JP2006093496A - ウェハ加熱装置及びそれを用いた半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハ加熱装置では、ヒータ部に冷却ガスを供給しても、冷却ガスの供給量を大幅に増加することは難しいため、300mm以上の大型のウェハを加熱するウェハ加熱装置のヒータ部を短時間で冷却することができないという問題があった。
【解決手段】板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記抵抗発熱体は略同一の幅を有する円弧状の帯と折り返し帯とを連続させて略同心円状に配設され、上記ノズルの先端が上記各抵抗発熱体の間に位置する。
【選択図】図1
【解決手段】板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記抵抗発熱体は略同一の幅を有する円弧状の帯と折り返し帯とを連続させて略同心円状に配設され、上記ノズルの先端が上記各抵抗発熱体の間に位置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に、半導体の製造用や検査用装置として用いられるウェハ加熱装置やそれを用いた半導体製造装置に関するものであり、例えば、半導体ウェハや液晶基板あるいは回路基板等のウェハ上に半導体薄膜を生成したり、前記ウェハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成するのに好適なものである。
半導体製造装置の製造工程における、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジスト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウェハ(以下、ウェハと略す)を加熱するためのウェハ加熱装置が用いられている。
温度制御性に優れ、半導体素子の配線の微細化とウェハ熱処理温度の精度向上が要求されるのに伴い、セラミック製のウェハ加熱装置が広く使用されている。
このようなセラミック製のウェハ加熱装置として、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3や特許文献4には、図7に示すようなセラミック製のウェハ加熱装置71が提案されている。
このセラミック製のウェハ加熱装置71は、板状セラミックス体72、ケース79、を主要な構成要素としたもので、アルミニウム等の金属からなる有底状のケース79の開口部に、窒化物セラミックスや炭化物セラミックスからなる板状セラミック体72を樹脂製の断熱性の接続部材74を介してボルト80で固定され、その上面をウェハWを載せる載置面73とするとともに、板状セラミック体72の下面に、例えば図8に示すような同心円状の抵抗発熱体75を備えたヒータ部からなっていた。
さらに、抵抗発熱体75の端子部には、給電端子77がロウ付けされており、この給電端子77がケース79の底部79aに形成されたリード線引出用の孔76に挿通されたリード線78と電気的に接続されるようになっていた。
そして、板状セラミックス体72とケースで囲まれた空間内にノズル82より冷媒を送り、循環させ排出口83より排出することによりヒータ部を冷却するようになっていた。
ところで、このようなセラミック製のウェハ加熱装置71において、ウェハWの表面全体に均質な膜を形成したり、レジスト膜の加熱反応状態を均質にするにはウェハ面内の温度差を小さくして温度分布を均一にすることが重要であり、同時にウェハを加熱・冷却する際の時間が短いことが求められている。更に、ウェハの加熱温度を変更するためにセラミックスヒータ71の設定温度を変更する必要があり、セラミック製のウェハ加熱装置71を短時間に昇温したり冷却する時間が短い必要があった。
特許文献5には、図7に示すように、ケース79の底部79aの面粗度を一定の値以下とすると冷媒が底部79aとの界面で気流の乱れが無くなり昇温効率や冷却効率を向上させている。
また、特許文献6には、上記のセラミック製のウェハ加熱装置71の熱容量を5000J/K以下として、ウェハの昇温速度や冷却速度を高めている。しかし、ケース79の熱容量は板状セラミックス体73の熱容量の3.3倍以上と大きく、また、ケース79の表面積Sとケース79の体積Vとの比率S/Vが5(1/cm)を下回ることから冷却時間が長かった。
しかし、いずれもウェハの設定加熱温度を変更する時間は長く、短時間で温度変更できるセラミックスヒータが求められていた。
また、特許文献8には、ケース内に強制冷却用のノズルと開口部とを備え、ノズルから冷媒を供給し、上記ヒータ部を強制冷却する方法が採用されている。
ところで、このようなセラミックスヒータ71において、ウエハWの表面全体に均質な膜を形成したり、レジスト膜の加熱反応状態を均質にするためには、ウエハの温度分布を均一にすることが重要である。その為、これまでウエハの温度分布を小さくするため、帯状の抵抗発熱体75の抵抗分布を調整したり、帯状の抵抗発熱体75の温度を分割制御することが行われており、また、熱引きを発生し易い構造の場合、その周囲の発熱量を増大させる等の提案がされていた。
しかし、いずれも非常に複雑な構造、制御が必要になるという課題があり、簡単な構造で温度分布を均一に加熱できるようなセラミックスヒータが求められている。
特開2001−135684号公報
特開2001−203156号公報
特開2001−313249号公報
特開2002−76102号公報
特開2002−83848号公報
特開2002−100462号公報
特開2002−64133号公報
特開2004−063813号公報
しかしながら、上記のウェハ加熱装置では、ヒータ部に冷媒を供給しても、冷媒の供給量を大幅に増加することは難しいため、300mm以上の大型のウェハを加熱するウェハ加熱装置のヒータ部を短時間で冷却することができないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、抵抗発熱体を有する板状体からなるヒータ部の冷却速度を向上させることで急速冷却が可能なウェハ加熱装置を提供することを目的とする。
更に、半導体素子の配線微細化に伴い使用され始めた化学増幅型レジストにおいては、ウェハの面内温度差が小さく、繰り返し加熱冷却してもウェハ面内温度差が大きくならないことが望まれている。
本発明のウェハ加熱装置は、板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記抵抗発熱体は略同一の幅を有する円弧状の帯と折り返し帯とを連続させて略同心円状に配設され、上記ノズルの先端が上記各抵抗発熱体の間に位置することを特徴とする。
また、上記板状体の熱伝導率が上記抵抗発熱体よりも大きいことを特徴とする。
また、上記複数の帯状の抵抗発熱体は、上記板状体の中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンからなることを特徴とする。
また、前記3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンのうち、最も外側の抵抗発熱体ゾーンは、円環を4等分した4個の扇状であり、その内側の抵抗発熱体ゾーンは、円環を円周方向に2等分した2個の扇状であることを特徴とする。
また、上記中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンとその外側の同心円の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S1と、該円環状の抵抗発熱体ゾーンとその外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S2と、該円環状の抵抗発熱体ゾーンと最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S3とを備え、間隔S3が他の間隔S1、S2より大きいことを特徴とする。
また、上記載置面3への投影面から見て、上記最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとその内側の抵抗発熱体ゾーンとの間に上記ノズルの先端を複数個備えていることを特徴とする。
