JP2006091733A - 板状部材の印刷装置 - Google Patents

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智章 岡田
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Abstract

【課題】 どのような厚さの被転写体であっても対応でき、かつ、効率良く被転写体に印刷ができるようにした、板状部材の印刷装置を提供することが課題である。
【解決手段】 感光体上に電子写真方式でトナー画像を形成し、中間転写ベルトによってこのトナー画像を1次転写した後被転写体へ2次転写するように板状部材の印刷装置を構成し、2次転写位置に設けた2次転写ローラの内部にヒータと表面には所定厚みの弾性体を設けると共に、被転写体との間隔を調節する機構を設け、中間転写ベルトのテンションを調節するテンションローラ内部には転写ベルトの冷却手段を設け、前記転写ベルトに1次転写されたトナー画像を前記ヒータにより溶融して前記被転写体へ転写するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス、プリント基板、セラミック、厚紙、フィルムなどの任意の厚さを有する板状部材へ印刷を行う板状部材の印刷装置に係り、特に、電子写真方式を利用し、厚みの異なる板状部材への印刷を可能とした板状部材の印刷装置に関するものである。
自動車におけるリアガラスの熱線、プリント基板における配線や部品配置場所を指示するための部品名の印刷及び電極の印刷、その他セラミック、厚紙、フィルムなどの板状部材へ印刷を行う印刷装置としては、従来からスクリーン印刷が用いられてきた。しかしながらスクリーン印刷では、印刷のための版を型ごとに作らなければならないから、印刷部数が少ない場合は非常に高価なものになると共に、印刷までに時間を要した。
そのため例えば特許文献1には、電子写真方式を用いてトナー画像を形成する感光体と、表面にシリコンゴムを配して感光体上に形成されたトナー画像を1次転写し、その後転写位置に運搬されてくる被転写体に2次転写する転写ベルトと、被転写体への2次転写位置より上流側に設けられて転写ベルト上のトナー画像を溶融するヒータと、運搬されてくる被転写体を予備加熱するプレヒータとを備え、電子写真方式で形成された印刷画像(トナー画像)を転写ベルト上で溶融し、予めプレヒートされた被転写体に転写して印刷を行う板状部材の印刷装置が提案されている。
また特許文献2には、前記特許文献1と同様電子写真方式でトナー画像を形成する感光体を有し、中間転写体をドラム状とすると共に、前記特許文献1に示された装置においては、被転写体に転写されずに転写ベルト上に残ったトナーが冷却されずに感光体まで運ばれ、逆に感光体に付着してしまう欠点があるからそれを防止するため、中間転写ドラム上のトナー画像は溶融せず、被転写体をプレヒートするだけとし、さらに被転写体へのトナー画像転写後、中間転写ドラムを冷却する装置を設けた板状部材の印刷装置が示されている。
USP5,988,068号公報 WO 2004/00565 A3号公報
これら特許文献1、2に示された装置は、画像形成に電子写真方式を用いているため、スクリーン印刷の場合のように版を作る必要が無く、例え少部数であっても安価に、また短時間で印刷を行うことができるが、いずれの装置も被転写体へのトナー画像転写に際し、被転写体の厚みに対応する機構を持たないため、一定の厚さの被転写体であれば連続印刷が可能である。しかしながら、被転写体により厚さが異なるような場合は対応できないという問題がある。
また、特許文献1に示された印刷装置では、転写ベルトは加熱されるため衰耗が激しく、所定時間使用すると新しいベルトに交換する必要があるが、転写ローラが固定されているため転写ベルトの着脱が困難であり、例え交換しても、所定の張力を得るための調節に時間がかかったりする。
特許文献2に示された印刷装置ではこういった問題は起きないが、この特許文献2の印刷装置では、中間転写ドラム上のトナー画像が予め溶融されないため、被転写体をこのトナー画像の溶融温度まで加熱する必要があり、ガラスやセラミック等の熱伝導率の低い厚板を150℃〜200℃程度に予熱しなければならず、効率が悪い。
