JP2006092162A - 画像処理システムおよび画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像処理機能を有する装置を、複数、接続してなるシステムにおいて、ある装置で出力のための局所的な画像処理を行い、別の装置で処理結果のプレビューが必要な場合において、画像処理の二度掛けに起因する処理能力の低下や画質劣化等を防止する。
【解決手段】局所的な画像処理を特定の装置で行い、処理部のみをプレビューを行う装置に供給して、画像を表示することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像データに画像処理を施す機能を有する装置を複数接続した画像処理システムにおいて、画像処理の高速化を図ることができる画像処理システムおよび画像処理方法に関する。
近年、フィルムに記録された画像を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像データとし、この画像データに応じて変調した記録光によって感光材料を露光してプリントとして出力するデジタルフォトプリンタが実用化されている。
デジタルフォトプリンタでは、フィルムに撮影された画像を光電的に読み取って、画像をデジタルの画像データとして、画像の処理や感光材料の露光を行う。そのため、フィルムに撮影された画像のみならず、デジタルカメラ等で撮影された画像(画像データ)からも、プリントの作成を行うことができる。
また、近年のパーソナルコンピュータ(PC)やデジタルカメラ、さらにはインクジェットプリンタなどの安価なカラープリンタの普及に伴い、デジタルカメラで撮影した画像をPCに取り込み、画像処理を施してプリンタで出力するユーザも多い。
さらに、近年では、デジタルカメラで撮影した画像を記憶した光磁気記録媒体(MOなど)、小型半導体記憶メディア(スマートメディアTMやコンパクトフラッシュTMなど)、磁気記録メディア(フレキシブルディスクなど)、光ディスク(CDやCD−Rなど)等の記憶媒体から、直接的に画像データを読み取り、所定の画像処理を施して、プリント(ハードコピー)を出力するプリンタも実用化されている。
このように、近年では画像関連の装置が多様化しており、1台の装置で全ての処理を行うのではなく、複数の装置を組み合わせて、システム化することが行われている。
例えば、デジタルフォトプリンタであれば、フィルムの画像を読み取って所定の画像処理を施して記録用の画像データとする入力機(スキャナ/イメージプロセサ)と、前記入力機から画像データを受け取り、この画像データに応じて変調した記録光で印画紙(感光材料)を露光して、露光済の感光材料に現像処理を施して(写真)プリントとする出力機(プリンタ/ペーパープロセサ)とに加え、店頭等に設置されてデジタルカメラ等で撮影した画像(画像データ)からのプリント作成の注文を受け付ける受付機、受付機からの画像データを処理して入力機(画像データは無処理で出力機に転送)に送るデジタルイメージコントローラ(以下、DICとする)等が接続されてシステムが構成される。
また、近年では、インターネット等の通信手段を用い、プリント店(プリント店のDIC)と自宅のパーソナルコンピュータ(PC)とを接続して、プリント作成を注文することも行われている。
ここで、このようなシステムにおいて、画像を高品位に仕上げるために画像データに画像処理を施す機能は、入力機やDICが有するのは当然のことであるが、システムの構成等によっては、受付機等も画像処理機能を有する場合がある。
さらに、プリントの注文を行うPCにも、画像処理ソフトウエアが搭載される場合もある。さらに、デジタルカメラも、画像表示やプリント出力の際に高画質な画像が得られるように、撮影した画像データに、各種の画像処理を施す機能を有する機種が有る。
このように、画像処理機能を有する装置を、複数、組み合わせて(接続して)なるシステムでは、1つの画像データに複数の装置で画像処理が掛かるため、画像処理の2度掛け等によって、システム全体としての処理能力の低下等を生じてしまう場合がある。
一例として、ポートレート等の人物を含む画像において、画質を左右する最も重要な要素は人物の仕上りである。従って、撮影時のストロボ発光の影響によって人物の目(瞳)が赤くなる赤目現象は、画質的に重大な問題となる。
従来のフィルムから直接的に露光を行うフォトプリンタでは、赤目の補正は非常に困難であるが、(デジタル)画像データであれば、画像解析および画像処理によって、赤目補正を行うことができる。
画像処理による赤目補正は、通常、画像データの解析によって画像中から顔を検出し、次いで、検出した顔の中から目の検出や赤い丸等を検出することで、画像中の赤目を検出し、検出した赤目(その領域)の色相や彩度を調整することで、行われる。