また、本発明は、板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体と複数の絶縁層とを備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記ノズルの先端が上記絶縁層の間に位置することを特徴とする。
また、上記板状体の熱伝導率が上記絶縁層よりも大きいことを特徴とする。
また、上記複数の帯状の抵抗発熱体は、上記板状体の中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンからなり、上記抵抗発熱体ゾーンに対応して個別の上記絶縁層を備え、上記載置面からみて、上記ノズルの先端が上記絶縁層の間にあることを特徴とする。
また、上記最も外側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層とその内側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層との間に上記ノズルを複数個備えていることを特徴とする。
また、上記請求項1〜10の何れかに記載のウェハ加熱装置を用いた半導体製造装置であることを特徴とする。
上記ウェハ加熱装置によれば、ヒータ部の冷却時間を短くすることで、ウェハの冷却時間を短くすることができる。そして、半導体製造工程におけるウェハ処理時間が短縮し、半導体素子を効率良く量産できる。
また、ウェハ面内の温度差が小さく耐久性の優れたウェハ加熱装置が得られる。
図1は本発明に係るウェハ加熱装置1の例を示す断面図で、熱伝導率の大きな炭化珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミックからなる板状体2の一方の主面を、ウェハWを載せる載置面3とするとともに、他方の主面に抵抗発熱体5とその両端に給電部6を形成したヒータ部7を備えている。また、ヒータ部7の給電部6には給電端子11が接続している。そして、給電端子11を覆うように金属製のケース19が断熱部材17を介して接続している。
また、ウェハリフトピン25は板状セラミック体2を貫通する孔を通してウェハWを上下に移動させウェハWを載置面3に載せたり降ろしたりすることができる。
抵抗発熱体5は導体成分として、耐熱性および耐酸化性が良好な貴金族金属、もしくはこれらの合金を主成分とするものを使用することが好ましい。抵抗発熱体5としては、板状体2との密着性および抵抗発熱体5自体の焼結性を向上させるために、30〜75重量%のガラス成分を混合することが好ましく、抵抗発熱体5の熱伝導率は板状体2の熱伝導率に比べ小さくなっている。
図2は本発明の一例である抵抗発熱体5の形状を示す正面図である。図3は図2の各抵抗発熱体5を囲む抵抗発熱体ゾーン4を示す概略図である。略同一の幅を有する円弧状の帯51と折り返し帯52とを連続させて略同心円状に配設した抵抗発熱体5e、5f、5g、5hを囲む抵抗発熱体ゾーン4ehを備え、その中に同様に円環状の複数の抵抗発熱体ゾーン4cd、4b、4aを備えている。そして、これらの抵抗発熱体ゾーンの抵抗発熱体5は独立して加熱できることからウェハWの面内温度差を小さくすることができる。また、抵抗発熱体5の形状としては、図6に示す円弧状の帯と折り返し直線状の帯とからなる略同心円状をしたものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に加熱できる形状であれば良い。
抵抗発熱体5には、金や銀、パラジウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給電部6に給電端子11を不図示の弾性体により押圧して接触させることにより、導通が確保されている。また、給電端子11は半田付けやロー付けなどにより抵抗発熱体5に直接接合されていても良い。
金属製のケース19は側壁部22とベースプレート21を有し、板状体2はそのベースプレート21に対向してケース19の上部を覆うように設置してある。また、ベースプレート21には冷却ガスを排出するための開口部23が施されており、給電部6に導通する給電端子11、ヒータ部7を冷却するためのノズル24、ヒータ部7の温度を測定するための温度センサー27が設けられている。
また、板状体2とケース19の周辺部にボルトを貫通させ、板状体2とケース19が直接当たらないように、断熱部材17を介在させてナットを螺着することにより固定している。
そして、抵抗発熱体5に通電して載置面3を加熱し、ウェハWを均一に加熱することができる。そして通電を停止するとともにノズル24より冷却ガスを送りヒータ部7を急速に冷却することができる。
本発明のウェハ加熱装置1は、載置面3への投影面から見て、上記抵抗発熱体2は略同一の幅を有する円弧状の帯51と折り返し帯52とを連続させて略同心円状に配設され、上記ノズル24の先端24aが上記各抵抗発熱体5の間に位置することで、ヒータ部を冷却する際に、ノズル24の先端24aから冷却ガスを噴射し抵抗発熱体5の間の板状体2に直接冷却ガスを当てることで板状体2の熱を急速に奪いヒータ部7の温度を短時間に低下させ冷却することができる。
また、好ましくは、上記抵抗発熱体2は略同一の幅を有する円弧状の帯51と折り返し円弧状の帯52とを連続させて略同心円状に配設されていることが、載置面3のウェハW面内の温度差が小さく好ましい。更に円弧状の帯52の間隔L1が円弧状の帯51の間隔L4より小さいと、或いは円弧状の帯52の間隔L3が円弧状の帯51の間隔L4より小さいと更にウェハW面内の温度差が小さくなり好ましい。
図4は板状体2と抵抗発熱体5、ノズル24の先端24aを示す拡大図である。本発明のウェハ加熱装置1は、ノズル24から、空気等の冷却ガスが、抵抗発熱体5の間に噴射される。ここで、ノズル24の先端24aが抵抗発熱体5の間とは、ノズル24の先端24aの中心が図3のAPで示す抵抗発熱体5の間であり、板状体2の表面に直接冷却ガスを当てることができる。この抵抗発熱体5の帯の間は、抵抗発熱体5に比べ、熱伝導率が大きな板状体2の表面である。そのため、ノズル24から噴射された冷却ガスが板状体2の表面を直接冷却することから、板状体2を効率的に冷却することが可能性となり短時間でヒータ部7の熱を奪い取ることができ、ヒータ部7の冷却時間を短縮することができる。
また、図3(a)は本発明の抵抗発熱体ゾーン4を示す。抵抗発熱体ゾーン4は、板状体2の一方の主面に複数の抵抗発熱体ゾーン4を備え、板状体2の中心部に円形の抵抗発熱体ゾーン4aと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーン4b、4cdと、抵抗発熱体ゾーン4ehとを備えることが好ましい。ウェハWの均熱性を改善するため、抵抗発熱体5を4個の抵抗発熱体ゾーンに対応して分割していることがより好ましい。円板状のウェハWの表面を均一に加熱するにはウェハW周辺の雰囲気やウェハWに対抗する壁面やガスの流れの影響を受けるが、円板状のウェハWの表面温度をばらつかせないために、ウェハWの周囲や上面の対抗面や雰囲気ガスの流れはウェハWに対し中心対称となるように設計されているからである。ウェハWを均一に加熱するにはウェハWに対し中心対称な上記環境に合わせたウェハ加熱装置1が必要で、載置面3を中心対称に分割し抵抗発熱体ゾーン4を形成することが好ましい。
特に、300mm以上のウェハWの表面温度を均一に加熱するには同心円の円環状の抵抗発熱体ゾーンは3つであることが好ましい。
更に、上記のように複数の抵抗発熱体5からなるウェハ加熱装置1は、周囲の環境から生じる左右前後の微妙な非対称性や、対称な発熱体の厚みバラツキを補正できるとともに、ウェハWの面内温度差がより小さくなる事がわかった。
図3(b)は、本発明のウェハ加熱装置1の抵抗発熱体ゾーン4の1例を示す。前記3つの円環状の抵抗発熱体ゾーン4のうち、外側の抵抗発熱体ゾーン4ehは、円環を4等分した4個の扇状であり、その内側の抵抗発熱体ゾーン4cdは、円環を円周方向に2等分した2個の扇状であることが好ましい。3つの円環状の抵抗発熱体ゾーン4b、4cd、4ehのうち、最も内側の抵抗発熱体ゾーン4bは、円環からなる抵抗発熱体ゾーン4bであり、その外側の抵抗発熱体ゾーン4cdは、円環を円周方向に2等分した2個の扇状の抵抗発熱体ゾーン4c、4dであり、その外側の抵抗発熱体ゾーン4ehは、円環を円周方向に4等分した4個の扇状の抵抗発熱体ゾーン4e、4f、4g、4hからなっていることがウェハWの表面温度を均一にする上で好ましい。
