JP2006092895A - 回転陽極x線管装置及び製造方法並びにx線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ターゲットの加工屑を回転体に混入させない。
【解決手段】 熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構成される陰極1と、この陰極1との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極2と、この陽極2を回転させる回転軸14と、陰極1、陽極2及び回転軸14とを真空気密して収容する外囲器3と、陽極2の電子ビーム衝突面の研磨加工を陽極部2と回転軸14の締結の前工程で加工可能とするために、陽極2と回転軸14の取り付けとそれらの取り付け位置の調整を行う調整ネジ34を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転陽極型マイクロフォーカスX線管装置に係り、特に研磨等の加工に伴う塵の放電への影響を低減する技術に関する。
近年、マイクロフォーカスX線管と呼ばれる微小焦点、すなわち高分解能のX線検出装置が半導体の検査分野、医療でのマイクロレベルでの検査が要望されている。
現在普及しているマイクロフォーカスX線管は固定陽極型が主流であり、特に医療分野で被検体を透過できるX線エネルギーを得るための回転陽極型X線管の量産化が望まれている。
回転陽極型のマイクロフォーカスX線管には幾つかの技術課題があるが、その中でX線の照射源である回転陽極の加工精度を如何に実現するかという技術課題がある。
その陽極の加工精度の技術課題は、特許文献1に記載されているように、電子ビームの照射によってX線を放出するX線放射面が設けられた円盤状回転体と、この円盤状回転体に結合された回転体と、軸受間隙を保って回転体と嵌合した固定体と、円盤状回転体および回転体、固定体をそれぞれ収納する真空外囲器とを具備した回転陽極型X線管において、X線放射面の仕上げ加工を、円盤状回転体と回転体とを結合した状態で行うことで解決する。
特開2000−173517号公報
しかし、上記特許文献1では、円盤状回転体(ターゲット)と回転体とを結合した状態でX線放射面の仕上げ加工を行っているので、仕上げ加工時に生じた加工屑が回転体に至り、十分に洗浄しなければ加工屑が回転軸に残留する可能性を有しており、またその加工屑を洗浄する工数が煩雑であるという点に配慮されていない。
本発明の目的は、ターゲットの加工屑が回転体に混入させることのない回転陽極X線管装置及び製造方法並びにX線検査装置を提供することにある。
上記目的は、次に述べる各項により達成される。
(1)熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構 成される陰極部と、この陰極部との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極部と、この陽極部を回転させる回転機構部と、前記陰極部、前記陽極部及び前記回転機構部とを真空気密して収容する外囲器と、を備えた回転陽極X線管において、前記陽極部の電子ビーム衝突面の研磨加工を前記陽極部と前記回転機構部の締結の前工程で加工可能とするために、前記陽極部と前記回転機構部の取り付けとそれらの取り付け位置の調整を行う機構を備えたことを特徴とする回転陽極X線管装置。
(2)前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームのなす角度が、60°以上且つ70°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の40%以下にすることを特徴とする(1)に記載の回転陽極X線管装置。
(3)前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームの角度が、70°以上且つ80°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の60%以下にすることを特徴とする(1)に記載の回転陽極X線管装置。
(4)熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構成される陰極部と、この陰極部との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極部と、この陽極部を回転させる回転機構部と、前記陰極部、前記陽極部及び前記回転機構部とを真空気密して収容する外囲器と、を備えた回転陽極X線管を製造する方法において、前記陽極部の電子線を衝突させる部分を研磨する第1の工程と、前記研磨された陽極部を洗浄処理する第2の工程と、前記洗浄処理された陽極部を前記回転機構部に締結する第3の工程とからなること特徴とする回転陽極X線管装置の製造方法。
