、第1発明において、前記一の発光手段が、前記検出手段側から見て、互いに対向する一対の発光体を備えており、前記他の発光手段が、前記検出手段側から見て、互いに対向する一対の発光体を備えており、該他の発光手段における一対の発光体が、前記被検査部材の表面における法線方向と平行であって、該発光体の軸方向における端部、および、前記被検査部材における前記検出手段の画角内に位置する部分と交差する全ての交差平面が、前記一の発光手段における一対の発光体のいずれか一方と交差するように配設されていることを特徴とする。
第3発明の透明部材の欠陥検査装置は、第1発明において、各発光手段が、各発光手段と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、前記検出手段のレンズの光軸に対して前記被検査部材に照射される光の走行方向のなす角度が、前記受光部と前記被検査部材を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されていることを特徴とする。
第4発明の透明部材の欠陥検査装置は、第3発明において、前記一対の発光手段のうち、前記一の発光手段が、前記検出手段のレンズの光軸方向において、前記被検査部材に近い第1発光手段であり、前記他の発光手段が、前記検出手段のレンズの光軸方向において、該第1発光手段よりも前記被検査部材から離れた第2発光手段であり、前記第2発光手段が、該第2発光手段の発光体と前記第1発光手段との間において、該第2発光手段の発光体から放出される光の一部が前記被検査部材に照射されるように配置された遮光手段とを備えており、該遮光手段が、前記第2発光手段の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、該検出手段のレンズの光軸に対して前記第2発光手段の発光体から前記被検査部材に照射される光のなす角度が、前記最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されていることを特徴とする。
第5発明の透明部材の欠陥検査装置は、第4発明において、前記検出手段が、複数の受光部を備えており、前記遮光手段が、レンズの光軸方向に沿って並んだ複数の遮光部を備えており、該複数の遮光部が、前記第2発光手段の発光体から放出される光を遮断する複数の遮断部材を備えており、前記複数の遮断部材が、隣接する遮断部材の間に前記第2発光手段の発光体から放出される光を通過させる隙間が形成され、かつ、前記第2発光手段の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、前記隙間を通過し前記被検査部材に照射される光と前記検出手段のレンズの光軸のなす角度が、前記被検査部材における前記光が照射されている照射部分を画角内に含む受光部と前記照射部分を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されていることを特徴とする。
第6発明の透明部材の欠陥検査装置は、第4発明において、前記検出手段が、複数の受光部を備えており、前記第2発光手段が複数の発光体を備えており、前記遮光手段が、前記検出手段の各受光部における主光線の延長線上に位置し、前記第2発光手段の発光体から放出される光を遮断する複数の遮断部材を備えており、前記複数の遮断部材が、隣接する遮断部材の間に前記第2発光手段の発光体から放出される光を通過させる隙間が形成され、かつ、前記第2発光手段における一の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、該一の発光体から放出され前記隙間を通過して前記被検査部材に照射される光と前記検出手段のレンズの光軸のなす角度が、前記被検査部材における前記光が照射されている照射部分を画角内に含む受光部と前記照射部分を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されていることを特徴とする。
第1発明によれば、被検査部材に形成される傷等の軸方向にかかわらず、傷等に対して、いずれか一方の発光手段から照射される光が必ず傷等の軸方向と直交する方向から照射されるので、傷等における光の散乱を強くすることができ、傷等で散乱し受光部に入光する光を所定の強度以上、言い換えれば、傷等として認識できる強度以上に保つことができ、傷等の検出精度を高めることができる。
第2発明によれば、検出手段側から見て、傷等に対して360度全方向から光を照射することができるので、傷全体を強く光らせることができるので、傷等の検出精度をより一層高めることができる。
第3発明によれば、一対の発光手段から照射される光が、直接検出手段の受光部に入光することを防ぐことができる。よって、被検査部材の傷等において散乱する光だけを受光部で検出することができるから、被検査部材の傷等を正確に検出することができる。
第4発明によれば、遮光手段によって、第2発光手段の発光体から放出される光が直接検出手段の受光部に入光することを防ぐことができる。よって、被検査部材の傷等において散乱する光だけを受光部で検出することができるから、被検査部材の傷等を正確に検出することができる。しかも、第2発光手段の一部を検出手段の画角内に配置することも可能になるから、装置をコンパクトに構成することができる。
第5発明によれば、複数の遮断部の遮断部材によって、第2発光手段の発光体から放出される光が受光部に直接入光することを防ぐことができる。しかも、被検査部材に照射される光量の位置による差を小さくすることができるから、被検査部材の位置による検査精度の差を最小限に抑えることができる。