赤目検出に用いられる顏検出は、各種の方法が知られており、例えば、特許文献1には、画像から人物の顔に相当すると推定される候補領域を検出し、この候補領域を所定数の小領域に分割して、小領域毎に濃度や輝度の変化の頻度および大きさ関連する特徴量を求め、予め作成した人物の顔に相当する領域を前記所定数に分割した際における各小領域の特徴量の関係を表すパターンと、前記特徴量とを照合することにより、顔候補領域の角度を評価して、顔検出の精度を向上する方法が開示されている。
また、特許文献2には、画像から人物の顔に相当すると推定される候補領域を検出し、この顔候補領域の濃度が所定範囲で有る場合に、この顔候補領域を基準として胴体と推定される領域を設定し、設定した胴体領域と顔候補領域との濃度差が所定値以下の領域の有無に基づいて、もしくは、顔候補領域および胴体候補領域の濃度や彩度のコントラストに基づいて、顔候補領域の検出結果の確度を評価して、顔検出の精度を向上する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、画像から人物の顔に相当すると推定される候補領域を検出し、検出した候補領域のうち、画像中で他の候補領域と重複している候補領域について重複度を求め、この重複度が高い領域ほど顔領域である確度を高いと評価することにより、顔検出の精度を向上する方法が開示されている。
特開2000−137788号公報 特開2000−148980号公報 特開2000−149018号公報
このような顔検出、あるいさらに検出した顏からの赤目検出は、精度を要求され、かつ、様々な解析が必要である。そのため、通常、プリントの出力等に用いられる高解像度の画像データ(フィルムを読み取った画像データであれば、いわゆるファインスキャンデータ、デジタルカメラであれば撮影画像データ)で行う必要があり、演算量が多く、処理に時間がかかる。また、上記の各特許文献より明らかなように、顏検出は、複雑で時間の掛かる処理である。
すなわち、赤目補正は、各種の画像処理の中でも時間のかかる処理である。
ここで、デジタルカメラで撮影した画像に赤目が生じており、受付機でプリント注文を受けた際に顧客に赤目補正を依頼された場合には、赤目補正後の画像を顧客が確認するために、赤目を補正した表示(プレビュー画像の表示)する必要がある。特に、赤目補正によってプリント作成費に課金する場合には、プレビューは必須になる。
この際において、DICに加え、受付機も赤目補正機能を有している場合には、受付機において、デジタルカメラや記録媒体から読み出した画像データを表示用の画像データにすると共に、この画像データに赤目補正を行い、赤目を補正した画像を受付機のディスプレイに表示する。
この画像を見て、顧客が画像を確認した後に、画像データをDICに送り、DICにおいて画像データに、赤目補正を含む必要な画像処理を行って、プリント出力用の画像データとし、出力機に供給して、赤目を補正したプリントを出力する。
そのため、前述のプリントシステムにおいては、プレビューのための赤目補正およびプリント出力のための赤目補正と、処理に時間がかかる赤目補正を1つの画像に対して2回掛ける必要があり、その結果、システム全体の処理能力(スループット)が大幅に低下してしまう。
また、確認のために受付機で表示した画像と、プリントとして出力した画像とにおける赤目の補正結果は一致している必要があり、そのためには、受付機における赤目補正機能と、DICにおける赤目補正機能とを一致させておく必要があり、システム全体としての管理にも手間が掛かってしまう。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、赤目補正等の局所的な画像処理を行う機能を有する装置を、複数、接続してなるシステムであって、ある装置で出力のための局所的な画像処理を行い、別の装置で前記局所的な画像処理の確認が必要な場合において、同じ画像処理の不要な二度掛けを防止して処理能力の低下を防ぐことができ、かつ、画像処理結果の確認(プレビュー)も適正に行うことができる画像処理システムおよび画像処理方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、画像データの取得手段、画像表示手段、および画像を部分的に処理する画像処理である局所処理を指示する指示手段を有する少なくとも1つの端末と、画像データに前記局所処理を施す少なくとも1つの画像処理装置と、前記端末と画像処理装置とを接続する通信手段とを有し、前記端末は、取得した画像データと前記指示手段による局所処理の指示とを、前記通信手段を用いて前記画像処理装置に供給し、前記端末から画像データと局所処理の指示とを受け取った画像処理装置は、前記指示された局所処理を前記画像データに施し、処理済の画像データから、局所処理を施した領域を含む画像の少なくとも一部を切り出して、その画像データを前記通信手段を用いて前記端末に供給し、前記画像処理装置から切り出した画像データを受け取った端末は、この画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理システムを提供する。