(5)被検体を載せ、且つX線照射中に被検体を任意の位置に移動することで任意の方向から被検体を観察可能としたテーブル上の被検体にX線を照射するX線発生手段と、このX線発生手段と対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、このX線検出手段と前記X線発生手段を収納するX線遮蔽体と、前記X線発生手段を制御するX線制御手段と、前記X線検出手段によって検出される透過X線を画像として表示する表示手段とを備えたX線検査装置において、前記X線発生手 段は、(1)〜(3)の何れか一項に記載の回転陽極X線管装置であることを特徴とするX線検査装置。
本発明は、次に述べる効果を奏する。
(1)ターゲットの加工屑を回転体に混入させないことができる。
(2)焦点面の加工によりターゲット振幅による見かけ焦点の拡大を防ぎ、高解像度な画像が取得できる。
(3)回転陽極X線管の採用により、大線量のX線を確保でき、X線検査のスループットを向上できる。
(4)回転陽極の軸受に動圧軸受を採用することが可能となり回転特性を向上させ、画質の安定性を向上できる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明による微小焦点を有した回転陽極型X線管装置の一例を示す。
X線管は絶縁のため真空中に設置された陰極1、陽極2、及び、これらを真空気密するための外囲器3から構成される。
陰極1はX線4発生に必要な電子ビーム5を形成するため、内部に熱電子を発生するカソードと、この熱電子を収束し電子ビーム5とする機能を有している。
陽極2は陰極1から放出された電子ビーム5が衝突しX線4を発生させるターゲット6を有する。また、陽極2は電子ビーム5の衝突がターゲット6上の1個所に集中し、過熱されるのを防ぐための機構を有している。この加熱防止機構は回転軸14とこれを保持する固定体16との間に潤滑材15が充填され回転軸14の回転時に潤滑材15に生じる動圧により回転軸14と固定体16に一定の隙間を保ち、滑らかな回転を可能とする動圧軸受からなる回転陽極2を有し、ターゲット6を回転させていることで実現している。
また、外囲器3は陽極2から発生するX線4を照射するための放射窓7を有している。
次に、回転陽極型X線管での焦点寸法について考える。ここで、焦点8は陽極の回転軸14に平行な方向(回転軸方向ともいう)を長さ、回転軸14に垂直な方向を幅と呼ぶ。電子ビームの直径を、φD12とする。電子ビーム5により図2に示すように実際にターゲット6表面上で電子ビーム5が衝突する実焦点9の寸法は、幅方向は電子ビーム直径φD12と同一となり、実焦点の長さ方向の寸法fr9は電子ビーム直径φD12とターゲット6と電子ビーム5との成す角度(以下、ビーム角度)θ11により式(1)により表現される。
Figure 2006092895
また、上記実焦点9から発生するX線4の実効焦点10の寸法は、幅方向は実焦点9幅、即ち電子ビーム直径φD12と同一となり、実効焦点10の長さ方向の寸法fは式(2)のようになる。
Figure 2006092895
しかし、実際にはターゲット6の回転振れの振幅17により見かけの焦点寸法は式(2)よりも大きくなる。回転振れによる影響18をbとすると見かけの焦点13の長さFは式(3)で表わされる。
Figure 2006092895
図2(a)に示すようにターゲット6の半径方向から電子ビーム5が衝突し、陽極回転軸14方向にX線4を照射する場合では焦点面の振幅17をBとすると、式(4)となる。
Figure 2006092895
図2(b)に示したように陽極回転軸14と平行に電子ビーム5が衝突し、ターゲット6の半径方向にX線4を照射する場合には式(5)となる。
Figure 2006092895
となる。以下では、図2(a)での場合に絞って説明する。
例えば従来の一般的な回転陽極型X線管では最小でも焦点8寸法は0.1mm(幅0.1mm×長0.1mm)程度であった。また、回転によるターゲット6の振れBの振幅17は50μm程度である。このため、見かけ焦点13の長さは0.15mmとなる。
医療用途のX線管の場合、JIS規格では0.1mm焦点では、焦点寸法は+50%まで許容される。このため、一般的な焦点寸法では回転振れによる見かけ焦点13の長さ拡大は問題とならない。
しかし、微小焦点が必要な場合には、この影響18が無視できなくなってくる。例えば10μm(幅10μm×長さ10μm)の焦点8が必要な場合には回転振れの振幅17が50μmであると、見かけの焦点13の長さを50μm以下にすることができなくなる。
回転振れの振幅17が発生する要因としてはターゲット6自体の表面状態に加えて、陽極回転軸14や固定体16の製造誤差などが含まれている。このため、回転振れの振幅17を抑制する目的では、ターゲット6及び、回転軸14や固定体16から構成される動圧式すべり軸受を含む回転陽極2を組立てた後に加工するのが最も望ましい。
