JP2006096825A - ポリイミド樹脂及びそれを用いた耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド樹脂及びそれを用いた耐熱性樹脂組成物 Download PDF

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治 松坂
Tomohiro Hirata
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Abstract

【課題】 十分な耐熱性及び絶縁性を維持したまま十分に低い弾性率が得られるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることが可能なポリイミド樹脂を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物を含むジアミン成分と、下記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸無水物成分と、を反応させて得られることを特徴とするポリイミド樹脂。
【化1】
Figure 2006096825

[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
【化2】
Figure 2006096825

【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂及びそれを用いた耐熱性樹脂組成物に関する。
近年、各種電子機器の小型化、軽量化が急速に進むのに伴って電子部品の搭載密度も高くなり、それに用いられる各種電子部品、材料に要求される特性も多様化してきている。このような中で特にプリント配線板は、配線占有面積が小型、高密度になり、多層配線板化(ビルドアップ配線板)、フレキシブル配線板化(FPC)等の要求が高まりつつある。
このようなプリント配線板の製造には、絶縁性コーティング材料や接着剤が用いられるが、これらを構成する樹脂には、硬化後において高い耐熱性と高い絶縁性とが得られることが要求されている。また、プリント配線板の基材となる有機基材やセラミック基材、シリコンウェハ等の薄型化に伴い、基材の破損を防止するために、十分な耐熱性及び絶縁性を維持しつつ、より低い弾性率が得られる樹脂の要求が高まりつつある。
このような低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性が得られる樹脂としては、シリコン骨格を導入したポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2609140号公報
しかしながら、シリコン骨格を導入したポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂は、被着体がシリコンウェハである場合を主な用途としており、セラミック基材や有機基材に対する接着性が十分ではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分な耐熱性及び絶縁性を維持したまま十分に低い弾性率が得られるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることが可能なポリイミド樹脂及びそれを用いた耐熱性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明に係るポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物を含むジアミン成分と、下記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸無水物成分と、を反応させて得られることを特徴とする。
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2006096825
かかるポリイミド樹脂は、絶縁性コーティング材料や接着剤となる耐熱性樹脂組成物の構成材料として好適に用いられ、硬化後において、ポリエーテル骨格による十分に低い弾性率と、ポリイミド骨格による十分に高い耐熱性及び絶縁性とを得ることができるとともに、極性の高いエーテル基を有していることによりセラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができる。
また、上記第1の発明に係るポリイミド樹脂を得る際に用いる上記ジアミン成分が、上記第1のジアミノ化合物とは別の下記一般式(3)で表される第2のジアミノ化合物を更に含むことが好ましい。
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示す。]
かかるポリイミド樹脂は、耐熱性樹脂組成物に用いた場合、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性をより十分に得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対してより十分な接着性を得ることができる。
更に、上記第1の発明に係るポリイミド樹脂を得る際に用いる上記テトラカルボン酸無水物成分が、上記第1のテトラカルボン酸二無水物とは別の下記一般式(4)で表される第2のテトラカルボン酸二無水物を更に含むことが好ましい。
Figure 2006096825
[式中、Arは4価の芳香族基を示す。]
かかるポリイミド樹脂は、耐熱性樹脂組成物に用いた場合、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性をより十分に得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対してより十分な接着性を得ることができる。
また、第2の発明に係るポリイミド樹脂は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする。
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
かかるポリイミド樹脂は、絶縁性コーティング材料や接着剤となる耐熱性樹脂組成物の構成材料として好適に用いられ、硬化後において、ポリエーテル骨格による十分に低い弾性率と、ポリイミド骨格による十分に高い耐熱性及び絶縁性とを得ることができるとともに、極性の高いエーテル基を有していることによりセラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができる。
