JP2006090531A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液圧吸収機構が、特に高周波数域にも容易にチューニング変更されることによって、目的とする防振効果が有利に得られることに加えて、スペースを有効利用して実現されることにより、部品点数や製造工程の増加が抑えられる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【解決手段】 第一の取付部材12の中央凹所68の底部66に貫通窓70を設ける一方、それを流体密に覆蓋する可動ゴム板72を本体ゴム弾性体16によって形成し、受圧室46の圧力変動に際しての可動ゴム板72の弾性変形が中央凹所68によって許容されるようにして第一の液圧吸収機構を構成すると共に、中央凹所68の内部に入り込む制限部材76を第一の取付部材12に固定して可動ゴム板72と所定距離を隔てて対向位置せしめることにより、可動ゴム板72の中央凹所68側への弾性変形量が制限部材76への当接によって制限されるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、例えば、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント等として好適に採用される流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、流体封入式防振装置が知られている。流体封入式防振装置は、例えば特許文献1(特開平10−339348号公報)にも示されているように、振動伝達系を構成する両部材の一方に取り付けられる第一の取付部材と他方に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、両室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造とされている。これにより、オリフィス通路を流動せしめられる非圧縮性流体の流動作用に基づいて有効な防振効果(オリフィス効果)を得ることができる。
ところで、このような流体封入式防振装置においては、オリフィス効果が予めチューニングされた特定周波数域の振動にしか作用しないことから、防振すべき振動が外部状況の変化に起因してチューニング周波数と異なる周波数域にある場合等に、目的とする防振効果が十分に発揮され難いことがあった。
そこで、例えば、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域で問題となる振動が入力された際に、それに起因づく急激な圧力変動の上昇を抑えることを目的として、液圧吸収機構を設けることが提案される。この液圧吸収機構は、例えば特許文献2(特開2000−274480号公報)にも示されているように、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材に透孔を形成すると共に、透孔に可動部材を配設して受圧室と平衡室の間に位置せしめた構造とされている。そして、防振すべき高周波数域の振動が入力された際に、受圧室と平衡室の圧力差に基づいて可動部材が変位乃至は変形せしめられるようにチューニングすることによって、可動部材の変位乃至は変形に基づいて圧力変動が吸収され、所期の防振効果が安定して得られることとなる。
しかしながら、上述の可動部材を備えた液圧吸収機構も結局は特定の周波数域にしかチューニングされていないことから、複数の周波数域に対応する液圧吸収機構を得るためには、複数の可動部材が必要となり、スペースの確保が難しい問題がある。また、可動部材や可動部材の配設領域を特別に形成することは、部品点数や製造工程を増やす原因になる。また、可動部材は、その両面に受圧室と平衡室の各液圧が作用せしめられることによって変位乃至は変形されるようになっていることから、かかる変位乃至は変形が容易に制限され難く、その結果、液圧吸収機構の固有振動数が、特に高周波数域等に容易にチューニング変更され難いという問題を内在していた。
特開平10−339348号公報 特開2000−274480号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、液圧吸収機構が、特に高周波数域にも容易にチューニング変更されることによって、目的とする防振効果が有利に得られることに加えて、スペースを有効利用して実現されることにより、部品点数や製造工程の増加が抑えられる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、第一の取付部材を、筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に閉塞する一方、該第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で流体密に閉塞せしめて、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に形成された密閉領域に非圧縮性流体を封入すると共に、該密閉領域に仕切部材を収容して該第二の取付部材で支持せしめ、該仕切部材の一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を第一のオリフィス通路によって相互に連通せしめた流体封入式防振装置であって、前記第一の取付部材において軸方向外方に開口する中央凹所を形成して、該中央凹所の底部に貫通窓を設ける一方、前記本体ゴム弾性体を該第一の取付部材に対して固着せしめて、該貫通窓を流体密に覆蓋する可動ゴム板を該本体ゴム弾性体によって形成し、前記受圧室の圧力変動に際しての該可動ゴム板の弾性変形が該中央凹所によって許容されるようにして第一の液圧吸収機構を構成すると共に、該中央凹所の開口部からその内部に入り込む制限部材を該第一の取付部材に固定して、該可動ゴム板を該制限部材に対して所定距離を隔てて対向位置せしめることにより、該可動ゴム板の該中央凹所側への弾性変形量が該制限部材への当接によって制限されるようにした流体封入式防振装置にある。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動ゴム板が本体ゴム弾性体によって形成されていることによって、部品点数や製造工程を抑えることが出来、構造も簡単になる。
また、第一の取付部材の内部において、防振上はデッドスペースであった領域を有効に利用して、そこに可動ゴム板の外方への弾性変形を許容する中央凹所を形成し得た。これにより、スペースが効率的に活用されて、防振装置がコンパクトに実現され得る。
また、可動ゴム板の外方への変形量が第一の取付部材の中央凹所に固定された制限部材で制限されることによって、受圧室の圧力変動の過度の吸収が防止されて第一のオリフィス通路による防振効果が有効に発揮される。また、第一の取付部材とは別体の制限部材を適当な形状や大きさのものに替えるだけで、可動ゴム板の変形許容量の調節が出来ることから、防振特性のチューニング変更も容易となる。しかも、制限部材は、デッドスペースであった第一の取付部材の内部領域に形成された中央凹所に入り込んで配設されていることから、制限部材の配設領域を特別に確保する必要がなく、優れたスペース効率が維持される。