そのため本発明においては、どのような厚さの被転写体であっても対応でき、かつ、効率良く被転写体にトナー画像を転写できるようにした、板状部材の印刷装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明における板状部材の印刷装置は、
電子写真方式でトナー画像を形成する感光体と、該感光体上に形成されたトナー画像を1次転写し、板状の被転写体へ2次転写する中間転写体と、該中間転写体上に1次転写したトナー画像が前記2次転写位置へ至るタイミングに合わせて前記被転写体を搬送する手段とを有した板状部材の印刷装置において、
前記中間転写体は、少なくとも前記1次転写位置に設けられた1次転写ローラと前記2次転写位置に設けられた2次転写ローラと転写ベルトの張力を調節するテンションローラとに張架され、
前記2次転写ローラは内部にヒータと表面に所定厚みの弾性体と、前記被転写体との間隔を調節する機構とを有し、
前記テンションローラは、前記転写ベルトのテンション調節機構と内部に転写ベルトの冷却手段とが設けられ、前記転写ベルトに1次転写されたトナー画像を前記ヒータにより溶融して前記被転写体へ転写するようにしたことを特徴とする。
このように板状部材の印刷装置を構成することにより、中間転写体上のトナーは2次転写ローラに内蔵されたヒータの熱で溶融されて被転写体に転写され、効率良くトナー画像を被転写体に転写することが可能であり、また2次転写ローラは、被転写体との間隔を調節する機構を有すると共に表面に弾性体が設けられているから、どのような厚さの板状部材であっても、また、表面形状に多少の起伏があっても追従すると共にニップ圧の調節も可能であり、常に良好な印刷を実現することができる。そしてテンションローラは、中間転写体のテンション調節機構と内部に中間転写体の冷却手段とが設けられているから、2次転写ローラと被転写体の間隔が調節されて変動してもテンションを一定に保つことができると共に、中間転写体上に残った溶融トナーが感光体に付着するということも防止でき、また、メンテナンスも容易にできる板状部材の印刷装置を提供することが可能となる。
そして、前記中間転写体は、SUSまたはポリイミドで構成されたベルト上にシリコンコーティングを施したものを用いることにより、2次転写ローラに内蔵されたヒータで溶融されたトナーを確実に被転写体に転写させることができる。
また、前記2次転写ローラ表面に設けられた弾性体は、シリコンゴムとすることで、熱に強く、被転写体の起伏に良好に追随する2次転写ローラとすることができる。
さらに、前記2次転写ローラにおける前記被転写体との間隔を調節する機構は、前記印刷装置に固定された軸に回転自在に設けられて駆動力伝達手段からの駆動力が伝達される駆動ギアと、2次転写ローラ軸端に回転自在に設けられて前記駆動ギアと噛み合い、前記2次転写ローラの軸と前記駆動ギアの軸とがアームで結合された被駆動ギアと、前記アームに取り付けられて前記2次転写ローラと前記被転写体との間隔を調節するアクチュエータとで構成することにより、簡単な機構で2次転写ローラと被転写体との間隔を調節することができる。
そして、前記トナーは樹脂トナーに金属粒子を含んで構成され、前記ヒータで樹脂トナーが溶融可能であること、及び前記印刷装置は、前記2次転写位置下流に溶融炉を設け、前記被転写体に転写されたトナー中の金属を焼結させることが本発明の好適な実施例である。
以上記載のごとく本発明によれば、どのような厚さの被転写体であっても対応できると共に、転写ベルトに転写されたトナー画像を効率良く被転写体に転写することができる、板状部材の印刷装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明になる板状部材の印刷装置における第1実施例の概略構成図、図2は本発明になる板状部材の印刷装置における2次転写ローラの構造概略を示した断面図、図3は同じく2次転写ローラの被転写体との間隔調節機構の一例概略を示した図、図4は中間転写ベルトの蛇行防止機構概略を示した断面図、図5は、図6はヒートローラと被転写体たる板状部材の温度による印刷状態をテストした結果を示したグラフ、図7は本発明になる板状部材の印刷装置の第2実施例概略構成図である。
