JP2006097643A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】過負荷状態を回避し、吐出圧力に応じて最も高速の回転数で稼働し、省エネルギを可能とした圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機1Aは、インバータ11により回転数制御されるモータ13を駆動部とする圧縮機本体14と、この吐出側に設けられた第1圧力検出器18と、第1PID演算回路21、ローセレクタ22を有し、第1圧力検出器18から第1PID演算回路21に吐出圧力信号を入力され、この吐出圧力信号と設定された最大吐出圧力信号との間の偏差をなくすようにするモータ回転数をPID演算により導出し、この導出されたモータ回転数に対応する信号をローセレクタ22に入力し、このローセレクタ22に別途導出され、入力された外部信号が示すモータ回転数と上記導出されたモータ回転数のうちの小さい方に対応するモータ回転数信号をインバータ11に入力し、これによりモータ13の回転数を制御させる制御部15とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インバータにより回転数制御されるモータを駆動部とし、吐出圧力制御するようにした圧縮機に関するものである。
従来、インバータを用い、吐出側の圧力に応じて制御するようにした圧縮機は公知である(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−343986号公報 特開2000−122078号公報
特許文献1には、複数台並列配置された圧縮機本体と、これらの圧縮機本体に接続された空気槽と、空気槽内の圧力を検出する圧力検出手段とを有し、設定圧力と検出圧力との間の偏差をなくすように複数台の内の1台の圧縮機本体のみについて、その駆動部であるモータの回転数を制御し、その他の圧縮機本体については全負荷運転状態を維持するようにした圧縮機が開示されている。
特許文献2には、複数台並列配置された圧縮機本体と、これらの圧縮機本体に接続された空気槽と、空気槽内の圧力を検出する圧力検出手段とを有し、運転状態にある圧縮機本体の全てに対して平等に回転数制御を行い、負荷に対して圧縮ガスの供給が過剰な場合には、運転中の圧縮機本体の台数を減らし、上記供給が不足する場合には、上記台数を増やすようにした圧縮機が開示されている。
特許文献1および2に記載の各圧縮機の場合、各圧縮機本体から圧力検出手段に至るまでに、オイルセパレータ、アフタークーラ、これらを接続する配管、継ぎ手等の種々の圧力損失要因が介在している。一方、圧縮機本体の仕様上、圧縮機本体のそれぞれについては、そのモータを含む構成部品が過負荷になることなく、吐出し得るガスの圧力の上限である最大吐出圧力が定められている。しかし、特許文献1では上記圧力損失要因が考慮されていないため、上記圧力検出手段による検出圧力が上記最大吐出圧力以下であっても、それに近い圧力まで許容すれば、各圧縮機本体では、その吐出圧力が上記最大吐出圧力を超えてしまい、過負荷状態になるという問題がある。
また、特許文献1に記載の圧縮機の場合、圧縮機本体1台のみについて、圧力検出手段による検出圧力に基づいて回転数制御し、その他の圧縮機本体については、全負荷運転状態を維持するようにしているが、このように全負荷運転状態を維持することが必ずしも省エネルギにはならないという問題がある。
本発明は、斯かる従来の問題をなくすことを課題としてなされたもので、過負荷状態になることなく、吐出圧力に応じて最も高速の回転数で稼働し、省エネルギを可能とした圧縮機を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、第1発明は、インバータにより回転数制御されるモータを駆動部とする圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出側に吐出圧力検出可能に設けられた圧力検出器と、演算回路及びローセレクタを有し、上記圧力検出器から上記演算回路に吐出圧力信号を入力され、この吐出圧力信号と予め入力された最大吐出圧力信号との間の偏差をなくすようにするモータ回転数を上記演算回路により導出し、この導出されたモータ回転数に対応する信号を上記ローセレクタに入力し、このローセレクタに別途導出され、入力された外部信号が示すモータ回転数と上記導出されたモータ回転数のうちの小さい方に対応するモータ回転数信号を上記インバータに入力し、このモータ回転数信号に基づき上記モータの回転数を制御させる制御部とを備えた構成とした。
