JP2006093764A - ディジタルパワーアンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】パンピング現象やポップ音の発生が無いシングルエンド出力のディジタルパワーアンプを安価な構成で実現すること。
【解決手段】D級電力増幅器1bは、直流バイアス電圧源10から無変化の直流電圧信号が入力するので、常時、1/2電源電圧を出力する。これに対して、D級電力増幅器1aでは、入力するアナログ信号S1のゼロクロス点のタイミングでは、1/2電源電圧を出力するので、D級電力増幅器1a,1bの出力間で電位差は生じない。したがって、D級電力増幅器1aの出力端を、容量・耐圧の大きい高価なカップリングコンデンサを使用せずに直接スピーカ14の一方の駆動端に接続することができ、スピーカの他方の駆動端には高価なスイッチング電源と同等の機能を持つD級電力増幅器1bから1/2電源電圧を供給すれば、簡単にパンピング現象やポップ音の発生をなくすことができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、D級電力増幅器で構成されるシングルエンド出力のディジタルパワーアンプに関するものである。
TV等の一般民生機器での音響回路では、部品点数の削減や単一電源の使用などの要請を満たすため、D級電力増幅器で構成されるシングルエンド出力のディジタルパワーアンプが使用されている。図4は、従来のディジタルパワーアンプの構成例を示す回路図である。図4に示す従来のディジタルパワーアンプ(D級電力増幅器)は、アナログ信号S1が入力されるPWM電力増幅部41と、PWM電力増幅部41の出力を受けるローパスフィルタ(LPF)42とを備え、ローパスフィルタ(LPF)42の出力端Fに、カップリングコンデンサ53を介してスピーカ54の一方の駆動信号入力端が接続されている。スピーカ54の他方の駆動信号入力端は接地(GND)に接続されている。
PWM電力増幅部41は、入力端子43からアナログ信号S1を受けるPWM変調器44と、PWM変調器44の出力を受けるスイッチング部45と、スイッチング部45の出力端EとPWM変調器44の入力端との間に設けられるフィードバック回路(FB)49と、PWM変調器44にキャリア信号S2を与えるキャリア信号発生器(Carrier OSC)50とを備えている。
キャリア信号発生器50は、一定の繰り返し周期tを持つキャリア信号(三角波信号)S2を発生し、PWM変調器44に与える。PWM変調器44は、このキャリア信号S2に基づきアナログ信号S1をパルス幅変調したPWM信号に変換し、互いに逆極性の2系統の駆動信号をスイッチング部45に与える。
スイッチング部45は、PWM変調器44の一方の出力を受けるNMOSトランジスタ46と、PWM変調器44の他方の出力を受けるNMOSトランジスタ47とで構成されている。NMOSトランジスタ46のソース電極は電源48に接続され、NMOSトランジスタ47のソース電極は接地(GND)に接続され、互いのドレイン電極は共通に接続され、出力端Eを構成している。この出力端Eには、図2(2)に示すようなスイッチング信号が出力される。この出力端Eに出力されるスイッチング信号がフィードバック回路49によってPWM変調器44の入力端にフィードバックされる。
ローパスフィルタ42は、PWM電力増幅部41の出力端Eに一端が接続されるチョークコイル51と、チョークコイル51の他端Fと接地(GND)との間に設けられるコンデンサ52とで構成されている。このローパスフィルタ42では、出力端Eに出力されるスイッチング信号からキャリア信号などの高域周波数成分を遮断し、アナログ信号S1の周波数成分信号を当該ローパスフィルタ42の出力端を構成するチョークコイル51の他端Fに取り出す。カップリングコンデンサ53は、当該ローパスフィルタ42の出力端Fに取り出されたアナログ信号S1の周波数成分信号に含まれる直流成分をカットしてスピーカ54に与える。
次に、まず、図2を参照して、PWM電力増幅部41の動作について説明する。図2は入力するアナログ信号とPWM電力増幅部の出力波形との関係を説明する図である。図2では、アナログ信号S1が正極側に増大する途中のポイントP1での出力波形と、アナログ信号S1のゼロクロス点P2での出力波形と、アナログ信号S1が負極側に増大する途中のポイントP3での出力波形とが示されている。