第6発明によれば、遮光手段の遮断部材によって、第2発光手段の複数の発光体から放出される光が受光部に直接入光することを防ぐことができる。しかも、被検査部材に照射される光量の位置による差を小さくすることができるから、被検査部材の位置による検査精度の差を最小限に抑えることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の欠陥検査装置は、例えば、ガラスやフィルム、プラスティック等を素材とする透明な被検査部材の傷や凹凸、歪み等を、透明な被検査部材を透過する透過光を利用して検出する装置であって、透明な部材に光を照射する手段に特徴を有するものである。
なお、本発明の欠陥検査装置によって検査される被検査部材として、連続して搬送される連続シートや、所定の大きさに加工された枚葉シート等が挙げられるが、以下では、連続シートの場合を例示する。
まず、本発明の欠陥検査装置の詳細を説明する前に、本発明において採用されている光を照射する手段の原理について説明する。
図11において、符号Sは透明な被検査部材を示しており、符号RAは被検査部材Sにおいて検出手段10の画角内に位置する部分(以下、検査領域RAという)を示しており、符号LE1,LE2は被検査部材Sに対して光を照射する一対の光源を示している。なお、検出手段10は紙面と垂直な方向から被検査部材Sを観測しているものとする。
図11(A)、(B)に示すように、一対の光源LE1,LE2のうち、光源LE1を、被検査部材Sの表面に沿って延びた軸を揺する棒状の発光体とし、光源LE2をその軸方向が光源LE1の軸方向と直交するように配設すると、検査領域RAには、一対の光源LE1,LE2からの光が照射される。
ところが、図11(A)に示すように、検査領域RAの点P1において、検出手段10の方向(紙面と垂直な方向)から見たときに、点P1と光源LE2の軸方向の端部a1とを結ぶ線L2が光源LE1と交差せず、この点P1と光源LE1の軸方向の端部b1とを結ぶ線L1と線L2との間に隙間Aができる場合には、隙間Aの方向からは点P1に対して光が照射されないことになる。すると、被検査部材Sにおいて、点P1の部分に形成された傷の軸方向が、隙間Aの方向と直交する方向を向いている場合には(図11(A)のAXの方向)、傷に対して直交する方向から光が照射されなくなり、傷において散乱する光の強度が弱くなり、この方向の傷が検出できなくなるおそれがある。
また、検査領域RAの点P2において、検出手段10の方向から見たときに、点P2と光源LE2の軸方向の端部a2とを結ぶ線L3が光源LE1と交差せず、この点P2と光源LE1の軸方向の端部b2とを結ぶ線L4と線L3との間に隙間Bができる場合には、隙間Bの方向から点P1には光が照射されないことになり、上記と同様に、点P2の部分に形成された傷の軸方向が、隙間Bの方向と直交する方向を向いている場合には(図11(A)のBXの方向)、この方向の傷が検出できなくなるおそれがある。
一方、図11(B)に示すように、線L1が光源LE1の軸方向の端部b1を通過する場合等、線L2が光源LE1と交差するような場合には、点P1の部分に形成された傷に対して180度の方向から光が照射されるから、傷の方向にかかわら、光源LE1,LE2のいずれかの光源から放出される光が、必ず傷の軸方向と直交する。また、線L3が光源LE1と交差するような場合にも、点P2の部分に形成された傷に対して180度の方向から光が照射されるから、傷の方向にかかわら、光源LE1,LE2のいずれかの光源から放出される光が、必ず傷の軸方向と直交する。
したがって、光源LE1の軸方向と光源LE2の軸方向が交差し、しかも、検出手段10の方向から見たときに、光源LE2の軸方向の両端a1,a2と検査領域RAを通過する線が光源LE1と交差する場合には、検査領域RAに存在する傷に対して、光源LE1,LE2のいずれかの光源から放出される光を、傷の軸方向と直交する方向から光を照射することができるのである。
つぎに、本実施形態の欠陥検査装置1を説明する。
図1は本実施形態の欠陥検査装置1の概略正面図である。図2は本実施形態の欠陥検査装置1の概略側面図である。図3(A)は図1のC−C線矢視図であり、(B)は図4のC−C線矢視図である。図1〜図3において、符号Sは、本実施形態の欠陥検査装置1によって欠陥が検査される被検査部材を示している。
この被検査部材Sの上方には、欠陥検査装置1の検出手段10が配置されている。この検出手段10は、レンズ2と受光部3とを備えており、レンズ2の光軸CPが被検査部材Sと直交するように配設されている。
なお、欠陥検査装置1の検出手段10は、レンズ2の光軸CPが被検査部材Sと直交していなくてもよいが、レンズ2の光軸CPが被検査部材Sと直交していれば、レンズ2の画角内において被検査部材Sから受光部3までの距離の差を小さくできるので好適である。
受光部3は、例えば、CCD等のようにレンズ2によって集光された光の強度を検出し、検出した光の強度に応じた電気信号に変換することができる機能を有する機器である。なお、受光部3は、光の強度に応じた電気信号に変換することができる機能を有する機器であればよく、とくに限定はない。