さらに、可動ゴム板は、受圧室の圧力を受けて変位乃至は変形する際、平衡室の圧力を背後(受圧室の圧力作用面と反対の面)に受けることが避けられる。それ故、可動ゴム板の変位乃至は変形の際の特性を調節することも可能となって、例えば、可動ゴム板の背後に作用する空気圧を調節して、可動ゴム板の変位乃至は変形に際しての固有振動数をチューニングすること等によって、可動ゴム板の共振作用を利用した防振効果を得ること等も可能となって、設計自由度の更なる向上が図られ得る。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材がプレス成形品であることにある。
このような本態様においては、第一の取付部材(プレス成形品)が形成されると共に、中央凹所や貫通窓が一体的に形成されるようにすることが可能となり、それによって、製造効率の向上や低コスト化が一層有利に図られ得る。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様2に係る流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材における前記中央凹所の開口周縁部において、外周側に広がるかしめ固定部が一体形成されていると共に、該第一の取付部材における該中央凹所の開口側の面に対して取付ブラケットが重ね合わされており、該取付ブラケットに対して該かしめ固定部がかしめ固定されていることにある。
このような本態様においては、かしめ固定部が第一の取付部材と一体形成されることによって、第一の取付部材が振動伝達系を構成する部材に対して固定される固定手段が、容易に実現される。また、第一の取付部材とは別部材の固定ボルト等を特別に用いて固定する必要がないことから、部品点数の削減に伴い低コスト化等が一層有利に図られる。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記取付ブラケットが枠体形状を有しており、前記第一の取付部材から軸直角方向両側に延び出して前記第二の取付部材の両側から軸方向反対側を所定距離を隔てて取り囲むようにされていると共に、該取付ブラケットにおける該第二の取付部材の軸方向反対側端部との対向部位において、該第二の取付部材との緩衝的な当接によって該第一の取付部材と該第二の取付部材の軸方向離隔方向での相対的な変位量を制限するリバウンドストッパ部が設けられていることにある。
このような本態様においては、リバウンドストッパ機構が取付ブラケットの一部を利用して実現されることから、全体構造がより簡易となる。
なお、取付ブラケットにおいて第一の取付部材から軸直角方向両側に延び出して第二の取付部材の両側に位置せしめられる部分を、それぞれ、第二の取付部材と軸直角方向で所定距離を隔てて対向位置せしめて、第二の取付部材との緩衝的な当接によって第一の取付部材と第二の取付部材の軸直角方向での相対的な変位量を制限する軸直角方向のストッパ機構を構成しても良い。それによって、有用なストッパ機構が簡単な構造で実現される。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至4の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材における前記中央凹所が、軸方向で底部側に行くに従って次第に小径となる略テーパ状の内周面と、略平坦な底面を備えており、該底面の中央に前記貫通窓が形成されていると共に、略テーパ状の該内周面に対して前記制限部材の外周面が当接されることにより、該制限部材の該中央凹所への軸方向の入り込み端が規定されると共に、該制限部材が該中央凹所内で固定的に位置決めされていることにある。
このような本態様においては、制限部材と可動ゴム板の対向面間距離が確実に規定されることとなり、それによって、可動ゴム板の弾性変形量が有利に制限されて、目的とする防振効果が一層有利に得られる。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様5に係る流体封入式防振装置にあって、前記第一の取付部材において、前記制限部材の外周面が当接せしめられる前記中央凹所の内周面に対して被覆ゴム層が被着されていることにある。
このような本態様においては、制限部材の外周面と中央凹所の内周面の滑り摩擦が大きくされることに基づいて、制限部材が第一の取付部材により安定して固定される。その結果、可動ゴム板の弾性変形量が一層確実に規定される。また、大きな振動が入力されて制限部材が第一の取付部材に当接された際等に、該当接に伴う打音や振動の発生が有利に抑えられる。
(本発明の態様7)
本発明の態様7の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至6の何れかに係る流体封入式防振装置にあって、前記中央凹所を外部空間に対して常時連通せしめる空気連通路が設けられていることにある。
このような本態様においては、制限部材と可動ゴム板の対向面間が、空気連通路を通じて大気に開放せしめられることとなる。それ故、可動ゴム板の弾性変形量が、大気圧に基づいて調整される。
なお、空気連通路は、例えば第一の取付部材や制限部材、或いはそれらの両方の適当な箇所に形成される。また、例えば空気連通路に負圧源を接続して、可動ゴム板を空気連通路を通じて負圧吸引せしめることによって、可動ゴム板の弾性変形量を調整するようにしても良い。また、例えば空気連通路を切換弁で大気と負圧源に選択的に切り換えて接続せしめることによって、外部の状況に応じて、可動ゴム板の弾性変形量を調整することも可能である。
(本発明の態様8)
本発明の態様8の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至6の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記第一の取付部材における前記中央凹所の開口端面に対してシールゴム層が被着形成されており、該開口端面と前記取付ブラケットとの重ね合わせ面間が該シールゴム層でシールされることによって前記中央凹所が流体密に覆蓋されていることにある。
このような本態様においては、可動ゴム板と制限部材の間の空間が流体密(気密を含む)に覆蓋されることにより、該空間の空気圧に基づいて可動ゴム板の弾性変形量を調節することが出来る。それ故、例えばかかる密閉空間の容積を調節すること等によって、液圧吸収機構における固有振動数がより一層大きな自由度をもってチューニング変更される。
(本発明の態様9)
本発明の態様9の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至8の何れかに係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材によって所定距離変位可能な可動部材を支持せしめて、該可動部材の一方の面に前記受圧室の圧力が作用せしめられるようにすると共に、該可動部材の他方の面に前記平衡室の圧力が作用せしめられるようにして第二の液圧吸収機構を構成して、該可動部材と該受圧室及び/又は該平衡室との間に第二のオリフィス通路を形成し、該第二のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングする一方、該第二の液圧吸収機構における該可動部材による該受圧室の壁ばね剛性を、前記第一の液圧吸収機構における前記可動ゴム板による該受圧室の壁ばね剛性よりも小さく設定したことにある。
このような本態様においては、第一のオリフィス通路のチューニング周波数域に略相当する低周波数域の振動が入力された際に、受圧室に惹起される圧力変動が大きく、可動部材や可動ゴム板の変位乃至は変形では吸収され難いことから、かかる受圧室に惹起される圧力変動に基づき、受圧室と平衡室の間で第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保される。それ故、低周波数域の振動入力時には、第一のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、防振効果が有利に発揮され得る。