本発明になる板状部材の印刷装置は、電子写真技術を応用して前記したガラス、プリント基板、セラミック、厚紙、フィルムなどの任意の厚さを有する板状部材へ印刷をおこなえるようにした印刷装置に関するものであり、図1において1は電子写真用感光体で、有機感光体、アモルファス・シリコン(a−Si)感光体など、種々の感光体を用いることができ、また図ではドラム状の感光体を示したが、ベルト状の感光体であってもかまわない。なお、本発明で使用するトナーは、例えば車のリアウインドの熱線などを形成する場合、80〜100℃程度で溶融する樹脂に銀や銅の粒子を含ませ、この金属粒子の平均粒径を20〜30μmとしたものを用いることが好ましい。また、プリント基板への文字の印刷の場合は金属粒子は含ませず、トナー樹脂の平均粒径が40〜50μmのトナーを用いることが好ましい。
2は感光体1を均一に帯電させる帯電器で、コロトロンやスコロトロンを用いたコロナ帯電器、或いはローラ型の帯電ローラなどを用いることができる。3はLEDを用いたり、レーザ光をポリゴンミラーで振るようにして感光体1を走査する露光装置、4は感光体1上に形成された潜像をトナーで現像してトナー画像を形成する現像装置、5は感光体1上に形成されたトナー画像を中間転写体たる中間転写ベルト6に転写するための1次転写ローラ、7は感光体1上に残ったトナーをクリーニングするためのクリーナ、8は中間転写ベルト6上に転写されたトナー9を溶融するためのヒータを内蔵してトナー画像を被転写体10に転写する2次転写ローラ、11は中間転写ベルト6にテンションを付与し、同時に2次転写ローラ8で熱せられた中間転写ベルト6を内部に通した液体で冷却する冷却構造を有したテンションローラ、12は中間転写ベルト6上に残ったトナーをクリーニングするためのクリーニング装置で、これはブレードやブラシを用いたもの、或いは粘着テープや溶剤を用いたものなど、種々のものが利用可能である。13は被転写体10を搬送する搬送手段で、例えばエンドレスコンベアを用いたり、搬送台をボールネジやラック&ピニオンを用いたりして移動させるようにしても良い。14は被転写体10を安定して移動させるため、例えば搬送手段13をパンチングベルトで構成した場合、被転写体10を吸引するため搬送手段13の背面に設けた吸引ボックス、15は搬送手段13の駆動装置、16は被転写体10に転写されたトナーを溶融して定着するための溶融炉、17は被転写体10を予め所定の温度に加熱するためのプレヒータである。
このうち2次転写ローラ8は、図2の概略断面図に示したように、内部にヒータ21を有するヒートローラ20と、ヒートローラ20の表面を覆う約3mm程度の厚さのシリコンゴム22とで構成されている。そしてこの2次転写ローラ8は、図3に2次転写ローラ8と被転写体10との間隔調節機構の一例概略を示したように、2次転写ローラ8の軸35の端に従動ギア(被駆動ギア)31が取り付けられ、この従動ギア31と噛み合って図示していない駆動源からの駆動力を伝える駆動ギア30によって駆動される。一方この駆動ギア30は、印刷装置に固定された軸34に回転自在に取り付けられているが、軸34と軸35はアーム33で結合され、さらにそのアーム33は、アクチュエータ32によってこの図3に矢印36で示したように揺動できるようにされ、被転写体10との間隔を調節できるようになっている。なお、この図3に示した例では2次転写ローラ8を図上、上下に揺動するよう示したが、揺動方向は任意であり、被転写体10との間隔が調節できればどのような方向に揺動させても良いことは自明である。
また中間転写ベルト6は、2次転写ローラ8によって熱せられて伸張し、テンションローラ11によって冷却されて収縮するため蛇行しやすくなるが、図4に示したように、その裏面の端部近傍に凸部41が接着などによって設けられ、一方この中間転写ベルト6を張架する1次転写ローラ5、2次転写ローラ8、テンションローラ11などのローラ40には、この凸部41と対応する部位に凹部42が設けられて、この中間転写ベルト6の蛇行を防止するようになっている。