PWM電力増幅部41のPWM変調器44では、キャリア信号S2とアナログ信号S1との振幅レベル関係から、周期tを二分する前期間t1と後期間t2との時間幅を変化させたPWM信号を生成し、例えば、前期間t1では正極側のNMOSトランジスタ46がオン動作し負極側のNMOSトランジスタ47がオフ動作するように制御し、後期間t2では正極側のNMOSトランジスタ46がオフ動作し負極側のNMOSトランジスタ47がオン動作するように制御する。出力端Eのレベルは、NMOSトランジスタ46がオン動作すると高レベル(電源電圧レベル)となり、NMOSトランジスタ47がオン動作すると低レベル(接地電位レベル)となる。
すなわち、図2に示すように、アナログ信号S1のゼロクロス点P2では、t1=t2となるように、正極側のNMOSトランジスタ46と負極側のNMOSトランジスタ47がスイッチング動作を行い、出力端Eには、PWM比率(デューティ)が50%の状態に変調されたPWM信号が出力される。
そして、アナログ信号S1が正極側に増大する場合には、ポイントP1での出力波形(t1>t2)に示すように、その正極側への増大に比例して、前期間t1が長くなり、後期間t2が短くなるように変調されたPWM信号が出力される。
一方、アナログ信号S1が負極側に増大する場合には、ポイントP3での出力波形(t1<t2)に示すように、その負極側への増大に比例して、前期間t1が短くなり、後期間t2が長くなるように変調されたPWM信号が出力される。
したがって、ローパスフィルタ42では、アナログ信号S1が正極側に増大する場合には、その増大に比例して電源48から流れ込む電力量は増大し、反面、ローパスフィルタ42から接地側に流れ出す電力量は減少する。逆に、アナログ信号S1が正極側からゼロクロス点P2に向かって減少する場合には、その減少に比例して電源48から流れ込む電力量は減少し、ローパスフィルタ42から接地側に流れ出す電力量は増大する。
そして、アナログ信号S1のゼロレベルであるゼロクロス点P2では、電源48からローパスフィルタ42に流れ込む電力量とローパスフィルタ42から接地側に流れ出す電力量とは等しくなり、ローパスフィルタ42の出力端Fのレベルはゼロレベルになる。すなわち、アナログ信号S1のゼロクロス点では、ローパスフィルタ42の出力端Fのレベルは、1/2電源電圧となる。そのため、スピーカ54の駆動入力端の一方側を接地(GND)する構成では、直流成分をカットするためのカップリングコンデンサ53が必要になる。
特開2003−204590号公報 特開2001−223545号公報 特開平11−346120号公報 特開平11−239029号公報
ところで、PWM電力増幅部41では、一般的にオーディオ帯域の数十倍である数百kHzをPWM信号の周期に使用して高速スイッチング動作をしているので、その高速スイッチング動作によってローパスフィルタ42ではチョークコイル51に転流電流が発生するが、通常、その転流電流のエネルギーは、チョークコイル51から接続されている部品を介して放出される。
しかしながら、直流〜数十Hzの低周波信号が続くような場合は、この転流電流がカップリングコンデンサ53に充電され続けるので、十分な放電期間が取れなくなる。その結果、ローパスフィルタ42の出力端Fの電位が徐々に増加する現象が起こる。この現象は一般にパンピング現象と呼ばれているが、このパンピング現象によってカップリングコンデンサ53が耐圧破壊を起こすことがある。カップリングコンデンサ53が耐圧破壊を起こすと、スピーカ54には、常に直流電流が流れるので、スピーカ54の劣化を加速し、場合によっては破壊に至ることがある。
このパンピング現象の発生を抑えるために、カップリングコンデンサ53に数千μFクラスでしかも高耐圧のコンデンサを使用することが行われているが、数千μFクラスの高耐圧コンデンサは高価であり、コストアップの原因になる。そして、カップリングコンデンサ53を削除できるようにするために、スピーカ54の接地側駆動端に1/2電源電圧を供給する安定なスイッチング電源を追加する方法も検討されているが、この場合には、高価になるだけでなく、スイッチング電源の発振周波数とPWM電力増幅部41の出力に含まれるキャリア周波数とのビート効果によってスピーカ54から異音が発生するという問題がある。
