JP2006092455A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自車両を従来よりも確実に走行予測軌跡に誘導することができる運転支援装置を提供すること。
【解決手段】 運転支援装置1に、自車両P周辺の状況を検出する周辺状況検出装置106と、運転者の操舵量を検出するハンドル装置101と、自車両Pが走行すると予測される最適経路を算出する最適経路生成装置107と、自車両Pが最適経路を走行するために必要な規範の操舵量を算出する規範操作量算出装置108と、ハンドル装置101による検出結果と、規範操作量算出装置108による算出結果と、に基づいて、自車両Pを最適経路に誘導させるために必要な補正操舵量を算出するフィルター装置110と、フィルター装置110による算出結果に基づいて、自車両Pの進行方向を補正操舵量に対応する方向に調整する操舵装置111と、を備えさせた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転支援装置に関する。
従来より、自車両が現在走行中の車線から他の車線に合流する場合に、自車両が走行すると予測される走行予測軌跡を算出し、当該算出結果に基づいて、合流のタイミングを警報音や画面表示等で運転者に提示する運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−134900号公報
しかし、従来の技術では、合流のタイミングを単に運転者に提示するのみであったので、運転者が運転操作に慣れていない場合、運転者は、合流のタイミングを提示されても、合流に必要な運転操作を行うことができず、この結果、自車両を他の車線に合流させることができない可能性があった。したがって、従来の技術には、自車両を走行予測軌跡に誘導することができない可能性があるという問題点があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その主に目的とするところは、従来に比べて、自車両をより走行軌跡に誘導しやすくすることができる運転支援装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本願特許請求の範囲に記載の発明では、自車両周辺の状況を検出する周辺状況検出手段と、運転者が実際に行った運転操作に対応する運転者の運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、周辺状況検出手段による検出結果に基づいて、自車両が走行すると予測される走行予測軌跡を算出する走行予測軌跡算出手段と、走行予測軌跡算出手段による算出結果に基づいて、自車両が走行予測軌跡を走行するために必要な規範の運転操作量を算出する規範操作量算出手段と、運転操作量検出手段による検出結果と、規範操作量算出手段による算出結果と、に基づいて、自車両を走行予測軌跡に誘導させるために必要な補正運転操作量を算出する走行軌跡実現手段と、走行軌跡実現手段による算出結果に基づいて、補正運転操作量に対応する自車両の制御を行う自車両制御手段と、を備えることを主な特徴とする。
本願特許請求の範囲に記載の発明では、主に、以下の効果を得ることができる。即ち、本発明に係る運転支援装置は、自車両を走行予測軌跡に誘導させるために必要な補正運転操作量を算出し、当該算出結果に基づいて、補正運転操作量に対応する自車両の制御を行う。したがって、運転支援装置は、運転者が運転操作に慣れていない場合であっても、自車両を走行予測軌跡に誘導することができるので、従来に比べて、自車両をより走行軌跡に誘導しやすくすることができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、運転支援装置1の構成を示すブロック図であり、図2は、カメラ102〜105の設置位置を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、運転支援装置1は、自車両Pに搭載され、ハンドル装置(運転操作量検出手段)101と、カメラ102〜105と、周辺状況検出装置(周辺状況検出手段)106と、最適経路生成装置(走行予測軌跡算出手段)107と、規範操作量算出装置(規範操作量算出手段)108と、比較装置(平均値算出手段)109と、フィルター装置(走行軌跡実現手段)110と、操舵装置(自車両制御手段)111を備える。
ハンドル装置101は、運転者が実際に行ったステアリング操作(即ち、操舵)に対応する運転者の操舵量をステアバイワイヤ方式で検出する。そして、ハンドル装置101は、当該検出した運転者の操舵量に関する検出信号を比較装置109及びフィルター装置110に出力する。
カメラ102〜105は、図2に示すように、自車両Pに搭載され、自車両Pの周辺を撮影する。そして、カメラ102〜105は、当該撮影により得られた画像信号を周辺状況検出装置106に出力する。