第2発明は、インバータにより回転数制御されるモータを駆動部とする圧縮機本体と、この圧縮機本体の吐出側に吐出圧力検出可能に設けられた圧力検出器と、演算回路、ローセレクタを有するとともに、モータ回転数及び吐出圧力に関し、最大吐出圧力以下で、かつ最大モータ回転数以下で、かつモータに最大トルクを生じさせる吐出圧力、モータ回転数のそれぞれの値以下の状態で定まる領域が予め記憶されたフィルタを有し、上記圧力検出器から上記演算回路に吐出圧力信号を入力され、この吐出圧力信号と予め入力された最大吐出圧力信号との間の偏差をなくすようにするモータ回転数を上記演算回路により導出し、この導出されたモータ回転数に対応する信号を上記ローセレクタに入力し、このローセレクタに別途導出され、入力された外部信号が示すモータ回転数と上記導出されたモータ回転数のうちの小さい方に対応するモータ回転数信号を上記フィルタに入力し、このフィルタに上記圧力検出器から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力と上記モータ回転数信号に対応するモータ回転数とで定まる状態が上記領域内にあれば、上記ローセレクタからの上記モータ回転数信号をそのまま上記インバータに入力し、その他の場合には、上記圧力検出器から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力と上記領域の境界により決定されるモータ回転数に対応するモータ回転数信号を上記インバータに入力し、この入力されたモータ回転数信号に基づき上記モータの回転数を制御させる制御部とを備えた構成とした。
本発明に係る圧縮機によれば、過負荷になることなく、吐出圧力に応じて最も高速の回転数で稼働し、省エネルギが可能になるという効果を奏する。
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮機1Aを示し、この圧縮機1Aはインバータ11を介して電源12に接続され、回転数制御されるモータ13を駆動部とする圧縮機本体14と制御部15とを備えている。圧縮機本体14から延びる吐出流路16にはリザーバータンク17が介設され、圧縮機本体14とリザーバータンク17との間の吐出流路16の部分、及び、リザーバータンク17のそれぞれには圧力検出可能に第1圧力検出器18、第2圧力検出器19が設けられている。また、制御部15は第1PID演算回路21、ローセレクタ22を有し、第1圧力検出器18は第1PID演算回路21に接続し、第2圧力検出器19は第2PID演算回路23を介してローセレクタ22に接続するとともに、ローセレクタ22はインバータ17に接続している。さらに、第1PID演算回路21には、予め設定値として許容される吐出圧力の最大値Pd_MAX_SETが入力され、第2PID演算回路23には、予め設定値としてリザーバータンク17におけるタンク内圧力の所望値P_RT_SET(<Pd_MAX_SET)が入力されている。
上記構成からなる圧縮機1Aにおいて、第1圧力検出器18により検出された吐出圧力Pdに対応する吐出圧力信号が第1PID演算回路21に入力され、ここで吐出圧力Pdと吐出圧力の最大値Pd_MAX_SETとの間の偏差をなくすようにするモータ回転数RPM_MV1が導出され、この導出されたモータ回転数RPM_MV1に対応するモータ回転数信号がローセレクタ22に入力される。一方、第2圧力検出器19により検出されたタンク内圧力P_RTに対応するタンク内圧力信号が第2PID演算回路23に入力され、ここで検出値であるタンク内圧力P_RTと設定値であるタンク内圧力の所望値P_RT_SETとの間の偏差をなくすようにするモータ回転数RPM_MV2が導出され、このモータ回転数RPM_MV2に対応するモータ回転数信号が外部信号としてローセレクタ22に入力される。そして、導出されたモータ回転数RPM_MV1と外部信号に対応するモータ回転数RPM_MV2の内の小さい方に対応するモータ回転数信号がインバータ11に入力され、この入力されたモータ回転数信号に基いて、モータ13の回転数が制御される。