上記ウェハ加熱装置1の各抵抗発熱体ゾーン4a〜4gは独立して発熱でき、各抵抗発熱体ゾーン4a〜4gに対応して抵抗発熱体5a〜5gを備えていることが好ましい。
しかし、ゾーン4aとゾーン4bはウェハ加熱装置1の外部環境でもある設置場所が頻繁に変更がなければ並列または直列に接続し一つの回路として制御することもできる。このような構成とするのは、ゾーン4aと4bの間に所定の間隔を設定できることから、ウェハWを持ち上げるリフトピンが貫通する貫通孔を設置することができることから好ましい。
尚、円環状の抵抗発熱体ゾーン4cd、4ehはそれぞれ放射方向に2分割、4分割したが、これに限るものではない。
図3(b)の抵抗発熱体ゾーン4c、4dの境界線は直線であるが、必ずしも直線である必要はなく、波線であっても良く、抵抗発熱体ゾーン4c、4dが同心円の発熱体ゾーンの中心に対して中心対称であることが好ましい。
同様に、抵抗発熱体ゾーンの4eと4f、4fと4g、4gと4h、4hと4eとのそれぞれの境界線も必ずしも直線である必要はなく、波線で有っても良く、同心円の発熱体ゾーンの中心に対して中心対称であることが好ましい。
上記の各抵抗発熱体5を印刷法等で作製し、抵抗発熱体5の帯は1〜5mmの巾で厚みが5〜50μmで形成することが好ましい。一度に印刷する印刷面が大きくなると印刷面の左右や前後でスキージとスクリーンとの間の圧力の違いから印刷厚みが一定とならない虞が生じる。特に、抵抗発熱体5の大きさが大きくなると、抵抗発熱体5の左右前後の厚みが異なり設計した発熱量がバラツク虞があった。発熱量がバラツクとウェハWの面内温度差が大きくなり好ましくない。この抵抗発熱体の厚みのバラツキから生じる温度バラツキを防ぐには、一つの抵抗発熱体からなる外径の大きな個々の抵抗発熱体5を分割することが有効である事が判明した。
そこで、ウェハW載置面3の中心部を除く同心円環状の抵抗発熱体ゾーン4cdは左右に2分割し、更に大きな円環状の抵抗発熱体ゾーン4ehは4分割することで抵抗発熱体ゾーン4にある抵抗発熱体5の印刷する大きさを小さくすることができることから、抵抗発熱体5の各部の厚みを均一にすることができ、更にウェハWの前後左右の微妙な温度差を補正しウェハWの表面温度が小さくなり好ましい。また、更に各抵抗発熱体5の帯の抵抗値を微調整するためには、抵抗発熱体に沿って、レーザ等で長溝を形成し抵抗値を調整することもできる。
尚、図2に示す抵抗発熱体5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5hの形状は、夫々円弧状の帯と、折り返し帯として円弧状の帯とから構成されている。折り返し帯びは直線より円弧状であるとよりウェハの面内温度差が小さく好ましい。
また、本発明のウェハ加熱装置1は、図3(a)に示すように中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーン4aとその外側の同心円の円環状の抵抗発熱体ゾーン4bとの間隔S1と、該円環状の抵抗発熱体ゾーン4bとその外側の円環状の抵抗発熱体ゾーン4cdとの間隔S2と、該円環状の抵抗発熱体ゾーン4cdと最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーン4ehとの間隔S3とを備え、間隔S3が他の間隔S1、S2より大きいことが好ましい。このように、円環状の抵抗発熱体ゾーン4を3つ備え、間隔S3がS1、S2より大きいと抵抗発熱体5のない幅S3の円環が大きくなることから板状体2の露出部を大きくとることができ放冷効果が大きく好ましい。また、露出部を構成する板状体2の熱伝導率が大きく冷却効率が向上しヒータ部7の冷却速度が大きくなり好ましい。
更に、載置面3からの投影面から見て、最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーン4ehとその内側の抵抗発熱体ゾーン4cdとの間に上記ノズル24の先端24aを複数個備えていることが好ましい。間隔S3の環状の領域は抵抗発熱体5がなく、熱伝導率の大きな板状体2が露出していることからこの部分にノズル24の先端24aから噴射した冷却ガスが板状体2に直接当たり、板状体2の熱を効率良く奪うことができることからヒータ部7の温度を急速に低下させることができて好ましい。この冷却ノズル24の先端24aが間隔S3に沿って複数あることが好ましく。例えば直径200〜300mmのウェハ用であればノズル24の数は好ましくは4〜16個であると効果的にヒータ部7を冷却することができる。尚、間隔S3に対応したノズル24を説明したが、間隔S3だけでは中央部の温度が低下し難いので、中央部にも円上に複数のノズル24を備えることが好ましい。
また、本発明のウェハ加熱装置1の抵抗発熱体5は、板状体2の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体5と複数の絶縁層12とを備え、他方の主面にウェハを載せる載置面3を備えたヒータ部7と、前記抵抗発熱体5に電力を供給する給電端子11と、該給電端子11を包むように板状体2と接続したケース19と、該ケース19に前記ヒータ部7を冷却するノズル24と開口部23とを備え、載置面3への投影面から見て、上記ノズル24の先端が上記絶縁層12の間に位置すると、繰り返しヒータ部7を急速に冷却することができるとともに、加熱と急速な冷却を繰り返しても加熱冷却特性が劣化することなく優れた特性を得ることができる。
図5(a)に示すように抵抗発熱体5の表面を覆う絶縁層12を備えていることが好ましい。抵抗発熱体5は、貴金属からなる導電性粒子がガラス質の絶縁性組成物の中に分散したもので、抵抗発熱体5が露出していると経時変化したり、抵抗発熱体5に冷却ガスが当たり脱落する虞があり絶縁層12がこれらを防止する作用があり好ましい。そして、絶縁層12は抵抗発熱体5の表面を覆うことで抵抗発熱体5を保護することができる。この絶縁層12を形成することでウェハ加熱装置1を繰り返し加熱強制冷却を繰り返しも抵抗発熱体1の各部の抵抗値が変化する虞がなく、耐久性が優れるとともにウェハWの表面を均一に加熱することができる。また、この絶縁層12は抵抗発熱体5を覆うことができる範囲に備えることが好ましく、各抵抗発熱体ゾーン4a、4b、4cd、4ehに対応して絶縁層12a、12b、12cd、12ehが独立していることが好ましい。
従って、本発明のウェハ加熱装置1の上記複数の帯状の抵抗発熱体5は、上記板状体2の中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーン4aと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーン4b、4cd、4ehからなり、上記抵抗発熱体ゾーン4に対応して個別の上記絶縁層12を備え、載置面3への投影面から見て、ノズル24の先端24aが絶縁層12の間にあることが好ましい。ノズル24の先端24aが絶縁層12の間にあると先端24aから突出した冷却ガスが直接熱伝導率の大きな板状体2に衝突し板状体2の熱を冷却ガスに効果的に移動させることができることからヒータ部7の温度が短時間に低下して好ましい。
また、板状体2の熱伝導率が絶縁層12よりも大きいことが好ましい。板状体2の熱伝導率が大きいと冷却ガスが当たり板状体2が冷やされても、板状体2内部から熱が伝わり、ヒータ部7の冷却スピードが大きくなり好ましい。具体的には、絶縁層12はガラスや絶縁性樹脂からなることが好ましく、その熱伝導率は1〜10W/(m・K)である。また、板状体2は炭化物や窒化物からなり熱伝導率が50〜280W/(m・K)のセラミックス体が好ましい。
そして、最も外側の抵抗発熱体ゾーン4ehを覆う絶縁層12ehとその内側の抵抗発熱体ゾーン4cdを覆う絶縁層12cdとの間に上記ノズル24の先端24aを複数個備えていることが好ましい。載置面3への投影面から見て、絶縁層12ehと絶縁層12cdの間にノズル24の先端24aを備えていると熱伝導率の大きな板状体2に直接冷却ガスを衝突させることができることから板状体2の熱を短時間に効率良く奪い取ることができ、ヒータ部7の冷却時間が短くなり好ましい。