また、第二のオリフィス通路のチューニング周波数域に略相当する高周波数域の振動が入力された際には、第一のオリフィス通路の流通抵抗が著しく増大して実質的に閉塞状態となる。そこにおいて、可動ゴム板による受圧室の壁ばね剛性が可動部材による受圧室の壁ばね剛性よりも小さく設定されていることに基づいて、受圧室に惹起される圧力変動が可動ゴム板の変位乃至は変形によって吸収されることが抑えられる。その結果、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動が有効に惹起せしめられて、可動部材が有利に変位乃至は変形せしめられることとなり、受圧室と平衡室の間で第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保される。それ故、高周波数域の振動入力時には、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、防振効果が有利に発揮され得る。
従って、本態様の流体封入式防振装置によれば、複数の乃至は広い周波数域の防振すべき振動に対して防振効果が有利に発揮され得るのである。なお、本態様における壁ばね剛性は、室内容積を単位量だけ変化させるのに要する圧力変化量に略比例する。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動ゴム板の外方への変形量を許容する中央凹所や変形量を制限する制限部材が、防振上はデッドスペースだった第一の取付部材の内部に設けられていることにより、防振装置のコンパクト化および防振性能のチューニング自由度の拡大が有利に図られ得る。また、可動ゴム板の外方への変形量が中央凹所に固定された制限部材で制限せしめられることにより、受圧室の圧力変動の過度の吸収が防止されて、第一のオリフィス通路による防振効果が有効に発揮される。特に、可動ゴム板の外方への変形量は、第一の取付部材と別体形成された制限部材を適当な形状や大きさのものに交換するだけで容易に調節することが出来ることから、要求に応じた防振性能の調節や変更にも容易に対応することが出来るという大きな利点がある。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性的に連結された構造とされており、第一の取付金具12が自動車のボデーに取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のパワーユニットに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。そのような装着状態下では、パワーユニット重量が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が弾性変形して、第一の取付金具12と第二の取付金具14が相互に接近する方向に変位している。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動が、略マウント軸方向となる第一の取付金具12と第二の取付金具14の接近/離隔方向(図1中、上下)に入力されることとなる。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向は、略マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12は、釣鐘形状を呈している。また、第一の取付金具12の略中心軸上で、上方に離隔して、第二の取付金具14が位置せしめられている。
第二の取付金具14は、厚肉の略円筒形状を有していると共に、その内径寸法が第一の取付金具12の外形寸法よりも大きくされている。また、第二の取付金具14の周上の一箇所には、径方向外方に向かって突出するように、取付部18が一体形成されている(図2〜3参照。)。取付部18は、略矩形ブロック状を呈しており、径方向外方に行くに従って上方に延びるように傾斜せしめられている。また、取付部18には、複数(本実施形態では2つ)の固定用孔20が貫設されている。これにより、第二の取付金具14が、各固定用孔20に図示しない固定ボルトが挿通されてパワーユニットの取付ブラケット等に螺着されることによって、パワーユニットに対して固定されるようになっている。
また、第二の取付金具14の軸方向一方(図1中、下)の内周面には、下方に行くに従って径寸法が略円錐状に次第に大きくなる逆テーパ状面22が形成されている。逆テーパ状面22は、第一の取付金具12の外周面と所定距離を隔てて対向位置せしめられている。また、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、略逆円錐台形状を有しており、その大径側端部には、略半球形状の凹所24が大径側端面に開口して形成されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面が、第二の取付金具14の逆テーパ状面22に加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の小径側端部内周面が、第一の取付金具12の外周面に加硫接着されている。それによって、本体ゴム弾性体16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されていると共に、第二の取付金具14において第一の取付金具12が離隔位置せしめられる側の開口部が、本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。また、第一の取付金具12が、軸方向で本体ゴム弾性体16の小径側端部から凹所24に向かって埋め込まれるようにして本体ゴム弾性体16に固着されている。更に、本体ゴム弾性体16には、その大径側端部外周面が第二の取付金具14の逆テーパ状面22に加硫接着されていることに基づいて、軸方向圧縮荷重に対して安定した線形に近いばね特性が発揮されるようになっている。また、図面上に明示されていないが、第二の取付金具14の内周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層が、略全体に亘って被着形成されている。
また、第二の取付金具14の内側には、仕切部材26が配設されている。仕切部材26は、略円板形状を有する一対の仕切板部材28,28が軸方向に重ね合わされることによって構成されている。また、各仕切板部材28の外周縁部には、軸方向に開口する略一定の凹状断面で周方向に連続して延びる凹溝30が一体形成されている。そして、一対の凹溝30,30の開口部が軸方向で互いに向き合うようにして重ね合わされていると共に、それら凹溝30,30の間に環状の仕切リング32が挟み込まれて、両凹溝30,30が軸方向に仕切られている。仕切リング32には、周方向に所定の長さで延びる連通窓34が貫設されている。これにより、仕切部材26の外周縁部には、一対の凹溝30,30や仕切リング32、連通窓34が協働して周方向に螺旋状に延びる周溝36が形成されている。