そして、検出手段10は、レンズ2の前後の焦点が、被検査部材Sの表面上、および、受光部3上にそれぞれ位置するように調整されている。このレンズ2における前後の焦点のうち、レンズ2の前側焦点、つまり、被検査部材Sの表面上に形成されるレンズ2の焦点が検出手段10の焦点である。しかも、検出手段10は、被検査部材Sの位置において、検出手段10の幅方向画角B内に被検査部材Sが位置するように構成されているから、検出手段10によって被検査部材Sの幅方向の全体を同時に検査することができるのである。
なお、検出手段10は、レンズ2と受光部3の間、または、レンズ2の前方に絞りを備えていてもよい。この場合には、受光部3が受光する光量を調整することができる、言い換えれば、光を集光する範囲を調整することができる。
一方、被検査部材Sの下方には、前記検出手段10との間に被検査部材Sを挟むように、光照射手段20が配設されている。この光照射手段20は、一対の発光手段21,22を備えている。
一方の発光手段21(第1発光手段)は、例えば、棒状の蛍光灯等の発光体21aを備えており、発光体21aは、その軸方向が前記被検査部材Sの幅方向(図1では左右方向)と平行に配設されている。また、発光体21aは、その長さが被検査部材Sの幅方向の長さ、つまり、被検査部材Sの位置における検出手段10の幅方向画角Bよりも長いものが使用されている。
他方の発光手段22(第2発光手段)は、例えば、棒状の蛍光灯等の発光体22aを2本備えている。この2本の発光体22aは、その軸方向が互いに前記被検査部材Sの搬送方向(図2では左右方向)と平行、言い換えれば、第1発光手段21の発光体21aの軸方向と直交するように配設されている。また、発光体22aは、その長さが被検査部材Sの位置における検出手段10の搬送方向画角A(図2参照)よりも長いものが使用されており、その両端が、検出手段10の方向から見て、発光手段21における一対の発光体21aの軸方向と交差するように配設されている。しかも、発光体22aの軸方向の両端a1,a2(図3(A)参照)と被検査部材Sにおける検出手段10の画角内に位置する部分(以下、検査領域RAという)を通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である(被検査部材Sと直交する)全ての平面が、2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、発光体22aは配設されている。
このため、被検査部材Sにおいて一対の発光手段21,22に囲まれている部分、つまり、検査領域RAには、その上方から被検査部材Sを見て(図3(A))、言い換えれば、検出手段10側から被検査部材Sを見て、360度全方向から光が照射されるから、検査領域RA内の傷には、必ずその軸方向と直交する方向から光が照射されるので、傷等における光の散乱を強くすることができ、傷等で散乱し受光部3に入光する光を所定の強度以上、言い換えれば、傷等として認識できる強度以上に保つことができ、傷等の検出精度を高めることができる。
しかも、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aが互いに直交し、かつ、それぞれが被検査部材Sと略平行となっているので、より効果的かつ広い範囲で、いずれか一方の発光体からの光を必ず傷等の軸方向と直交する方向から光を照射させることができる。
なお、発光体21a,22aは、それぞれ一本だけでもよいが、この場合には、検査領域RA内の傷に対して被検査部材Sに対して180度の方向からしか光を照射できない部分があるのに対し、図1に示すように、それぞれ2本ずつ、互いに対向するように設ければ、検出手段10から被検査部材Sを見て、検査領域RA内の傷に対して360度全方向から光を照射することができるので、好適であり、とくに、傷が非常にシャープであって、傷の表面が平滑な面となっている場合等には、傷の検出精度をより一層高めることができる。
さらになお、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aは直交していなくてもよい。この場合でも、発光体22aの軸方向の両端a1,a2と検査領域RAを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が、2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aが配設されていれば、検査領域RA内の傷に360度全方向から光が照射することができる。
さらになお、発光手段22の発光体22aは、棒状でなくてもよい。この場合でも、検出手段10側から被検査部材Sを見たときに、発光体22aにおける発光体21aの軸方向と直交する方向の端部と検査領域RAとを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が、発光体21aと交差するように発光体22aは配設されていればよい。
また、図1に示すように、第2発光手段22は、発光体22aから放出され、被検査部材Sの照射される全ての照射光の走行方向が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対して限界角度θ1よりも大きくなるように調整されている。この限界角度θ1は、第2発光手段22の発光体22aと検出手段10のレンズ2の光軸CPとを含む平面(図1)において、検出手段10の受光部3、レンズ2の中心2aおよび被検査部材Sを通過する主光線Mのうち、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対する傾きが最も大きい主光線Mを最大主光線MLとすると、この主光線MLに対応する軸外限界光線MLRのうち検出手段10のレンズ2の光軸CPに対してなす角度が大きい最大軸外限界光線MLMと検出手段10のレンズ2の光軸CPとのなす角度である。
