JP2006093179A - 絶縁皮膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種平面コイルの質量を軽量化し、製造工程を簡素化する、コイル部表面の絶縁皮膜形成方法を提供する。
【解決手段】銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成した後、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を熱風乾燥にて熱分解させ、共役2重結合を部分的に形成し、コイル形成のための酸、アルカリに侵されない有機皮膜を銅表面に形成することが可能となり、電着めっきや、絶縁コート、絶縁テープなどの工法と比較して、作業性、コスト、重量低減など製品性能面で有利となる製造方法である。
【選択図】図5
【解決手段】銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成した後、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を熱風乾燥にて熱分解させ、共役2重結合を部分的に形成し、コイル形成のための酸、アルカリに侵されない有機皮膜を銅表面に形成することが可能となり、電着めっきや、絶縁コート、絶縁テープなどの工法と比較して、作業性、コスト、重量低減など製品性能面で有利となる製造方法である。
【選択図】図5
Description
本発明は、産業機器、民生機器等の各種電気部品(電気音響変換器、トランス、モータなど)に広く利用可能な平面コイルおよびその製造方法に関するものであり、特に使用条件として絶縁破壊電圧が低いコイル導体に対して形成する絶縁皮膜形成方法に関するものである。
近年、電子機器の小型・薄型・軽量化に伴い、これらに用いられる平面コイルの形状についても小型化、薄型化、軽量化することが必要となり、製品性能面でもその体積の中でコイル性能の向上が強く望まれている。そのためには、コイル自身の質量の軽減による性能向上、軽量化が必要である。
従来の技術では、コイル形成したものに絶縁テープを貼る方式や、電着による絶縁皮膜形成などがあげられる。
また、化学式1(化1)で示されるイミダゾールと銅を反応させ、化学式2(化2)で示される銅イミダゾール錯体膜を形成する方法は一般的によく知られており、一時的な酸化防止剤として、プリント基板用のプレフラックスとして利用されることが多く、一般的には、後工程で膜体を取り除く用途で使用されている。
銅イミダゾール錯体膜の性質の特徴としては図3に示すように、常温の状態で絶縁性としては確保されるが、酸、アルカリ等の耐薬品性は低く、可塑性は高い状態である。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開昭60−37794号公報
絶縁テープを用いる絶縁皮膜形成は、パターニングされたコイル等の導体銅の部分のみテープを貼りつけることは困難であり、コイル面積一括で貼りつける場合はコイル部の質量としては重くなってしまう。また、薄いテープを使うと、作業性を損なうという課題がある。
電着めっきによる絶縁皮膜形成は、ワークに対して給電が必要であり、パターン配列などに制約を要することや、液の管理が困難で、装置としてもコスト高になるという課題を有している。
また、絶縁コーティングとして、樹脂などを印刷して絶縁皮膜を形成する方法もあるが、非常に微細なパターンの場合、気泡などの課題があり、なおかつ、工程としても複雑で設備コストが高くなるという課題を有している。
また、銅イミダゾール錯体膜については、一般的には前記したように、一時的な酸化防止剤として、プリント基板用のプレフラックスとして使用されることが多く、後工程で膜体を取り除くために使用されており、絶縁性、耐薬品性、可塑性などの特質から、永久的な絶縁皮膜として使用されていない。
本発明はコイル部の質量を最小限度に小さくし、製造コストを安くできる絶縁皮膜形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、銅表面に有機絶縁皮膜を形成する工程として、銅コイルパターンを有した絶縁基板などの被対象物をイミダゾールの成分を含有した液に浸漬させた後、銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成した後、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を空気中の熱風処理にて熱分解させることで脱水素を行い、共役2重結合を部分的に形成し、耐薬品性、可塑性、絶縁性を保有する有機皮膜を形成する方法であり、電着めっきや、絶縁コート、絶縁テープなどの工法と比較して、作業性を向上させ、設備コストも安価で製品の重量を低減させるなど、製品性能面をも向上させることができるという作用効果を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、被対象物が平面コイルであることを特徴とする請求項1記載の絶縁皮膜形成方法であり、コイル部の質量を最小限度に軽量化し、製造コストを安くできるという作用効果を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、絶縁破壊電圧が10kV/μm以下であるコイルにおける、絶縁皮膜形成方法であり、低電圧で使用される軽量なコイルを作製することができるという作用効果を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、有機絶縁皮膜の膜厚を制御する浸漬時間、熱風乾燥時間、温度を管理可能とした生産工程を有した請求項1または2記載の絶縁皮膜形成方法であり、絶縁皮膜の銅との密着性、耐薬品性もしくは、平面コイルの絶縁破壊電圧がコントロール可能となり、種々の絶縁皮膜が形成されるという作用効果を有する。