また、本発明の画像処理方法は、画像データの取得手段、画像表示手段、および画像を部分的に処理する画像処理である局所処理を指示する指示手段を有する少なくとも1つの端末と、画像データに前記局所処理を施す少なくとも1つの画像処理装置とを、通信手段で接続してなる画像処理システムで画像データを処理するに際し、前記端末は、取得した画像データと前記指示手段による局所処理の指示とを、前記通信手段を用いて前記画像処理装置に供給し、前記端末から画像データと局所処理の指示とを受け取った画像処理装置は、前記指示された局所処理を前記画像データに施し、処理済の画像データから、局所処理を施した領域を含む画像の少なくとも一部を切り出して、その画像データを前記通信手段を用いて前記端末に供給し、前記画像処理装置から切り出した画像データを受け取った端末は、この画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理方法を提供する。
このような本発明の画像処理システムおよび画像処理方法において、前記局所処理が、赤目補正、欠損部の補修、および、クロスフィルタ仕上げの少なくとも1種であるのが好ましく、また、前記端末が、プリント作成の受付機、撮像装置、パーソナルコンピュータ、携帯通信端末の少なくとも1つであるのが好ましく、さらに、前記画像処理装置は、前記端末の有するリソースに応じて、切り出して前記端末に供給する画像のサイズを変更するのが好ましい。
本発明は、上記構成を有することにより、赤目補正のような部分的な画像処理を行う画像処理機能を有する装置を複数接続してなる画像処理システムにおいて、ある装置で出力のための部分的な画像処理を行い、別の装置で前記部分的な画像処理の確認が必要な場合に、同じ画像処理の不要な二度掛けを防止して、画像処理の二度掛けによるシステム全体としての処理能力の低下を防止することができ、しかも、確認のためのプレビュー画像と出力したプリント等の画像とで、赤目補正などの画像処理結果を同じにできる。
以下、本発明の画像処理システムおよび画像処理方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の画像処理方法を実施する本発明の画像処理システムの一例の概念をブロック図で示す。
図1に示す画像処理システム10(以下、システム10とする)は、DSC(デジタルカメラ)で撮影した画像などのデジタル画像データを画像処理して、この画像データを再現したプリント(ハードコピー)を出力するものである。なお、プリントの出力に変えて、画像処理を施した画像データをCD−RやDVD等の記憶媒体に記録してもよく、プリントの出力と記憶媒体への画像データの記録との両方を行ってもよい。
このようなシステム10は、基本的に、受付機12と、デジタルカメラ14(以下、DSC14とする)と、パーソナルコンピュータ16(以下、PC16とする)と、携帯電話18と、画像処理装置20と、マルチプリンタコントローラー22(以下、MPC22とする)と、プリンタ24(24a、24b、および24c)と、通信手段26とを有して構成される。
受付機12、DSC14、PC16、および携帯電話18は、共に、本発明の画像処理システムにおける端末である。
受付機12は、プリント店やコンビニエンスストアの店頭等に設置され、(デジタル)画像データからのプリント作成等の注文を受け付ける装置であり、DSCや撮像機能付きの携帯電話等の撮像装置や、これらの撮像装置で撮影した画像データを記憶した記憶媒体から画像(画像データ)を読み取り、自身が有するディスプレイに読み取った画像を必要に応じて表示し、かつ、各画像(各コマ)のプリント枚数、プリントサイズ、仕上がり指示の情報、各種の特殊処理等などの注文情報の入力機能を有する。
DSC14は、撮影画像の表示等を行うためのディスプレイを有するものである。PC16は、通常のパーソナルコンピュータと同様に、本体、ディスプレイ、マウスやキーボード等の操作手段を有するものである。さらに、携帯電話18は、撮影機能および撮影画像の表示等を行うためのディスプレイを有するものである。
DSC14、PC16、および携帯電話18は、共に、各機器(装置)が有する通常の機能に加え、受付機12と同様の注文情報の入力機能を有する。
なお、受付機12、DSC14、PC16、および携帯電話18において、注文情報の入力手段は、キーボード、マウス、タッチパネル、操作キー、操作ボタン、ディスプレイなどを用い、GUI(Graphical User Interface)などを利用する公知の手段で構成すればよい。
