JP2006097774A - 圧電素子を用いた制振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧電素子を用いた制振装置の制振効果を向上させる。
【解決手段】 機械的振動を電気エネルギーに変換する圧電素子と、圧電素子によって変換された電気エネルギーを熱エネルギーとして外界に放出する交流負荷とを有する圧電素子を用いた制振装置において、前記交流負荷が、共振周波数が異なる二系統の共振回路からなり、前記共振回路を前記交流負荷に流れる電流の方向に基づいて切り換えることを特徴とする圧電素子を用いた制振装置であり、電流の流れる向きに対応して二つの共振回路が切り換えられる。その結果、その二つの周波数成分の振動が抑制されるので、制振効果を増大できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 機械的振動を電気エネルギーに変換する圧電素子と、圧電素子によって変換された電気エネルギーを熱エネルギーとして外界に放出する交流負荷とを有する圧電素子を用いた制振装置において、前記交流負荷が、共振周波数が異なる二系統の共振回路からなり、前記共振回路を前記交流負荷に流れる電流の方向に基づいて切り換えることを特徴とする圧電素子を用いた制振装置であり、電流の流れる向きに対応して二つの共振回路が切り換えられる。その結果、その二つの周波数成分の振動が抑制されるので、制振効果を増大できる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、圧電素子を用いた振動の抑制装置に関する。
圧電素子を用いた制振法には、大きく分けて二つの方法がある。一つはパッシブ制振、もう一つはアクティブ制振と呼ばれる方法である。アクティブ制振は振動の振幅をうち消すように、対象とする振動とは逆の位相を有する振動を圧電素子で発生させることで、振動の抑制をおこなうものである。したがって、振動の抑制効果が大きい反面、位相制御が必要となり、制御回路が複雑となる。
一方、パッシブ制振は、圧電素子を対象とする振動で駆動することにより、電流を発生させ、その電流を電気的負荷で消費させることにより熱として外界に放出させるものである。すなわち、圧電素子によって、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、変換された電気エネルギーを電気的負荷によって熱エネルギーに変換することで、振動エネルギーを抑制しようとするものである。
パッシブ制振の場合、対象となる振動の周波数は、圧電素子に接続された負荷のインピーダンス特性によって定まる。すなわち、負荷のインピーダンスが共振により最小となる周波数が対象となる振動の周波数となる。つまり、負荷のインピーダンスが共振により最小となることで、共振回路に流れる電流は最大となり、この共振周波数の時に負荷で消費される電力は最大となる。したがって、この共振周波数を目的とする振動の周波数と一致させることで、振動のその周波数成分が抑制される。
ところが、トランスミッションで発生するノイズの周波数は一つではなく、複数の周波数成分が重なり合っている。したがって、この複数の周波数成分に対応するためにパッシブ制振をおこなう場合、なんらかの工夫をおこなう必要がある。
例えば、特許文献1に記載の発明は、発生した振動エネルギーを圧電素子で電気エネルギーに変換し、キャパシタに蓄える。その際、各振動成分に対応した厚みを有する圧電素子を複数個用意することで、複数の振動周波数に対応することができる。
また、特許文献2に記載の発明は、構造体の振動波形を読み込み、振動周波数に応じて圧電素子に接続されるシャント回路のインダクタンスを調整するように構成されている。そして、振動周波数に応じてインダクタンスを調整することで、複数の振動周波数に対応することができる。
さらに、特許文献3に記載の発明では、変換されたエネルギを圧電素子に電荷の形で蓄え、能動制御理論から求められる理想制御量に基づいて、この電荷の正負を制御する。これにより多モードの制振を可能にすることができる。
特開平8−321642号公報
特開2002−70933号公報
特開2004−132533号公報
上記特許文献1から3に記載の発明では、いずれも、複数の周波数成分から成る振動を抑制することができる。
しかし、特許文献1の発明では、対象とする振動に含まれる周波数成分の数だけ圧電素子を用意しなければならず、圧電素子の数が多くなり、圧電素子の大きさも増加するという問題がある。