また、上記第2の発明に係るポリイミド樹脂は、上記一般式(5)で表される繰り返し単位とは別の、下記一般式(6)で表される繰り返し単位、下記一般式(7)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(8)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位を更に含むことが好ましい。
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示す。]
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Arは4価の芳香族基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示し、Arは4価の芳香族基を示す。]
かかるポリイミド樹脂は、耐熱性樹脂組成物に用いた場合、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性をより十分に得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対してより十分な接着性を得ることができる。
また、上記第1及び第2の発明に係るポリイミド樹脂は、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性を得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができるため、絶縁性コーティング材料又は接着剤の構成材料として用いられることが好ましい。
更に、本発明の耐熱性樹脂組成物は、上記第1及び第2の発明に係るポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする。
上述したポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂とを組み合わせて用いた耐熱性樹脂組成物によれば、硬化後において、ポリエーテル骨格による十分に低い弾性率と、ポリイミド骨格による十分に高い耐熱性及び絶縁性とを得ることができるとともに、極性の高いエーテル基及びエポキシ樹脂由来の水酸基を有していることによりセラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができる。
本発明によれば、十分な耐熱性及び絶縁性を維持したまま十分に低い弾性率が得られるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることが可能なポリイミド樹脂及びそれを用いた耐熱性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物を含むジアミン成分と、下記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸無水物成分と、を反応させて得られることを特徴とする。
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2006096825
上記第1のジアミノ化合物は、分子量が76〜10,000のものであることが好ましい。分子量が10,000を超えると、アミノ基の反応性が低下する傾向がある。
上記第1のジアミノ化合物としては、例えば、ポリオキシイソプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシテトラメチレンジアミン等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記第1のテトラカルボン酸二無水物としては、市販されているものを特に制限なく使用することができ、例えば、大日本インキ社製のEPICLON B−4400等を使用することができる。
また、上記第1のジアミノ化合物を含むジアミン成分は、上記第1のジアミノ化合物とは別の下記一般式(3)で表される第2のジアミノ化合物を更に含むことが好ましい。
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示す。]
かかる第2のジアミノ化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジアミン成分において、上記第1のジアミノ化合物の配合量は特に制限されないが、硬化後の弾性率をより十分に低下させる観点から、ジアミン成分全量を基準として、5〜100重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることがより好ましい。配合量が5重量%未満であると、可とう化(低弾性率化)の効果と接着性向上効果とが十分に得られない傾向にある。なお、配合量が多すぎると、樹脂の極性が上がり絶縁抵抗が低下する傾向があるため、第1のジアミノ化合物の配合量を80重量%以下とし、残部に第2のジアミノ化合物を用いることが特に好ましい。
なお、上記ジアミン成分は、上記第1及び第2のジアミン化合物以外のジアミノ化合物を更に含んでいてもよい。
上記第1のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸無水物成分は、上記第1のテトラカルボン酸二無水物とは別の下記一般式(4)で表される第2のテトラカルボン酸二無水物を更に含むことが好ましい。
Figure 2006096825
[式中、Arは4価の芳香族基を示す。]
かかる第2のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記テトラカルボン酸無水物成分において、上記第1のテトラカルボン酸二無水物の配合量は特に制限されないが、硬化後の弾性率をより十分に低下させる観点から、テトラカルボン酸無水物成分全量を基準として、5〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%であることがより好ましく、80〜98重量%であることが特に好ましい。配合量が5重量%未満であると、可とう化(低弾性率化)の効果が十分に得られない傾向にある。なお、配合量が多すぎると、反応性が低下する傾向があるため、第1のテトラカルボン酸二無水物の配合量を98重量%以下とし、残部に第2のテトラカルボン酸二無水物を用いることが特に好ましい。
なお、上記テトラカルボン酸無水物成分は、上記第1及び第2のテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物を更に含んでいてもよい。
