JP2006093274A - ウェハ収納容器 - Google Patents

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健 池田
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Abstract

【課題】スロットに収納されたウェハ同士の間隔を一定に保つことにより、ウェハ同士の接触を防止すると共に、ハンドリング作業を容易にする。
【解決手段】少なくとも一面(1a)が開口した箱型構造の容器(1)であって、互いに相向かい合う一対の内壁にウェハ状の物体を一枚毎に収納するための保持溝(3)から成るスロット(4)を有し、横置きしたとき、ウェハ状の物体(W)が容器内で斜めになるようにし、スロットに収納されたウェハ状の物体間に一定した間隔が得られることを特徴とする。保持溝(3)が形成されていない側壁(1e)の外面を接地させる状態で縦置きしたとき、収納されたウェハ(W)が略水平となるように、当該側壁(1e)の外面が上記保持溝(3)と略平行となるよう構成することが推奨される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウェハを収納する容器の改良に関する。
半導体ウェハの製造過程においては、ウェハをウェハ専用の収納容器に一時的に収納して、搬送、検査、その他の処理を行う必要がある。
従来のウェハカセット(ウェハ収納容器)を図4及び図5に示す。両図中、1は、上面、側面および底面のうち、少なくともその一面(上面)が開口した箱型構造の容器であり、2は収納されたウェハWを支持する区画壁である。保持溝3は相隣り合う二つの区画壁で囲まれた空間で構成され、相向かい合う一対の保持溝3からスロット4が構成される。そして、このスロット4内にウェハWを一枚ずつ挿入し保持させる。区画壁2は、容器の底面(接地面)に対して垂直となるように形成されており、容器を水平なテーブル上に置いた場合には、区画壁2、保持溝3、スロット4は、いずれも垂直方向を向くようになっている。
このような基本的構成は、従来公知のウェハ収納容器に広く採用されているところである(例えば特許文献1参照)。
上記の如きウェハカセットは作業時、縦置き又は横置きして作業するが、図示する如く横置きした場合(ウェハがスロット内で起立した状態になる置き方を「横置き」、ウェハがスロット内で横たわった状態になる置き方を「縦置き」と言う。以下同様。)、スロットに収納されたウェハ同士が図5に示す如く互いに接近してしまう。その時、ウェハカセットに収納されたウェハサイズによってウェハ同士が接触してしまいカケやキズ不良が発生するという問題点がある。また、ウェハ同士が互いに近寄るとウェハをハンドリングするためウェハ間に真空ピンセットを挿入したとき、ウェハと接触しキズや汚れが発生するという問題点もある。
特開平11−8293号公報
上記問題点に鑑み、本発明の課題は、スロットに収納されたウェハ同士の間隔を一定に保つことにより、ウェハ同士の接触を防止すること及びハンドリング作業を容易にすることである。
上記の目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係るウェハ収納容器は、
ウェハを差し入れるため少なくとも上面が開口した箱型構造の容器であって、その互いに対向する一対の側壁の内面に、上面側から下面側へ向けて互いに平行に延びる複数の区画壁により複数の保持溝が形成され、上記一対の側壁のそれぞれ対向する保持溝によって、複数枚のウェハを一枚毎に収納するためのスロットが形成されるよう構成されたウェハ収納容器において、
下面側の接地面に対して上記保持溝が成す角度αを、90度未満、且つウェハが自重により当該ウェハより低い側の区画壁へ向けて倒れ得る角度に設定することにより、隣接するスロットに収納されたウェハ間に所定の間隔が得られるよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のウェハ収納容器において、
内面に上記保持溝が形成されていない側壁の外面を接地させる状態で置いたとき、収納されたウェハが略水平となるように、当該側壁の外面が上記保持溝と略平行となるように構成したことを特徴とする。
請求項1に記載のウェハ収納容器によれば、ウェハの保持溝が、下面側の接地面に対して垂直ではなく斜めに傾いているため、収納されたすべてのウェハが保持溝と同じ方向へ傾き、これによりウェハ同士の間隔がどのウェハ間でも略一定となる。そのため、ウェハ同士が接触することがなく、カケやキズによる不良品の発生が防止されると共に、ウェハ間に真空ピンセットを挿入する場合にもウェハと接触することなく挿入できるので、ウェハにキズや汚れを生じさせることがなく、ハンドリングが容易となり、作業効率を大幅に向上させることが可能となる。
請求項2に記載のウェハ収納容器によれば、容器を縦置きしたときに、容器内のウェハが水平状態に保持されるため、その状態でウェハ収納容器をそのまま自動測定機にセットすることが可能であり、その点でも作業効率を向上させることができる。
<発明の要点>
上記の如く、本発明のウェハ収納容器は、少なくとも一面が開口する箱型構造の容器から成り、互いに相向かい合う一対の内壁にウェハ状の物体を一枚毎に収納するための保持溝をもつスロットを有するものであって、そのウェハ収納容器自体が傾斜しているものである。これにより、保持溝が傾斜した状態となり、すべてのウェハが同じ向きに傾き、ウェハ同士の間隔が一定に保たれるのでウェハ同士が接触することはなく、また、ハンドリング作業も容易にできるため不良も発生しにくい。また、縦置きしてもウェハは水平に保持されているので自動測定機にもセットが可能である。
図1は、本発明に係るウェハ収納容器の望ましい実施形態のものを横置きにした状態で示す外観斜視図、図2は、その長手方向中心線に沿った縦断面図、図3は、図1に示したウェハ収納容器を縦置きにした状態で示す外観斜視図である。
図1及び図2に示す如く、本発明に係るウェハ収納容器1は、その上面1aが開口した箱型構造の容器となっており、この開口部からウェハWを入れたり出したりできるようになっている。