また、上記のパンピング現象の発生を抑える対策では、いずれの場合も、電源の投入・切断時に、出力の挙動バランスの崩れによって大きなポップ音が発生するという問題がある。これは、電源の投入・切断時には、ローパスフィルタ42の出力端Fの電位を1/2電源電圧〜接地(GND)電位の間で遷移させる必要があるが、このときにスピーカ54の両駆動端子間に過渡的な電力を供給してしまうことが原因である。しかし、スピーカ54の両駆動端子間に過渡的な電力を供給せずに電源の投入・切断を制御することは非常に困難であり、電源の投入・切断時に生ずるポップ音を如何に抑制するかも問題になっている。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、D級電力増幅器で構成されるシングルエンド出力のディジタルパワーアンプにおいて、安価な構成でパンピング現象やポップ音の発生をなくことができるディジタルパワーアンプを得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、アナログ信号を個別にキャリア信号に基づきパルス幅変調したPWM信号に変換するPWM電力増幅部と前記PWM電力増幅部が出力する前記PWM信号を受けるLCフィルタとで構成されるシングルエンド出力用の1以上のD級電力増幅器と、固定の直流電圧信号をキャリア信号に基づきパルス幅変調したPWM信号に変換するPWM電力増幅部と前記PWM電力増幅部が出力する前記PWM信号を受けるLCフィルタとで構成される基準電源用のD級電力増幅器とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、基準電源用のD級電力増幅器は、入力信号が固定の直流電圧信号であるので、常時、1/2電源電圧を出力することができる。これに対して、シングルエンド出力用のD級電力増幅器では、入力するアナログ信号のゼロレベルであるゼロクロス点のタイミングでは、1/2電源電圧を出力するので、両D級電力増幅器の出力間で電位差は生じない。したがって、シングルエンド出力用のD級電力増幅器の出力端を、容量・耐圧の大きい高価なカップリングコンデンサを使用せずに直接スピーカの一方の駆動端に接続することができ、スピーカの他方の駆動端には高価なスイッチング電源と同等の機能を持つ基準電源用のD級電力増幅器から1/2電源電圧を供給すれば、簡単にパンピング現象やポップ音の発生をなくすことができる。
この発明によれば、容量・耐圧の大きいカップリングコンデンサや高価なスイッチング電源を使用せずに、つまり、安価な構成で、パンピング現象やポップ音の発生が無いシングルエンド出力のディジタルパワーアンプを実現することができるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、この発明にかかるディジタルパワーアンプの好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるディジタルパワーアンプの構成を示す回路図である。図1に示す実施の形態1によるディジタルパワーアンプは、一部を共有する形でほぼ同様の構成を持つ2つのD級電力増幅器1a,1bで構成されている。
D級電力増幅器1aは、アナログ信号S1が入力されるPWM電力増幅部2aと、PWM電力増幅部2aの出力を受けるローパスフィルタ(LPF)3aとを備え、ローパスフィルタ(LPF)3aの出力端Bに、直接、スピーカ14の一方の駆動信号入力端が接続されている。
D級電力増幅器1bは、固定の直流バイアス電圧10が入力されるPWM電力増幅部2b、PWM電力増幅部2bの出力を受けるローパスフィルタ(LPF)3bとを備え、ローパスフィルタ(LPF)3bの出力端Dに、直接、スピーカ14の他方の駆動信号入力端が接続されている。
D級電力増幅器1aでは、PWM電力増幅部2aは、入力端子16aからアナログ信号S1を受けるPWM変調器4aと、PWM変調器4aの出力を受けるスイッチング部5aと、スイッチング部5aの出力端AとPWM変調器4aの入力端との間に設けられるフィードバック回路(FB)9aとを備えている。
PWM変調器4aは、共通のキャリア信号発生器(Carrier OSC)11から一定の繰り返し周期tを持つキャリア信号(三角波信号)S2が入力される。PWM変調器4aは、このキャリア信号S2に基づきアナログ信号S1をパルス幅変調したPWM信号に変換し、互いに逆極性の2系統の駆動信号をスイッチング部5aに与える。