周辺状況検出装置106は、カメラ102〜105から与えられた画像信号に基づいて、自車両及びその周辺が描かれた周辺地図を生成する。この周辺地図の一例を図3に示す。図3に示す周辺地図には、自車両Pの他、車線R、他の車両Q1、Q2が描かれている。そして、周辺状況検出装置106は、当該生成した周辺地図に関する周辺地図信号を生成して最適経路生成装置107に出力する。
最適経路生成装置107は、周辺状況検出装置106から与えられた周辺地図信号に基づいて、現在から△t(s)経過後の自車両Pの位置(以下、「予測位置」と称する)を算出する。そして、最適経路生成装置107は、自車両Pの現在位置から予測位置までの間で自車両Pが走行すると予測される走行予測軌跡のうち、自車両Pが走行するのに最適な軌跡(以下、「最適経路」と称する)を算出する。具体的には、最適経路生成装置107は、自車両Pの走行しにくさの度合いを示すポテンシャルフィールドを周辺地図上に仮想的に生成し、このポテンシャルフィールドの谷(即ち、自車両Pが最も走行しやすい部分)を最適経路として算出する。そして、最適経路生成装置107は、当該算出された最適経路に関する最適経路信号を規範操作量算出装置108に出力する。
規範操作量算出装置108は、車両モデルに基づく逆関数変換データを記憶している。この逆関数変換データは、経路と、当該経路を走行するのに必要な操舵量とを対比させて示すものである。規範操作量算出装置108は、最適経路生成装置107から与えられた最適経路信号と、当該逆関数変換データに基づいて、自車両Pが最適経路を走行するために必要な規範の操舵量を算出する。そして、規範操作量算出装置108は、当該算出された規範の操舵量に関する算出信号を比較装置109に出力する。
比較装置109は、ハンドル装置101及び規範操作量算出装置108から与えられた信号に基づいて、規範の操舵量から運転者の操舵量を引いた値(以下、「偏差」と称する)及び偏差の平均値を算出する。そして、比較装置109は、当該算出した偏差及び平均値に関する偏差信号をフィルター装置110に出力する。
フィルター装置110は、図示しないタイマを備える。また、フィルター装置110は、ハンドル装置101及び比較装置109から与えられた信号に基づいて、自車両Pを最適経路に誘導するために必要な補正操舵量を算出する。そして、フィルター装置110は、当該算出した補正操舵量に関する補正操舵量信号を操舵装置111に出力する。
偏差と補正操舵量との関係を示すグラフL1を図4に示す。図4は、グラフL1を横軸を偏差、縦軸を補正操舵量とする平面上に描いたものである。グラフL1が示すように、運転者の操舵量が規範の操舵量に一致する場合(具体的には、偏差が(−b0)以上(+b0)以下の値となる場合)には、補正操舵量は運転者の操舵量(図4ではa0)に一致する。一方、運転者の操舵量が規範の操舵量と異なる場合には、補正操舵量と規範の操舵量との間隔が運転者の操舵量と規範の操舵量との間隔よりも小さくなる。
操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた補正操舵量信号に基づいて、自車両Pの進行方向を補正操舵量に対応する方向に調整する。
次に、運転支援装置1による処理の手順を図5〜図7に示すフローチャートに沿って説明する。
図5に示すステップST101にて、カメラ102〜105は、自車両Pの周辺を撮影し、当該撮影により得られた画像信号を周辺状況検出装置106に出力する。次いで、周辺状況検出装置106は、カメラ102〜105から与えられた画像信号に基づいて、自車両及びその周辺が描かれた周辺地図を生成する。次いで、周辺状況検出装置106は、当該生成した周辺地図に関する周辺地図信号を生成して最適経路生成装置107に出力する。
次いで、ステップST102にて、最適経路生成装置107は、周辺状況検出装置106から与えられた周辺地図信号に基づいて、予測位置を算出する。
次いで、ステップST103にて、最適経路生成装置107は、最適経路を算出し、当該算出された最適経路に関する最適経路信号を規範操作量算出装置108に出力する。
次いで、ステップST104にて、規範操作量算出装置108は、最適経路生成装置107から与えられた最適経路信号と、逆関数変換データに基づいて、規範の操舵量を算出する。次いで、規範操作量算出装置108は、当該算出された規範の操舵量に関する算出信号を比較装置109に出力する。
次いで、図6に示すステップST105にて、ハンドル装置101は、運転者の操舵量をステアバイワイヤ方式で検出し、当該検出した運転者の操舵量に関する検出信号を比較装置109及びフィルター装置110に出力する。
次いで、ステップST106にて、比較装置109は、ハンドル装置101から検出信号を与えられたかどうかを判断する。この結果、運転支援装置1は、ハンドル装置101から検出信号を与えられた場合には、ステップST107に進み、与えられない場合(ステップST106にてNO)には、本処理を終了する。