しかし、動圧式すべり軸受の潤滑剤として一般的に使用される液体金属は空気中で酸化することにより潤滑性能が劣化するため、回転陽極2の組み立て後の加工は困難である。
また、回転陽極2を加工機械などのチャックで固定して加工する場合はチャック部分での傷、変形により回転陽極2の振動、騒音などの回転特性が劣化する可能性がある。更には陽極の構造が複雑なため、加工屑の除去が不可能であり、この加工屑が高電圧印加時に放電発生要因となる可能性があり、X線管の信頼性に影響を及ぼす危険性が高い。
このため、本発明では目標とする微小焦点を得るために、ターゲット6の焦点面8に加工を施し、前記回転軸14と締結する際に、ターゲット6の焦点面8が回転により形成する焦点軌道が回転陽極2の回転軸中心に対して同心円上に位置するように調整可能な構造を採用する。
本発明による回転陽極2の組立工程の一例を図3に示す。図3では工程1にてターゲット6単体で焦点面8を加工する。その後の工程2で回転陽極2を組立てる部品に関して洗浄及び必要な部品処理を行う。工程3でこれらの部品のうち、ターゲットで発生した熱から軸受を保護するための断熱部材33に断熱部材33を回転軸14に固定するための固定部材35を挿入した後、ターゲット6を固定する。尚、回転陽極2の回転時の緩みを防止するために、ターゲット6と断熱部材33を溶接にて固定しておくのが望ましい。工程4にて回転軸14に工程3で組立てた部品を仮置きし、調整ネジ34にてターゲット6の焦点面8が回転陽極2の回転軸に対して同心円上に位置するように調整する。調整は変位センサ21を利用して焦点面8の変位量を測定しながら調整を行う。この際に使用する変位センサはレーザ変位センサなどの非接触方式のセンサが適している。調整終了後には調整ネジ34を回転軸14に溶接し、調整ネジ34を固定する。最後に工程5で固定部材35上部に固定ネジ36を挿入することで断熱部材33を回転軸14に締結し回転陽極2を組立てる。締結後には固定ネジ36を回転軸14に溶接し、固定する。また、固定の方法としては前記固定部材35、固定ネジ36による方法以外にも図4に示すように断熱部材33を回転軸14にロウ付け、溶接などによる接続する方法も考えられる。
この方法で組立てた場合、ターゲット6の加工屑を回転体に混入させないことができると共にターゲット6焦点面8の回転振れ17は工程1での焦点面8の加工精度に抑えることができる。
以下ではターゲット6の焦点面8の回転振れ17を抑えるために必要なターゲット6表面の加工に関して検討する。
ターゲット6表面の加工を行う場合に、例えば研磨加工を採用した場合の研磨量はターゲット6の振幅17の許容値Bprmにより導出される。例えば先述の10μm焦点を例に取ると、焦点幅を10μmとするために、電子ビーム直径φD=10μmとし、ビーム角度11をθとすると、式(3)より見かけの焦点13の長さFは、式(6)となる。
Figure 2006092895
この時、式(7)のように、F=10μmとなる振幅17が許容値Bprmとなる。
Figure 2006092895
ここに、Ftは目標とする見かけの焦点13の長さである。通常、目標とする見かけ焦点13の長さFtと電子ビーム5の直径12φDはFt=Dの関係にある場合が多い。これは見かけ焦点13の幅方向は電子ビーム5の直径12φDにより決まるためである。
Ft=Dの時、ビーム角度11θを0°<θ<45°にとると、振幅17の許容値Bprmは負の値となる。この範囲では研磨加工を行っても見かけ焦点13の長さを目標値Ft(例えば10μm)にできないことを示している。このことからビーム角度11θは45°より大きいことが望ましい。
焦点8から照射されるX線4は、図1に示すように焦点を頂点とする円錐状に照射される。この円錐をX線錐4と呼び、X線錐4の底辺を照射野23と呼ぶ。照射野23の直径φLは、焦点からの距離24lの位置では、ビーム角度11θを利用して式(8)にて表される。
Figure 2006092895
式(8)から明らかなように照射野23の直径は焦点距離24に比例、ビーム角度11に反比例する。X線4を利用した観察ではこの照射野23により観察される被検体26の寸法が制限される。また、焦点距離24はX線管構造や観察に必要な倍率により決定されるため、ビーム角度11θを可能な限り小さくしたほうが焦点距離24を短くするのに有利である。
しかし、実効焦点10の長さfが一定の場合にはビーム角度11θがより大きいほうが管電流を大きくでき、X線4の線量を多くすることができる。