図5(a)は板状体2と絶縁層12とノズル24の先端24aを示す拡大図である。本発明のウェハ加熱装置1は、ノズル24から、空気等の冷却ガスが、抵抗発熱体5の間に噴射される。ここで、ノズル24の先端24aが絶縁層12の間とは、ノズル24の先端24aの中心が図5(b)のAPで示す絶縁層12の間であり、板状体2の表面に直接冷却ガスを当てることができる。この絶縁層12の間は、絶縁層12に比べ、熱伝導率が大きな板状体2の表面である。そのため、ノズル24から噴射された冷却ガスが板状体2の表面を直接冷却することから、板状体2を効率的に冷却することが可能性となり短時間でヒータ部7の熱を奪い取ることができ、ヒータ部7の冷却時間を短縮することができる。
図5(b)は、本発明のウェハ加熱装置1の絶縁層12の1例を示す。前記3つの円環状の抵抗発熱体ゾーン4のうち、外側の抵抗発熱体ゾーン4ehを覆う絶縁層12ehは、円環状あることが好ましい。3つの円環状の絶縁層12a、12b、12cdは、ウェハWの表面温度を均一にする抵抗発熱体ゾーン4a、4b、4cdを個別に覆うことが好ましく、これらに対応して絶縁層12が形成されていることが好ましい。
また、本発明のウェハ加熱装置1は、図5(b)に示すように中心部に備えた円形の絶縁層12aとその外側の同心円の円環状の絶縁層12bとの間隔S4と、該円環状の絶縁層12bとその外側の円環状の絶縁層12cdとの間隔S5と、該円環状の絶縁層12cdと最も外側の円環状の絶縁層12ehとの間隔S6とを備え、間隔S6が他の間隔S4、S5より大きいことが好ましい。このように、円環状の絶縁層12を3つ備え、間隔S6がS4、S5より大きいと絶縁層12のない幅S6の円環が大きくなることから板状体2の露出部を大きくとることができ放冷効果が大きく好ましい。また、露出部を構成する板状体2の熱伝導率が大きく冷却効率が向上しヒータ部7の冷却速度が大きくなり好ましい。
また、本発明のウェハ加熱装置1は、ノズル24の先端と板状体2の間隔Lが0.1〜10mmであることが好ましい。
より高速で冷却ガスを板状体2に衝突させるためには、上記ノズル24の先端と上記板状体の間隔Lは重要であり、0.1〜10mmとすることが望ましい。このように配置すると噴射された冷却ガスは、極端に速度低下することなく、十分な速度で板状体2に衝突する。このため、効率良く熱を奪うことが出来る。
板状体2とノズル24との距離Lが0.1mmより小さいと噴射され板状体2に衝突したガスの吹き返しがガスの噴射を阻害し、冷却効率が落ちてしまう。逆に板状体2とノズル24との距離Lが10mmより大きいと噴射ガスは拡散してしまい、板状体2に衝突する際に流速が低下、また、流量も減少しているため、冷却効率が落ちる。
また、載置面への投影面から見て上記ノズル先端の中心から上記抵抗発熱体までの最短距離が3〜10mmであることが好ましい。
載置面への投影面から見てノズル先端の中心から抵抗発熱体5までの最短距離が3mmよりも小さい場合、ノズルから噴射されたエアー等の一部は抵抗発熱体5の表面にあたってしまう。抵抗発熱体5は、ガラス層を含んでいるために、熱伝導率が小さい。抵抗発熱体5の表面から、板状体2に熱が伝導する場合、熱伝導の小さな、抵抗発熱体層、および、抵抗発熱体5と板状体2の界面が存在するために、熱伝導時間が長くなる。このため、この部分を冷却しても、冷却効率が悪く、冷却時間が大きくなってしまう。
一方、載置面への投影面から見てノズル24先端の中心から抵抗発熱体5までの最短距離が10mmよりも大きい場合、板状体2上で抵抗発熱体5が無い面積が大きくなり冷却スピードは大きくなるが、抵抗発熱体5が無い部分に対応するウェハWの表面の温度が低下して、ウェハW面内で温度バラツキが大きくなり不均一な温度分布となる。このため、板状体2に抵抗発熱体5を配置するには、ウェハW面内の温度分布を均一にするために、抵抗発熱体5が無い面積を小さくするほうが良いからである。
また、一般的な冷却ガス圧縮機のガス圧力により、冷却に必要なガス流速を確保するためには、ノズル24の口径を0.5〜3.0mmとすることが望ましい。ノズル24の口径が3.0mmを越えると流速が遅くなりすぎて冷却効率が著しく低下する。逆に0.5mm未満では口径が小さすぎて圧力損失が大きく冷却ガスの流量が小さくなり、冷却効率が低下し好ましくない。尚、冷却ガスは常温、冷却ガスの総流量は、120(リットル/分)とした。
更に、ノズル24は板状体2に対して、80〜100°の角度で設置されていることが必要である。すると噴射された冷却ガスが板状体2に強く衝突することになり効率よく冷却できる。ノズル24が板状体2に対して80°未満、又は100°を越えると、噴射された冷却ガスは板状体2に斜めに当たり、板状体2に平行に進むことから、冷却効率が低下し好ましくない。
ノズル24は、ステンレス(Fe−Ni−Cr合金)、ニッケル(Ni)等の耐酸化性金属や、一般鋼(Fe)、チタン(Ti)にニッケルメッキやニッケルメッキ上に金メッキを重ねて耐酸化処理を施した金属材料を用いる。または、ジルコニア(ZrO2)などのセラミックを用いることがよい。このようなノズル24は、熱による酸化で噴射口の内径が変化することなく流速を安定させられるし、ウェハ熱処理に有害なガスやパーティクルの発生のない信頼性の高いウェハ加熱装置とすることが出来る。
また、万が一冷却ガスに油分や水分などの不純物が混入していた場合でも直接抵抗発熱体5にダメージを与えることを防止できるが、冷却ガスはクリーンフィルターなどを通し不純物を除去することで更に信頼性を高める事が出来るのは言うまでもない。
また、ここで供給された冷却ガスを外に排出するために、前記ケース19のベースプレート13には、その面積の5〜70%の開口部16が形成されていることが好ましい。この開口部16の面積が5%未満であると、ケース19の容積の中でノズル24から噴射されるガスと排出されるべきガスが混合されて、冷却効率が低下してしまう。また、開口部16の面積が70%を越えると、給電端子11やノズル24を保持するスペースが確保できなくなる。またケース19の強度が不足して、板状体2の平坦度が大きくなり均熱性、特に昇温時などの過渡的な均熱性が悪くなる。
このように、ベースプレート13に開口部16を設けることにより、冷却時はノズル24から噴射された冷却ガスが板状体2の表面の熱を奪い、ケース19の内部に滞留することなく開口部16から順次ウェハ加熱装置1外に排出され、ノズル24から噴射される新しい冷却ガスで板状体2の表面を効率的に冷却できるので冷却時間を短縮することができる。
次に、本発明のウェハ加熱装置1のその他の構成について説明する。
本発明の前記ウェハ加熱装置1の中心部の抵抗発熱体ゾーン4aの外径D1は外周部の抵抗発熱体ゾーン4ehの外径Dの20〜40%であり、その外側の抵抗発熱体ゾーン4bcの外径D2は外周部の抵抗発熱体ゾーンの外径Dの40〜55%であり、最外周の抵抗発熱体ゾーンの内径D3は最外周の抵抗発熱体ゾーンの外径Dの55〜85%とするとウェハWの面内温度差を小さくすることができ好ましい。
尚、外周部の抵抗発熱体ゾーン4ehの外径Dとは、板状セラミックス体2の他方の主面に平行な投影面でみて、前記抵抗発熱体ゾーン4ehを構成する抵抗発熱体5ehを囲む外接円の直径である。また、同様に、抵抗発熱体ゾーン4bの外径D2とは、前記抵抗発熱体ゾーン4bを構成する抵抗発熱体5bに外接する円の直径である。また、D3は、抵抗発熱体5cdに内接する円の直径である。尚、外接円は給電部に接続する抵抗発熱体の突出部は除き同心円状の円弧に沿って求めることができる。
外径D1がDの20%未満では中心部の抵抗発熱体ゾーン4aの外径が小さ過ぎることから抵抗発熱体ゾーン4aの発熱量を大きくしても、抵抗発熱体ゾーン4aの中心部の温度が上がらず中心部の温度が低下する虞があるからである。また、外径D1が40%を越えると中心部の抵抗発熱体ゾーン4aの外径が大き過ぎることから、中心部の温度を上げた際に抵抗発熱体ゾーン4aの周辺部の温度も上がり、抵抗発熱体ゾーン4aの周辺部の温度が高くなり過ぎる虞があるからである。尚、好ましくは、外径D1はDの20〜30%であり、更に好ましくは、外径D1はDの23〜27%とすることでウェハWの面内温度差を更に小さくすることができる。