ここで、本発明のシステム10の端末である受付機12、DSC14、PC16、および携帯電話18は、注文情報の入力手段の機能として、画像(画像データ)に局所処理を施すことを指示する指示手段を有している。さらに、画像処理装置20から、画像データ(後述する、局所処理部を切り出した画像)が転送されたら、その画像をディスプレイに表示する。
局所処理とは、階調補正や色/濃度補正等のように画像全体にかかる画像処理ではなく、画像を部分的に変更(修正、補正)する画像処理である。一例として、ストロボ撮影に起因する赤目を補正する赤目補正、画像データ源となったフィルムやDSC14のレンズに付着したゴミや傷に起因する画像(画素)の欠損部を補修するゴミ傷消し処理、および、画像(画面)上の輝点にクロス状の光が入ったようにする(あるいはクロス状の光を削除する)クロスフィルタ仕上げ等が例示される。
本発明のシステム10の端末である受付機12、DSC14、PC16、および携帯電話18は、前記局所処理を含んで各種の画像処理を実施可能であってもよい。特に、受付機12は、出力するプリントに近い画像を表示できるように、画像処理装置20と同様の画像処理が可能であるのが好ましい。
実施する画像処理および画像処理方法は、後述する画像処理装置20と同様である(局所処理も含む)。
本発明のシステム10において、端末は、上記受付機12、DSC14、PC16、および携帯電話18に限定はされず、撮像機能を含む画像データの取得手段、画像表示手段、および局所処理の指示手段を有し、かつ、後述するように、通信手段によって画像処理装置20と接続可能なものであれば、各種のものが利用可能である。
一例として、デジタルビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistance)、POS(Points of Sale)等で使用される撮像機能付きバーコードリーダ、撮像機能付きのリモコン等が例示される。
受付機12、DSC14、PC16、および、携帯電話18(以下、これらをまとめて「端末」という)は、取得した画像(画像データ)と注文情報とを対応づけして、通信手段26によって画像処理装置20に供給する。
通信手段26には、特に限定はなく、無線でも有線でもよく、インターネットやLAN(Local Area Network)などのコンピュータ通信ネットワーク、専用の通信回線、電話回線等の公知の各種の通信手段が、全て利用可能である。また、各端末が異なる通信手段26で画像処理装置20と接続されてもよく、複数の端末で1つの通信手段26を共用してもよい。
画像処理装置20は、端末から供給された画像データに、注文情報等に応じた必要な画像処理を施して、プリンタ24における画像記録に対応する画像データとして、MPC22に供給するものである。
システム10において、画像処理装置20には特に限定はなく、各種のものが利用可能である。一例として、(写真)フィルムに撮影された画像を光電的に読み取り、得られた画像データに必要な画像処理を施して適正な画像とし、さらにプリンタ20における画像記録に対応する画像データとする、前述のデジタルフォトプリンタを構成する入力機(いわゆるスキャナ/イメージプロセサ)が例示される。
また、受付機12と同様の注文情報の入力手段を有し、デジタルカメラに装填される記録媒体などから画像データを取得し、必要な画像処理を施して適正な画像とし、さらに、プリンタ20における画像記録に対応する画像データとして前述のデジタルフォトプリンタに供給する、あるいはCD−R等の記憶媒体への記録に対応する画像データ(画像ファイル)として記録する、前述のデジタルフォトプリンタを構成するデジタルイメージコントローラ(DIC)も画像処理装置20として好適に例示される。
画像処理装置20が行う画像処理には、特に限定はない。
一例として、ネガ/ポジ変換、画像の拡大/縮小(電子変倍処理)、階調補正、色/濃度補正、彩度補正、シャープネス処理、覆い焼き処理(画像(濃度)ダイナミックレンジの圧縮/伸長)、色空間の変換処理等が例示される。また、これらの画像処理は、公知の方法で行えばよい。
ここで、画像処理装置20は、このような画像全体にかかる画像処理以外にも、赤目補正、ゴミ傷消し処理、クロスフィルタ仕上げ等の前記局所処理も実行可能なものであり、端末の指示手段によって、注文情報として局所処理の実施が指示されている画像データには、プリント出力等に必要な画像処理に加えて、局所処理も行う。
局所処理の方法には、特に限定はなく、公知の方法が各種利用可能である。
一例として、赤目補正方法としては、図2のフロー図に示す方法が例示され、図示例の画像処理部20は、端末によって赤目補正の実施を指示された画像(画像データ)には、この方法で赤目補正を行う。
