JP2006095418A - 塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電着塗装された基材の上に中塗り塗料、外板用ソリッドカラー塗料を塗布するに際し、内板用塗料の出した部分でヘコミが発生するなどの塗膜異常を防止する方法を提供すること。
【解決手段】 内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウェットオンウェットで塗装し、前記ウェット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、中塗り塗料、内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料の塗着粘度が、中塗り塗料>内板専用ソリッドカラー塗料>外板用ソリッドカラー塗料の順になり、且つ、内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料の顔料濃度(PWC)が、内板専用ソリッドカラー塗料≧外板用ソリッドカラー塗料の順になることを特徴とする塗膜形成方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、内板部と外板部を有する基材、特に自動車車体の塗膜形成方法に関する。
自動車車体等の基材の塗装は、図1に示されるように、ボンネットや屋根などの外板部2とエンジンルーム、ドアオープニング部および室内などの内板部4とにそれぞれ異なる塗装が施される。内板部では外板部程の十分な耐候性等の性能が備わらなくても良いので、内板用の専用塗料が塗装され、外板部においては、意匠性の高い耐候性の優れた塗膜が塗装される。
上述のような基材は、図2に示すような模式断面をもつように塗装されることがある。即ち、内板部と外板部を有する基材10は被塗物9と電着塗膜8とからなり、その上に外板部には中塗り塗料で中塗り塗膜11を形成し、内板部には内板専用ソリッドカラー塗料を塗布して内板ソリッドカラー塗膜12を形成する。そしてその後外板部には外板用ソリッドカラー塗料によりソリッドカラー塗膜13を形成する。
図2のような塗装方法をとる場合、内板部に塗装する内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分にも一部塗装され重複部分が生じたり、内板の塗装時の飛沫が中塗り塗膜11上に点在することになる。同じことが外板部のソリッドカラー塗料塗装時にも起こるが、問題となる部分は中塗り塗料と外板部ソリッドカラー塗膜13との間に形成される内板塗料部分あるいはそれの塗料飛沫(ダストともいう)12’が塗着する部分である。
最近、塗料を塗装した時点で、加熱硬化を行わず(ウェット・オン・ウェット塗装ともいう。)、2層あるいは3層を重ねた状態で加熱硬化を行うこと(ツーコート・ワン・ベークあるいはスリーコート・ワン・ベーク方法ともいう。)が一般に行われている。これは、乾燥や加熱工程を省略したりエネルギーを削減したりするメリットがある。一方では、それぞれの層がウェット状態で形成されるので、層間に相互作用が生じる恐れがあり、それを克服する必要がある。
図2のような塗装形態を取る場合、内板部の塗料は、一層で色相を発現し、下地塗膜を隠蔽する必要があるため一般に顔料が多く、粘度が高い塗料であり、外板部では外観の良さを求めるため、必ずしもそのような塗料ではない。内板部の塗料がスプレー飛沫として中塗り塗膜11の平面に付着した場合は、その飛沫はスプレーノズルから塗着するまでの間に溶剤が揮散し極めて濃度の高い状態で中塗り塗膜11上に付着する。その状態は図2で12’として表す。その上に、外板部のソリッドカラー塗膜13が形成される。しかし、中塗り塗膜11およびソリッドカラー塗膜13を内板用ソリッドカラー塗膜12あるいはそのスプレー飛沫12’部分を残したまま一度に加熱硬化させると、硬化塗膜表面に当業者でボケあるいはツヤボケと呼ばれる凸凹のある塗膜欠陥が現れる。
特許文献1(特開平11−181356号公報)には、上塗り塗装による外板塗装前に内板塗装用の塗料を塗装する際に生じるぼけ感などの問題点を認識した上で、内板塗装用塗料について組成面からの検討を加えている。
特開平11−181356号公報
本発明は、上記のような塗膜欠陥が表面に現れない塗装方法を提供するものである。
本発明は、上記欠点のない塗膜形成方法を提供することにある。すなわち、本発明は、内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料(A)を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料(B)を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料(C)を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウェットオンウェットで塗装し、前記ウェット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、
前記中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の塗着粘度が、前記中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の順に低くなり、且つ、前記内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の顔料濃度(PWC)が、前記内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の順に低くなり、
更に、前記中塗り塗料(A)が、イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)40〜56重量%;
メラミン樹脂(b)10〜30重量%;
ヘキサメチレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物を活性メチレン基を有する化合物でブロックしたイソシアネート化合物(c)15〜30重量%;
コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)4〜15重量%((a)〜(d)の量は塗料樹脂固形分重量を基準にする。);および長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmである扁平顔料(e)0.4〜2重量部(塗料樹脂固形分重量を100重量部とする。);