ステップST107にて、比較装置109は、ハンドル装置101及び規範操作量算出装置108から与えられた信号に基づいて、偏差を算出する。次いで、比較装置109は、当該算出した偏差に関する偏差信号をフィルター装置110に出力する。
次いで、ステップST108にて、運転支援装置1は、ステップST101〜ステップST107の処理を所定回数繰り返して行う。次いで、比較装置109は、当該繰り返し処理により得られた偏差の平均値を算出し、平均値に関する偏差信号をフィルター装置110に出力する。
一方、フィルター装置110は、ステップST107〜ステップST108の処理が行われている間、当該処理により得られた検出信号を操舵装置111に出力する。次いで、操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた検出信号に基づいて、自車両Pの進行方向を運転者の操舵量に対応する方向に調整する。
次いで、ステップST109にて、フィルター装置110は、比較装置109から与えられた偏差信号に基づいて、偏差が所定の基準範囲内となるかどうかを判断する。この結果、運転支援装置1は、偏差が基準範囲内となる場合には、ステップST110に進み、偏差が基準範囲を超える場合(ステップST109にてNO)には、本処理を終了する。
ステップST110にて、フィルター装置110は、タイマをリセットし、その後、タイマを始動させる。
次いで、ステップST111にて、運転支援装置1は、ステップST101〜ステップST107の処理を行う。次いで、フィルター装置110は、ステップST101〜ステップST107の処理により今回得られた検出信号を操舵装置111に出力する。次いで、操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた検出信号に基づいて、自車両Pの進行方向を運転者の操舵量に対応する方向に調整する。また、フィルター装置110は、ステップST101〜ステップST107の処理により今回得られた偏差が基準範囲内となるかどうかを判断する。この結果、運転支援装置1は、今回の偏差が基準範囲内となり、且つ、タイマが第1の所定時間を示す場合には、ステップST112に進み、今回の偏差が基準範囲内となり、且つ、タイマが第1の所定時間よりも小さい時間を示す場合には、ステップST111の処理を繰り返して行う。一方、運転支援装置1は、今回の偏差が基準範囲を超える場合(ステップST111にてNO)には、本処理を終了する。
ステップST112にて、フィルター装置110は、比較装置109から与えられた偏差信号に基づいて、平均値が所定の基準範囲内となるか判断する。この結果、運転支援装置1は、平均値が基準範囲内となる場合には、ステップST113に進み、平均値が基準範囲を超える場合(ステップST112にてNO)には、本処理を終了する。
ステップST113にて、フィルター装置110は、タイマをリセットし、その後、タイマを始動させる。
次いで、ステップST114にて、運転支援装置1は、ステップST101〜ステップST107の処理を行う。次いで、比較装置109は、ステップST101〜ステップST107の処理により今回得られた偏差と、前回までに得られた全ての偏差と、の平均値を算出する。次いで、比較装置109は、当該算出された平均値に関する偏差信号を生成してフィルター装置110に出力する。次いで、フィルター装置110は、比較装置109から与えられた偏差信号に基づいて、平均値が所定の基準範囲内となるか判断する。この結果、平均値が基準範囲内となり、且つ、タイマが第2の所定時間を示す場合には、運転支援装置1は、図7に示すステップST115に進む。
一方、平均値が基準範囲内となり、且つ、タイマが第2の所定時間よりも小さい時間を示す場合には、フィルター装置110は、ステップST101〜ステップST107の処理により今回得られた検出信号を操舵装置111に出力する。次いで、操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた検出信号に基づいて、自車両Pの進行方向を運転者の操舵量に対応する方向に調整する。その後、運転支援装置1は、ステップST114の処理を繰り返して行う。
一方、平均値が基準範囲を超える場合(ステップST114にてNO)には、フィルター装置110は、ステップST101〜ステップST107の処理により今回得られた検出信号を操舵装置111に出力する。次いで、操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた検出信号に基づいて、自車両Pの進行方向を運転者の操舵量に対応する方向に調整する。その後、運転支援装置1は、本処理を終了する。