また、外径D2が外径Dの40%未満では、ウェハ加熱装置1の周辺部が冷却され易いことから、ウェハW周辺の温度の低下を防ごうと抵抗発熱体ゾーン4cdの発熱量を増大した際に、ウェハWの中心に近い抵抗発熱体ゾーン4cdの内側の温度が高くなり、ウェハWの面内温度差が大きくなる虞があった。また、外径D2が外径Dの55%を越えると、ウェハW周辺の温度の低下を防ごうと抵抗発熱体ゾーン4cdの発熱量を大きくしても、抵抗発熱体ゾーン4cdの温度は上がるが、ウェハW周辺の温度の低下の影響が抵抗発熱体ゾーン4bに達し、抵抗発熱体ゾーン4bの外側の温度が低くなる虞があった。好ましくは、外径D2が外径Dの41%〜53%であり、更に好ましくは43〜49%とするとウェハWの面内温度差は更に小さくできた。
また、外径D3が外径Dの55%未満では、ウェハ加熱装置1の周辺部が冷却され易いことから、ウェハW周辺の温度の低下を防ごうと抵抗発熱体ゾーン4ehの発熱量を増大した際に、ウェハWの中心に近い抵抗発熱体ゾーン4ehの内側の温度が高くなり、ウェハWの面内温度差が大きくなる虞があった。また、外径D3が外径Dの85%を越えると、ウェハW周辺の温度の低下を防ごうと抵抗発熱体ゾーン4ehの発熱量を大きくしても、抵抗発熱体ゾーン4ehの温度は上がるが、ウェハW周辺の温度の低下の影響が抵抗発熱体ゾーン4cdに達し、抵抗発熱体ゾーン4cdの外側の温度が低くなる虞があった。好ましくは、外径D3が外径Dの65%〜85%であり、更に好ましくは67〜70%とするとウェハWの面内温度差は更に小さくできた。
また、抵抗発熱体5に電力を供給する給電部6と、該給電部6を囲む金属ケース19とからなり、前記板状セラミックス体2の他方の主面にウェハ加熱面を備え、他方の主面に平行な投影面でみて、前記抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが前記板状セラミックス体2の直径DPの90〜97%であることが好ましい。
抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミックス体2の直径DPの90%より小さいと、ウェハを急速に昇温したり急速に降温させる時間が大きくなりウェハWの温度応答特性が劣る。また、ウェハWの周辺部の温度を下げないようウェハWの表面温度を均一に加熱するには、直径DはウェハWの直径の1.02倍程度の僅かに大きいことが好ましいことから、ウェハWの大きさに対して板状セラミックス体2の直径DPが大きくなり、均一に加熱できるウェハWの大きさが板状セラミックス体2の直径DPに比較して小さくなり、ウェハWを加熱する投入電力に対しウェハWを加熱する加熱効率が悪くなる。更に、板状セラミックス体2が大きくなることからウェハ製造装置の設置面積が大きくなり、最小の設置面積で最大の生産を行う必要がある半導体製造装置の設置面積に対する稼働率を低下させ好ましくない。
抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミックス体2の直径DPの97%より大きいと接触部材17と抵抗発熱体5の外周との間隔が小さく抵抗発熱体5の外周部から熱が接触部材17に不均一に流れ、特に、外周部の外接円Cに接する円弧状パターン51が存在しない部分からも熱が流れ、外周部の円弧状パターン51が板状セラミックス体2の中心部へ曲がっていることから抵抗発熱体5を囲む外接円Cに沿って円弧状パターン51が欠落する部分Pの温度が低下しウェハWの面内温度差を大きくする虞がある。より好ましくは、抵抗発熱体5の外接円Cの直径Dが板状セラミックス体2の直径DPの92〜95%である。
更に、本発明のウェハ加熱装置1において、例えば図2の抵抗発熱体5の外接円Cと接する円弧状パターン51と、該円弧状の帯51と連続して繋がった連結パターンである小円弧状の帯52とを備え、前記外接円Cの一部に前記円弧状のパターンのない空白域Pの間隔L1が、前記板状セラミックス体の直径DPと前記外接円Cの直径Dとの差(以下、LLと略する)より小さいことが好ましい。間隔L1がLLより大きいと空白域Pの熱が板状セラミックス体の周辺部へ流れ空白域Pの温度が下がる虞がある。しかし、間隔L1がLLより小さいと空白域Pの温度が下がり難く板状セラミックス体2の載置面3に載せたウェハWの周辺部の一部の温度が低下せずウェハW面内の温度差が小さくなり好ましい。
上記空白域Pの温度を下げないためには、空白域の温度を上げる必要があり、空白域を加熱する連結パターン52の抵抗を同等か或いは僅かに大きくして発熱量を増大すると、空白域Pの温度が下がる虞が小さくなり、ウェハWの面内温度が均一となり好ましい。印刷法等で作成した抵抗発熱体5が面状の場合、円弧状パターン51の線巾Wpより連結パターンである小円弧状の帯52の線巾Wsを1〜5%小さくすることで連結パターン52の抵抗を大きくすることができ、連結パターンである小円弧状の帯52の温度を円弧状パターン51の温度より高めることでウェハWの面内温度を均一とすることができる。
また、板厚が1〜7mmの板状セラミックス体2の一方の主面側を、ウェハを載せる載置面3とするとともに、上記板状セラミックス体2の下面に抵抗発熱体5を備えたウェハ加熱装置1において、上記抵抗発熱体5の厚みが5〜50μmであるとともに、上記板状セラミックス体2の主面に平行な投影面で見て、上記抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、上記外接円Cに占める抵抗発熱体5の面積の比率が5〜30%であることが好ましい。
即ち、抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率を5%未満とすると、抵抗発熱体5の相対向する対向領域において、対向領域の対向間隔でもあるL1、L2、・・・が大きくなり過ぎることから、抵抗発熱体5のない間隔L1に対応した載置面3の表面温度が他の部分と比較して小さくなり、載置面3の温度を均一にすることが難しいからであり、逆に抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率が30%を超えると、板状セラミック体2と抵抗発熱体5との間の熱膨張差を2.0×10−6/℃以下に近似させたとしても、両者の間に作用する熱応力が大きすぎることから、板状セラミック体2は変形し難いセラミック焼結体からなるものの、その板厚tが1mm〜7mmと薄いこと、から抵抗発熱体5を発熱させると、載置面3側が凹となるように板状セラミック体2に反りが発生する虞がある。その結果、ウェハWの中心部の温度が周縁よりも小さくなり、温度バラツキが大きくなる虞がある。
なお、好ましくは、抵抗発熱体5を囲む外接円Cの面積に対し、外接円C内に占める抵抗発熱体5の面積の比率を7%〜20%、さらには8%〜15%とすることが好ましい。
より具体的には、抵抗発熱体5は外周部に相対抗する対抗領域を有し、上記対抗領域の間隔L1が0.5mm以上で、上記板状セラミックス体2の板厚の3倍以下であることが好ましい。上記対抗領域の間隔L1が0.5mm以下では抵抗発熱体5を印刷し形成する際に抵抗発熱体5の対抗領域でひげ状の突起が発生しその部分が短絡する虞がある。また、上記対抗領域の間隔L1が板状セラミックス体2の厚みの3倍を越えると、対抗領域L1に対応するウェハWの表面にクールゾーンが発生しウェハWの面内温度差を大きくする虞があるからである。
さらに、このような効果を効率良く発現させるには、抵抗発熱体5の膜厚を5〜50μmとすることが好ましい。
抵抗発熱体5の膜厚が5μmを下回ると、抵抗発熱体5をスクリーン印刷法で膜厚を均一に印刷することが困難となるからであり、また、抵抗発熱体5の厚みが50μmを越えると、外接円cに対し、抵抗発熱体5の占める面積の比率を30%以下としても抵抗発熱体5の厚みが大きく、抵抗発熱体5の剛性が大きくなり、板状セラミック体5の温度変化により抵抗発熱体5の伸び縮みによる影響で板状セラミック体2が変形する虞がある。また、スクリーン印刷で均一の厚みに印刷することが難しくウェハWの表面の温度差が大きくなったりする虞があるからである。なお、好ましい抵抗発熱体5の厚みは10〜30μmとすることが良い。