容器1の互いに対向する一対の側壁1c及び1dの内面には、上面側から下面側へ向けて互いに平行に延びる直線状の突条から成る複数の区画壁2が形成され、これにより、これらの区画壁2の間にそれぞれ保持溝3が形成され、側壁1c及び1dのそれぞれ対向する保持溝3によってスロット4が形成されるようになっている。各スロット4には、ウェハWを一枚づつ差し入れることができ、図示した例の場合、合計14枚のウェハを収容できるようになっている。
保持溝3は、本発明においては、図4及び図5に示した従来例の如く容器の接地面に対して垂直には形成されておらず、下面1b側の接地面1gに対して90度未満の角度αを成すように構成されている。即ち、容器1の底面部分に一対の傾斜台5が取り付けられ、当該傾斜台5の接地面1gに対して保持溝3が角度αを成すように構成されている。この角度αは、保持溝3(スロット4)内に収容されたウェハWが自重により当該ウェハより低い側の区画壁2へ向けて倒れ得るような角度に設定される。
そのような角度αは、保持溝3の幅(区画壁2の間隔)やウェハWの厚さ、直径等によって異なるが、一般的には、65度以上、87度以下の範囲内の角度に設定される。角度αが65度未満であると、ウェハを手作業でスロット4に挿入する際にウェハをかなり斜めにする必要があり、その角度調節が難しく、ウェハを傷つけやすいという問題がある。一方、角度αが87度を超えると、従来例と同様にウェハが逆方向へ倒れる可能性が増大し、ウェハ間に所定の間隔を保つという本発明の目的を達成することができない。
このように、本発明においては、容器1の下面1b側の接地面1gに対して保持溝3が成す角度αを、90度未満、且つウェハWが自重により当該ウェハより低い側の区画壁へ向けて倒れ得る角度(一般的には、65度以上、87度以下の範囲内)に設定することにより、すべてのスロット4内に収容されたウェハが、すべて同じ側へ向けて倒れ、隣接するスロットに収納されたウェハ同士の間に所定の間隔が保たれる。そのため、ウェハ同士が接触することがなくなり、カケやキズによる不良品の発生が防止されると共に、ウェハ間への真空ピンセットの挿入作業も容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、図示した例において、内面に保持溝3が形成されていない側壁1eの外面は、保持溝3と略平行となるように構成されている。そのため、図3に示すように、側壁1eの外面を接地させる状態(縦置き)で置いたときは、収納されたウェハWが略水平となるので、そのような縦置きの状態でそのまま自動測定機にセットすることが可能であり、その点でも作業効率を向上させることができる。
図1〜図3に示すような傾斜型のウェハ収納容器1を作製した。容器内に収納されたウェハWは容器を横置きしても傾斜しているため重力方向に引っ張られ、図において左側の区画壁2に接して安定するため、スロット4に収納されたウェハ間には一定の間隔が保たれており、ウェハ同士が接触することは無かった。また、ウェハ同士が接近することもないのでウェハのハンドリング作業が容易であった。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、保持溝を接地面に対して傾斜させる手段としては、図示したような一対の傾斜台5に限らず、例えば、側壁1fを側壁1eよりも下方へ長く延ばしたものであってもよく、従って、本発明はその目的の範囲内において上記の説明及び図面の記載から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
<実施例の効果>
(1)上記実施例の傾斜型ウェハ収納容器を用いることによりウェハ接触による不良品の発生を防止できる。
(2)ハンドリング作業が容易になり、ハンドリングによるウェハへのキズ、汚れの危険を低減できると共に、作業効率が向上する。
(3)縦置きにすれば、すべてのウェハが水平状態になるので、容器ごと自動測定機にセットすることができ、その点でも作業効率を向上させることができる。
本発明に係るウェハ収納容器の望ましい実施形態のものを横置きにした状態で示す外観斜視図である。 図1に示したウェハ収納容器の長手方向中心線に沿った縦断面図である。 図1に示したウェハ収納容器を縦置きにした状態で示す外観斜視図である。 従来公知のウェハ収納容器の一例を示す外観斜視図である。 図4に示した従来公知のウェハ収納容器の長手方向中心線に沿った縦断面図である。
符号の説明
W ウェハ
1 ウェハ収納容器
1a 上面
1b 下面
1c〜1f 側壁
1g 接地面
2 区画壁
3 保持溝
4 スロット
5 傾斜台

Claims (2)

  1. ウェハを差し入れるため少なくとも上面が開口した箱型構造の容器であって、その互いに対向する一対の側壁の内面に、上面側から下面側へ向けて互いに平行に延びる複数の区画壁により複数の保持溝が形成され、上記一対の側壁のそれぞれ対向する保持溝によって、複数枚のウェハを一枚毎に収納するためのスロットが形成されるよう構成されたウェハ収納容器において、
    下面側の接地面に対して上記保持溝が成す角度αを、90度未満、且つウェハが自重により当該ウェハより低い側の区画壁へ向けて倒れ得る角度に設定することにより、隣接するスロットに収納されたウェハ間に所定の間隔が得られるよう構成したことを特徴とするウェハ収納容器。
  2. 請求項1に記載のウェハ収納容器において、内面に上記保持溝が形成されていない側壁の外面を接地させる状態で置いたとき、収納されたウェハが略水平となるように、当該側壁の外面が上記保持溝と略平行となるよう構成したことを特徴とするウェハ収納容器。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012036206A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 富士電機株式会社 ウェハ収納具、及びウェハカセットの収納ケース
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