また、上記ジアミン成分と上記テトラカルボン酸無水物成分との混合比は、モル比でジアミン成分:テトラカルボン酸無水物成分=1:0.5〜1:1.5とすることが好ましく、1:1.01〜1:1.2とすることがより好ましい。あまりにも大きく双方のモルバランスが崩れると、得られるポリイミド樹脂の分子量が減少し、樹脂特性を十分に満足しなくなる傾向がある。一方、等モルでの反応は得られるポリイミド樹脂の分子量が大きくなりすぎ、増粘して作業性が悪くなる傾向がある。また、ジアミン成分が過剰な場合、得られるポリイミド樹脂はエポキシ樹脂等に対する反応性が高くなり、耐熱性樹脂組成物とした場合の粘度安定性が低下する傾向がある。
本発明のポリイミド樹脂は、上記ジアミン成分と上記テトラカルボン酸無水物成分とを混合し、反応させることによって得ることができる。反応は、上記ジアミン成分と上記テトラカルボン酸無水物成分とを溶媒中で加熱することによって行うことができる。溶媒は特に制限されないが、溶解性の観点から極性溶媒を用いることが好ましい。具体的には、N−メチルピロリドン(NMP)、ガンマ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォニルオキシド等が好適に用いられる。
本発明のポリイミド樹脂を合成する際の溶媒に対する固形分(ジアミン成分及びテトラカルボン酸無水物成分)濃度は特に制限されないが、溶媒及び固形分の総量を基準として、0.1重量%以上とすることが好ましく、1〜65重量%とすることがより好ましい。
また、本発明のポリイミド樹脂を合成する際には、反応触媒として例えばトリエチルアミン、ピリジン等の塩基性化合物や、無水酢酸、無水プロピオン酸等の脱水剤を用いることができる。また、ベンゼン、トルエン、キシレン等を適量加え、脱水閉環反応により生じる水を共沸により反応系から除去し、脱水閉環反応を促進することもできる。
以上のようにして得られる本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする。
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
また、本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(6)で表される繰り返し単位、下記一般式(7)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(8)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位を更に含むことが好ましい。なお、これらの繰り返し単位は、上記一般式(5)で表される繰り返し単位とは別のものである。
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示す。]
Figure 2006096825
[式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Arは4価の芳香族基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2006096825
[式中、Rは2価の有機基を示し、Arは4価の芳香族基を示す。]
上記一般式(5)で表される繰り返し単位は、上記第1のジアミノ化合物と上記第1のテトラカルボン酸二無水物との反応によって生じるものである。また、上記一般式(6)で表される繰り返し単位は上記第2のジアミノ化合物と上記第1のテトラカルボン酸二無水物との反応によって、上記一般式(7)で表される繰り返し単位は上記第1のジアミノ化合物と上記第2のテトラカルボン酸二無水物との反応によって、上記一般式(8)で表される繰り返し単位は上記第2のジアミノ化合物と上記第2のテトラカルボン酸二無水物との反応によって、それぞれ生じるものである。
本発明のポリイミド樹脂は、上記一般式(5)〜(8)で表される構成単位を全て有するものであることが特に好ましく、これにより、低弾性率、高耐熱性、高絶縁性、及び、セラミック基材及び有機基材に対する接着性の全てを高水準に達成することができる。
また、本発明のポリイミド樹脂は、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性を得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができることから、絶縁性コーティング材料や接着剤の構成材料として好適に用いられる。
次に、本発明の耐熱性樹脂組成物について説明する。
本発明の耐熱性樹脂組成物は、上述したポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂と、を含有することを特徴とするものである。
エポキシ樹脂としては任意のものを用いることができるが、加熱による硬化反応時に架橋構造を形成し耐溶剤性を向上させる観点から、2官能以上のものが好ましい。本発明において使用されるエポキシ樹脂として具体的には、例えば、YH−434L(東都化成社製)、R−140、R−139(以上、三井化学社製)、エピコート828(油化シェル社製)等が挙げられる。また、反応性に劣るエポキシ樹脂を用いる場合には、任意の硬化促進剤を併用することができる。
本発明の耐熱性樹脂組成物には、更に必要に応じて吸湿剤、各種カップリング剤等の接着力向上剤、界面活性剤等の濡れ向上剤、消泡剤、イオントラップ剤、重合禁止剤、ブリード抑制剤等を添加することができる。
上述した構成を有する本発明の耐熱性樹脂組成物は、硬化後において、低弾性率、高耐熱性及び高絶縁性を十分に得ることができるとともに、セラミック基材及び有機基材に対して十分な接着性を得ることができる。したがって、本発明の耐熱性樹脂組成物は、絶縁性コーティング材料や接着剤として好適に用いられる。
本発明の耐熱性樹脂組成物を用いて電気回路等の絶縁性塗膜を形成する方法としては、セラミックなどの基材に本発明の耐熱性樹脂組成物を所望の厚さ、形状に塗布し、乾燥、硬化する方法が挙げられる。このときの塗布、乾燥及び硬化の方法や条件は特に限定されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(ポリイミド樹脂の合成)
攪拌機、温度計、コック付き25mlの水分定量受器、及び、窒素導入管を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン359gと、上記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物(ポリエーテル構造含有ジアミン)であるジェファーミンD−400(商品名、ポリオキシエチレンジアミン、サンテクノケミカル社製)270.8gとを入れ、窒素ガスを150ml/分で導入しながら均一になるまで約5分間攪拌した。