また、ヒータ部7の温度は、独立して加熱できる抵抗発熱体5に対応して板状体2にその先端が埋め込まれた複数の温度センサー27により測定する。温度センサー27としては、その応答性と保持の作業性の観点から、外径0.8mm以下のシース型の熱電対を使用することが好ましいが、外径0.5mm以下の素線の熱電対やRTDなどの測温抵抗体を用いても何ら差し支えない。この温度センサー27の先端部は、板状体2の形成された孔の中に設置された固定部材により孔の内壁面に押圧固定することが測温の信頼性を向上させるために好ましい。
また、板状体2を炭化珪素質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体により形成すると、熱を加えても変形が小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性を高めることができるとともに、板状体2は10W/(m・K)以上の熱伝導率を有することから、薄い板厚でも抵抗発熱体5のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度バラツキを極めて小さくすることができる。熱伝導率が、10W/(m・K)以下では、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間および所定の処理温度から室温付近に冷却するまでの時間が膨大にかかってしまう虞がある。
板状体2の厚みは、2〜7mmとすることが好ましい。板状体2の厚みが2mmより薄いと、板状体2の強度が弱くなり抵抗発熱体5の発熱による加熱時、ノズル24からの冷却流体を吹き付けた際に、冷却時の熱応力に耐えきれず、板状体2にクラックが発生する場合がある。また、板状体2の厚みが7mmを越えると、板状体2の熱容量が大きくなるので加熱および冷却時の温度が安定するまでの時間が長くなり好ましくない。
抵抗発熱体5は、導電性の金属粒子にガラスフリットや金属酸化物を含む電極ペーストを印刷法で板状体2に印刷、焼き付けしたもので、金属粒子としては、比較的電気抵抗が小さいAu、Ag、Cu、Pd、Pt、Rhの少なくとも一種の金属を用いることが好ましく、またガラスフリットとしては、B、Si、Znを含む酸化物からなり、板状体2の熱膨張係数より小さな4.5×10−6/℃以下の低膨張ガラスを用いることが好ましく、さらに金属酸化物としては、酸化珪素、酸化硼素、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくとも一種を用いることが好ましい。
また、上記ガラスフリットとして、B、Si、Znを含む酸化物からなり、抵抗発熱体5を構成する金属粒子の熱膨張係数が板状体2の熱膨張係数より大きいことから、抵抗発熱体5の熱膨張係数を板状体2の熱膨張係数に近づけるには、板状体2の熱膨張係数より小さな4.5×10−6/℃以下の低膨張ガラスを用いることが好ましいからである。
また、上記金属酸化物としては、酸化珪素、酸化硼素、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくとも一種を用いるのは、抵抗発熱体5の中の金属粒子と密着性が優れ、しかも熱膨張係数が板状体2の熱膨張係数と近く、板状体2との密着性も優れるからである。
ただし、抵抗発熱体5に対し、金属酸化物の含有量が50%を越えると、板状体2との密着力を増すものの、抵抗発熱体5の抵抗値が大きくなり、好ましくない。そのため、金属酸化物の含有量は60%以下とすることが良い。
そして、導電性の金属粒子とガラスフリットや金属酸化物からなる抵抗発熱体5は、板状体2との熱膨張差が3.0×10−6/℃以下であるものを用いることが好ましい。
すなわち、抵抗発熱体5と板状体2との熱膨張係数を0.1×10−6/℃とすることは製造上難しく、逆に抵抗発熱体5と板状体2との熱膨張差が3.0×10−6/℃を超えると、抵抗発熱体5を発熱させた時、板状体2との間に作用する熱応力によって、載置面3側が凹状に反る恐れがあるからである。
また、この絶縁層12を形成するガラスの特性としては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、耐熱温度が200℃以上でかつ0℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が板状セラミックス体2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し1×10−6/℃であることが好ましく、更に好ましくは−5×10−7/℃〜+5×10−7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用いることが良い。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外れたガラスを用いると、板状体2を形成するセラミックスとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付け後の冷却時においてクラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
また、絶縁層12をなすガラス層はSiO2主成分とし、B,Mg,Ca,Pb,Biの少なくとも一種類以上を酸化物換算で10重量以上含有する非晶質のガラスにて構成し、As、Sbの酸化物を実質的に含有していない(酸化物換算にて0.05重量%以下)ガラスを用いることが好ましい。
上記組成のガラスを用いることでガラスの高温での粘性を低下させることが可能である。B,Mg,Ca,Pb,BiについてはSiO2ガラス中に分散させ、見掛けのガラスの粘性を下げることを狙ったものである。特にPbO、B2O3、Bi2O3は結晶化せず、ガラス中に残留してガラスの粘性・融点を下げる効果があり、ガラス中の気泡の発生を抑えることに有効である。
ガラスの粘性を下げることによって、絶縁層12中に発生してしまった気泡を絶縁層12表面に浮き上がらせ、オープンポアにすることで絶縁層12中の気泡を少なくすることができる。以上のことにより絶縁層12の厚み方向にて気泡の無い領域が10μm以上連続しているガラス層を形成することができる。また、非晶質のガラスを用いれば、後述している結晶化ガラスよりも気泡の少ない絶縁層12を形成するのに好ましい。これによって、消泡・脱泡効果のある毒劇物のAsやSbの酸化物を添加することなく絶縁層12中の気泡を少なくすることができる。
一方、B,Mg,Ca,Pb,Biの添加量が酸化物換算で10重量%未満である場合はガラスの高温での粘性が十分に低下せず、気泡を少なくすることが困難である。また結晶化ガラスを用いた場合は、ガラスが結晶核を生成する過程において膨張・収縮が発生する。この膨張・収縮過程において結晶核の周りに多数の微少な気泡が存在してしまい。この結晶核の周りに存在する微少な気泡のため絶縁・耐電圧特性が低下してしまう。このため結晶化ガラスを用いることは非晶質のガラスを用いた場合に比べ、絶縁層12をなすガラスの層の欠陥を防止することが困難であるため好ましくない。
また、絶縁層12のガラスはアルカリ含有量を2重量%以下にすることが好ましい。アルカリ成分についてはガラスに添加することでガラスの粘性を下げることには有効であるが、ガラス成分のマイグレーションにより耐久性に問題があるため、絶縁層12のガラス中のアルカリ含有量を2重量%以下とすれば、抵抗発熱体5に直流電源を印加して加熱した際の耐久試験において、耐久性が向上することを見出した。即ち、絶縁層12のガラス中のアルカリ含有量が2重量%以下の場合には250℃の連続耐久試験における寿命を1000時間までさらにアルカリ含有量が1重量%以下の場合には5000時間まで伸ばすことができることを見出した。ここで、アルカリと称しているのは、Li2O、Na2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物のことである。