この赤目補正では、まず最初に、赤目補正を行う画像(入力画像)から赤目候補(赤目である可能性のある領域)を検出し、赤目候補の位置情報(中心の座標位置情報)、領域情報、個数の情報等を得る。
一例として、図3に示すように、背景に3つの赤ランプを有するシーンで人物を撮影し、この人物に赤目現象が生じた画像(シーン)であれば、赤ランプに対応するa、b、およびc、ならびに、赤目に対応するdおよびeで示す領域を赤目候補として検出する。
赤目候補の検出方法には、特に限定はなく、公知の各種の方法が利用可能である。
一例として、赤目の色情報(赤目が赤いこと)および形状情報(赤目が丸いこと)を用いて、赤色の色相で、かつ、所定画素数以上の円形領域を抽出し、予め多数の赤目の画像サンプルから設定した、赤目度(どの程度赤目らしい色か)および円形度(どの程度丸いか)を用い、赤目度および円形度が閾値を超えた領域を、赤目である可能性を有する赤目候補として検出する方法が例示される。
次いで、この赤目候補の検出結果(例えば前記位置情報)を用いて、検出した赤目候補を含む周辺領域において、顔検出を行う。
例えば、図3に示す例であれば、前記a、b、c、d、およびeの各赤目候補に対応して、各赤目候補を含む所定領域において、順次、顔検出を行う。従って、顔領域として例えば点線で囲まれた領域が検出され、赤目候補dおよびeが顔領域に含まれる赤目候補であるとの情報、あるいはさらに、検出した顔領域の情報が得られる。
顔検出の方法には、特に限定はなく、公知の各種の方法が利用可能である。
一例として、本例においては、多数の顔の画像サンプルから予め作成した平均的な顔画像いわゆる顔のテンプレート(以下、顔テンプレートとする)を用いて、テンプレートマッチングによって顔検出を行う方法を行う。
この方法では、一例として、縦位置(縦撮影)/横位置(横撮影)などの撮影時のカメラの向きに応じて、図4(A)に示すように顔テンプレート(もしくは対象画像)を天地および左右方向に回転(画像面において0°→90°→180°→270°と回転)して顔の向きを変え、かつ、画像中の顔のサイズ(解像度)に応じて、図4(B)に示すような顔テンプレート(同前)の顔サイズの変更(拡大/縮小=解像度変換)を行って、各種の顔の向きおよび顔サイズの組み合わせの顔テンプレートと、画像中の顔候補領域とのマッチング(一致度の確認)を、順次、行って、顔検出を行う。
なお、顔テンプレートの回転および拡大/縮小に変えて、回転した顔テンプレートや拡大/縮小した顔テンプレートを予め作成しておいて、これを用いてマッチングを行ってもよい。また、顔候補領域の検出は、例えば、肌色抽出や輪郭抽出等の手段で行えばよい。
なお、顏検出の方法は、このテンプレートマッチングによる方法に限定はされない。
例えば、学習手法を使用した顔検出も好適に例示される。この方法では、多数の顔画像と非顔画像とを用意して、それぞれの特徴量の抽出を行って、その結果から、適宜選択した学習手法を利用して、顔か非顔かを分離する関数や閾値を算出する、事前学習を行う。顔検出を行う際には、対象画像に対して、事前学習と同様にして特徴量の抽出を行って、事前学習で得られた関数や閾値を用いて顔か非顔かを判別して、顔検出を行う、学習手法による顏検出も好適である。
さらに、特開平8−184925号や特開平9−138471号の各公報に開示されるエッジ(輪郭)抽出やエッジ方向の抽出による形状認識による顔検出、肌色抽出や黒抽出等の色抽出による顔検出、形状認識と色抽出とを組み合わせた顔検出や、前記特許文献1〜3において、顔テンプレートを用いたマッチング以外の顔候補の検出方法として例示されている各方法も、利用可能である。
このようにして、赤目候補の検出結果、および、顔が検出できた赤目候補の情報を用いて、周囲に顔が検出できた赤目候補dおよび赤目候補eを赤目領域dおよび赤目領域eと特定(赤目特定)する。
このように、最初に赤目候補検出を行い、次いで、検出した赤目候補の周辺のみで顔検出を行って、周辺に顔が検出できた赤目候補を赤目と特定することにより、赤目検出の時間を大幅に短縮することができる。
すなわち、前述のように、顔検出を含む赤目の検出は、時間のかかる処理であるが、従来の赤目検出では、顔検出を行った後に、検出された顔領域内で赤目検出を行っているため、赤目の存在しない領域でも顔検出を行っており、その結果、顔検出に非常に時間がかかる。これに対し、このように、赤目候補を検出した後に、この赤目候補を含む所定領域でのみ顔検出を行うことにより、赤目が存在しない領域での無駄な顔検出を無くして、赤目検出において、顔検出にかかる時間を大幅に短縮することができる。
このようにして赤目を特定したら、特定した赤目領域dおよび赤目領域eを画像処理して、入力画像の赤目を修正して、赤目補正画像とする。