而して、仕切部材26が第二の取付金具14に圧入等で支持されて、第二の取付金具14の軸方向中間部分に位置決め固定されている。特に本実施形態では、上方の仕切板部材28aが第二の取付金具14の開口端部よりも下方に位置せしめられていると共に、下方の仕切板部材28bが本体ゴム弾性体16の凹所20と軸方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられている。このような仕切部材26の第二の取付金具14に対する位置決めは、第二の取付金具14の下方の内周面において軸直角方向内方に向かって突設された段差部に下仕切板部材28bの外周縁部が係止されることによって実現される。
また、第二の取付金具14の軸方向他方(図1中、上)の内周面には、軸直角方向に環状に広がる段差部を介して拡径せしめられた嵌合溝38が形成されていると共に、この嵌合溝38に対してダイヤフラム40が嵌め込まれて固定されている。可撓性膜としてのダイヤフラム40は、薄肉のゴム膜からなり、軸方向に弛みをもった略円板形状を有している。また、ダイヤフラム40の外周縁部には、環状の支持金具42が加硫接着されている。即ち、ダイヤフラム40は、支持金具42を備えた一体加硫成形品として形成されている。この一体加硫成形品における支持金具42が嵌合溝38に圧入等で固定されることによって、ダイヤフラム40が第二の取付金具14に固着されていると共に、第二の取付金具14の軸方向他方(図1中、上)の開口部がダイヤフラム40で流体密に覆蓋されている。なお、支持金具42の外周面には、ダイヤフラム40と一体形成された薄肉のシールゴム層が被着形成されている。そして、支持金具42が第二の取付金具14に圧入される際に、支持金具42に固着されたシールゴム層や第二の取付金具14に固着されたシールゴム層が、第二の取付金具14と支持金具42の間で挟圧保持されることによって、第二の取付金具14とダイヤフラム40の固着部位における流体密性が十分に確保されている。
その結果、第二の取付金具14の内方における本体ゴム弾性体16の凹所24とダイヤフラム40の対向面間には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体が封入された密閉領域44が形成されている。かかる封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、非圧縮性流体の封入は、例えば第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材26やダイヤフラム40の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって実現される。
また、密閉領域44の軸方向中間部分には、第二の取付金具14に支持された仕切部材26が軸直角方向に拡がるようにして位置せしめられており、それによって、密閉領域44がマウント軸方向(図1中、上下)に二分されている。その結果、仕切部材26を挟んだ軸方向一方(図1中、下)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力に基づいて圧力変動が惹起される受圧室46が形成されている。また、仕切部材26を挟んだ軸方向他方(図1中、上)の側には、壁部の一部がダイヤフラム40で構成されて、該ダイヤフラム40の弾性変形に基づいて容積変化が許容される平衡室48が形成されている。
また、仕切部材26における周溝36の一方の端部が、上仕切板部材28aの凹溝30の底部に形成された連通孔50を通じて平衡室48に接続されていると共に、周溝36の他方の端部が、下仕切板部材28bの凹溝30の底部に形成された連通孔52を通じて受圧室46に接続されている。それによって、周方向に略螺旋状に所定の長さで延びる第一のオリフィス通路54が形成されて、該第一のオリフィス通路54を通じて受圧室46と平衡室48が相互に連通されている。
而して、受圧室46と平衡室48の間には、第一及び第二の取付金具12,14の間の振動入力に基づいて相対的な圧力変動が惹起されることとなり、それら両室間46,48で第一のオリフィス通路54を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、受圧室46と平衡室48の間で第一のオリフィス通路54を通じての流体流動が生ぜしめられて、第一のオリフィス通路54を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が、防振すべき主たる方向(本実施形態では、略マウント軸方向)の振動に対して発揮されるようになっている。特に本実施形態では、第一のオリフィス通路54を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてシェイク等の10Hz程度の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。かかる共振周波数のチューニングは、例えば第一のオリフィス通路54の流路断面積や長さ等を設定変更することにより実現される。
また、仕切部材26を構成する上下の仕切板部材28a,28bの重ね合わせ面間の略中央には、円形の中央凹部56が形成されており、この中央凹部56に可動部材としてのゴム可動板58が収容配置されている。ゴム可動板58は、中央凹部56よりも一回り小さな略円板形状とされていると共に、少なくとも上下の仕切板部材28a,28bと対向せしめられる部位がゴム弾性材で形成されている。そして、ゴム可動板58が、上下の仕切板部材28a,28bの軸方向の重ね合わせに際して形成された中央凹部56に収容配置されて、上仕切板部材28aと下仕切板部材28bの間で軸方向等に変位可能に配設されている。
また、各仕切板部材28の中央には、一又は二以上の通孔からなる透孔60が、それぞれ、貫設されている。各透孔60は、ゴム可動板58の中央部分から外れた外周部分と軸方向で向き合うようにして配設されている。これにより、ゴム可動板58の一方(図1中、下)の面が、下仕切板部材28bに貫設された透孔60bを通じて受圧室46に面している一方、ゴム可動板58の他方(図1中、上)の面が、上仕切板部材28aに貫設された透孔60aを通じて平衡室48に面している。従って、ゴム可動板58には、受圧室46と平衡室48の内圧が両面に及ぼされて、振動入力時に受圧室46と平衡室48の圧力差に基づいて弾性変形乃至は軸方向の変位が生ぜしめられるようになっている。
さらに、仕切部材26における中央凹部56や上下の透孔60a, 60bが協働して受圧室46と平衡室48を相互に連通せしめる第二のオリフィス通路62が形成されている。ゴム可動板58の変形乃至は変位に基づいて第二のオリフィス通路62を通じての流体の流動量が確保されることにより、第二のオリフィス通路62を通じての流体の共振作用乃至はゴム可動板58の変形乃至は変位による液圧吸収作用に基づいて、入力振動に対する低動ばね効果が発揮されるようになっている。
特に本実施形態では、第二のオリフィス通路62を通じての流体の固有振動数乃至はゴム可動板58の固有振動数が、ゴム可動板58の変形乃至は変位に伴う第二のオリフィス通路62を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づいて、例えばアイドリング振動等の100Hz程度の中周波中振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。ゴム可動板58の固有振動数は、例えばゴム可動板58の肉厚寸法や形状等の設定変更に伴いばね特性を設定変更することでチューニング変更されると共に、第二のオリフィス通路62を通じての流体の固有振動数は、例えば中央凹部56や透孔60の断面積や長さ等を設定変更することによりチューニング変更される。また、ゴム可動板58は、それ自体の弾性とゴム可動板58の中央部分における上下の仕切板部材28a,28bへの当接によって弾性変形量が制限されるようになっている。その結果、シェイク等の低周波大振幅の振動入力時には、ゴム可動板58の弾性変形等に伴う液圧吸収が抑えられて、第一のオリフィス通路54を通じての流体流動量が十分に確保されるようになっている。