また、特許文献2の発明では、調整を振動周波数に応じて行うために、そのための制御装置やアクチュエータが必要になる。
さらに、特許文献3の発明では、能動制御理論を用いているので、演算が複雑になるという問題点がある。
この発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであり、圧電素子の負荷回路の複雑化を抑制しつつ、複数の周波数成分を有する振動に対しても制振効果を有する圧電素子を用いた制振装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、この発明は、少なくとも二つの共振回路を電流の流れる向きによって切り換えることを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、機械的振動を電気エネルギーに変換する圧電素子と、圧電素子によって変換された電気エネルギーを熱エネルギーとして外界に放出する交流負荷とを有する圧電素子を用いた制振装置において、前記交流負荷が、共振周波数が異なる二系統の共振回路からなり、前記共振回路が、前記交流負荷に流れる電流の方向に基づいて切り換わることを特徴とする制振装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記交流負荷に流れる電流が順方向の場合は、前記共振回路の電流の流れを許容し、前記交流負荷に流れる電流が逆方向の場合には、前記共振回路の電流の流れを遮断する素子または回路が、前記二系統の共振回路の少なくともいずれか一方に挿入されていることを特徴とする制振装置である。
請求項1の発明によれば、電流の流れる向きに対応して、二つの共振回路が切り換えられる。その結果、その二つの周波数成分の振動が抑制されるので、制振効果を得られる振動周波数の幅を広げることができる。
また、請求項2の発明によれば、前記交流負荷に流れる電流が順方向の場合は、前記共振回路の電流の流れを許容し、前記交流負荷に流れる電流が逆方向の場合には、前記共振回路の電流の流れを遮断するような素子や回路、例えばダイオード等が2系統の共振回路の少なくともいずれか一方に挿入される。したがって、回路構成を複雑化することなく制振効果を増進させることができる。
図1に本発明の制振装置の回路図の一例を示す。圧電素子1は振動源、例えばトランスミッションカバー等に固定され、振動源が振動することによって、圧電素子1の厚みが変化し交流電流を発生させる。したがって、等価回路としては、交流電源PとコンデンサCすなわち内部容量成分とが直列接続されたものとなる。
圧電素子1には交流負荷2が接続されており、圧電素子1で発生した交流電流を消費し、熱として外界に放出するように構成されている。交流負荷2は二つの共振回路である第一共振回路3と第二共振回路4とから構成されており、第一共振回路3と第二共振回路4とは並列に接続されている。第一共振回路3は抵抗R1とインダクタンスL1とから構成されており、これら、抵抗R1とインダクタンスL1とが直列に接続されている。また、第二共振回路4はダイオードDと抵抗R2とインダクタンスL2とから構成されており、これら、ダイオードDと抵抗R2とインダクタンスL2とが直列に接続されている。
これら、抵抗R1、R2、およびインダクタンスL1、L2は圧電素子の内部容量成分Cと共振回路を形成している。したがって、回路全体のインピーダンスは周波数特性を持ち、回路全体のインピーダンスが最小となる場合、すなわち共振した場合に、回路に流れる電流は最大となる。したがって、交流負荷2で消費される電力は最大となる。つまり、抵抗R1,R2、およびインダクタンスL1,L2の値を適切に設定して、回路の共振周波数を振動源で発生する振動の周波数に対応させることで、効率よく振動を吸収することができる。
圧電素子1で発生する電流は交流電流であるため、時間経過に伴って、流れる電流の大きさや向きが変化する。図2は回路全体に流れる電流を時系列的に追ったものである。回路に流れる電流が順方向の場合ダイオードDに流れる電流も順方向となる。ダイオードDは順方向の電流に対しては抵抗が小さくなるので、第一共振回路3と第二共振回路4のいずれにも電流が流れることになる。すなわち、ダイオードがONとなり、全てのインダクタンスと抵抗とが作用して回路共振周波数f1が決定される。
一方、回路に流れる電流が逆方向の場合ダイオードDに流れる電流も逆方向となる。ダイオードDは逆方向の電流に対しては抵抗が大きくなるので、第一共振回路3にのみ電流が流れることになる。すなわち、ダイオードがOFFとなり、インダクタンスL1と抵抗R1のみが作用して回路共振周波数f2が決定される。