を含有することを特徴とする塗膜形成方法を提供する。尚、塗着粘度とは、スプレー等の塗装機の塗装ノズルから塗料が吐出し、塗粒となって飛行した後、被塗物に付着した塗料、すなわち連続あるいは不連続であって良いが、塗膜状に付着した後の塗料の粘度のことをいう。
特定の理論に拘束される訳ではないが、本発明者らは上記塗膜形成方法において、表面にボケすなわち塗膜不良が生じるのは、中塗り塗料塗布層と外板用ソリッドカラー塗料塗布層の間に形成される内板専用ソリッドカラー塗料の重複する層あるいは塗料塗装時に飛散した塗装ダストが原因であると考える。特に内板専用ソリッドカラー塗料は隠蔽性を必要とするため顔料の含有量が高く、厚膜塗装できるように溶剤の含有量が少なくなっている為、加熱硬化時に中塗り塗料と外板用ソリッドカラー塗料との溶剤の含有量に差が生じて、形成された積層塗膜内で膨張や収縮現象が生じるからであると考えた。そこで、本発明者らは塗着粘度に注目し、塗着粘度をある種の勾配、即ち中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の塗着粘度が中塗り塗料>内板専用ソリッドカラー塗料>外板用ソリッドカラー塗料のようにすることにより、そして中塗り塗料の組成をも限定することにより、塗膜外観の悪さを解消することができることを見出した。また、顔料濃度(PWC)も塗膜欠陥に関係し、顔料濃度を内板専用ソリッドカラー塗料>外板用ソリッドカラー塗料のようにすることが必要である。
本発明によれば、内板専用ソリッドカラー塗料が外板部分に多く飛散しても、硬化塗膜上に外観の不良が生じない、優れた塗膜が形成される。
塗着粘度の調整
本発明の場合、その際中塗り塗料は塗着粘度が70〜300Pa・s、好ましくは100〜300Pa・s、より好ましくは150〜250Pa・sであり、内板専用ソリッドカラー塗料の塗着粘度は20〜200Pa・s、好ましくは50〜180Pa・s、より好ましくは80〜150Pa・sである。外板用ソリッドカラー塗料の塗着粘度は5〜100Pa・sであり、好ましくは10〜80Pa・s、より好ましくは15〜50Pa・sである。
さらに、中塗り塗料と内板専用ソリッドカラー塗料の塗着粘度の差は、30Pa・s以上、好ましくは30〜100Pa・s、より好ましくは50〜100Pa・sであって、中塗り塗料の方が高い。さらに、内板専用ソリッドカラー塗料と外板用ソリッドカラー塗料の塗着粘度の差は50Pa・s以上であり、好ましくは50〜100Pa・s、より好ましくは70〜100Pa・sである。この場合当然内板専用ソリッドカラー塗料の塗着粘度が高くなる。
それぞれの塗料が上記塗着粘度の順にならない場合あるいはそれぞれの塗着粘度が所定の範囲を外れる場合には、硬化時に一部の塗料のみの粘度上昇が促進され、表面の欠陥が目立つようになる
上記のように塗料の塗着粘度を制御する方法は、種々の方法が考えられる。それぞれの塗料中の配合原料の組合せを変えることによっても塗着粘度をコントロールすることができる。最も簡単に塗着粘度をコントロールする方法としては、塗料中に配合される希釈のための溶剤を選択することによりコントロールすることである。
なお、塗着粘度は、ブリキ板上に一定の距離から塗装ガンで塗装して、1分以内に塗装板から塗料を掻き取り、密閉して保存する。保存した塗料を1時間以内に粘度測定装置(ソリキッドメーター MR−300/レオロジー社製)により、ズリ速度0.1S−1の粘度(Pa・s)を測定したものである。
塗着粘度は塗着時の固形分によりコントロールすることができる。塗着時の固形分は塗着時に残存する溶剤量により制御することができるが、中沸点溶剤と高沸点溶剤とを適当量使用することで、蒸発速度を調整することができ、残存量も調整でき、目標の塗着粘度を得るための適当な塗着時固形分に調整することができる。何故ならば、例えば沸点の高い溶剤を選ぶと、スプレー塗装した場合、沸点の低い溶剤は揮散する傾向が強いが、沸点の高い溶剤は揮散せず、塗料中に残る。すなわち残る溶剤の量が一定量であれば、塗着した粘度は一定にコントロールすることができる。従って、溶剤をコントロールする方法がより容易かつ一般であり、好ましい。
上記高沸点溶剤とは、沸点が190℃を超える有機溶剤であり塗装機から塗粒として吐出した状態で、塗粒内から溶剤分がほとんど揮発せず、残存したまま塗着するものと考えられる。一方、沸点が190℃以下の有機溶剤は、塗装環境や塗装条件(吐出量・霧化圧力等)によって、揮発する程度を制御できるものと考えられる。塗料を塗装粘度に希釈する場合に上記高沸点溶剤と中沸点溶剤の混合バランスで塗着時の固形分をコントロールすることができる。尚、沸点が130℃未満の低沸点溶剤は、塗料が霧化した時点で大部分が揮発するものと考えられる。
また、残存溶剤の種類はダストの溶解性に寄与し、外板用ソリッドカラー塗料にエステル、アルコールなどの極性溶剤をより多く配合することにより内板塗料ダストに対する溶解性が増すことで、ダストを溶解し、凹凸の発生を防ぐことができる。
更に、内板専用ソリッドカラー塗料は顔料濃度(PWC)が高く、ダストとして濃度の高い状態で付着する。そこで、外板用ソリッドカラー塗料のPWCを下げることで樹脂分を増し、外板用ソリッドカラー塗料に内板塗料ダストに対する溶解性を付与することで、ダストを溶解し凹凸の発生を防ぐことができる。また、PWCを下げることで、塗着粘度を下げることもできる。
各塗料は、塗装粘度に希釈した状態で、沸点130〜190℃である中沸点溶剤を、希釈塗料総重量に対し、8〜35重量%含有する。上記中沸点溶剤の含有量が上限を越えると塗着粘度の低下により、他の塗膜層との界面でなじみや混層が発生し、タレ等の外観不良が起こることがある。下限を下回ると塗着粘度の上昇により、外観不良が発生することがある。好ましくは9〜28重量%である。
上記沸点が130〜190℃である中沸点溶剤としては、具体的には、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(通称「セロアセ」、沸点156℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(通称「PMAC」、沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(通称「PEAC」、沸点158℃)、オキソヘキシルアセテート(通称「OHA」、沸点170℃)、メチルメトキシブチルアセテート(通称「ソルフィットアセテート」、沸点188℃)、メトキシブチルアセテート(通称「メトアセ」、沸点173℃)、エチルエトキシプロピオネート(通称「EEP」、沸点169℃)、等のエステル系溶剤;
キシレン(沸点144℃)、ミネラルスピリット(沸点140−180℃)等の芳香族系溶剤;