図7に示すステップST115〜ステップST117にて、フィルター装置110は、ステップST114の処理により今回得られた運転者の運転操作量に基づいて、上述した補正操舵量を算出する。
次いで、ステップST118にて、フィルター装置110は、当該算出した補正操舵量に関する補正操舵量信号を操舵装置111に出力する。次いで、操舵装置111は、フィルター装置110から与えられた補正操舵量信号に基づいて、自車両Pの進行方向を補正操舵量に対応する方向に調整する。
以上により、第1の実施の形態によれば、運転支援装置1は、自車両Pを最適経路に誘導させるために必要な補正操舵量を算出し、当該算出結果に基づいて、自車両Pの進行方向を補正操舵量に対応する方向に調整する。したがって、運転支援装置1は、運転者が運転操作に慣れていない場合であっても、自車両Pを最適経路に誘導することができるので、自車両Pを従来よりもより最適経路に誘導しやすくすることができる。
なお、自車両Pを従来よりもより最適経路に誘導しやすくする技術としては、規範操作量算出装置108が算出信号を操舵装置111に直接出力する技術、即ち、運転者の運転操作によらず、自車両Pを自動で制御する技術も考えられる。一方、本発明に係る補正操舵量は、自車両Pを最適経路に誘導するために必要な値であれば、どのような値でも良く、例えば、規範の操舵量に完全に一致しなくても良い。また、運転支援装置1は、運転者の操舵量に基づいて、補正操舵量を算出する。したがって、運転支援装置1は、運転者の操舵量を規範の操舵量に近づける制御、言い換えれば、運転者の運転操作に応じた制御を行う。よって、運転支援装置1は、自車両Pを自動で制御する技術よりも、規範操作量算出装置108等の制御系に対する信頼性を小さくすることができるので、自車両Pを自動で制御する技術よりも現実的なコストで実現される。
また、自車両Pを従来よりも確実に最適経路に誘導する技術としては、規範の操舵量に基づいて、運転者の運転操作に操作反力を与える(例えば、ステアリングを回転しにくくする)技術も考えられる。しかし、この技術は、運転者が運転操作を行っている際に、運転者に違和感を与えるという問題点を有する。一方、運転支援装置1は、運転者の運転操作に操作反力を与えないので、このような問題点を有しない。即ち、運転支援装置1は、運転者に違和感を与えることなく、自車両Pを最適経路に誘導することができる。
また、運転者の操舵量が規範の操舵量に一致する場合には、補正操舵量は運転者の操舵量に一致し、運転者の操舵量が規範の操舵量と異なる場合には、補正操舵量と規範の操舵量との間隔が運転者の操舵量と規範の操舵量との間隔よりも小さくなる。これにより、運転支援装置1は、自車両Pを最適経路に誘導することができる。
また、運転支援装置1は、運転者の操舵量を検出した場合にのみ、補正操舵量を算出するので、運転者の意思に反して自車両Pを制御することを防止することができる。したがって、運転者は安心して運転支援装置1を利用することができる。
また、運転支援装置1は、偏差が所定の基準範囲内となる場合にのみ、補正操舵量を算出する。そして、運転支援装置1は、補正操舵量を算出した場合には、補正操舵量に対応する制御を行い、それ以外の場合には、運転者の操舵量に対応する制御を行う。したがって、運転支援装置1は、運転者の意思に反した制御を行うことを防止することができるので、運転者は、安心して運転支援装置1を利用することができる。
また、運転支援装置1は、偏差が基準範囲内となる状態が第1の所定時間継続した場合にのみ、補正操舵量を算出する。そして、運転支援装置1は、補正操舵量を算出した場合には、補正操舵量に対応する制御を行い、それ以外の場合には、運転者の操舵量に対応する制御を行う。したがって、運転支援装置1は、運転者の意思に反した制御を行うことを、このような処理を行わない場合よりも確実に防止することができる。
また、運転支援装置1は、偏差の平均値を算出し、平均値が所定の基準範囲内となる場合にのみ、補正操舵量を算出する。そして、運転支援装置1は、補正操舵量を算出した場合には、補正操舵量に対応する制御を行い、それ以外の場合には、運転者の操舵量に対応する制御を行う。したがって、運転支援装置1は、運転者の意思に反した制御を行うことを、このような処理を行わない場合よりも確実に防止することができる。
また、運転支援装置1は、偏差の平均値を算出し、平均値が所定の基準範囲内となる状態が第2の所定時間継続した場合にのみ、補正操舵量を算出する。そして、運転支援装置1は、補正操舵量を算出した場合には、補正操舵量に対応する制御を行い、それ以外の場合には、運転者の操舵量に対応する制御を行う。したがって、運転支援装置1は、運転者の意思に反した制御を行うことを、このような処理を行わない場合よりも確実に防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。第2の実施の形態は、補正操舵量が第1の実施の形態と異なる他は、第1の実施の形態と同様であるので、補正操舵量のみ説明する。