そこにおいて、本実施形態に係る第一の取付金具12が、鉄やアルミニウム合金等の金属材を用いて、プレス加工にて形成されている。即ち、第一の取付金具12が、略釣鐘形状を呈する薄肉のプレス成形品とされている。また、第一の取付金具12の内周面64が、上方に行くに従って径寸法が略円錐状に次第に小さくなる略テーパ状とされていると共に、第一の取付金具12の底面(底部)66が、軸直角方向に略平坦に広がっている。その結果、第一の取付金具12の内方には、内周面64や底面66を含んで略裁頭円錐台形状の中央凹所68が形成されている。
また、中央凹所68における底面66の略中央には、貫通窓70が貫設されている。貫通窓70の形状や大きさ、数、位置等は、特に限定されるものでないが、本実施形態では、底面66の略中央において大径の略円形状を有している。
また、前述したように、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12や第二の取付金具14と一体加硫成形される際に、本体ゴム弾性体16の小径側端部内周面が第一の取付金具12の外周面の略全体に加硫接着されていることに加えて、本体ゴム弾性体16と一体形成された可動ゴム板としてのゴム弾性膜72が、貫通窓70を全体に亘って覆うように配設されている。それによって、貫通窓70がゴム弾性膜72で流体密に覆蓋されて、ゴム弾性膜72を挟んで軸方向一方(図1中、上)の側に受圧室46が位置せしめられていると共に、軸方向他方(図1中、下)の側に中央凹所68が位置せしめられている。
すなわち、ゴム弾性膜72が、本体ゴム弾性体16の凹所24を構成する壁部の一部、換言すれば、受圧室46の壁部の一部として構成されており、振動入力に伴う受圧室46における所定の大きさの液圧がゴム弾性膜72の弾性変形に基づいて吸収されることにより、該振動に対する低動ばね効果が発揮されるようになっている。また、当該ゴム弾性膜72の軸方向外方(図1中、下)への変形量が、中央凹所68によって許容されるようになっている。
また、中央凹所68の内周面64には、本体ゴム弾性体16やゴム弾性膜72と一体形成された薄肉の被覆ゴム層74が、略全体に亘って加硫接着等により被着されている。
また、中央凹所68には、制限部材としてのストッパ部材76が配設されている。ストッパ部材76は、略裁頭円錐台形状を有していると共に、金属や合成樹脂等の硬質材を用いて形成されている。また、ストッパ部材76の上端部が、軸直角方向に略平坦に広がる略平面視円形状とされている。更に、ストッパ部材76の底部から上端部に至る外周面78が、上方に行くに従って径寸法が略円錐状に次第に小さくなる略テーパ状とされている。そして、ストッパ部材76が、中央凹所68の開口部から嵌め込まれて、その外周面78が第一の取付金具12における被覆ゴム層74を介して内周面64に対して密着状に当接されていることにより、中央凹所68内で固定的に位置決めされている。
特に本実施形態では、ストッパ部材76の高さ寸法が、中央凹所68の深さ寸法と略同じとされていると共に、ストッパ部材76の外周面78におけるテーパの程度が、第一の取付金具12(中央凹所68)の内周面64におけるテーパの程度よりも大きくされている。これにより、ストッパ部材76の中央凹所68への軸方向の入り込み端が規定されていると共に、中央凹所68内において、ストッパ部材76とゴム弾性膜72が軸方向に所定距離:lを隔てて対向位置せしめられている。即ち、ゴム弾性膜72の静的状態下で、ストッパ部材76とゴム弾性膜72の間に所定の大きさのクリアランスが確保されており、ストッパ部材76とゴム弾性膜72が当接しないようになっている。この所定の離隔距離:lは、ストッパ部材76の外周面78のテーパの程度と第一の取付金具12の内周面64のテーパの程度を相対的に設定変更したり、或いは第一の取付金具12やストッパ部材76の形状や大きさ、構造や被覆ゴム層74の厚さ寸法を設定変更すること等により、容易に調整される。
これにより、ゴム弾性膜72の受圧室46から外方に向かう変形量を許容する中央凹所68が、実質的にゴム弾性膜72とストッパ部材76の間に設けられている。また、ゴム弾性膜72が受圧室46から外方に変形して、ストッパ部材76に当接されることによって、ゴム弾性膜72の外方への変形量が制限されるようになっている。
特に本実施形態では、ゴム弾性膜72の固有振動数が、ゴム弾性膜72の弾性変形による液圧吸収作用とストッパ部材76による変形量の制限作用に基づいて、例えば走行こもり音等の数百Hz程度の高周波小振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされている。このようなゴム弾性膜72の固有振動数のチューニングは、例えばゴム弾性膜72や貫通窓70における大きさ(厚さ寸法)や形状やストッパ部材76とゴム弾性膜72の間の離隔距離:lを設定変更すること等により実現される。
また、ストッパ部材76の略中央には、空気連通路80が軸方向に貫設されて、ストッパ部材76の上端部と下端部に開口している。これにより、ストッパ部材76とゴム弾性膜72の対向面間における中央凹所68が、空気連通路80を通じて外部空間に常時連通せしめられている。
また、第一の取付金具12における中央凹所68の開口周縁部には、軸直角方向に環状に広がる鍔状部82が一体形成されている。更に、鍔状部82におけるマウント中心軸を挟んだ軸直角方向一方向(図3中、左右)において、一対のかしめ固定部84,84が一体形成されている。かしめ固定部84は、略矩形平板形状を有しており、鍔状部82の外周縁部から略鉛直方向に延びていると共に、マウント中心軸を挟んだ軸直角方向一方向で離隔して対向位置せしめられている。
また、中央凹所68の開口端面や鍔状部82、各かしめ固定部84には、本体ゴム弾性体16や被覆ゴム層74と一体形成された薄肉のシールゴム層86が、それらの略全体を覆うようにして加硫接着等により被着されている。
上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、受圧室46における所定の大きさの液圧を吸収する第一の液圧吸収機構が、第一の取付金具12の中央凹所68やゴム弾性膜72を含んで構成されていると共に、受圧室46における別の大きさの液圧を吸収する第二の液圧吸収機構が、仕切部材26の中央凹部56やゴム可動板58を含んで構成されている。特に本実施形態では、第二の液圧吸収機構におけるゴム可動板58による受圧室46の壁ばね剛性が、第一の液圧吸収機構におけるゴム弾性膜72による壁ばね剛性よりも小さくされている。
このような構造とされたエンジンマウント10は、図2〜3にも示されているように、第一の取付金具12が取付ブラケット88を介して自動車ボデーに固定されるようになっていると共に、第二の取付金具14がパワーユニットに固定されるようになっている。
取付ブラケット88は、略矩形枠体形状を有しており、剛性の一体的な厚肉金具等を用いて形成されている。また、取付ブラケット88の下方において長手方向(図2中、左右)に延びる下梁部90には、略矩形平板形状を有する固定用脚部92の一対が、略軸直角方向外方に向かって突設されている。各固定用脚部92には、固定用孔94が貫設されている。また、取付ブラケット88の下梁部90には、下方に突出する補強リブ96が、下梁部90の長手方向に沿って連続して延びるように一体形成されていると共に、補強リブ96の両端部が各固定用脚部92と一体形成されている。