また、絶縁層12のガラスは、平均粒径D50が15μm以下でありかつ平均粒径がD50が20%以上離れている複数のガラスを配合したペーストを塗布し、かつ脱バインダー工程での残炭量がガラスの重量の1重量%以下となるようにして形成することが好ましい。
このように粒径の異なる複数のガラス原料を配合することにより、粉末状態での充填が密になり絶縁層中の気泡を少なくすることができる。また脱バインダー工程での残炭量をガラスの重量の1重量%以下になるように脱バインダ−工程を行うことで、バインダー成分のCとガラスのOとの反応が少なくなることと、脱バインダー工程後におけるガラス粉末の充填率を高くすることにより、より容易に厚み方向にて気泡のない領域が10μm以上連続しているガラス層を形成することが可能となる。
一方、絶縁層12を形成する製造工程において平均粒径D50が15μmより大きいか、又は平均粒径D50にて20%未満離れているガラスを配合した場合には、ガラスの充填が十分に密な状態ではなく、ガラスの粒子間に存在している空間を十分に埋めることは困難である。また同様に脱バインダー工程での残炭量がガラスの重量の1重量%より多い場合にも気泡の発生を抑えることは困難である。
また、ガラスの焼き付け温度においては、作業点温度(ガラスの粘度にて104ポイズ以下)以上の温度とすることが好ましい。
また、リング状の断熱部材17の断面は多角形や円形の何れでも良いが、板状体2と断熱部材17が平面で接触する場合において、板状体2と断熱部材17の接する接触部の幅は0.1〜13mmであれば、板状体2の熱が断熱部材17を介して有底の金属ケース19に流れる量を小さくすることができる。さらに好ましくは、0.1〜8mmである。断熱部材17の接触部の幅が0.1以下では、板状体2と接触固定した際に接触部が変形し、断熱部材17が破損するおそれがある。また、断熱部材17の接触部の幅が13mmを超える場合には、板状体2の熱が断熱部材に流れ、板状体2の周辺部の温度が低下しウェハWを均一に加熱することが難しくなる。好ましくは、断熱部材17と板状体2の接触部の幅は0.1〜8mmであり、さらに好ましくは0.1〜2mmである。
また、断熱部材17の熱伝導率は板状体2の熱伝導率より小さいことが好ましい。断熱部材17の熱伝導率が板状体2の熱伝導率より小さければ板状体2に載せたウェハW面内の温度分布を均一に加熱することができると共に、板状体2の温度を上げたり下げたりする際に、断熱部材17との熱の伝達量が小さく有底の金属ケース19との熱的干渉が少なく、迅速に温度を変更することが容易となる。
断熱部材17の熱伝導率が板状体2の熱伝導率の10%より小さいヒータ14では、板状体の熱が有底のケース19に流れにくく、雰囲気ガス(ここでは空気)による伝熱や輻射伝熱により流れる熱が多くなり逆に効果が小さい。
断熱部材17の熱伝導率が板状体2の熱伝導率より大きい場合は、板状体2の周辺部の熱が断熱部材17を介して有底のケース19に流れ、有底のケース19を加熱すると共に、板状体2の周辺部の温度が低下しウェハW面内の温度差が大きくなり好ましくない。また、有底のケース19が加熱されることからノズル24からエアーを噴射し、板状体2を冷却しようとしても有底のケース19の温度が高いことから冷却する時間が大きくなったり、一定温度に加熱する際に、一定温度になるまでの時間が大きくなるおそれがある。
一方、前記断熱部材17を構成する材料としては、小さな接触部を保持するために、断熱部材17のヤング率は1GPa以上が好ましく、さらに好ましくは10GPa以上である。このようなヤング率とすることで、接触部の幅が0.1〜8mmと小さく、板状体2を有底のケース19に断熱部材17を介して固定しても、断熱部材17が変形することが無く、板状体2が位置ズレしたり平行度が変化したりすることなく、精度良く保持することができる。
前記断熱部材17の材質としては、鉄とカーボンからなる炭素鋼やニッケル、マンガン、クロムを加えた特殊鋼等のヤング率の大きな金属が好ましい。また、熱伝導率の小さな材料としては、セテンレス鋼やFe−Ni−Co系合金が好ましく、板状体2の熱伝導率より小さくなるように断熱部材17の材料を選択することが好ましい。
さらに、断熱部材17と板状体2との接触部を小さく、かつ接触部が小さくても接触部が欠損しパーティクルを発生するおそれが小さく安定な接触部を保持できるために、板状体2に垂直な面で切断した断熱部材17の断面は多角形より円形が好ましく、断面の直径1mm以下の円形のワイヤを断熱部材17として使用すると板状体2と有底のケース19の位置が変化することなくウェハWの表面温度を均一にしかも迅速に昇降温することが可能である。
なお、有底のケース19の深さは、10〜50mmで、ベースプレート13は板状体2から10〜50mmの距離に設置することが望ましい。さらに好ましくは、20〜30mmである。これは、板状体2と有底のケース19相互の輻射熱により載置面3の均熱化が容易となると同時に、外部との断熱効果があるので、載置面3の温度が一定で均一な温度となるまでの時間が短くなるためである。
さらに、抵抗発熱体5への給電方法については、有底のケース19に設置した給電端子11を板状体2の表面に形成した給電部6に不図示の弾性体で押圧することにより接続を確保し給電する。これは、板状体2に金属からなる端子部を埋設して形成すると、該端子部の熱容量により均熱性が悪くなるからである。そのため、本発明のように、給電端子11を弾性体で押圧して電気的接続を確保することにより、板状体2とその有底のケース19の間の温度差による熱応力は緩和し、高い信頼性で電気的導通を維持できる。さらに、接点が点接触となるのを防止するため、弾性のある導体を中間層として挿入しても構わない。この中間層は単に箔状のシートを挿入するだけでも効果がある。そして、給電端子11の給電部6側の径は、1.5〜5mmとすることが好ましい。
なお、板状体2の一方の主面には、図1に示すように、複数のウェハ支持ピン8を設け、板状体2の一方の主面より一定の距離をおいてウェハWを保持するようにしても構わない。
熱伝導率が100W/(m・K)の炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、板厚3mm、外径330mm円形の板状体を複数製作した。
次いで板状体上に抵抗発熱体及び給電部を被着するため、導電材としてAg粉末とPt粉末と、バインダーを添加したガラスペーストとを混練して作製した導電体ペーストをスクリーン印刷法にて図2に示す抵抗発熱体の形状に印刷したあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが25μmの抵抗発熱体を形成した。ここで給電部は抵抗発熱体よりも比抵抗が小さくなるように金属成分とガラス成分の比率を調整した。
また、ケースは、厚み3.0mmのSUS304からなるベースプレートを基礎にして、同じくSUS304からなる側壁部とネジ締めにて固定して構成した。
その後、前記ケースの上に、板状体を重ね、その外周部にボルトを貫通させ、板状体とケースが直接当たらないように、断熱部材を介在させ、ケース側よりナットを螺着し固定することによりウェハ加熱装置とした。
試料No.1のノズルの先端は、板状体(図3(a)のAP)の位置にあり、図4と同様に冷却ノズルの先端が抵抗発熱体5の間に位置している。
試料No.2のノズルの先端は、抵抗発熱体上とした。
一方、上記ヒータ部の各抵抗発熱体の上にガラスフリットをペースト状にして印刷した。そして加熱し絶縁層を形成した。絶縁層は図2に示す抵抗発熱体ゾーンに対応し形成し、各抵抗発熱体ゾーンの間隔S1は30mm、S2は33mm、S3は42mmとしてこれに対応して各絶縁層の間隔は25mm、25mm、35mmとした。そして上記と同様に断熱部材とケースを組み付け、ノズルを配設した。
試料No.3はノズルの位置が最も外側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層とその内側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層の間隔が35mm幅であり、その中間にノズルの先端を配設した。
試料No.4はノズルの位置が最も外側の抵抗発熱体ゾーンの絶縁層の上に配置した。