同様に、第1発光手段21は、発光体21aから放出され、被検査部材Sの照射される全ての照射光の走行方向が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対して限界角度θ2よりも大きくなるように調整されている(図2)。
ここで、図9に示すように、軸外限界光線MLRとは、受光部3の任意の点3aと、この点3aを通過する主光線Mが被検査部材Sと交わる交点Sb、およびレンズ2の両端を結ぶ線であり、この軸外限界光線MLRおよびその延長線に囲まれた範囲(ハッチング部)に光源LEが位置すれば、光源LEから放出される光は受光部3に直接入力され、軸外限界光線MLRおよびその延長線に囲まれた範囲外に光源LEが位置すれば、その光源LEから放出される光は、屈折や反射等の作用を受けなければ、受光部3には直接入力しないのである。そして、受光部3の点3aが受光部3の端縁に位置したときに、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対する傾きが最も大きい最大主光線MLとなり、この最大主光線MLに対応する軸外限界光線MLRのうち、検出手段10のレンズ2の光軸CPを挟んで被検査部材Sの端縁Sbと逆側のレンズ2端部を通過する軸外限界光線MLRが、最大軸外限界光線MLMとなり、この最大軸外限界光線MLMと検出手段10のレンズ2の光軸CPとのなす角度θが限界角度θ1または限界角度θ2となるのである。
したがって、図1および図2に示すように、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aから被検査部材Sの照射される全ての照射光の走行方向が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対して限界角度θ1,θ2よりも大きくなるように調整するために、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aは最大軸外限界光線MLMよりも外方、つまり、最大軸外限界光線MLMよりもレンズ2の光軸CPから離れた位置に配設されるのである。
かかる構成であるから、一対の発光手段21,22の発光体21a,22aによって被検査部材Sに対して光を照射すれば、光は透過光となって被検査部材Sを透過するが、被検査部材Sに傷などの欠陥がない場合、透過光は、受光部3には入光しない。このため、受光部3から発信される電気信号はほぼ一定となり、被検査部材Sに傷などの欠陥がないことを判断することができる。
被検査部材Sに傷が存在すれば、傷によって光が散乱し、この散乱光だけがレンズ2を通って受光部3に入光する(図12参照)。すると、散乱光の光量の分だけ受光部3から発信される電気信号が変化するから、この変化により被検査部材Sの傷などを検出することができる。
しかも、検出手段10から被検査部材Sを見て、360度全方向から光が照射されているから、被検査部材Sに形成される傷等の軸方向にかかわらず、傷等に対して、発光体21a,22aから照射される光のうち、いずれか一方から照射される光が必ず傷等の軸方向と直交する方向からも照射される。すると、傷等における光の散乱を強くすることができ、被検査部材Sに形成される傷等の軸方向にかかわらず、傷等で散乱し受光部3に入光する光を所定の強度以上、言い換えれば、傷等として認識できる強度以上に保つことがで、傷等の検出精度を高めることができる。
また、図3(B)、図4、図5に示すように、第2発光手段22の発光体22aを、第1発光手段21の発光体21aと平行な軸を有する光源としてもよい。
この場合には、第2発光手段22の発光体22aを検出手段10のレンズ2の光軸CP方向において、第1発光手段21の発光体21aよりも下方、つまり、第1発光手段21の発光体21aよりも被検査部材Sから離して配設し、かつ、受光部3から見たときに、第1発光手段21の発光体21aと重ならないように配置する。そして、第1発光手段21の発光体21aとの間に、第2発光手段22の発光体22aから放出される光が被検査部材Sに照射されることを制限する遮光手段25を配置する。つまり、遮光手段25によって、第2発光手段22の発光体22aから放出される光の一部が被検査部材Sに照射されるように配置する。しかも、遮光手段25より外方に位置する発光体22aの部分から照射される光が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対してなす角度が、限界角度θ1よりも大きくなるように配設する。すると、第2発光手段22を第1発光手段21の発光体21aの軸方向と直交するように配設した場合と同様に、第2発光手段22の発光体22aから放出される光が直接検出手段10の受光部3に入光することを防ぐことができる。しかも、第2発光手段22の発光体22aは、受光部3から見たときに、第1発光手段21の発光体21aと重ならないように配置されているから、両者から放出される光が重ならないので、被検査部材Sに対して、検出手段10から被検査部材Sを見て、360度全方向から光を照射することができ、傷等の検出精度を高めることができる。
そして、図5に示すように、発光体22aを2本の発光体21aの間、つまり、検出手段10の搬送方向画角A内に配置するようにすれば、被検査部材Sの搬送方向における光照射手段20の長さを短くできるので、欠陥検査装置1をコンパクトな構成とすることができる。