赤目の修正方法には、特に限定はなく、公知の方法が各種利用可能である。例えば、赤目や赤目周囲(顔の周囲を含んでもよい)の画像特徴量等に応じて赤目領域の彩度、明度、色相等をコントロールして赤目を修正する処理や、単純に赤目領域の色を黒に変換する修正処理等が例示される。
なお、赤目補正方法は(赤目補正アルゴリズム)、この方法に限定はされず、顏検出を行った後に赤目検出を行って補正する、通常の赤目補正方法も利用可能であり、その他、公知の赤目補正方法が、全て利用可能である。
また、全ての装置で同じ赤目補正方法を行うのにも、限定はされず、1以上あるいは全ての装置で、互いに異なる赤目補正方法を実行するものであってもよい。
ゴミ傷消し処理の方法としては、例えば、特開2000−74846号公報に開示される、エッジ検出によって条件を満たす線分を検出して、この線分を用いてゴミ傷に起因する欠損部を検出し、周辺画素との連続性や周辺領域の画像データを用いた補完等によって、欠損部を修正する方法や、特開2000−92319号公報に開示される、スムージング画像と原画像との差分の大きさから、ゴミ傷に起因する欠損候補領域を検出し、形状や色の変化などの候補領域の特徴から欠損部を検出し、先と同様に欠損部を修正する方法等が例示される。
さらに、クロスフィルタ処理の方法としては、例えば、輝度がハイライト側で、かつ、特定画素数以内の領域に含まれる画素を検出して、検出した画素から位置の近い画素を塊にして、この塊を円で近似することによって、光源領域を抽出し、次いで、抽出した光源領域のR(赤)、G(緑)およびB(青)の信号値の平均値(すなわち輝度)および大きさを求めることによって、光源領域の特徴量を算出し、最後に、この光源領域の特徴量を用いて、明るい光源ほど長く、かつ、光源から離れるに従って光線が薄くなるように、画像を書き換えることにより、画像をクロスフィルタ処理する方法が例示される。
画像処理装置20は、局所処理を行った場合には、局所処理によって画像が変化した部分(局所処理で効果が有った部分 以下、局所処理部とする)を含む領域を切り出し、その画像データ(以下、局所処理データとする)を、通信手段26によって画像データを供給された端末に供給する。
また、局所処理データを供給された端末は、この局所処理データの画像を自身のディスプレイに表示する。すなわち、赤目補正の効果を確認するためのプレビュー画像をディスプレイに表示する。
例えば、受付機12から画像処理装置20に、赤目補正を指示された図3の画像データを供給された場合には、前述のようにして赤目補正を行って、修正した赤目領域dおよび赤目領域eの個々を含む領域を切り出し、もしくは、修正した赤目領域dおよび赤目領域eの両者を含む領域を切り出し、局所処理データとして受付機12に供給する。受付機12は、この局所処理データの画像を自身のディスプレイに表示する。
局所処理部を含む切り出し領域(局所処理データ)は、例えば局所処理部の外縁に接する矩形の1.2倍の矩形領域のように、局所処理部に対応したサイズでもよく、あるいは、切り出した領域を電子変倍処理(拡大/縮小)して、局所処理データを所定サイズとしてもよい。
しかしながら、好ましくは、局所処理データを送る端末のリソース(ディスプレイの画素数、CPUの能力、メモリの能力等)や通信手段26に応じて、切り出す領域のサイズ(局所処理データのサイズ)を、適宜、変更する。また、局所処理の効果を、より確認し易くするために、切り出した領域を拡大/縮小して、端末に供給してもよい。
局所処理の結果の確認を好適に行うためには、局所処理部を含むできるだけ広い領域の画像で確認できるのが好ましく、また、局所処理部も出来るだけ大きい方が、確認は容易である。
他方、端末が、画像処理部20に画像データを供給し、次いで、画像処理部20から局所処理データを受け取って表示するまでの時間は、短い方が好ましいが、局所処理データの画像データの量が多くなれば、通信時間、および、端末内における画像表示のための処理にも時間がかかる。また、画像サイズが大きすぎ、全体を表示出来ない場合もある。本発明のシステム10において、端末となる装置は、安価でリソースが不十分である場合も多く、画像処理装置20への画像データの供給から局所処理データの表示までに時間がかかる可能性も高い。
従って、例えば、図3の画像であれば、リソースや通信手段の能力が不十分で有る場合には、赤目領域dおよび赤目領域eの局所処理部のみを含む領域を切り出し、リソースや通信手段の能力が十分な場合には、顏全体を切り出し、リソースや通信手段の能力に余裕が有る場合には、画像全体を局所処理データとする等、端末のリソースや通信手段26の能力に応じて、局所処理に対応して切り出す局所処理データのサイズを変更し、処理効果の確認と、処理の迅速性との両立を図るのが好ましい。
また、局所処理した領域の大きさに対して、端末のリソース等に余裕が有る場合には、この領域を拡大して、より局所処理の効果を確認し易い画像としてもよい。