スイッチング部5aは、PWM変調器4aの一方の出力を受けるNMOSトランジスタ6aと、PWM変調器4aの他方の出力を受けるNMOSトランジスタ7aとで構成されている。NMOSトランジスタ6aのソース電極は電源8aに接続され、NMOSトランジスタ7aのソース電極は接地(GND)に接続され、互いのドレイン電極は共通に接続され出力端Aを構成している。この出力端Aには、図2(2)に示すようなアナログ信号S1の変化に対応してPWM比率(デューティ)が変化するスイッチング信号が出力される。この出力端Eに出力されるスイッチング信号がフィードバック回路9aによってPWM変調器4aの入力端にフィードバックされる。
ローパスフィルタ3aは、PWM電力増幅部2aの出力端Aに一端が接続されるチョークコイル12aと、チョークコイル12aの他端Bに一端が接続されるコンデンサ13とで構成されている。このローパスフィルタ3aでは、出力端Aに出力されるスイッチング信号からキャリア信号などの高域周波数成分を遮断し、アナログ信号S1の周波数成分信号を当該ローパスフィルタ3aの出力端を構成するチョークコイル12aの他端Bに取り出す。
また、D級電力増幅器1bでは、PWM電力増幅部2bは、入力端子16bから固定の直流バイアス電圧源10の直流電圧信号を受けるPWM変調器4bと、PWM変調器4bの出力を受けるスイッチング部5bと、スイッチング部5bの出力端CとPWM変調器4bの入力端との間に設けられるフィードバック回路(FB)9bとを備えている。
PWM変調器4bは、共通のキャリア信号発生器(Carrier OSC)11から一定の繰り返し周期tを持つキャリア信号(三角波信号)S2が入力される。PWM変調器4bは、固定の直流バイアス電圧源10から無変化の直流電圧信号が入力されるので、このキャリア信号S2に基づき、直流バイアス電圧源10による無変化の直流電圧信号を繰り返し周期tを二分する前期間t1と後期間t2とが等しいPWM信号に変換し、互いに逆極性の2系統の駆動信号をスイッチング部5bに与える。
スイッチング部5bは、PWM変調器4bの一方の出力を受けるNMOSトランジスタ6bと、PWM変調器4bの他方の出力を受けるNMOSトランジスタ7bとで構成されている。NMOSトランジスタ6bのソース電極は電源8bに接続され、NMOSトランジスタ7bのソース電極は接地(GND)に接続され、互いのドレイン電極は共通に接続され、出力端Cを構成している。この出力端Cには、常に図2(2)に示すゼロクロス時のt1=t2となるPWM比率(デューティ)50%のスイッチング信号が出力される。この出力端Cに出力されるスイッチング信号がフィードバック回路9bによってPWM変調器4bの入力端にフィードバックされる。
ローパスフィルタ3bは、PWM電力増幅部2bの出力端Cに一端が接続されるチョークコイル12bと、チョークコイル12bの他端Dに他端が接続されるコンデンサ13とで構成されている。つまり、コンデンサ13は、ローパスフィルタ3a,3bにて共有している。このローパスフィルタ3bでは、出力端Cに出力されるスイッチング信号からキャリア信号などの高域周波数成分を遮断し、ローパスフィルタ3bの出力端を構成するチョークコイル12bの他端Dに1/2電源電圧を形成する。
次に、以上のように構成される実施の形態1によるディジタルパワーアンプの動作について説明する。まず、図2を参照して、D級電力増幅器1aの動作について説明する。図2は入力するアナログ信号とPWM電力増幅部の出力波形との関係を説明する図である。
PWM電力増幅部2aのPWM変調器4aでは、キャリア信号S2とアナログ信号S1との振幅レベル関係から、周期tを二分する前期間t1と後期間t2との時間幅を変化させたPWM信号を生成し、例えば、前期間t1では正極側のNMOSトランジスタ6aがオン動作し負極側のNMOSトランジスタ7aがオフ動作するように制御し、後期間t2では正極側のNMOSトランジスタ6aがオフ動作し負極側のNMOSトランジスタ7aがオン動作するように制御する。出力端Aのレベルは、NMOSトランジスタ6aがオン動作すると高レベル(電源電圧レベル)となり、NMOSトランジスタ7aがオン動作すると低レベル(接地電位レベル)となる。
すなわち、図2に示すように、アナログ信号S1のゼロレベルであるゼロクロス点P2では、t1=t2となるように、正極側のNMOSトランジスタ6aと負極側のNMOSトランジスタ7aがスイッチング動作を行い、出力端Aには、PWM比率(デューティ)が50%の状態に変調されたPWM信号が出力される。