具体的には、受光部3が幅28mm×奥行き7μmであって、レンズ2がf50、被検査部材Sの幅が400の場合、レンズ2の光軸CP方向において、レンズ2の中心から被検査部材S、発光体21a,22aまでの距離がそれぞれ280mm、600mmであれば、被検査部材Sから遮光手段25までの距離を520mmとし、レンズ2の光軸CPの延長線から遮光手段25の端部までの距離を357mmとすれば、上記のごとき条件を満たすように欠陥検出装置1を構成することができる。
なお、図3(B)に示すように、発光体22aにおける発光体21aの軸方向と直交する方向の端部a1,a2と図示しない検査領域RAを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が、2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、発光体22aは配設されている必要がある。このため、発光体22aにおける発光体21aの軸方向と直交する方向の長さ、言い換えれば、発光体22aの幅が広いものを使用する必要がある。ただし、幅の狭い棒状の蛍光灯等を使用しても、その蛍光灯等の下方を覆うように反射板を配置すれば、幅が広い蛍光灯を使用した場合と同等の効果をえることができる(図7参照)。この場合にも、反射板における発光体21aの軸方向と直交する方向の端部a1,a2と図示しない検査領域RAを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が、2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、反射板が配設されていれば、検査領域RA内の傷に360度全方向から光が照射することができる。
さらになお、被検査部材Sの搬送方向では、遮光手段25より外方には発光体22aが存在しない、または、遮光手段25より外方に発光体22aが存在してもその部分から照射される光が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対してなす角度が、限界角度θ2よりも大きくなるように、遮光手段25を配設することは言うまでもない。
さらに、検出手段10に複数の受光部3を設けてもよい。この場合、検査領域を複数の受光部3で分割して検査することができ、1つの受光部3が検査する領域が狭くなる、言い換えれば、1つの受光部3が撮影する領域を小さくすることができるので、被検査部材Sをより細かく検査することができ、検査精度を高めることができる。例えば、検出手段10に、ラインCCDを設けた場合には、ラインCCDの各画素が、それぞれ受光部3に該当することになる。そして、ラインCCDの軸方向、つまり、受光素子の並んでいる方向を被検査部材Sの幅方向と平行に配置すれば(図6)、被検査部材Sの幅方向全体を同時にかつより細かく検査することができる。そして、かかる検出手段10を使用する場合には、第2発光手段22の発光体22aおよび遮光手段25を以下のような構成とすれば、各受光部3の幅方向画角内に位置する被検査部材Sに対して発光体22aから照射される光の強度さをほぼ均一にすることができるで、被検査部材Sの位置にかかわらず、同等の検出精度で傷等を検出することができる。しかも、各受光部3の画角内に位置する被検査部材Sに対して、360度全方向から光を照射することができるから、傷等の検出精度を高めることができるので好適である。
図6に示すように、第2発光手段22の発光体22aは棒状の光源であり、その軸方向が被検査部材Sの幅方向と平行、言い換えれば、ラインCCDの軸方向と平行になるように配設されている。このため、各受光部3におけるいずれかの主光線の延長線上には、第2発光手段22の発光体22aが位置している。
しかも、図7に示すように、発光体22aの下方には、発光体22aを下方から覆うように、発光体22aから照射された光を被検査部材Sに向けて反射する反射部材22bが設けられている。
また、図6および図7に示すように、この第2発光手段22の発光体22aと被検査部材Sとの間であって第1発光手段21の発光体21aよりも下方には、第2発光手段22の発光体22aから放出される光が被検査部材Sに照射されることを制限する上下一対の遮光部26,27が設けられている。この上下一対の遮光部26,27は、いずれも複数枚の遮断部材28から構成されている。上下一対の遮光部26,27において、複数の遮断部材28は、第2発光手段22の発光体22aの軸方向に沿って並んだ状態で配設されている。そして、各遮光部26,27において隣接する遮断部材28、つまり、第2発光手段22の発光体22aの軸方向において隣に位置する遮断部材28同士の間には、隙間26h,27hがそれぞれ設けられているから、第2発光手段22の発光体22aから放出される光の一部を下方の遮光部26の隙間26hおよび上方の遮光部27の隙間27hを通して被検査部材Sに照射することができるのである。そして、一つの隙間26hと一つの隙間27hを通過する光(以下、通過光LSという)が照射される照射部分SAに対しては、発光体22aおよび反射部材22bにおいて、この隙間26hおよび隙間27hを通して照射部分SAから視認できる部分が、それぞれ独立した発光体のように取り扱うことができるのである。