図8は、偏差と補正操舵量との関係を示すグラフL2を、横軸を偏差、縦軸を補正操舵量の周波数とした平面上に描いたものである。グラフL2が示すように、補正操舵量は、所定の基準周波数以下の周波数帯域に属する運転者の操舵量となる。また、基準周波数は、運転者の操舵量と規範の操舵量との間隔が広がるに従って増加する。
以上により、第2の実施の形態によれば、補正操舵量は、自車両Pを最適経路に誘導するために必要な値となるので、運転支援装置1は、自車両Pを従来よりも確実に最適経路に誘導することができる。具体的には、運転者の操舵量が規範の操舵量に一致する場合には、運転者の操舵量が規範の操舵量と異なる場合よりも、補正操舵量の変動が小さくなる。したがって、運転支援装置1は、運転者の操舵量が規範の操舵量に一致する場合には、運転者の操舵量が規範の操舵量と異なる場合よりも、自車両Pの走行状態を確実に維持することができる。また、運転支援装置1は、運転者の操舵量が規範の操舵量と異なる場合には、運転者の操舵量が規範の操舵量に一致する場合よりも、補正操舵量の変動が大きくなるので、自車両Pの走行軌跡を最適経路に迅速に復帰させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面に基づいて説明する。第3の実施の形態は、補正操舵量が第1の実施の形態と異なる他は、第1の実施の形態と同様であるので、補正操舵量のみ説明する。
図9は、重み演算式(1)の概念を示す説明図であり、図10は、重みと偏差との関係を示すグラフL3を、横軸を偏差、縦軸を重みとした平面上に描いたものである。図9に示すように、補正操舵量は、以下の重み演算式(1)で示される。
Z=W*Y+(1−W)*X …(1)
Z:補正操舵量、Y:規範の操舵量、X:運転者の操舵量、W:重み
また、図10に示すように、重みは、運転者の操舵量と規範の操舵量との間隔が広がるほど減少する。
以上により、第3の実施の形態では、補正操舵量は、自車両Pを最適経路に誘導させるために必要な値、具体的には、運転者の操舵量よりも規範の操舵量に近い値となる。したがって、運転支援装置1は、自車両Pを従来よりも確実に最適経路に誘導することができる。
なお、フィルター装置110は、第1〜第3の実施の形態に示される処理を連続して行っても良い。また、第1〜第3の実施の形態では、操舵に関する実施の形態について説明したが、本発明は、ペダル操作等の運転操作全般に適用可能であることは勿論である。例えば、本発明をブレーキペダル操作に適用した場合、図4の偏差は、規範のブレーキペダル操作量から運転者のブレーキペダル操作量を引いた値となる。また、フィルター装置110は、補正ブレーキペダル操作量と規範のブレーキペダル操作量との間隔が、運転者のブレーキペダル操作量と規範のブレーキペダル操作量との間隔よりも小さくなるように、補正ブレーキペダル操作量を算出する。そして、フィルター装置110は、当該算出した補正ブレーキペダル操作量に関する補正ブレーキペダル操作量信号を制動装置に出力し、制動装置は、フィルター装置110から与えられた補正ブレーキペダル操作量信号に基づいて、補正ブレーキペダル操作量に対応する制動を行う。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で本実施の形態を変更しても良いことは勿論である。
本発明の一実施の形態に係る運転支援装置の構成を示したブロック図である。 カメラの設置位置を示した平面図である。 周辺地図の一例を示す説明図である。 偏差と補正操舵量との関係を示す説明図である。 運転支援装置による処理の手順を示すフローチャートである。 運転支援装置による処理の手順を示すフローチャートである。 運転支援装置による処理の手順を示すフローチャートである。 偏差と補正操舵量との関係を示す説明図である。 重み演算式の概念を示す説明図である。 偏差と重みとの関係を示す説明図である。
符号の説明
1…運転支援装置
101…ハンドル装置(運転操作量検出手段)
102〜105…カメラ
106…周辺状況検出装置(周辺状況検出手段)
107…最適経路生成装置(走行予測軌跡算出手段)
108…規範操作量算出装置(規範操作量算出手段)
109…比較装置(平均値算出手段)
110…フィルター装置(走行軌跡実現手段)
111…操舵装置(自車両制御手段)

Claims (8)

  1. 自車両周辺の状況を検出する周辺状況検出手段と、
    運転者が実際に行った運転操作に対応する運転者の運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、
    前記周辺状況検出手段による検出結果に基づいて、自車両が走行すると予測される走行予測軌跡を算出する走行予測軌跡算出手段と、