メチルメトキシブタノール(通称「ソルフィット」、沸点174℃)、エトキシプロパノール(通称「EP」、沸点132℃)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(沸点141℃)、エチレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点152℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(通称「エチセロ」、沸点136℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(通称「ブチセロ」、沸点171℃)、メチルメトキシブタノール(通称「ソルフィット」、沸点174℃)、メトキシブタノール(通称「メトブタ」、沸点160℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)等のエーテル系溶剤;
スワゾール310(エクソン社製、沸点153−177℃、商品名)、シェルゾール70(昭和シェル社製、沸点143−164℃、商品名)、シェルゾール71(昭和シェル社製、沸点165−192℃、商品名)、シェルゾールD40(昭和シェル社製、沸点151−188℃、商品名)、シェルゾールA(昭和シェル社製、沸点160−182℃、商品名)、S−100(エッソ社製溶剤、沸点158−177℃、商品名)、S−150(エッソ社製溶剤、沸点185−211℃、商品名)等の脂肪族系溶剤等が挙げられる。
上述した中沸点溶剤のなかでも、エーテル系溶剤と脂肪族系溶剤とを、希釈塗料総重量に対し、10〜25重量%含有すると塗着粘度が適正な範囲にコントロールするという点で好ましい。さらに、エーテル系溶剤と脂肪族系溶剤とを、3/2〜1/3の範囲で使用することで外観に優れた塗膜を形成することができる。
さらに、本発明で用いられる各塗料は、塗装粘度に希釈した時、揮発成分と成る溶剤の総重量内に、上記中沸点エステル系溶剤に加え、高沸点溶剤および低沸点溶剤等のその他の溶剤を含有することができる。これらの溶剤は、塗着粘度を塗装環境に左右され難くするために用いる。
上記高沸点溶剤としては、沸点が190℃を越える溶剤のことであり、希釈塗料総重量に対し、1〜8重量%含有する。上記高沸点溶剤の含有量が上限を越えると塗着粘度の低下により、他の塗膜層との界面でなじみや混層が発生し、タレ等の外観不良が起こることがある。下限を下回ると塗着粘度の上昇により、外観不良が発生することがある。好ましくは1.5〜7重量%である。
具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点191℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(通称「酢酸カルビトール」、沸点217℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(通称「酢酸ブチルカルビトール」、沸点246℃)等のエステル系溶剤;
イソホロン(沸点215℃)等のケトン類;
エチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点208℃)、エチレングリコール2エチルヘキシルエーテル(沸点225℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点203℃)等のエーテル系溶剤等が挙げられる。
上述した高沸点溶剤の中でも、エステル系溶剤を、1.5〜5重量%含有することが外観上好ましい。
その他に用いることができる低沸点溶剤としては、沸点が130℃を下回る溶剤のことであり、具体的には、酢酸エチル(沸点77℃)、酢酸ブチル(沸点126℃)、酢酸イソブチル(沸点118℃)等の上述以外のエステル系溶剤;
プロピレングリコールモノメチルエーテル(通称「メトキシプロパノール」、沸点120℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(通称「メチセロ」、沸点124℃)等のエーテル系溶剤;
メタノール(沸点65℃)、ブタノール(沸点117℃)、エタノール(沸点78℃)、プロピルアルコール(沸点97℃)等のアルコール系溶剤;
アセトン(沸点56℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)、メチルイソブチルケトン(沸点118℃)等のケトン系溶剤;
nヘキサン(沸点69℃)、ヘプタン(沸点98℃)、シクロヘキサン(沸点81℃)等の脂肪族系溶剤;
トルエン(沸点111℃)等の芳香族系溶剤等が挙げられる。
前記希釈溶剤の総量は、希釈塗料総量に対し、25〜55重量%で含有することが好ましい。上記希釈溶剤総量が上記範囲を外れると、塗装作業性が低下する。好ましくは30〜50重量%である。
被塗物
本基材被塗物に用いる被塗物は、主として自動車の車体などであるが、それに限定されず、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛などおよびこれらの金属を含む合金などの金属、ガラス、プラスチック、発泡体および鋳造物からなるものが挙げられる。金属基材を使用する場合は、予めリン酸塩、クロム酸塩などで化成処理されていることが好ましい。
上記被塗物の上には、電着塗膜が形成され、基材を構成する。電着塗膜はカチオン型およびアニオン型の電着塗料により形成されるが、防食性において優れているカチオン電着塗料が一般的である。
中塗り塗膜
本発明の塗膜形成方法において、中塗り塗膜の形成には中塗り塗料が用いられる。
中塗り塗料は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)、及び扁平顔料(e)を含有する。この中塗り塗料は、更に、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)としては、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のものが挙げられる。
更に上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして40〜56重量%である。含有量が40重量%を下回ると耐チッピング性能が不十分となり、56重量%を上回ると塗膜硬度が低下する。好ましくは43〜50重量%である。
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は数平均分子量が1500〜3000である。好ましくは1700〜2500である。1500より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、3000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