またテンションローラ11は、その軸にフレキシブルジョイントなどを設けて液体を通せるようにし、熱せられた中間転写ベルト6を冷却できるようになっており、さらに図5に示したように、その軸53にアクチュエータ50に接続されたシャフト51を接続し、このアクチュエータ50を動作させることによって、テンションローラ11を矢印52方向に移動できるようにして中間転写ベルト6のテンションを調節できるようになっている。
なお、感光体1、中間転写ベルト6、搬送手段13などは、それぞれ同期して運転する必要があり、その手段としては、それぞれの駆動手段にエンコーダを設置し、いずれかのエンコーダからの信号をマスタ信号として、それぞれが同期して運転されるように構成すればよい。また、高精度が要求されないのであれば、主駆動手段からの駆動力をギアなどを用いて機械的に伝達し、同期させるようにしても良い。
このように構成した本発明になる板状部材の印刷装置の実施例1の動作を説明すると、まず被転写体10に最適な圧力で印刷が行われるよう、図3に示した2次転写ローラ8と被転写体10の間隔を調節する機構におけるアーム33が、図示していない制御装置からの指示によって動作するアクチュエータ32によって矢印36方向に移動し、2次転写ローラ8と被転写体10の間隔が調節される。そしてこの調節により、中間転写ベルト6のテンションが変化したときは、図5に示したテンション調節機構におけるアクチュエータ50が、やはり図示していない制御装置からの指示でシャフト51を矢印52方向に動作させ、テンションローラ11を移動させて中間転写ベルト6のテンションが最適となるよう調節する。
そして、図2に示した2次転写ローラ8内のヒータが通電されてヒートローラ20がトナーを溶融させるだけの温度、例えば120℃とされ、テンションローラ11内に設けられた水冷構造に液体が通されて、2次転写ローラ8内のヒータ21によって例えば120℃に熱せられた中間転写ベルト6を例えば40℃程度に冷却する用意がなされる。
こうして印刷のための用意ができ、図示していない制御装置から印刷指示が来て印刷用データが送られてくると、まず帯電器2によって感光体1が均一に帯電され、露光装置3によって印刷データに基づく露光がおこなわれて潜像が形成される。そしてその潜像が、現像装置4によって現像されてトナー画像9が形成され、このトナー画像9は、1次転写位置に設けられた1次転写ローラ5に印加された転写バイアスによって中間転写ベルト6に転写される。このとき、感光体1上に残ったトナーは、クリーナ7によってクリーニングされる。
一方被転写体10は、駆動装置15によって駆動される搬送手段13上に載置され、プレヒータ17によって熱せられる。そして被転写体10は、この被転写体10を安定して搬送させるために搬送手段13に設けられた吸引ボックス14によって搬送手段13に張り付くようにして搬送され、図示していない制御装置によって、中間転写ベルト6に転写されたトナー画像9が2次転写位置に至るタイミングでこの2次転写位置に到達するよう送られてゆく。
そのため中間転写ベルト6上に1次転写されたトナー画像9は、2次転写ローラ8に内蔵されたヒートローラ20によって溶融され、プレヒータ17によって熱せられた被転写体10に転写されて印刷が行われる。そして被転写体10が例えば自動車におけるリアガラスであり、印刷するものが熱線である場合は、この被転写体10がさらに溶融炉16に送られ、前記したように700℃程度に熱せられて、トナーを構成する樹脂がなくなって含有された銀や銅粒子が焼結される。なお、印刷がプリント基板における部品取り付け面の部品名であったり、特に焼結する必要のないものの場合はこの溶融炉16は不用である。
こうして被転写体10への印刷が済むと中間転写ベルト6は、テンションローラ11内に設けられた水冷構造によって冷やされ、さらに中間転写ベルト6上に残ったトナーは、クリーニング装置12によってクリーニングされて次のトナー画像9が転写されて印刷が続けられる。