そして、アナログ信号S1が正極側に増大する場合には、ポイントP1での出力波形(t1>t2)に示すように、その正極側への増大に比例して、前期間t1が長くなり、後期間t2が短くなるように変調されたPWM信号が出力される。
一方、アナログ信号S1が負極側に増大する場合には、ポイントP3での出力波形(t1<t2)に示すように、その負極側への増大に比例して、前期間t1が短くなり、後期間t2が長くなるように変調されたPWM信号が出力される。
したがって、ローパスフィルタ3aでは、アナログ信号S1が正極側に増大する場合には、その増大に比例して電源8aから流れ込む電力量は増大し、反面、ローパスフィルタ3aから接地側に流れ出す電力量は減少する。逆に、アナログ信号S1が正極側からゼロクロス点P2に向かって減少する場合には、その減少に比例して電源8aから流れ込む電力量は減少し、ローパスフィルタ3aから接地側に流れ出す電力量は増大する。そして、アナログ信号S1のゼロクロス点P2では、電源8aからローパスフィルタ3aに流れ込む電力量とローパスフィルタ3aから接地側に流れ出す電力量とは等しくなり、ローパスフィルタ3aの出力端Bのレベルはゼロレベル、つまり1/2電源電圧のレベルとなる。ローパスフィルタ3aの出力端Bからスピーカ14の一方の駆動信号入力端には、このように変化する信号が直接供給される。
一方、D級電力増幅器1bにおいて、PWM電力増幅部2bのPWM変調器4bでは、キャリア信号S2と固定の直流バイアス電圧源10による無変化の直流電圧信号との振幅レベル関係から、周期tを二分する前期間t1と後期間t2との時間幅を等しくt1=t2としたPWM信号を生成し、例えば、前期間t1では正極側のNMOSトランジスタ6bがオン動作し負極側のNMOSトランジスタ7bがオフ動作するように制御し、後期間t2では正極側のNMOSトランジスタ6bがオフ動作し負極側のNMOSトランジスタ7bがオン動作するように制御する。出力端Cのレベルは、NMOSトランジスタ6bがオン動作すると高レベル(電源電圧)となり、NMOSトランジスタ7bがオン動作すると低レベル(接地電位レベル)となる。
ここでは、t1=t2であるので、出力端Cには、常に図2(2)に示すゼロクロス時のt1=t2となるPWM比率(デューティ)50%のスイッチング信号が出力される。したがって、ローパスフィルタ3bでは、電源8bからローパスフィルタ3bに流れ込む電力量とローパスフィルタ3bから接地側に流れ出す電力量とは等しくなり、ローパスフィルタ3bの出力端Dのレベルはゼロレベル、つまり、1/2電源電圧のレベルとなる。スピーカ14の他方の駆動信号入力端には、この1/2電源電圧が常時供給される。
そうすると、アナログ信号S1がゼロレベルのときは、ローパスフィルタ3aの出力端Bの出力レベルは1/2電源電圧のレベルであり、ローパスフィルタ3bの出力端Dも同様に1/2電源のレベルであり、電位差は無いので、スピーカ14を直接接続して駆動できるようになる。
このように、実施の形態1によるディジタルパワーアンプは、共通のキャリア信号発生器を使用する2つのD級電力増幅器の一方を通常のシングルエンド出力用とし、他方を1/2電源電圧を出力する基準電圧源とし、双方のローパスフィルタにおけるコンデンサを共用し、そのコンデンサの両端を直接スピーカに接続できるように構成した。
したがって、数千μFクラスの高耐圧で高価なカップリングコンデンサを用いることなく、また、スピーカの接地側駆動端に1/2電源電圧を供給する安定なスイッチング電源を追加することなく、つまり安価な構成でパンピング現象の発生を抑えることができる。
また、2つのD級電力増幅器はキャリア信号発生器を共有し、双方のローパスフィルタにおけるコンデンサを共用するので、回路レイアウトをシンメトリー(完全対称型)に構成することができ、電源の投入時・遮断時に、出力に現れる挙動がバランスを保って遷移するようになる。そのため、2つのローパスフィルタの出力差も抑圧される効果が得られるので、シングルエンド出力構成の際に問題となる電源の投入時・遮断時にスピーカから発生するポップ音を抑圧することができるようになる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるディジタルパワーアンプの構成を示す回路図である。この実施の形態2では、シングルエンド出力を行う複数のD級電力増幅器21a〜21xと、1/2電源電圧を出力する基準電圧源となるD級電力増幅器22とで構成される多チャネルのディジタルパワーアンプの構成例が示されている。
