JP2020148900A - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のヒータを必要とすることなく定着ベルトの昇温を早める。【解決手段】無端状の定着ベルトと、定着ベルトを内部から加熱する加熱源と、加熱源の可動手段と、を備え、加熱源は、定着ベルトの軸方向の略全域に発熱部を有する一のヒータから構成され、可動手段は、用紙の幅に応じて加熱源の位置を移動させることにより、用紙の端部における定着ベルトの加熱領域または加熱効率の少なくともいずれか一方を変化させる。【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
複写機やプリンタ等の画像形成装置では、記録媒体として様々なサイズの用紙が用いられている。定着装置のヒータの長さを最大サイズに対応したものにすると、小サイズの用紙を通紙した場合に、端部(非通紙部)の温度上昇が大きくなり、部材耐熱温度を超えて溶融破損しないように、用紙の搬送速度を遅くして生産性を落とす必要がある。
この問題に対処すべく、例えば、特許文献1では、定着装置の加熱源として、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと、端部付近の配光分布が密なヒータを2つ設け、小サイズ用紙のときには中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯する定着装置が開示されている。
加熱源であるハロゲンヒータのガラス管の熱容量が大きいため、定着ベルト昇温を早くするためには、ヒータの数は1本の方が望ましい。また、ヒータが複数あると、そのヒータを制御するための温度検知手段、安全性装置等がヒータ本数分必要になり、コストの観点から最少の本数にしたいというニーズがある。
本発明は、複数のヒータを必要とすることなく定着ベルトの昇温を早めることが可能な定着装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる定着装置は、無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを内部から加熱する加熱源と、前記加熱源の可動手段と、を備え、前記加熱源は、前記定着ベルトの軸方向の略全域に発熱部を有する一のヒータから構成され、前記可動手段は、用紙の幅に応じて前記加熱源の位置を移動させることにより、前記用紙の端部における前記定着ベルトの加熱領域または加熱効率の少なくともいずれか一方を変化させる、ことを特徴とする定着装置として構成される。
本発明によれば、複数のヒータを必要とすることなく定着ベルトの昇温を早めることができる。
定着装置端部bの断面をカットして長手方向の矢印Bから見た断面図である(大サイズ通紙時)。 定着装置端部bの断面をカットして長手方向の矢印Bから見た断面図である(小サイズ通紙時)。 定着装置の長手方向の矢印B方向から見た側面図である(大サイズ通紙時)。 定着装置の長手方向の矢印B方向から見た側面図である(小サイズ通紙時)。 定着装置を下方向である矢印Cから見た外観図である。 定着装置が設けられるカラープリンタである画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 定着装置の斜視図である。 定着装置中央部aの断面をカットして長手方向の矢印B方向から見た断面図である。 ベルト温度分布の例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、定着装置、および画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。以下では、画像形成装置の定着装置において、省エネ性、ファーストプリントタイムが早く、かつ、小サイズ用紙時の端部温度抑制でき、小サイズ生産性が高いことが特徴になっている。より具体的には、定着ベルト加熱源であるハロゲンヒータを定着ベルトの軸方向の略全域に発熱部を有する最小1本構成にすることで、紙の幅に対応してハロゲンヒータの位置を移動させて、用紙端部の定着ベルトの加熱領域または/および加熱効率を変化させる。また、反射部材の両端または一端に屈曲部を設け、ハロゲンヒータの位置によっては、反射板端部では、ハロゲンヒータを包むような位置関係になるように構成させる。さらに、紙サイズ幅が大きい場合には、ハロゲンヒータから直接加熱されるように、反射板から飛び出した突出位置にヒータを配置させ、紙サイズ幅が小さい場合には、ハロゲンヒータからの直接加熱される領域を減らすとともに、定着ベルトからの距離を遠ざけることで、紙端部の定着ベルト温度が部材耐熱温度以上に上がることを防止する。以下では、加熱源としてハロゲンヒータを例示しているが、IHであってもよいし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であってもよい。