図示例のシステム10において、画像処理装置20は1台であるが、複数の画像処理装置10を有してもよい。この際において、画像処理装置20は、同じ機器であっても異なる機器であってもよく、さらに、1台もしくは複数台の異なる機種が混在してもよい。
さらに、システム10は、例えば受付機12が2台等、複数の同じ機器を端末として有してもよい。
MPC22は、システム10に好ましい態様として接続されるもので、画像処理装置20から画像データを受け取って、最も対応するプリントの出力に適し、かつ都合の良い状態のプリンタ24(図示例においては、プリンタ24a〜24cの何れか)を選択して、画像データを供給する。なお、MPC22に接続される画像処理装置20は、1台に限定はされず、すなわちMPC22は、画像データ入力側とプリント出力側とのn:mの接続を可能にする。
また、MPC22は、複数の画像処理装置20と接続され、同時に画像データを供給された場合には、必要に応じて画像データを記憶して、各画像データの出力順を決定し、最適なプリンタに供給する。すなわち、MPC22は、システム10において、スプール装置として機能するものであり、このMPC22を有することにより、入力側と出力側の装置を、互いの状態に関係なく非同期に作動することができ、システム10としての処理効率を向上することができる。
プリンタ24(24a〜24b)は、共に、公知のプリンタである。
一例として、プリンタ24aは、供給された画像データに応じて変調した記録光によって印画紙(感光材料)を2次元的に露光して潜像を形成し、露光済の印画紙に、現像/定着/漂白/水洗の所定の湿式の現像処理を施し、乾燥して、(写真)プリントとする、いわゆるデジタルフォトプリンタの出力機(プリンタ/プロセサ(PX))である。
また、プリンタ24bは、供給された画像データに応じて変調した記録光によって、一様帯電した電子写真感光体を2次元的に露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー現像して受像媒体に転写することを、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、およびK(黒)の4色で、順次、行うことによりカラー画像を形成する、レーザプリンタ(LP)である。
さらに、プリンタ24cは、供給された画像データに応じて変調して、C、M、YおよびKのインクを吐出するこによりカラー画像を形成する、インクジェットプリンタ(IJP)である。
なお、システム10に利用されるプリンタは、これらに限定はされず、公知の各種のプリンタが利用可能である。
以下、システム10の作用を説明することにより、システム10および本発明について、より詳細に説明する。
一例として、赤目補正の機能を有する受付機10に、顧客(プリント作成の依頼者)によって図3に示す画像の画像データを記憶した記憶媒体が装填され、同画像に対してプリント枚数やサイズ等の注文情報が入力され、さらに、注文情報として赤目補正が指示され、送信指示が出されたとする。
受付機10は、記録媒体から読み取った画像データに赤目補正を行うことなく、画像データと注文情報とを対応付けして、通信手段26によって、画像処理部20に供給する。
画像処理部20は、出力するプリントに応じた画像処理を施してプリンタ24による画像記録に対応する画像データとすると共に、赤目補正の指示に応じて、前述のように、画像中の赤目候補(a〜e)を検出し、次いで、顏検出を行って、顏領域に存在する赤目候補(dおよびe)を赤目と特定し、彩度、明度、色相等を調整して赤目を補正する。
次いで、補正した赤目領域(dおよびe)を含む領域を切り出して、その画像データである局所処理データを画像データの供給元である受付機20に送る。なお、局所処理データのサイズは、受付機10のリソースや通信手段の能力に応じて、適宜、設定するのが好ましいのは、前述のとおりである。
局所処理データを受け取った受付機12は、この局所処理データの画像すなわち赤目補正の効果を確認するためのプレビュー画像をディスプレイに表示する。
プレビュー画像の表示後、顧客から、この画像でのプリント作成指示(画像OK)が受付機12に入力された場合には、受付機12は、その旨の指示を画像処理装置20に供給する。これに応じて、画像処理装置20は、赤目補正を含む画像処理を施した画像データをMPC22に供給し、MPC22は、最適なプリンタ24を選択して画像データを供給し、プリンタ24が赤目補正を施した画像を再生したプリントを出力する。
他方、プレビュー画像の表示後、顧客によって赤目補正がキャンセルされた場合には、受付機12は、その旨の指示を画像処理装置20に供給し、画像処理装置20は、これに応じて、赤目補正を行わない画像データをMPC22に供給し、MPC22が最適にプリンタ24に画像データを供給し、プリンタ24が赤目補正を施されていない画像を再生したプリントを出力する。