次に、攪拌しながら上記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物であるB−4400(商品名、大日本インキ社製)168.0gを1時間かけて徐々に添加した。このとき、反応の進行に伴う発熱により、反応液温は20℃から45℃まで上昇した。
その後、添加したテトラカルボン酸二無水物が完全に溶解するまで攪拌し、トルエン50gを添加して140℃に昇温した。そして、トルエンを還流し、発生する水分を水分定量受器に受けながら140℃で8時間過熱攪拌した。水分及びトルエンを抜き出した後、200℃に昇温し、更に6時間過熱攪拌した。このとき、水分定量受器に溜まったN−メチル−2−ピロリドンと水との混合液は留去した。これにより、ポリイミド樹脂の合成を完了した。得られたポリイミド樹脂は、下記式(9)で表される繰り返し単位を有するものであり、その数平均分子量は17,000であった。
Figure 2006096825
[式中、nは5又は6を示す。]
(耐熱性樹脂組成物の作製)
得られたポリイミド樹脂50.0gにエポキシ樹脂(商品名:YH−434L、東都化成社製)2.95gを添加し、混合することによって耐熱性樹脂組成物を得た。
[実施例2]
(ポリイミド樹脂の合成)
攪拌機、温度計、コック付き25mlの水分定量受器、及び、窒素導入管を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン358.5gと、上記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物(ポリエーテル構造含有ジアミン)である、下記式(10)で表されるXTJ−542(商品名、サンテクノケミカル社製)185.2gと、上記一般式(3)で表される第2のジアミノ化合物であるヘキサメチレンジアミン60.2gとを入れ、均一になるまで約5分間攪拌した。
Figure 2006096825
次に、窒素ガスを150ml/分で導入しつつ攪拌しながら、上記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物であるB−4400(商品名、大日本インキ社製)192.8gを1時間かけて徐々に添加した。このとき、反応の進行に伴う発熱により、反応液温は20℃から43℃まで上昇した。
その後、添加したテトラカルボン酸二無水物が完全に溶解するまで攪拌し、トルエン50gを添加して140℃に昇温した。そして、トルエンを還流し、発生する水分を水分定量受器に受けながら140℃で8時間過熱攪拌した。水分及びトルエンを抜き出した後、200℃に昇温し、更に6時間過熱攪拌した。このとき、水分定量受器に溜まったN−メチル−2−ピロリドンと水との混合液は留去した。これにより、ポリイミド樹脂の合成を完了した。得られたポリイミド樹脂は、下記式(11a)及び下記式(11b)で表される繰り返し単位を3:7の割合で含むものであり、その数平均分子量は24,000であった。
Figure 2006096825
Figure 2006096825
(耐熱性樹脂組成物の作製)
得られたポリイミド樹脂50.0gにエポキシ樹脂(商品名:YH−434L、東都化成社製)2.91gを添加し、混合することによって耐熱性樹脂組成物を得た。
[比較例1]
(ポリイミド樹脂の合成)
攪拌機、温度計、コック付き25mlの水分定量受器、及び、窒素導入管を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン302.4gと、上記一般式(3)で表されるジアミノ化合物であるノナンジアミン75.5gとを入れ、均一になるまで約5分間攪拌した。
次に、窒素ガスを150ml/分で導入しつつ攪拌しながら、上記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物であるB−4400(商品名、大日本インキ社製)126.1gを1時間かけて徐々に添加した。このとき、反応の進行に伴う発熱により、反応液温は20℃から75℃まで上昇した。
その後、添加したテトラカルボン酸二無水物が完全に溶解するまで攪拌し、トルエン50gを添加して140℃に昇温した。そして、トルエンを還流し、発生する水分を水分定量受器に受けながら140℃で8時間過熱攪拌した。水分及びトルエンを抜き出した後、200℃に昇温し、更に6時間過熱攪拌した。このとき、水分定量受器に溜まったN−メチル−2−ピロリドンと水との混合液は留去した。これにより、ポリイミド樹脂の合成を完了した。得られたポリイミド樹脂は、下記式(12)で表される繰り返し単位を有するものであり、その数平均分子量は28,000であった。
Figure 2006096825
(耐熱性樹脂組成物の作製)
得られたポリイミド樹脂50.0gにエポキシ樹脂(商品名:YH−434L、東都化成社製)2.16gを添加し、混合することによって耐熱性樹脂組成物を得た。
[比較例2]
(ポリアミック酸樹脂の合成)
攪拌機、温度計、コック付き25mlの水分定量受器、及び、窒素導入管を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン421.0gと、上記一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物であるベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.7gとを入れ、80℃に昇温し均一になるまで約15分間攪拌した。
次に、窒素ガスを150ml/分で導入しつつ攪拌しながら、上記一般式(3)で表される第2のジアミノ化合物である、下記式(13)で表されるシリコンジアミンX22−161A(商品名、信越化学社製)142.2gを30分間かけて徐々に添加した。
Figure 2006096825
続いて、80℃で6時間撹拌した後、20℃まで冷却し、更に上記一般式(3)で表されるジアミノ化合物であるジアミノジフェニルエーテル42.1gを30分間かけて添加した。このとき、反応の進行に伴う発熱により、反応液温は20℃から45℃まで上昇した。その後、75℃まで昇温し、8時間撹拌した。このとき、水分定量受器に溜まったN−メチル−2−ピロリドンと水との混合液は留去した。これにより、ポリアミック酸樹脂の合成を完了した。得られたポリアミック酸樹脂は、下記式(14a)及び下記式(14b)で表される繰り返し単位を3:7の割合で含むものであり、その数平均分子量は20,000であった。
