JP2006096832A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期から優れた摺動性やスリップ性を発現すると共に、長期に亘って摺動性を維持することができるポリオレフィン変性ポリシロキサンを含有した樹脂組成物、及びそれを含有するエラストマー組成物を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴とする樹脂組成物、又は組成物全量基準でフルオロシリコーン(B)の配合量は、0.01〜5質量%であることを特徴とする樹脂組成物、及びそれを含有するエラストマー組成物などを提供した。
【選択図】なし
【解決手段】ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴とする樹脂組成物、又は組成物全量基準でフルオロシリコーン(B)の配合量は、0.01〜5質量%であることを特徴とする樹脂組成物、及びそれを含有するエラストマー組成物などを提供した。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物及びそれを含有するエラストマー組成物に関し、更に詳しくは、ポリオレフィン変性ポリシロキサンにフルオロシリコーンを配合してなるスリップ性に優れた樹脂組成物及びそれを含有するエラストマー組成物に関する。
従来、ポリオレフィン変性ポリシロキサンは、摺動性、耐摩耗性、耐ブロッキング性などに優れているために、エチレンプロピレン共重合体などのエラストマーや各種ポリエチレンなどの樹脂に配合され、それらの特性を向上させる目的で用いられている(例えば、特許文献1、2参照。)。
例えば、特許文献1には、ポリアセタール又はABSなどのベース樹脂、及びポリオレフィン変性ポリシロキサンである摺動性改良剤よりなる、摺動特性が改良された摺動性樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献2には、オレフィン系エラストマー(A)100重量部当たり、オルガノポリシロキサンのグラフト共重合量が30〜70重量%のポリオレフィン樹脂(B)0.05〜20重量部と、オルガノポリシロキサン(C)0.05〜5重量部とを配合して成ることを特徴とする、初期から優れた摺動性を発現すると共に長期に亘って摺動性を維持することが出来る熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
また、特許文献2には、オレフィン系エラストマー(A)100重量部当たり、オルガノポリシロキサンのグラフト共重合量が30〜70重量%のポリオレフィン樹脂(B)0.05〜20重量部と、オルガノポリシロキサン(C)0.05〜5重量部とを配合して成ることを特徴とする、初期から優れた摺動性を発現すると共に長期に亘って摺動性を維持することが出来る熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
しかしながら、従来のポリオレフィン変性ポリシロキサンを配合した組成物は、ベース樹脂やオレフィン系エラストマー本来の摺動性以外の特性、例えば、表面外観、耐衝撃性等が損なわれ、場合によっては、ポリオレフィン変性ポリシロキサンがブリードアウトするという欠点があった。
また、ポリオレフィン変性ポリシロキサンは、長期の物性改質には有効であるが、加工直後のスリップ性が十分でなく、一般に、加工直後のスリップ性(初期スリップ性)を向上させるためには、シリコーンや鉱油などの添加が行われるが、ポリシロキサンとの親和性が高いために、十分にその効果が発揮しないという問題がある。
このように、従来の問題点を解決し、初期から優れた摺動性やスリップ性を発現すると共に、長期に亘って摺動性を維持することができるポリオレフィン変性ポリシロキサン含有樹脂組成物の開発が強く求められている。
特開2001−200166号公報(特許請求の範囲等)
特開2002−167479号公報(特許請求の範囲等)
また、ポリオレフィン変性ポリシロキサンは、長期の物性改質には有効であるが、加工直後のスリップ性が十分でなく、一般に、加工直後のスリップ性(初期スリップ性)を向上させるためには、シリコーンや鉱油などの添加が行われるが、ポリシロキサンとの親和性が高いために、十分にその効果が発揮しないという問題がある。
このように、従来の問題点を解決し、初期から優れた摺動性やスリップ性を発現すると共に、長期に亘って摺動性を維持することができるポリオレフィン変性ポリシロキサン含有樹脂組成物の開発が強く求められている。
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、初期から優れた摺動性やスリップ性を発現すると共に、長期に亘って摺動性を維持することができるポリオレフィン変性ポリシロキサンを含有した樹脂組成物、及びそれを含有するエラストマー組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究した結果、ポリオレフィン変性ポリシロキサンに、各種添加剤を配合して、初期及び長期のスリップ性への効果を検討したところ、ポリシロキサンとの親和性が低くて、ポリシロキサン中に吸収されないために、添加剤としてフルオロシリコーンが優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、組成物全量基準でフルオロシリコーン(B)の配合量は、0.01〜5質量%であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、組成物全量基準でフルオロシリコーン(B)の配合量は、0.01〜5質量%であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)からなる群から選ばれるポリオレフィンと、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとを加熱混練し、グラフトした共重合体であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明において、フルオロシリコーン(B)は、25℃における粘度が102〜108mm2/sであることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明において、フルオロシリコーン(B)は、25℃における粘度が102〜108mm2/sであることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
一方、本発明の第5の発明によれば、オレフィン系エラストマー又はエチレン系樹脂100重量部に対して、第1〜4のいずれかの発明に係る樹脂組成物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とするエラストマー組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、オレフィン系エラストマーは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種のエラストマーであることを特徴とするエラストマー組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、オレフィン系エラストマーは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種のエラストマーであることを特徴とするエラストマー組成物が提供される。