また上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、30〜180の水酸基価を有することが好ましく、更に好ましくは40〜160である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、3〜30mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、更に好ましくは5〜25mgKOH/gである。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
一般に、ポリエステル樹脂は多価カルボン酸及び/又は酸無水物のような酸成分と多価アルコールを重縮合することによって製造することができるが、本発明に用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、上記酸成分中にイソフタル酸を、酸成分の全モル数を基準にして80モル%以上含有する。酸成分中のイソフタル酸の量が80モル%を下回ると水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が低くなりすぎる。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、40〜80℃、好ましくは45〜75℃のガラス転移点(Tg)を有する。上記ガラス転移点(Tg)が下限を下回ると塗膜硬度が低下し、上限を上回ると耐チッピング性能が低下する。
上記イソフタル酸以外の多価カルボン酸及び/又は酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記多価カルボン酸及び/又は酸無水物と多価アルコール成分以外の他の反応成分として、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等を含んでいてもよい。また、乾性油、反乾性油及びそれらの脂肪酸を含有していてもよい。例えば、具体的には、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸及び多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
上記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体を用いることが、耐チッピング性能、耐候性の観点から好ましい。
上記メラミン樹脂(b)としては、塗料樹脂固形分重量を基準にして10〜30重量%である。含有量が10重量%を下回ると硬化性が不十分となり、30重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。好ましくは、15〜25重量%である。
上記メラミン樹脂としては、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチル、ブチル混合型メラミン樹脂を用いることができる。例えば三井サイテック株式会社から市販されている「サイメル−303」、「サイメル254」、「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
上記ブロックイソシアネート化合物(c)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートあるいはそのヌレート体等の多量体に、活性メチレン基を有する化合物を付加させることによって得られ、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂中の官能基と反応し硬化するものが挙げられる。上記活性メチレン基を有する化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物が挙げられる。
上記ブロックイソシアネート化合物の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして、15〜30重量%である。17〜25重量%であることが更に好ましい。上記範囲外では、硬化が不足する。
例えば、具体的には旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート「デュラネートMF−K60X」等が挙げられる。
上記コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)としては、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋樹脂粒子として調製することができる。非架橋樹脂粒子を得るため分散安定樹脂の存在下で共重合させる単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されない。
但し、上記分散安定樹脂及び非水ディスパージョンを合成するためには、官能基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。官能基を有する非水ディスパージョンは官能基を含有せしめた分散安定樹脂と共に後記硬化剤と反応して三次元に架橋した塗膜を形成することができるからである。
上記非水ディスパージョン樹脂(d)の含有量は、塗料樹脂固形分重量を基準にして4〜15重量%である。含有量が4重量%を下回ると総合塗膜外観が不十分となり、15重量%を上回ると耐チッピング性能が低下する。好ましくは、5〜12重量%である。
上記分散安定樹脂は、非水ディスパージョンを有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸基価が10〜250、好ましくは20〜180であり、酸価が0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、数平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000であるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることが好ましい。上限を越えると、樹脂のハンドリング性が低下し、非水ディスパージョン自身のハンドリングも低下する。下限を下回ると塗膜にした場合に樹脂が脱離したり、粒子の安定性が低下したりする。
上記分散安定樹脂の合成方法は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。更に、上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択され得るが、後述する非水ディスパージョンを合成するために用いられる重合性単量体が有するような、水酸基、酸基等の官能基を有するものを用いることが好ましく、更に必要に応じて、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。