また、図8に示すように、被検査部材Sにおいて、通過光LSが照射される照射部分SAは、被検査部材Sの一部分に過ぎないため、この照射部分SAを画角内に含む受光部3も一部の受光部3(以下、撮影受光部という)に限られる。そして、第2発光手段22の発光体22aと検出手段10のレンズ2の光軸CPとを含む平面において(図6および図8参照)、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対して通過光LSがなす角度が、撮影受光部と照射部分SAを通過する最大主光線MLに対応する最大軸外限界光線MLMと検出手段10のレンズ2の光軸CPとのなす限界角度θ1よりも大きくなるように、上下一対の遮光部26,27の遮断部材28が配設されている。
このため、複数の受光部3を設けても、上下一対の遮光部26,27によって通過光LSが撮影受光部3に対して直接入光することを防ぐことができる。
また、照射部分SAに対しては、発光体22aおよび反射部材22bにおいて、この隙間26hおよび隙間27hを通して照射部分SAから視認できる部分が、それぞれ独立した発光体のように取り扱うことができる。すると、反射部材22bにおいて隙間26hおよび隙間27hを通して照射部分SAから視認できる部分に位置する端縁a1,a2と撮影受光部の検査領域RAとを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、反射部材22bが配設されていれば、各受光部3の画角内に位置する被検査部材Sに対して、360度全方向から光を照射することができ、傷等の検出精度を高めることができるので好適である
しかも、反射部材22bによって反射される光によって、発光体22aから放出される光のうち被検査部材Sに照射される通過光LSの光量を多くすることができるから、被検査部材Sに照射される通過光LSの光量と、発光体21aから被検査部材Sに照射される光の光量との差を小さくできるので、傷の軸方向にかかわらず、ほぼ同等の検出精度で傷を検出することができる。
さらに、上下の遮光部26,27の隙間26h,27hが被検査部材Sの幅方向に沿って並んで形成されているから、被検査部材Sの幅方向に沿って複数箇所から被検査部材Sに光を照射することができる。しかも、各受光部3におけるいずれかの主光線の延長線上には、第2発光手段22の発光体22aが位置しているから、通過光LSの走行距離は、被検査部材Sの幅方向の位置にかかわらずほぼ同等となり、被検査部材Sの照射される光量の位置による差を小さくすることができ、被検査部材Sの位置による検査精度の差を最小限に抑えることができる。
なお、照射部分SAを画角内に含まない受光部3では、照射部分SAがその受光部3における検出手段10のレンズ2の光軸CPに対する傾きが最も大きい主光線MLに対応する軸外限界光線MLRおよびその延長線に囲まれた範囲外に位置するから、通過光LSがその受光部3に対して直接入光しないのは言うまでもない。
さらになお、上記のごとき条件を満たすのであれば、遮光部は2以上設けてもよく、遮光部を設ける数は特に限定されない。
さらになお、反射部材22bを設けなくても、発光体22aとして、発光体21aよりも明るいもの、つまり、放出する光量が多いものを使用すれば、反射部材22bを設けた場合と同様の効果を得ることができるので、好適である。この場合には、発光体22aにおいて発光体21aの軸方向と直交する方向の端部が、その端部と撮影受光部の検査領域RAとを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、発光体22aを配設する必要がある。
さらになお、被検査部材Sの搬送方向では、遮断部材28より外方には発光体22aや反射部材22bが存在しない、または、遮光手段25より外方に発光体22a等が存在してもその部分から照射される光が、検出手段10のレンズ2の光軸CPに対してなす角度が、限界角度θ2よりも大きくなるように、遮断部材28を配設することは言うまでもない。
また、下方の遮光部27に代えて、下方の遮光部27の隙間27hの位置に、例えば、下方の遮光部27の隙間27hに、公知の蛍光灯や発光ダイオード(LED)、他端が光源に接続された光ファイバーの一端等の光源を配置しても、上記と同様の効果を得ることができる。そして、この場合にも、光源において発光体21aの軸方向と直交する方向の端部が、その端部と撮影受光部の検査領域RAとを通過し、かつ、被検査部材Sの法線方向と平行である全ての平面が2つの発光体21aのうちいずれか一方または両方と交差するように、光源を配設する必要がある。
本発明の欠陥検査装置を使用して透明シートの傷を撮影した場合において、第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体の両方を点灯した場合と、第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体のいずれか一方のみを点灯した場合において、傷の検出状況を比較した。なお、第1発光手段の発光体のみを点灯した場合は、従来から使用される欠陥検査装置と実質同等の構成となる。
本発明の欠陥検出装置は、上下一対の遮光部を有する装置であり(図6、図7参照)本発明の欠陥検出装置の具体的な構成は、検査手段として、ラインCCDにおける受光部のうち幅28mm奥行き7μmの領域に位置する4000個の画素を使用した。つまり、7μm×7μmの画素を4000個使用して撮影した。また、レンズは、f50のレンズ(ニコン製:型式Aif50F1.4S:使用時の絞り2.8)を使用し、発光手段には、第1発光手段の発光体としてリフィレクター式蛍光管、第2発光手段の発光体としてツイン蛍光管を使用した。