以上が本発明になる板状部材の印刷装置における実施例1の動作であるが、前記したようにこの印刷装置を用いて自動車用リアガラスの熱線を印刷、焼結したときの、プレヒータ17によるガラスの加熱と、2次転写ローラ8内に設けられたヒートローラ20による加熱の温度を種々変化させて、結果を調べたのが図6に示したグラフである。この実験に用いたトナーは銀粒子を含み、銀と樹脂の重量比を8:2として、予熱温度は120℃、搬送手段13の搬送速度は120m/secとした。
この図6において、横軸は2次転写ローラ8内に設けられたヒートローラ20による加熱温度で、縦軸はプレヒータ17の加熱によるガラスの温度である。また、○はトナー画像(この場合は熱線)が良好にガラスに転写されたことを示し、×は印刷状態が良くなかったことを示す。
この結果から明らかなように、ヒートローラ20による加熱が無い場合(常温)、プレヒータ17による加熱はガラスを120℃程度まで熱する必要があるのに対し、ヒートローラ20を100℃程度まで熱した場合、プレヒータ17による加熱は80〜100℃程度で良く、それだけ効率良くトナー画像9の転写がおこなわれることがわかる。
なお、以上説明してきた本実施形態では、プレヒータ17はヒータロール20で静止した状態で行うバッチ式としているが、オンライン式としてもよい。オンライン式とした場合、ヒートローラ20に代えて搬送手段13に沿ってヒータを備える構成とする。また、予熱する温度や搬送速度によりプレヒータの形状や容量等適宜選択される。
図7は本発明になる板状部材の印刷装置における実施例2の概略構成図であり、前記した実施例1では、テンションローラ11が中間転写ベルト6の冷却をおこなっていたが、この実施例2では、冷却とテンション調節を別のローラでおこなうようにしたもので、図中70は前記図5で説明したように、軸にフレキシブルジョイントなどを設けて液体を通せるようにし、熱せられた中間転写ベルト6を冷却できるようにした冷却ローラ、71はテンション調節ローラで、図示はしていないが、前記図5に示したアクチュエータ50、シャフト51などが設けられて中間転写ベルト6のテンションが調節できるようになっている。なお、この図6に示した実施例2は、冷却とテンション調節を別のローラでおこなうようにした以外は前記実施例1と全く同じであり、動作も同様なので説明は省略する。
以上種々述べてきたように本発明によれば、中間転写ベルト6上のトナー9は2次転写ローラ8に内蔵されたヒータ21の熱で溶融されて被転写体10に転写され、効率良くトナー画像9を被転写体10に転写することが可能であり、また2次転写ローラ8は、被転写体10との間隔を調節する機構を有すると共に表面に弾性体22が設けられているから、どのような厚さの板状部材であっても、また、表面形状に多少の起伏があっても追従すると共にニップ圧の調節も可能であり、常に良好な印刷を実現することができる。そしてテンションローラ11は、中間転写ベルト6のテンション調節機構と内部に中間転写ベルト6の冷却手段とが設けられているから、2次転写ローラ8と被転写体10の間隔が調節されて変動してもテンションを一定に保つことができると共に、中間転写ベルト6上に残った溶融トナーが感光体1に付着するということも防止でき、また、メンテナンスも容易にできる板状部材の印刷装置を提供することが可能となる。
また、2次転写ローラ8における被転写体10との間隔調節機構は、印刷装置に固定された軸34に回転自在に設けられて駆動力伝達手段からの駆動力が伝達される駆動ギア30と、2次転写ローラ8の軸35における端に回転自在に設けられて駆動ギア30と噛み合い、その軸35と駆動ギア30の軸34とがアーム33で結合された被駆動ギア31と、アーム33に取り付けられて2次転写ローラ8と被転写体10との間隔を調節するアクチュエータ32とで構成することにより、簡単な機構で2次転写ローラ8と被転写体10との間隔を調節することができる。
本発明によれば、どのような厚さの被転写体であっても対応できると共に、転写ベルトに転写されたトナー画像を効率良く被転写体に転写することができる、板状部材の印刷装置を提供することができる。