また、上記分散安定樹脂と上記重合性単量体との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計重量に基いて分散安定樹脂は3〜80重量%、特に5〜60重量%、重合性単量体は97〜20重量%、特に95〜40重量%が好ましい。さらに有機溶剤中における分散安定樹脂と重合性単量体との合計濃度は合計重量を基準に、30〜80重量%、特に40〜60重量%が好ましい。
上記非水ディスパージョンは、分散安定樹脂の存在下でラジカル重合性の単量体を重合させることによって得ることができる。この非水ディスパージョンとしては、水酸基価が50〜400、好ましくは100〜300であり、酸価が0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、平均粒径(D50)が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであるものが好ましい。下限を越えると粒子形状を維持できず、上限を越えると塗料に分散した場合の安定性が低下する。
上記非水ディスパージョンを合成するために用いられる官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)メタクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
一方、酸性基を有するものとしては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する重合性単量体の例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸性基を有する重合性単量体を用いる場合は、酸性基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等が官能基を有する重合性単量体として挙げられる。
この他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等)、C以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応物、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マイレン酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジメチルなど)、その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等の重合性単量体が挙げられる。
上記非水ディスパージョンを得るための重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等が挙げられる。これらの開始剤の使用量は重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が望ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶剤中での非水ディスパージョンを得るための重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
また、上記非水ディスパージョンは架橋重合体微粒子と異なり、塗料中においては粒子成分であるが、塗膜においては粒子構造を形成しない特徴を有する。つまり非水ディスパージョンは粒子内に架橋部位が存在しないため、焼き付け過程で粒子形状が変化し、樹脂成分となり得る点が架橋重合体微粒子とは異なる。
更に、例えば色材、48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子も使用することができる。
上記扁平顔料(e)としては、マイカ、アルミナ、タルク及びシリカ等を挙げることができるが、タルクを用いることがチッピング性能の観点から好ましい。
上記扁平顔料の寸法は、長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmであることが好ましい。長径が上記範囲外であると塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなり、数平均粒径が上記範囲外であると同様に塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能が出なくなる。
上記扁平顔料(e)の含有量は、塗料中の樹脂固形分重量を100重量部として、0.4〜2重量部である。0.5〜1.5重量部であることが更に好ましい。上記範囲外では、下地塗膜との付着性が低下するので十分なチッピング性能を得られない。
上記その他に含有させることができる樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。
また着色顔料として、例えば有機系のアゾキレート系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等を用いることができる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉、カオリン等を用いることができる。中塗り塗料の全顔料濃度(PWC)は、30〜55重量%であることが好ましく、35〜50重量%であることが更に好ましい。上限を超えると外観が低下し、下限未満では、下地塗膜の隠蔽性が低下する。38〜47重量%であることが特に好ましい。
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のものが用いられる。更に、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
また、上記中塗り塗料には、ソリッドカラー塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料、架橋樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
本発明で用いられる中塗り塗料の塗装時の全固形分量は、30〜80重量%であり、好ましくは35〜65重量%である。この範囲外では塗料安定性が低下する。また上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
本発明に用いられる中塗り塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料