また、取付ブラケット88の下梁部90の略中央には、固定板部98が設けられている。固定板部98は、取付ブラケット88の下梁部90から幅方向(図3中、左右)に張り出して該下梁部90の長手方向に沿って延びる長手状の略矩形平板形状とされている。また、固定板部98の下端面(部)が、補強リブ96の基端面(部)となる取付ブラケット88の下端面と略面一とされている。また、固定板部98の幅寸法が、第一の取付金具12における一対のかしめ固定部84,84の対向面間距離よりも小さくされている。
さらに、固定板部98の略中央部分には、所定の深さ寸法の切欠き溝100が凹設されている。切欠き溝100は、固定板部98の上端部から両側壁部、下端部における補強リブ96の基端部に至る周方向長さとされている。
また、エンジンマウント10が取付ブラケット88の枠体内部に嵌め入れられて、第一の取付金具12が取付ブラケット88の下梁部90側に位置せしめられていると共に、第二の取付金具14の上端部101が、取付ブラケット88の上方において長手方向(図2中、左右)に延びる上梁部102と軸方向で離隔して対向位置せしめられている。換言すると、取付ブラケット88の下梁部90が、第一の取付金具12のかしめ固定部84等がある下端部103から軸直角方向(図2中、左右)両側に延び出していると共に、取付ブラケット88の一対の柱部112,112が、第二の取付金具14の軸直角方向両側に、それぞれ所定距離を隔てて位置せしめられている。更に、取付ブラケット88の上梁部102が、第二の取付金具14における第一の取付金具12と軸方向反対側の端部(上端部101)と軸方向に所定距離を隔てて位置せしめられている。これにより、略枠体形状を有する取付ブラケット88が、エンジンマウント10の周りを取り囲むように配設されているのである。また、第二の取付金具14の取付部18が、取付ブラケット88の内側から幅方向一方(図3中、左)に向かって突出している。
そして、第一の取付金具12の開口周縁部に形成された鍔状部82が、取付ブラケット88の固定板部98と軸方向で重ね合わせられていると共に、鍔状部82と一体形成された一対のかしめ固定部84,84が、固定板部98を幅方向両側から挟み込むようにして位置せしめられている。更に、一対のかしめ固定部84,84にかしめ加工が施されていることに基づいて、両かしめ固定部84,84が固定板部98を包み込むようにしてかしめ固定されている。これにより、第一の取付金具12が、取付ブラケット88に対して固定されている。なお、固定板部98の下端部に重ね合わせられた各かしめ固定部84の先端部分が補強リブ96の幅方向外方に、それぞれ離隔位置せしめられていることによって、切欠き溝100の補強リブ96側に位置する端部が外部に開口せしめられている。
特に本実施形態では、鍔状部82等に被着されたシールゴム層86が鍔状部82と固定板部98の間で挟圧保持されていることに基づいて、第一の取付金具12における中央凹所68の開口端面(鍔状部82の下端面)と取付ブラケット88(固定板部98の上端面)との重ね合わせ面間がシールゴム層86でシールされている。
また、第一の取付金具12に固定されたストッパ部材76の下端面が取付ブラケット88の固定板部98の上端面と軸方向で重ね合わせられていると共に、ストッパ部材76に形成された空気連通路80の端部が切欠き溝100に接続されるように位置合わせされている。これにより、第一の取付金具12内におけるゴム弾性膜72とストッパ部材76間の中央凹所68が、空気連通路80と切欠き溝100を通じて外部空間に常時連通せしめられている。
また、本実施形態では、取付ブラケット88における第二の取付金具14の軸方向反対側端部との対向部位において、第二の取付金具14との緩衝的な当接によって第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向離隔方向での相対的な変位量を制限するリバウンドストッパ部106が設けられている。即ち、第二の取付金具14の軸方向反対側端部としての上端部101と取付ブラケット88における該上端部101との対向部位としての上梁部102が、鉛直方向(図1〜3中、上下)で互いに所定距離を隔てて対向位置せしめられている。また、第二の取付金具14の上端部101における上梁部102と対向位置せしめられた部位には、本体ゴム弾性体16と一体形成された緩衝ゴム層104の一対が上梁部102に向かって突設されている。而して、車両への装着状態下で、パワーユニットが車両ボデーに対して鉛直上方に大きく変位した際に、第二の取付金具14が緩衝ゴム層104を介して取付ブラケット88の上梁部102に当接することに基づいて、パワーユニットの車両ボデーに対する相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。このことからも明らかなように、本実施形態に係るリバウンドストッパ部106が、第二の取付金具14や取付ブラケット88の上梁部102、緩衝ゴム層104を含んで構成されている。
また、本実施形態では、取付ブラケット88における第二の取付金具14の軸方向端部との対向部位において、第二の取付金具14との緩衝的な当接によって第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向接近方向での相対的な変位量を制限するバウンドストッパ部110が設けられている。即ち、第二の取付金具14の軸方向端部としての下端部103と取付ブラケット88における該下端部103との対向部位としての下梁部90が、鉛直方向(図1〜3中、上下方向)で互いに所定距離を隔てて対向位置せしめられている。また、第二の取付金具14の下端部103における下梁部90と対向位置せしめられた部位には、本体ゴム弾性体16と一体形成された緩衝ゴム層108の一対が下梁部90に向かって突設されている。而して、車両への装着状態下で、パワーユニットが車両ボデーに対して鉛直下方に大きく変位した際に、第二の取付金具14が緩衝ゴム層108を介して取付ブラケット88の下梁部90に当接することに基づいて、パワーユニットの車両ボデーに対する相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。このことからも明らかなように、本実施形態に係るバウンドストッパ部110が、第二の取付金具14や取付ブラケット88の下梁部90、緩衝ゴム層108を含んで構成されている。
さらに、本実施形態では、取付ブラケット88における第二の取付金具14の軸直角方向端部との対向部位において、第二の取付金具14との緩衝的な当接によって第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸直角方向(図2中、左右)での相対的な変位量を制限するサイドストッパ部116が設けられている。即ち、取付ブラケット88における上梁部102と下梁部90の間において略鉛直方向(図2,3中、上下)に延びてそれら上下の梁部90,102を連結する一対の柱部112,112が、第二の取付金具14の軸直角方向端部としての周壁部115と水平方向(軸直角方向)で、それぞれ所定距離を隔てて対向位置せしめられている。それによって、一対の柱部112,112が、第二の取付金具14の周壁部115の対向部位とされている。また、第二の取付金具14の周壁部115における取付ブラケット88の各柱部112との対向部位には、本体ゴム弾性体16と一体形成された緩衝ゴム層114の一対が取付ブラケット88の柱部112に向かって、それぞれ突設されている。而して、車両への装着状態下で、パワーユニットが車両ボデーに対して水平方向に大きく変位した際に、第二の取付金具14が緩衝ゴム層114を介して取付ブラケット88の両柱部112,112の少なくとも一方に当接することに基づいて、パワーユニットの車両ボデーに対する相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。このことからも明らかなように、本実施形態に係るサイドストッパ部116が、第二の取付金具14や取付ブラケット88の一対の柱部112,112、緩衝ゴム層114を含んで構成されている。