また、レンズの光軸方向において、被検査部材から、受光部の表面、第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体、上方の遮光部、下方の遮光部までの距離が、それぞれ825mm、280mm、600mm、400mm、520mmとなるように配置しており、上方の遮光部において、各遮光部材の幅が11mm、遮光部材の間隔が、9.5〜10mm、下方の遮光部において、各遮光部材の幅が15mm、および遮光部材間の隙間の間隔が、9.0〜9.5mmとなるように配設しており、被検査部材の幅方向において、レンズの光軸から最も近い隙間までの距離が、各遮光部材の幅の半分の距離、つまり、上方の遮光部では5.5mm、上方の遮光部では7.5mmとなるように配設している。
なお、上下の遮光部の各遮光部材の位置は、第2発光手段の発光体を発光させた状態において、受光部の受信する光量を受信部が発信する信号の波形を確認しながら、全ての受信部に直接第2発光手段の発光体からの光が入光しないように調整している。このため、遮光部材間の隙間の間隔は一定ではなく、位置によって若干の差が生じている。
被検査部材は、透明であって幅400mmに形成された連続シートを使用し、その連続シートに傷を形成した状態で、100m/分の送り速度で移動させながら検査を行った。傷は、連側シートの送り方向に沿って形成されている。
図14は、本発明の欠陥検査装置を使用して透明シートの傷を撮影した写真であって、(A)は第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体の両方を点灯した場合であり、(B)は第1発光手段の発光体のみを点灯した場合であり、(B)は第2発光手段の発光体のみを点灯した場合である。図14において、連続シートは上下方向に沿って搬送されており、第1発光手段の発光体の光は上下方向から照射されており、第2発光手段の発光体の光は左右方向から照射されている。
図14(B)に示すように、第1発光手段の発光体のみを点灯した場合には、傷に対して軸方向と直交する方向から光が照射されていないため、傷の軸方向に対して斜め方向からも光が照射されているにもかかわらず、傷の位置は、他の部分とほとんど同じ明るさであり、傷は全く検出できない。つまり、傷による光の散乱が弱く、CCDの各画素には傷の検出に十分な光量の光が入光されていないことが確認できる。
これに対し、図14(C)に示すように、第2発光手段の発光体のみを点灯した場合、つまり、傷に対して軸方向と直交する方向から光が照射されている場合には、丸で囲まれている部分に位置する傷が、他の部分に比べて明るくなっており、傷によって散乱されCCDの各画素に入光されている光が、傷の検出に十分な光量であることが確認できる。つまり、傷の軸方向に対して斜め方向から照射されていても、傷を十分に認識できない可能性があり、傷を確実に検出するには、傷に対してその軸方向と直交する方向から光を照射する必要があることが確認できる。
そして、図14(A)に示すように、第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体の両方を点灯した場合には、傷に対して軸方向と直交する方向から光が照射されているため、傷を十分に光して検出できる程度の光がCCDの画素に入光されていることが確認できる。そして、第1発光手段の発光体からの光が連続シートに照射されているため、第2発光手段の発光体のみを点灯した場合に比べて、傷とその他の部分の明るさの差が小さくなっているが、傷の部分とその他の部分を十分に識別できる程度に明るさの差が生じていることが確認できる。
本発明の欠陥検出装置は、ガラスやフィルム、プラスティック等を素材とする透明な被検査部材の傷や凹凸、歪み等を検出する装置に適している。
本実施形態の欠陥検査装置1の概略正面図である。 本実施形態の欠陥検査装置1の概略側面図である。 図1ののC−C線矢視図であり、(B)は図4のC−C線矢視図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の概略正面図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の概略側面図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の概略正面図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の概略側面図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の要部拡大説明図である。 主光線および軸外限界光線の説明図である。 他の実施形態の欠陥検査装置1の概略側面図である。 本発明の原理を説明した図である。 従来の透過光の状態に基づいて欠陥を検出する技術の説明図である。 従来の透過光の状態に基づいて欠陥を検出する技術の説明図である。 本発明の欠陥検査装置を使用して透明シートの傷を撮影した写真であって、(A)は第1発光手段の発光体、第2発光手段の発光体の両方を点灯した場合であり、(B)は第1発光手段の発光体のみを点灯した場合であり、(B)は第2発光手段の発光体のみを点灯した場合である。
符号の説明
1 欠陥検査装置
2 レンズ
3 受光部
10 検出手段
20 光照射手段
21 第1発光手段
21a 発光体
22 第2発光手段
22a 発光体
25 遮光手段
26 遮光部
27 遮光部
28 遮断部材
S 被検査部材

Claims (6)