このように、圧縮機1Aでは、リザーバータンク17内の圧力だけでなく、圧縮機本体14の吐出口での圧力と実質的に等しいリザーバータンク17の一次側における吐出圧力の双方に基づいて、これらの圧力が所望の値になるように、モータ16の回転数が制御されている。このため、過負荷になることなく、吐出圧力に応じて最も高速の回転数で運転し、省エネルギが可能になる。
図2は、本発明の第2実施形態に係る圧縮機1Bを示し、この圧縮機1Bにおいて、上述した圧縮機1Aと互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
この圧縮機1Bでは、制御部15は第1PID演算回路21、ローセレクタ22に加えて、ローセレクタ22とインバータ17との間に介在し、第1圧力検出器18に接続されたフィルタ24を有している。
このフィルタ24には、図3(横軸:モータ回転数RPM、縦軸:吐出圧力Pd)に示すように、モータ回転数RPM及び吐出圧力Pdに関し、圧縮機本体14の吐出し得るガスの上限圧力である最大吐出圧力Pd_MAX以下で、かつモータ13の回転し得る上限回転数である最大モータ回転数RPM_MAX以下で、かつモータ13に最大トルクを生じさせる吐出圧力Pd、モータ回転数RPMのそれぞれの値以下の状態で定まるハッチング部で示す領域Aが予め記憶されている。なお、図3中、直線Iは最大吐出圧力Pd_MAXの状態、直線IIは最大モータ回転数RPM_MAXの状態、曲線IIIはモータ13に最大トルクを生じさせる吐出圧力Pd、モータ回転数RPMの状態を示している。
なお、上記各直線を式で表すと以下の通りとなる。
まず、図3中の直線Iは次式で表される。
Figure 2006097643
また、図3中の直線IIは次式で表される。
Figure 2006097643
さらに、図3中の直線IIIについては、以下のようになる。まず、一般に電動機において、その回転数RPMとその電動機が発生するトルクTとその出力Pとの間には次式が成り立つ。
Figure 2006097643
他方、電動機が受ける負荷トルクT_loadは、吐出圧力Pdと相関があり、負荷トルクT_loadは次式のように表される。
Figure 2006097643
ここで、f(Pd)はPdの関数であることを意味している。
電動機の定格出力、即ちこの電動機で得られる機械的出力をP_specとし、(3)式のTをT_loadに、PをP_specに置き換え、(3)および(4)式から次式が得られる。
Figure 2006097643
この(5)式が図3中の直線IIIを表している。
上記構成からなる圧縮機1Bにおいて、制御部15のPID演算回路21、ローセレクタ22については、上記同様に機能し、ローセレクタ22からインバータ11にではなく、フィルタ24にモータ回転数RPM_MV1とモータ回転数RPM_MV2の内の小さい方に対応するモータ回転数信号が入力される。そして、このフィルタ24では、第1圧力検出器18から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力とローセレクタ22からのモータ回転数信号に対応するモータ回転数とで定まる状態が領域A内にあれば、ローセレクタ22から上記モータ回転数信号をそのままインバータ13に入力し、その他の場合には、第1圧力検出器18から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力と領域Aの境界により決定されるモータ回転数に対応するモータ回転数信号をインバータ13に入力し、この入力されたモータ回転数信号に基いて、モータ13の回転数が制御される。
上記フィルタ24からインバータ13に入力されるモータ回転数信号について、さらに図3を参照しつつ詳述する。例えば、第1圧力検出器18、ローセレクタ22のそれぞれからフィルタ24に入力される信号に対応する吐出圧力、モータ回転数が、(Pd1,RPM1)の第1の場合と、(Pd2,RPM2)の第2の場合について考える。
第1の場合には、領域Aの外になるため、吐出圧力Pd1と領域Aの境界、この場合には曲線IIにより決定されるモータ回転数RPM1_thに対応するモータ回転数信号がインバータ13に入力される。なお、このとき決定されるモータ回転数RPM1_thを(5)式を用いて次式で表すことができる。
Figure 2006097643