図3はこの回路の周波数特性を表す図である。例えば、回路に流れる電流が順方向の場合は、周波数f1の時が回路インピーダンスが最小となり、回路に流れる電流が逆方向の場合は、周波数f2の時が回路インピーダンスが最小となることを表している。したがって、図4に示すように回路インピーダンスが最小となる周波数を振動源の振動周波数と合致させることで、振動レベルを抑制することができ、(a)で表される振動レベルを許容レベル以下である(b)のレベルまで低下させることができる。また、回路に流れる電流の向きによって共振周波数が異なっているので、周波数が異なる二つの振動成分について抑制することが可能となる。
一方、図5に示すように、第一共振回路3にダイオードD1を挿入し、このダイオードD1と異なる向きに第二共振回路4にダイオードD2を挿入して交流負荷2を構成しても良い。この場合、回路に流れる電流の向きがXの場合、ダイオードD1はOFF、ダイオードD2はONとなり、第二共振回路のみに電流が流れ、第一共振回路には電流は流れない。また、回路に流れる電流の向きがYである場合、ダイオードD1はON、ダイオードD2はOFFとなり、第二共振回路に電流は流れず、第一共振回路のみに電流が流れる。したがって、電流の流れる向きによって各共振回路に独立して電流が流れるので、一方の共振回路の共振周波数を決定する時に、他方の共振回路の回路定数を考慮する必要がなく、回路設計時の自由度が向上する。
つまり、電流の流れる向きに対応して、二つの共振回路が切り換えられる。その結果、その二つの周波数成分の振動が抑制されるので、制振効果を得られる振動周波数の幅を広げることができる。
また、前記交流負荷に流れる電流が順方向の場合は、前記共振回路の電流の流れを許容し、前記交流負荷に流れる電流が逆方向の場合には、前記共振回路の電流の流れを遮断するような素子や回路、例えばダイオード等が二系統の共振回路の少なくともいずれか一方に挿入される。したがって、回路構成を複雑化することなく制振効果を得られる振動周波数の幅を広げることができる。
なお、ここでは二つの共振回路の切り換えにダイオードを用いたが、ダイオードと同様の機能を持つ素子や回路、例えば、トランジスタ等を使用しても良い。要は、流れる電流が順方向の場合は電流の流れを許容し、流れる電流が逆方向の場合には電流の流れを遮断するような素子や回路であればよい。
1…圧電素子、 2…交流負荷、 3…第一共振回路、 4…第二共振回路、 C…圧電素子内部容量、 D,D1,D2…ダイオード、 L1,L2…インダクタンス、 R1,R2…抵抗。
Claims (2)
- 機械的振動を電気エネルギーに変換する圧電素子と、
圧電素子によって変換された電気エネルギーを熱エネルギーとして外界に放出する交流負荷とを有する圧電素子を用いた制振装置において、
前記交流負荷が、共振周波数が異なる二系統の共振回路からなり、
前記二系統の共振回路が、前記交流負荷に流れる電流の方向に基づいて切り換わることを特徴とする圧電素子を用いた制振装置。 - 前記交流負荷に流れる電流が順方向の場合は、前記共振回路の電流の流れを許容し、
前記交流負荷に流れる電流が逆方向の場合には、前記共振回路の電流の流れを遮断する素子または回路が、前記二系統の共振回路の少なくともいずれか一方に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子を用いた制振装置。
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JP2004283992A JP2006097774A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 圧電素子を用いた制振装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016017436A (ja) * | 2014-07-07 | 2016-02-01 | ヤンマー株式会社 | エンジン補機制振装置 |
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2004
- 2004-09-29 JP JP2004283992A patent/JP2006097774A/ja not_active Withdrawn
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