尚、ノズルの先端の口径は直径1.2mmとしノズル先端からヒータ部までの距離を6mmとした。また、試料No.1〜4の外側のノズルの数は8個とし、板状体の中心から2番目の円環状の抵抗発熱体ゾーンにノズルを4個配設した。
そして、各ウェハ加熱装置の給電端子に通電して140℃保持時のウェハW表面の温度バラツキが±0.5℃となるように調整し、140℃に保持した。温度設定値を、90℃に変更後、直ちに、全てのノズルから冷却ガスを噴射し、90℃まで温度が低下し、ウェハW表面の温度バラツキが±0.5℃となるまでの時間を冷却時間とした。今までの冷却効率を改善させるために、目標の冷却時間は、180秒以内とした。ウェハW表面の温度バラツキについては、直径300mmのウェハ表面に、測温センサーを29箇所埋めこんだ測温用ウェハを用いて評価した。
作製したウェハ加熱装置の評価は、25℃の恒温室内で行い、冷却ガスは常温、冷却ガスの総流量は、120(リットル/分)とした。
まず、冷却位置が冷却時間に与える影響を評価した。
その後、ウェハ加熱装置30℃から200℃に5分で昇温し5分間保持した後、30分間強制冷却する加熱冷却サイクルを1000サイクル繰り返した後、室温から200℃に設定し10分後のウェハ温度の最大値と最小値の差を定常時のウェハWの温度差として測定した。
試料No.1は、ノズルの先端が抵抗発熱体の帯の間(図3のAP)にあり、冷却時間が122秒と小さく、また加熱冷却サイクル後の定常時のウェハの温度差が0.32℃と小さく優れた特性を示した。
一方、試料No.2は、ノズルの先端が抵抗発熱体の上にあり、温度安定時間が285秒と大きく、且つ加熱冷却サイクル後の定常時のウェハの温度差が0.51℃と大きくなり好ましくないことが分った。
ノズルの先端が熱伝導率の大きな板状体の部分にあり板状体を直接冷却すると、冷却時間が短く優れた特性を示すことが分った。
また、抵抗発熱体の上に絶縁層を形成し、絶縁層の間の板状体に冷却ガスを当てヒータ部を冷却した試料No.3は冷却時間が121秒と小さく優れているとともに、加熱冷却サイクル後の定常時のウェハの温度差が0.25℃と小さく耐久性が優れていることが分かった。
一方、抵抗発熱体の上に絶縁層を形成し絶縁層の上から冷却ガスを噴射し冷却する試料No.4は冷却時間が315秒と大きく好ましくなかった。
W:半導体ウェハ
1:ウェハ加熱装置
2:板状体
3:載置面
4:絶縁層
5:抵抗発熱体
6:給電部
7:給電端子
8:弾性体(給電部)
9:側壁部
10:温度センサー
11:ケース(支持体)
12:ノズル
13:ベースプレート
14:ヒータ
15:ウェハ支持ピン
16:開口部
17:弾性体(ケース部)
18:断熱部材
24:半導体ウェハ
P22:抵抗発熱体の上
AP:ノズルの先端の位置(抵抗発熱体の帯の間)
AP2:ノズルの先端の位置(複数の抵抗発熱体の帯の間)
1:ウェハ加熱装置
2:板状体
3:載置面
4:絶縁層
5:抵抗発熱体
6:給電部
7:給電端子
8:弾性体(給電部)
9:側壁部
10:温度センサー
11:ケース(支持体)
12:ノズル
13:ベースプレート
14:ヒータ
15:ウェハ支持ピン
16:開口部
17:弾性体(ケース部)
18:断熱部材
24:半導体ウェハ
P22:抵抗発熱体の上
AP:ノズルの先端の位置(抵抗発熱体の帯の間)
AP2:ノズルの先端の位置(複数の抵抗発熱体の帯の間)
Claims (11)
- 板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記抵抗発熱体は略同一の幅を有する円弧状の帯と折り返し帯とを連続させて略同心円状に配設され、上記ノズルの先端が上記各抵抗発熱体の間に位置することを特徴とするウェハ加熱装置。
- 上記板状体の熱伝導率が上記抵抗発熱体よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のウェハ加熱装置。
- 上記複数の帯状の抵抗発熱体は、上記板状体の中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンからなることを特徴とする請求項1または2に記載のウェハ加熱装置。
- 前記3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンのうち、最も外側の抵抗発熱体ゾーンは、円環を4等分した4個の扇状であり、その内側の抵抗発熱体ゾーンは、円環を円周方向に2等分した2個の扇状であることを特徴とする請求項3に記載のウェハ加熱装置。
- 上記中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンとその外側の同心円の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S1と、該円環状の抵抗発熱体ゾーンとその外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S2と、該円環状の抵抗発熱体ゾーンと最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとの間隔S3とを備え、間隔S3が他の間隔S1、S2より大きいことを特徴とする請求項3または4に記載のウェハ加熱装置。
- 上記載置面3への投影面から見て、上記最も外側の円環状の抵抗発熱体ゾーンとその内側の抵抗発熱体ゾーンとの間に上記ノズルの先端を複数個備えていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載のウェハ加熱装置。
- 板状体の一方の主面に複数の帯状の抵抗発熱体と複数の絶縁層とを備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたヒータ部と、前記抵抗発熱体に電力を供給する給電端子と、該給電端子を包むように板状体と接続したケースと、該ケースに前記ヒータ部を冷却するノズルと開口部とを備え、載置面への投影面から見て、上記ノズルの先端が上記絶縁層の間に位置することを特徴とするウェハ加熱装置。
- 上記板状体の熱伝導率が上記絶縁層よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のウェハ加熱装置。
- 上記複数の帯状の抵抗発熱体は、上記板状体の中心部に備えた円形の抵抗発熱体ゾーンと、その外側の同心円の3つの円環状の抵抗発熱体ゾーンからなり、上記抵抗発熱体ゾーンに対応して個別の上記絶縁層を備え、載置面への投影面からみて、上記ノズルの先端が上記絶縁層の間にあることを特徴とする請求項7または8に記載のウェハ加熱装置。
- 上記最も外側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層とその内側の抵抗発熱体ゾーンを覆う絶縁層との間に上記ノズルを複数個備えていることを特徴とする請求項9に記載のウェハ加熱装置。
- 請求項1〜10の何れかに記載のウェハ加熱装置を用いた半導体製造装置。
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US11/571,352 US8071916B2 (en) | 2004-06-28 | 2005-06-28 | Wafer heating apparatus and semiconductor manufacturing apparatus |
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CN2005800287763A CN101019208B (zh) | 2004-06-28 | 2005-06-28 | 晶片加热装置及半导体制造装置 |
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Cited By (1)
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-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004278793A patent/JP2006093496A/ja active Pending
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