本発明になる板状部材の印刷装置における実施例1の概略構成図である。 本発明になる板状部材の印刷装置における2次転写ローラの構造概略を示した断面図である。 本発明になる板状部材の印刷装置における2次転写ローラの被転写体との間隔調節機構の一例概略を示した図である。 本発明になる板状部材の印刷装置における中間転写ベルトの蛇行防止機構概略を示した断面図である。 本発明になる板状部材の印刷装置におけるテンションローラのテンション調節機構の一例概略を示した図である。 ヒートローラと被転写体たる板状部材の温度による印刷状態をテストした結果を示したグラフである。 本発明になる板状部材の印刷装置における実施例2の概略構成図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電器
3 露光装置
4 現像装置
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
7 クリーナ
8 2次転写ローラ
9 トナー
10 被転写体
11 テンションローラ
12 クリーニング装置
13 搬送手段
14 吸引ボックス
15 駆動装置
16 溶融炉
17 プレヒータ

Claims (6)

  1. 電子写真方式でトナー画像を形成する感光体と、該感光体上に形成されたトナー画像を1次転写し、板状の被転写体へ2次転写する中間転写体と、該中間転写体上に1次転写したトナー画像が前記2次転写位置へ至るタイミングに合わせて前記被転写体を搬送する手段とを有した板状部材の印刷装置において、
    前記中間転写体は、少なくとも前記1次転写位置に設けられた1次転写ローラと前記2次転写位置に設けられた2次転写ローラと転写ベルトの張力を調節するテンションローラとに張架され、
    前記2次転写ローラは内部にヒータと表面に所定厚みの弾性体と、前記被転写体との間隔を調節する機構とを有し、
    前記テンションローラは、前記転写ベルトのテンション調節機構と内部に転写ベルトの冷却手段とが設けられ、前記転写ベルトに1次転写されたトナー画像を前記ヒータにより溶融して前記被転写体へ転写するようにしたことを特徴とする板状部材の印刷装置。
  2. 前記中間転写体は、SUSまたはポリイミドで構成されたベルト上にシリコンコーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載した板状部材の印刷装置。
  3. 前記2次転写ローラ表面に設けられた弾性体は、シリコンゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載した板状部材の印刷装置。
  4. 前記2次転写ローラにおける前記被転写体との間隔を調節する機構は、前記印刷装置に固定された軸に回転自在に設けられて駆動力伝達手段からの駆動力が伝達される駆動ギアと、2次転写ローラ軸端に回転自在に設けられて前記駆動ギアと噛み合い、前記2次転写ローラの軸と前記駆動ギアの軸とがアームで結合された被駆動ギアと、前記アームに取り付けられて前記2次転写ローラと前記被転写体との間隔を調節するアクチュエータとで構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した板状部材の印刷装置。
  5. 前記トナーは樹脂トナーに金属粒子を含んで構成され、前記ヒータで樹脂トナーが溶融可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した板状部材の印刷装置。
  6. 前記印刷装置は、前記2次転写位置下流に溶融炉を設け、前記被転写体に転写されたトナー中の金属を焼結させることを特徴とする請求項5に記載した板状部材の印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US12061427B2 (en) 2022-06-28 2024-08-13 Fujifilm Business Innovation Corp. Image forming apparatus

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