反射板65の形状としては、図5のように、A4T長さよりも外側のみがハロゲンヒータ61が覆われるような位置関係にすることで、頻繁に使用されるA4縦通紙の生産性が落ちないように構成している。
図3を用いて、ハロゲンヒータ61の可動方法について説明する。ハロゲンヒータ61の長手方向の両端にあるヒータ碍子部36がヒータ保持部材37に支持され、図3の矢印方向Xに常時付勢されて保持され、ヒータ保持部材37の長穴部分Pをスライドするように構成されている。図4に示すように、本体にあるカム駆動入力ギヤ38からギヤ駆動により、カム軸40が時計回りに回転して、前後カム39が回転し、ヒータ碍子部(前後)に接触することでハロゲンヒータ61を移動させることができる。すなわち、前後カム39のカム軸40が、カム駆動入力ギヤ38の駆動力を受けて、ヒータ碍子部36が付勢される向きと逆向きYに回転することで前後カム39が上記逆向きYに回転し、ヒータ碍子部36を上記逆向きYに押し当てることでハロゲンヒータ61を移動させる。
図6は、本実施例の定着装置が設けられるカラープリンタである画像形成装置の一例を示す概略断面図である。以下では、画像形成装置の例としてカラープリンタを例示しているが、定着装置を備えた様々な複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置について適用することができる。
ここに示される画像形成装置10は、後述する定着装置50と電子写真方式の画像形成部とを備えており、その画像形成部には複数の(図示した例では4つの)画像形成手段1a、1b、1c及び1dが設けられている。 この第1〜第4の画像形成手段1a、1b、1c及び1dは、それぞれ同一の構成ではあるが、対応するトナー色だけが異なっている。そのため、これら画像形成手段において、例えばブラックトナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びイエロートナー像がそれぞれ形成される。なお、これら画像形成手段は、現像剤(トナー)色の違い以外はそれぞれ同一の構成であるため、以下の説明では、参照符号におけるa、b、c及びdの添え字を適宜省略して説明する。
画像形成手段1には、静電潜像担持体であるドラム状の感光体2が配置されており、この感光体2のまわりに、帯電部材3、現像装置4及びクリーニング手段5が設けられている。この感光体2は、時計回りに回転駆動することが可能であり、この感光体2の表面には帯電部材3が圧接されている。そして、この帯電部材3は、感光体2の回転駆動に伴い従動回転させられる。また、この帯電部材3には、図示しない高圧電源により所定のバイアス電圧が印加され、回転駆動する感光体2の表面を一様に帯電できるようになっている。なお、ここに図示した帯電部材3は、感光体2に接触するローラ状部材を採用しているが、コロナ放電等を利用する非接触式のものを採用することも可能である。
また、図6に示される画像形成装置10では、4つの画像形成手段に並行して、斜め下に露光装置6が設けられている。この露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどの適宜適切な構成部材を有している。そして、各色トナーの画像データに応じて形成された画像情報に基づいて、帯電部材3により帯電させられた各感光体2を露光する。 そして、それぞれの感光体2上に静電潜像を作り出すために設けられる。この露光装置6を用いて感光体2上に形成された静電潜像は、感光体2の回転により、現像装置4を通るときに各色トナーが付与されることで現像され、顕像化される。なお、この画像形成装置10の内部における上方には、ブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの各色トナーが充填されたトナーボトル20a、20b、20c及び20dが配置されている。そして、このトナーボトル20a、20b、20c及び20dから図示しない搬送経路を介して、所定補給量のトナーがそれぞれ各色現像装置4a、4b、4c及び4dに補給されるようになっている。
更に、この各画像形成手段の感光体2に対向して中間転写体として構成される、無端ベルト状の中間転写ベルト7が配置され、この中間転写ベルト7の表面には各感光体2が当接している。図6に示した中間転写ベルト7は、複数の支持ローラ(例えば、支持ローラ15a、15bなど)に巻きかけられて構成されている。そして、図示した例では、支持ローラ15aが、図示しない駆動源としての駆動モータと連結されている。そして、この駆動モータを駆動させることで、中間転写ベルト7は、図中反時計回りに回転移動すると共に、従動回転可能な支持ローラ15bが回転させられる。また、中間転写ベルト7の裏面には、そのベルトを挟んで感光体2に対向して位置する一次転写ローラ8が配置されている。この一次転写ローラ8に図示しない高圧電源から一次転写バイアスが印加され、現像装置4により顕像化された感光体2上のトナー像が中間転写ベルト7に一次転写されるようになっている。なお、一次転写されずに感光体2上に残された一次転写残トナーは、感光体2による次の画像形成動作に備えるために中間転写ベルトクリーニング手段19により除去され、感光体2上におけるトナーが完全に除去される。