そして、このような取付ブラケット88が固定されたエンジンマウント10が、取付ブラケット88における上梁部102が下梁部90よりも上方に位置してそれら上下の梁部90,102の対向方向が車両の略上下方向となると共に、一対の柱部112,112の対向方向が車両の略前後方向となるように配置されて、取付ブラケット88の各固定用脚部92の固定用孔94に固定ボルトが挿通されて車両ボデーに螺着固定されることによって、第一の取付金具12が取付ブラケット88を介して車両ボデーに固定されるようになっている。また、第二の取付金具14の取付部18の固定用孔20に固定ボルトが挿通されてパワーユニットの取付部材(図示せず)に螺着固定されることによって、第二の取付金具14がパワーユニットに固定されるようになっている。これにより、エンジンマウント10が、パワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめるようになっている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、シェイク等の低周波数域の振動が入力された際に、受圧室46に惹起される圧力変動が大きくて、第一の液圧吸収機構におけるゴム弾性膜72や第二の液圧吸収機構におけるゴム可動板58が変位乃至は変形され難くなることから、受圧室46と平衡室48の間に相対的な圧力変動が有効に生ぜしめられて、第一のオリフィス通路54を通じての流体流動量が十分に確保される。これにより、シェイク等の低周波数域の振動入力時には、第一のオリフィス通路54を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、防振効果が有利に発揮され得る。
また、アイドリング振動等の中周波数域の振動が入力された際には、第一のオリフィス通路54の流通抵抗が著しく増大して実質的に閉塞状態となる。そこにおいて、ゴム弾性膜72による受圧室46の壁ばね剛性がゴム可動板58による受圧室46の壁ばね剛性よりも小さく設定されていることに基づいて、受圧室46に惹起される圧力変動がゴム弾性膜72の変位乃至は変形によって吸収されることが抑えられる。その結果、受圧室46と平衡室48の相対的な圧力変動が有効に惹起せしめられて、ゴム可動板58が有利に変位乃至は変形せしめられることとなり、第二のオリフィス通路62を通じての流体流動量が十分に確保される。その結果、アイドリング振動等の中周波数域の振動入力時には、第二のオリフィス通路62を通じての流体の共振作用等の流動作用や第二の液圧吸収機構におけるゴム可動板58の変位乃至は変形による液圧吸収作用に基づいて、防振効果が有利に発揮され得る。
さらに、走行こもり音等の高周波数域の振動が入力された際には、第二のオリフィス通路62の流通抵抗が著しく増大して実質的に閉塞状態となるが、第一の液圧吸収機構におけるゴム弾性膜72の弾性変形に基づいて受圧室46の急激な圧力変動の上昇が軽減乃至は回避されることとなり、高動ばね化が有利に抑えられる。それ故、走行こもり音等の高周波数域の振動入力時にあっても、第一の液圧吸収機構におけるゴム弾性膜72の弾性変形に基づいて、防振効果が安定して得られるのである。
そこにおいて、本実施形態では、防振上はデッドスペースであった第一の取付金具12の内部にゴム弾性膜72の外方への弾性変形を許容する中央凹所68が形成されていると共に、そこにゴム弾性膜72の外方への変形量を制限するストッパ部材76が配設されている。これにより、スペースが有効活用されてコンパクト化が有利に図られ得る。また、ストッパ部材76が、第一の取付金具12の中央凹所68に嵌め込んで固定されていることによって、受圧室46や平衡室48等のあるマウント10の内部に設けられる必要がないことから、構造の簡易化が有利に図られ得る。
また、例えば、かかるストッパ部材76を高さ寸法の異なる別のストッパ部材と取り替えて、ゴム弾性膜72とストッパ部材の間の離隔距離:lを設定変更することにより、ゴム弾性膜72を含む第一及び第二の取付金具12,14や本体ゴム弾性体16等を交換することなく、ゴム弾性膜72を含む第一の液圧吸収機構の特性がチューニング変更される。それ故、防振すべき振動に対して所望の特性にチューニング変更することが容易に可能となり、目的とする防振効果が有利に得られるのである。
しかも、従来構造の液圧吸収機構における可動板のように受圧室と平衡室の各液圧がゴム弾性膜72の上下各面に作用せしめられるようになっておらず、受圧室46の圧力が作用せしめられるゴム弾性膜72の上面に対して、反対側となるゴム弾性膜72の下面には、大気圧が及ぼされることとなる。それ故、従来構造の液圧吸収機構に比して、ゴム弾性膜72のばね定数を実質的に維持したまま、減衰をさげる等して、ゴム弾性膜72の共振作用がより効率的に生ぜしめられるようにすることも出来るし、ゴム弾性膜72の共振周波数をより高周波数域にまでチューニングすることも可能となる。これにより、ゴム弾性膜72の共振作用を利用して液圧吸収による高周波数域の低動ばね効果を得ることも可能となるなど、防振特性の向上とチューニング自由度の向上が図られ得ることとなる。
ところで、従来構造の自動車用エンジンマウントにおいては、クランキング時や路面凹凸等による大きな振動荷重の入力時に、異音や衝撃の発生が問題となる場合のあることが指摘されている。
そこで、かかる問題に対処するために、例えば、実開昭62−11027号公報や特開昭63−30625号公報等にも示されているように、受圧室の壁部の一部をゴム板で構成することが提案されている。このようなマウントでは、急激な負圧の発生をゴム板の弾性変形等に基づいて軽減乃至は吸収することにより、エア分離が抑えられ、それによって、異音や打音を抑えるようになっている。なお、ゴム板は、急激な負圧発生を速やかに解消するために、ある程度容易に変形し得るものであることが望ましい。
ところが、そのような構造のエンジンマウントにおいては、ゴム板の変形を容易に許容すると、防振を目的とする振動の入力時における受圧室の圧力変動に対しても、ゴム板が弾性変形して受圧室の圧力変動を吸収してしまうことが避けられない。そのために、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体量が抑えられてしまって、オリフィス効果が低下してしまい易いという問題があったのである。
ここにおいて、本実施形態に係るエンジンマウント10では、上述の如き従来構造のマウントに係る問題が有利に解消される。即ち、衝撃的な振動が入力された場合には、ゴム弾性膜72が受圧室46側に膨らむことにより、受圧室46の負圧が速やかに軽減乃至は解消される。従って、受圧室46での気層分離が抑えられて、気層の再溶解に伴う衝撃(異音や振動)が軽減され得る。