前述の通り、管電圧、管電流の積により与えられる入力エネルギーは焦点8の許容温度により制限される。焦点8の許容温度はターゲット6表面の実焦点9の寸法によって異なる。これは、管電流、管電圧及び、実効焦点10の面積が同一の条件では、ターゲット6上の実焦点9に入力される単位面積当たりの負荷は実焦点9の面積により変化するためである。ターゲット6上の実焦点9の面積frと実効焦点10の面積fは式(1),(2)から式(9)の関係にある。
Figure 2006092895
式(9)より実効焦点10の面積fが一定の場合には、実焦点9の面積fはビーム角度11θの余弦に反比例するため、ビーム角度11θが大きいほど焦点8の温度を低く抑えることができる。
以上のことから、X線4の線量の観点からはビーム角度11を小さくし、管電流を多くすれば、微小焦点で高いエネルギーのX線を照射することが可能となる。
これまで述べてきたように照射野23とX線4の線量はビーム角度11に関してトレードオフの関係にある。実際のビーム角度11による照射野23とX線4の線量の変化を図5に示す。図5の関係から通常ビーム角度11は60〜70°程度とするのが最良である。
ここで、ビーム角度11 θがθ=60°での振幅17の許容値Bprmは式(6)より、式(10)となる。
Figure 2006092895
更に、目標とする見かけ焦点13の長さFtと電子ビーム直径φD12が等しいとすると、式(11)となる。
Figure 2006092895
となる。例えば見掛け焦点13の長さを10μmとしたい場合に、電子ビーム直径12を10μmとすると、振幅17の許容値は4μmとなる。尚、ビーム角度11が60°より大きい場合には同様に計算される。ここでは、振幅17の許容値Bprmは式(11)の値より大きくなるため、式(11)の値を満足していれば目標とする見かけの焦点13の長さFt以下に収めることができる。
尚、電子ビーム5とX線4の入射、照射の関係が図2(b)に示す関係にある場合は式(6),(10),(11)の振幅17の許容値にビーム角度11の正接を乗じた値となる。先に延べたようにビーム角度11は45°より大きいため、ビーム角度11の正接は1より大きくなる。このため、振幅17の許容値は式(6),(10),(11)により導出される値よりも大きくなる。このため、式(6),(10),(11)により求められた値を満足していれば、目標とする見かけの焦点13長さFt(例えば10μm)以下に収めることができる。
図6にX線検査装置25の一例を示す。
X線検査装置25は被検体26を乗せ、且つ被検体26を任意の位置に移動可能な台座27と、X線発生装置28、X線検出装置29を有し、多くの場合、これらはX線遮蔽ボックス30内に収納されている。また、X線の制御システム31を有し、X線検出装置29により得られるデータはモニタ装置32に出力される。
電子の衝突エネルギーは陽極−陰極間の電圧(以下、管電圧)と、電子ビーム5の電流値(以下、管電流)の積として表わすことができるが、このエネルギーの内、X線4に変換されるものは1%に満たず、99%以上は熱に変換される。このため、管電圧と管電流は、この焦点8の許容温度により制限される。
現状、X線検査装置25は製造ラインに組込まれ、加工、組立後の半導体等の部品の精度、欠陥の有無を検査しており、この検査時間の短縮は生産性の向上に大きく影響する。X線4で検査を行う場合、被検体26の形状を観察する場合が多いが、X線4の線量を多くして撮影を行えば短時間でも鮮明な画像を得ることができる。
しかし、X線4の線量は管電流に比例するため、線量を確保するためには管電流を増加させる必要が有るが、管電流は焦点8の温度により制限されるため、必要な線量を確保できない場合が多く、このような場合は撮影時間を長くして、画像の積算を行い鮮明な画像を得ている。
また、半導体検査にX線検査装置25が導入されるようになり、より細かな半導体部品の検査にも対応する必要がある。例えば半導体チップ内部の電極を接続するボンディングワイヤや、基板上の半田ボールなどの観察、検査などでは高解像度な画像を得るためには、数〜10μm程度の微小焦点が必要となるが、固定陽極X線管では、焦点8の温度が著しく上昇するため線量を得ることができず、陽極の冷却のために所要時間を要し、検査に長時間必要である。
このため、マイクロフォーカスX線管では動圧式すべり軸受を採用が待たれる。
特許文献1は、加工中に発生する微細な加工屑が付着する可能性があるため、X線管として組立て真空外囲器中で高電圧を印加した場合、このような加工屑は放電の要因となるため、加工後に加工屑の除去が必要となる。
しかし、回転軸14とターゲット6の組立て品では断熱構造部分など複雑な凹凸を持つ部品を採用する場合が多く、更に組立て用のネジ穴等もあり、加工屑などを完全に除去することは不可能である。この場合、X線管の信頼性に関わる。
そこで、X線検査装置は、この実施形態で説明した回転陽極X線管をX線発生装置に採用する。これによって、ターゲットの加工屑を回転体に混入させないことができるX線検査装置を提供できる。