上記のように、本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴としているので、初期から優れた摺動性やスリップ性を発現すると共に、長期に亘って摺動性を維持することができるという効果を奏する。
また、上記樹脂組成物を特定量配合した本発明のエラストマー組成物は、初期及び長期のスリップ性と撥水性に優れているという効果を奏する。
また、上記樹脂組成物を特定量配合した本発明のエラストマー組成物は、初期及び長期のスリップ性と撥水性に優れているという効果を奏する。
以下、本発明の樹脂組成物及びそれを含有したエラストマー組成物について、詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴としている。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴としている。
1.ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)
本発明において、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)とは、分子内にポリオレフィン単位と、ポリシロキサン単位を有する共重合体であり、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキサンとを加熱混練し、両者をグラフトして得た混練物が代表的なものである。このポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)は、公知の製造方法で製造可能であるが、特に好ましいものは、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキサンとを加熱混練によりグラフト化したもので、その際には、架橋剤や反応停止剤を用いることができ、SILGRAFT−150、同310、同250[以上、日本ユニカー(株)製]として、市販されているものが使用可能である。これらは、オルガノポリシロキサン含有量が50質量%程度である。
本発明において、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)とは、分子内にポリオレフィン単位と、ポリシロキサン単位を有する共重合体であり、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキサンとを加熱混練し、両者をグラフトして得た混練物が代表的なものである。このポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)は、公知の製造方法で製造可能であるが、特に好ましいものは、ポリオレフィン系樹脂とオルガノポリシロキサンとを加熱混練によりグラフト化したもので、その際には、架橋剤や反応停止剤を用いることができ、SILGRAFT−150、同310、同250[以上、日本ユニカー(株)製]として、市販されているものが使用可能である。これらは、オルガノポリシロキサン含有量が50質量%程度である。
上記において、ポリオレフィン系樹脂とは、エチレンまたはプロピレンを主成分とする重合体である。
エチレン系重合体としては、高圧法ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。この中でも、好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)である。
エチレン系重合体としては、高圧法ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。この中でも、好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)である。
プロピレン系重合体としては、通常チーグラーナッタ型触媒など公知のα−オレフィンの立体規則性触媒を用いてプロピレンを重合して得られるプロピレン単独重合体またはプロピレンを主成分とし、プロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などとのランダム共重合体である。具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などを挙げることができる。
またオルガノポリシロキサンとは、下記の一般式:
RxR’ySiO(4−x−y)/2
で表わされるポリシロキサンであり、式中のRは、ビニル、アリル、イソプロペニル、アクリル、メタクリル等の脂肪族不飽和基を表わし、R’は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、等の脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル等の芳香族炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロブチル基等の脂環式炭化水素基など、脂肪族不飽和基を含まない非置換または置換1価炭化水素基を表わし、xおよびyは下記の範囲の数を表わす。
0<x<1、0.5<y<3、1<x+y<3
ポリシロキサンの具体的な例としては、ビニル基含有ポリシロキサンが好ましく、ビニルメチル−ジメチルポリシロキサン、ビニルメチル−フェニルメチル−ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
RxR’ySiO(4−x−y)/2
で表わされるポリシロキサンであり、式中のRは、ビニル、アリル、イソプロペニル、アクリル、メタクリル等の脂肪族不飽和基を表わし、R’は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、等の脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル等の芳香族炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロブチル基等の脂環式炭化水素基など、脂肪族不飽和基を含まない非置換または置換1価炭化水素基を表わし、xおよびyは下記の範囲の数を表わす。
0<x<1、0.5<y<3、1<x+y<3
ポリシロキサンの具体的な例としては、ビニル基含有ポリシロキサンが好ましく、ビニルメチル−ジメチルポリシロキサン、ビニルメチル−フェニルメチル−ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
2.フルオロシリコーン(B)
本発明の樹脂組成物において、フルオロシリコーン(B)が用いられる。ここに「フルオロシリコーン」とは、フッ素原子を含む置換基を有するフルオロシリコーンであって、添加剤として、使用可能な範囲の粘度を有するものであれば、特に限定されるものではない。このフルオロシリコーン(B)としては、特に温度25℃での粘度が102〜108mm2/s、好ましくは103〜105mm2/sであるものが好適に使用される。粘度が102mm2/s未満であると、成形後の成形体の表面がべたついた感じになり、一方、108mm2/sを超えると、分散し難くなり、加工性が悪くなる。