複数のD級電力増幅器21a〜21xと基準電圧源となるD級電力増幅器22とは、実施の形態1と同様に共通のキャリア信号発生器23を使用する。そして、複数のD級電力増幅器21a〜21xでは、ローパスフィルタは、それぞれ、チョークコイル23a〜23xとコンデンサ24a〜24xとで構成され、そのコンデンサ24a〜24xと並列にスピーカ25a〜25xが接続されている。
また、基準電圧源となるD級電力増幅器22では、ローパスフィルタは、チョークコイル26a〜26xで構成され、チョークコイル26a〜26xの出力端が、コンデンサ24a〜24xとスピーカ25a〜25xとの接続端に接続されている。
このような多チャネルの構成でも、実施の形態1にて説明したのと同様の動作が行われる。したがって、実施の形態2によれば、多チャネルのシングルエンド出力ディジタルパワーアンプを安価に構成することができる。
以上のように、この発明にかかるディジタルパワーアンプは、パンピング現象やポップ音に無縁の音響システムを安価に構築するのに有用である。
この発明の実施の形態1によるディジタルパワーアンプの構成を示す回路図である。 入力するアナログ信号とPWM電力増幅部の出力波形との関係を説明する図である。 この発明の実施の形態2によるディジタルパワーアンプの構成を示す回路図である。 従来のディジタルパワーアンプの構成例を示す回路図である。
符号の説明
1a,21a〜21x シングルエンド出力用のD級電力増幅器
1b,22 基準電源用のD級電力増幅器
2a,2b PWM電力増幅器
3a,3b ローパスフィルタ
4a,4b PWM変調器
5a,5b スイッチング部
6a,6b,7a,7b NMOSトランジスタ
8a,8b 電源
9a,9b フィードバック回路(FB)
10 固定の直流バイアス電圧源
11 キャリア信号発生器(Carrier OSC)
12a,12b チョークコイル
13 コンデンサ
14,25a〜25x スピーカ
16a,16b 入力端子

Claims (5)

  1. アナログ信号をキャリア信号に基づきパルス幅変調したPWM信号に変換するPWM電力増幅部と前記PWM電力増幅部が出力する前記PWM信号を受けるLCフィルタとで構成されるシングルエンド出力用の1以上のD級電力増幅器と、
    固定の直流電圧信号をキャリア信号に基づきパルス幅変調したPWM信号に変換するPWM電力増幅部と前記PWM電力増幅部が出力する前記PWM信号を受けるLCフィルタとで構成される基準電源用のD級電力増幅器と、
    を備えたことを特徴とするディジタルパワーアンプ。
  2. 前記1以上のD級電力増幅器におけるLCフィルタの出力端は1以上のスピーカのうち対応するスピーカの一方の駆動端に直接接続され、前記基準電源用のD級電力増幅器におけるLCフィルタの出力端は前記1以上のスピーカの他方の駆動端に直接接続されていることを特徴とする請求項1に記載のディジタルパワーアンプ。
  3. 前記1以上のD級電力増幅器におけるPWM電力増幅部と前記基準電源用のD級電力増幅器におけるPWM電力増幅部とは、それぞれ、共通のキャリア信号発生器から一定周期の前記キャリア信号が供給されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディジタルパワーアンプ。
  4. 前記1以上のD級電力増幅器におけるPWM電力増幅部と前記基準電源用のD級電力増幅器におけるPWM電力増幅部とは、それぞれ、出力するPWM信号を入力端に帰還するフィードバック回路を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のディジタルパワーアンプ。
  5. 前記1以上のD級電力増幅器が単数であるときは、当該D級電力増幅器におけるLCフィルタと、前記基準電源用のD級電力増幅器におけるLCフィルタとは、共通のコンデンサを用いて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディジタルパワーアンプ。
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JP2018038633A (ja) * 2016-09-08 2018-03-15 京楽産業.株式会社 遊技機

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