以上説明したように、本発明の実施形態では、熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構成される陰極1と、この陰極1との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極2と、この陽極2を回転させる回転軸14と、陰極1、陽極2及び回転軸14とを真空気密して収容する外囲器3と、陽極2の電子ビーム衝突面の研磨加工を陽極部2と回転軸14の締結の前工程で加工可能とするために、陽極2と回転軸14の取り付けとそれらの取り付け位置の調整を行う調整ネジ34を備える。
これによって、ターゲットの加工屑を回転体に混入させないことができる。
また、前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームのなす角度が、60°以上且つ70°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の40%以下にしてもよい。
また、前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームの角度が、70°以上且つ80°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の60%以下にしてもよい。
回転陽極型マイクロフォーカスX線管概略図。 実効焦点長さの計算方法説明図。 ターゲット加工及び回転陽極組立て例で工程1〜5概略図。 図3の工程5の後工程の概略図。 ビーム角度によるX線量と照射野の関係図。 X線検査装置の概略図。
符号の説明
1 陰極、2 陽極、3 外囲器、14 回転軸、34 調整ネジ

Claims (5)

  1. 熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構成される陰極部と、この陰極部との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極部と、この陽極部を回転させる回転機構部と、前記陰極部、前記陽極部及び前記回転機構部とを真空気密して収容する外囲器と、を備えた回転陽極X線管において、前記陽極部の電子ビーム衝突面の研磨加工を前記陽極部と前記回転機構部の締結の前工程で加工可能とするために、前記陽極部と前記回転機構部の取り付けとそれらの取り付け位置の調整を行う機構を備えたことを特徴とする回転陽極X線管装置。
  2. 前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームのなす角度が、60°以上且つ70°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の40%以下にすることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極X線管装置。
  3. 前記陽極の電子ビーム衝突面と前記電子ビームの角度が、70°以上且つ80°未満である場合に、前記電子ビーム衝突面の回転振れを、電子ビーム直径の60%以下にすることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極X線管装置。
  4. 熱電子を放出するカソードとこの放出された熱電子を細く収束させる電極から構成される陰極部と、この陰極部との間の電界により前記熱電子を加速し、電子ビームを形成すると供に、この電子ビームの衝突により、その衝突部分からX線を発生する陽極部と、この陽極部を回転させる回転機構部と、前記陰極部、前記陽極部及び前記回転機構部とを真空気密して収容する外囲器と、を備えた回転陽極X線管を製造する方法において、前記陽極部の電子線を衝突させる部分を研磨する第1の工程と、前記研磨された陽極部を洗浄処理する第2の工程と、前記洗浄処理された陽極部を前記回転機構部に締結する第3の工程とからなること特徴とする回転陽極X線管装置の製造方法。
  5. 被検体を載せ、且つX線照射中に被検体を任意の位置に移動することで任意の方向から被検体を観察可能としたテーブル上の被検体にX線を照射するX線発生手段と、
    このX線発生手段と対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、
    このX線検出手段と前記X線発生手段を収納するX線遮蔽体と、前記X線発生手段を
    制御するX線制御手段と、前記X線検出手段によって検出される透過X線を画像とし
    て表示する表示手段とを備えたX線検査装置において、前記X線発生手段は、請求項1〜3の何れか一項に記載の回転陽極X線管装置であることを特徴とするX線検査装置。
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