更に、図示した画像形成装置10では、一次転写ローラ8の、中間転写ベルト7の駆動方向下流側に、二次転写装置としての二次転写ローラ18が設けられている。この二次転写ローラ18は、中間転写ベルト7を挟んで支持ローラ15bと対向している。そして、この二次転写ローラ18と支持ローラ15bとで中間転写ベルト7を介して二次転写ニップ部を形成している。また、この画像形成装置10は、記録媒体積載部としての給紙カセット30、給送コロ31に加え、レジストローラ対(位置合わせローラ対)35等を備える。そして、二次転写ローラ18から見て、記録媒体の搬送方向下流側には、定着装置50及び排紙ローラ対36が設けられている。
次に、画像形成動作について説明する。この画像形成動作においても、各感光体2にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト7に転写する構成は、そのトナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一であるため、a、b、c及びdの添え字は必要に応じて省略する。
先ず、上記した感光体2が図示しない駆動源により時計回り方向に回転駆動され、このとき感光体表面に図示しない除電装置からの光が照射されて表面電位が初期化される。この表面電位を初期化された感光体2の表面が、今度は帯電部材3によって所定の極性に一様に帯電される。 帯電された感光体表面には、露光装置6からのレーザ光が照射され、これによって感光体表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各トナー色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体上に形成された静電潜像は、現像装置4を通る際に、現像装置4からの各色トナー(現像剤)が付与され、顕像化されたトナー像として可視化される。
また、中間転写ベルト7は、図中反時計回りに走行駆動させられる。そして、上記した一次転写ローラ8には、感光体上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加される。これにより、感光体2と中間転写ベルト7との間に転写電界が形成される。そして、感光体2上のトナー像が、その感光体2と同期して回転駆動される中間転写ベルト7上に静電的に一次転写される。このように、一次転写される各色トナー像は、中間転写ベルト7の搬送方向上流側から逐次タイミングを併せて中間転写ベルト7上に重ね合わされ、所望のフルカラー画像が形成される。
その一方で、画像を形成されるべき記録媒体は、給紙カセット30に積載された記録媒体束から給送コロ31等の適宜適切な搬送部材の作用によりレジストローラ対35まで一枚ごとに分離されて給送される。そして、その際には、未だ回転駆動を開始していないレジストローラ対35のニップ部に、搬送された記録媒体の先端が突き当たり、所謂ループを形成することで、記録媒体のレジストレーションが行われる。
その後、中間転写ベルト7上に担持されたフルカラートナー像とのタイミングを図って、レジストローラ対35の回転駆動が開始される。そして、支持ローラ15bと、これに中間転写ベルト7を介して対向する二次転写ローラ18とで構成される二次転写ニップ部に向けて記録媒体が送出される。本実施形態では、二次転写ローラ18に中間転写ベルト表面におけるトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。そして、これによって中間転写ベルト7表面に形成されたフルカラートナー像が記録媒体上に一括して転写される。
トナー像を転写された記録媒体は、定着装置50まで更に搬送される。そして、この定着装置50を通過するときに、熱と圧力とを加えられ、永久画像としてトナー像が記録媒体に定着させられる。画像を定着させられた画像形成後の記録媒体は、排紙ローラ対36を介して排出トレイ29等の記録媒体排出部に排出されることで画像形成動作が完了する。なお、二次転写ローラ18が配置される二次転写ニップ部で転写されずに中間転写ベルト7上に残留した残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング手段19により取り除かれ回収される。