一方、ゴム弾性膜72の外側には、ストッパ部材76が隙間(中央凹所68)を隔てて控えていることによって、ゴム弾性膜72の外方への膨らみ変形が十分に抑えられる。これにより、受圧室46内で負圧が大きく生ぜしめられた際にゴム弾性膜72が受圧室46側に追従変形されることに基づく振動低減効果を十分に享受しつつ、振動入力時に、正圧が有効に生ぜしめられる。その結果、受圧室46と平衡室48の間での相対的な圧力変動が有効に惹起されることに基づいて、第一のオリフィス通路54を流動せしめられる流体量が十分に確保されることとなり、目的とするオリフィス効果に基づく防振効果が有利に発揮され得るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、第一の取付金具12が、かしめ固定部84を一体的に備えたプレス成形品にて形成されていたが、取付ブラケット88に対してボルト固定される取付片を一体的に備えた鋳造品等にて形成されていても良い。
また、前記実施形態では、ゴム可動板58を備えた第二の液圧吸収機構や第二のオリフィス通路62が設けられていたが、これらはマウント10に要求される防振特性等に応じて任意に採用されるものであり、必ずしも設けられる必要なはい。
また、前記実施形態では、パワーユニットを載荷支持するタイプのマウントに本発明を適用したものの具体例を示したが、例えば特開平8−219226号公報等にも示されている如きパワーユニットを吊り下げ支持するタイプのマウントにも、同様に適用される。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウント等や、或いは自動車以外に用いられる各種の防振装置に対しても適用可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図である。 図1における自動車用エンジンマウントを取付ブラケットに取り付けた形態を示す正面説明図である。 図2におけるIII −III 断面説明図である。
符号の説明
10 自動車用エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
26 仕切部材
40 ダイヤフラム
44 密閉領域
46 受圧室
48 平衡室
54 第一のオリフィス通路
66 底面
68 中央凹所
70 貫通窓
72 ゴム弾性膜
76 ストッパ部材

Claims (9)

  1. 第一の取付部材を、筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に閉塞する一方、該第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で流体密に閉塞せしめて、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に形成された密閉領域に非圧縮性流体を封入すると共に、該密閉領域に仕切部材を収容して該第二の取付部材で支持せしめ、該仕切部材の一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室を第一のオリフィス通路によって相互に連通せしめた流体封入式防振装置であって、
    前記第一の取付部材において軸方向外方に開口する中央凹所を形成して、該中央凹所の底部に貫通窓を設ける一方、前記本体ゴム弾性体を該第一の取付部材に対して固着せしめて、該貫通窓を流体密に覆蓋する可動ゴム板を該本体ゴム弾性体によって形成し、前記受圧室の圧力変動に際しての該可動ゴム板の弾性変形が該中央凹所によって許容されるようにして第一の液圧吸収機構を構成すると共に、該中央凹所の開口部からその内部に入り込む制限部材を該第一の取付部材に固定して、該可動ゴム板を該制限部材に対して所定距離を隔てて対向位置せしめることにより、該可動ゴム板の該中央凹所側への弾性変形量が該制限部材への当接によって制限されるようにしたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記第一の取付部材がプレス成形品である請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記第一の取付部材における前記中央凹所の開口周縁部において、外周側に広がるかしめ固定部が一体形成されていると共に、該第一の取付部材における該中央凹所の開口側の面に対して取付ブラケットが重ね合わされており、該取付ブラケットに対して該かしめ固定部がかしめ固定されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記取付ブラケットが枠体形状を有しており、前記第一の取付部材から軸直角方向両側に延び出して前記第二の取付部材の両側から軸方向反対側を所定距離を隔てて取り囲むようにされていると共に、該取付ブラケットにおける該第二の取付部材の軸方向反対側端部との対向部位において、該第二の取付部材との緩衝的な当接によって該第一の取付部材と該第二の取付部材の軸方向離隔方向での相対的な変位量を制限するリバウンドストッパ部が設けられている請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記第一の取付部材における前記中央凹所が、軸方向で底部側に行くに従って次第に小径となる略テーパ状の内周面と、略平坦な底面を備えており、該底面の中央に前記貫通窓が形成されていると共に、略テーパ状の該内周面に対して前記制限部材の外周面が当接されることにより、該制限部材の該中央凹所への軸方向の入り込み端が規定されると共に、該制限部材が該中央凹所内で固定的に位置決めされている請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記第一の取付部材において、前記制限部材の外周面が当接せしめられる前記中央凹所の内周面に対して被覆ゴム層が被着されている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記中央凹所を外部空間に対して常時連通せしめる空気連通路が設けられている請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記第一の取付部材における前記中央凹所の開口端面に対してシールゴム層が被着形成されており、該開口端面と前記取付ブラケットとの重ね合わせ面間が該シールゴム層でシールされることによって前記中央凹所が流体密に覆蓋されている請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記仕切部材によって所定距離変位可能な可動部材を支持せしめて、該可動部材の一方の面に前記受圧室の圧力が作用せしめられるようにすると共に、該可動部材の他方の面に前記平衡室の圧力が作用せしめられるようにして第二の液圧吸収機構を構成して、該可動部材と該受圧室及び/又は該平衡室との間に第二のオリフィス通路を形成し、該第二のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングする一方、該第二の液圧吸収機構における該可動部材による該受圧室の壁ばね剛性を、前記第一の液圧吸収機構における前記可動ゴム板による該受圧室の壁ばね剛性よりも小さく設定した請求項1乃至8の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008215529A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
JP2012087893A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置

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