以上の説明より明らかなように、本発明のシステム10および画像処理方法によれば、複数の装置が赤目補正機能を有し、或る装置でプリント出力のための赤目補正(局所処理)を行い、他の装置で赤目補正結果の確認のためのプレビューが必要な場合において、受付機10(端末)ではプレビューのための赤目処理を行わず、画像処理装置10のみで赤目補正を行うので、1つの画像に対して2回の赤目補正を行う2度掛けに起因するシステム全体の処理能力低下を防止できる。また、プレビュー画像は、赤目の修正部等の処理の効果を確認できる部分を切り出した局所処理データで表示するので、局所処理データの転送および表示のためのデータの処理も迅速に行うことができる。
しかも、1つの装置で局所処理した画像データで、プレビューおよびプリント出力を行うので、各装置で、画像処理ソフトウエアのバージョンの対応付け等、各装置が有する処理機能が異なっても、プレビュー画像とプリント画像とが一致する。すなわち、画像処理を行う装置のみ、最新の局所処理機能を有していればよい。
以上、本発明の画像処理システムおよび画像処理方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の画像処理システムの一例を概念的に示すブロック図である。 図1に示す画像処理システムにおける赤目補正方法の一例を説明するためのブロック図である。 図1に示す画像処理システムにおける赤目補正方法の一例を説明するための概念図である。 (A)および(B)は、図1に示す画像処理システムにおける赤目補正方法の一例を説明するための概念図である。
符号の説明
10 (画像処理)システム
12 受付機
14 デジタルカメラ(DSC)
16 パーソナルコンピュータ(PC)
18 携帯電話
20 画像処理部
22 MPC
24 プリンタ

Claims (5)

  1. 画像データの取得手段、画像表示手段、および画像を部分的に処理する画像処理である局所処理を指示する指示手段を有する少なくとも1つの端末と、画像データに前記局所処理を施す少なくとも1つの画像処理装置と、前記端末と画像処理装置とを接続する通信手段とを有し、
    前記端末は、取得した画像データと前記指示手段による局所処理の指示とを、前記通信手段を用いて前記画像処理装置に供給し、
    前記端末から画像データと局所処理の指示とを受け取った画像処理装置は、前記指示された局所処理を前記画像データに施し、処理済の画像データから、局所処理を施した領域を含む画像の少なくとも一部を切り出して、その画像データを前記通信手段を用いて前記端末に供給し、
    前記画像処理装置から切り出した画像データを受け取った端末は、この画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理システム。
  2. 前記局所処理が、赤目補正、欠損部の補修、および、クロスフィルタ仕上げの少なくとも1種である請求項1に記載の画像処理システム。
  3. 前記端末が、プリント作成の受付機、撮像装置、パーソナルコンピュータ、携帯通信端末の少なくとも1つである請求項1または2に記載の画像処理システム。
  4. 前記画像処理装置は、前記端末の有するリソースに応じて、切り出して前記端末に供給する画像のサイズを変更する請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
  5. 画像データの取得手段、画像表示手段、および画像を部分的に処理する画像処理である局所処理を指示する指示手段を有する少なくとも1つの端末と、画像データに前記局所処理を施す少なくとも1つの画像処理装置とを、通信手段で接続してなる画像処理システムにおいて画像データを処理するに際し、
    前記端末は、取得した画像データと前記指示手段による局所処理の指示とを、前記通信手段を用いて前記画像処理装置に供給し、
    前記端末から画像データと局所処理の指示とを受け取った画像処理装置は、前記指示された局所処理を前記画像データに施し、処理済の画像データから、局所処理を施した領域を含む画像の少なくとも一部を切り出して、その画像データを前記通信手段を用いて前記端末に供給し、
    前記画像処理装置から切り出した画像データを受け取った端末は、この画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理方法。
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JP2016005036A (ja) * 2014-06-13 2016-01-12 キヤノン株式会社 装置、方法、及びプログラム

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