上述した画像形成装置10の各部は、例えば、CPUを有した制御コントローラ等の制御部100により制御される。制御部100は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。「処理回路」には、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
次に、定着装置50の構成について図1、図2、図3、図4、図7、図8を参照して以下に説明する。図7は、定着装置の斜視図であり、図8は、図7において中央部aの断面をカットして長手方向の矢印B方向から見た断面図である。また、図1、2は、図7において端部bの断面をカットして長手方向の矢印Bから見た断面図である(図1:大サイズ通紙時、図2:小サイズ通紙時)。また、図3、4は、図7に示した定着装置の長手方向の矢印B方向から見た側面図(図3:大サイズ通紙時、図4:小サイズ通紙時)である。また、図5は、図7に示した定着装置を下方向である矢印Cから見た外観図である。
これらの図に示すように、定着装置50は、回転可能な定着部材としての定着ベルト60と、定着ベルト60を両端部で保持する定着ベルト保持部材であるホルダ51と、定着ベルト60の外周面に当接し、回転可能に設けられた加圧部材としての加圧ローラ70とを備える。更に、定着ベルト60はその内部に定着ベルト60を加熱する熱源としてのハロゲンヒータ61と、加圧ローラ70と対向するよう配備されるニップ形成部材であるパッド80と、パッド80を支持するニップ支持部材である支持部材90とを備える。さらに、ハロゲンヒータ61からの輻射熱を反射する反射板65が、ハロゲンヒータ61と支持部材90の間に配置され、支持部材90に不図示のネジで固定されている。
更に、定着装置50は、ホルダ51と支持部材90を固定する側板52と、定着ベルト60または加圧ローラ70の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ(図示せず)と、加圧ローラ70を定着ベルト60へ付勢してニップNを形成する図示しない付勢手段等を備えている。
定着ベルト60は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト60は、ニッケル若しくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)等の樹脂材料で形成された内周側の基材を備える。更に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させても良い。
加圧ローラ70は、芯金72と、芯金72の表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム又はフッ素ゴム等から成る弾性層71と、弾性層71の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層(図示せず)によって構成されている。そして、加圧ローラ70は、図示しない付勢手段によって定着ベルト60側へ付勢され、定着ベルト60を介してニップ形成部材であるパッド80に当接している。この加圧ローラ70と定着ベルト60とが圧接する箇所では、加圧ローラ70の弾性層71が押し潰されることで、パッド80の短手方向における所定の幅のニップ(ニップ部)Nが形成されている。
このニップNは、パッド80の長手方向(紙面垂直方向)に連続形成される。また、加圧ローラ70は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。そして、加圧ローラ70が回転駆動すると、その駆動力がニップNで定着ベルト60に伝達され、定着ベルト60が従動回転するようになっている。
ニップ形成部材であるパッド80は、定着ベルト60の回転軸方向又は加圧ローラ70の回転軸方向に亘って長手状に配設され、ニップ支持部材90によって支持されている。ニップ支持部材90の両端部は、定着装置の筐体(図示せず)に固定の側板に形成される取付け穴に嵌合され、固定されている。これにより、加圧ローラ70による圧力でパッド80及び支持部材90がずれ変位することを防止している。
更に、左右の側板には定着ベルト保持部材であるホルダ51が互いに向かって突出すように形成されている。各ホルダ51は切欠環状の湾曲凸部を成し、各外周湾曲面が環状の定着ベルト60の両側内壁面に摺接して定着ベルト60の半径方向及び軸方向の回転ずれを抑制している。
支持部材90は、パッド80の撓み防止機能を満足させるために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成されることが望ましい。この際、支持部材90の各板材が鉄鋼板の打ち抜き加工によって作成されることが望ましい。鉄鋼板で作成されることで、安価で剛性の高い支持部材90を作成することができる。