これに対して、第2の場合には、領域A内となるため、モータ回転数RPM2に対応するモータ回転数信号がインバータ13に入力される。なお、もしも第1圧力検出器18からフィルタ24に入力された信号に対応する吐出圧力が最大吐出圧力Pd_MAXよりも高い場合を想定するならば、上述した考え方ではインバータ13に指示すべきモータ回転数が決定できなくなるが、この最大吐出圧力Pd_MAXは圧縮機本体14の能力上、吐出圧力がそれ以上にはなり得ない値であり、上記のような場合は生じ得ない。
上述した実施形態では、圧縮機本体14とリザーバータンク17とは一対一の関係で設けたが、電源12、リザーバータンク17、第2圧力検出器19及び第2PID演算回路23については共用として、これ以外の圧縮機本体14及びこれに付属する上述した各部を含む部分については並列に複数配置して用いてもよい。
なお、上述した実施形態では、演算回路にPID演算の機能を有するものを採用してあるが、本発明はこれに限定するものでなく、この他PI演算機能のみを有する演算回路、P演算機能のみを有する演算回路を採用したものも含んでいる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の全体構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機の全体構成を示す図である。 図2に示す圧縮機におけるフィルタに記憶させる吐出圧力、モータ回転数に関する領域を示す図である。
符号の説明
1A 圧縮機
11 インバータ
12 電源
13 モータ
14 圧縮機本体
15 制御部
16 吐出流路
17 リザーバータンク
18 第1圧力検出器
19 第2圧力検出器
21 第1PID演算回路
22 ローセレクタ
23 第2PID演算回路
24 フィルタ

Claims (2)

  1. インバータにより回転数制御されるモータを駆動部とする圧縮機本体と、
    この圧縮機本体の吐出側に吐出圧力検出可能に設けられた圧力検出器と、
    演算回路及びローセレクタを有し、
    上記圧力検出器から上記演算回路に吐出圧力信号を入力され、この吐出圧力信号と予め入力された最大吐出圧力信号との間の偏差をなくすようにするモータ回転数を上記演算回路により導出し、この導出されたモータ回転数に対応する信号を上記ローセレクタに入力し、このローセレクタに別途導出され、入力された外部信号が示すモータ回転数と上記導出されたモータ回転数のうちの小さい方に対応するモータ回転数信号を上記インバータに入力し、このモータ回転数信号に基づき上記モータの回転数を制御させる制御部と
    を備えたことを特徴とする圧縮機。
  2. インバータにより回転数制御されるモータを駆動部とする圧縮機本体と、
    この圧縮機本体の吐出側に吐出圧力検出可能に設けられた圧力検出器と、
    演算回路、ローセレクタを有するとともに、モータ回転数及び吐出圧力に関し、最大吐出圧力以下で、かつ最大モータ回転数以下で、かつモータに最大トルクを生じさせる吐出圧力、モータ回転数のそれぞれの値以下の状態で定まる領域が予め記憶されたフィルタを有し、上記圧力検出器から上記演算回路に吐出圧力信号を入力され、この吐出圧力信号と予め入力された最大吐出圧力信号との間の偏差をなくすようにするモータ回転数を上記演算回路により導出し、この導出されたモータ回転数に対応する信号を上記ローセレクタに入力し、このローセレクタに別途導出され、入力された外部信号が示すモータ回転数と上記導出されたモータ回転数のうちの小さい方に対応するモータ回転数信号を上記フィルタに入力し、このフィルタに上記圧力検出器から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力と上記モータ回転数信号に対応するモータ回転数とで定まる状態が上記領域内にあれば、上記ローセレクタからの上記モータ回転数信号をそのまま上記インバータに入力し、その他の場合には、上記圧力検出器から入力された吐出圧力信号に対応する吐出圧力と上記領域の境界により決定されるモータ回転数に対応するモータ回転数信号を上記インバータに入力し、この入力されたモータ回転数信号に基づき上記モータの回転数を制御させる制御部とを備えたことを特徴とする圧縮機。
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