Figure 2006096825
Figure 2006096825
(耐熱性樹脂組成物の作製)
得られたポリアミック酸樹脂50.0gにエポキシ樹脂(商品名:YH−434L、東都化成社製)2.16gを添加し、混合することによって耐熱性樹脂組成物を得た。
〔弾性率及び耐熱性評価試験〕
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた耐熱性樹脂組成物をガラス板上に塗布して90℃で15分間仮乾燥し、更に200℃で1時間本硬化して耐熱性樹脂フィルムを作製した。得られた耐熱性樹脂フィルムについて、25℃での引っ張り試験、5%熱重量減少温度の測定(TG−DTA法、セイコーインスツルメンツ社製、昇温速度:10℃/分)、及び、ガラス転移温度の測定(TMA法、セイコーインスツルメンツ社製、昇温速度:10℃/分)を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006096825
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜2の耐熱性樹脂組成物は、比較例1〜2の耐熱性樹脂組成物と比較して、硬化物としたときに十分な耐熱性を維持したまま、十分に低い弾性率及び十分に大きい伸び率が得られることが確認された。このように、十分に低い弾性率及び十分に大きい伸び率が得られることにより、薄型の各種基材を構成した場合に、その基材の破損を十分に防止することができる。
〔付着性評価試験〕
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた耐熱性樹脂組成物を、セラミック基材及びポリイミドフィルム(商品名:カプトンEN、東レデュポン社製)のそれぞれに塗布し、90℃で15分間仮乾燥し、更に200℃で1時間本硬化した。得られた硬化物に対して、JIS K 5400(1990年)に規定されている碁盤目法に準拠して付着性評価試験を行った。なお、切り傷の間隔は1mmとし、ます目の数は100とした。このときの剥がれが生じていない残目数の測定結果を表2に示す。
Figure 2006096825
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜2の耐熱性樹脂組成物は、比較例1〜2の耐熱性樹脂組成物と比較して、セラミック基材及び有機基材に対する十分な接着性が得られることが確認された。
〔絶縁破壊試験〕
実施例1〜2及び比較例1で得られた耐熱性樹脂組成物を、ブリキ板上に200μm厚で塗布し、90℃で15分間仮乾燥し、更に200℃で1時間本硬化した。得られた硬化物に対して160℃で絶縁破壊試験を行った。このときの絶縁破壊電圧の測定結果を表3に示す。
Figure 2006096825
実施例1〜2の耐熱性樹脂組成物は、ポリエーテル鎖の導入による樹脂極性の向上に起因して絶縁性が低下することが懸念されたが、表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜2の耐熱性樹脂組成物は、高温において十分な絶縁性を有していることが確認された。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される第1のジアミノ化合物を含むジアミン成分と、下記一般式(2)で表される第1のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸無水物成分と、を反応させて得られることを特徴とするポリイミド樹脂。
    Figure 2006096825
    [式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2006096825
  2. 前記ジアミン成分が、前記第1のジアミノ化合物とは別の下記一般式(3)で表される第2のジアミノ化合物を更に含むことを特徴とする請求項1記載のポリイミド樹脂。
    Figure 2006096825
    [式中、Rは2価の有機基を示す。]
  3. 前記テトラカルボン酸無水物成分が、前記第1のテトラカルボン酸二無水物とは別の下記一般式(4)で表される第2のテトラカルボン酸二無水物を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載のポリイミド樹脂。
    Figure 2006096825
    [式中、Arは4価の芳香族基を示す。]
  4. 下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリイミド樹脂。
    Figure 2006096825
    [式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  5. 前記一般式(5)で表される繰り返し単位とは別の、下記一般式(6)で表される繰り返し単位、下記一般式(7)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(8)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位を更に含むことを特徴とする請求項4記載のポリイミド樹脂。
    Figure 2006096825
    [式中、Rは2価の有機基を示す。]
    Figure 2006096825
    [式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Arは4価の芳香族基を示し、nは1〜100の整数を示す。なお、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2006096825
    [式中、Rは2価の有機基を示し、Arは4価の芳香族基を示す。]
  6. 絶縁性コーティング材料の構成材料として用いられることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のポリイミド樹脂。
  7. 接着剤の構成材料として用いられることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のポリイミド樹脂。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
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