ハロゲンヒータ61は、最大効率を出すために、定着ベルト60の軸方向の略全域に発熱部を有する1本のヒータとして構成していることから、定着装置50に通紙される用紙のサイズに応じて、定着ベルト60を加熱できない。具体的には、本実施形態の定着装置50は、定着ベルト60の長手方向全領域を均一に加熱するヒータとなっており、A4横などの幅広い用紙を均一加熱できるような配光分布にしているため、A4縦などの幅の狭い用紙を通紙する際でも、用紙の外側領域は余分に加熱することになる。その結果、図9の実線に示すようなベルト温度分布になり、用紙端部がベルトの耐熱温度を超えない程度の温度までしか加熱できず、生産性を落とすことになる。
上記問題を解決するために、本実施例では、図1、図5に示すように反射部材である反射板65の端部を曲げて屈曲形状を設けている。本実施例では、頻度の高いA4縦幅より外側に設けているが、これに限定する必要はない。
画像形成装置10側で小サイズ紙が設定されると、画像形成装置10の制御部100は、図3に示したように、カム駆動入力ギヤ38の駆動を制御することで、ハロゲンヒータ61を、図2のように上記の屈曲形状で覆われる位置まで移動するように構成している。すなわち、ハロゲンヒータ61から放射された熱を反射する反射板65の長手方向の端部に、ハロゲンヒータ61からの熱を遮る屈曲部を有し、制御部100は、可動手段の一つであるカム駆動入力ギヤ38にハロゲンヒータ61を屈曲部まで移動させることにより、用紙の端部における定着ベルト60の加熱領域または/および加熱効率を変化させる。
このような構成にすることで、通紙領域外の領域では、ハロゲンヒータ61から直接加熱される領域を狭めることができるとともに、定着ベルト60との最近接領域で、反射部材が定着ベルトと加熱できるので、加熱距離も離れる位置関係になり、通紙領域に比較して、定着ベルトを加熱効率が下がり、過度にベルト温度が上昇するのを防止している。このように、制御部100は、可動手段の一つであるカム駆動入力ギヤ38にハロゲンヒータ61の位置を移動させて、用紙の端部における定着ベルト61とハロゲンヒータ61との距離を変化させる。本実施例では、制御部100は、用紙情報として、用紙のサイズの大小に応じて上記制御を行っているが、紙厚等の他の用紙情報に応じて上記制御を行ってハロゲンヒータ61の位置を移動させてもよい。これらの用紙情報に応じてハロゲンヒータ61の位置を変えるので、紙領域外の過度な加熱を防止できる。
ハロゲンヒータ61からの加熱を遮るような構成を別部材から構成してもよいが、赤外線吸収すると部材上昇につながるため、本構成のように反射部材の一部を利用する構成または、別部材で構成するにしても赤外線反射する反射部材で構成するのが望ましい。
反射板65は、アルミニウムを基材とするとともに、ハロゲンヒータ61に対向する面に銀を蒸着して形成されている。銀は輻射率が低いため、ハロゲンヒータ61から反射板65に照射される輻射熱を効率よく反射させることができるので、定着ベルト60の熱吸収効率を向上させることができる。反射板65の材質としては、アルミニウム基材と銀蒸着に限られないのは勿論である。
ここで、ハロゲンヒータの可動構成について、図3、4を用いて説明する。通常の大サイズ紙通紙時は、ハロゲンヒータ61は、両端にあるヒータ碍子部36をヒータ保持部材37の長穴部Pで支持しており、制御部100からの制御により、不図示の付勢手段で、図3のX矢印の方向に付勢し、片側に突き当たった位置で保持している。このようにヒータ保持部材37を長穴形状にすることで、ハロゲンヒータ61を一方向に対してスライド可動できるように保持できる。
そして、小サイズ紙を通紙する際には、制御部100からの制御により、不図示のヒータ駆動モータが回転し、本体にあるカム駆動入力ギヤ38からのギヤ駆動により、カム軸40が時計回りに回転することでカム軸40に固定された前後のカムが回転し、両端のヒータ碍子部36に接触することでスライド移動し、所定のカム回転角度まで回転すると、図4に示すように、位置を変化させることができる。
本実施例では、制御部100が、カム回転位置を小サイズ用と大サイズ用の2箇所の位置に動かすように制御しているが、カムの回転角度を細かく変化させることで、ヒータ位置を細かく変化させ、端部の温度上昇に応じて、ハロゲンヒータ61を移動させて端部のヒータ加熱効率を変えることもできる。すなわち、制御部100は、上記温度測定手段による測定温度に基づいて、ハロゲンヒータ61の可動位置を決定し、端部のヒータ加熱効率を変化させる。これにより、例えば、用紙情報の設定ミス等が起きた場合でも、定着ベルト60端部が温度上昇して耐熱温度まで到達することを防止できる。
図9に示すように、小サイズ通紙時に、ハロゲンヒータ61を移動させない位置(図1に示したヒータ位置)で連続通紙した場合の温度のグラフF1に比較して、ハロゲンヒータ61を移動させた位置(図2に示したヒータ位置)で連続通紙した場合には、グラフF2に示すように、小サイズ通紙時の用紙端部の温度を低下させることができ、最終的に定着ベルト60の耐熱温度に達するまでの時間を長くでき、小サイズの用紙を印刷する生産性を向上させることができる。言い換えると、従来のように、耐熱温度以下になるように生産性を大きく下げる必要がなくなる。
次に、支持部材90に支持されるニップ形成部材であるパッド80について説明する。パッド80は、樹脂からなるベース部80bとベース部80bの表面に設けられた均熱板81aから形成されている。定着ベルト60と接触抵抗を低くするため、均熱板81aにはグリースを塗布させている。
ベース部80bの樹脂材料としては、断熱性、耐熱性が要求されるため、LCP、PAI等の部材を用いることができる。ニップ形成部材の一部である均熱板80aの材料としては、熱伝導率の高い材料(例えば銅)とすることで、定着ベルト60の長手方向の温度分布が均一になるように構成させ、小サイズ用紙外側の温度上昇を緩和させている。
このように、本実施例によれば、定着ベルト60の加熱源であるハロゲンヒータ61を1本にして、用紙の幅に対応してハロゲンヒータ61の位置を移動させて、用紙端部における定着ベルト60の加熱領域または/および加熱効率を変化させるので、定着装置において、ファーストプリントタイム短縮させつつ、小サイズ用紙端部の温度を抑制することができ、省エネ性、小サイズの用紙を印刷する生産性を向上させることができる。
本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせて実施することができる。
10 画像形成装置
36 ヒータ碍子部
37 ヒータ保持部材
38 カム駆動入力ギヤ
39 前後カム
40 カム軸
50 定着装置
51 ホルダ
52 側板
60 定着ベルト
70 加圧ローラ
71 弾性層
72 芯金
90 支持部材
100 制御部
特開2013−164474号公報

Claims (8)

  1. 無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを内部から加熱する加熱源と、前記加熱源の可動手段と、を備え、
    前記加熱源は、前記定着ベルトの軸方向の略全域に発熱部を有する一のヒータから構成され、
    前記可動手段は、用紙の幅に応じて前記加熱源の位置を移動させることにより、前記用紙の端部における前記定着ベルトの加熱領域または加熱効率の少なくともいずれか一方を変化させる、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記可動手段は、前記加熱源の位置を移動し、前記用紙の端部における前記定着ベルトと前記加熱源との距離を変化させる、
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1記載の可動手段を制御する制御部を有し、請求項1記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記制御部は、前記可動手段に、用紙情報に応じて前記加熱源の位置を移動させる、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記定着ベルトの外周面に当接する加圧部材を有し、
    前記定着ベルト又は前記加圧部材の温度を測定する温度測定手段を有し、
    前記制御部は、前記温度測定手段による測定温度に基づいて、前記加熱源の可動位置を決定する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記定着ベルトの内部に配置され、前記定着ベルトを介して前記加圧部材に当接してニップを形成するニップ形成部材を有し、
    前記ニップ形成部材の一部が、熱伝導率の高い材料から構成されている、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記加熱源から放射された熱を反射する反射部材を備え、
    前記反射部材は、長手方向の端部に、前記加熱源からの熱を遮る屈曲部を有し、
    前記制御部は、前記可動手段に前記加熱源を前記屈曲部まで移動させることにより、前記用紙の端部における前記定着ベルトの加熱領域または加熱効率の少なくともいずれか一方を変化させる、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1または2に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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