  1. 透明な被検査部材に光を照射する光照射手段と、該光照射手段から前記被検査部材に照射される光のうち該被検査部材を透過した透過光を検出する検出手段とを備えた欠陥検査装置であって、
    前記検出手段が、
    前記透過光を受光する受光部と、
    該受光部に、前記透過光を集光するレンズとを備えており、
    前記光照射手段が、一対の発光手段を備えており、
    該一対の発光手段のうち、一の発光手段が、前記被検査部材の表面に沿って延びた発光体を備えており、
    他の発光手段が、
    前記検出手段側から見て、その軸方向が、前記一の発光手段における発光体の軸方向と交差するように配設された発光体を備えており、
    該他の発光手段における発光体が、
    前記被検査部材の表面における法線方向と平行であって、該発光体の軸方向における端部、および、前記被検査部材における前記検出手段の画角内に位置する部分と交差する全ての交差平面が、前記一の発光手段における発光体と交差するように配設されている
    ことを特徴とする透明部材の欠陥検査装置。
  2. 前記一の発光手段が、前記検出手段側から見て、互いに対向する一対の発光体を備えており、
    前記他の発光手段が、前記検出手段側から見て、互いに対向する一対の発光体を備えており、
    該他の発光手段における一対の発光体が、
    前記被検査部材の表面における法線方向と平行であって、該発光体の軸方向における端部、および、前記被検査部材における前記検出手段の画角内に位置する部分と交差する全ての交差平面が、前記一の発光手段における一対の発光体のいずれか一方と交差するように配設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の透明部材の欠陥検査装置。
  3. 各発光手段が、
    各発光手段と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、前記検出手段のレンズの光軸に対して前記被検査部材に照射される光の走行方向のなす角度が、前記受光部と前記被検査部材を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の透明部材の欠陥検査装置。
  4. 前記一対の発光手段のうち、前記一の発光手段が、前記検出手段のレンズの光軸方向において、前記被検査部材に近い第1発光手段であり、前記他の発光手段が、前記検出手段のレンズの光軸方向において、該第1発光手段よりも前記被検査部材から離れた第2発光手段であり、
    前記第2発光手段が、
    該第2発光手段の発光体と前記第1発光手段との間において、該第2発光手段の発光体から放出される光の一部が前記被検査部材に照射されるように配置された遮光手段とを備えており、
    該遮光手段が、
    前記第2発光手段の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、該検出手段のレンズの光軸に対して前記第2発光手段の発光体から前記被検査部材に照射される光のなす角度が、前記最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されている
    ことを特徴とする請求項3記載の透明部材の欠陥検査装置。
  5. 前記検出手段が、複数の受光部を備えており、
    前記遮光手段が、
    レンズの光軸方向に沿って並んだ複数の遮光部を備えており、該複数の遮光部が、前記第2発光手段の発光体から放出される光を遮断する複数の遮断部材を備えており、
    前記複数の遮断部材が、
    隣接する遮断部材の間に前記第2発光手段の発光体から放出される光を通過させる隙間が形成され、
    かつ、前記第2発光手段の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、前記隙間を通過し前記被検査部材に照射される光と前記検出手段のレンズの光軸のなす角度が、前記被検査部材における前記光が照射されている照射部分を画角内に含む受光部と前記照射部分を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されている
    ことを特徴とする請求項4記載の透明部材の欠陥検査装置。
  6. 前記検出手段が、複数の受光部を備えており、
    前記第2発光手段が複数の発光体を備えており、
    前記遮光手段が、前記検出手段の各受光部における主光線の延長線上に位置し、前記第2発光手段の発光体から放出される光を遮断する複数の遮断部材を備えており、
    前記複数の遮断部材が、
    隣接する遮断部材の間に前記第2発光手段の発光体から放出される光を通過させる隙間が形成され、
    かつ、前記第2発光手段における一の発光体と前記検出手段のレンズの光軸とを含む平面において、該一の発光体から放出され前記隙間を通過して前記被検査部材に照射される光と前記検出手段のレンズの光軸のなす角度が、前記被検査部材における前記光が照射されている照射部分を画角内に含む受光部と前記照射部分を通過する主光線のうち、前記検出手段のレンズの光軸に対する傾きが最も大きい主光線に対応する最大軸外限界光線と前記検出手段のレンズの光軸とのなす角度よりも大きくなるように配設されている
    ことを特徴とする請求項4記載の透明部材の欠陥検査装置。
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