本発明の樹脂組成物において、フルオロシリコーン(B)が用いられる。ここに「フルオロシリコーン」とは、フッ素原子を含む置換基を有するフルオロシリコーンであって、添加剤として、使用可能な範囲の粘度を有するものであれば、特に限定されるものではない。このフルオロシリコーン(B)としては、特に温度25℃での粘度が102〜108mm2/s、好ましくは103〜105mm2/sであるものが好適に使用される。粘度が102mm2/s未満であると、成形後の成形体の表面がべたついた感じになり、一方、108mm2/sを超えると、分散し難くなり、加工性が悪くなる。
本発明において好適に使用されるフルオロシリコーンの具体例として、下記式(1)で示すものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
式中、R1は、炭素数が1〜3の炭化水素基、R2は、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基または−CH2CH2R基(R:炭素数が1〜10のパーフルオロアルキル基であって、R2のうちの少なくとも50%は、−CH2CH2R基である。)である。また、nは、前記の粘度範囲を与える範囲の数である。
上記式(1)で示されるフルオロシリコーン化合物のうち、特に以下のものが好ましい。
下記式(2)で示されるトリフルオロプロピルメチルポリシロキサン:
上記式(1)で示されるフルオロシリコーン化合物のうち、特に以下のものが好ましい。
下記式(2)で示されるトリフルオロプロピルメチルポリシロキサン:
(m:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲の数である。)
下記式(3)で示されるパーフルオロアルキルメチルポリシロキサン:
下記式(3)で示されるパーフルオロアルキルメチルポリシロキサン:
(aおよびb:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲で互いに任意に選択される数である。)
(n:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲の数である。)
(mおよびn:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲で互いに任意に選択される数である。)
(mおよびn:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲で互いに任意に選択される数である。)
(n:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲の数である。)
(n:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲の数である。)
(mおよびn:粘度が102〜108mm2/sとなる範囲で互いに任意に選択される数である。)
本発明の樹脂組成物において、フルオロシリコーン(B)の添加量は、組成物全量基準で、0.01〜5質量%である。添加量が0.01質量%未満であると、添加効果が発現し難く、一方、5質量%を超えると、表面へのブリードアウトにより、表面を触った際に、ぬめり感が出て、好ましくない。
3.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、公知の方法で製造すればよく、特に限定されない。
例えば、バンバリーミキサー、ブスコニーダー、ミキシングロール、インテンシブミキサー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、スタティックミキサーに、所定量のポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)、フルオロシリコーン(B)及び後述するその他の配合物を、例えば110〜200℃の温度で加熱溶融混練し、得られた樹脂組成物は、成形作業性から好ましくは平均粒径2〜7mm程度のペレットとして、好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、公知の方法で製造すればよく、特に限定されない。
例えば、バンバリーミキサー、ブスコニーダー、ミキシングロール、インテンシブミキサー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、スタティックミキサーに、所定量のポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)、フルオロシリコーン(B)及び後述するその他の配合物を、例えば110〜200℃の温度で加熱溶融混練し、得られた樹脂組成物は、成形作業性から好ましくは平均粒径2〜7mm程度のペレットとして、好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の初期の目的を妨げない限り、他の公知の添加剤や配合物を配合することができる。
その他の添加剤や配合物としては、酸化防止剤、滑剤、安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、難燃剤、光安定剤、核剤、銅害防止剤、金属不活剤、加工助剤、離型剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、殺菌剤、防カビ剤、防鼠剤、防錆剤、及びカーボンブラック、シリカ、マイカ、酸化チタン、タルクなどの無機フィラー類等を挙げることができる。
その他の添加剤や配合物としては、酸化防止剤、滑剤、安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、難燃剤、光安定剤、核剤、銅害防止剤、金属不活剤、加工助剤、離型剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、殺菌剤、防カビ剤、防鼠剤、防錆剤、及びカーボンブラック、シリカ、マイカ、酸化チタン、タルクなどの無機フィラー類等を挙げることができる。
4.エラストマー組成物
本発明においては、上記の樹脂組成物をそのまま製品として使用することもできるが、オレフィン系エラストマー又はエチレン系樹脂100重量部に対して、上記の樹脂組成物を0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部配合することもできる。
オレフィン系エラストマーとしては、通常の熱可塑性樹脂の加工や成形でできる性状を有していれば、特に制限されない。例えば、オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂とに架橋剤を添加し、それらを混練させることによって形成された架橋部分を有する熱可塑性エラストマー、又は架橋剤を全く用いない状態で混練して得た架橋部分の全くない熱可塑性エラストマーが挙げられ、特に、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種のエラストマーであることが好ましい。また、エチレン系樹脂は、通常の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や低密度ポリエチレン(LDPE)などが挙げられる。
本発明においては、上記の樹脂組成物をそのまま製品として使用することもできるが、オレフィン系エラストマー又はエチレン系樹脂100重量部に対して、上記の樹脂組成物を0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部配合することもできる。