本発明の塗膜形成方法において、内板部分および外板部分のいずれにもソリッドカラー塗料による塗膜が形成されるが、それぞれの部分には専用にソリッドカラー塗料が塗布される。とはいえ、ソリッドカラー塗料に配合される成分に共通のものが多いのでここに同時に説明する。このソリッド塗料には、塗膜形成性樹脂、硬化剤、有機系や無機系の各種着色顔料及び体質顔料等を含有することができる。上記ソリッド塗料は一般的に1コートで塗膜を仕上げ、モノトーンの色調を有するものである。
本発明の塗膜形成方法に用いるソリッド塗料に含有される塗膜形成性樹脂としては、数平均分子量が800〜30000であることが好ましく、更に好ましくは1000〜25000である。800より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、30000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、分子量はスチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
更に、上記塗膜形成性樹脂は、20〜180mgKOH/g(固形分)の水酸基価を有することが好ましく、好ましくは30〜160mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。また、2〜30mgKOH/g(固形分)の酸価を有することが好ましく、更に好ましくは3〜25mgKOH/g(固形分)である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
上記塗膜形成性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂等を好ましいものとして挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが耐候性、耐水性等の塗膜性能面から好ましい。
上記硬化剤としては、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物等が好ましいものとして挙げられる。得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂が一般的に用いられる。
上記硬化剤の含有量は上記塗膜形成性樹脂の固形分に対して20〜100重量%である。含有量が20重量%を下回ると硬化性が不十分となり、100重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。但し、内板専用ソリッドカラー塗料の顔料濃度(PWC)よりも、外板用ソリッドカラー塗料の顔料濃度(PWC)の方が低いことが重要である。塗膜外観が低下するからである。
上記着色顔料としては、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等があげられる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を用いることができる。更に、アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平顔料を光輝感の現れない程度に添加しても良い。内板専用のソリッドカラー塗料はより高い下地隠蔽性が必要であるので、外板用のソリッドカラーとの違いは顔料の選択あるいは配合量に差が生じる。内板専用ソリッドカラー塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、35〜65%であり、好ましくは、38%〜60%であり、より好ましくは、43%〜55%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。下限未満では、下地塗膜を隠蔽しない。外板専用ソリッドカラー塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、30〜60%であり、好ましくは35〜55%である。上限を超えると塗膜外観が低下し、下限未満では、下地となじみが起こり、外観が低下する。38〜50%が特に好ましい。
また、上記ソリッド塗料には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
本発明に用いられるソリッド塗料中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
本発明で用いられるソリッド塗料の塗装時の全固形分量は、10〜60重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。上限および下限を越えると塗料安定性が低下する。上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する。
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
塗膜形成方法
本発明の塗膜形成方法では、基材上の外板部分に、中塗り塗料により中塗り塗膜、次いで内板部分に内板専用ソリッドカラーを塗布し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料を塗布する。それらは順次ウェットオンウェットで形成する。
本発明で中塗り塗料を基材に塗装する場合は、外観を高めるために、エアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗装や、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは、「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機を組み合わせた塗装方法により塗膜を形成することができる。
本発明における、中塗り塗料による乾燥塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場合10〜60μmが有用である。上限を越えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生する。
次いで、内板部に内板専用ソリッドカラー塗料を塗布する。内板部分の塗装は形状が複雑であったり、届きにくいところを塗布するので、スプレーガンを用いる手吹き塗装が便利である。膜厚は、10〜30μmであり、上限を越えるとタレ及び上塗とのナジミボケ等の欠点を有し、下限を下回ると、スケムラ及び肌不良等の欠点を有する。
本発明の塗膜形成方法では更に、未硬化の中塗り塗膜の上に、外板用のソリッドカラー塗料をウェットオンウェットで塗布する。