    前記走行予測軌跡算出手段による算出結果に基づいて、自車両が前記走行予測軌跡を走行するために必要な規範の運転操作量を算出する規範操作量算出手段と、
    前記運転操作量検出手段による検出結果と、前記規範操作量算出手段による算出結果と、に基づいて、自車両を前記走行予測軌跡に誘導させるために必要な補正運転操作量を算出する走行軌跡実現手段と、
    前記走行軌跡実現手段による算出結果に基づいて、前記補正運転操作量に対応する自車両の制御を行う自車両制御手段と、を備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 請求項1記載の運転支援装置において、
    前記運転者の運転操作量が前記規範の運転操作量に一致する場合には、前記補正運転操作量は前記運転者の運転操作量に一致し、前記運転者の運転操作量が前記規範の運転操作量と異なる場合には、前記補正運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔が前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔よりも小さくなることを特徴とする運転支援装置。
  3. 請求項1または2記載の運転支援装置において、
    前記補正運転操作量は、所定の基準周波数以下の周波数帯域に属する運転者の運転操作量であり、
    前記基準周波数は、前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔が広がるに従って増加することを特徴とする運転支援装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の運転支援装置において、
    前記補正運転操作量は、以下の重み演算式(1)で示され、
    Z=W*Y+(1−W)*X …(1)
    Z:前記補正運転操作量、Y:前記規範の運転操作量、X:前記運転者の運転操作量、W:重み
    前記重みは、0以上1未満の実数であり、前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔が広がるに従って減少することを特徴とする運転支援装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の運転支援装置において、
    前記走行軌跡実現手段は、前記運転操作量検出手段が前記運転者の運転操作量を検出した場合にのみ、前記補正運転操作量を算出することを特徴とする運転支援装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の運転支援装置において、
    前記走行軌跡実現手段は、前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔が所定の基準範囲内となる場合にのみ、前記補正運転操作量を算出し、
    前記自車両制御手段は、前記走行軌跡実現手段が前記補正運転操作量を算出した場合には、前記補正運転操作量に対応する自車両の制御を行い、それ以外の場合には、前記運転者の運転操作量に対応する自車両の制御を行うことを特徴とする運転支援装置。
  7. 請求項6記載の運転支援装置において、
    前記走行軌跡実現手段は、前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔が所定の基準範囲内となる状態が所定時間継続した場合にのみ、前記補正運転操作量を算出することを特徴とする運転支援装置。
  8. 請求項1〜5の何れか1項に記載の運転支援装置において、
    前記運転者の運転操作量と前記規範の運転操作量との間隔の平均値を算出する平均値算出手段を備え、
    前記走行軌跡実現手段は、前記平均値算出手段により算出された平均値が所定の基準範囲内となる場合にのみ、前記補正運転操作量を算出し、
    前記自車両制御手段は、前記走行軌跡実現手段が前記補正運転操作量を算出した場合には、前記補正運転操作量に対応する自車両の制御を行い、それ以外の場合には、前記運転者の運転操作量に対応する自車両の制御を行うことを特徴とする運転支援装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008308032A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Toyota Motor Corp 車両制御装置
CN107408343A (zh) * 2015-03-31 2017-11-28 爱信艾达株式会社 自动驾驶辅助系统、自动驾驶辅助方法以及计算机程序

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