オレフィン系エラストマーとしては、通常の熱可塑性樹脂の加工や成形でできる性状を有していれば、特に制限されない。例えば、オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂とに架橋剤を添加し、それらを混練させることによって形成された架橋部分を有する熱可塑性エラストマー、又は架橋剤を全く用いない状態で混練して得た架橋部分の全くない熱可塑性エラストマーが挙げられ、特に、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種のエラストマーであることが好ましい。また、エチレン系樹脂は、通常の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や低密度ポリエチレン(LDPE)などが挙げられる。
次に実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中で用いられた物性値及び評価方法は、それぞれ以下の方法によるものである。
I.メルトマスフローレート
JIS K6924−2に準拠して行い、190℃、2160g荷重で測定した。
JIS K6924−2に準拠して行い、190℃、2160g荷重で測定した。
II.密度
JIS K6924−2に準拠して、圧縮成形によって厚さ1mmのシートを作製した後に、3mm×3mm程度の適当な大きさに切り出し、密度勾配管を使用して測定した。
JIS K6924−2に準拠して、圧縮成形によって厚さ1mmのシートを作製した後に、3mm×3mm程度の適当な大きさに切り出し、密度勾配管を使用して測定した。
III.動摩擦係数、処理後の動摩擦係数
JIS K7125に準拠して測定した。また、処理として、フィルム又はラボラボブラストミルを用いたシート押出し成形により作製した厚さ1mmのシートについて、スガ試験機製サンシャインウェザーメーターを用い、63℃で200時間処理し、このとき60分毎に12分間散水を行った。処理後の動摩擦係数は、表面を洗浄した後の動摩擦係数をJIS K7125に準拠して測定した。
JIS K7125に準拠して測定した。また、処理として、フィルム又はラボラボブラストミルを用いたシート押出し成形により作製した厚さ1mmのシートについて、スガ試験機製サンシャインウェザーメーターを用い、63℃で200時間処理し、このとき60分毎に12分間散水を行った。処理後の動摩擦係数は、表面を洗浄した後の動摩擦係数をJIS K7125に準拠して測定した。
IV.摩耗後の表面状態
アセトンを含ませたガーゼの上に500gの錘を載せて、50回擦った後の表面状態を目視で観察、評価した。
アセトンを含ませたガーゼの上に500gの錘を載せて、50回擦った後の表面状態を目視で観察、評価した。
V.接触角
イオン交換水を用いて、協和界面化学製接触角計により、測定した。
イオン交換水を用いて、協和界面化学製接触角計により、測定した。
VI.固着性
4cm幅、5cm長さに切り抜いたシートまたはフィルムを2枚重ねた上に、1kgの錘を載せ、40℃で24時間放置した後に、錘を取り除き、2枚のサンプルを手で剥がした際の固着の状況を下記の指標で、評価した。
◎:全く固着無し。
○:殆ど固着無し。
△:少し固着するが、容易に剥がれる。
×:固着があり、剥がすのに抵抗を感じる。
4cm幅、5cm長さに切り抜いたシートまたはフィルムを2枚重ねた上に、1kgの錘を載せ、40℃で24時間放置した後に、錘を取り除き、2枚のサンプルを手で剥がした際の固着の状況を下記の指標で、評価した。
◎:全く固着無し。
○:殆ど固着無し。
△:少し固着するが、容易に剥がれる。
×:固着があり、剥がすのに抵抗を感じる。
[実施例1]
ビニル基含有ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−2)とエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、NUC−6570、メルトマスフローレート20g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量25重量%)とフルオロシリコーン(ダウコーニングアジア製、FS−1265、10,000mm2/s)と過酸化物(日本油脂製、パーブチルP)及び酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルティ・ケミカルズ製、イルガノックス1010)を表1に示す組成で、110℃に設定したバンバリーミキサに投入し、15分間混練し得られた樹脂組成物を、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
ビニル基含有ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−2)とエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、NUC−6570、メルトマスフローレート20g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量25重量%)とフルオロシリコーン(ダウコーニングアジア製、FS−1265、10,000mm2/s)と過酸化物(日本油脂製、パーブチルP)及び酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルティ・ケミカルズ製、イルガノックス1010)を表1に示す組成で、110℃に設定したバンバリーミキサに投入し、15分間混練し得られた樹脂組成物を、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例2は、実施例1においてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)に替えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ユニカー製、NUC−5381、メルトマスフローレート20g/10分、密度0.919g/cm3)を用い、カーボンブラック2重量部を添加した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2は、実施例1においてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)に替えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ユニカー製、NUC−5381、メルトマスフローレート20g/10分、密度0.919g/cm3)を用い、カーボンブラック2重量部を添加した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例3は、実施例1においてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)に替えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ユニカー製、NUC−5381、メルトマスフローレート20g/10分、密度0.919g/cm3)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例3は、実施例1においてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)に替えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ユニカー製、NUC−5381、メルトマスフローレート20g/10分、密度0.919g/cm3)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1は、実施例1においてフルオロシリコーンを添加しなかった以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例1は、実施例1においてフルオロシリコーンを添加しなかった以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2は、実施例1においてビニル基含有ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−2)に替えて、飽和ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−1)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例2は、実施例1においてビニル基含有ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−2)に替えて、飽和ポリジメチルシロキサン(信越化学製、NER−1)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3は、実施例1においてフルオロシリコーンに替えて、粘度が1,000mm2/s@25℃のジメチルポリシロキサン(日本ユニカー製、L−45)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例3は、実施例1においてフルオロシリコーンに替えて、粘度が1,000mm2/s@25℃のジメチルポリシロキサン(日本ユニカー製、L−45)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
比較例4は、実施例1においてフルオロシリコーンに替えて、粘度が10,000mm2/s@25℃のジメチルポリシロキサン(日本ユニカー製、L−45)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例4は、実施例1においてフルオロシリコーンに替えて、粘度が10,000mm2/s@25℃のジメチルポリシロキサン(日本ユニカー製、L−45)を用いた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た後、ペレット化し、これの動摩擦係数と接触角を測定し、スリップ性を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の組成物0.5重量部を、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、DPDJ−6182、メルトマスフローレート1.5g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量15重量%)100重量部とドライブレンドした後に、東芝機械製φ35mmの二軸押出し機に投入して、200℃で溶融混練した後に、ペレット化した。得られたペレットを東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、180℃で押出し成形により、厚さ約1mmのシートを得た。
得られたシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
実施例1の組成物0.5重量部を、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、DPDJ−6182、メルトマスフローレート1.5g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量15重量%)100重量部とドライブレンドした後に、東芝機械製φ35mmの二軸押出し機に投入して、200℃で溶融混練した後に、ペレット化した。得られたペレットを東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、180℃で押出し成形により、厚さ約1mmのシートを得た。
得られたシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
[実施例5、6]
実施例5は、実施例2の組成物0.5重量部とカーボンブラック2重量部を添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
実施例6は、実施例2の組成物5重量部を添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
これらのシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
実施例5は、実施例2の組成物0.5重量部とカーボンブラック2重量部を添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
実施例6は、実施例2の組成物5重量部を添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
これらのシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
[実施例7、8]
実施例7は、実施例3の組成物1重量部を、低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ユニカー製、NUC−8007、メルトマスフローレート7g/10分、密度0.919g/cm3)100重量部とドライブレンドした後に、東芝機械製φ35mmの二軸押出し機に投入して、200℃で溶融混練した後に、ペレット化した。得られたペレットを東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、250℃でキャスト加工により、厚さ100μmのフィルムを得た。
実施例8は、実施例3の組成物3重量部を添加した以外は、実施例7と同様に、フィルムを得た。
これらのフィルムについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
実施例7は、実施例3の組成物1重量部を、低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ユニカー製、NUC−8007、メルトマスフローレート7g/10分、密度0.919g/cm3)100重量部とドライブレンドした後に、東芝機械製φ35mmの二軸押出し機に投入して、200℃で溶融混練した後に、ペレット化した。得られたペレットを東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、250℃でキャスト加工により、厚さ100μmのフィルムを得た。
実施例8は、実施例3の組成物3重量部を添加した以外は、実施例7と同様に、フィルムを得た。
これらのフィルムについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例5]
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、DPDJ−6182、メルトマスフローレート1.5g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量15重量%)を、東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、180℃で押出し成形により、厚さ約1mmのシートを得た。
このシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(日本ユニカー製、DPDJ−6182、メルトマスフローレート1.5g/10分、アクリル酸エチルコモノマー含有量15重量%)を、東洋精機(株)ラボブラストミルを用いて、180℃で押出し成形により、厚さ約1mmのシートを得た。
このシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例6〜9]
比較例6は、比較例1の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例7は、比較例2の組成物を用いて、カーボンブラックを添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例8は、比較例3の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例9は、比較例4の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
これらのシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例6は、比較例1の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例7は、比較例2の組成物を用いて、カーボンブラックを添加した以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例8は、比較例3の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
比較例9は、比較例4の組成物を用いた以外は、実施例4と同様に、押出し成形シートを得た。
これらのシートについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
[比較例10、11]
比較例10は、実施例3の組成物を用いずに、低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ユニカー製、NUC−8007、メルトマスフローレート7g/10分、密度0.919g/cm3)のみを用いた以外は、実施例7と同様に、キャストフィルムを得た。
比較例11は、比較例2の組成物を用いた以外は、実施例7と同様に、キャストフィルムを得た。
これらのフィルムについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例10は、実施例3の組成物を用いずに、低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ユニカー製、NUC−8007、メルトマスフローレート7g/10分、密度0.919g/cm3)のみを用いた以外は、実施例7と同様に、キャストフィルムを得た。
比較例11は、比較例2の組成物を用いた以外は、実施例7と同様に、キャストフィルムを得た。
これらのフィルムについて、動摩擦係数、処理後の動摩擦係数、接触角を測定し、摩耗後の表面状態を目視で観察し、また、固着性を評価した。その結果を表2に示す。
表1、2に示した評価結果から明らかなように、シリコーンオイルを添加すると、ポリシロキサンとの親和性が高いために、ポリオレフィン変性ポリシロキサン中のポリシロキサンに吸収されて、十分にその添加効果が発揮されないが、フルオロシリコーンを使用した場合は、その添加効果により、動摩擦係数が低下する。また、ポリオレフィン変性ポリシロキサンの原料として、飽和型ポリジメチルシロキサンを用いた場合には、表面を擦ると、表面に局在するポリシロキサンが剥がれて、表面外観が悪くなる。一方、ビニル基含有ポリジメチルシロキサンを用いると、フルオロシリコーンとの相乗効果により、優れた結果が得られた。
本発明の樹脂組成物及びそれを含有するエラストマー組成物は、初期のスリップ性に優れているので、自動車用ワイパーブレードの改質、ウィンドーシールの改質などの工業材料に好適に利用することができる。
Claims (6)
- ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)に、フルオロシリコーン(B)を配合したことを特徴とする樹脂組成物。
- 組成物全量基準でフルオロシリコーン(B)の配合量は、0.01〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- ポリオレフィン変性ポリシロキサン(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)からなる群から選ばれるポリオレフィンと、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとを加熱混練し、グラフトした共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- フルオロシリコーン(B)は、25℃における粘度が102〜108mm2/sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- オレフィン系エラストマー又はエチレン系樹脂100重量部に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を0.1〜10重量部配合したことを特徴とするエラストマー組成物。
- オレフィン系エラストマーは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種のエラストマーであることを特徴とする請求項5に記載のエラストマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004283045A JP2006096832A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 樹脂組成物 |
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JP2004283045A JP2006096832A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 樹脂組成物 |
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JP (1) | JP2006096832A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015093924A (ja) * | 2013-11-12 | 2015-05-18 | 理研ビタミン株式会社 | オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形品 |
CN112358704A (zh) * | 2018-04-29 | 2021-02-12 | 徐菡 | 一种高硬度防水abs树脂 |
-
2004
- 2004-09-29 JP JP2004283045A patent/JP2006096832A/ja active Pending
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