本発明による絶縁皮膜形成方法は、銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成した後、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を熱風乾燥にて熱分解させ、共役2重結合を部分的に形成し、コイル形成のための酸、アルカリに侵されない有機皮膜を銅表面に形成することが可能となり、電着めっきや、絶縁コート、絶縁テープなどの工法と比較して、作業性、コスト、重量低減など製品性能面で有利となる製造方法で、量産化、工業的価値は非常に高いものである。
以下、本発明の実施の形態における絶縁皮膜の形成方法について、添付図面に従って説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における、絶縁皮膜を形成する平面コイルの概略外観図である。図1(a)は、銅パターン1がコイル状に形成されている状態を示し、図1(b)は、絶縁基板2上に図1(a)に示した銅パターン1が、平面的に配置されている状態を示している。
図1は、本発明の実施の形態における、絶縁皮膜を形成する平面コイルの概略外観図である。図1(a)は、銅パターン1がコイル状に形成されている状態を示し、図1(b)は、絶縁基板2上に図1(a)に示した銅パターン1が、平面的に配置されている状態を示している。
また図2は、本発明の実施の形態における絶縁皮膜形成の断面図であり、図2(a)は銅イミダゾール錯体膜形成前、図2(b)は同形成後、図2(c)は熱処理により絶縁皮膜を形成した状態を示している。
図5は、本発明の実施の形態の絶縁皮膜形成の製造プロセスを説明するための製造工程図である。
まず、図1(b)に示すように厚さ25μmのポリイミドからなる絶縁基板2の両面にライン巾40μm、スペース40μm、高さ36μmの銅パターン1が格子状に形成されている。この銅パターン1は平面コイル(図1(a)のような)を呈しており、絶縁皮膜4にて覆われている。
平面コイルは、枚様のシート内で多数個配列されていて、シート一括で浸漬式の液処理装置にて絶縁皮膜4を形成する。
まず、シート状の銅パターン1表面及びパターン間の異物をアルカリ脱脂にて除去し、水洗を数回繰り返す。次に、銅パターン1表面の酸化皮膜を硫酸などの酸洗いにより除去し、水洗を数回繰り返す。次に温度管理された化学式3(化3)で示すイミダゾール錯体液にシートを一定時間浸漬し、膜厚管理する。今回は液温50℃、浸漬時間60秒としているが、その工程で銅とイミダゾールは化学反応し、銅と錯体を形成し、銅表面に膜3を形成し、膜としては化学式4(化4)のようになる。その後、水洗を数回繰り返し、温度管理された熱風乾燥炉へシートを投入し、銅イミダゾール錯体膜3を炉内の酸素と銅イミダゾールの水素を反応させる脱水素工程を行うことで、化学式5(化5)のような分子式となり、さらに加熱制御を行うことで、その膜体を化学式6(化6)のように共役2重結合を部分的に形成させ、銅表面に酸素皮膜4を形成した。そして、図2に示すように、銅コイルパターン1に、銅イミダゾール錯体膜3を形成し、絶縁皮膜4を形成するのである。
本発明の実施の形態における膜の性能については、図3に示すような特性を有しており、最終的なコイルの使用条件により、最適な加熱時間、加熱温度の諸処の条件を設定する。今回の平面コイルにおいては、使用電圧が5V/μm以下のため、図4で示されるように、耐薬品性、可塑性、絶縁性の結果から、製造条件として乾燥温度160℃、処理時間30分とした。
なお、以上の工程で絶縁皮膜を形成したが、膜厚は測定が困難なため、量産の際には、重量測定により膜厚を算出し管理することで均一な膜厚を形成することが可能となる。
本発明による絶縁皮膜形成方法は、銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成した後、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を熱風乾燥にて熱分解させ、共役2重結合を部分的に形成し、コイル形成のための酸、アルカリに侵されない有機皮膜を銅表面に形成することが可能となり、電着めっきや、絶縁コート、絶縁テープなどの工法と比較して、作業性、コスト、重量低減など製品性能面で有利となる製造方法で、量産化、工業的価値は非常に高く、産業機器、民生機器等の各種電気部品に広く利用可能な平面コイルの製造方法などの用途として有用である。
1 銅コイルパターン
2 絶縁基板
3 銅イミダゾール錯体膜
4 絶縁皮膜
2 絶縁基板
3 銅イミダゾール錯体膜
4 絶縁皮膜
Claims (4)
- 銅表面に有機絶縁皮膜を形成する工程であって、銅コイルパターンを有した被対象物をイミダゾールの成分を含有した液に浸漬させた後、銅表面に生成された銅イミダゾール錯体膜を生成し、その膜体を後工程で取り除くことなく、銅イミダゾール錯体膜を空気中の熱風処理にて熱分解させることで脱水素処理を行い、共役2重結合を部分的に形成し、耐薬品性、可塑性、絶縁性を有する有機絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成方法。
- 被対象物が平面コイルであることを特徴とする請求項1記載の絶縁皮膜形成方法。
- 絶縁破壊電圧が10kV/μm以下の有機絶縁皮膜をコイル表面に形成する請求項1または2記載の絶縁皮膜形成方法。
- 有機絶縁皮膜の膜厚を制御する浸漬時間、熱風乾燥時間、温度を管理可能とした生産工程により有機絶縁皮膜を形成する請求項1〜3のいずれか1つに記載の絶縁皮膜形成方法。
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US20150255208A1 (en) * | 2014-03-10 | 2015-09-10 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Chip electronic component and manufacturing method thereof |
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2004
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