発明の方法における外板用ソリッドカラー塗料は、上記中塗り塗料と同様に、エアー静電スプレー塗装あるいはメタベル、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は10〜50μmに設定することができ、好ましくは15〜40μmである。塗膜の膜厚が50μmを越えると鮮映性が低下したり、塗膜にムラまたは流れが生じることがあり、10μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となり、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
上述のようにして得られた積層された塗膜は、同時に硬化させる、いわゆる3コート1ベークによって塗膜形成を行う。
上記積層塗膜を硬化させる硬化温度を100〜180℃、好ましくは130〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜が得られる。上限を越えると、塗膜が硬く脆くなり、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化するが、130℃〜160℃で10〜30分が適当である。硬化時間は10〜60分、好ましくは15〜50分であってよい。
本発明は実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、特に指示しない限り、重量に基づく。
中塗り塗料の調製
ウレタン変性ポリエステル樹脂の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器にイソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部及びネオペンチルグリコール200部とを仕込み、加熱により原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、撹拌を開始し、反応層温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、反応層内にキシレン20部を徐々に添加し、溶剤存在下で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
非水ディスパージョンの製造
(a)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル90部を仕込んだ。次に下記モノマー組成の混合液を作成した。
Figure 2006095418
モノマー組成の内20部を容器に加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600及びSP値9.5のアクリル樹脂を得た。
(b)非水ディスパージョンの製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた容器に酢酸ブチル90部、上記の(a)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記モノマー組成の混合液を作成した。
Figure 2006095418
上記モノマー組成を100℃で3時間で容器中に滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径180nmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300mPa・s(25℃)、粒子径180nmの非水ディスパージョン含量40重量%のコアシェル型酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは23℃、水酸基価は162であった。
中塗り塗料の作製
1Lのベッセルに、先の製造例で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス107部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)280部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)13部、LMR−100(富士タルク社製鱗片状タルク)7部、酢酸ブチル47部およびキシレン47部を仕込み、仕込み重量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を投入し、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、灰色の顔料ペーストとした。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。この顔料ペーストに、表3に示した配合になるように中塗り塗料を調製した。
Figure 2006095418
内板専用塗料の作製
下記表4に記載する成分および配合から内板専用ソリッドカラー塗料を作製した。
Figure 2006095418
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で2時間混合分散し、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
この顔料分散ペーストに、上記樹脂ワニスの配合を混合して、内板専用ソリッドカラー塗料を得た。
下記表5の配合を用いて外板用ソリッドカラー塗料を作製した。
Figure 2006095418
上記顔料ペースト配合をペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加えて、室温で2時間混合することにより、不揮発分79%の顔料分散ペーストを得た。
この顔料分散ペーストにさらに樹脂ワニス配合を加えることにより、外板用ソリッドカラー塗料を得た。
(1)中塗り
高沸点溶剤;酢酸カービトールを、塗料重量に対し1.5重量%添加し、中沸点溶剤;エトキシプロパノール/S−100=1/2、と低沸点溶剤;トルエン/酢酸エチル/メチルイソブチルケトン=3/1/1とを1/2に混合して、No.4フォードカップを用いて、20℃で15秒に希釈した。得られた希釈塗料の内部溶剤組成を分析すると、中沸点溶剤12重量%、高沸点溶剤1.5重量%であった。なお、希釈塗料内の揮発成分総重量は、39重量%であった。また、中沸点溶剤のなかでも、エーテル系溶剤と脂肪族系溶剤とが、1/2であった。
(2)内板塗料
高沸点溶剤;酢酸カービトールを、塗料重量に対し2.0重量%添加し、中沸点溶剤;エトキシプロパノール/S−100=1/2、と低沸点溶剤;トルエン/酢酸エチル/メチルイソブチルケトン=3/1/1とを1/1に混合して、No.4フォードカップを用いて、20℃で25秒に希釈した。得られた希釈塗料の内部溶剤組成を分析すると、中沸点溶剤17重量%、高沸点溶剤2.0重量%であった。なお、希釈塗料内の揮発成分総重量は、40重量%であった。また、中沸点溶剤のなかでも、エーテル系溶剤と脂肪族系溶剤とが、1/2であった。
(3)外板塗料
高沸点溶剤;酢酸カービトールを、塗料重量に対し2.5重量%添加し、中沸点溶剤;エトキシプロパノール/S−100=1/1、と低沸点溶剤;トルエン/酢酸エチル/メチルイソブチルケトン=3/1/1とを1/1に混合して、No.4フォードカップを用いて、20℃で25秒に希釈した。得られた希釈塗料の内部溶剤組成を分析すると、中沸点溶剤23重量%、高沸点溶剤2.5重量%であった。なお、希釈塗料内の揮発成分総重量は、39重量%であった。また、中沸点溶剤のなかでも、エーテル系溶剤と脂肪族系溶剤とが、1/1であった。
ペースト量と樹脂量を調整し、塗着粘度とPWCを調整した中塗り塗料、内板専用ソリッドカラー塗料および外板用ソリッドカラー塗料を作成した。これらを用い、実施例1および2、比較例1〜4の組み合わせ実験を実施した。塗着粘度および顔料濃度、得られた結果を表6に示す。
先ず、日本ペイント社製カチオン電着塗料(V−20)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装したダル鋼板(寸法:8×30cm)を作成する。この鋼鈑上に、上記各実施例及び比較例の塗料を用いて、以下の塗装条件で中塗り塗料、内板専用ソリッドカラー塗料、および外板用ソリッドカラー塗料を塗装した。
各塗料塗装条件
ブース温度;18℃
湿度;70%
風速;0.3m/秒
塗装機;中塗り、外板塗料は「μμベル」ABBインダストリーズ社製回転霧化型
静電塗装機を用いて、−60KVの静電を印加した状態で、塗出量は24
0mL/minおよび200mL/minで塗装した。内板塗料は、ワイ
ダー100(岩田塗装機社製スプレーガン)を用いて塗装した。
塗着粘度
上記塗装条件により塗装後、被塗物に塗着した塗料を1分以内に削ぎ取り、サンプル瓶内に保存した。削ぎ取った塗料を1時間以内に粘度測定装置(ソリキッドメーター MR−300/レオロジー社製)により、ズリ速度0.1S−1の粘度(Pa・s)を測定した。得られた値を表6に示す。
塗装方法
予め、電着塗膜が形成された自動車のドアー下部の外板部分を対象に、上記の希釈された中塗り塗料を上記条件で塗装した。次に、2分間のインターバルを設けた後、予め希釈された内板塗料を、スプレーガンを用いて、ドアー開閉部の内板塗料塗装部位に塗装した。
さらに、13分間のインターバルをおいて、予め希釈された外板塗料を上記条件で塗装した。10分間のセッティング時間を設けた後、140℃で30分間焼き付けた。冷却後、内板塗料および外板塗料との塗装境界部と、内板塗料の塗装ダスト塗着部位の塗膜外観を、目視により以下の基準で評価した。
外観
判断基準
○:ダストが付着していない部分とツヤ感、平滑性とも同等
△:ダストが付着していない部分に比べツヤ感が劣る
×:ツヤ感がなく、塗膜がダストによりざらついている
結果を表6に示す。
耐水性
ダスト塗着部位を含む鋼板を水温40℃の脱イオン水に10日間浸漬した後の状態を目視観察した。
判断基準
○:変化なし
△:変色している
×:塗膜にブリスターが発生している。ブリスターとは、耐水評価後に生じる細
かな塗膜の膨れである。
Figure 2006095418
塗装基材の内板部分と外板部分を模式的に表わす図。 基材に塗装された塗膜の断面を模式的に表わす図。
符号の説明
2…外板部、
4…内板部、
8…電着塗膜、
9…被塗物、
10…基材、
11…中塗り塗膜、
12…内板用ソリッドカラー塗膜、
13…外板用ソリッドカラー塗膜、
12’…内板用ソリッドカラー飛沫。

Claims (3)

  1. 内板部と外板部を有する電着塗装された基板上の外板部分に、中塗り塗料(A)を塗装し、内板部分には内板専用ソリッドカラー塗料(B)を塗装し、その後外板部分に外板用ソリッドカラー塗料(C)を塗装するに際し、それぞれの塗膜を硬化することなくウェットオンウェットで塗装し、前記ウェット塗膜を一度に焼き付け硬化させる塗膜形成方法であって、
    前記中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の塗着粘度が、前記中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の順に低くなり、且つ、前記内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の顔料濃度(PWC)が、前記内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の順に低くなり、
    更に、前記中塗り塗料(A)が、イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる数平均分子量1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)40〜56重量%;
    メラミン樹脂(b)10〜30重量%;
    ヘキサメチレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物を活性メチレン基を有する化合物でブロックしたイソシアネート化合物(c)15〜30重量%;
    コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)4〜15重量%((a)〜(d)の量は塗料樹脂固形分重量を基準にする。);および長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmである扁平顔料(e)0.4〜2重量部(塗料樹脂固形分重量を100重量部とする。);
    を含有することを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 前記中塗り塗料(A)、内板専用ソリッドカラー塗料(B)および外板用ソリッドカラー塗料(C)の塗着粘度が、それぞれ、70〜300Pa・s、20〜200Pa・sおよび5〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
  3. 前記中塗り塗料(A)と内板専用ソリッドカラー塗料(B)との塗着粘度の差が、30Pa・s以上であり、内板専用ソリッドカラー塗料(B)と外板用ソリッドカラー塗料(C)との塗着粘度の差が、50Pa・s以上である請求項2記載の塗膜形成方法。
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